八幡「やはり訓練されたぼっちとは永久にぼっちなのである」(72)

八幡(何故俺はこんな朝早くに学校に来ているのだろう……。答えは言わずもがな、よりにもよってPSVITAを部室に忘れてしまったからである)

八幡(おかげで眠くて眠くてたまらん……教室行ったらまず寝るか)

ガチャガララッ

八幡(えーと……確かこの辺だったよな……)ガサゴソ

雪乃「何をしているのかしら比企谷君」

八幡「!?」ビクッ

八幡「雪ノ下か……どした?こんな朝早く」

雪乃「あなた質問に質問で返すなと小学校で習わなかったの?日本語による意志疎通は義務教育の時点で大方習得しているはずなのだけれど」

八幡(まさか朝っぱらからこんな罵声浴びせられるとは思わなかった……)

八幡「忘れ物があったから先生から鍵借りて取りに来たんだよ」

雪乃「そう。てっきり不審人物が部室に入ったものかと思って警戒していたのだけれど、杞憂だったようね……」

結衣「あっ、やっぱりヒッキーだ。それにゆきのんも」

雪乃「由比ヶ浜さん……珍しいわね、こんな朝早くに」

結衣「うん、ちょっと早くから目が覚めちゃったから早めに学校行こうと思って。ゆきのんは?」

雪乃「私も由比ヶ浜さんと大体同じよ。昨日思うように眠れなくて……」

八幡(あのー……俺の時に帰ってきた回答は回答ではなく凄まじい罵声だったのですが……)ガサゴソピクッ

結衣「ヒッキーもどうしたの?いつもは15分前くらいに着くのに」

八幡「これを探していたのさ……」ドヤァ

結衣「ヒッキーキモ……」ヒキッ

雪乃「やはり朝早くの爽やかな時間でもあなたの目は腐っているのね……」ハァ

八幡(あっれー……?なにこれ、マジ引き……?)

教室

八幡「zzz...zzz...」

ザワザワザワザワ

八幡「...」

八幡(何だよ……うるせぇな……)ムクッ

戸部「これマジでヤバくね……」

葉山「一体誰がこんな事を……」

八幡(なんだ……?何の話だ……)スタスタ

八幡「……!?」

八幡(あれは……あの時のチェーンメールの内容。どうして黒板に大々的に書かれているんだ……)

結衣「あっ、ヒッキー!」

八幡「由比ヶ浜、一体何があった?」

結衣「私もさっぱり……。あれからゆきのんと喋った後、教室に来たらこうなってて……」

葉山「とにかく消そう。こんなデマが広まったら大変だ!」

戸部「チクショウ……俺達が一体何をやったんだって言うんだよ……」

結衣「あ、私も手伝う!」

八幡(いや……もう生徒が教室に向かい始める時間帯。駄目だ手遅れだ……)

八幡(それからHR終了後の辺りから噂は着々と大きくなっていき、4時限目終了の頃には噂はクラス中に広がっていった)

昼休み

生徒A「……でさぁ、戸部君って」ヒソヒソ

生徒B「それを言うなら大岡君だって……」ヒソヒソ

ザワザワザワザワ

八幡(不味いな……。クラス中が嫌な雰囲気に包まれている。このままじゃ……クソッ、あのまま起きていればここまで事態は酷くならなかったハズなのに……)

戸部「……クソッ!!出てこいよ!この中にいるんだろう!!デマを書いたヤツがよぉ!!」ガタッ

葉山「やめろ戸部!」

ザワザワザワザワ

八幡(……このままじゃ確実に雰囲気は悪くなる一方だ。まあ俺には関係無いがな。出来ることならこのまま内輪揉めを楽しみたいところだ。ただ……)

結衣「や、やめようよ!」

三浦「ほら、落ち着いて冷静になりなって……」

大岡「けどこんなのって……」

戸部「俺らどうすりゃ良いんだよ……」

生徒A「なんかヤバくね……」ヒソヒソ

生徒B「凄く怖いし知らない振り知らない振り……」ヒソヒソ

葉山「クッ……!」

「俺がやった」

一同「!!」

葉山「……え?」

結衣「ヒッキーなんで……」

八幡「俺はぼっちだ。俺と違って何も挫折せずに友情ごっこやってるそいつらに腹が立って朝、黒板にコイツらのデマを書いたんだよ」

八幡(どうせ初めからいてもいなくても同じような人間だ。なら、こういった胸糞悪い事柄は……)

戸部「テメェッ!!」ダッ

葉山「止せ!戸部……!」ガシィッ

大岡「このやろう!」ブン!

