菜々子「ペル……ソナっ!」(358)

菜々子「おとーさーん! 晩御飯できたよー」

堂島「ああ……ん? やけに豪華だが」

菜々子「何で言ってくれないのかなー、警・部さん。
    今日はその昇進のお祝い!」

堂島「やれやれ、どこで聞いたんだか」

菜々子「千枝お姉ちゃん! この間道でばったり会ったときにね」

堂島「ったく、里中め」

菜々子「ま、いいからいいから。食べよ!」

菜々子「んー、そういえば明日の晩御飯も決めなきゃ」

堂島「そういえば、明日からだったか」

菜々子「うんっ、お兄ちゃんに会うの久々だから楽しみっ」

堂島「久々って、この間の正月にも会ったばかりだろう」

菜々子「い、いいのっ!」

堂島「だが、まあ。せっかくのゴールデンウィークだ。
   いい思い出になるといいな」

菜々子「うんっ!」

菜々子(お兄ちゃんが初めて八十稲羽に来てからもう10年か)

菜々子(菜々子も、あのときのお兄ちゃんと同じ高校2年生になった。
    高校はもちろん八十稲羽高校)

明日、お兄ちゃんに会うのがとっても楽しみです。

…………
……


>八十稲羽駅に着いた。
>ここはいつ来ても安心できる空気が流れている。

菜々子「おにーちゃーん!」

>菜々子だ。大手を振って迎えてくれている。

菜々子「えへへ、久しぶりだね」

>5ヵ月ぶりくらいだろうか……。

菜々子「じゃ、お家いこっか!」

>菜々子は嬉しそうだ。

はよ

>>3
思いついてスレ立てたから即興なんだすまん

>八十稲羽商店街の近くを歩いていく。

>そういえばおじさんは?

菜々子「お仕事だよ」

>休みも仕事とは、相変わらず多忙のようだ。

菜々子「あ、そういえばお父さん警部になったんだ」

>おめでとう。

菜々子「なな……ごほん。私に言われても困っちゃうよ
    お父さんに言ってあげて」

>無理に取り繕わなくてもいいと伝えた。

菜々子「いーの! これでも直そうって努力してるんだから」

>つつましい努力をしているようだ。

??「お? おー! 番長くん! こっち来てたんだ!」

>駆け寄ってくる人影が見える。

菜々子「あ、千枝おねーちゃん」

千枝「よーッス! 久しぶりだねぇ」

>千枝だ。商店街をぶらついていたらしい。

千枝「って言ってもお正月に会ってたね」

菜々子「千枝おねーちゃんお仕事は?」

千枝「なーに言ってんの。あたしこれでも公務員よ?
   祝日はちゃんと祝日としてもらえるって」

菜々子「あっ、そっか。お父さん見てるとつい」

千枝「堂島さんの場合はちょっと特別だと思うよー……」

>そういえば千枝の職業は……。

千枝「そうそう! 番長くんにはまだ言ってなかったけど
   実はこの春から刑事課に配属になりましたっ!」

千枝「いやー、堂島さん直属の部下ですよ、あたし」

>千枝は、あのとき言った「警察官になる」を見事に体現しているようだ。

千枝「でもキビシイね。警察って男社会だからさー。
   ま、堂島さんは男女関係なく能力で見てくれるから嬉しいけど」

千枝「そんなわけで堂島さんの下で働けるのは幸せっすよ」

菜々子「えへへ……」

>菜々子は嬉しそうだ。

千枝「ねね、こんなところで立ち話もアレだからさ。
   時間あるならこの後あの場所に集まらない? 今日休みの人に声かけとくから」

>わかった。

千枝「もちろん菜々子ちゃんもいっしょにね」

菜々子「え、い、いいの?」

千枝「もちろん! じゃ、またあとでね!」

>千枝は駆けていってしまった。

菜々子「じゃあ、お兄ちゃん。早めにお家もどろっか!」

………
……


――ジュネスフードコート。

>ここもいつまでも変わらない場所のひとつだ。

千枝「やーお待たせお待たせ」

陽介「よ、相棒!」

>陽介が千枝の後ろから顔を出した。

陽介「菜々子ちゃんも久しぶり!」

菜々子「こんにちは、陽介お兄ちゃん」

千枝「あと何人かは遅れてくると思うからさ」

陽介「ま、祝日が確実に休みなのは俺らくらいなもんだろ」

菜々子「そっか、陽介お兄ちゃんも公務員なんだっけ」

陽介「日の丸背負って働かせていたいだいてます、はい」

千枝「意外よねー、てっきりジュネス継ぐもんだとばっかり」

陽介「だから雇われ店長だっつの! ってか一体いつまでそのネタ引っ張るんだよ!」

千枝「あはは、一応定番じゃん?」

陽介「ったく、それに親父はまた都会の方に戻ってここにいないっつの」

千枝「花村も物好きよね、向こうの方の市役所でも内定貰ってたんでしょ?」

陽介「まあな、でもほら。俺すっかりこっちの人間だし、八十稲羽のこと好きだし」

陽介「それにみんなともこっちにいれば会えると思ってな」

千枝「ま、実際ほとんどこっちにいるよねみんな」

陽介「そうそう、そんな中お前は向こうでさっさと就職しちまったけどな」

千枝「そーそー、このハクジョーモノめー」

>視線が痛い……。

陽介「ははっ、冗談だって。ご両親と同じ会社なんだっけか」

>ああ。

千枝「10年前に番長くんがきたときって
   確かご両親が海外に赴任するからこっちきたんだよね」

千枝「ってことはガイシケイ? ってやつ?」

陽介「お、なんだかインテリの匂いがするな」

>そんなことはない。普通の会社だ。

千枝「ま、花村とかに比べたら意外性はないかな」

陽介「そんなこと言ったら天城も直斗もりせも意外性なんてないだろーが」

千枝「まーねー。旅館女将に日本を代表する探偵に女優」

陽介「スケールはぶっ飛んでるけどな……」

千枝「意外性といえば、一番は完二くんかもね」

陽介「巽屋継ぐとは正直思ってなかったな」

千枝「妥当っちゃ妥当だけど、ねぇ」

陽介「服飾系のガッコーにまでいって勉強してたからな……」

>みんなと雑談に花を咲かせた。

陽介「っと、ごめんな、菜々子ちゃん。話つまらなかった?」

千枝「あ、そか。ごめんね、あたしらばっかり」

菜々子「んーん! そんなことないよ、お兄ちゃんたちのこともっといっぱい知りたいな」

陽介「ええ娘や……」
千枝「ええ娘や……」

>2人は謎の感動をしているようだ。

千枝「あたしらの話もいいけどさ、菜々子ちゃんの話も聞きたいな」

菜々子「なな……ごほん。私の話?」

千枝「そうそう。今の八十神高校の話」

千枝「今の高校生ってどんな話するのかなーって」

陽介「お、確かにちょっと気になる」

菜々子「んー、大体友達のこととか授業のこととか噂話とか、かなぁ」

千枝「やー、何年たっても高校生の話は変わらんのですなぁ」

陽介「お前は肉とカンフーばっかりだったろ!」

千枝「うっさい!」

菜々子「あ、噂話といえばね。お兄ちゃんたち知ってるかなぁ」

>どうした?

菜々子「あ、ううん。大したことじゃないんだけど。
    確か昔あった噂がまた広がってるって話があってね」

>昔の、噂?

菜々子「お兄ちゃんたちはマヨナカテレビって知ってる?」

>……!

