真奥「勇者エミリアを征服したい!」恵美「死ね!変態」(83)

恵美「んっ…もう朝ね…」

恵美「…」

恵美「それで、あなたは朝っぱらから何をやっているの?」

真奥「今日は仕事休みなんだろ?たまにはゆっくり休め。朝ごはんは俺が作ってやる」

恵美「うん、色々わからないけど、とりあえず…」

真奥「ん?」


恵美「私のベッドから出ていけーーーーーーーーー!!!!」

真奥「うおおっ!?」

鈴乃「という訳なんだ」

恵美「…ルシフェルがとても怪しい薬を通販で購入」

恵美「それを試しに真奥に飲ませたら、欲望のままに動く用になったわけね」

鈴乃「ああ、聖法気で診察したらわかった」

恵美「…で、アルシエル達は?」

鈴乃「アルシエルはこの魔王を見たら倒れてしまった…」

恵美「そう…」

鈴乃「ルシフェルは吊るしてきた」

恵美「いい気味ね」



恵美「で、あなたは何で私の所に来たわけ?」

真奥「俺は勇者エミリアを征服したい。いや、してみせる!」キリッ

恵美「ななななななっ!?」

鈴乃「あー、これはだな…」


真奥『アルシエル!ルシフェル!俺は残った魔力で日本を征服する!ついてこい!』

漆原『えー、面倒くさいよ。それにここも少しだけ快適になって来たのに』

漆原『っていうか、降ろしてくれない?首にロープ巻いて吊るすなんて…さすがに苦しいんだけどさ』

芦屋『魔王様ぁぁぁぁ、最近は堕落していると思っていましたが、心の底ではそんな事を…アルシエル感激するばかりです!』

真奥『まずは最大の敵である、勇者エミリアを征服する!』キリッ

芦屋『はっ、魔王様のお言葉とあらば………………は?』

真奥『エミリアさえ手に入れれば世界征服などたやすい!』


真奥『勇者エミリアを…俺の女にしてやる!』キリリッ

芦屋『』


鈴乃「という事が…」

真奥「うおおおお!恵美ぃぃぃ!うおおおおお!」

恵美「ちょっと!ベルが見てるから…やめてっ!」

鈴乃「聞いとらんな」

真奥「なあ、そろそろ朝ごはんにしないか?」

恵美「はいはい。用意するわ…ベルも食べる?」

鈴乃「頂くとしよう」

恵美「…って真奥が作ってくれるんじゃなかったの!?」

真奥「うっせぇ。俺が作るよりお前が作った方がうめえだろうが!」

恵美「はぁ!?じゃあ、少しの間待ってなさい!すぐ作ってあげるから!」


鈴乃「…」

鈴乃「何なんだ、これは…」

真奥「おぉ!目玉焼きにハムがついてる!?

