勇者「が、がいこつになっているだと?」(76)

勇者A「く…にげろ、にげるんだXXX。」

勇者C「お前じゃ無理だ…。せめてお前だけでも。」

勇者F「…。」

魔王「まだ息があるやつがいるか。ぬん!!」

 魔王は灼熱の息を吐いた!勇者A・Cは息絶えた。

魔王「ふはは、13人いた勇者の集まりも貴様ひとりになったな。さぁどうする?」

勇者XXX「…。」

魔王「恐怖で声も出ぬか。」

勇者XXX「わたしじゃあなたを倒すことはできない。でもあなたを封じることならできます!」

 勇者XXXは封じのオーブを掲げた!

魔王「そ、そのオーブは?!!貴様!!」

勇者XXX「そうです。使用者を術の柱として使用者ごと魔物を封じるオーブです。わたしと一緒に石像となって永久にこの世界を眺めましょう。」

 封じのオーブは光を発し、そして周囲の輪郭を奪っていった!勇者XXXと魔王は徐々に石化していく!

魔王「ぬおおおおおお!!!!自らを犠牲にして余を封じるというのか、ぬうぅうう、何百年か後、封印が解けたあかつきには先ず貴様から血祭にあげてやるわ!!」パキパキパキ

勇者XXX「ふふふ、楽しみにしていますよ。」パキパキ パき

勇者XXXが自らごと魔王を封印し平和がおとずれた。しかし魔族の力は衰えはしたが、人間と魔族の争いは完全には消えることはなかった。

十数年後…。

【はじまりの町 アルファ】

僧侶「おねえさーん、仲間募集にきました~。」

パーティー紹介所受付嬢「ようこそ、ここは魔物と戦うためのパーティーメンバーをご紹介する場所です。どのような方をお求めですか。」

僧侶「戦士です。剣士でもいいです。」

受付嬢「もうちょっと具体的な希望はありますか?」

僧侶「特に理想はありませんが、かわいくて色白で細見な女の子がいいです。」

受付嬢「はい?」

僧侶「あとですね、髪は黒髪ロングで胸はむしろ小さいほうがいいです。」

受付嬢「は、はぁ。」(だめだこいつ。)

僧侶「それでですね、僕は注文が多い方ではないのですが…って聞いてますか?」

受付嬢「はいはい、聞いてます。あ!そういえばひとり該当する方がいますね!」

僧侶「え?仲間って互いの短所を補いあう者なので多くは求めないですけどね。その人でいいです。」キリッ

数分後

受付嬢「おまたせしました。この方が色白で細見、髪は黒髪でロング、やせ形の女性戦士ブランカさんです。」

僧侶「色白で」
全身大理石のように白い透き通った肢体。

僧侶「細見」
無駄な贅肉がいっさいない、むしろ肉がいっさいない痩せた体幹。

僧侶「黒髪でロング。」
唯一のタンパク質である、流れるように真っ直ぐでビロードの様な黒髪。

僧侶「やせ形…。」
肋骨が丸見えなほど控えめな女性のシンボル。

僧侶「って、アンデッドじゃねーか!!」

骸骨戦士「は、はじめまして~よろしくおねがいします。////」

受付嬢「当店ではお客様との約束を裏切らないのが経営方針です!」キリッ

僧侶「ばかやろー!白骨ならそら色白で細見で胸控えめだわ!だましたな!」

僧侶(くそ。結局ことわりきれず白骨死体を仲間にしてしまった。)

骸骨戦士「わたしブランカっていいます。これからよろしくお願いしますね。」ペコリ

僧侶「お、おう」(なんだかんだでいちゃもんつけてパーティーから首にするか。実力がたりないとかでな。)

―骸骨戦士の攻撃!キラーマシーンを倒した!―

僧侶「うは、あっさり。」(く、こいつけっこう強いわ。)

骸骨戦士「ふーてこずってしまいましたね。」

僧侶「おまえやるなぁ。」(これじゃあ実力が足りないって首にする方向は無理か。)

骸骨戦士「そんな、わたしなんてまだまだですよ。それにいくつかよけきれませんでしたし。」

僧侶「回復してやんよ。」(あのモンスター相手にこの程度のダメージか、大したものだな。)

―僧侶はホイミを唱えた!骸骨戦士に65のダメージ!―

骸骨戦士「ぎゃーーー!浄化されるぅううう!」

僧侶「く、所詮アンデッドか…。」

* * * * *

東の町の町長「今回依頼したいのは東のほこらの攻略です。そこはかつては隣国との交通として使用していたのですが今では魔族が棲みつき周辺の人間を襲うため今では誰もちかよりません。それどころか最近は我が町まで襲ってくるようになったのです。」