千枝「え、えっ!?」

陽介「な、菜々子ちゃん、どこでそれ……」

菜々子「んー高校で今ちょっとした噂なんだ」

菜々子「先生も『そういえば昔も似たようなウワサがあったワ』って」

菜々子「だからお兄ちゃんたちも知ってるかなって思ったんだけど」

>確かに同じ噂があったが……。

陽介「知ってるも何も……なあ」

千枝「ね、菜々子ちゃん。もうちょっと詳しく教えてもらえる?」

菜々子「ん、いーよ」

菜々子「って言っても特に面白いわけじゃないんだけど。
    雨の日の0時、1人で消えたテレビ画面をみると、人影が見えるって」

>少しだけ自分たちのときとは違うようだ。

千枝「あたしらのときは、運命の人、だったよね」

陽介「ああ……」

菜々子「運命の人……? 私は人気者が映るって聞いたんだけど」

>人気者……。

陽介「10年前のことだけどはっきり覚えてるぜ。
   イザナミがいうには『見たいものをみたいように映す窓』だったか」

千枝「うん……でも、どういうこと?
   イザナミがいなくなった今映らないはずでしょ?」

陽介「これは、クマに聞いてみる必要あるな」

菜々子「え! クマさんくるの? やったぁ!」

>クマに会うのも久々だ。

陽介「ま、俺らは週1くらいのペースであってるけどな」

千枝「よーくご飯もらいにくるもんねー」

陽介「喰わなくても死なんだろうに」

菜々子「……陽介お兄ちゃんと千枝おねーちゃんって付き合ってるの?」

千枝「断じてないっ」
陽介「ちがうって!」

>喰い気味に否定してるところが怪しい。

陽介「ま、まあ、今呼んで来るからちっと待っててくれよ」

>陽介はジュネスの中へ入っていった。

>ところで、さっきの件だが。

千枝「それはもういいでしょっ!」

>あわてるところがまた怪しい。

千枝「本当に何もないってば……」

千枝「そういえば誘った人たちそろそろ来ると思うんだけどなー」

>遠くからこちらに近づいてくる人影がある。

直斗「お久しぶりです、先輩」

完二「お久ッス」

菜々子「こんにちは!」

直斗「菜々子ちゃんも久しぶり」

>直斗と完二だ。

千枝「やっほーやっほー、やー呼び出して悪いね」

直斗「何言ってるんですか、せっかく先輩が来てくださってるんですから。
   教えていただいてお礼を言いたいのは僕の方ですよ」

完二「そうッスよ」

>2人は仕事はいいのか?

直斗「……実をいうと先輩が来るんじゃないかなって、狙って休みにしちゃいました」

>全国を転々していると聞いたが。

直斗「一応今は稲羽署の捜査協力員ってことになってますから。
   万が一何かあっても大丈夫です」

千枝「ま、特に今は事件なんてないんだけどねー。平和なもんですよ」

完二「俺は、店絞めてきたッス!」

千枝「え、いいのそれ……」

完二「もうあらかた卸しは終わらせてきたッスから」

直斗「巽君もすっかり経営者ですね」

完二「んな大層なモンじゃねーって」

千枝「雪子にも声はかけといたけど、来られるかどうか」

直斗「今はそれこそ繁盛期ですしね」

千枝「電話した感じ結構楽しみにしてたから無理にでも来ると思うけど」

完二「先輩が来ることは、ある種イベントッスからね」

菜々子「そういえばりせちゃん、来られないの……?」

千枝「んー、一応メールしといたけど仕事が仕事だからねぇ。
   『今すぐ行きます』ってわけにもいかないだろうし」

直斗「八十稲羽に住んでるわけでもないですしね」

完二「まあ、しょうがねぇんじゃねッスか?」

菜々子「そっか……」

>菜々子は残念そうだ。

??「なーに、仲間外れにしてるんですかっ」

菜々子「えっ?」

>サングラスと目深に帽子をかぶった女性が立っていた。

りせ「やっほー」

千枝「え、ええ、えええええええええ!!??」

菜々子「り、りせちゃん!?」

りせ「しーっ! しー!」

>周りがざわついている。

千枝「り、りせちゃんってここの出身だったのー!?
   しらなかったなー、あははは」

菜々子「そ、そうだったんだーあははは」

>周囲の視線は何事もなかったように散開していた。

りせ「もうっ! なんなんですか、いきなり大声出して」

千枝「だ、だって、そりゃビックリするってーの!」

りせ「あはっ、みんな久しぶり」

直斗「本当に久しぶりですね」

りせ「1年ぶりくらい?」

完二「正月も顔みせねーからな」

りせ「お正月は仕事が立て込むからね」

千枝「で、でもなんでここに?」

りせ「ようやくお休みもらえたんですよ」

千枝「そーじゃなくて!」

りせ「あははっ、実はですね」

>自分が教えたとみんなに伝えた。

千枝「え、番長くんが……?」

りせ「そーなんですよ、先輩と私は住んでる場所近いですからね。
   実はプライベートでもよく会ってるんですよ」

千枝「え」
直斗「え」

菜々子「お兄ちゃんいいなぁ」

りせ「で、先輩がGWには八十稲羽いくっていうし、
   せっかくお休みももらえたし、こうやって来たってわけ」

直斗「……スキャンダルとか大丈夫なんですか?」

りせ「あははっ、そんなに甘いことしないって!
   これでも細心の注意払ってるんだから」

>なぜか直斗と千枝の視線が痛い……。

飯食ってた
書く

陽介「おーい、クマ連れてきたぞー」

クマ「センセーイ! ナナチャーン! チエチャーン!」

>クマの容姿は相変わらず全く変わってない。

陽介「ってうおっ! なんか増えてる!」

りせ「増えてるって酷い言い方だなぁ」

クマ「リセチャン久しぶりクマー!」

陽介「ってりせー!?」

りせ「だから声大きいっつーの!!」

>再び周囲がざわついている。

千枝「ちょ、ちょーっとマズイかなー」

直斗「騒ぎが大きくならないうちに離れたほうがいいですね……」

千枝「あ、じゃあ、雪子んちで匿ってもらえないか聞いてみるね」

直斗「とにかくここから離れましょう」

――天城屋旅館

雪子「あ、千枝。こっちこっち」

千枝「やーごめんね、急に」

雪子「ん、大丈夫、1部屋だけどごめんね」

千枝「やー、貸してくれるだけでありがたいっす」


――天城屋旅館の一室。

陽介「あーここって」

完二「……ッスね」

直斗「どうしたんですか?」

クマ「な、なんでもないクマ」

千枝・直斗・りせ・菜々子「?」

>言わない方がいいだろう……。

りせ「ふー! でもこれでようやく帽子とサングラスとれるー!」

クマ「やーリセチャン、やっぱりテレビで見るよりずっと綺麗クマー」

陽介「そいやなんだかんだ生りせちーみるのも久しぶりだな」

りせ「りせちーはもう卒業したってば! 今はただの女優久慈川りせなの」

陽介「わ、わりぃ」

クマ「ヨースケは相変わらずデリカシーがないクマねー」

陽介「お前にだけは言われたくないっ!」

菜々子「ふふ、なんかお泊り会みたいで楽しいね!」

>菜々子は屈託なく笑っている。

クマ「そういえば、なんでクマは呼ばれたクマ?」

千枝「あ、そうそう」

ガラッ

雪子「懐かしい顔がそろい踏みね、みんな久しぶりー」

千枝「あ、雪子。仕事は? いいの?」

雪子「うん、休憩貰ってきたの」

りせ「え、なに? なにかあったの?」

直斗「僕たちは何も知りませんが…」

完二「なんかあったんスか?」

陽介「それがよ」

>みんなにマヨナカテレビの噂が再び広まっていることを伝えた。

りせ「え、うそ……!」

直斗「馬鹿なっ」

雪子「え、え、どういうこと?」

完二「あのときのやつが復活したってことっスか……?」

遅いのはスマン
飲み物作ってた

菜々子「ペルソナっ……!!」パキィィィン!

 マーラー「……」ギンギン

千枝「でも、あたしらずっと住んでるけど知らなかったよね」

陽介「ああ……」

完二「っても、アイツ倒してからマヨナカテレビなんて観たことないっすけどね」

雪子「まあ、普通しないよね」

>クマに何か知らないか尋ねた。

クマ「んーとクマね、特に異変はないクマよ?」

クマ「霧に覆われることもないクマ」

直斗「原因が分からないですね……」

陽介「そもそもマヨナカテレビってイザナミ倒したことでなくなったのか?」

直斗「そのはずですが……そういえば確認しませんでしたね」

雪子「マヨナカテレビだけ残っちゃったってことなのかな」

陽介「実害がないならいいんだけどよ」

直斗「イザナミから力を渡されない限りテレビの中に入るなんてできませんからね」

りせ「イザナミが復活してるってことはないよね?」

完二「あのときかっちり倒しただろーが」

直斗「そうとも言い切れません、相手は何せ神を名乗る存在ですからね」

千枝「ってことはなに? もしかしたらイザナミが復活してるかもしれないってこと?」

直斗「そうとも言ってません。ただ噂の流出元は確認しておきたいですね」

雪子「前は、イザナミが直接流してたんだっけ」

>ガソリンスタンドの店員に扮していた。

千枝「ね、菜々子ちゃん。その噂って誰から聞いたの?」

菜々子「うーん……みんな言ってるから、誰からってのはちょっとわからないの……
     ごめんなさい」

>別に菜々子が謝ることではない。

直斗「ですが、やはり少し調査すべきですね」

書ききってくれ

陽介「んじゃー久々に結成か? 自称特別捜査隊!」

千枝「あははっ、懐かしいね、その響き」

完二「先輩が戻ってきたときにこんな話題なんて、運命かも知れないッスね」

りせ「完二、そんなロマンチストだっけ……」

完二「う、うるせー!」

直斗「とにかく一度テレビの中に入ってみましょうか」

りせ「クマと私がいれば異変があったらすぐわかるから!」

陽介「じゃあ、またジュネスいかなきゃだな……」

クマ「まークマが一緒ならどこから入ってもいいクマね。
   今はテレビの中も平和なものクマ」

>よし、いこう。

菜々子「……お兄ちゃんたち何の話してるの?」

千枝「あ、あはは、ごめんね。置いてけぼりだったよね」

>>74
まあゆっくり書いてく

しえ

千枝「でも、ちょっと危ないことかもしれないから」

直斗「そうですね、菜々子ちゃんを巻き込むわけには……」

菜々子「そっか……」

クマ「でも危なくなんてないクマよ? それはクマがホショーしちゃうクマ!」

陽介「っていってもなぁ」

雪子「菜々子ちゃんテレビの中で危険な目にあってるし……」

>お兄ちゃん、そんな危険なことはユルしません!

