美希「一段と冷えるの」 (40)

雪歩「そうだねー…カイロが手放せなかったよ」

美希「早く春になってほしいの」

雪歩「ねえ、美希ちゃん」

美希「なに?」

雪歩「みの虫みたいに布団にくるまってるけど…」

美希「なるべく手足を出したくないの」

雪歩「顔半分しか出てなくてシュールだね…」

雪歩「ほら、お茶を用意したよ」

美希「手がないから飲めないの」

雪歩「ええ…」

美希「あ、これ使うの」

雪歩「…ストロー」

美希「入れて、入れて」

雪歩「うん」ストン

美希「…」チューチュー

雪歩「湯呑みをストローで飲むの初めて見るよ…」

美希「あ、お腹がすいたの」

雪歩「今、お菓子持ってないよ」

美希「春香のお菓子もないの…」

雪歩「ごめんね」

美希「雪歩なら手のひらからケーキでも湧き出てくるかと期待したの」

雪歩「わたし一体何者なの…」

美希「あー暇なのー」ゴロゴロ

雪歩「雪の所為でロケがつぶれちゃったもんね」

美希「こういうイライラが一番いy…うぐ!!」ゴン

雪歩「だ、大丈夫!?おもいきりテーブルの脚にぶつけたけど」

美希「雪歩に撫でてほしいの」

雪歩「そんなに手を出すのイヤなんだ…」サスサス

美希「たんこぶ出来てない?」ナミダメ

雪歩「少し赤いけど多分大丈夫だよ」

美希「んー……………っほ!!」スタン

雪歩「え、今仰向けの状態から立ち上がった!?」

美希「すごく体力使うの」グラ

美希「あ、受け身とれな」ガン

美希「~~~~~!?」ゴロゴロゴロ

雪歩「い、痛そう……」

美希「もう尺取り虫の要領で動くの」ウンショウンショ

雪歩(見てるだけでも面白いなぁ)

美希「えい」ポチ

雪歩「ちょっと待って!舌でテレビのスイッチ押した!?」

美希「みんなには黙っておいて欲しいの」

雪歩「あとでちゃんと拭いておくよ…」

美希「あ、ペンギンさんだ」

雪歩「可愛いね」

美希「………うう、余計寒く感じるの!」

美希「よりによって北極の動物特集なんて空気読んでほしいの!」

雪歩「文句言ってもしょうがないよ」

美希「雪歩はどんな番組見る?」

雪歩「わたしは……ディスカバリーチャンネルかな」

美希「へえ」

雪歩「特に歴代の銃器を紹介する番組が好きだね。M1ガーランドとか」

美希「そ、そうなんだ」

美希「やっぱり冬は鍋がおいしいの」

雪歩「口から涎が出てるよ」

美希「なんで冬って食べ物の話したくなるんだろうね」

雪歩「動物って冬眠する前に食べ物を蓄えるって聞くけど」

美希「もしかしたら原始人は冬眠しててその名残かもしれないの」

雪歩「どうなんだろう」

美希「というわけで美希は冬眠するの」スウ

雪歩「だ、駄目だよ!お仕事しなくちゃ」

美希「千早さんってさ」

雪歩「うん」

美希「見てて寒そうじゃない?」

雪歩「ど、どういうこと?」

美希「スレンダーなのはいいけど…肉づきが悪くて貧相で」

雪歩「そうかな…」

美希「もっと食欲旺盛になった方がいいの」

雪歩「…」

美希「あ、でも胸は変わらなさそうなの」

雪歩「言っちゃだめだよぉ」

美希「うー、そうこうしてるうちに顔も寒くなってきたの」ブル

雪歩「暖房付けてるのに…」

美希「あ、あったかそうな所見つけたの」

雪歩「え、どこ?」

美希「ここ」ボフ

雪歩「はう!そこ胸だよ!」

美希「ぬくぬくしてくるの。雪歩はちんちくりんじゃないの」

雪歩「は、恥ずかしいなあ」

雪歩「と、トランプでもする?」

美希「手が使えないの」

雪歩「あ、真美ちゃんが持ってきたテレビゲームで」

美希「さすがにボタンは押せないの」

雪歩「お、オセロは」

美希「…いじめるのはひどいの」

雪歩「ち、ちがうよ」

美希「やっぱりこうする」ボク

雪歩「あうう」

美希「むぐ……ふがふが」スリスリ

雪歩「か、顔うずめながら喋らないで///」

美希「…ぶはあ」バサ

雪歩「あれ?布団脱いじゃうの?」

美希「せっかくだから雪歩も一緒に入るの」

雪歩「え?」

美希「寝てればあっという間だよ?」

雪歩「そそ、それじゃ失礼して」スス

美希「こんなに密着するなんて多分初めてかな」

雪歩(わ、顔近い///)ドキ

美希「全身で雪たんぽするの」ムギュ

雪歩「わわ」

美希「これは落ち着……すぅ」

雪歩「もう寝ちゃった」

美希「んん…」

雪歩「何だかわたしもウトウトしてきて…」

雪歩「ふわあ…」

――――――――
――――――
――――

雪歩「うーん……なんだか顔いっぱいにお饅頭が」

雪歩「こんなに柔らかいの美希ちゃんとの間にあったかな」

雪歩「…」パチ

貴音「すう…」

雪歩「はえ!!??」ガバ

貴音「おや雪歩……お目覚めですか?」

雪歩「な、なんで四条さんが…」

貴音「わたくし…思わず布団の魔力に吸い寄せられて…」

美希「あれ………貴音?」ムニャ

貴音「勝手ながら入らせていただきました」

美希「美希は誰でもウェルカムなの」

美希「抱きごこちが良かったと思ったら貴音だったんだ」

貴音「褒めて頂けるとは光栄ですね」

雪歩「…」ムス

貴音「おや、雪歩?」

雪歩「わたしは美希ちゃん専用の抱き枕です!」

貴音「……ほう、面妖な」

美希「雪歩…その言い方はなんだかいやらしいの」

貴音「どうやらわたくしはお邪魔のようですね」

美希「そんなことないと思うの」

美希「…あ!そうだ、アイドルにも癒しの時間が必要なの」

雪歩「え?」

美希「今日からお昼寝ブームを巻き起こすの!」

美希「ええと、パジャマに枕に目覚ましに」

雪歩「本格的だね…」

美希「おやすみなさーいなの」

雪歩「二度寝は体に毒だよぉ」ユサユサ

美希「むにゃ」

END

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