ミノタウロス「明るい家族計画しない?」女騎士「そんな予定はありません。」 (31)


迷宮の奥深くで遭遇したうら若き女騎士と、雄牛の頭を持つ魔獣ミノタウロス

一触即発の対決の行方は!?


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ミノタ 「無計画に子供作るのは良くないって母上が言ってたむぉ」

女騎士 「いや、あなたの子供孕むつもりありませんから!」

ミノタ 「いいじゃん、減るもんじゃないし。むしろ増えるむぉ」

女騎士 「減るのも増えるのもお断りします。」


ミノタ 「子育てはボクがするから心配しなくていいむぉ?」

女騎士 「当然です!…いや、当然では無いのか…うん?」

ミノタ 「隙アリ!」ゲシ

女騎士 「きゃあっ。ちょ、痛いじゃない、いきなり蹴りくれるとは何よ!」

ミノタ 「むぉ? お姉さん、倒れない? 足払いには自信あったのだけどむぁー」

女騎士 「ヤるって言うの!? あたしこれでも騎士技検乙種持ちよ!」

女騎士 「あなたをぶちのめして牛丼にするくらい晩飯前なんだから!」

ミノタ 「…それ、まる一日かかるむぉ?」

女騎士 「いーえ! 朝から牛丼はイヤなだけです!」


ミノタ 「ダイエットするならちゃんと朝ごはん食べないと逆効果だむぉ?」

女騎士 「朝はトーストにサラダと牛乳と決めています!」

ミノタ 「牛乳、いいよねー。霜印みたいな大手のなんかより、三つ葉のほうが味が濃くて乳糖の甘味がしっかりあって、オススメむぉ」

女騎士 「ミノタウロスに牛乳勧められてもね!?」

ミノタ 「三つ葉の牛乳は高いけど、あれ飲んじゃうと霜印の牛乳なんて馬ションみたいで飲みたくなくなるむぉ」

女騎士 「何の恨みがあるか知らないけど、アンチマーケティングなら他所でやってね?」


ミノタ 「ボクと子育てしながら、酪農で牛乳屋やろうよ。」

女騎士 「多くの女の子は、口説き文句に斬新さを求めてはいないわ。」

ミノタ 「じゃ牛丼屋でもいいむぉ。牛乳も出すむぉ 息子が三人ほどいれば、ゆくゆくは多角経営も夢じゃないむぉ」

女騎士 「牛丼と牛乳の組み合わせって、あたまおかしーわ。
    学者先生がデスクで栄養価の足し算しながら献立決めたとしか思えない、仕官学校の給食くらいに狂ってます。」