陽介「相棒もかわらねぇな……」

りせ「でも、ジュネスいくとこくらいまでならいいんじゃない?」

りせ「ね、菜々子ちゃんもこのままじゃ面白くないよねー。
   私たちが手品見せてあげる」

陽介「ちょっ…」

菜々子「え、手品?」

りせ「うん、私たちがテレビに入っちゃうんだー」

菜々子「! みたいー!」

直斗「まあ、それくらいならいいでしょう」

陽介「ちょ、直斗も何言ってるんだよ……」

直斗「菜々子ちゃんを無碍に扱うのは気が引けますからね」

雪子「どれくらいかかるかな……」

千枝「あ、時間厳しかったらダイジョブよ?」

雪子「ううん、私も行きたい。何かあってからじゃ遅いから」

千枝「……ん」

>よし、いこう。

――ジュネス、テレビ売り場。

千枝「そういえば売り場変わっただっけね」

陽介「まー変わってもクマ吉いれば問題ないんだけどな」

クマ「テレビの中も平和クマからねー。
   クマと一緒に入ればどこから入っても基本安心クマよ」

直斗「GWだからもっと人が多いと思いましたが幸いここは相変わらず人が少ないですね」

りせ「じゃ、いきましょか!」

>じゃあ、俺から入っていこう。

菜々子「わっ! お兄ちゃんがテレビに刺さった!」

りせ「ふふ、ね、すごいでしょ」

ザワ…ザワ…

完二「ン? なんか騒がしくねぇッスか?」

サッキノ…リセチャン?
       ウソーコンナトコニ-?
マチガイナイッテ

ザワ…ザワ…

りせ「あっ、変装するの忘れてた」

千枝「……」
雪子「……」
直斗「……」
完二「……」
陽介「……」

りせ「……てへっ」

陽介「じゃねーよ! やべぇ! 人集まってきちまうぞ!」

千枝「どーすんのよ! ここに半分テレビに刺さった人がいるんですけど!」

直斗「と、とりあえず先輩だけでも先に入ってしまえば……」

完二「いや、コイツがここにいて人が集まったらもう入れねぇぞ」

直斗「あっ」

りせ「あっ」

クマ「は、早く入るクマー!」

千枝「ほ、ほら! みんな早く壁作って! りせちゃんは一緒に入って!」

りせ「わっわっ!」

陽介「うわ、ちょ! 押すな! 押すな!」

菜々子「きゃっ」

直斗「うわっ」
完二「どぅわっ!」
雪子「きゃあっ」

陽介「どぅわああぁああなんだこの既視感はああああぁああぁぁあああぁぁああああ!!!」

>全員そろってテレビの中に落ちていく……!

陽介「いっ……つつ」

菜々子「う、ううん……」

直斗「くっ……まさか菜々子ちゃんまで巻き込むことになるとは」

>今すぐ菜々子は出そう。

クマ「あいあいさー!」

>クマが出口を出した。

直斗「待ってください、今外に出したら大勢の人に見つかってしまいます」

>騒ぎが収まるまでここにいるしかないか……。

直斗「そういうことになりますね」

りせ「ご、ごめんなさい私のせいで」

>まあ、気にするな。

菜々子「きれーなとこだね……」

>菜々子は景色に見とれているようだ。

千枝「ま、まあ時間つぶしも兼ねて調査はじめよっか」

>クマ、りせ頼む。

りせ「オッケー、任せて! さっきのお詫びも兼ねて頑張っちゃうよ!」

クマ「わかったクマ。でもなんもないとおもクマよ」

りせ「でも、ひっさびさだからペルソナでるかな……」

りせ「いくよ、ペルソナ!」

チョイ紅茶入れてくる

菜々子「わわっ! りせちゃんそれなに!?」

りせ「あ、え、えーと」

>しまった……。

りせ「え、えーとお兄ちゃんが答えてくれるよ!」

菜々子「お兄ちゃん、これって。それにここどこなの?」

>なんて説明しようか……。

>溢れる伝達力でそれらしい説明をした。

菜々子「ジュネスの特設ステージ……?」

直斗「ま、まあそんなところです」

>うまく説明できていなかったようだ……。

菜々子「でもなんだか懐かしい感じがする」

千枝「そっか、一回入ったことあるんだもんね」

菜々子「なな…ごほん、私ここにきたことあるの?」

千枝「あっ……え、えーと」

>どうしようか。

ちょい離席

菜々子ちゃんのお尻につぶされる幸せを受け止めたのは誰だ

でてきました

日付変わるか、続ける

よし書く

>>100

直斗「仕方ありません。話してしまいましょう」

>だが……。

直斗「これ以上ごまかしはききませんし何よりより余計に混乱させてしまうだけです」

陽介「ま、俺達も初めてここ知ったのは菜々子ちゃんの歳だったしな」

>仕方ない……菜々子にこの世界のことを伝えた。

菜々子「どういうこと……?」

千枝「つまりテレビの中の世界ってことだけわかってくれればオッケーかな」

クマ「そしてクマはここに住んでるクマ!」

菜々子「へ、へぇー」

>菜々子は混乱しているようだ。

完二「まーしゃーねーっスよ」

直斗「霧が出ていれば異常な世界とわかるんですがね」

>もう霧が晴れて眼鏡も必要なくなっているからな。

菜々子「でもりせちゃんのって……」

りせ「うん、そうだね。手品でもなんでもなくて本当にこうやって出てるんだ」

千枝「ま、まあ信じられなくてもしょうがないよね」

菜々子「すっごぉい!」

雪子「え」

菜々子「ねね! お兄ちゃんたちもできるの!?」

>菜々子の目が爛々と輝いている。

直斗「ええ、大切な力です」

菜々子「へぇー、いいなぁいいなぁ!」

>純粋に羨んでいるようだった。

陽介「なあ、相棒」

>なんだ?

陽介「菜々子ちゃんを僕にください」

>ジオダインをください?

陽介「ごめん」

完二「花村先輩命知らずッスね」

陽介「冗談が過ぎた……」

>いっていいことと悪いことがあるぞ

陽介「あはは……」

りせ「ん、これって……」

雪子「何かわかった?」

りせ「わかったっていうより、なんだろこれ」

クマ「あらら……? さっきまでなかったところができてるクマ……?」

千枝「え、それって」

クマ「クマが向こうに出ていったときには何もなかったクマ」

直斗「急にでてきたってことですか……?」

>どういうことだ……?

りせ「なんていうんだろ、『何にもない』があるっていうのかな」

千枝「どういうこと……?」

りせ「んー、ダメ。これ以上はここからじゃわかんない」

クマ「クマも何かあるのかないのかよくわかんないクマ」

直斗「いってみるしかないみたいですね」

菜々子「お兄ちゃんたちいっちゃうの?」

>菜々子はここで待っていてくれ。

雪子「でも1人で残すのは……かといって今出ていったら外大騒ぎになるだろうし」

クマ「じゃーナナチャンとクマはここで待ってるクマよ」

>クマ、菜々子のことを頼んだぞ。

クマ「センセイー、クマに任せるクマ」

完二「しゃっ、サクッといってサクっと調べてきましょうや」

陽介「そうだな!」

りせ「こっち、案内するね」

>クマと菜々子を残して向かっていった。

別に落ちたら落ちたでいいんじゃね

――????

