真奥「うるせえよ! この乳無しデコ勇者!!」 恵美「!?」(88)

真奥「いつも、いつも勇者だからって魔王に何言っても良いと思うなよ!」

恵美「……今なんて言った?」

真奥「はあ? だから勇者だからって何言っても……」

恵美「その前よ」

真奥「その前って乳無しデコ……ってちょっと待て! 何で聖法気を!? いや、さすがに聖剣は洒落にならないですよ、エミリアさん……って、ぎゃあああああああ!!!!」

恵美のマンション……

恵美「ね、エメも酷いと思うわよね?」

エメラダ『そうですね~』

恵美「ああいうデリカシーのない事を平気で言うなんてやっぱり魔王は魔王ね。
ゲスの極みだわ!」

エメラダ『そうですね~』

恵美「ちょっと、さっきから返事がなあなあっぽいんだけどちゃんと聞いてるの?」

エメラダ『ちゃんと聞いてますよ~。エミリアの彼氏に対する不満の様な愚痴は~』

恵美「なっ、ば、何言ってるのよ、エメ!
わた、私は魔王の話をしているのよ? そ、それでなんでかかかかか彼氏とか」アタフタ

エメラダ『冗談ですから落ち着いて下さい~ほら、深呼吸、深呼吸~』

恵美「……やっぱり男って胸が大きい子が好きなのかしら?」

エメラダ『それは人それぞれだと思いますけど~』

恵美「でも胸が小さいことを悪口に使ったということは魔王は大きい方が好みなのかしら?」

エメラダ『どうなんでしょうね~』

恵美「ねえ、エメ。あなた、胸が大きくなる方法しらない?」

エメラダ『……知ってたら自分で既に試してますよ~』

エメラダ『そもそもそんな事を聞いてどうするんですか~?
まさか魔王の好みのバストサイズにでもなりたいんですか~? 大嫌いな魔王の~』

恵美「いや、別にそういう訳じゃ……
でもこのままだとなんか悔しいじゃない。見返してやりたいというか……」ゴニョゴニョ

エメラダ『はあ~……』

エメラダ(どう聞いても彼氏の好みに近づきたい彼女の台詞にしか聞こえませんね~。
ここは少しからかってみますか~)

エメラダ『試した事はないんですけど~聞いた事ならありますよ~』

恵美「本当!?」

エメラダ『食いつきいいですね~。
まあ簡潔に言うと~揉めば良いんですよ~』

恵美「え! 揉むって胸を!?」

エメラダ『はい~。胸に適度な刺激を与えることで~ちっぱいも立派なおっぱいになるそうです~』

エメラダ『そしてこれは自分ではなく~他人に揉んで貰うと効果大で~特に好きな人に揉んで貰うと効果はなまるらしいですよ~』

恵美「なっ!?」///

エメラダ『さっきも言った通り私はやったことはないので~保障はできません~。
でも機会があるなら試して見るのも悪くないと思いますよ~?』

恵美「え、あ、その……」

エメラダ『では通話料も嵩みますからこの辺りで切りますね~。
また何か進展があったら報告して下さい~』

恵美「え、ええ。またね」

ガチャツーツー

恵美「…………」

恵美「揉めばこの胸が大きくなる……」プニプニ

恵美「他人、特に好きな人に揉んでもらうと効果はなまる、か」

恵美「…………」

恵美「って、なんでここであいつの顔が浮かぶのよ!
つか、無理! それは絶対無理!」///

恵美(だけど他人に揉んでもらうだけでも効果はあるのよね。
問題は誰に揉んでもらうかよ)

恵美(梨香はちょっと頼みづらいわね。千穂ちゃんは……揉んでもらっている最中に悲しくなりそう)

恵美(そうなると残るは……)