僧侶「はあ。」

東の町の町長「かなりの強敵なため、何組か他のパーティーの方々にも依頼してあります。皆さま方には東のほこらの入り口に集合していただき共同で攻略していただきたい。」

僧侶「わかった。」

【東のほこら入口】
骸骨戦士「ほこらに棲みついて人々を襲うなんて許せませんね!こらしめてやらないと!」

僧侶「そ、そうだね。」(こいつ白骨死体のくせに正義感は強いのな。)

戦士や魔法使い、僧侶などパーティーの集まり「「わいわいがやがや」」

僧侶「お、あれが今回東のほこら攻略のメンバーだな。こんにちは!今回東のほこら攻略に参加させてもらいます、僧侶です。」

勇者モブ「おぉ、回復系とはこころ強い。どうぞよろしく頼むよ!」

骸骨戦士「は、はじめまして!同じくブランカです。どうぞよろしくお願いいたします。」

勇者モブ「く、こちらの態勢が整う前にいきなり現れるとは!!モンスターめ!小賢しいやつだ!!!」ジャキン

骸骨戦士「」ガーーーン!

僧侶「気持ちは分かる。」ウンウン

【東のほこら内部】

勇者モブ「じゃあ俺が言ったように隊列を組んで進むよ!先遣隊がある程度攻略してくれているから、まずは彼らと落ちあおう。」

僧侶「あの人なかなかのリーダーシップだな。初めてあった僕らをここまでまとめあげるなんて。」

骸骨戦士「…。」

僧侶「結構ほこら内部も把握しているみたいだし。諸国で勇者認定された奴なんて使えないっていわれてるけどあの人は本物そうだな。」

骸骨戦士「…。」

僧侶「おい?聞いてるのか?」

骸骨戦士「ネクロマンサーに操られてるアンデッドが勝手に喋ったらおかしくないですか?」ドドド

僧侶「お、おこってんのか?しょうがないだろ?ああ言わないとみんな納得しなかったし。」

骸骨戦士「別におこってませんもん。ただわたしだって女の子なんだから…。」ブツクサブツクサ

ぼろぼろの戦士「た、たすけてくれ~。」

僧侶&骸骨戦士「!」

勇者モブ「先遣隊の戦士くんじゃないか!おい君、大丈夫か!他の先遣隊の仲間はどうしたんだ?」

ぼろぼろの戦士「みんなやられちまったよ!!俺たちじゃ、こんな数じゃアイツには勝てない!!逃げよう!!」

「あいつこの前の剣術試合で準優勝だったやつじゃねえか。」ザワザワ
「あぁ自信満々で嫌なやつだったが実力は本物だった。」ザワザワ
「あいつがあんなに取り乱すなんて…。」ザワザワ

勇者モブ「落ち着くんだ。危険な目にあわせてすまなかった。俺たちがきたからにはもう大丈夫だ。」(彼がこんなにとりみだすなんて。動揺が皆に伝染してしまう。)

黒い影「ИАΞЁ КαЁ。」ザッ

勇者モブ「!」

ぼろぼろの戦士「ひぃいいいい!!アイツが来たぁあ。」

勇者モブ「後方支援組の方は彼を安全なところへ!主要部隊は敵を迎え撃つぞ!!」

―アークデーモンがあらわれた!―

デーモン「ニンゲンガコンナニイルトハ。ケウハ、クゥニコマラヌナ。」

勇者モブ「く、アークデーモンか。まさかこんな強敵がこんな所にいるとは。」

僧侶「あの勇者がこの反応なんてアイツまさかかなりのモンスターなのか…。」

骸骨戦士「あら、モンスターきましたね。」

勇者モブ「みんな!同時に攻撃するぞ!くらえ!!」

戦士たちの攻撃!しかしアークデーモンはダメージを受けない!
勇者モブの攻撃!しかしアークデーモンはひらりと攻撃をよけた!

デーモン「ニヤァ」

アークデーモンの攻撃!勇者モブや取り巻きの戦士たちに痛恨の一撃!

勇者モブ「グハ!」
取り巻き達「「うわぁ」」 「あぐぅ」

勇者モブ「つ、強い…。」

ぼろぼろの戦士「うわぁぁあぁああぁあ、やっぱりだめだぁああ!!」

デーモン「グハハハハ、モロイモノダナニンゲ…」

ズバン!!

骸骨戦士の攻撃!アークデーモンの首をはねた!

