のび太「これがシュタインズゲートの選択・・・?」(165)

先週最後まで投下できなかったので
立ったら最後まで投下する
トリップせっかくつけたのに忘れるという大失態

紫煙

「うわああああああああん」

今日も住宅街の一角にそんな泣き声が響き渡る。

その小学生をまたかというような目で見る青色のロボットが言う。

「のび太君、今日はどうしたの?」

「ぐすん・・・ドラえもん聞いてよ。今日空き地でみんなと遊ぶ約束してたんだけど

みんなが全然来ないから仕方なくスネオの家に呼びに行ってみたんだ。

そしたらみんなもうスネオの家に集まっててさ・・・」

「それはひどい、なんでそんなことになったのさ?」

「僕も怒って、集合場所が変わったなら教えてよ!って言ったのさ。

そしたらスネオのやつこんなこと言うんだ。

『あれ~、みんなにはメールで今日の集合場所を僕の家にするって連絡したはずなんだけどな~。

あっれ~、そういえばのび太ってまだ携帯電話持ってないんだっけ?ハハッ』なんて言うんだよ!」

来たか

「そういえば、ジャイアンやしずかちゃんも最近携帯電話買ってもらったって言ってたね」

「そうなんだよ!だから僕さっきママに携帯買ってってお願いしたんだけど『家にはそんなお金ありません!』なんて言うんだよ。

ドラえもん・・・なんとかしてよ~」

やれやれと言う顔をするドラえもん。

それでもドラえもんはいつものことだと言うようにポケットに手を伸ばし

「電話レンジ(完成形)~」

といつもの調子で未来の道具を取り出すのだった。

「電話レンジ(完成形)?変な名前だね」

「僕の時代から言うとだいぶ昔に作られた未来型携帯電話の基礎になったものなんだけどね。

それを作る過程で電子レンジを使ったとかいうのでこんな名前付けられてるらしいよ。

変な名前だけど見た目は普通の携帯電話と同じだから僕らはタイム電話って呼んでるけどね。

この携帯電話は現代にメールを送れるだけじゃなくて過去や未来にだってメッセージを送ることができるんだよ」

目の前の少年はそんな機能がなんの役に立つのかと思ったが憧れの携帯電話と言うことで説明も聞き流してその携帯電話を持って一目散に家を飛び出していった。

「あ、のび太君まだ説明は・・・まぁいいか。さて続きの漫画読みながらどら焼きでも食べよう」


静かになったのをいいことに青い猫型ロボットは呑気にゴロリと横になった。

この時まだ彼はこの先どのような事が起きるのかわかってはいなかった。

きたか!!

それからしばらくはいつもの日常が過ぎ去っていった。

未来電話は過去や未来にメールを飛ばすこと無くほぼ仲間内での現代の携帯電話と同じような使われ方をしていた。

そんなある日のこと、学校ではいつものように先生がテストを返却を行なっていた。

「野比!野比君!・・・君ねぇ、テストの出来が悪いのはいつもの通りだけど名前くらいきちんと書きなさい。0点!」

こともあろうに、のび太はテストの答案用紙に名前を書き忘れるというおっちょこちょいをしてしまっていた。

キーンコーン

「おいのび太!あ、名無しの権兵衛君だっけ?わはは」

「いくら点数悪いからって自分の名前もかけないなんてのび太らしいや。ハハッ」

ジャイアンとスネオがここぞとばかりにのび太に絡んでくる。

「うるさいうるさーい!」

恥ずかしさのあまり教室を飛び出しくのび太。

走っていった先はいつもの空き地の土管だった。

「はぁ・・・僕はどうしてこんなにおっちょこちょいなんだ・・・。

過去の僕と話せるならテストの答案用紙にちゃんと名前を書くように!って注意してあげたいよ・・・」

一番くじ引いてきた

過去の自分に注意・・・

はっ!

「そうだ!この未来電話を使えば過去の自分にメールを送って名前を書かせるようにもできるんじゃないか?」

それに気づいたのび太はさっそく自分に向けてメールを送る。

「えーっと、メールの送信日時をテストの1時間前にしてと・・・。『テスロの名前欄を忘らないように』と」

まだ携帯電話に慣れていないのび太は持ち前のおっちょこちょいさで打ち間違えをしたのにも気づかずメールを送信する。

「あ、打ち間違えしてる・・・まぁ内容は伝わるだろうからいいか。さてどうなる・・・?」

ドクン

心臓の鼓動が1つだけ大きくなった。

何これ・・・。

しかしそれは直ぐ様収まったのであまり気にはしなかった。

しえん

「そうだ!テストはどうなったかな」

のび太はカバンからテスト用紙を取り出す。

そこには25点と書かれたテスト用紙が出てきた。

「本当に変わってる・・・けど、25点って結局だめじゃないかよ~」

そんな情けない声が土管に木霊した。

下手くそだな
もう落とせよ

私怨

その日、家に帰ったのび太は過去にメールを送ったことなんかを忘れていつものように夕食後のひとときを過ごした。

寝る前にドラえもんがのび太に話しかける。

「そうそうのび太君、未来電話なんだけど普通に使う分はいいんだけど

過去にメールを送ったりすると未来が変わったりして大変なことになることもあるから気をつけてね」

そんなことを言った。

「・・・」

返事はかえってこない。

「・・・zzZ」

「のび太君、寝付き良すぎ・・・まぁ普通にしか使ってないみたいだしまた今度でいっか」

夜は更けていく。

>>10
8回引いて紅莉栖、オカリン、もえいく、ノート2、ポスター2、ストラップ、ラストワンですた

次の日のことだった

退屈な授業を聞いていつものように帰り際みんなで空き地で遊ぶことになった。

一旦家に帰った後で空き地へ行くとスネオを中心にみんなが集まっていた。


「・・・でさ~、この電話、パパに頼んで今度発売される最新機種をもらっちゃったんだ~。

カメラはみんなが使ってる数倍の性能!ゲームだってこんなに動くんだよ」

周りからすごーいとか触らせてくれとかワイワイ言われていた。

どうも、スネオは新しい携帯電話をみんなに自慢しているようだった。

のび太はニヤリと笑って

「僕の電話なんてドラえもんにもらった未来の電話なんだぞ~。スネオのやつなんかより何倍も凄いんだ!」

小学生の多感な時期、のび太も例に漏れず自分の持っている貴重な未来の電話というものをみんなに自慢したいという気持ちを抑えることは出来なかった。

それまでスネオの周りに集まっていた人がみんなのび太に寄ってくる。

ジャイアンが近づいてくる

「おい、のび太本当かよ!