葉山「なっ!大岡止めろ!!」

八幡(全部……)

バキイッ!!

八幡「……俺の管轄だ」ドサッ

放課後

八幡(あれからクラスは共通の敵を見付けたお陰か雰囲気は一定ラインまで回復した。教師の耳にその噂が届かなかったことだけがせめてもの救いか……)

葉山「……話がある」

八幡「何だよ、最後まで残っておいて俺みたいなクズに話しかけるのかよ。お前の評判がた落ちだぞ」

葉山「昼間の件……済まなかった」

八幡「ハァ、何言ってるんだよ。あれは……」

葉山「僕はまた何も出来なかった。あれだけの惨事になっておきながら友人の噂を止める事も、友人の暴挙を止める事も出来なかった……」

八幡「だから、何を言って……」

葉山「君の言った事は全て嘘なんだろう?あの場を抑える為に君は敢えて……」

八幡「……俺はお前らリア充が本当に恨めしく思うよ」スタスタ

葉山「比企谷君……済まない……」ギリッ

八幡(流石葉山だ……。こういった事は自信あったんだがな……)スタスタ

ガラッ

結衣「……」プルプル

八幡「由比ヶ浜……」

結衣「ねぇ、ヒッキー。なんであんな嘘ついたの?いくらなんでもあんなのって……」

八幡「……」

結衣「ねぇヒッキー、何もヒッキーが傷ついたからって全部解決するわけじゃ無いんだよ。ヒッキーが傷ついたらヒッキーを思ってる人だって傷つくんだってどうして分かんないの!答えてよ……ねぇ、答えてよ……」ポロポロ

八幡「俺は……問題の解消をしただけだよ。解決なんてしない、それに俺……」

八幡「……ぼっちだから」

結衣「……!」ダッ

タッタッタッタッ

八幡「……」

雪乃「見事なまでに無様ね」

八幡「雪ノ下か……」

雪乃「由比ヶ浜さんから事の顛末は聞いたわ。随分と派手にやられたそうじゃない」

八幡「まあな……」

雪乃「その上であなたにハッキリと言っておくわ。私はあなたのその下卑たやり方は嫌いだわ」

八幡「……ああそうかい」

雪乃「貴方はもう少し自分の関係を見直すべきよ。自分の周りに一体どれだけの人間がいるか、それを……考えて。お願いだから……」スタスタ

ガラッピシャッ

八幡「……自分自身の関係……か……」

八幡(今日は……もう、なんか疲れた……)スタスタ

戸部・大岡「……」

八幡「……」スタスタ

戸部「待ってくれ!」

八幡「んだよ。これから用事あんだけど……」

八幡(というのは真っ赤な嘘。用事なんてこれっぽっちもありはしない。面倒な時はこれで乗り切る。ソースは中学生の頃の同級生の誘いの返事)

大岡「あまり長い時間は引き止めはしない」

八幡(こう言われると何も言い返せん)

戸部・大岡「済まなかった!」

八幡「……葉山から聞いたのか」

大岡「あ、ああ……」

戸部「だけど俺達で冷静になって考えてみたら比企谷君はンなことするような奴じゃないって思ってよ……それで……」

大岡「本当に済まない……」

八幡「……別に、気にしてないから」スタスタ

八幡の家

小町「あのさぁお兄ちゃん、なんか元気無いね?良かったら小町が相談乗るよ。あっ、今の小町的にポイントたかーい!」

八幡「うぜぇから。あと目に元気が無いのは元からだろ」ピコピコ

小町「でもさ、お兄ちゃん。もし何かあったら言ってね。なんだかお兄ちゃん辛そうだし。……一人しかいない大切なお兄ちゃんだからさ……」

ギイッパタン

八幡「辛そう……か……」

翌日

八幡「……」スタスタ

平塚「やあ、どうだい目覚めは……」

八幡(ゲッ……平塚先生。明らかに声色が怒りモードなんですけど……)