りせ「ついた、ここだね」

千枝「ここって……?」

>目の前には地平の果てまで真っ白な世界が広がっていた。

直斗「『何もない』がある、ってこういうことだったのか……」

雪子「見渡した限り、本当に何にもないね」

直斗「一度はぐれたら合流することは難しいかもしれませんね」

千枝「っていうか、ここに戻ってこられるかも怪しいよ……」

雪子「目印も何もないからね……」

完二「でもまあ、中に入って調べるまでもないんじゃねッスか?」

陽介「まあ、何もないからな」

直斗「ですが、マヨナカテレビに関係しているなら見過ごすわけにはいきません」

>どうしたものか……。

P4Uは無視したほうがいい感じか

りせ「一応進んだ道は記録できるから私とはぐれない限りここに戻ってこられるよ?」

直斗「そうですか、先輩」

>どうした?

直斗「僕は進んでみようと思います、先輩はどうしますか?」

>この場所からは、何か嫌な感じがする。だが……。

>……行こう。菜々子に何かあってからでは遅い。

直斗「ふふっ、先輩らしいですね」

直斗「他の方はどうしますか?」

りせ「もちろん私はいくよっ、っていうか行かないとお話になんないでしょ!」

陽介「相棒が行くのに俺が行かないわけにはいかないだろ?」

千枝「この街の平和を守るために警察に入ったんだから、行かないわけにはいかないっしょ!」

雪子「この街は、私たちで守るんだから」

完二「みなさん物好きっスね……でも、ここに行かなきゃ男が廃るっしょ!」

直斗「よし、行きましょう」

>何も見えない真っ白な世界へ足を踏み入れた。

>>138-139
無印しかやってない

――ギイイイィイィイィイィィィィン

>一歩足を踏み入れた瞬間、不協和音のような激しい耳鳴りがする……!

千枝「な、なにこれ」

直斗「わ、わかりません……!」

雪子「き、気持ち悪い……」

陽介「い、一度出たほうがよくないか」

完二「って、お、おい!」

>振り返ってみると、同じように真っ白な世界が続いているだけだった。

りせ「嘘っ! 出口がなくなってる!」

直斗「ぐ、これは……!」

ギギギイイギイギギイイイイイイイン――

>耳鳴りが強くなる。

>同時に意識が遠のいていった……。

――ちゃん……お……ん

>遠くから声が聞こえる。

菜々子「――ちゃん! お兄ちゃん!」

>ここは……。

菜々子「お兄ちゃん大丈夫? だいぶうなされてたけど……」

>あ、ああ……!?

菜々子「ご飯できてるから、起きてきてね」

>……いったい。

菜々子「どうしたの?」

>菜々子が、幼いころの姿に戻っている……。

>どうやらおじさんの家の自室で寝ていたようだ…。

>階段を下りて居間へ向かう。

堂島「おう、起きてきたか」

>おじさん……?

堂島「おう、どうした、そんな驚いた顔をして」

堂島「ほら、コーヒーだ。お前好みに作ってあるからな」

堂島「じゃあ、行ってくる」

菜々子「いってらっしゃい、お父さん!」

>どうなっているんだ……。

菜々子「ほら、お兄ちゃんも顔洗ってきて!」

>菜々子に押されて洗面台にやってきた。

>……! これは!? 若返っている……!?

――通学路。

>どうなっている……?

千枝「オイーッス! 番長くんやっほ」

>千枝……千枝まで若返っている。

>さっき起こったことを聞いてみた。

千枝「んー? 何言ってるの?」

千枝「そんなことよりさー……そろそろ中間テストだよー」

>千枝は何も知らないようだ。

>どうなっているのだろうか……。

陽介「よっ、相棒!」

>陽介も、あの頃に戻っている……。

>陽介にも同じことを聞いてみた。

陽介「相棒、中間テスト嫌なのはわかるけど、現実逃避しても意味ないんだぜ……?」

千枝「番長くんは、勉強得意だから花村と違って現実逃避する必要なんてないでしょうが!」

陽介「うっ、仰る通りで……」

雪子「おはよう、みんな」

千枝「あ、雪子おはよ」

陽介「いいよな、天城も勉強得意だから」

千枝「雪子も勉強してるの!」

直斗「おはようございます」

完二「ウィッス」

りせ「おーはよ!」

陽介「はははっなんだ、結局いつものメンバーが勢揃いだな」

>誰もこの現状に違和感を持っていないようだ……。

>今までのことは夢だったのだろうか……。

陽介「そういえば、こんなときだけどよ、事件があったんだよ」

>……! 事件!?

陽介「3組の久保美津雄が、また天城に告って振られたんだってな!」

雪子「もう! やめてよ!」

>久保……美津雄!?

千枝「花村ーいい加減にしなさいよねー雪子もいやがってるでしょうに」

陽介「ははは、すまんすまん」

>待ってくれ、久保はあの事件で……!

りせ「事件? なにかあったっけ?」

直斗「別段際立った事件は起こっていませんが」

完二「八十稲羽は平和なもんッスよ」

千枝「こーんな田舎だしねー」

>どういう……ことだ……

――放課後。

千枝「あーっ! 今日も終わったー!」

陽介「モロキンは今日も嫌なやつだったな」

>諸岡先生も何ごともないように授業を行っていた。

千枝「モロキンが嫌なのは昨日今日始まったことじゃないでしょー」

陽介「ま、そうだけどよ」

雪子「ね、今日もあそこ集まって勉強する?」

千枝「うん! するする! っていうか教えてもらわないとマジヤバイ!」

陽介「相棒ももちろん来るだろ?」

>あそこって……?

陽介「もちろん、ジュネスのフードコートだよ」

――ジュネス、フードコート。

千枝「さ、はじめましょー!」

雪子「じゃあ、数学からね」

千枝「おおう、いきなりラスボスですか」

陽介「お前の場合ほとんどがラスボスだろうが」

りせ「私たちも直斗に教えてもらおーっと」

直斗「まあ、皆さんが留年するのは僕も見たくないですから」

完二「しょ、しょーがねーなっ」

>みんな何ごともなかったように過ごしている。

りせ「先輩? どうしたの?」

>頭が混乱している……。どうなっているのだろう。

>……! そうだ! マヨナカテレビ……!

>マヨナカテレビのことをみんなに尋ねた。

陽介「マヨ……? なんだって?」

>……!

千枝「噂話としては面白いけどさー、ちょーっと現実味がないよねー」

りせ「特にテレビに入れるってところね」

直斗「ふふっ、先輩もそんな噂話信じるんですね」

完二「可愛いとこあるんスね」

陽介「お前が可愛いっていうとシャレにならねーから……」

完二「なっ……! ん、んだとゴルァ!」

雪子「ほら、そんなことしてないで勉強しよ」

千枝「そ、そうだそうだ。やばいんだった」

陽介「余裕ある奴は、そういう話できていいよな……」

>一体どうなっているんだ。





>でも、懐かしく………心地よい。

………
……


クマ「センセイたち、遅いクマねー」

菜々子「そうだね……」

――――――ギィン

クマ「……!!」

菜々子「どうしたの?」

クマ「何か嫌な予感がプンプン臭うクマ」

菜々子「えっ?」

クマ「ちょ、ちょっとセンセイたちの様子見てくるクマ!」

菜々子「なな……ごほん。私も行く!」

クマ「ナナチャンはここで待っていてほしいクマ!
   もしナナチャンに何かあったらセンセイに顔向けできないクマ」

菜々子「で、でも……」

クマ「大丈夫クマ。クマもこれでもペルソナ使えるクマ」

クマ「安心して待っていてほしいクマー!」

菜々子「クマさんいっちゃった……」

………
……

千枝「テストの結果張り出されたみたいだよー」

陽介「うええ……来ちゃったかーこのとき。
   しかたねぇ、見に行くか」

>ああ。

長瀬「お、きたな」

一条「主役の登場だ」

陽介「お、なになに? 俺そんなによかった?」

一条「ちげーよ、番長の方」

>……! なんと学年でトップだ!

あい「ま、まあ、これくらいじゃないと困るし?」
綾音「さすがです、先輩」
結実「やるね、番長くん」

>みんなからの好意を感じる。
>ああ、心地よい空間だ。

あ、やっと書き込めた
急に感覚空いたらさるったと思ってくだちい

――????