そういえば急に携帯電話なんて持つから珍しいなと思ってたけどドラえもんの物だったのか。ちょっと貸してみろよ」

そういうとのび太から電話を取り上げる。

「ちょ、ちょっと!勝手にいじらないでよ!」

「いいから触らせろよ!」

勝手にいじりはじめるジャイアン。

「もうダメだってば」

「うっせーのび太!おまえのものは俺のもの俺のものは俺のもの!」

そこにメールの着信が来る。

「もう返してったら!」

のび太は無理矢理ジャイアンから携帯を取り返す。

「あ、ドラえもんからのメールだ。

『みぃちゃんのデートで少し帰るの遅くなるね☆』だって。

もうあんまり遅くなるんじゃないぞ・・・」

といいながら返信を打つ。

「『早く帰れ』と、送信」

のび太は知らなかった。

未来電話は限りない未来までメールを送れるものではなかった。

それは本来、現在及び過去にしかメールを飛ばせないものだということに。

しかしその携帯はドラえもんがいた未来のサーバーを経由してメールを送るので、22世紀以前には送ることができるのだ。

つまり便宜的に未来(22世紀)にまで送れるということなのでドラえもんは過去にも未来にも送れると説明していたのだ。

これまで未来モード(実際には現在モード)を利用したことはなかったが

ドラえもんが未来で所持していた際に設定していた時間情報がそのまま残っていたのだ。

それは最後に未来で時間同期を行った瞬間の時間。

そう、ドラえもんがのび太に初めて会いに行くその瞬間の時間になっていた。


のび太は気づかなかった。

ジャイアンがいじっていた時にメールモードが現在モード、つまりその瞬間に設定されていたことに。


『早く帰れ』

そのメールはのび太に会いに行く直前のドラえもんの元に届けられることになった。

ドクン


世界線は変わる。

誰にも悪意はなくとも変わってしまう。

誰もそれに気づいていないとしても。


「あ・・・れ・・・」

のび太はこの心臓の鼓動が未来電話によるものだと気づいた。

そして周辺が一変してしまったことにも。


そこには今まで騒がしかったみんながいなかった。

そしてつい先程まで握られていた未来電話も元から無かったもののように忽然と消え去っていた。







------------ダイバージェンス5.20% 【無青世界の漂流硝子】

胸騒ぎがして家に急いで帰る。

「ドラえもん!!」

呼んでも返事はなかった。

まだミィちゃんとデートしてるだけかもと思い

探しに行くべく押入れにあるスペアポケットからタケコプターを取り出そうとする。


「あれ・・・?スペアポケットがない・・・?」


枕の下にいつも置いてあるポケットがそこにはなかった。

いや、それどころかいつもドラえもんの為に敷いていた布団がまるで使われていない客人の布団であるかのように

クリーニングに出して返ってきたままの状態でしまってあった。


「そ・・・んな・・・」


動揺した。

「そうだ、タイムマシンなら・・・」

そこにいつもあった机の中のタイムマシン。

ガラ

引き出しを開けるとそこには、そこにあるのが当然のように0点の答案用紙や文房具が収まっていた。

「そんな・・・馬鹿な・・・」

僕は家を飛び出す。

みんなに相談しよう、いつだってみんなと力を合わせれば異常な事態を乗り越えられたじゃないか。

「スネオー!」

家から出てきたスネオは不審そうに一瞥して声をかける。

「なんだのび太?」

「なんだじゃないよスネオ。ドラえもんが大変なんだ!道具だってないし、わけがわかんないよ!」

「それにドラえもんってなんだよ?デジモンの新しいやつか?」

不審そうな顔を浮かべるスネオ

「どういうことなんだ・・・?まるでドラえもんがもともといなかったみたいな・・・

も、もしかして!」

僕は記憶を辿る。

そういえばあのメールを送った時、時刻の設定が未来に送るモードに変わっていたような・・・。

だとしたら未来から来るはずだったドラえもんは「帰れ」というメールに不審に思い

現代に来るのをやめたんじゃないか・・・?

面白い

ようやく来たか

「もしかして忘れちゃったのか・・・?」

「忘れたってなんだよ、はじめから僕はそんなもの知らないよ!・・・あれ?知らないはず・・・だよな?