恵美「『ハムエッグ』よ。覚えておきなさい」

真奥「うめぇ!芦屋よりうまいかも!」

恵美「ふんっ。勇者が悪魔ごときに負けてたまるもんですか!」

真奥「でも、味噌汁は芦屋の方が上手かも…」

恵美「はぁ!?だったら、今度魔王城で味噌汁を作ってあげるから、食べ比べてみなさい!」

真奥「ああ、楽しみにしてるぜ」


鈴乃「おーい、口車に乗せられてるぞー」

鈴乃「ところで…」

恵美「どうかしたの?」

鈴乃「割り箸を常備しているのか?」

恵美「ええ、たまに千穂ちゃんとか泊まりにくるし、ベルも遊びに来るでしょう?」

鈴乃「なるほど。お客様用か」

恵美「そうよ。それがどうしたの?」

鈴乃「…なぜ、魔王は普通の箸を使っているのだ?」


真奥「ああ、これは恵美がいつでも来ていいって」

恵美「違う!これは梨香の箸なだけよ!」

真奥「ん?わざわざ俺に買ってくれた箸…」

恵美「うるさい!うるさい!うるさい!だまりなさい!!!」

鈴乃「そ、そうか…」

真奥「じゃあ、俺が片付けするな」

恵美「え?じゃあ、お願いするわ」

鈴乃「で、今後の対策なんだが…」

恵美「対策って、あいつの事?意外と害はないみたいだけど?」

鈴乃「あれを見てもか?」


真奥「さてデザートに、この恵美が使った箸とコップをペロペロ…」


恵美「ななななな何やってんのよ!」

真奥「すまん、本当はお持ち帰りしようとしたんだが、目の前の欲望に勝てなくて」

恵美「もうちょっと頑張りなさいよ!」


鈴乃「…それだと、お持ち帰りを肯定しているように聞こえるぞ?」

 
ギュッ

鈴乃「ふぅ…何とか二人で縛ることに成功したな」

恵美「こんな状態のこいつを野放しにしておけないしね」

真奥「縛りプレイか…恵美の縛り方、俺大好きだ」

鈴乃「いや、私も手伝ったんだが…」

恵美「ぐっ//」


鈴乃「お、おい!なぜ頬を染める必要があるんだ!?」

鈴乃「一つ気になったんだが…」

恵美「え?なに?」

鈴乃「こういう事があってな…」

真奥『さて、さっそくエミリアの所に行くか』

鈴乃『待て魔王!貴様はエミリアの自宅の場所を知っているのか!?』

真奥『ああ、俺を誰だと思っている?魔王だぞ?』

鈴乃『まだ、朝の6時…こんな時間に行っても寝ていると思うぞ?』

真奥『問題ない。合鍵を持っている』


恵美「きゃあああああああああああああああああ」

鈴乃「これはどういう事だ?」

恵美「ち、違うの!これは最近いろんなエンテ・イスラからの刺客が来るから!」

恵美「真奥がいざとなった時に、千穂ちゃんを匿う場所が欲しいって!だから、私の合鍵を!!」

鈴乃「なるほどな。…で、本当か魔王?」

真奥「ん?これは恵美が『たまには自分から監視されに来なさいよ』って」

恵美「そんな訳のわからない事、私が言うはずないわ!!!!」

鈴乃「ん?カレーの匂いがするな」

恵美「え?ええ。昨日のうちに作ったの。一晩寝かせると美味しいっていうから…初めてなんだけどね」

鈴乃「それにしては量が多いな」

恵美「ああ、それはこいつが来る予定…なんかなくて…私…好きだから、全部好きで私が」