クマ「な、なにここクマ……」

クマ「真っ白で何もわからないクマ」

クマ「センセイ達も見当たらないし……」

クマ「で、でもセンセイ達を見捨てることはできないクマ!」

クマ「と、突撃クマー!!」

ギィイイィイィイィン――

クマ「クーマー!」

……


菜々子「お兄ちゃんたち……帰ってこないな」

――放課後。

陽介「はははっ」

千枝「でさー……」

完二「掴むんじゃねぇよ!」

>なにか前方が騒がしい。

警察「こっちにこい! 巽完二!」

完二「やってねぇって言ってんだろ!」

>完二だ。何があったのだろう。

陽介「どうしたんだ」

完二「あ、先輩! こいつらいきなり子供を脅迫しただろって詰め寄ってきやがてって」

警察「目撃者がいるんだ、大人しく来い!」

完二「だからそれはっ」

>完二はそんなこと――

陽介「あーとうとう手を出しちゃったかー」

千枝「加減知らなさそうだもんねー」

>!? ふ、2人ともなにを――

完二「し、信用してくださいよ!」

陽介「まーやってなかったとしても普段の行い的にしょうがねぇって」

完二「てめぇっ!」

ボゴンッ!

完二「……あっ」

>振りかぶった拳が警官の顔面に思い切りぶつかってしまった。

千枝「あちゃー」

警官「こ、公務執行妨害ッ!」

陽介「一晩頭冷やして来いよ」

完二「で、でてきたらおぼえてやがれよー!」

>引きずられるように完二は連れて行かれてしまった。

――陽介! 完二に、仲間になんてことを!

陽介「ど、どうした相棒。確かに完二はいい後輩だけど、それだけだろ?」

千枝「そうそう。後輩だけど仲間っていうのは、ねぇ」

――ど、どういう

陽介「どういうも何もなぁ」

千枝「まあ、確かに嫌な気分になっちゃったから今日はこれで解散しよっか」

陽介「だな、じゃーな、また明日」

千枝「うん、ばいばーい」

>2人は帰ってしまった。
>1人で帰路についた。

――堂島家。

>ただいま。

菜々子「……おかえり、お兄ちゃん」

>菜々子の元気がない。どうしたのだろう。

菜々子「お兄ちゃん……」

>菜々子どうした? 相談事があったらしてほしい。

菜々子「菜々子ね、学校行きたくない……」

>ど、どうして?

菜々子「だって……」

菜々子「……………いじめられるから」

>いじめ……!?

菜々子「上履き隠されたり、教科書捨てられたり……」

>許せない……!

>このこと、おじさんには?

菜々子「お願い! お父さんには言わないで!」

>な、菜々子?

菜々子「だって、お父さんに話したら心配する」

菜々子「お兄ちゃん、明日学校休むってお父さんにうまく言っておいてほしいの。
     お願いっ!」

>そういって菜々子は部屋へ籠ってしまった。

>菜々子……。

>菜々子! でてきてくれ! 話をしよう!

>ドアを叩いても反応がない……。

>菜々子! 菜々子!

>どうして……どうしてこうなってしまったんだ。

………
……


菜々子「ど、どうしよう! クマさんも戻ってこなくなっちゃった」

菜々子「で、でもどこに行ったか分からないし……行ったところで何ができるのもわからないし……」

???『戸惑うか、人の子よ』

菜々子「だ、だれ?」

菜々子「(あ、頭の中から声がする……?)」

???『私は残滓。あの者たちに敗れた残滓』

菜々子「あの者たちってお兄ちゃんたちのこと?」

???『あのものは個の信念が時に人の総意をも凌駕することを示した』

???『しかし、離れたことで絆に不安を覚え、自らの心を揺るがしている』

???『自らの心に惑い、可能性を見失い、自ら作る監獄に陥っている』

???『共にいるものも同じだ。自らの心に惑い、甘い虚構にすがっている』

???『このままではいずれ精神が崩壊し、同じくして肉体も滅びるだろう。
     つまり待つのは緩慢な死だ』

菜々子「お兄ちゃんが、死ぬ?」

菜々子「お兄、ちゃん、が、死……!?」

菜々子「い、嫌だ! そんなの絶対に嫌っ!」

???『助けたいのか?』

菜々子「助けたい! 私は、お兄ちゃんを、お兄ちゃんたちを助けたい!!」

???『ならば私に汝の可能性を示せ』

???『私はイザナミ。あの者たちに敗れたイザナミの残滓』

イザナミ『自らの闇と対峙し、克服してみせよ、人の子よ。
     さすれば力を貸そう』

菜々子「私の、闇?」

シュウウウウウ―――

シャドウ菜々子「うふふふふ」

菜々子「なな……わ、私!?」

シャドウ菜々子「そう、私は菜々子、菜々子は私」

シャドウ菜々子「ねえ、なんで助けたいの?」

菜々子「それは、お兄ちゃんたちが心配でっ……!」

シャドウ菜々子「本当にそれだけ?」

菜々子「え、え?」

シャドウ菜々子「ちがうよね? 本当に心配なのは菜々子のことだよ」

シャドウ菜々子「みんながいないと心細い、みんながいなくて不安」

シャドウ菜々子「誰かにすがっていないと自分も保てないのが私。
          誰かと一緒にいないと怖くてたまらないのが私」

菜々子「そ、そんな……」

シャドウ菜々子「幼少期にあんな怖い体験したんだものね。
          1人でいるのは怖いよね」

シャドウ菜々子「だから、誰かを助けたいんじゃない、誰かそばにいてほしいだけ」

菜々子「そんな……そんなっ!」

シャドウ菜々子「そんなこと思ってない?」

菜々子「お、思ってないよ!」

シャドウ菜々子「嘘だよ。だって言ったでしょ。
          菜々子は私、私は菜々子」

シャドウ菜々子「お母さんはいなくて寂しい、お父さんも仕事で忙しくて寂しい。
          お兄ちゃんももうお家にはいない」

シャドウ菜々子「寂しい、寂しい、寂しい、寂しい。
          菜々子の周りからはみんないなくなっちゃう。みんなみんなみんな」

シャドウ菜々子「誰かにいてほしい、誰かそばにいてほしい」

シャドウ菜々子「それは、お兄ちゃんじゃなくてもいい」

菜々子「!!!」

菜々子「そんなこと、思って、ない……!
     菜々子は、お兄ちゃん、を、助けたい……!」

シャドウ菜々子「アッハッハhッハッハ!! 強がってもダメだよ? 菜々子は菜々子なんだから」

菜々子「う、うう。うううう……」

菜々子「あ、アナタなんか、アナタなんか!」

菜々子「アナタなんか! 菜々子じゃ――」

イザナミ『眼をそらすか、人の子よ』

菜々子「!? ま、また頭の中に……」

イザナミ『私は学んだ。人には弱さがある。だがそれが全てではないと』

イザナミ『そして逆もまた同じであった』

菜々子「(逆……?)」

イザナミ『人には我々神にも及ぶ強さがある、と』

イザナミ『しかしその強さは、自らを認め、自らを知り、自ら歩める者にのみ宿る』

イザナミ『自らを認めることも、自らを知るとすらも、人には難しいようだ。
      だが、あの者たちは私に強さを示した。己から逃げず、見つめ、真実を追った』

イザナミ『時には苦痛であっただろう。時には逃げ出したくもあったであろう。
     しかしあの者たちは最後まで自らを見つめ続けた』

イザナミ『そしてあの者たちは強さを手に入れた。そして今窮地に陥っている』

イザナミ『もう一度問おう。お前はあの者たちを助けたいのか?』

菜々子「……私は」

菜々子「私は! お兄ちゃんたちを助けたい!」

シャドウ菜々子「どうしたの? 認める気になった?」

菜々子「……うん、認める」

シャドウ菜々子「!」

菜々子「菜々子は、誰かそばにいてほしい気持ちがある」

菜々子「お母さんはいないし、お父さんもほとんどお家にいない。
     お兄ちゃんも、もう、いない」

菜々子「だからすっごく寂しいし、どうしてなのって、よく思う」

菜々子「でもね、誰でもいいなんて思わないよ。
     菜々子は、私は、お父さんや、お兄ちゃんや、お兄ちゃんたちと一緒にいたい!」

菜々子「みんな、私を支えてくれる大切な人たち」

菜々子「だから、だから、お兄ちゃんたちを助けたいんだ」

菜々子「ごめんね、もう見ないふりはやめる。
     誰かにすがりたい気持ち、私は持っているよね」

シャドウ菜々子「そう……」

菜々子「でも、助けたいって気持ちはもっと本当だから。あなたも菜々子ならわかるでしょ?」

シャドウ菜々子「(コクッ)」

――自分自身と向き合える強い心が、“力”へと変わる…

イザナミ『力を得るか、人の子よ』

菜々子「あなたのおかげです、ありがとう」

イザナミ『……私も、私を破ったものがただ朽ちていくのは本意ではない』

イザナミ『人とは不思議なものだ。私を打ち破ったかと思えば、自らに取り殺されそうにもなる』

菜々子「でも、それが人だと思うから、弱さも強さも持ってることが人だと思うから」

イザナミ『そうか……そうやもしれぬな』

イザナミ『ここは私が滅びた場所、そして転生する場所』

菜々子「え?」

イザナミ『言っただろう、力を貸すと』

キィン―――

菜々子は困難に立ち向かうための人格の鎧、ペルソナ"イザナミ"を手に入れた。

イザナミ『では、行こう、人の子よ』

菜々子「はいっ」

イザナミ『私が案内しよう』

菜々子「お願いしますっ」

――????