なんだか妙にドラえもんってのが懐かしく感じるような・・・いや気のせいだよな。

僕はそんなやつ知らないよ。もう今からパパとママと高級レストラン行くんだからもう帰ってくれ」


ドラえもんが来なかった世界

ドラえもんが来なかった世界を想像したのび太は身震いをした。


大冒険を仲間と一緒に乗り越えていくうちに育んだ友情は無かったものになり

小学校高学年として不釣り合いなほど勉強もスポーツもできず、それを助けてくれるドラえもんもいない世界で

みんなと仲良くなったりすることは本当にできただろうかと。


僕は全てを悟り絶望した足で家へと帰っていった。



-----小学生編完

ちょっと優しくなっててワロタ

ドラえもんはあれから帰って来なかった

僕は平凡などこにでもいる小学生としてそれからを過ごすことになった

まるで漫画のようだった日々は消え去り

大冒険など起こらず

ただ時間だけが過ぎていった


はじめこそドラえもんがいないことの絶望から

いるはずのない彼を探し回ったりする日々を送っていたが

それも1ヶ月、半年、1年と経つうちにすることもなくなり

もともとドラえもんなんてものが夢の中のものだったかのように思えるようになった

しずかちゃん、スネオ、ジャイアン、出来杉・・・ドラえもんに関わりのあった人間に彼のことを何度を問い詰めた。

みんなどこか懐かしい名前を聞いた時のような反応を一瞬見せたが結局肝心なことは思い出せず

強く問い詰める僕は彼らに変な人と思われたのか距離を置かれるようになった。


ドラえもんがいなくなってから僕に少しだけ変化が起きた

悲しみを隠すためか

みんなと遊んだりする時間が少なくなったからかそれはわからないが

あの頃より机の前に座る時間が多くなりテストの度に先生に怒られるようなことはなくなった


出来杉のような大天才とまではいかないが

人並みの成績を取れるようになり、そのことをのび太のママはとても喜んだ

この前のか
続きはよ

出来杉の話をしたついでに他のみんなとの関係も言っておこう

しずかちゃん
ジャイアン
スネオ

はじめこそドラえもんのことを問い詰め続けた僕と距離をとっていた彼らも

僕が勉強をするようになって--つまりはドラえもんのことをあまり話さなくなって--から次第に普通に接してくれるようになってくれた

かけがえのない仲間だった彼らはどこにでもいる普通の友だちとなった

中学をお馴染みのメンバーで過ごした僕は高校へと進学した

ジャイアンは中学の頃の野球部での成績が認められ高校へはスポーツ推薦で名門野球部のある私立高校へ

スネオは別の私立高校へ

出来杉もみんなとは別の日本有数の一流私立高校へと

しずかちゃんと僕は同じ公立高校へと進学することになった


あの頃の友達はもうしずかちゃんだけとなった

そのしずかちゃんとも学校であったら少し話す程度の仲となった


ドラえもんのいない日々は光のように過ぎ去っていった

一流とまでは言わないが僕は普通の人が辿る人生のレールに乗ったかのように

特に目的意識があるわけでもなく国立大学の工学部へと進学を決めた

大学生活が始まってから少し経ってから

僕の人生の二度目の転機が訪れた

そこそこいいからはよ

それは出来杉からの電話がきっかけだった

「あ、のび太君?久しぶり。

実は今度、ある大学に弱冠17歳でアメリカの科学誌に学術論文が掲載された天才が講師にやってくるんだけど

もしよかったら一緒に聴きに行かないかな?」

「講義・・・ねぇ。なんで僕なんかに?」

「いや、実はその人のやる講義って言うのがタイムマシンに関してなんだ」


ドクッ


心臓の音が少し大きくなった

「た・・・タイムマシン・・・?」

封じ込めてきたあの頃の記憶が大きく揺さぶられる単語だった

それはかつての僕の親友だったあいつが初めてやってきた乗り物だった

それから大事な仲間とも何度もそれに乗って冒険を繰り返した

色褪せた記憶に再び色がつくのを感じる

「そうさ、タイムマシンさ。小学生の頃だったかな。

君が急にドラなんとかがどうとかよくわからないことを言ってたことがあったよね。

その頃君がタイムマシンがどうとか言ったのを僕がタイムマシンなんて不可能だよって言ったら凄く怒ってたの今でも覚えてるんだ。

それから君は人が変わったようになってさ・・・。

そのことをタイムマシンって聞いて思い出して、

もしかしたらのび太くんはタイムマシンに興味があったんじゃないかなって思ったんだ。」

数日後

僕は出来杉とその人の講義を聞きに行くことになった

牧瀬紅莉栖

17歳とは聞いていたがそこには想像していたよりずっと若くそしてずっと綺麗な人が壇上に立っていた


講義では鳳凰院凶真(?)とか名乗る白衣の変人が突っかかっていくことで予想外に盛り上がることになる

01.中性子星理論

02.ブラックホール理論

03.光速理論

04.タキオン理論

05.ワームホール理論

06.エキゾチック物質理論

07.宇宙ひも理論

08.量子重力理論

09.セシウムレーザー光理論

10.素粒子リング・レーザー理論

11.ディラック反粒子理論



タイムマシンの11の理論から始まったその講義はこのような内容で締めくくられる



以上よりタイムマシンは理論上不可能だと

はよはよ

はよ

一緒に来ていた出来杉は牧瀬紅莉栖と少し会話をして

その後あの白衣の男のツレと思われるダルと呼ばれていた太めの男と意気投合をしていたようだったが

僕はその姿を尻目に会場を後にすることになった


結局あの頃に繋がるような手がかりは当然得られることもなくガッカリしつつ

そしてどこかこうなることを予期していたかのように家路につく

それから更に数日後の事だった

世間はラジオ会館に落ちた隕石のニュースで持ちきりだった頃

再び出来杉からの連絡があった


「のび太くん、実は君に聞いてもらいたいことがあるんだ。

今から秋葉原のある場所に来てくれないか?」

「今から?急だなぁ。一体どうしたんだい?」

「電話では言いにくいんだけど・・・タイムマシンに関してなんだ」

「え・・・?」


またタイムマシン・・・?

その単語を聞いて僕は無意識の内に出かける準備を始めていた

縋りつけるものには何にでも縋り付きたいそんな心境だったのかもしれない

まってた

6月1日に秋葉原に絶対に行くな

秋葉原とかこれかよwwwww

出来杉に聞いていた場所は秋葉原にあるとあるブラウン管テレビ屋の2階だった。

ガチャリ

扉を開ける

「誰だ!?どうしてこの場所がわかった・・・まさか貴様、機関の人間か!?

・・・もしもし、俺だ。非常事態だラボの場所が機関に漏れている。

あぁ大丈夫だ、ラボの秘密は必ず俺が守り切る。・・・エル・プサイ・コングルゥ」



???

扉を開けると同時に白衣の男が急に飛び出してきて一人で携帯電話に話し始めた。

よく見るとこの男、タイムマシンの講義の時に牧瀬紅莉栖につっかかっていっていた・・・

みてるよ‼

お前を見ているぞ

「はいはい、中二病乙。オカリンのこれは病気みたいなもんだから気にしないでくれだお」

「これだから中二病患者は」

「トゥットゥルー♪オカリンは真性の中二病さんなのです」


部屋の中から更に3人が出てくる

一人はあの時講義に白衣の男と一緒にきていたダルとかいう男だった

そして2人めはなんとその講義を行った牧瀬紅莉栖だった

最後に出てきた美少女は後から話を聞いた所あの白衣の男の友人らしい

あの白衣の男、鳳凰院凶真と名乗った男は岡部倫太郎というのが本名でオカリンと呼ばれているようだ。

「やぁのび太君」

「あ、出来杉。電話では話しづらいことって一体なんなんだい?」

「実はこの間の講義で知り合いになったダル君から僕に連絡があってね。

彼らだけでは判断に困る案件で僕の助けが欲しいと」

「判断に困る案件?」

「そう・・・タイムマシンについてのね」

「た、タイムマシンだって!?」

「こらー!俺の話を無視して先に進めるなぁ!」

「岡部の妄想全開中二病話に付き合ってたら日が暮れちゃうでしょうが」

「ぬぁんだとぉ!助手の分際で何様のつもりだ!」

「誰が助手だ!」


出来杉の話は彼らの会話で一旦中断された

すぐに再開できるだろうと思ったがこの痴話喧嘩はこれから20分間たっぷり続いたのだった。

その口喧嘩を横で見ながらふとあの頃の記憶が呼び起こされる。

まだ子供だった僕もよく一緒に住んでいた彼とこんな風に些細なことで喧嘩していたな。

「ドラえもん・・・」

小さな声で無意識の内に発せられた言葉は紅莉栖とオカリンの会話にさえぎられ誰にも届くことはなかった。

「ふはははは。ようこそ我がラボへ!・・・と言いたいところだが本来俺はこれ以上他人を関わらせたくなかったんだ。

それを我がウェストアームズのダルが『ちょっと僕の手だけじゃ足りないから出来杉君も呼ぶお」とか言って勝手に連絡して・・・」

「いや、これマジで僕だけじゃちょっと手に余るし、牧瀬氏もどうなってるかよくわからないって言うし

学生でありながら数々の論文を発表してる出木杉氏にも手伝ってもらおうと思ったんだお。

あとウェストアームズで右腕ってなんで複数形のsついてるんだよってツッコミは無しの方向でおk?」

「話はだいぶ掴めてきたんだけど、その手に余る案件って一体なんなの?

牧瀬さんや出来杉にも手に余る案件じゃ僕に手伝えることなんてなさそうだけど・・・」

「はーっはっはっは!全てはこの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真が創りだした大発明『電話レンジ(仮)』に関してなのだよ!」

電話レンジ・・・?