勇者モブ「!」
ぼろぼろの戦士「!」
デーモン「フェ?」

骸骨戦士「うん♪」

アークデーモンをたおした!

勇者モブ「た、たおした?一撃で…。」

骸骨戦士「こんな敵がここにいるなんてめずらしいですね。さぁさらに先に進んでボスをたおしましょう。」

僧侶「ブランカ、そいつがボスだよ…。」

骸骨戦士「?」←わかってない。

(念のため皆でほこらの奥底まで進んだが、ボスをやられた魔物達は逃げ出しており、当然アークデーモンを超えるモンスターはいなかった。)

* * * * *
東の町の町長「やぁやぁ東のほこら攻略お疲れ様です!皆さまはこの町の英雄です。これで我々は安心してくらせていけます!」

勇者モブ「いえ、魔物と戦う冒険者として当然の義務です。それに私はなにもしていません。」

東の町の町長「またまた勇者様はご謙遜を。討伐隊のリーダーをつとめていただきありがとうございました。今日は堅いことは抜きです。さぁさぁ皆我らの英雄をおもてなしするですよ!」

踊り子達「「はぁ~~~い」」

東の町の町長「この町の伝統の踊りと地酒をどうぞこころゆくまでお楽しみください!」

村娘「どーぞ僧侶様!」

僧侶「む!僕は修行の身。でもこんなかわいい子がお酌してくれるならのんじゃおっかなぁ?」

村娘「お上手ね~。」

骸骨戦士「僧侶様。鼻のした伸びすぎです!」

僧侶「しょ?しょうかな~?」デヘデヘ

骸骨戦士「もう!でもこんな姿では皆と一緒に食事を楽しむことはできませんが、皆さんが楽しそうにしている様をみているのはいいですねぇ。しかしアークデーモンごときがボスを張るなんて平和になったものです。」シミジミ

村の役員「おい、お前?」

骸骨戦士「はい?」

村の役員「わりぃいが、今日は遠慮してくれねえか?」

骸骨戦士「え?」

村の役員「俺らを襲ったやつらとは違うって知っててもお前みたいな魔物がいると場がしらけちまうんだわ。」

骸骨戦士「は、はい。すいません。」

僧侶「…。」

* * * * *
【町はずれ】

「キャハハハハハ」「ワハハハハハ」

骸骨戦士「皆の声楽しそうだな。」

「イヤーオレノユウシヲミシテヤリタカッタヨ!」「キャーカッコイイ」

骸骨戦士(本当はこの姿ですら世界をめぐることもできなかったんだから。贅沢だよね。)

骸骨戦士「さみしくなんかないもん。」グス

僧侶「おい。」

骸骨戦士「そ、僧侶様!」ビク

僧侶「こんな暗い外でたたずんでたら魔物が襲ってきたって思われるぞ?」

骸骨戦士「ひ、ひどいです!今はちょっと変わった姿ですけど…。って僧侶様はどうしたんですか?」

僧侶「あきたからふけてきた。」

骸骨戦士「あんなに、村の女の子たちにもててたのに…。」

僧侶「ふられた。」

骸骨戦士「そ、それは残念でしたね僧侶様。」(気にしてきてくれたんでしょうか。)

僧侶「おい。」

骸骨戦士「はい?」

僧侶「パーティーってのは冒険でもそれ以外でも一緒に行動するもんだ。お前は僕のパーティーなんだからな。」

骸骨戦士「は、はい!ありがとうございます!」

僧侶「ふん。」(くそ、首にしづらくなっちまった。)

【宿屋】
骸骨戦士「えー!一緒の部屋なんですかぁ?」

僧侶「ああん?二つも部屋借りるムダ金あるか!」

骸骨戦士「え、でも、男の人と二人でって…///」モジモジ

僧侶「僕は骨格標本をダッチワイフにする特殊な性癖はないぞ?」

【宿屋 朝】
骸骨戦士「おはようございます!!」ニコニコ

僧侶「う、おはよ…。朝から元気だな…。」(なんだ機嫌いいな?)