八幡「別に、いつもと変わりませんよ……」スタスタ

平塚「そうか。……比企谷、犯人が捕まったぞ」

八幡「……!」ピタッ

平塚「昨日の放課後私の方に自首しにきてくれたよ。これに関わった奴全員にはこの事は伝えてある」

八幡「そうすか。良かったっすね解決して」

平塚「解決はしていないぞ比企谷。まだ君の事が残っている」

八幡「そんな事、先生には関係が……」

ガシィッ

八幡「……!」

平塚「いいか……君は勘違いしているかもしれないが、誰かを助けることと君が傷つく事は決してイコールで結ばれているわけじゃない」

八幡「……」

平塚「ましてや今回の件は誰も得をしていない。ただ単に君が他よりも多大な被害を受けただけだ」ググッ

比企谷「……別に俺だけだったら」

平塚「まだそんな事を言っているのか!いいか、今や君の周りには多数の人が関わっている。特に雪ノ下と由比ヶ浜は君に強い思いを抱いている。あの子達が君の事を知った時、何を思ったが君には……」ググッ

八幡「……先生、痛いです」

平塚「……済まない。少し熱くなりすぎた」パッ

平塚「……君は少しは自分を大切にした方がいい。少なくとももう自分から傷つこうとするな……」

八幡「俺は……」

平塚「君ならこの後何をすべきか分かるだろう……」スタスタ

八幡「……」

昼休み

八幡(結局、昨日の件がまるで無かったかのように教室は賑わっていた。俺の存在感も昨日とはうって変わっていつも通り。人の噂なんて一日も持たなかった……ということか)

葉山「比企谷君、ここいいかな?」

八幡「好きにしろ……」

葉山「済まなかった。本当に昨日の件は……」

八幡「まだ言うのかよ……。犯人は自首したし、第一お前は何もしていないだろ」

葉山「いや、何も出来なかった……。俺は無力だったよ。結局僕は昔から何も変わっていなかった……」

八幡「別に変わる必要なんかねぇよ。今のお前に集まる奴は沢山いる。周りがお前を受け入れているんだったらそれでいいんじゃねぇの……」

葉山「……」

海老名「……ヒキタニ君」

八幡(ゲッ……)

葉山「ひ……姫菜、今は……」

海老名「ヒキタニ君、きっと大丈夫だと思うよ。ヒキタニ君の取った行動は決して良いものじゃなかったけど、それでも……きっとあの子は心の底から信じてくれているから……」

八幡「お、おう……」

葉山「姫菜、一体何を言って……」

海老名「……という訳でやっぱり二人的にははやはち?それともはちはや?どっちが攻めでどっちが受けなの!!」ズイッ

三浦「ハイハーイ姫菜、ちょっとジュース買いにいくよ」グイグイ

海老名「ああ……あっーーー……」ズリズリ

八幡・葉山「(唖然)」

放課後

八幡(俺が今すべき事……か)

八幡(俺は……)


こっから先の展開考えてないから安価

>>38
1.そのまま帰る
2.奉仕部に行く

1

八幡(……帰るか。帰ってゲームして……寝よう)スタスタ

雪乃「どこへ行く気かしら比企谷君」

八幡「雪ノ下……お前」

雪乃「あなた、由比ヶ浜さんに言いたいことがあったからこの時間まで残ったのではないかしら。それなのに貴方は帰ろうとしている……由比ヶ浜さん待っているわよ」

八幡「……!」

雪乃「分かったなら行きなさい。私からの通告よ」

八幡「その前に雪ノ下、話がある」

八幡「……辛い思いをさせて済まなかった。お前は表情には出さなかったがあの時……」

雪乃「……バカね。頭を下げる相手なら別にいるでしょう」クルッ

雪乃「……行ってきなさい、奉仕部へ」

八幡「……ああ」

タッタッタッタッ

雪乃「……」

八幡(向こうを向く際の雪ノ下の目には涙が浮かんでいた。少なくとも俺にはそう見えた……)

八幡(……こんなにも全力を出して走ったのは久しぶりだ。なんで俺はこんな汗かきながら廊下を全力で走っているんだろうな……)

八幡(……考えるまでもないか)