あれ・・・

どこかでその単語を・・・

走馬灯のように記憶が駆け巡る

---『「電話レンジ(完成形)~」』

脳天気な声の彼の声がつい先日のことのように見事に再生された

僕は息を飲む

次の言葉が出てこない

心臓の動悸はフルマラソンを走ったかのようにバクバク言う

口をパクパクさせるだけで言葉が出ない僕を不審に思ってかオカリンが声をかけてくる

「ん?どうした?」

「そ、それって・・・時間を超えてメールを送れる・・・?」

違う

そんなわけない

そう思いながらこんな偶然の一致にしてはありえない奇跡的なネーミングの物に期待を寄せずにはいられない

これが全く別のものだとしたら僕はきっともう何にも期待することはできない・・・


「ん?なんだ出来杉、お前もうこいつに我がラボの最高機密を話してたのか?」

「いや、僕はまだ何も言ってないよ」

そんなやり取りを聞きながら僕は目尻に涙が溜まるのを感じる


ドラえもん・・・君へ繋がる可能性にようやく出会えたよ

久々だな

面白いと思うぜ

もう泣けてきたww

それから僕は彼らにあの頃の僕とドラえもんの物語を話した

もちろん全部信じてもらえるなんて思っていなかったけど話さずにはいられなかった


「なるほど。つまりそのドラえもんとかいう未来のロボットが持ってきたタイム電話なるものが

我がラボの最高機密の電話レンジ(仮)を元に作られたものだと言うことか」

「なんだかとても信じられないんだな。牧瀬氏はどう思う?」

「私もダルに賛成。22世紀ってほんの100年後の話よ?

そんな近い未来で人間のような知能を持ったロボットが生まれタイムマシンで過去へやってくるなんてとても信じられないわ」

「だが、こいつは電話レンジ(仮)が時間を超えてメールを送れる装置だと言うことを知っていたぞ」

「それは・・・」

一瞬、ラボ内に沈黙が生まれる

「うーん、まゆしぃね難しいことはわからないのです。でもね、大切な人と別れるって凄く辛いってことは知ってるよ。

それが人だろうとロボットだろうときっと変わらないとも思うのです」

そして一呼吸置いて言う


「もしもこの電話レンジ(仮)がその大切なドラえもんさんに出会うことに繋がるならまゆしぃはのびたんに協力してあげたいと思うのです」

のびたんペロペロ(^ω^)

出たのびたん

「ふはははは、さすがだまゆり。この電話レンジ(仮)を作った俺とそれの完成形を使ったことがあるのび太

その2人がこうして同じ場所で邂逅したのだ。すべては運命石の扉-シュタインズゲート-の選択である!

電話レンジ(仮)の実験も兼ねて我が総力を持って協力してやろうではないか!」

「ありがと、オカリン♪」

「ふはははは気にするでない。我は狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真であるぞ!」

そんな盛り上がりを見せる中紅莉栖が小さく手を挙げて言う

「で、のび太さんの話が本当だったとして狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真さんはいったいどうやって何を協力してやるつもりなのかしら?」

「それは・・・おっと機関からの連絡が来たようだ後はダル、任せたぞ」

「え?僕?うーん・・・つまりのび太氏が小学生の頃に送ったメールが原因でドラえもんが消えてしまったんだよね?

だったら単純に考えたらそのメールを送らないように警告するメールを過去に送ってみたらいいんじゃないかな?」

そうか!それならあの時僕はメールを送らなくなりドラえもんはそのままいて

あの夢の様な時間がなかったことにならない!

そんなダルの提案に出来杉が口を挟む

「それは僕も考えたんだけど「ダメよ!」」

そんな出来杉に紅莉栖が割って入る

「それって過去を改変するってことでしょ?

過去から未来へは1本の道で繋がっているの。過去を改変なんかしたらきっと今の世界は大変なことになっちゃう。

電話レンジ(仮)を使うのは極力やめたほうがいいと思うわ」

「僕もその意見に賛成だね」

やっと見えたゴールへの道筋をあっさり閉ざされそうになって僕は焦る

「でも、ただドラえもんが帰ってくるだけじゃないか・・・

それで変わることなんてせいぜい僕とドラえもんとその周りにいたしずかちゃんやスネオやジャイアンくらいで・・・

それにいい未来になるんだったらいいじゃないか!」

「のび太くん、バタフライ効果って知ってる?」

「バタフライ効果?」

「そう、ブラジルでの蝶の羽ばたきはテキサスでトルネードを引き起こすっていう話なんだけど

カオス力学系において、通常なら無視できると思われるような極めて小さな差が、やがては無視できない大きな差となる現象のことを指す、

カオス理論を端的に表現した思考実験のひとつのことなんだ」

「難しくてよくわからないよ・・・」

「つまり、ドラえもんが戻ってくるただそれだけのことでも全世界の事象が大きく変化されてしまう可能性があるってことさ」

「それって・・・」

「そうよ、何の関係もないかもしれない事象なのにそれが原因でもしかしたら私たちはこの場所にいないかもしれないし

もしかしたら生きてさえいないことになるかもしれないの

ほんの数日、数週間くらい前のことならまだよかったかもしれない。

だけどそのドラえもんが消えてから10年近くもの歳月が経ってる。

その歳月は蝶の羽ばたきがトルネードを引き起こすには十分な時間だと私は思ってるわ」

--

---

「まゆりには悪いけど、私はドラえもんがいなくなってからこれまでの全世界の人の運命を変えてしまうかもしれないことには賛成できないし

その人達の運命に責任も持てない。だからそんな風に電話レンジ(仮)を使うのには賛成できない」

ほんの数分前まで見えていたゴールが意図も簡単に崩れ去っていく音が聞こえた。

その日はそれでお開きとなった

協力してくれそうだったオカリンとまゆりさんも紅莉栖の意見を聞いた後ではさすがに僕に無条件で協力するとは言えず

ただ黙って辛そうな顔をしてくれるだけだった

【閑話休題】
とりあえずここまでが前回のおさらい
残り少しだったのに1週間あけてしまって申し訳ない
それではラストスパート
矛盾やらおかしな文章はとりあえずスルー推奨

見ているぞ

それから更に日付が過ぎ去った。

あれからラボには一度も顔を出していない。

出来杉は毎日顔を出しているようで

毎日その日のあった出来事や僕にもう一度ラボに顔を出してほしいという内容をメールに書き綴ってくれた。

それでも僕はラボに行く気が起きなかった。

僕は怖かったんだ。

僕は地球に住む全人類の運命をねじ曲げてでも

たった一人の友人に会うためだけに電話レンジを無理やり使用してしまう、そんな衝動に自分がかられてしまうことを。

ラストスパートなんか
あと50レスは続くと思ってた

夢を見た

ラボの夢だ

そこにはオカリンやまゆりさん、紅莉栖さんにダル、出来杉がいた

-ダメだ!絶対に使わせない!
--のびたん、残念だけど諦めて・・・
---だめよ!過去は変えるのは危険なの!
----僕は今の世界が割と気に入ってるから変えるのは反対なんだな!
-----のび太くん、ドラえもんのことは諦めて

!!?

そこで目をさます

最近よく見る夢だ

僕が過去を変えることをみんなで止めようとする夢

時計に目を向ける

まだ深夜2時だ

僕はなんとなくもう一度寝る気が起きず外へふらっと出かける

いつの間にかあの空き地の土管に僕はいた

みんなで野球をして

しずかちゃんがそれを応援して

ドラえもんは僕の失敗を笑顔でニコニコ見てる

そんな光景だった


「・・・あの頃をもう一度やり直したいよ・・・」

僕はいつの間にか涙を流していた

目を瞑るとあの幻影がまた見える

-だめだ!