骸骨戦士「こんないい天気なのに寝てたらもったいないですよ?お買いものに行きましょう!」

僧侶「く、わかったわかった。」

【東の町 商店街】
骸骨戦士「わー色々お店がありますよ!あー僧侶様みて下さい!あのお店かわいい!」

僧侶「あー二日よいだわ…。キンキン声でしゃべんないでくんねえ?」

骸骨戦士「す、すいません。こういうとこきたの久しぶりなもんですから。」ションボリ

僧侶「ちっそんな哀しそうな顔するなよ。わかったわかったお前の好きなところいこうぜ。」(そら白骨死体が日常的に商店街でショッピングできねえか。)

骸骨戦士「あー!!あそこのお店はいってみたいです!!」

僧侶「く、こいつ分かってねえ。」キーーン

僧侶(それにしても楽しそうだな。)

【よろずや】
骸骨戦士「これもかわいい、これもいいなぁ。これなんてもう!」

僧侶「あー金切り声がガンガンくる!」

骸骨戦士「す、すいません。」

僧侶「お前にはこれを買ってやる。」

つ骨壺

骸骨戦士「ひどくないですか?!って、このリボンかわいい!」

店主「お。君、アンデッドのくせにセンスあるねぇ。それは都会で人気のブランドのリボンさ。」

骸骨戦士「そ、そうなんですか、ところでいくらなんですか?」

店主「ざっとこんなもんかな?」

僧侶「たけぇ。」

骸骨戦士「さすがに防具でもないものに手が出ないです…。」ションボリ

僧侶「そうだな鉄骨飲料でがまんしとけ。」

【宿屋 夜】

骸骨戦士「あー今日は色々ありましたけど楽しかったです。」

僧侶「そうだな。最後お前が犬に食われかけたりとか、うけたな。」

骸骨戦士「わ、笑いごとじゃありません!おかげで腓骨が短くなっちゃったんですから!」

僧侶「そうだ。おい、これ。」

骸骨戦士「え?これはリボン。どうして?」

僧侶「お前欲しがってたからな。」

骸骨戦士「あ、ありがとうございます!嬉しい!」ニタァ

僧侶「」ゾゾゾ

僧侶「お前笑顔怖いな。」

骸骨戦士「ひどいです!」

僧侶(なんか、首にするタイミング見失なっちまったな。)

【旅の道中】
僧侶「そういえばお前なんで魔王を裏切って人間側になったんだ?」

骸骨戦士「え?わたしは最初から人間側ですが?」

僧侶「うん?」

骸骨戦士「あの…僧侶様。わたしも最初からこんな姿だったわけじゃありませんよ…。」

僧侶「え!!そうなの?!」

骸骨戦士「ひ、ひどいです!」

僧侶「へー、じゃあ何でそんな気持ち悪い姿なの?」

骸骨戦士「しれっとひどくないですか?えっと、何ていうかですね。」

僧侶「なんか呪われてんの?」

骸骨戦士「そ、そうですね。の、呪いみたいなもんです。」(本当のことをいっても信じてもらえないでしょう。)

僧侶「ふぅん。」

骸骨戦士「そういえば我々はどこにむかってるんですか?」

僧侶「え?サターノプリズンっていったじゃん朝。」

骸骨戦士「え、あ、そ、そうですか。」

 サターノプリズンとは魔王の牢獄という意味の街である。勇者XXXが自らを犠牲に、魔王を封印した場所だ。石像となった勇者XXXと魔王を中心に教会が祭られている。二人の石像は一般公開されており今では観光地としてにぎわっている。

【勇者XXXと魔王の石像が祭られる街 サターノプリズン】

わいわいがやがや

僧侶「すごい人だな。」

骸骨戦士「ですね。」

係員「勇者XXXと魔王の石像は3時間待ちです。整理券をお持ちでない方ははいれません!」

「ナンダトー」「いけずー」ワイワイガヤガヤ

僧侶「中に入るのは無理だな。」

骸骨戦士「相変わらずですね。」

僧侶「うん?お前ここ来たことあるのか?」

骸骨戦士「ちょ、ちょっとだけですけど。」

僧侶「ふーん。」

骸骨戦士(さすがに本当のことは言えませんね。)

【回想シーン】
石化した勇者XXX(わたしが魔王を封印してから十数年がたちました。)

石化した勇者XXX(ですが、まだ人間と魔族はあらそっているようですね。)

石化した勇者XXX(封印したとはいえ魔王の石像から漏れた魔力がモンスターたちをうごめかしているのでしょう。)

石化した勇者XXX(ならば、さらに強力な封印を上書きしてくれる者がいればそれもおさまるはず。)

石化した勇者XXX(封印がすこし緩みますがわたし自ら捜しにいくこととしましょう。)

―勇者XXXは呪文を唱えた。勇者XXXの化身が大地に現れた。―

骸骨戦士「ふふ、肉体までは再現できませんでしたが、人探しならこの姿で十分でしょう。」

骸骨戦士(そうこうしていて1年たちましたがなかなか見つからないものですね。)