イザナミ『ここだ』

菜々子「ここって、何もないですけど……」

イザナミ『本来ならば、ここへ一歩踏み入れてしまえば幻惑に捕らえられてしまうだろう』

イザナミ『だが、お前は私が守ろう、恐れず踏み入れればよい』

菜々子「待っててね、お兄ちゃんっ……!」


……
………

ドン、ドン、ドン

>いくらドアを叩いても菜々子はでてこない。

>どうすればいいんだ……。

菜々子「お兄ちゃん、私はそこにいないよ」

>! な、菜々子!?

>菜々子、いつの間にそんなに大きく……。

菜々子「お兄ちゃん、私はそこにいない、私はここにいるんだよ」

>な、何を言ってるんだ。

菜々子「お兄ちゃんがいたいのはこの世界? それとも今の世界?」

>う、ぐ……! 頭の中に急速に流れ込んでくるこの映像は……!!

菜々子「選ぶのはお兄ちゃんだよ」

>うおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!

―――
――


菜々子「お兄ちゃん……?」

>……ただいま、菜々子。俺がいるべき世界は、ここじゃ、ない。

菜々子「お帰り、お兄ちゃん」

>他のみんなも迎えに行ってやろう。

菜々子「うんっ!」

―――
――


陽介「でさ、早紀。今度のデートどこにいく?」

早紀「え~、花ちゃんと一緒ならどこでもいいかなぁ」

陽介「へへっ、そう言ってもらえると嬉しいな」

>陽介。

陽介「あ、相棒? どうしたんだこんなところで?」

>迎えに来たんだ。

菜々子「陽介お兄ちゃん、行こう」

陽介「行くって、どこに――うぐっ」

>陽介は頭を抱えてうずくまっている。

早紀「は、花ちゃん……? 急にどうしたの?」

陽介「へ、へへ……そっか、そうだよな」

陽介「スンマセン、小西先輩、どうやらいかなきゃなんねーみたいっすわ」

陽介「幻でも、楽しかったッス」

―――
――


「里中選手! 優勝です! これは前人未到! 日本人初の快挙であります!」

千枝「やー! どもども!」

陽介「何やってんだ、里中。いこーぜ」

千枝「わ、わ! は、花村!? こんなとこでなにしてんのさ!? 
    っていうか行くってどこに!?」

陽介「わかってるだろ? 平和を取り戻しにさ」

千枝「平和? 何言って――ううっ」

>千枝は頭を抱えてうずくまった。

千枝「あは、何やってたんだろうね、あたし」

千枝「いこう、こんなところで止まってる場合じゃない」

陽介「おう!」

―――
――


アナウンサー「老舗にして日本最高峰の温泉旅館天城屋旅館にやってまいりました!」

アナウンサー「今回はその天城屋旅館の女将、天城雪子さんにインタビューしたいと思います!」

雪子「こ、こんにちは」

アナウンサー「若くしてこのような素晴らしい旅館を経営しておられるなんてすごいですね」

雪子「そ、そんなことないです。
    この旅館をここまで大きくできたのはみんなの力添えがあったからであって――」

千枝「雪子」

雪子「ち、千枝!? だ、ダメよ! 今インタビュー中なんだから!」

千枝「大丈夫だよ、雪子ならきっとできる」

千枝「だから、今はいこう」

雪子「行くって――うっ……」

>雪子は頭を抱えうずくまった。

雪子「……そうだよね。ありがとう、千枝」

雪子「うん、行こう」

―――
――


完二「巽屋も軌道に乗ったか……」

完二「思えば長かったな、だけど――」

完二「これでお袋にも楽をさせてやれる」

完二「そ、それに、孫の顔も見せてやれそうだし」

完二「い、いや。今は仕事だ仕事! さあ、また別の取引が――」

雪子「完二くん」

完二「どぅわっ! あ、天城先輩。こんなとこで何してるんスか?」

雪子「行こうよ」

完二「行くって――うごっ!」

>完二はうずくまった。

完二「そうっスね……どうやら寝ぼけてたみたいッス」

雪子「ううん、いいと思う。でも今は前を向こう」

完二「へへ、他の連中もたたき起こしてやんねーとッスね」

さる喰らうの怖いからゆっくり投下してる
間隔10分くらい

―――
――


記者「結婚会見とのことですが、どなたと」

りせ「一般男性です。10年来の友人でしたが……」

記者「女優業は続けられるのでしょうか!」

りせ「もちろん、まだまだ引退する気はありませんから」

記者「どのような方なのでしょうか!」

りせ「とても素敵な方です。私を守ってくれた大切な人」

完二「おい、りせ」

りせ「か、完二!? なんでここに!?」

完二「ふざけたこと言ってんな、シメっぞ。
   ……こっち、戻ってこい」

りせ「戻って来いって――うううっ!」

>りせはうずくまった。

りせ「うっ……あ、あはは、なんだか恥ずかしいな。でも、もう大丈夫。前を見られる」

完二「ああ、行こうぜ」

―――
――


警察「ありがとう、白鐘くんのおかげだ!」

直斗「いえ、僕は僕にできることをしたまでですから」

警察「いやいや、さすが白鐘家ですな。もう立派な当主様だ」

直斗「代々続く名を汚すわけにはいきませんからね」

警察「はっはっは、これならおじいさんも鼻が高いことでしょう!」

直斗「そうだと、嬉しいですね」

りせ「直斗」

直斗「く、久慈川さん!? どうしてここに?」

りせ「直斗。直斗なら立派な当主になれる。
   だから、こんな幻に頼らないで」

直斗「それってどういう――うぐっ!」

>直斗はうずくまった。

直斗「また、助けられてしまいましたね。僕もまだ甘いようです。ですけどもう大丈夫です、行きましょう」

りせ「うんっ」

―――
――


クマ「やっぱり平和がいいクマねー」

クマ「このテレビの中ものんびりクマ」

クマ「それに、テレビから出ていけばセンセイにもみんなにもすぐ会えるクマ」

クマ「クマはただそれだけでいい。それだけでいいクマ」

直斗「大丈夫ですよ。クマくん。
   クマくんの願いは叶う」

クマ「な、ナオチャン! 会いに来てくれたクマか!」

直斗「ええ。だから、行きましょう」

クマ「行くって外ク――クマァ!」

>クマは蹲ってしまった。

直斗「大丈夫ですか?」

クマ「ナオチャンは優しいクマね。ヨースケならきっとそんな優しい言葉かけないクマ」

クマ「だから、こんなとこから出ていって、今すぐにでもとっちめに行くクマ!」

直斗「ふふっ、そうですね、行きましょう」

>……! みんな。

陽介「わりぃ、待たせたな」

千枝「でも、これで揃ったかな」

雪子「そうだね」

完二「さあ、あとはこんな目に合わせたんだからシメねーとな」

りせ「もー! 一発ひっぱたかないと気が済まない!」

直斗「いきましょう、終わらせるために」

クマ「テレビの平和を取り戻すクマよ!」

菜々子「ふふ、みんな、お帰り」

>ああ、ただいま。

千枝「って、なんで菜々子ちゃんがここに!?」

菜々子「あ、あはは。あとでちゃんと説明するね」

>今はいこう!

メガテン的には主人公がイザナギでヒロインがイザナミだと感慨深いものがある……




もしかしてマリーってそう言う?

―――????

りせ「こっちに何かの気配がある!」

クマ「クマの鼻もビンビン感じてるクマ!」

パチパチパチパチ……

>どこからともなく拍手の音が聞こえる。

???「よく、あの幻から抜け出したね」

完二「隠れてないで出てこいゴルァ!」

千枝「で、でもおかしくない? 隠れるって何にもないところなのに」

直斗「馬鹿な、どこから……」

???「どこからって、眼の前にいるよ、俺は、ずっと」

>……! 突如目の前に人影が現れた。

雪子「こ、これって!」

りせ「そ、そんな……」

陽介「おいおい……嘘だろ……」

>目の前に、もう一人の俺がいる……!