--だめだよ!

---だめよ!

----だめなんだな!

-----それはやっちゃいけないことだ!
















------私が許すわ

「え・・・?」

土管に座り下を向いていた僕が顔を上げる

さっきまで誰もいなかったはずのそこに一人の女の子がいた

見間違うわけがない

小学生の頃に恋をし、憧れだった女の子がそこにはいた


「みんながダメだって言って反対しても私が許してあげるわ」


「どうして・・・ここに?」

「ふふっ。私にもわからない。

実は出来杉さんからメールがきて、のび太さんのことも聞いたの。

気がついたら足が空地に向かってたの。

出来杉さんのメールにドラえもんの名前も出てきたんだけど、私その名前がどうしても頭を離れなくて・・・。

ううん、小学生の頃もずっと気になってた。

私だけじゃない、スネオさんや武さんもあなたの言うドラえもんがどうしても気になるって言ってたわ。

でも、どうしても思い出せなくて・・・」

「でもあの頃は誰も・・・」

「あの頃も気になってたのは確かだけど、今はそれをより強く感じるの・・・。

出来杉さんが言うにはラボでの実験で何度か電話レンジっていうのを使用したことで

元の世界線に少し近づいた影響なのかもとか言ってたけど私にはよくわからないわ。

のび太さん、今はそんな話してる場合じゃないんじゃない?

行きましょう、ラボに」

「うん・・・うん」

「もう、のび太さんは昔から泣き虫なんだから。ふふ」

僕は嬉しかった。

あの頃、親友と呼べる人間を失って

その親友が一人ちゃんと戻ってきてくれたようで

戻ってくるはずのない過去を取り戻せる

そんな予感がしていた

二人でラボに向かう。

タクシーで到着したのはもう深夜4時を回っていた。

さすがに朝まで誰もいないことを覚悟していたのだがラボにはまだ明かりが灯っていた。

「あ、のびたんだ~!」

部屋に入って最初にまゆりさんが気づいてみんなが集まり始める。

「やぁのび太くん、ちょうどいい所にきたね。実はあれから僕と紅莉栖さんとダル君で

電話レンジを改良して記憶を過去に送ることができるタイムリープマシンを徹夜で完成させたところなんだ。」

「スーパーハカーに不可能はないキリッ・・・なんてね。でもさすがに疲れたお」

「あくまで技術の追求に手を貸しただけで使用して過去を変えさせることは私は認めてないんだからね」


「実はもう一度みんなに話を聞いてもらいたくてここに来ました」

それを聞いてニヤっとオカリンが笑ったような気がした。

「これもシュタインズゲートの選択か・・・それではこれより円卓会議を始める!!」

時刻は朝5時を回る。

「ふむ、つまりのび太はやっぱりドラえもんと会いたいということなんだな」

「過去を改変してもそれが悪い状況になるならそうならないようにタイムパトロールが改変を消し去りに来る・・・

つまりドラえもんがいるという現実が未来に悪影響を及ぼすならタイムパトロールによってできなようにさせられるし

もし改変しても大丈夫ならきちんと改変が行われる・・・だから試させてみろそういうことね」

「はい」

「でもおかしくないかしら?それなら最初に改変が行われたドラえもんが消え去るという内容はタイムパトロールが見逃していることになる。

つまりドラえもんがいるという事実は未来に悪影響を及ぼすと判断されて見逃されたということにならないかしら?」

「そ、それは・・・」

「私はこう考えるわ。のび太さんの話を総合してタイムパトロールがいると判断するなら、

彼らは人類の未来をマクロな視点で捉えて重要な改変のみを阻止してるんじゃないかしら?

つまり、私がもし過去を変えることで10人の人間を殺すとするわ。

でもそれが歴史に名前の残らないような人ならばタイムパトロールは特に動くことはない。

逆に私が過去を変えることで人類の歴史や発展、地球の存続を変えるような場合タイムパトロールは出動するんじゃないかしら?

のび太さんがドラえもんにもう一度会うことで私たちの運命がどうなるかはやっぱりわからない。だから私はやっぱり使わせるわけにはいかないわ」

「そんな・・・」

訪れる静寂

それはある乱入者によって突如掻き消される


ドン!


それは突然だった。

腕に熱が灯る。

パララララという音と共にダルさんと出来杉が地面に倒れる。

何が起きたのかわからない。

音の方へ目を向けると外国人と思われる男が複数人

それにリーダー格と思われる女性が立っていた。

例えばこの紙に正解を書けたとして一年先十年先変わる?

>>80
俺がレスしたことによって未来は変わるかもしれない

襲撃!?誰に!?

オカリンの声が聞こえる

「糞!やっぱりダメなのか!!!糞おおおおおおおおおおお」

やっぱり・・・?

しずかちゃんと紅莉栖は叫び声をあげている。

一体何が起こっているんだ・・・なんなんだよこれ・・・

「黙りなさい」

ドン

そう言うと女性はオカリンの腕に一発の銃弾を放った。

「私はFBの使いできた。大丈夫。まだ誰も殺してはいない。

牧瀬紅莉栖、橋田至、出木杉英才の3名を拉致しにきた。

私たちの目的はタイムリープマシンとそれを開発した3名。従わない場合全員殺す」

ダルも出来杉も倒れてはいるが致命傷は避けられているようだった。

その時階段を駆け上がる足音が猛烈に近づいてくるのが僕には聞こえた。

「うおりゃあああああ!岡部ごめん!遅くなった!」

新しい乱入者は一息の間に屈強な男性に蹴りを放っていく。

僕はその頃まだ知らなかったが彼女の名前は阿万音鈴羽、下の階でバイトをしている女性だった。

ドン

「あ・・れ・・・?失敗しちゃ・・・った」

颯爽と登場した彼女の胸には綺礼な赤い銃痕が残り、そこから噴水のような赤が吹き出した

「バイト戦士!くそ・・・」

倒したはずの男が立ち上がりバイト戦士に向けて銃を放った。

その銃弾は確実に阿万音鈴羽の胸を貫いていた。

「くそおおおおお!」

岡部が立ち上がりラボの奥に走っていく。

あそこはタイムリープマシンが置かれてある一室だった。

「ちっ、やりなさい」

「だめ!」

ドン

銃弾は岡部を狙って確実に飛んでくる

その間に一人の少女が割って入る。

「まゆ・・・り・・・。くそ、『また』なのか・・・」

岡部はまゆりの死をひと目見てまた奥へ駆け出そうとする

ドン

「あ・・・れ・・・?なん・・・だと・・・?この世界線では俺が死ぬという風に収束しないは・・・」

オカリンまで凶弾に倒れてしまった。

「お前らも死にたくなかったら動かないことだな・・・

ん?そこの眼鏡とピンクのワンピースの女の子は資料に無いな・・・

予定外の人間は全部殺せ」

外人達が近づいてくる・

あぁ僕は死ぬのか

こんなわけのわからない展開で、ドラえもんともう一度会うこともなく

紫煙

面白い

産業

「のび太さんは殺させない!!」

しずかちゃんが外人に向かっていく。そんなやめるんだ!僕の再び出会えたばかりの親友が死んでしまう!