鈴乃「ほう…なるほど、今晩はお楽しみの予定だったわけか?」

恵美「ええ、一人で楽しむ予定だったわ」

鈴乃「それはそれは」ニヤニヤ


真奥「俺呼ばれてたんだが?」

恵美「あんたは黙ってなさい!あなたのせいで私の培ってきた人生が全部台無しよ!!!」

真奥「トイレ行きたい…」

恵美「え?ああ、縛ったままだったわね。解いてあげるわ」

スルスル

真奥「恵美の手…」

恵美「…あなたを倒す為にできちゃった…マメよ…」

恵美「千穂ちゃんと比べたら、マメだらけの汚い手でしょ…」

恵美「こんな汚い手…嫌われて当然……」


真奥「俺はお前のその手…好きだ」

恵美「…………へ?」

真奥「俺が全部責任取ってやる!だから俺に一生ついてこい!」

恵美「ままままままままままままおおおおおおおおおおおおうううううう!?」


鈴乃「おい、私がいる事を忘れないでくれよ?」

鈴乃「それにしてもまずいな…」

恵美「え?ええ、そうね。プロポーズはもっと場所を選んで欲しいわ」

鈴乃「は?私は魔王の状態を言っているんだが?」

恵美「へ?そ、そうよ、そうよね!」


鈴乃「私は魔王が暴走しないか見張るために来たのだが…」

鈴乃「もしかして、お邪魔だったかな?」

恵美「そんなわけないわ!あんな奴と二人っきりなんて怖気が走るわ!」

真奥「恵美ー、トイレットペーパーが切れた。残りはどこにあったっけー?」

恵美「ほら、あそこよ。あそこ」

真奥「ああ、わかった」


鈴乃「まさか、つーかーの仲とは思わなんだ」

恵美「へ?」

鈴乃「いや、何でもない」

恵美「…」スッ

真奥「どこに行くんだ?」

恵美「トイレよ!トイレ!わざわざ聞かないでよ!」

真奥「そうか、それじゃこれを」

恵美「…?ペットボトル?」


真奥「ああ、お前のをお持ち帰りしたい」

恵美「…ん?」


鈴乃「黙れ!変態!!!!」

恵美「え?どういう事?」

鈴乃「は?…あっ、い、いや、私もよく意味がわからないんだ」

恵美「でも、今『変態』って…」

真奥「そうだ、何でお前がそんな事を知っているのか?ちゃんと説明してくれ」

鈴乃「く、くぅ//」

恵美「え?え?え?」

恵美「ふぅ…」

真奥「じゃあ、俺もトイレに…」

恵美「待ちなさい。あなたはさっきトイレに行ったばかりでしょう?」

真奥「何を言っているんだ?恵美の残り香があるかもしれないんだぞ?」


恵美「よし、わかった。正座しなさい。正座!」

真奥「足がぴりぴりしてきた…」

恵美「そう?いい気味ね」


鈴乃「ん?魔王はなぜ土下座しながら、顔だけを上にあげているんだ?」

真奥「いや、恵美のスカートの中身が…俺を誘惑して来て」

恵美「きゃああああああああああああっ!」

恵美「ば、ばかぁ!今日のは可愛くないからダメなのっ!」

鈴乃「え?」

真奥「その反応…恵美は可愛いな」

恵美「あ、ああああああああああああ//」

鈴乃「着替えてきたか」

恵美「ええ、ちょっと洗濯していて、これしかなかったけどね」

真奥「恵美のホットパンツ……やべぇ、最高だ」ハァハァ

恵美「うぅ//」


鈴乃(…これはわざとやっているのか?)

