京太郎「それでもオレはやっていない」(56)

駅のホーム


「まもなくドアが閉まります。ご注意ください」

京太郎「うおおおおおお!待った待った待ったあああああああ!!」

京太郎「乗ります乗ります乗りまーーっす!!」

プシューッ


ガタンゴトン…ガタンゴトン…

京太郎(ふぅー、危ないところだった)ハァハァ

京太郎(もう少しで電車に乗り遅れるところだったぜ!)ハァハァ

ガヤガヤ ザワザワ

京太郎(しかし、今日も乗客は満員だなぁ)

京太郎(ここにいる奴ら半分くらい死ねばいいのに)

京太郎(……ま、仕方ない。朝の通勤ラッシュばかりは避けられねえ)

京太郎(男京太郎、ここは切り替えていくぜ!――ん?)

マホ「……」ジトーッ

京太郎(女子中学生だよな…?ずっと見つめてるけど俺に気があるのか?)

京太郎(もてる男はつらいぜ!)

マホ「」プイッ

京太郎(あ、あっち向きやがった)

京太郎(ふっ、照れやがって)

京太郎(ずっと俺を見ててもいいんだぜ!ほら、見てくれよ。もっともっと!!)

グイッ

京太郎「ん?」

京太郎(げっ!ギリギリ乗車したせいで上着がドアに挟まってんじゃねーか!)

京太郎(くっそ!これは俺のお気に入りなのに!)

グイグイッ

京太郎(ぐぬぬ、とれねえ)

グイグイグイグイッ

京太郎(おら、これでどうだ!)

グイグイグイグイッ

京太郎(あーちくしょう!全然とれねえじゃねえか!)

マホ「い、いやああああああああああああああああああ」

京太郎「何だ!?」

ガシッ

京太郎「へ?」

マホ「この人"痴漢"なのです!!」

京太郎「……」













京太郎「はぁあああああああああああああん!?」

駅のホーム


京太郎「何なんっすか!俺、何にもやってねーよ!」

一「はいはい、詳しいことは署で聞くから大人しくしててね」

京太郎「俺これからバイトなんっすよ!?」

一「すぐ終わるから。ほら、パトカーに乗りなよ」

京太郎「……」

京太郎(ちくしょう…。俺は痴漢なんかしてねーのに)

――――

――

取調室


京太郎「……」

ドンドン

一「どうぞ」

池田「うおおおお!一体何がおもしろいし!!」

池田「いつもこんなことやってんのか!?」ダイバンバン!