ドン

「しずかちゃああああああああああん!」

銃弾はしずかちゃんを確実に貫いていた

倒れ行く中しずかちゃんは僕に何か言っていた

それは僕の勘違いなのかもしれない

しずかちゃんには元の記憶はないのだから

でも聞こえなかった声が僕にはそう感じ取れた




「過去を変えて!ドラえもんに出会って!・・・私達を救って!!」と。

眼鏡の奥の瞳に炎が灯るのが感じる。

小学生の頃大冒険していた頃のあの頃の情熱が蘇る。

そうだ、僕はいつだって諦めなかった。

こんな苦境、何度も味わってたじゃないか

まずはラボに行くために彼らの隙を作らなきゃ・・・

そこで僕は更に扉の方から2人が現れるのを見た

敵の増援か・・・?

いや、あれは!

僕はそれを認識すると同時にかけ出した

「おぉぉれはああぁぁぁぁジャイアーーーン!!!」

その歌は僕がよく知る歌だった。

もはや音波兵器と言えるその声は昔と変わらず

経験のあった僕以外は全員が動きを止めた

その隙を見てタイムリープマシンの元へと走りだす

タイムリープマシンに辿り着く

---僕の親友はたとえ世界線が変わっても記憶を失っても僕の親友だったんだ

ようやく動き出した襲撃者たちは闖入者であるジャイアンとスネオに銃口を向けていた

----ありがとう

脇見をしている暇はなく僕は装置を動作させる

------心の友よ!!






時間を設定する暇もなくそのままで僕は過去へと飛んだ

映画版か……

ズキン・・・

頭が痛い

タイムリープした影響だろうか

今日は何日だろうか

携帯の時計に目をやってみる

時刻はほんの数時間前しか遡っていなかった

これから数時間後、僕は空き地でしずかちゃんと再開しラボへ行き、そして謎の襲撃者に襲われる

タイムリープマシンを完成したその日の襲撃

いくら愚図な僕でも関連性があるだろうということは容易に想像ができた

今からラボの皆に危険を知らせて逃げさせるか・・・

いや、襲撃者たちはタイムリープマシンと3人が狙いだと言っていた。

完成日に襲撃されたということから彼らは事前に情報を知って張っていた可能性が高い。

無関係の僕やしずかちゃんは逃げられても

ラボのみんなは外に出た時に拉致される可能性が高いしタイムリープマシンもきっと奪われるだろう

どうすればいい・・・?

タイムリープマシンはまだ完成していないはずだ。

今僕が危機を伝えて彼らに開発を破棄するように言えば彼らは救えるかもしれない

でもその場合は僕はもう永遠にドラえもんと会うことができなくなるだろう・・・

過去の僕の親友だったドラえもんか、今を生きるラボの人たちか・・・

僕はどちらを選択すればいい・・・?


究極の2択

オカリンの言葉を借りるなら



・・・ははっ、これが運命石の扉-シュタインズゲート-の選択か

僕は決意を固めて今ラボの前に来ていた

しずかちゃんとは出会っていないので少なくともこの世界線では彼女は生き残ることができるだろう

扉を開ける

「あ、のびたんだ~!」

部屋に入って最初にまゆりさんが気づいてみんなが集まり始める。

「やぁのび太くん、ちょうどいい所にきたね。実はあれから僕と紅莉栖さんとダル君で

電話レンジを改良して記憶を過去に送ることができるタイムリープマシンを徹夜で完成させたところなんだ。」

「スーパーハカーに不可能はないキリッ・・・なんてね。でもさすがに疲れたお」

「あくまで技術の追求に手を貸しただけで使用して過去を変えさせることは私は認めてないんだからね」

しずかちゃんと来た時と同じ反応を見せる面々。

しかし前きたときより2時間は早く来たはずなのにもうタイムリープマシンは完成していたのか。

銃があればのび太の負ける要素ないんじゃね

ガンマンのび太か~

「みんなに大事な話があります、まず最初に・・・

---オカリンさん、あなたはタイムリーパーですね?」

ラボに動揺が走る

「あなた何を言っ「そうだ」・・・え?」

「やっぱり」

「何故わかった?」

「僕もタイムリーパーだからです。数時間先の未来からそこにあるタイムリープマシンでやってきました」

「何を言っ「俺達がそれを信じるとでも?」・・・もう私にちゃんと最後まで言わせろこのバカ岡部!」

「理由ですか・・・。これが運命石の扉-シュタインズゲート-の選択だと言えばわかってもらえないでしょうか?」

「それってよくオカリンが狂言を言ってる時に使う造語じゃないかお?」

「確かのび太の前ではまだその言葉は言ってなかったはずだな」

「はい、先ほど、いやこの時間軸なら少し後に円卓会議の前に聞いたばかりの言葉です」

「円卓会議・・・オカリン以外付けそうにない中二病なネーミングなんだな」「うるさいいいだろ別に」

「じゃ、じゃあのび太さんがタイムリーパーって言うのは・・・」

「はい、本当のことです」

「ふ・・・ふーはっはっはっはっは!まさかこの狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真以外にタイムリーパーがいるとは思わなかった!」

「オカベ!じゃああんたも本当に!?」

「あぁ、本当だ。俺はもう何度もこの時間を繰り返している。理由はひとつ、今日この後数時間後に死ぬまゆりの未来を救う為だ」

「私が・・・死ぬ?それって本当なのオカリン?」

オカリンはそれを変えられない自分を後悔するかのように悔し気な顔をする

「あぁ、だが何度繰り返してもまゆりが死ぬという未来は強固な運命によって収束され回避することができなかった・・・

だが今回の世界線では何かが違った。

出来杉という新しいラボメンがやってくる世界線は今までに無かった。

それだけじゃないのび太までもがラボにやってきた。

今回は、この世界線なら何かが起こるのじゃないかと俺は期待している」

僕は言わなければならないこの後数時間後に起きる悲劇を、そして何故僕がタイムリープして帰ってきたのかを

「オカリンさん・・・残念ですけどまゆりさんはこの後数時間後に謎の襲撃者により殺されてしまいます。

それだけじゃない、オカリンさん、あなたもその時に死んでしまうんだ」

「な・・・ん・・・だと・・・?世界線が移動してしまったのか・・・?

しかも最悪の方向へ・・・俺はまゆりを救うこともできずここで死んでしまうのか・・・?」

「お願いです!ドラえもんと再び会えるように過去を改変させてください!