ガラッ

結衣「……!?」ビクッ

八幡「ハァ……ハァ……」

結衣「ヒ、ヒッキー……」

八幡「ゆ、由比ヶ浜……」ヨロヨロ

結衣「ちょっ!ヒッキー無理しないで……」

八幡「済まなかった!」

結衣「……」

八幡「お前の気持ちを考えずに俺は勝手に自分を傷つけて結果、お前まで傷つけてしまった。本当に済まない」

結衣「……ヒッキーは、やっぱりいつも優しいよ。普段はキモい考えとかで卑屈だったりするけど、ヒッキーはやっぱり優しいよ。いつもそう……」

八幡「……」

結衣「サブレを助けた時だって自分の事、後先考えずに出ていって……それで大ケガして……グスッ……」

八幡「由比ヶ浜……」

結衣「もっと……ヒッキーは自分の事大切にして。ヒッキーは気づいていないかもしれないけど、ヒッキーを思ってくれている人沢山いるんだよ。小町ちゃんにさいちゃんに中二に平塚先生にゆきのん……」

八幡「それに由比ヶ浜……か」

結衣「……うん、だからヒッキー約束して。もう自分から自分を傷つけないって」

八幡「……分かった。約束する。それと由比ヶ浜……えーと、その……なんだ……」モジモジ

結衣「……?」

八幡「……ありがとう」ボソッ

結衣「……う、うわぁぁぁぁん!!」ブワッ

八幡(あ、ヤバ……)

ダキッドサッ

結衣「……グスッ……ヒッキー……グスッ……」

八幡(……何やってんの……俺……)

??『ちょっ、ちょっと……平塚先生。別に私は……』

平塚『別にいいじゃないか。ここは君の部だ、君がいて何が悪い』

ガラッ

八幡・結衣「……あ」(尻餅ついて泣き付かれている状態)

雪乃「ゆ……由比ヶ浜さん、一体何を……」アセアセ

平塚「ヒーキーガーヤー……私は君に女子に手を出せと言った覚えは無いんだがなぁ……」パキポキ

八幡「ちょ……ちょっと待ってください、平塚先生。これは別に俺から仕組んだ訳では……」ズザッズザッ

平塚「問答無用!!」バキィッ

八幡「ぐはぁっ!!」ドサッ

結衣「ヒ、ヒッキー!?」アセアセ

帰り道

結衣「ヒッキー、大丈夫?」

八幡「イツツ……どうしてこうなった……」ヒリヒリ

雪乃「だからあなたが誰もいないのを良いことに由比ヶ浜さんを襲ったからよ」

八幡「俺が尻餅ついてた状態を一体どう見たらそうなるんだよ……」

雪乃「あなたのひねくれた根性を体現したその目よ」キッパリ

八幡(判断材料は目だけかよ……)

雪乃「まあ、今回の件で自分の愚かさをしっかり噛み締める事ね。あなたはもう一人ではないのだから……」

八幡「……分かったよ。深く反省しています」

雪乃「そう、なら良いわ」

八幡「なあ、それと雪ノ下」

雪乃「?」

八幡「~~~~~」

雪乃「バカね。当たり前の事じゃない。少なくともこの学校にいる限りはね……。それじゃあ私はここで」

結衣「ゆきのんまたね~!」

結衣「それじゃあ私もここで……またね、ヒッキー!」

八幡「ああ、またな。……由比ヶ浜それと」

結衣「へ?」

八幡「~~~~~」

結衣「……うん!じゃあねヒッキー!」

八幡の家

八幡「ただいま」バタン

小町「お帰りなさいお兄ちゃん!今日は遅かったね」

八幡「ん、まあな」スタスタ

小町「お兄ちゃん何か良いことあった?今日は顔スッキリしてるよ」

八幡「何もねーよ、バーカ」ギシギシ

小町「……良かったね、お兄ちゃん」

結衣(泣いたらなんかスッキリしちゃった……)

雪乃(比企谷君は今回の件で本当に分かってくれたのかしら……)

結衣(ヒッキーに言われたあの言葉……)

雪乃(私は恐らくあの言葉を忘れないわ……)

結衣・雪乃(それが私達の新たな繋がりだから)

八幡『えーっと……なんだ、その……』

……これからもよろしく頼む

最後まで見てくれてサンクス
取り合えず最後にこれだけは書かせてくれ


好きなキャラは葉山と八幡次点で結衣ちゃんです

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