骸骨戦士(いや、それはわたしのいいわけかもしれません。)

骸骨戦士(封印を上書きすれば、もう化身として世界を旅することはできません。)

骸骨戦士(それまでに世界は魅力的です。)

骸骨戦士(僧侶様との旅をわたしはまだ続けたいのですね。)

僧侶「おい?聞いてるのか?」

骸骨戦士「は、はい?すいませんなんでしょう?」

僧侶「だから、宿屋代もったいないからお前骨格標本のふりしろよって話だよ!」

骸骨戦士「どんな扱いですかそれー!」(うぅ、さっきの発言は撤回です。)

【宿屋】

宿屋の主人「いやさね、前はこんなに待ち時間は長くなかったよ。」

宿屋の主人「でもさ数年前力のある魔物たちがやってきて、魔王の封印を解除しようとしたことがあったんだよ。その時は追い返すことができたけど、それ以来警備が厳しくなってね。待ち時間は倍増さ。」

宿屋の主人「でも、宿泊客も倍増でこっちは潤ってるがね。ははは。」

僧侶「なるほど。昼間は無理か。」

【宿屋 夜】

僧侶 ムク コソコソ

骸骨戦士「僧侶様どこへ?」ヌボー

僧侶「うお。お前暗闇でその顔やめろよ。」ビクッ

骸骨戦士「地顔です!」

僧侶「夜中なら観光客もいないだろ?お前ラリホーできるよな?」

骸骨戦士「へ?」

【神殿 入り口】

警備兵「すやすや」

警備兵「むにゃむにゃ」

骸骨戦士「とりあえず警備の人はみんな寝ましたね。しかし、なんでわたしがこんなこと…。」

骸骨戦士「僧侶様はなんでこんなにわたしの石像をみたいんでしょうか。」

【神殿 勇者XXXと魔王の石像前】

僧侶「」ジー 真剣

骸骨戦士「ちょ、どこみてるんですか?///」

僧侶「いや、この角度なら見えるかなって思って。」

骸骨戦士「いっときますけど中はスパッツですよ?」

僧侶「お前詳しいのな…。」ガッカリ

骸骨戦士「それより僧侶様そろそろ行きませんか?ラリホーも効力がきれてしまいます。」

僧侶「勇者XXXってかわいいよな。」

骸骨戦士「えええぇ?!///」ボン

僧侶「なんでお前が照れてんだよ?」

骸骨戦士「いえ、あの。」アセアセ

僧侶「勇者XXXの封印って解いちゃいけないのかな。皆で準備しておけば魔王も倒せるんじゃないのか?」

骸骨戦士「!」

僧侶「お前みたいな強いやつがいれば勝てるんじゃないのか?勇者XXXも戦ってくれるだろうし。」

骸骨戦士「それは無理です。」キッパリ

僧侶「ずいぶんキッパリというな。」

骸骨戦士「13人の勇者が魔王に挑んだのは知ってますね?」

僧侶「うん。」

骸骨戦士「確かに勇者XXXは魔法力には長けていたため魔王を封印することはできました。しかし13人の勇者の中では最弱でした。そして残りの12人の勇者は魔王の前になすすべもなく倒れたんですよ。」

僧侶「魔王ってそんなに強いのか。」

骸骨戦士「はい。」

僧侶「そうか…。」

骸骨戦士「僧侶様は何故、あえて魔王を倒そうとするのですか?」

僧侶「僕はガキのころ勇者XXXに会ったことがあるんだ。」

骸骨戦士「え?」

僧侶「13人の勇者達がうちの村に泊ったことがあったんだ。村総出で歓迎会をしたんだけだどな、ガキだった僕は魔王に勝てないときのことを考えて怖くて泣いてしまった。」

骸骨戦士(そういえば魔王城にむかう途中小さな村で野営をしたことがありましたね。)

僧侶「泣いている僕に勇者XXXがいってくれたよ。“わたしが全部の人を救って見せる”ってさ。」

骸骨戦士「…。」(そんなこといったっけ?ハズカシイデス。)

僧侶「でも救われたのは全部の人じゃない。」

骸骨戦士「え?そうですね…。まだ魔王は石像ながらも生きていますもんね。」(だからこそわたしは…。)

僧侶「うん?違うだろ。勇者XXXが救われてない。」

骸骨戦士「へ。」

僧侶「全部の人っていったら、勇者XXX自身も入らなきゃだめだ。僕は勇者XXXを石像から戻して、魔王を倒すのが夢なんだ。」

骸骨戦士「僧侶様…。」

骸骨戦士(なんだか胸が暖かくなりました。)

骸骨戦士(ふふ、本当に優しい人ですね。わたしを勇者としてでなく個人として見てくれている。)

骸骨戦士(これだけで満足できそうです。わたしはこの言葉だけで永遠に石像であることを受け入れられそうです。)

僧侶「チュ」

骸骨戦士「でこちゅー!!///」

僧侶「ははっこれぐらいいいよな。」

骸骨戦士「ふぇぇ~~~~///」

僧侶「おい?お前が何で赤くなってんだ?」

骸骨戦士「だって、おでこに…」

ドカーーーーン!!