そうすれば未来が大きく変わりまゆりさんもみなさんも幸せな未来になる可能性があるんです!」

「だめよ!そんな危険なことはできない!」

「助手!・・・俺はのび太に乗ろうと思う」

「オカベ!!」

「何度繰り返しても俺は世界線の壁を超えることができなかった・・・

きっともはやただの人間じゃこの未来は変えれない。そう思うんだ。

世界線を超えるにはのび太が言っていたドラえもんのような超科学の力が必要なのかもしれない」

「でも・・・、そうよ!ここでタイムリープマシンを破壊すれば襲撃者ももう私達を襲う理由がなくなるわ!」

「だめなんだ助手・・・」

しえん

そう言うとオカリンは携帯電話をかけ始める

数分後そこにはバイト戦士と呼ばれた阿万音鈴羽がやってきていた


「彼女はバイト戦士!」

「それは知ってるお」

「ではなく、未来からのバイト戦士なのだ!ふーっはっはっはっは」

「今シリアスな展開だったからその口調はやめるべきだろ常考」

「オカベ空気嫁」


「---うぉっほん!こいつは実は未来からやってきた未来人なんだ」

「!?なんでそれを知ってるの・・・?」

「あぁこの世界線のお前は俺にまだそれを明かしてなかったんだっけかな。別の世界線のお前から聞いた。」

「そっか・・・ってことは私がオカベに伝えても世界線を変えることはできなかったってことなのかな・・・」

「あぁ・・・だが俺は諦めていない。・・・後はお前から未来の世界のことを教えてやってくれ」

支援

話がややこしくてわかんなくなってきたw

「わかった・・・。私のいた未来は地獄だった。

SERNという企業がタイムリープマシンを独占することで世界を牛耳りディストピアへと変えていった。

タイムリープマシンを作った重要研究者として牧瀬紅莉栖あなたの名前が残っている」

「私はそんなことしない!」

「だが俺はお前が拉致されようとするのを何度か繰り返す世界の中で見た。

ここからは推測だがやつらは拷問なり薬なりで無理やりお前に研究をさせるんじゃないか?

つまりタイムリープマシンを研究していた事実が知られてしまっている以上

マシン自体を破壊しようとお前が攫われ未来が地獄になるのは変えられないかもしれないのだ。

お前だってそんな残酷な未来を変えたいだろう・・・。だから俺はのび太の案に乗りたいと思う」

「・・・わかったわよ。やりなさいよ。」

「仕方ないんだな。

過去を変えてもしいい未来になったならお礼としてコスプレの似合うかわいい美女を紹介してくれだお!ただし三次に限るキリッ!」

「のびたん、私たちの未来を救ってね」

「のび太くん、だいぶ蚊帳の外にされた感はあるけど小学生の頃からの付き合いだ。

君の勇気と優しさを信じてるよ。それがいい未来に繋がると思ってるから。

あ、そうそう。今だから言うけどしずかちゃんは君のことが小学生の頃から好きだったんだよ。僕は彼女にフラれちゃってね」

「出来杉・・・それ今言うことかよw」

「まぁ今言っておかないと言う機会も無さそうだしな。それじゃ小学生の頃にまた会おう!」

出来杉はこんなセリフでも完璧に決めてくるんだから

だからこそ僕はいつもこいつに憧れてたのかもしれないな

そういえば僕をこのラボに連れてきたのもしずかちゃんに連絡をとってくれたのもこいつだっけ・・・?

もしかしてジャイアンやスネオにも・・・

そんな思考をかき消すかのようにその時階段を駆け上がる足音が聞こえた

予定時刻よりだいぶ早い!?

パララララ

その音とともに扉が蹴破られる。

きっと盗聴されていたんだ。

「動くな!」

襲撃者のリーダー格の女が言う

「させない!」

最初に動いたのは阿万音鈴羽だった。

「のび太!行け!!オペレーション・フォルセティの開始だ!」

それと同時に僕は駆け出す。

阿万音鈴羽は2人の外国人を蹴り倒し善戦していたが残りの男の銃弾を受け、組み伏されてしまう。

装置の前にたどり着いた僕は装置をいじり始める。

しまった・・・先ほどの時間軸だと装置を起動させるだけだったけど今回は時間設定が必要だ。

それまで僕が殺されずにいることはできるのか・・・?

阿万音鈴羽を倒した襲撃者たちは僕を狙って走り始める。

その時大量の蒸気が部屋に大量に広がる。

「のび太くん時間稼ぎは任せるお!」

それは未来ガジェット4号機「モアッド・スネーク」と呼ばれる発明品だった。

しかしその時間稼ぎも数秒しかもたない。

銃声がまた蘇りラボに叫び声がこだまする。

あとすこしで設定が全て終わる・・・あと少しなのに!


「おおおおおぉぉぉぉれはジャイアーーーン!!!」

のび太に自然と涙が流れる。

前回の世界線でも僕を助けてくれた親友が今回もまた僕を救ってくれた。

「ちぇっ。本当、ジャイアンはピンチの時はいつもかっこいいんだから・・・」

設定が完了する。

「のび太!まゆりを、未来を・・・紅莉栖を、、、ラボメンのみんなを頼んだ!!」
「任せろ!!」

蒸気の奥で不敵に笑う白衣の男と目があった気がした

「「エル・プサイ・コングルゥ!!」」

二人で目と目で会話する。

少しの間しか会話できなかったけどきっとこの白衣の男とはもっと前に出会っていれば親友と呼べる存在になっていただろう。

その男、岡部のお株を奪って僕は高らかに宣言する。

ドラえもんといたあの日の僕の為に、このラボメンのみんなの為に



「これがシュタインズゲートの選択だ!!!!!」



動き続けていた時が止まり

そして遡る

時の流れは僕がドラえもんにメールを送ったあの日に戻る。

ほへー

久々にSSで鳥肌たった

はよはよはよはよ

気になる

最終盤突入でキリがいいんでちょっと風呂入ってきます

俺も入ってこよ

だが断る

みゅ~

お腹空いたな

8PHって中性だな

>>120
え?

>>122
>>1のIDが8PHだろ
8PHは中性から弱アルカリ性だろ

>>123
中性は7PH...

wikipediaでPHを調べたら難しすぎて死んだ

ほし

空き地に行く途中だった。

空き地の入り口からワイワイと会話をする小学生の集団を見る。

あれは小学生の頃のジャイアンやスネオやしずかちゃん。

僕は過去に戻ったんだ。


そうだドラえもんは!?

僕は空き地にドラえもんにいないことを確認すると自宅に急いで走って帰った

ただいまを言うことも忘れ部屋に飛び込む

キター

「ドラえもん!!」

そこにはドラえもんの姿はなかった


「ドラえもんドラえもんドラえもんドラえもん!!!ドラえもん!!!!!!!!!!」

「もううるさいな~、みぃちゃんとのデートの忘れ物があったから帰ってきてみたら・・・いったいどうしたんだよのび太くん」

窓からタケコプターを使って入ってくる親友を見つけた

数年間ずっと探し求めた僕の親友を

「ドラえもん・・・」

「おかえり、のび太くん、早かったね」




ドラえもん・・・ただいま!