恵美「ベル。私の同志よ」

鈴乃「なんだろう……なぜか酷い事言われた気がする」

鈴乃「胸を揉めば大きくなる、か。単なる迷信だと思うが……」

恵美「確かな筋からの情報なの。協力して」

恵美「私は暴言を吐いた魔王の奴を見返してやりたいの」

鈴乃「そんな真剣な顔で言わなくても……まあそれぐらいなら別に構わんが」

恵美「ありがとう。恩に着るわ」ヌギヌギ

鈴乃「待て。なぜ脱ぐ?」

恵美「え? だって直に揉んだ方が効果ありそうじゃない」

鈴乃「そういうものなのか?」

恵美「そういうものなの。さあ、ベルも早く脱ぎなさいよ」

鈴乃「待て! 私は脱ぐ必要ないだろ!」

恵美「ギブアンドテイクよ。私もベルの胸を揉んで大きくしてあげるから。
女同士なんだから恥ずかしがる事もないでしょ?」

鈴乃「別に私はそんな事しなくても……ちゅ、帯を引っ張るな! きゃあああ!?」///




恵美「準備完了ね!」←上半身真っ裸

鈴乃(……なぜこうなった?)←上半身真っ裸

恵美「しかしあれね……お互いに悲しくなるくらい、その、慎ましいわね」チッパーイ

鈴乃「わざわざ口にだして言うな! ああ、もうさっさと済ませるぞ!」チッパーイ

恵美「じゃあ付き合わせているのは私だし……私から揉むわね」ワキワキ

鈴乃「……なんか手つきが嫌らしいのだが?」

恵美「大丈夫よ。優しく、優しくするから」ハァハァ

鈴乃「なんかその優しさは嘘な気がする。後、息が荒いのはなれない事に緊張してるからだな。
そうだと言ってくれ」

同じ頃……

真奥「恵美の奴、まだ怒ってるみたいだな」

漆原「そうなの?」

真奥「今は鈴乃の部屋にいるみたいなんだけどさ、さっき階段のとこで会ったんだよ」

真奥「すごい睨まれた」

漆原「まあ遊佐は年がら年中怒ってるイメージあるしね……芦屋、おかわりー」

芦屋「ご飯は一人一杯までだ。おかわりなんてない」

真奥「今回は特に機嫌悪そうなんだよな……謝った方がいいかな?」

芦屋「しなくてもよろしいかと。魔王さまが勇者などに頭を下げる必要はありません」

漆原「僕は謝った方がいいと思うよ。引きずるとめんどくさくなりそうだし」

真奥「う~ん……よし、やっぱり一言謝ってくるわ。今回は俺も言い過ぎたところもあったしな」

芦屋「まったく、危うく殺されかけたというのに……本当に甘くなられましたね、魔王さまは」ヤレヤレ

真奥(さあて、あいつまだ鈴乃の部屋にいるかな~?)

真奥(ん、なんかドアの向こうから声が聞こえるような……)キキミミー


恵美「ちょ、もう少し優しく揉みなさいよ……んっ」///

鈴乃「そう言われても……あっ……私だって慣れてないんだ……あんっ」///

恵美「後……はぁ、はぁ……変な声出しすぎ……んんっ」///

鈴乃「それはお互いさま……あっ……だろ」///


真奥「…………」

真奥(なにこれ?)

真奥(なんだ、なんだよ、この日笠と伊藤による喘ぎ声の二重奏は?
いや、落ち着け俺)

真奥(なるほど、読めたぞ。これはあれだ、漫画やアニメとかによくある奴だ)

真奥(エロい事をやっている様に聞こえて、実際中では全然普通の事をやってますーって奴だ)

真奥(OK、OK、魔王さまわかってますよ。
揉むとか云々はきっとから揚げ作る為に鶏肉揉んでんだね。
から揚げ美味しく作るなら揉み揉みだもんね)

真奥(しかしそれでもなんか入りにくい。ここは引き返すべきか……ん?)

真奥(廊下側の窓が少し開いている。よし、ばれたら怖いがあそこから少し様子を見てみるか)

真奥(大丈夫、大丈夫だ。きっと窓の向こうには仲良くから揚げを作る恵美と鈴乃の姿が……)


恵美「はぁ、はぁ……あっ、んんっ……」モミモミ

鈴乃「あんっ……あっ……ん……いい……」モミモミ


真奥「」

芦屋「魔王さま、お早いお帰りで……って、どうなさいましたか?」

漆原「なんかすごい疲れた顔してるね」

真奥「なんでもない……ちょっと百合ヶ丘を見てたから」

芦屋&漆原「?」

すいません、少し離席します

…………

恵美「えっと、その、ごめんなさいね。途中からヒートアップし過ぎて……」///

鈴乃「いや、それは……お互い様というか……」///

恵美「でも心なしかか少し大きくなった気がするわ!
やっぱり効果はあるのよ!!」

鈴乃「む~、私には変わった様には見えないが……」

恵美「という訳で明日もよろしくね」

鈴乃「なっ、今日だけじゃないのか!?」

恵美「こういうのは続けてやってこそ効果があるのよ。
じゃあ私、電車あるからもう出るわね。今日は本当にありがとう、ベル」ノシ

鈴乃「ちょ、待て、エミリア……行ってしまったか。なんて勝手な勇者だ」

鈴乃「明日も来るのか……胸を揉みに……」

鈴乃「…………」

鈴乃「って、何をドキドキしているんだ、私は!?」///

…………

真奥(あの衝撃の光景を見てから、今日でもう一週間か……)

<マオウサーン

真奥(あれから毎日、恵美の奴は鈴乃の部屋に来ている。おそらく中では……そうなんだろうな)

<マオウサンキコエテマスカ?