僧侶「げ、何の音?無断で侵入したのばれたかな?」

骸骨戦士「そ、僧侶様どうしましょう。」

僧侶「と、とりあえず物陰に隠れるぞ…。」

【神殿 門】

神殿警備兵A「うわぁあああ魔物だ!魔物がせめてきたぞ!」

神殿警備兵B「うお、見回りの者達がラリホーで寝かされている!」

警備隊長「くそ。魔王の封印を解きに来たのだろう。応援部隊を呼ぶのだ!」

【神殿 石像前】

側近「ふははははは。見つけたぞ!我らが魔王様!」

魔物A「側近様これで、魔王様を復活させられますね。」

側近「うむ。魔王様が復活されれば魔族は力をとりもどす。さぁ封印をとくのだ。」

魔物A「ははっ」

―魔物は解除の宝玉を掲げた!石化の封印が徐々に解けていく…-

―ぱきぱきぱき、魔王の石像から魔力があふれ出てきた!―

骸骨戦士「!」

側近「ふははは、魔王様の魔力が漏れてきおったわ。我に力が集まるのがわかるぞ。」

警備隊長「魔物どもがいたぞ!封印が解除されきる前に止めるのだ!」
警備兵達「はは!!」

側近「来たか人間ども。返り討ちにしてくれるわ!」

【神殿 石像前】
警備兵達「うぅう・・・」 「いてぇいてぇよぉお」 「ぐへ…。」
警備隊長「くそ、これほどとは…。ガク」

側近「ふん。この程度か。おい魔物Aよ、まだ魔王様の封印は解けきれぬのか。」

魔物A「なかなか頑固な封印でして。なによりも勇者XXXの石像がまだ無事なためでしょうか。完全な封印の解除にいたりません。」

側近「そうか。ならば勇者XXXの石像を破壊すればよいわけだな。」ユラリ

僧侶「まて!!」

側近「うん?」

僧侶「勇者XXXの象はこわさせないぞ!」

側近「ふはは、剣さえももたぬ貴様など恐れるに足りぬわ。」

側近「勇者XXXの石像とともに逝け。イオナズン!!」

僧侶「ぐ」(勇者XXXをまもらなきゃ・・・。)

ズガーーーーン

僧侶(あれ?ダメージを受けていない?)

僧侶「!」

骸骨戦士「大丈夫ですか?僧侶様。」

僧侶「ブランカ?!僕をかばったのか!」

側近「ふむ。何故アンデッドの貴様が身を挺して人間をかばう?」

骸骨戦士「わたしは魔族ではない。」ボロボロ

僧侶「ブランカ!」

骸骨戦士「僧侶様、逃げてください。今のわたしではこの者にはかないません。」

側近「ふむ、魔族ではないというか。なら逝くがよい。」

ぶぅん

骸骨戦士「僧侶様早く逃げ…」

僧侶「ブランカー!」

【神殿】

側近「ふはは、土に還ったか。」

僧侶「おい!ブランカ!!おい!」

―返事がないただの屍の様だ!―

骸骨戦士「…。」サラサラサラ

側近「活動を停止すれば砂として還る。アンデッドとはそういうものよ。さて。」

側近「小僧の後ろにある勇者XXXの石像を壊して魔王様の復活を完全にする。」

側近「まずが小僧からだ。ゆけ魔物達よ!」

僧侶「う、うわぁぁぁああああ!!」

―モンスター達はいきりたち襲いかかってきた。―

僧侶「~~~っ!!」

僧侶(こんどこそ駄目だ。)

―魔物Aに333のダメージ!魔物Aを倒した!―

―側近に156のダメージ!側近の左腕が切り離された!―

魔物A「ぐえー」

側近「ぬおおおお!!!」

「僧侶様に手を出させはしませんよ。」

僧侶「え?」(どういうことだ?まだ命がある。)