鈴乃「そういえば、アラス・ラムスは?」

恵美「まだ、ぐっすりよ…それにこいつのこんな姿を見せられないしね」

真奥「」ヌギヌギ

鈴乃「まぁ、そうだな…」


真奥「ふぅ…快適だ」


鈴乃「って、何でパンツ一枚なんだ!?」

真奥「ここではこれがデフォだ」

恵美「嘘をつくなあああああああああああああああああああ!!!!」

鈴乃「ほ、本当なのか?」

恵美「ベルも信用しないで!さすがに嘘よ!嘘!」

真奥「ちっ、バレたか」

恵美「いいから、服を着なさい!この変態!!」

鈴乃「おぉ!これがエミリアが作ったカレーか!?」

恵美「ええ、美味しければいいんだけど?」

鈴乃「…こ、これは!美味い」

真奥「おい」

恵美「ふふふ。せっかくだから、たくさん食べてね」

鈴乃「うむ。これは…うむ!」

真奥「おい」

恵美「何?変態さん?」

真奥「俺の分はないのか?」

恵美「変態にはないわ。そこでおとなしく反省しなさい」

真奥「まぁ、いいか」


真奥「俺は恵美の嬉しそうな顔を見るだけで、お腹一杯だし…」

恵美「や、やっぱり、用意するわ。黙って食べなさい」

真奥「耳まで真っ赤にして、可愛いぞ」

恵美「いいから静かにする!」

真奥「うん!美味い!お店より美味い!」

恵美「そ、そうかしら?」

真奥「ああ、絶品だ!」

恵美「じゃあ、次行くわよ…はい、あーん」

真奥「あーん」


鈴乃「おい、何で『あーん』なんだ?」

恵美「へ?だって、こいつは縛られてるし、こうしないと食べられないでしょう?」

鈴乃「解けばいいだろう?」

恵美「え?あっ、そうだったわね。ははははは」

真奥「ああ、いつもこうしてるから気付かなかったな」

鈴乃「へ?」

恵美「ふんっ」

ゴスッ

真奥「」

鈴乃「まだお昼の1時か…長い1日だな」

恵美「そうね…疲れたわ。ちょっとお昼寝してくるわ…」

鈴乃「私も朝早かったから…少し、そふぁあで眠らせて貰うぞ」

恵美「ええ、勝手に使っていいわよ」


恵美「…って、ねえ?」

真奥「ん?」

恵美「私のベッドから出て行ってくれない?」

真奥「ああ、温めておいたぞ」

恵美「そう…ありがと…おやすみ」ゴソゴソ


真奥「お、おーい?恵美ぃー?」

恵美「グー」Zzzz


真奥「…眠くてツッコミがなかったのか…それはそれで寂しいな」

恵美「…3時…ふわぁぁ。ちょっと寝すぎたわね」

恵美「って、あなた何をしているの!?」

真奥「ああ。パンツをかぶりたくなってな」

真奥「でもこれは仕方のないことだ。だってパンツがあったらかぶるだろ?くんかくんかするしかねーだろ?」

恵美「へぇ…言いたい事はそれだけ?」

真奥「え、恵美さん?何で包丁を?」


恵美「死ねえええええええええええええええええ!」

真奥「うおおおおぉぉっ!」


鈴乃「んっ………朝か?」

真奥「恵美、タオルだ」

恵美「え?あ、ありがとう?」

真奥「寝起きだから、顔を洗った方がいいぞ?」

恵美「…で、何が目的なの?」

真奥「恵美が洗った後のタオルを……」ハァハァ


恵美「素直でよろしい」

真奥「おう。じゃあご褒美として」

恵美「そこで正座して、待ってなさい」

真奥「あ、ああ」


鈴乃「魔王情けないぞ。尻に敷かれてるとは」

真奥「ぐっ」

恵美「ベル!?あなた何を!?」

恵美「昨日録画した、『まぐれ刑事鈍痛派』…それとも再放送の『水戸副将軍』のどっちいい?」

鈴乃「時代劇の方でお願いする」

恵美「わかったわ」

…………

恵美「水戸の副将軍様は格好いいわね~」

鈴乃「ほう、エミリアはああいうのがタイプなのか?」

恵美「だって、格好いいでしょう?」

真奥「へぇ…まぁ、確かに多少は格好いいかもな」ムスッ

恵美「…」

鈴乃(まさか…悪魔が焼きもちか!?)

