亜美「亜硫酸」(111)

 

真美「アリューシャン?」

亜美「………」


真美「どったの亜美、なんか元気なくない?」

亜美「……今日ね、理科のセンセが余談だけどって話してくれたんだけどね」

真美「うん」

亜美「『亜』ってね…」


亜美「一つ足りない、次の、って、意味なんだって」


真美「え――」

まぁ真美に比べて今ひとつ色気がないからな

 
―――某局・765プロ控室


亜美「………はぁ」


伊織「あら、珍しいこともあるもんね。世界の危機かしら」

あずさ「亜美ちゃんがためいきだなんて、珍しいわね~」




春香「あーみっ! どうしたの? 今日の撮影疲れた?」

亜美「……ねぇはるるん、はるるんって、何ではるるんなの?」

春香「え、どういうこと? ロミオとジュリエット?」

亜美「そうじゃなくて! なんで春香って名前か知ってる?」

亜美と真美ってネーミングに何らかの悪意を感じる

>>11
唯と憂よりはマシでないか

>>7竜宮小町のヘソだし衣装のエロスがわからんのか


 たしかに「亜」には“似て非なる”、“一つ下の”といった意味があるけれど、
 つまりそれは『限りなく“そのもの”に近付ける』という意味だ。

 亜音速はあっても真音速とは言わないように。
 亜空間はあっても真空間とは言わないように。

 
春香「んーとね、私が生まれたのって四月でしょ?」

春香「生まれたとき、さくらが満開でね。春の香りでいっぱいだったんだって」

春香「だから春が香る子、で――春香。単純でしょ?」

亜美「そう…………いい名前だね………」ドヨン


春香「ど、どうしたの?」

亜美「あのね」


カクカクシカジカ


フムフムハルハル

端午の節句に産まれた娘に、元は男子名である「伊織」
親父、実は三男が欲しかったのか

 
春香「うーん……なるほど…」

やよい「そんなこと関係ないよ! 亜美は亜美、真美は真美だよ!」

亜美「うう、ありがとやよいっち…」


あずさ「あらあら……お父さんとかお母さんは何て言ってたの?」

亜美「まだ、聞いてないけど…」

春香「あれ、小学校の低学年くらいで、自分の名前の由来調べてこいってなかった?」

亜美「やってないよ」

やよい「私もやってないです」

伊織「学校によって違うのかもね」

 
あずさ「亜美ちゃん、元気だして~」ギュム

亜美「あずさお姉ちゃん……」

あずさ「私もね、どうしてひらがななのかなって、そしたらなんだか柔らかそうな感じがするからって」

あずさ「ひどいでしょ? そんないいかげんなものよ」

亜美(名は体を表してるんじゃん! ナイス名付だよ!)ムニィ


伊織「下らないわね。あんた、真美に負けてるって思う訳?」

亜美「そ、そんなことないけどさっ」

伊織「どんな名前だって、そんなことに負けないくらい頑張ればいいじゃない」

亜美「うう……」


亜美「濁りは旨みみたいなカッコイイ名前のいおりんには分かんないよ!」

伊織「誰がお茶よ! ……あれ?」

いおりんのお茶

 
響「なになに、何の話?」

亜美「ひびきん…」

やよい「ひびきさん、じつは…」


フムフム



響「あははっ、なーんだ、そんなことか!」

春香「おお?」

響「そんなのゼンゼン気にすることないぞ!」

亜美「な、なんで?」ドキドキ

千早「律子って名前になりそうだった気がするわ」
律子「千早って名前をつけられる予定だったらしいわ」

 
響「自分の従兄弟もそうだけど、世の中には次郎とか三郎って名前の人がいっぱいいるでしょ」

響「自分の名前の意味が二番だとか三番だとかで一々気にしたらキリがないよ」

響「どう?」フフン

亜美「でもさ、次郎とかだったらそのまま二番目のおとこーって意味になるけど……」


亜美「亜美たちの名前だと、真美のほうがきれいってことにならない?」

響「」


響「え……」

亜美「ひびきん…」ジッ


響「………だ、だっからね?」

亜美「だから?」

 

>>21
お茶はないけど霊水なら汲み放題
http://mapbinder.com/Map/Japan/Nagano/Matsumoto/city_sketch/Chuo4/Iori/Iori.html

 