真奥(あの光景は幻覚なんかじゃなかった。やはり、やはりあいつらはそうなのか?)

<モシモーシマオウサーンテバー

真奥(恵美と鈴乃はそういう関係なのか?
仮にそうなら俺、どう接すれば……)

千穂「真奥さんってば!!」

真奥「うおっ!?」ビクッ

真奥「び、びっくりしたな……いきなり耳元で叫ぶなよ、ちーちゃん」

千穂「いきなりじゃありません! さっきから何度も呼び掛けてるのに真奥さん、全然反応してくれないんですもん!」プンスカ

真奥「え、そうなの? ご、ごめん、ちーちゃん」

千穂「難しそうな顔でしたけど……何か悩み事でもあるんですか? 最近なんだか元気もないみたいですし」

真奥「いや、別に悩みなんてないよ。だから心配しなくても……」

千穂「嘘です」

真奥「え?」

千穂「私、分かります。真奥さんの事ですから」

真奥「ちーちゃん……」

千穂「私、真奥さんの力になりたいんです。だから悩みがあるならなんでも話して下さい」ニコッ

真奥(……そうだよな、一人で悩んでも仕方ないもんな)

真奥「ああ、分かった。実は恵美が……」

千穂「遊佐さんが?」

真奥「…………」

真奥(いや、ちょっと待て)

真奥(相談するって言ってもどう言えばいいんだよ?)

真奥(『恵美と鈴乃が顔を真っ赤にしながらお互いの乳を揉んでいました。これってやっぱり二人は出来ているんですかねー?』か?)

千穂「真奥さん?」

真奥(駄目だ……そんな話、ちーちゃんにできねえ。仮に何かの間違いだったら恵美と鈴乃にいらん誤解がかかるし……)

真奥(いや、でもあそこまで真剣な感じで胸揉んで誤解も六階もないだろうし……くっ!)

真奥「ごめん、ちーちゃん……やっぱり話せない」

千穂「そんな!?」ガビーン

店長「おーい、まーくんとちーちゃん。そろそろ入って来てくれー」

真奥「分かりましたー。行こう、ちーちゃん」

千穂「遊佐さんがどうしたんですか? ねえ、真奥さんってばー(汗」

…………

真奥「ただいまー」

芦屋「お帰りなさいませ、魔王さま。本日もお勤め、ご苦労様です」

漆原「お帰り。今日はポテト以外のもの持って帰ってくれた?」

真奥「……恵美は今日も鈴乃の部屋にいるのかか?」

芦屋「いえ、夕方に来ていましたが今日はもう帰ったみたいです」

真奥「そうか……」

芦屋「最近毎日の様に来ていますね。まさか良からぬ事を考えているのでは?
今度偵察して来ましょうか?」

真奥「いや、やめろ! 絶対に覗くな! 聞き耳も立てるな! いいな!」

芦屋「え、あ、はい」

漆原「なんでそんなにムキになってるの? あ、なんだよ、またポテトじゃん」ガサゴソ

芦屋「ではすぐに夕飯を用意しますね」

真奥「おう……はぁ」

芦屋「……ただ疲れているだけでないみたいですね。何か悩み事でも?」

真奥「俺ってそんなに顔に悩んでますーって書いてる? ちーちゃんにも聞かれたんだが」

芦屋「魔王さまの事をちゃんと見ている者ならすぐに分かりますよ。
それで何に悩んでいるんですか?」

真奥「……悪い。これはお前にも相談できねーわ」

芦屋「そうですか。魔王さまがそうおっしゃるならこのアルシエル、もう何も聞きません」

芦屋「しかしこれだけは言わせて下さい。例え力を失っていても、あなたは私達の主、大魔王サタンである事に変わりはありません」

芦屋「主なら主らしくもっと堂々とするべきです。どんな悩みかは存じませんが魔王さま、貴方ならきっと大丈夫ですから」

真奥「アルシエル……」

芦屋「では私は夕飯の準備を……漆原、ポテトなど食べてないで食器くらい運べ!」

真奥「…………」

真奥(そうだよな……悩んでいるなんて魔王らしくないもんな)