側近「な、何故貴様が魔王様より先に…」

「何故でしょうか。私が先に動けるようになるとは幸運でした。」

側近「ぐぅ勇者XXX!!」

勇者XXX「今は僧侶様一行の戦士ブランカです。」

僧侶「え?勇者XXX?ブランカ?」

勇者XXX「少しお待ちになってください僧侶様。雑魚を片付けてきます。」

側近「XXXぅ!貴様の首を…!」

―側近はいきりたち、勇者XXXに突撃してきた!―

勇者XXX「ふん」

【神殿 魔王の石像前】

側近「」ピクピク

勇者XXX「他愛のない相手でしたね。」

僧侶「ほ、本当にブランカなのか?」

勇者XXX「そうです。もちろんアンデッドの姿は仮の姿ではありますが。」

僧侶「信じられない。でも確かにその喋り方はアイツだ。でも、それだったら何故魔王の封印より勇者XXXの方が先に動けるようになったんだ。」

勇者XXX「それはもしかしたら僧侶様のでこちゅの所為でしょうか///」

魔王の石像「グォオオオ ゆう…X,エクス…」パキパキパキ

僧侶「魔王の封印が解けてきている。」ビク

勇者XXX「残念ですが僧侶様とのお話はこれまでですね。」

僧侶「勇者XXX、僕も一緒に戦いたい。」

勇者XXX「ふふっ、僧侶様のお気持ち大変うれしいです。ですが、わたし達の力では到底魔王にはかなわないでしょう。それは先ほどもいったとおりです。」

僧侶「で、でも。」

勇者XXX「まだ今なら封印しなおすことは可能でしょう。再びわたしは石像に戻りますが、それで魔王を完全に停止させられると思います。」

僧侶「勇者XXX。でも僕はお前を助けるために…。」

魔王「グガガガXXXぅもうすぐ貴様を…」パキパキパキ

勇者XXX「いいんです僧侶様。もう急がないと魔王が完全に復活してしまいます。」

勇者XXX「ずっと石像としてあり続ける事に孤独を感じていました。だからこそ理由をつけてブランカの姿で旅をしようと思ったのでしょう。」

勇者XXX「でもこれからは寂しいことはないでしょう。楽しい思い出ができましたから。」

僧侶「勇者XXX…。」

勇者XXX「わたしは僧侶様一行の戦士ブランカです。」ニコ

勇者XXX「今度は整理券をもらってわたしに会いに来てくださいね。それでは。」ペコリ

 勇者XXXは封じのオーブを掲げた!

魔王「ヌゥウウウ貴様、フタタビ余トトモニ封印さレヨウと云うノカ…。」パキパキパキ

勇者XXX「何百年間、もしくは永遠かもしれませんがお付き合いいただきますよ。魔王。」パキパキパキ

(そして勇者XXXは魔王とともに再び石像に戻った。)

僧侶「ごめんよ、ごめんよ…。」

(僕はその姿を黙ってみていることしかできなかった。)

勇者XXX「…。」ジー

僧侶「何見てんだ。」

勇者XXX「水のはごろも可愛いなって…。」

僧侶「勇者の着る装備じゃないだろ。」

勇者XXX「わ、わかってますよ。」ションボリ

僧侶「ブランカ!お前手加減しろよ!ボスは生け捕りにしろっていう依頼だったろ?」

勇者XXX「え?こいつってボスなんですか?」

僧侶「ばか!そうだって最初にいっただろ。魔王のいたころの様な強いモンスターが今の時代にいるわけないだろ!」

勇者XXX「す、すいません。」

僧侶「お前が生け捕りにしなかったから報酬が半分になった。」プンスカ

勇者XXX「ご、ごめんなさい。」

僧侶「ち、ほらよ。」

勇者XXX「こ、これは水のはごろも。」

僧侶「ダメージ食らわなきゃ別になに着たっていいしな。」

勇者XXX「わ、わぁありがとうございます!」

僧侶「ふん。」///

トロトロトロ

勇者XXX(…)

勇者XXX(また夢を見ていたようですね。)

勇者XXX(けして実現することのない僧侶様との旅の続き。)

勇者XXX(少し未練がましすぎるでしょうか?)

勇者XXX(でも、この夢だけがわたしの意識を保つ唯一のもの。)

勇者XXX(今日もたくさんの人が観光にきています。最初の数年は僧侶様も来てくれていましたが最近は来られなくなりました。)

勇者XXX(それも致し方ない事。少しさみしいですが、僧侶様に幸せがありますように。)

勇者XXX(眠くなってきました。再び夢を見ましょう。)

トロトロトロ

勇者XXX(夢の中だけがわたしの自由の…)

勇者XXX(zzz)

トロトロトロ

「おい」

勇者XXX(眠い…。)

「おい!勇者XXX!」

勇者XXX(誰ですかわたしを起こすのは?)