ミノタ 「好き嫌いはよくないむぉ」

女騎士 「我が国の食文化を破壊しようという異教徒どもの悪意でも働いているんじゃないかと勘ぐりたくなります。」


ミノタ 「じゃ、牛乳は裏メニューだむぉ」

女騎士 「牛丼屋に裏メニューいらないでしょう? そもそもミノタウロスの牛丼屋にお金持ったお客が来るとは思えないのだけれど?」

ミノタ 「そっかー、そうかむぉ。ボクも父親になるなら、もっとしっかりとしなきゃいけないむぉ」

女騎士 「あたしは母親にはならないからね!?」

ミノタ 「育児放棄むぉ!?」

女騎士 「いやいやいや! 生まないから!」

ミノタ 「時代は出産放棄まで進んでいたのかむぉー。新聞読まないと情弱になってしまうむぉ」


女騎士 「共働きしても給金少ないし、いつ契約打切りになるかも判らない、子供の面倒みてくれる人は全然足りない、
    そんなんで子供育てられますかっての。」

ミノタ 「ボクなら大丈夫だむぉ。これでも凶暴かつ残忍無慈悲な魔獣の筆頭だから、いつの時代でも役目があるむぉ」

女騎士 「そうかしら? 今や時代の豚野郎に押されっぱなしと聞いてますけど?」

ミノタ 「それを言われると辛いむぉ。婦女暴行は神代の時代からボクたちミノタウロスの独占的既得権益だったむぉ。」

ミノタ 「それなのに隣国の連中に難癖つけられてしぶしぶ規制緩和したら、あの豚野郎ども、数にまかせて大挙して来やがったむぉ。」


女騎士 「じゃ、いっそ凶暴かつ残忍無慈悲な魔獣筆頭を廃業したらいかがです?」

ミノタ 「神代の時代より創業五千年、廃業などご先祖に申し訳できないむぉ」

女騎士 「それじゃ自然淘汰を待つだけですね。」

ミノタ 「くやしいむぉ。あいつらいつかポーク丼にして、メニューに加えてやるむぉ」

女騎士 「でもトロルやコボルド相手にオーク丼出してもお金払ってくれないでしょう?」

ミノタ 「あ、そうだった。ボク、しっかりした父親になる自信無くなってきたむぉ」

女騎士 「あたしは母親にはならないからね!?」

ミノタ 「ネグレクトむぉ!?」

女騎士 「無限ループって怖くね?」


ミノタ 「そうだむぉ。もうこのループから抜け出すには、『はい』を選択するしかないむぉ」

女騎士 「そこをあえて『いいえ』で!」

ミノタ 「ボクと契約して、お母さんになってよ!」

女騎士 「 イ ヤ で す。 なんであたしが牛頭な赤ちゃん産まなきゃならないのですかっ」

ミノタ 「いくら医学が発達したからといって、容姿が自分と似た子供しか生みたくないなんて、わがままだむぉ」

女騎士 「いやいやいや、そういう問題とは違うでしょ!?」


ミノタ 「イケメンじゃなきゃ生まないとか、マッチョな健康優良児だけ生もうとか、種の多様性を何だと思っているのだ、神を冒涜してるむぉ」

女騎士 「自然科学と神学を混ぜると後々困るわよ?」

ミノタ 「挙句の果てには、自分と全く同じ子を作ろうなんて、世代交代という進化を自ら放棄したとしか言えない愚行むぉ」

女騎士 「自分のホムンクルス作ろうとしてる魔道士たちとそれに反対してる教会は倫理問題を話し合ってるけど、
    議論してる間にもどんどん既成事実が積み上がっているわ。」

ミノタ 「障害を持って生まれてくる子供を排除しようという話ですら、生む親の権利だ、いやエゴだと揉めているむぉ」

女騎士 「でも、頭が牛な子だと判ってて生むのはイヤよ!?」


ミノタ 「それでもボクの母上はボクを生んでくれたむぉ。孤児院のポストに投棄することなく、ちゃんと育ててくれたむぉ。」

女騎士 「いい話…なのかしら? うん??」

ミノタ 「隙アリ!」ドッ

女騎士 「きゃあっ!? ちょ、いきなり押し倒すなんて! やる気!?」ジタバタ

ミノタ 「むぉ? お姉さん、まだ暴れる? 寝技には自信あったんだけどむぉー」

女騎士 「あたしこれでも格闘技検乙種持ちよ!」

ミノタ 「もしかして検定マニア?」

女騎士 「強いと言ってるのです!」


女騎士 「あなたをぶちのめして牛丼にするくらい昼飯前なんだから!」

ミノタ 「お昼ご飯にはよく牛丼屋に食べに行ったって母上が言ってたむぉ」

女騎士 「あなたの母親って…」

ミノタ 「もちろんお姉さんと同じ人間むぉ ボクたちミノタウロスに女の子いないむぉ」


女騎士 「つまりミノタウロスに――」

ミノタ 「父上は隣国に出稼ぎに行って、母上は帰りを待ってるむぉ」

女騎士 「犯されて孕まされて子供育てさせられてそれでも待ってるとか、んなわけないでしょ!」

女騎士 「脳みそが牛丼のタレになってるんじゃなくて!?」

ミノタ 「父上をそこらのポークと一緒にしないでもらいたいむぉ 母上は父上を愛しているむぉ」

女騎士 「………。アンタの母上の男の趣味について追求するつもりはないわ。」


ミノタ 「ボクはこう見えても、それなりに母上の愛情を注がれて育ったむぉ だからDVとか虐待とかは心配無用だむぉ」

女騎士 「あんたたちミノタウロスが凶暴で残虐無慈悲なのは、親に虐待されて育ったからって言いたいの?」

ミノタ 「神代の時代には生贄に子供生ませてたむぉ 生贄が愛情持って子育てする筈がないむぉ」

女騎士 「親のせいにしていいのはお子様のうちだけよ?」

ミノタ 「ボクはそんな負の連鎖から解き放たれ、ちゃんと育ててもらったからDVや児童虐待とは無縁な世代むぉ」

女騎士 「魔獣とは名ばかりの、牙を抜かれた草食男子なわけね?」

ミノタ 「牛は草食だむぉ 問題ないむぉ」


女騎士 「豚野郎にもそんな感じの草食な新世代が増えてるみたいですよ?」

ミノタ 「あいつらは豚みたいに数が増えたせいで、不良品が多く出てるだけだむぉ」

女騎士 「豚野郎どもに勢力で圧倒されてる原因はその辺ですね。」

ミノタ 「問題をすり変えるのよくないむぉ お姉さんが子供作ってくれたらそれで済むことだむぉ」

女騎士 「女の子にも相手を選ぶ権利があるのよ!?」


ミノタ 「結局、男は顔だむぉ 女が社会に出て稼げるようになってから、男の価値は下がる一方。」

女騎士 「ミノタウロスが社会派気取るの、よくないと思うの。」

ミノタ 「遂に男は、顔にしか価値が無くなってしまったのだむぉ 首から下は、チ○コしか要らない存在、それが今の男だむぉ」

女騎士 「下品すぎるのもどうかと思うわ。」

ミノタ 「こうなることを予感していたから、貴族院の糞じじいどもは男女平等社会の法改正に及び腰だった、と母上に聞いたむぉ。」

女騎士 「野党議員が女性の支持集め始めたんで、しぶしぶって面はあったみたいね。でも昔の話よ?」

ミノタ 「"男はカネ"の時代から、"男は顔"の時代になって、ボクら牛頭のミノタウロスには氷河期の到来むぉ」


女騎士 「ちょっと待て、ミノタウロスはお金持ってなかったでしょう?」

ミノタ 「そんなことないむぉ。神代の時代より受け継ぎし不動産物件・"ラビュリントス"を持っていたむぉ。
    時代はバブル、迷宮は一つ数億で飛ぶように売れたむぉ」