アニメでループを起こしていたシャドウが放置されてたのかこれ

千枝「番長くんの……シャドウ!?」

菜々子「おにい、ちゃん……?」

シャドウ番長「そうさ、俺がアイツであいつが俺だ」

>くっ、く……!

陽介「い、いつ出たんだよこんなもん……」

シャドウ番長「俺か? 俺は10年前アイツから生まれた。
         だから、姿もあのときのままなのさ」

直斗「10年前……イザナミとの戦いのときか」

シャドウ番長「御名答、さすが直斗だ」

直斗「……どうしてあんな幻を見せた」

シャドウ番長「幻? 違う。俺が見せたのは希望さ」

りせ「希望ですって……?」

シャドウ番長「そう。それぞれの願望を世界として具現化してやっただけの話だ」

シャドウ番長「その証拠に楽しかっただろう? あの世界は」

悲報 眠い

>>222
>そっとしておくとおもったか?

>楽しかっただと……!

シャドウ番長「楽しかったはずだ、誘拐事件も殺人事件も何もなく、誰も危険な目に合わず過ごす日常は。
         それでいて同じく友人を作り、誰も悲しまない世界」

シャドウ番長「そんな世界をお前は望んでいただろう?」

陽介「あの世界は俺らが望んだ世界だったってことか……?」

シャドウ番長「そうさ、俺はお前たちの希望を叶えてやった。それだけだ」

雪子「だからって、なんで今更こんなことを!」

シャドウ番長「何を言っている、今だからだ」

シャドウ番長「お前たちは知らないが、少なくともこいつはこの世界を望んでいた」

>そんな……馬鹿な!

シャドウ番長「馬鹿な? 何が馬鹿なことだ。この場所が何よりの証拠じゃないか」

>……!

りせ「この、場所? このなにもない場所が何だっていうの!」

シャドウ番長「くく、10年前は違うと思った。だが、進学して、社会に出てやっぱり知ってしまったのさ」

シャドウ番長「俺は空っぽだって! 俺には何もないって!」

>……! や、やめろっ!

シャドウ番長「10年前は常にそばに絆があった」

シャドウ番長「絆をよりどころにして、自分の存在を確かめることができた」

シャドウ番長「だけど、社会に出て、足立さんの言葉の意味を知ってしまった!
         あまつさえ、同感してしまえる部分もあった!」

>……!

シャドウ番長「社会には絆の育みなどなかった。あるのは罵詈雑言と嫌らしい嫉妬、嫉み……」

シャドウ番長「そんなものみたくなかった!」

シャドウ番長「突然、自分の存在が虚ろになった気がした」

シャドウ番長「だからここに戻ってきたんだろう? 空っぽの自分を埋めてくれる仲間に会うために」

シャドウ番長「この風景はお前が生んでいる、お前そのモノなのさ」

シャドウ番長「俺はいつだって1人だ」

>ちがう!

シャドウ番長「ずっとあの頃のままでいたかった」

>ちがう!

シャドウ番長「事件なんて解決せず、時間が止まってしまえばよかった」

>……! そんなこと、思っていない!

はいはいどうせ出番なんてないですよ、こんなキャベツ太郎でたってしょうがないでしょ




世の中クソだな

シャドウ番長「もうずっと前からわかっているだろ? 俺はお前なんだ」

>ぐ、ぐっ!!

シャドウ番長「何度だって言ってやるよ、『俺は事件の解決なんて望んでいなかった』」

>ふざけるなっ! お前なんか…! お前なんか!

陽介「おい、馬鹿! やめ――」

>お前なんか俺じゃないッ!!

シャドウ番長「ふ……フハハ……フハハハハハハハハ!!!!」

>う、ぐ……。

ドサッ――

千枝「番長くん!」

直斗「先輩!」

シャドウ番長「力が! 力がみなぎるぞ!!」

完二「マジかよ……先輩のシャドウを先輩抜きで戦えってのかよ……!」

りせ「愚痴は後! くるよ!」

シャドウ番長「さあ、空っぽの俺を埋めてくれ!!」

菜々子「お、お兄ちゃん……」

千枝「菜々子ちゃん、下がってて!」

シャドウ番長「いくぞ……ペルソナ!」

直斗「こ、これって」

雪子「イザナミのときに使った……!」

シャドウ番長「伊邪那岐大神――くらえ……」

直斗「マズイッ! メギドラオンです! 伏せて!」

完二「ぐっ!」

シャドウ番長「避けられるとと思うか――?」

雪子「菜々子ちゃん!」

菜々子「えっ――」

キィィン――――ドォオォオオォオォオオンッ!!

ペルソナ使うシャドウって相当独立が進んでね?

雪子「う……ぐ……なな…こちゃ……ん、にげ…て」

菜々子「ゆ、雪子お姉ちゃん! 私をかばって……」

千枝「うっ……」

完二「く、くそ……」

直斗「敵に回すと、厄介なのは知ってましたが……」

りせ「先輩、強すぎ……」

陽介「く、くっそぉ……」

シャドウ番長「どうした? 終わりか?」

陽介「終わりなもんかよ……!」

千枝「で、でもどうしようもないよ、こんなの」

直斗「こんなところで終わってしまうのか……!」

シャドウ番長「あの世界から出なければこんなことにならなかったものを」

シコメ「ガタッ」
イクサ「「「ガタタタッ」」」

菜々子「(どうすれば……! どうすればいいの……!)」

イザナミ『人の子よ、お前は助けたいのか?』

菜々子「助けたい、助けたいよ!」

イザナミ『自ら手を差し伸べるか』

菜々子「うん! 私が、お兄ちゃんたちを助けたい!」

イザナミ『ならば叫ぶがいい、"ペルソナ"と』

菜々子「…! うん、お願い、一緒に戦って」

菜々子「ペル……ソナっ!」

パリィン――!!

キクリヒメがアップを始めました

千枝「な、菜々子ちゃんがペルソナを!?」

イザナミ「ゆこう、正義を司る少女よ」

菜々子「うん」

シャドウ番長「うん? 菜々子、お前に何ができる? 俺の仲間たちでさえ無残に散ったというのに」

菜々子「お兄ちゃんを、助けられる」

シャドウ番長「面白い冗談だ、ゆけ、伊邪那岐大神!」

菜々子「受け止めて!」

シャドウ番長「!! な、なに!?」

イザナミ「確かに人の子に負けた。だが、残滓とはいえその影に負けるほど私も堕ちてはいない」

イザナミ「強き意志があるわけでもない個の意志など些末なものにすぎぬ」

イザナミ「フンッ!」

パリィン――

シャドウ番長「なっ!! ペルソナが砕け散った!?」

寝落ちしたらスマン

ウィッス

用事済ませてきた

>>247

シャドウ番長「ば、馬鹿な! あ、あり得えない!」

イザナミ「残滓にすら敗北したものが何を――」

シャドウ番長「まだだ! まだ終わりじゃない!」

シャドウ番長「ヨシツネ! ルシファー! ルシフェル! ロキ! コウリュウ!」

イザナミ「無駄だ」

ギィン――

シャドウ番長「なッ!? 全て砕かれッ――!?」

イザナミ「強き個の影よ、真になれぬ影よ」

シャドウ番長「ふざけるなッ……! 我は影、真なる我……」

シャドウ番長「俺は強いイいいイィいイィィいい!!」

菜々子「お兄ちゃん……!」

ちょっと用事平行しながらだから遅いけど察してくだせい

飯食って元気になったから書く

イザナミ「お前は、私に『幾万の真言』を持って可能性を示した」

シャドウ番長「ぐぅっ……」

イザナミ「ならば次は私がお前に『真言』を渡そう」

イザナミ「だが、『幾万』である必要あるまい」

シャドウ番長「なに、なにをっ……」

イザナミ「お前には、幾万にも匹敵する真言を与えてくれるものがいるのだから」

菜々子「お兄ちゃん受け取って、『私たちの真言』を!」

陽介「へ、へへ、相棒、お前にも悩み、あったんだな」

千枝「番長くん、私も一緒に悩むからっ!」

雪子「だから、一人で抱え込まないで」

完二「先輩のためなら、どこまでも行くッスよ」

りせ「先輩の悩みは、私が受け止める」

直斗「今度は、僕たちが先輩を救う番です」

菜々子「――お兄ちゃん、大好き」

シャドウ番長「ヌゥウウウゥゥウウヲオォオオォオオォヲヲヲアアアアアアアアアアア!!!」

しまっつ、クマ抜けた

>>293
クマ「センセイ、クマもいっしょに悩みを解決するクマ!」

で補完

――キィイィイィィイイィイィイイィイン!!!