京太郎「!?」ビクッ

池田「女が言ってるし!お前にやられましたってなぁ!」

京太郎「は、はぁ?」

池田「おら、調子こいてんじゃねーし!はやく自白するし!」

池田「"私は、混雑する通勤電車内で」

池田「女子中学生のお尻を触り」

池田「袖をつかまれました」

京太郎「な、何言って――」

池田「ほんの出来心だったといえ」

池田「大変申し訳ないことをしたと思っております」

池田「これから正直にお話申し上げます"ってな!」

京太郎「ちょ、ちょっと待ってください!」

京太郎「誰もそんなこと言ってないじゃないですか……」

京太郎「……」

京太郎「帰らしてもらいま――」

一「無理だよ」

京太郎「は?」

一「君は逮捕されてるのさ」

一「私人による現行犯逮捕だ。わかるかな?」

一「私人ってのは警察官じゃない。一般の市民って意味さ」

一「もう一度言う。君は現行犯逮捕されたんだよ」

京太郎「……え?」




結局俺は取り調べの後、わけのわからないまま違う部屋に連れていかれた

本当に痴漢なんかしてねえのに……

面談室


ガチャッ

優希「犬!」

咲「京ちゃん!」

京太郎「……」

優希「……お、お前本当に痴漢したのか……?」

京太郎「ばっ、やってねーよ!俺は無実だよ!」

咲「信じていいんだよね……?」

京太郎「そうだよ!何だよ、お前たちも俺のこと疑ってるのか!?」

咲「ち、違うよ!私たちはただ――」

優希「咲ちゃん!」

咲「?」

優希「京太郎は痴漢はやってないってちゃんと言ったじぇ」

優希「だから、落ち着いて京太郎の話を聞こう……?」

京太郎「優希……」

咲「……うん、そうだね」

咲「京ちゃん、何があったか私たちに教えてほしい」

咲「本当に痴漢をやってないならすぐにここから出られるよ!」

京太郎「お前ら……」

京太郎「ありがとな……」






そして、俺は落ち着いて二人に今までのことを話した

咲「なるほど……」

咲「つまり、電車に急いで乗ったらドアに上着がはさまってしまい」

咲「それを取ろうとしたら近くにいた女子中学生に痴漢と勘違いされたんだね」

京太郎「あぁ……。俺は本当に痴漢はしてないんだ!」

優希「……京太郎」

京太郎「どうした?」

優希「痴漢の現場を見てた人でお前がやってないと証言してくれる人はいるのか?」

京太郎「い、いや……ものすごく混んでいたから」

京太郎「痴漢してるかなんて誰もわかりようがねえと思う……」

優希「……」

咲「……」

京太郎「ど、どうしたお前ら?急に黙っちゃって……」

優希「……京太郎、被害者に示談交渉を持ちかけよう」

京太郎「は?」

京太郎「示談って俺が痴漢を認めて金を被害者に払うってことだよな?」

優希「……うん」

バンッ!

咲「ひっ」

京太郎「何でだよ!俺は本当に痴漢なんかしてねえんだよ!」

京太郎「お前らさっき俺のこと信じるって言ってたよなァ!?」

京太郎「結局信じてねーじゃねーか!!くそがあああああああああああああっ!」ダイバンバン!

池田「こら、暴れんなし!」

一「きょ、今日はこれで終わり!ほら、君たちも帰りな!」

京太郎「うがああああああああああああああああ!!!!」

京太郎「俺は本当にやってねえええんだぁああああああああ!!!!!」

ハナセヨ!クソクソクソクソクソクソオオオオオオオ!!!ウヴォアアアアアアアアアアア!!!






優希「京太郎……」

咲「京ちゃん……」

翌日


京太郎「……」

池田「で、どうすんだお前?」

京太郎「……何が」

池田「結局、お前は無実を主張するのか?」

京太郎「……当たり前だ」

池田「はぁ……」

京太郎「……」

池田「痴漢事件なんてな、99%が有罪だし!」

池田「仮に裁判したとしても何年もかかるし、無罪になる保証もないし……」

池田「だから、今罪を認めて示談にすればこれで終わりなのに――」

京太郎「俺は本当にやってねえ!!」バンッ!

池田「……あーわかったし。じゃあそういう方向で進めておくし」

池田「起訴されるまで大人しくしてろだし」

京太郎「……くそが」

数日後


一「今日は君を担当する弁護士を連れてきたよ」

野依「よろしく!」プンスコ

京太郎「……」

野依「元気ないね!」プンスコ

京太郎「あ゛?」

野依「こわい!」ブルブル

――――

――

野依「ふむふむ!」プンスコ

野依「君は本当に痴漢してないんだね!」プンスコ

京太郎「……さっきから何度も言ってるだろ」

野依「……うーん」

野依「でもこのままじゃ絶対に有罪――」

京太郎「あ゛ぁぁああああああああ!?」

京太郎「じゃあ、証拠がなければ男は皆犯人だっていうのかぁあああああ?」

京太郎「お前弁護士だろ!?だったら俺を救えやくそがああああああああああ!!」

野依(もういやだ……!)ブルブル



結局、弁護士と話しても何も進展はなかった

そして裁判当日


モブ「起立」

加治木「それでは開廷する」

加治木「被告人は前へ」

京太郎「……」

加治木「名前は?」

京太郎「……須賀京太郎です」

――――

――

結局、俺は有罪判決を受け社会的信用をなくした
親も俺とはもうかかわりたくないらしい


なぜあの時、示談しなかったんだろう
咲、優希すまなかった
お前たちのいうことをきいておけば今よりは幸せであったはずなのに

さようなら

ブロロ~……

蒲原「衣、今日は給料日だから好きなのなんでもおごるぞー!」

衣「わーい♪衣はタルタルたっぷりのエビフライが食べたいぞ!」

京太郎「」フラッ

蒲原「!?」

キキーーッ

ドォーン!

京太郎「」ピクピク

蒲原「う、うわあああああああああああああああああああああ!!」

衣「もうこんなオチ担当はいやだあああああああああああああ!!」


おわり

元ネタ「それでもボクはやってない」

裁判までの知識とか知らずに書いたんでいろいろミスってると思います
ここまで読んでくれてありがとうございました
あと、痴漢事件には気をつけてください

書き忘れてたけどオチはオリジナルなんで不快に思われた方はすんません

マホ「あれでよかったですか?」

和「はい上出来ですよ。これで咲さんは私のものです」

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