真奥「……よし」

翌日……の夕方

梨香「恵美~今日、何処かで食べて帰らない?」

恵美「ごめん。これから今日も用事があるのよ」

梨香「え、また? 最近ますます付き合い悪くなってない?」

恵美「あはは、本当にごめんね」

恵美(あれからほぼ一週間。まだ正確には計ってないけどなんとなく胸が大きくなってきた気がする!)

恵美(最近は優しく揉むコツも覚えたし、ベルもだんだん乗り気になって来たし)

恵美(夢のボッキュボンはすぐそこよ!
見てなさい、魔王!!)

梨香「あれ、あそこにいるの真奥さんじゃない?」

恵美「え?」

真奥「……よう」

恵美「ちょっと、なんであんたがここにいるのよ」

真奥「お前と二人で話したい事がある」

恵美「え?」

梨香「何、何? 遂に告白? 私、お邪魔虫さん?」
真奥「ついて来てくれ」

…………

恵美「こんな人気のないところに連れて来て一体なんの用よ。
まさかここで決着をつけるとでもいうんじゃないでしょうね?」

真奥「いや……」

恵美「用があるなら早くしてくれる? 私も暇じゃないんだけど?」

真奥「……鈴乃に会うからか」

恵美「そうだけどなんで……ってそりゃあ毎日行ってたら分かるか。
そうよ。ちょっといろいろ野暮用があってね」

真奥「…………」

真奥「なあ、恵美……いや、エミリア」

真奥「俺とお前は魔王と勇者だ」

恵美「……何いきなり当たり前の事言ってんの?」

真奥「そう、当たり前の事だ。そしてそれはどんな事があっても変わらない」

真奥「だからお前は、ありのままの、今のお前のままでいいんだよ」

恵美「!」

恵美(まさか魔王……私が胸を大きくしようとしているのに気づいて!?)

真奥(恵美は鈴乃と恋仲にある……それはもう間違いない)

真奥(だがおおっぴらにしていないという事はそれに引け目を感じているという事……)

真奥(しかしそんな必要はない。勇者なら自分の正義を、愛を貫け!)

真奥(お前の素顔がどんなものでも……俺は魔王としてそれを受け止めてやる!)

真奥(そうだ、最初から悩む必要なんてなかった……)

真奥(全て、受け入れてしまえばいいだけの話だったんだ!)

真奥「さあ、勇者エミリアよ! 無理に自分を偽ろうとするな! そんなことをしなくても、俺とお前は運命の糸で結ばれているんだから!」

恵美「う、運命の糸って……な、何よ、元はと言えばあんたが……」ゴニョゴニョ

真奥「今のお前を貫け! 俺は魔王としてお前を見続けてやる!」イケメンガオー

恵美「はぅ!?」ドキッ

真奥「話はそれだけだ。じゃあな」ノシ

恵美「あ、ちょっと…………」

恵美(……今のままでいい、か)

恵美「…………」

ピッ…トゥルルルル

恵美「あ、もしもし、ベル? あ、あのね、今日なんだけど……」

…………

千穂「真奥さん、なんだか機嫌よさそうですね」

真奥「ん、そう見える?」

千穂「悩み事、解決したんですか?」

真奥「まあな」

千穂「そうですか。よかったですね……あ、いらっしゃいませー♪」

真奥「いらっしゃいませー♪」

千穂(あの時なんで遊佐さんの名前が出たのか気になったけど……真奥さんが元気になったならそれでいいか)

真奥(恵美、鈴乃……俺はお前たちを応援してるぜ!)

…………

鈴乃「まったく、勝手に頼んで勝手に終わらすとは自分勝手な奴だ」

鈴乃「…………」

鈴乃「べ、別に残念とか思ってないぞ! ああ、もういい。とりあえず着替えよう」///

鈴乃(そういえば最近魔王の目が妙に暖かいのだがあれは一体……ん?)

鈴乃「あれ? 胸がちょっときつい……?」

おわり

ここまで読んでくれた人、ありがとうございました。

筆が遅くてスイマセンでした。後まさか店長を出せる日が来るとは思わなかったです。

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