女騎士 「売れたって、誰に?」

ミノタ 「豪商や貴族や教会の連中が、競って買って行ったむぉ でも一度も住んだり使ったりしたことはなかったむぉ」

女騎士 「あ~、投機目的でわけわかんない迷宮買い漁って、転がしてぼろもうけした時期があったとか。」


ミノタ 「だからミノタウロスは先祖から受け継いだ迷宮を売り払った成金が多かったむぉ。」

ミノタ 「黄金の斧持ってみたり、角を象牙に換えてみたり、牛の分際で舶来物の馬車乗り回したりして、財力を誇示してたというむぉ」

ミノタ 「女の子の目が眩むくらいリッチだったというむぉ」

女騎士 「あなたの母上って…イヤ言うまい。」


ミノタ 「そんな時代が終わって、男の価値は"カネ"より"顔"になって、ボクら牛頭のミノタウロスは底辺になってしまったのだむぉ」

女騎士 「それは極論だと思うの。男はやさしさが一番よ? 凶暴かつ残忍無慈悲なミノタウロスに言っても仕方ないでしょうけど。」

ミノタ 「嘘はいけないむぉ "亭主元気で留守がいい" これが女の理想だと、母上も言ってるむぉ」

女騎士 「それちょっと古くない? 稼ぎがいいだけの男なんて、いまどき流行らないですよ?」


ミノタ 「そう、男の価値はカネからイケメンに、そしてさらにイケメンからイクメンつまり育メンに代わりつつあるのだむぉ!」

女騎士 「仕事したことない妻が夫の苦労を理解しないように、家事育児したことない夫は妻の苦労を理解しないですからね。」

ミノタ 「いくら顔が良くたって、家事育児しなかった男はじじいになったら愛想尽きてポイだむぉ
    定年迎えて帰宅したら離婚届がお迎えだむぉ」

女騎士 「こわいこわいwww でもあなた達ミノタウロスとあんまり関係ない話ですよね?」


ミノタ 「離婚ならまだマシむぉ 隣国のミノタウロスなんか歳でボケて、介護に疲れた妻に殺されてスキヤキにされてしまったむぉ」

女騎士 「泣いたらいいのか、怖がればいいのか…」

ミノタ 「愚かな先人たちがナンパだ交尾だと呆けて後の事まったく考えようとしなかったから、今のミノタウロスの凋落があるむぉ」

女騎士 「人のせいにするの良くないですよ?」

ミノタ 「わかっているむぉ。新しい時代はボクら若人が切り開くのだむぉ」


ミノタ 「幸いなことにボクは母に愛されながら育ち、幼少のころは弟の面倒もよく看ていたから、育メンスキルばっちりOKむぉ!」

ミノタ 「カネは無いが人生設計も出来てるむぉ!唯一の欠点はイケメンでは無いだけむぉ!申し分ない一人前の新世代ミノタウロスむぉ!」

女騎士 「お、おう…」

ミノタ 「だから、安心してボクの子供生んでいいむぉ」

女騎士 「その理屈はおかしい」

ミノタ 「おかしくないむぉ 話してて判るむぉ? ボクらとてもウマが合う」

女騎士 「あなた牛でしょ!」












このあと滅茶苦茶セ(ry


end.


女騎士 「読んでくれる人それなりにいたんですね。ありがとうございます。」

ミノタ 「続きが書き上がったらしいけど、どうするむぉ?」

女騎士 「一旦end.にしたのと、まとめまでしてもらってるようなので、続きは別スレでうp?」

ミノタ 「じゃ続編のスレ作り次第、こっちにもリンク書くむぉ」

女騎士 「夜遅めからを予定してますので期待しないでお待ち下さい。」

ミノタ 「それにしても無計画むぉ。SSと出産は計画的に。」

女騎士 「グレーゾーンな発言はやめて下さいね?」


女騎士 「続編スレできたようです。」

ミノタ 「漫才が終わり本題に入るむぉ。」

女騎士 「やっとファンタジーぽくなる?」

ミノタ 「お待ちかねエロシーンむぉ!」

女騎士 「そんな予定はありません。」


ミノタウロス「嫁を紹介するむぉ」女騎士「嫁じゃないです。」
ミノタウロス「嫁を紹介するむぉ」女騎士「嫁じゃないです。」 - SSまとめ速報
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