シャドウ番長「馬鹿な……! オレガ、コノオレガ! マケルハズ……!!」

シャドウ番長「イ、イイ、イザ、ナナギィイイイイイ!!」

イザナミ「それも無意味だ」

パリィン――

シャドウ「イザナギまで、砕け――」

菜々子「今度は、本当のお兄ちゃんと一緒に会おうね」

シャドウ番長「があああああああああああッ!!!!」

イザナミ「さらばだ、人の子の影よ」

シャドウ番長「グウウウウヲオオオヲオオヲオヲヲヲオオヲオヲヲヲオヲオオオヲオオオヲヲヲヲヲヲ!!!!!」

菜々子「ばいばい、もう一人のお兄ちゃん」

シュウウウウ……―――

菜々子「……ぷはっ、はぁ、はぁ、はぁ……」

千枝「お、終わった……?」

シャドウ番長「……」

>うっ……

千枝「大丈夫? 番長くん」

陽介「相棒……行ってやれ」

直斗「そうですね、今は向き合うべき時です」

>ああ……

シャドウ番長「……」

>空っぽだと思っていた。俺には何もないと思っていた。
>そんな自分が嫌で、みんなと離れるのが怖くて、社会のせいにして逃げだすようにここにきた……。

>だけど空っぽの俺に、中身をくれた仲間がいた。
>だから、もう。俺は空っぽじゃない。

>今度こそ、自分を見失わない。

>お前は、俺だ。

シャドウ番長「(コクッ)」

――自分自身と向き合える強い心が、“力”へと変わる…

>シャドウは、自分の中へ戻っていったようだ。

菜々子「お帰り、お兄ちゃん」

――堂島家

完二「大丈夫ッスか?」

>完二と陽介に支えられて堂島家へ戻ってきた。

>ああ、もう大丈夫だ。

直斗「それにしても、まさか先輩のシャドウが現れるなんて」

>正直、かなり恥ずかしい。菜々子にまで見られるなんて……。

千枝「お、番長くんのレア顔ゲット! ってね」

雪子「私だって見られてるし、大丈夫」

りせ「そーそー、完二のに比べれば先輩のなんてかわいいものだよ」

完二「てめっ! まだいうのかよ!」

直斗「ふふっ、そもそも不公平なんですよ、先輩だけ全員のみて」

陽介「へへ、これでようやくおあいこだな、相棒」

クマ「センセイもちゃんとフツーの人間だったクマ!」

菜々子「よかったね、お兄ちゃん」

千枝「あ、そういえば、菜々子ちゃんどうしてペルソナ能力つかえたの?」

>そういえば……。

菜々子「それはね――」

イザナミ『それは私から説明しよう』

>お前は……!

>菜々子からヒト型のイザナミが現れた。

直斗「お前が、どうしてっ!」

>全員が身構える。

菜々子「あ、あはは、大丈夫だよ」

イザナミ『私はお前たちに敗れた残滓さ。大した力はない』

イザナミ『それにもうすぐ消えるだろう』

菜々子「えっ……?」

イザナミ『先ほどの戦いで残った力もほとんどすべて使い果たしてしまった』

陽介「お前が菜々子ちゃんに力を……?」

イザナミ『そうだ。私を破った者が自分の影に取り殺されることは本意ではないからな』

イザナミ『しかし、人とは不思議なものだ』

イザナミ『私を打ち滅ぼす力を持ちながら自らの負の側面に飲み込まれる矛盾』

イザナミ『弱きものがいる一方で、お前たちのような存在も内包している』

イザナミ『なんとも、面白い』

菜々子「いったでしょ? それが人なんだって」

イザナミ『ふふ、そうだな』

直斗「ひとつ確認しておきたい。マヨナカテレビが映るのはお前が原因なのか?」

イザナミ『虚ろの森を映す窓か。そうだな……私が影響を及ぼしているのだろう』

イザナミ『だが、私はもうじき消える。それもおそらくなくなるだろう』

直斗「そう……か」

>イザナミ……。

イザナミ『どうした、可能性を持つ人の子よ』

>菜々子を守ってくれて、ありがとう。

イザナミ『……!』

>全員が頷いている。

イザナミ『許容する心、それもまた、人であるか』

>……! イザナミの姿が薄れていく。

イザナミ『さらばだ人の子よ』

菜々子「イザナミさん! ありがとう!」

>イザナミは消えてしまった。

>うっ……。

陽介「だ、大丈夫か、相棒」

直斗「今日はもう休んだ方がいいですね」

りせ「あっ、私明日もお休みだから一日付きっきりで看病しちゃおっかな!」

千枝「じゃあさ、最後にあれやろうよ!」

>千枝が強引にみんなの手と合わせてきた。

千枝「せぇーの、やったぜー! おー!」

>……。

陽介・雪子・完二・りせ・直斗・菜々子・クマ「……」

千枝「だからやれよ!!」

陽介「こりねーな、お前も」

完二「先輩、それ好きッスねー」

クマ「チエチャンの掛け声は難しすぎるクマ」

りせ「や、だからどこに合わせればいいのか……」

直斗「前もこんなことありましたね……」

雪子「千枝、ドンマイ」

千枝「ううう……死にたい」

菜々子「! お、おー!」

千枝「菜々子ちゃん……! あたしの味方は菜々子ちゃんだけだよー」

>とにかく、終わった。ようやくこれですべてが終わった。

千枝「なんかいい風にまとめ風にしないでよ!」

陽介「まとめ風じゃなくてまとめてんだって……」

>笑い声が、堂島家にこだまする―――

――翌日、天城屋旅館、某部屋

>菜々子を含めたみんなが集まっていた。

千枝「本当はこういうときジュネスに集まるべきなんだろうけど」

りせ「あはは、ごめんね」

直斗「さすがに、久慈川さんだけ変装させっぱなしも悪いですからね」

陽介「相棒、もう身体は大丈夫なのか?」

>ああ、問題ない。

千枝「また部屋貸してくれてありがとね、雪子」

雪子「ううん、大丈夫。問題ない」

完二「またここッスか……」

クマ「か、完二ビビってるクマか?」

完二「う、うるせぇっ!」

菜々子「どうしたの?」

完二「な、なんでもねぇ……」

>騒がしいくも、楽しいひと時だ。

陽介「え、えー、では始めたいと思います。本日はお日柄もよく……」

千枝「堅いぞー公務員ー」

陽介「おめーだって公務員だろ!」

クマ「そんなことはいいから早く始めるクマ」

りせ「飲み物ぬるくなっちゃうー」

直斗「話は今からたっぷりすればいいですから」

完二「男ならスパッといきましょうや!」

陽介「だーもう! わかったよ! みんなお疲れ! 打ち上げだー! 乾杯ッ!」

>かしゃん、とグラスがなる。

千枝「あたしらはお酒だけど、菜々子ちゃんはジュースね」

陽介「そんな堅いこと言わずにちょっとくらいいんじゃねぇか? ほら」

>やめろ。菜々子に不純なことをさせるな。

陽介「じょ、冗談だって……の目の笑ってない顔やめてくれ……」

菜々子「あ、あはは」

りせ「ねね、菜々子ちゃん」

菜々子「どうしたの?」

りせ「菜々子ちゃん、ペルソナを出したってことは自分の影と対峙したってことだよね?」

菜々子「う、うん」

りせ「どんな影だったのかなって気になって」

>確かに気になる。

菜々子「……! それは、ひ、ひみつっ!」

>顔を赤くしてそっぽを向いてしまった。

陽介「直斗が言うと説得力あるねぇ……」

直斗「ど、どーいういみですか!」

雪子「菜々子ちゃん、こっちでガールズトーク、しよっか?」

千枝「雪子さん? もう酔ってる?」

りせ「するするー! ほら! 直斗もこっち!」

直斗「えぇっ!? ぼ、僕もですか!?」

クマ「ガールズトーク!? クマも混ざるクマ!」

陽介・完二「「おめーはこっちだ!」」

クマ「クマァー!」

菜々子「……」

………


菜々子「でも、助けたいって気持ちはもっと本当だから。あなたも菜々子ならわかるでしょ?」

シャドウ菜々子「(コクッ)」

菜々子・シャドウ菜々子「「お兄ちゃん、大好きだよ」」

……


菜々子「(い、言えるわけがないよ……)」

クマ「まー今は、楽しく飲むクマー! 打ち上げクマよ!」

>楽しい時間が過ぎていく。
>きっとどこまでもいけるだろう、この仲間となら。

>きっと前を見続けることができるはずだ――。




【菜々子「ペル……ソナっ!」】 完

即興でぐだったクソオナニーSSに付き合ってくださった方あざっした

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