真奥「な、なんだよ!」



恵美「ううん、なんでもないのなんでも…ね♪」

真奥「何で嬉しそうなんだ…」

恵美「~♪」

恵美「ベル、夕飯の買い物に行きましょう」

鈴乃「ん?カレーがまだ残っているぞ」

恵美「同じ味だと飽きるから、何かトッピング出来るものを」

鈴乃「なるほど…うどんだな?」

恵美「カレーうどんって、普通のカレーで作れるのかしら…まぁ、試してみる価値はあるわね」

真奥「さて、俺も出かけるか」

恵美「あなたは来なくていいわ。お留守番していて」

真奥「公衆の面前で恵美を抱きしめて、羞恥で狂いそうになる恵美を見てみたかったのに…」

恵美「ふんっ。いつもいつも不意打ちをしてくるから、さすがにわかるわよ!」

真奥「ぐっ」


鈴乃「…ん?今の会話だと…公衆の面前で恥じらう行為を、いつもやっているように聞こえるんだが…」

恵美「い、今の無し」

鈴乃「…エミリア…」

恵美「やり直し…そう!やり直しを要求するわ!」

鈴乃「…はぁ…」

鈴乃「ていく、つー」

恵美「さあ、買い物に行くわよ!カレーのトッピングをね!」

真奥「恵美!俺はお前の恥じらう姿が見たい!もっと見せてくれ!」

恵美「嫌!死ね!鈍感!」

真奥「だって、この前は許してくれたじゃないか…」

恵美「はぁ!?私がいつ!?」

真奥「そうあれは…」


恵美『って何で手を繋いでくるのよっ!』

真奥『仕方ねーだろ。今日は祭りで人が多いんだ。はぐれたら困るだろうが』

恵美『く、くぅ…そ、そうよね。これは悪魔の魔王を見失ったら、次討伐するときに探すのが大変だから…仕方のない事…うん、そうよ。そうに違いないわ!』


真奥「恵美の表情が知り合いに見られると恥ずかしいから、真面目な顔に…」

真奥「そして、照れてる表情にコロコロ変わるのを見て、内心可愛いなーって思ってたんだぞ?」

恵美「かかかかかかわいいいいいいい!?」


鈴乃「おーい、早く買い物に行かないと日が暮れるぞー」

鈴乃「おっ、エビカレーにするのか?」

恵美「ええ。あいつって結構エビ好きみたいだから」

恵美「ついでに、明日はカツカレーにしてあげ…って、何でニヤニヤしているの?」

鈴乃「いいや、魔王の好みをかなり把握しているなとか全然思ってないぞ?」

恵美「はぁ~。わかったわ。本音を言うわ。本音を」

鈴乃「別に言わなくてもいいんだが」


恵美「あいつの好みを把握して、夕食はわざと『嫌いなもの』を食べさせるの」

恵美「それにより魔王の精神的ダメージは、大きく膨れ上がっていくわ」

恵美「そして、弱った真奥に止めをさしてやる…これで私の勝ちよ!」


鈴乃「普段、正々堂々決着をつけるって散々言ってたなかったか?」

恵美「………え?あ、そうね」

鈴乃「それに、さっきエビカレーは魔王の好みの食べ物って言ってなかったような」

恵美「て、TAKE2を要求するわ」

鈴乃「ていく、つー」

鈴乃「ところで、どうやって魔王の好みを知った?」

恵美「ふんっ。伊達にストーカー…真奥の近辺調査をしてないって事よ」

鈴乃「ちなみに、私は毎食一緒させて貰っているが、魔王がエビという高価な物を食べているのを見たことがないぞ」

恵美「…そ、そうだったかしら?」

鈴乃「そこで、私の考えでは、エミリアの自宅でエビを食べ…」


恵美「わあああああああああああああ。もういい!やめて!」

鈴乃「しかし、私は物事がはっきりしないと気が済まないたちでな」

鈴乃「…で、魔王とはどこまで進んでいるのだ?」ニヤニヤ

恵美「死にたい…」

恵美「ただいまー」

真奥「うおおおおおおお!恵美の靴ー恵美の冬に履いたブーツ!!!くんかくんか!」ゴロゴロ


恵美「…」

鈴乃「これは…さすがにドン引きだ」

真奥「おう。お帰り。遅かったから心配したぞ」

恵美「…」

真奥「ん?どうした?携帯を取り出して」

恵美「警察ですか?ええ。家に帰ったら変態がいて…ええ。住所は…」

真奥「おい!警察は止めてくれ!」

真奥「ごめんなさい」

鈴乃「買い物中に設置した、隠しカメラはこれで全部か?」

恵美「はぁ…」

真奥「お願いします。返品しないと芦屋に怒られるので、壊さないでください」

鈴乃「一体…どこからお金が…」

真奥「カードで分割でして」

恵美「まったく、怒る気にもならないわ…何で設置したのよ」


真奥「恵美、聞いてくれ。これは勇者を監視するためだ!」

真奥「やましい気持ちなど絶対にない!!」

恵美「なるほど…。魔王なら勇者を監視するのも仕方のない事」

恵美「…だったら、魔王城に隠しカメラを設置しても…」


鈴乃「おーい、『魔王』と『勇者』という単語を使えば、全部許されると思うなよ」

真奥「カレーうめぇ!カレーうめぇ!」

恵美「犬ね。バクバク食べて品が無い」

真奥「うっせぇ。それだけお前のカレーが美味いんだ」

恵美「そ、そうかしら…」

真奥「」バクバク


恵美「ったく、美味しそうに食べるんだから」

恵美「~♪」


鈴乃(今日の一連の行動のせいで、全然微笑ましくないな)