------------ダイバージェンス4.11% 【機械狸と幸福世界】

後日談


あの長かった年月はまるで夢のことだったかのようにあの頃の日常が帰ってくることになった。

ドラえもんはいつでも僕の側にいて

その周りにはジャイアン、しずかちゃん、スネオ・・・みんなが居た。


でも僕はそれが夢ではなかったことを知っている

僕を助けるために大勢のみんなが協力してくれたことを忘れない

そして僕に未来を託してくれたことを

僕は全てのことをドラえもんに話した

そしてドラえもんの故郷である2112年の段階で鈴羽が言っていたようなディストピアは形成されることなく

平和な未来が待っていることを確認した


これから行うのは最後の確認


僕を助けるために運命を僕に託してくれたあのラボのみんながどうなってしまったのか

僕にはそれを確認する義務があった

数年先の未来、僕がドラえもんを助けるために数日間通っただけだった秋葉原

僕はそこにタイムマシンを使ってやってきていた

秋葉原には変わりなくあのブラウン管テレビを売っている店があり、

いかついハゲの店員が訝しげにこちらを見ていた

その横を通り過ぎ僕は階段を登る

「おい、ガキ」

そのハゲが僕を呼び止める。

「どこへ行くつもりだ?2階には誰も入ってないし何もないぞ?」

え・・・?

そんな馬鹿な・・・?

僕は店員の制止も聞かずに最後まで駆け上がり扉を開けようとする

鍵がかかっていた

ノックしても誰も出ない

「だから言っただろ。そこには誰もいねーよ」

そ・・・んな・・・?

僕は、牧瀬紅莉栖が予言していた通りに皆の運命を犠牲にしてドラえもんといる世界を選択してしまっていた。

「これが運命石の扉-シュタインズゲート-の選択・・・?」

少し気まずそうな顔をするドラえもん、僕は彼とやってしまった事への罪悪感と共に元の時間軸へと帰っていった

運命の歯車は思うように噛み合うことはなかった

これは一夏に大きな過ちを犯してしまった少年が成長し、その過ちを取り返すために別の大きな罪を犯してしまう物語




完?

大層乙であった

なんだって


久しぶりに面白かった


これはトゥルーエンドに絶対に行かなければならない

つまらん

トゥルーエンドマダー?

漫画化はよ

また暑い夏がやってきた。

僕は晴れて二度目の大学の入学式を迎えることになった。


世間ではラジオ会館に落ちた人工衛星が話題となっている今日このごろ

秋葉原

またこの場所に僕はやってきた

こればかりは自分の目で確認をしておかなければならない

あのブラウン管テレビ屋の前に僕は立っていた

あのブラウン管テレビ屋の前に僕は立っていた

ドーン!

振動と共に大きな音が響き渡る

「こーらー!岡部!家賃値上げするぞ!」

店長の声が響き渡り、2階から白衣を着た男が飛び出してくる

その中から心配そうな顔をしているまゆりさん

やれやれという顔つきの牧瀬紅莉栖

我関せずという感じのダルさん


みんながそこには居た

僕はその光景を眺めてからその場を立ち去る

「のび太君、みんなに会っていかなくていいの?」

「いいんだ」

「本当はいけないことなんだけど、僕と僕の親友の命の恩人だから今回だけだよ」

「わかってるよ。もしもボックスを使ってラボのみんながいる世界線と僕らがいる世界線を少しだけ繋げるなんて危険なこともう二度としないよ」

「わかってるよ。僕は覚えてないけど君が小学生の頃に経験したっていうあの事件をきっかけに

君は未来を脅かしかねないような道具を使うことは絶対にしなくなったもんね」

「うん、ただそのせいでこの世界ではディストピアが起きてしまう未来と、ドラえもんがいる未来2つの可能性が生まれてしまった・・・

だけど僕は彼らには手を貸さない。

きっと彼らには彼らの物語があって狂気のマッドサイエンティスト鳳凰院凶真はきっと自分たちの手で正しい未来を掴み取ると思うんだ。

これは確信に近いことなんだ。

だってここにはドラえもんがちゃんと存在しているんだから」


これより未来、岡部倫太郎とラボの人間彼らの周囲には幾多の苦難が襲いかかり
それを乗り越えていく物語があるのだがそれはまた別のお話。

シュタゲ観てないがまどかみたいやな

僕は彼らの存在を確認してその場を立ち去る

さて、今日はいい天気だしずかちゃんとのデートには持って来いだね

おっとその前に一本だけ電話しておこう


「もしもし出来杉?」

「やぁのび太くん、急にどうしたんだい?」

「いや、君には一言言わなければいけないと思ってさ」

「改まってどうしたんだい?」

「ありがとう」

「・・・ふふ、どういたしまして」

「僕を救ってくれた君にこんなことを言うのは気が重いんだけどこれは友人としての忠告だと思って聞き流してくれ」

「あぁ、なんだい?」

「それに救われた僕がいっても説得力ないけどあんまりタイムリープマシンを多様するなよ?」

「・・・ふふ、わかってるよ。さすがに君にはバレてたか。」

「僕もタイムリープして小学生の身体に記憶を移した人間だからね」

「大丈夫安心してよ。君の話を聞いてから僕はタイムリープマシンを無闇に使うことはやめたんだ。
そもそも僕はもうラボのみんなやタイムリープマシンに関わるのはやめたんだ。まぁ僕がいなくても彼らはきっと完成させるんだろうけどね」

「かもしれないね。ところで、しずかちゃんが僕のもとにやってきたこと、スネオやジャイアンがラボに現れたことも君がやったことなのかい?
それに君や僕だけが記憶を完全に引き継いでいるのは・・・」

「ふふっ、それは秘密。おっと、そろそろ講義の時間だ。しずかちゃんにもよろしく。それじゃ」

「あぁ、じゃあね」

セミの音がうるさくなってきた。
今日もいい1日が始まりそうだ。



本当に完!!

おつおつん

おつです

おつー

txtにまとめてほしい(´・_・`)

面白かった

面白かった

おつ

乙、面白かった

まぁ設定やらなんやら矛盾やら自分でも気づいてる所は多々あるんですがプロjじゃないのでその辺は多めに見てください
あと最後にもしもボックスで解決をはかったのは苦肉の策ですごめんなさいw

最後になんかこうしたほうがいいとか意見があったら今後のSS書くときの参考にするんでよろしく

それでは長々と付き合ってくれありがとう!エル・プサイ・コングルゥ!


最近の中では個人的に最高だった

エル!プサイ!コングルゥ!!!

>>158
質問なんだが、のび太が過去を変えようとしたときクリスがバタフライエフェクトの話をしてたけど、そもそもドラえもんが過去を変えようとのび太のところに来たっていうのは触れない方がいい?

>>161
作中くどくなるから説明ぶった切ったんだけど
紅莉栖の中ではドラえもんがいない世界というのが正しい世界線でそれに収束するためにドラえもんが消えてしまったという解釈をしている
ドラえもんがいるおかげ(劇場版ドラえもん等)で正しい世界が維持されて未来が繋がるようになった為、その時代に必要と無くなったドラえもんは
世界線の収束によって消えていったというような解釈をしている
だからそれを無理やりねじ曲げようとするのび太を止めている

次の日に書くって言ってからどんだけまたしてんだよ
ふざけんなよ


お疲れ様

>>163
テキスト量から平日仕事から帰って寝るまでに投下するのが無理だと判断した
本当にすまないと思っている

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