僧侶「勇者XXX。起きろって!」

勇者XXX(ふふっ僧侶様ですか。また夢の続きですね。)

僧侶「お、やっと起きたな。」

勇者XXX「今回の僧侶様は少し成長されていますね。お顔に傷もできちゃって。それにまるで剣をもったその姿勇者みたいですね。」

僧侶「おいおい、寝ぼけてるのか?」

勇者XXX「え?」(石化が解かれている?)

僧侶「そうだ。お前の封印を今解いたんだ。」

勇者XXX「な、何故?それでは魔王は?」

僧侶「あぁもうそろそろ封印が解けてくるだろう。」

勇者XXX「なんて事をしたんですか?!」

僧侶「僕はお前が石になってから剣をもって戦うことにした。そして諸国を回って実力をつけながら。仲間を探したんだ。」

僧侶「ともに魔王を滅するために戦ってくれる仲間を。」

勇者XXX「え?」(僧侶様の後ろに人影が…。)

ズラリ

魔法使い「へーこれが勇者のいってた勇者XXXか。」

武闘家「勇者っていうとまた僧侶が怒るぞ。勇者はXXXだけだって。」

遊び人「へーあれが勇者XXXですかぁ。動くのはじめてみた。って当たり前か!」

女僧侶「時を超えて二人が再会する。感動的ですねぇ。」ウットリ

女騎士「…。」ムス

剣士「お、女騎士が妬いてるぞ。」

女騎士「な、私は嫉妬などしていない。ただいきなり実力も分からないやつを仲間として認められないだけだ!」

賢者「ふぅ、そんなことどっちでもいい。それより、もうちょっと緊張感をもってくれ。」

槍使い「マオウタオス、マオウタオウスタメオレココキタ」フシュー

勇者XXX「この人たちは?」

僧侶「仲間だよ。みんな魔王を倒すために集まってくれたんだ。そうだ、ほら。」

勇者XXX「これは?わたしが街でねだったリボン。」

僧侶「そそ。」

魔王「グルルルウ」パキパキパキ

勇者XXX「!」

僧侶「お、魔王の封印が解けそうだ。じゃあ先に僕は行かせてもらう。勇者XXXは後ろで休んでてくれ。」ジャキン ダッシュ

勇者XXX「僧侶様!」

魔法使い「我らがリーダー勇者様が一番につっこんでいきました。俺らもいきますかぁ。」ダッシュ

遊び人「初めまして勇者XXXさん。ちなみに勇者っていうのは僧侶のことだよ~。」

武闘家「勇者XXX殿は後ろで休んでいて下され。もし体調がゆるされるなら一緒に戦っていただければ助かりますが。」

女騎士「ふん、魔王など我々だけで十分だ。」

剣士「お、出た!!」

女僧侶「意地悪いっちゃ可哀そうですよ。女騎士さんの勇者様への気持ち知ってるでしょ?」

女騎士「ち、違うぞ!//」

賢者「やれやれ私は先に戦いに参加するぞ。一段落ついたら君たちも参加してくれ。」スタスタスタ

槍使い「トツゲキ―ング!」ダダダダダダーーー

女騎士「くそ、みんな好き勝手言ってくれて。おいXXX!」

勇者XXX「は、はい!」ビク

女騎士「私は実力のある物しか認めないし、私が認める勇者は僧侶だけだ。別に他意があるわけじゃないぞ。私は実力も分からないものを例え僧侶の昔のパーティーメンバーであろうが認める気にならないだけだ!」

剣士「そういうことにしておこう。俺はもう行くぞ。」ヒラリ

女僧侶「ですね。もう魔王復活して他のメンバーの方戦い始めてますしね!では!」テッテッテ

女騎士「あ、うそ。私も行く。」

勇者XXX「待ってください。わたしもいきます。」

女騎士「ふん。足手まといになるなよXXX。」

勇者XXX「残念ですがわたしは勇者XXXではありません。」

女騎士「うん?」

勇者XXX「わたしは僧侶様一行の戦士ブランカです。」ジャキン

end

追いついた乙
前にホイミしか唱えられない僧侶と女戦士の話を書いた人?

>>75 そうです。

ちなみに66でブランカが魔王に立ち向かう場面で終わりです。

レスくれたひとありがとうございました!

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