鬼娘「節分に遅刻した!!」 (17)



とある町にて


ガサガサガサ、バッ

鬼娘「はぁ、はぁ……」

鬼娘「はぁ……」

鬼娘「…………」


鬼娘「着いたーーー!!」どーん


鬼娘「や、やっとだ…まさかこんなに道に迷うとは…」

鬼娘「早めに出発して良かったぜ…」

鬼娘「よしっ!ぐずぐずしてらんないし、早速行くとするか!」


たったったった…





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とある一室


男「はぁ~………」

男(結局、今年もまた誰からもバレンタインチョコ貰えなかったな…)

男(もしかして一日遅れて来るかな、とか考えてた昨日の自分殴りたい)

男「あー、寒いなぁ」

男「…………」


男(チョコじゃ無くても良いから、誰か何か下さい……愛を下さい……)ぐすっ


男「へっくし!」

男「ずずっ……二度寝しよっと…」






鬼娘「ふぅ…全然人がいない」

鬼娘「朝早いからか?参ったなぁ」

鬼娘(とりあえず、どっかの家に)

キョロキョロ

鬼娘(どこも窓が閉まってる…当たり前か。寒いし)

鬼娘「うぅぅ、タイミングが悪すぎた。どうし……ん?」

ガタガタ、ガタガタガタ

鬼娘(!)

鬼娘(こんな所に、都合よく窓が壊れた家はっけーーーん!!)

鬼娘「これはもう、神様があたしに入れって言ってくれてるんだよなきっと!」

鬼娘「いざっ!」


ばっ






ガタガタガタ

男「窓壊れてんの直さなきゃ…金ないなー」

男「金もなければ彼女もいない、明日も見えない」

男「…………」

男(毎日結構頑張ってるんだけどな、これでも)

男「神様は厳しいですねぇ」

男(何か一つくらい、良いこと有ったって……)

男「はぁ………」





鬼娘「よっ、と」

鬼娘(遂に、遂にこの時がきた!)

鬼娘「あたしだって、一人前の立派な鬼になるんじゃー!!とりゃー!!」




男「へぶしっ!…風邪ひいたかな」

男(今日はバイトあるのに…ホントついてないな俺って…)

男「くしゃみをしても1人…なんちて」


<とりゃー!!


男「ん?誰か外で騒いで――」

ガシャーン!

男「なっ!?」

どしーん!

鬼娘「ふぎゃっ!」

男「え、え?」

鬼娘「い、痛いぃ……」

男(え、何これ。え?)






男(い、一体何が起きてるんだろう…)

鬼娘「おしり打ったぁ」

男(急に女の子が突っ込んできた、窓から)

鬼娘「くそぅ、最初はかっこよく決めたかったのに……」

男「あ、あの…」

鬼娘「んえ?」


男「…………」

鬼娘「…………」


鬼娘「あぁ!」

男「っ!」びくっ

鬼娘「いけないいけない………んんっ」こほん

男(何する気?)



鬼娘「が、がおー。お、鬼だぞぉ」



男「…………」

鬼娘「がおー、怖いだろー」

男「…………」

鬼娘「がぉ……」

男「…………」

鬼娘「…………」


鬼娘「ぐすっ」

男(もしかして、俺ってまだ目覚めてない?)






鬼娘「お、鬼なんだぞぉ」

男(待て、落ち着いて思考を整理しよう)

鬼娘「ぐすっ」

男(突然我が家に女の子がやってきた、24風に……うん、初っぱなから非現実すぎ)

男(まぁでも、それはそれとして。問題はこの子が一体誰なのか……自分では、鬼って言ってるけど…)

鬼娘「あたしの輝かしいデビューが……」

男(確かに言われて見れば、肌は赤いし何か角みたいなの生えてるし)

鬼娘「うぅ、ごめん母さん……」

男「…………」

鬼娘「ふがいない娘でごめんなさあい」

男(1人で忙しい子だな)






男(こうやって1人で考え込んでても仕方ない)

男「…も、もしもし?」

鬼娘「……なんだよぅ」

男「え、えっとその…初めまして」

鬼娘「…………」

男「…………」

鬼娘「は、初めまして…」

男(可愛い)






男「俺、男って言います。君は……」

鬼娘「…お、鬼娘、です」

男「鬼娘さんですか…」

鬼娘「…………」

男「…………」

男(さて、何処から問いただせば良いのか…)

鬼娘「へくちっ」

男「あ、寒いよね?ごめん」

鬼娘「べ、別に大丈…へくちっ!」

鬼娘「うぅぅ…///」

男(可愛い)





男「朝ごはん、食べる?」

鬼娘「え?」

男「いや、何かお腹に入れれば温まるかな、って」

鬼娘「でも……」

男「色々、聞きたいことあるし、ね?」

鬼娘「じゃ、じゃあ…食べる」

男「うん」




鬼娘「あむ、んぐっ」がつがつ

男「これ、スープ。熱いから気を付けてね」

鬼娘「うん!」

男「ふぅ……にしても」

鬼娘「はむっ、ん」むしゃむしゃ

男(よく食べるな…お腹空いてたのか)

鬼娘「ふ?」

男「何でもないよ。いっぱい食べてね」

鬼娘「うんっ!」





鬼娘「ごちそうさま!」

男「お粗末さま」

鬼娘「美味しかったぞ!」

男「口に合ったみたいで何よりだよ」

鬼娘「ふぃ~…」

男(さて)

男「えっと、くつろいでる所に申し訳ないんだけど」

鬼娘「なに?」

男「君がここに来た理由を訊いて良いかな」

鬼娘「あ……」

男「君自身の事ももっと色々訊きたいし」

鬼娘「…………」

男「鬼娘さん?」

鬼娘「し、しまった…ご飯美味しくて忘れてた…」

男(……天然なのかな?)



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