恵美「あっ、洗剤が切れちゃった…」

鈴乃「仕方ない、今日は朝昼夕を御馳走になっているから、私が買いに行ってこよう」

恵美「え!?こいつと私の二人っきりにするつもり!?」

鈴乃「嬉しいか?」

恵美「今のこいつは危険よ!それに私とこいつは敵で!」


鈴乃「顔は嬉しそうだぞ?じゃあ、1時間くらいゆっくり行ってくる」

恵美「ベル!?」

真奥「ん?どうした?疲れたような顔をして」

恵美「私…死にたい…もう疲れた」


真奥「ったく…」


ギュウウ


恵美「ちょっと!なんで私に抱きついてんのよ!」

真奥「さっきも言ったが…もう一度言うぞ」

恵美「離して!これ以上ベルに見られたら、私死ぬ!」

真奥「俺が全部責任取ってやる!だから俺に一生ついてこい!」


恵美「なっ!」

真奥「お前が死にたいのも全部俺が貰ってやる!」

恵美「でも、私は勇者であなたは魔王で…+極と-極みたいに絶対に一緒になれない関係で…」

真奥「そんなの誰が決めたんだよ」

恵美「誰が決めたわけでもない!これは世の中の真理よっ!」

真奥「だったら、世の中の真理も含めて全部俺が支配してやる!」


恵美「っ!」



恵美「そんなの無茶苦茶よ!」

真奥「恵美、俺は魔王だ。世の中だろうが何だろうが、全てを支配してこその魔王だ!」

>>52
恵美さん恵美さん
プラスとマイナスは引き合いますよ

恵美「でも、それでも…私は…勇者で…」

真奥「お前は勇者だ。確かに勇者だが…その前に一人の女だ!」

恵美「だったら、あなたなんてどこにでもいる男じゃない!」


真奥「いや、論点はそこじゃないが…」

真奥「まぁ、俺は男だ。だからお前が欲しい」

真奥「勇者としての戦力ではなく、一人の女としてだ。俺に一生ついてこい」

恵美「…私は…」



恵美「私は…」


真奥「っっっっ!!!!!」

真奥「あれ?俺は何でここにいるんだ?」

恵美「私は…うぅぅ…もうわからないわよ!ばかー」

真奥「え、恵美?何で泣いてるんだ?」

>>53
なん…だと…

 
……………………


恵美「薬の効果…切れたんだ。記憶は?」

真奥「いや、うっすらと思いだしてきたんだが…忘れたい」

恵美「ふふ。ばーか。これがあなたの欲望よ?」

真奥「ぐぬぬぬぬ」

恵美「私に一生ついてこいって言ったのは本心?」

真奥「………」


恵美「ねえ、私を本当につれていってくれるの?」

真奥「……ああ。約束する」


恵美「う、浮気は許さないんだから!」

真奥「ああ、って、はぁ?」


恵美「ゆ、勇気だしたんだから!今度はあなたの私への気持ちをはっきり教えて!」

真奥「おい、今のが返事かよ…」

恵美「いいから、あなたの気持が私は知りたいの!薬とか関係なく」

真奥「…」




真奥「俺は--------」

■数週間後

真奥(あの日…帰宅後、ルシフェルはなぜか首吊り自殺をしていた)

真奥(恵美と結婚するとアルシエルに伝えたら、アルシエルはそのままショック死。即死だった)

真奥(確かに犠牲は多かったが…それでも俺は幸せだ)


鈴乃「まったくアパートでエミリアの結婚式を挙げることになるとは…私もいつか…」

千穂「私がいない間に何があったんですか!?」

梨香「恵美のウエディングドレス…きっと芦屋さんも喜んでくれてるよぅ…うぅ…」ポロポロ

エメラダ「私のエミリアがぁ~。何で男なんかにぃ~」ポロポロ

アルバート「地球の飯はうまい!こんなにうまい飯は初めてだ」

恵美「真奥貞夫!勘違いしないでよ!私は『真奥貞夫』は許しただけで『魔王サタン』はまだ許してないんだから!」

真奥「おう。ちなみに俺は『遊佐恵美』も『エミリア・ユスティーナ』もどっちも愛してるからな」

恵美「はぁ!?『遊佐恵美』!?」

真奥「あっ…これからは『真奥恵美』だったな」

恵美「まったく、あなたは私がいないと全然ダメダメダメダメね」

恵美「ご飯も作れない、洗濯もできない、給料も私より安い」

真奥「ぐっ」

真奥「そういえばさ、俺ずっと気になってたんだけど…お前さ」

恵美「何よ?」

真奥「+極と-極は引かれ合うんだぞ?」

恵美「え?何の事?」

真奥「お前…俺たちは『+極と-極みたいに絶対に一緒になれない関係』って言ってただろう?」

恵美「そういえば、言ったような…うん。言ったわね」


真奥「もう一回言うぞ。+極と-極は引かれ合うんだ」

恵美「…あっ」

真奥「気付いたか?+が勇者なら、-は魔王だ」

真奥「どっちみち、俺たちは引かれ合う関係だったってわけだよ」

恵美「そっか…そうなんだ…」

真奥「ったく、どっちがダメダメなんだか…これじゃあ、先が思いやられるな」

恵美「ぐぬぬぬぬ」

真奥「へっ、たまには悔しがりやがれ」

恵美「たった一回で勝ち誇るような人が、私の相手なんて…この先が思いやられるわ」

真奥「ぐっ…お前、本当に俺に対してだけは負けず嫌いだよな」

恵美「まったく、それだけあなたはダメダメダメダメダメって事よ」

真奥「何回言えばいいんだよ…」






恵美「でも…」

恵美「幸せには…してくれるんでしょう?」

真奥「ああ、それは絶対だ。約束する」

恵美「真奥貞夫!」

真奥「何だよ、ってかフルネームで読むのやめろよ」

恵美「大好きっ♪」

真奥「ああ、俺なんてもっとお前が好きだ」

恵美「何ですって!?勇者である私が想いで負けるわけないでしょう!」

恵美「私なんてもっと好きなんだから!」

真奥「はあ?魔王の心の大きさを知らないのか?俺なんてもっと--」

恵美「私なんか--」

真奥「---」

恵美「-----」

真奥「って、もうこんな時間!ほら、みんなの前に行くぞ」

恵美「ええ。わかってるわ」

真奥「ほら、手引っ張ってやるからついてこい」

ギュウウ

恵美「はいはい。つれていってね」

真奥「おう。約束だからな」

恵美「…」


恵美「えへへ~♪」



       終わり

これにて終わりになります。
支援&読んでくれてありがとうございました!
また機会があればよろしくお願いします!

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