響「………うぎゃーっっ」

亜美「ううっ…」



律子「そんなに気に入らないなら、名前変えたら?」

亜美「え゙っ」


亜美「か、かえられないでしょ」

律子「芸能人なんだから、べつに芸名持ったらってことよ」

律子「字画がとうとかで変える人、たまにいるでしょ」


亜美「えー……だって……」

律子「ま、デメリットも多いしあんまり勧めないけどね」

亜美「ん………」

ウィキペディアでは「本名は双海亜美で、双海真美とは実の姉妹」とかって説明付けられるんだけどね

 
亜美「…亜美じゃない名前……」




春香「……ちょっと投槍じゃないですか? 律子さんにしては…」

やよい「亜美かわいそうですっ」

ポリポリ

律子「うーん……でもねぇ」



伊織「………あんた、どうしたいの?」

亜美「んと、自分でも、よくわかんない……」

 
亜美「なんかね………亜美たちって、なんだっけ。ハンバーグみたいなの」

伊織「………」



伊織「あっ、一卵性双生児?」

亜美「ソレ」


亜美「二人に別れなかったら、やっぱり真美って名前だったのかなって思うとさ」

亜美「ちょっと、もやもやするんだ」

 
亜美「どうしたらよくなるか、分かんないんだけど…」




伊織「………なら、納得いくまで聞いて回りなさい」

亜美「いおりん…」

 
伊織「親に聞いて終わり、って話じゃないんでしょ?」

亜美「……うん」

伊織「とりあえず、貴音もまだ帰ってないはずだから」

亜美「うん、お姫ちん、探してくる…!」

ダッ



伊織「……迷子になるんじゃないわよ」


 

 

prrrrr

律子「はい?」


『―――』


律子「あー、やっぱり」


あずさ「事務所からですか?」

律子「ええ」


律子「ばかね………悩むことなんか、ぜんぜんないじゃない」

 

―――ちょっと前


―――765プロ事務所・社長室


トントン

社長「おお、どうしたんだい真美君。珍しいね、社長室を訪ねるなんて」

真美「社長、サン……あのね、ちょっと聞きたいことがあって」

社長「どうしたんだい?」

真美「真美たち、二人で一緒にアイドルしようってことにしたとき…」

社長「うむ。デビュー当時のことだね」

真美「前の社長さんが、なら名義は亜美君にしよう……って言ったの」

社長「ほぅ」

真美「結局、亜美の名前でデビューしたんだけど……それってなんでか、分か、りますか?」

芸名だったのかよ

 
社長「ふむ。まあ、それは当然だね」

真美「と、当然!?」

社長「うむ。仮に私がいたとしても、やはりそう言っていただろう」


真美「なんで?」ドキドキ

社長「うむ、それは――」



社長「あいうえお順で先だからだ」

真美「え」

>>45
亜美と真美は双子ってことを隠して『双海亜美』としてデビュー
交替交替で仕事してた

っていう設定

 
真美「そ、それだけ?」

社長「何を言っているんだ。大事なことだよ。タレント名鑑でだって少し先に来るだろう」

社長「こういうものはね、少しでも前に出といたほうがいいんだ、うん」


真美「ふーん…分かった。もういいや」

社長「あ、ちょっと、真美君」

スタスタ

真美「ありがとねー」

社長「ま、待ってくれたまえ、あ、ピンと来たぞ、他にもだな」

パタン




社長「……・…」シュン
 

ボス
 

真美「………ふぅ」


真「どうしたのさ、溜息なんかついて」

雪歩「なにか、悩みごと?」


真美「まこちん、ゆきぴょん」


真美「ね……二人だったら、女の子にどんな名前つける?」

真・雪歩「「?」」

 

後どれくらいで「真美になれなかった亜美」的な展開になる?

 

雪歩「な、名前?」

真「急に言われても……そうだなぁ…」


真「女の子だったら、ぷりぷりかわいい女の子らしい子になってほしいし……雪歩から文字をもらって、あゆむとか」

雪歩「だ、ダメだよ私みたいな……!」


雪歩「でも、うん、私だったら真ちゃんみたいなしっかりした子に育ってほしいから」

雪歩「私も、真ちゃんの字、使いたいな」


真美「やっぱり、そういうふうに、漢字とかに意味をこめるんだね…」

真美(……パパたちのオトモダチに、亜がつく人がいたのかな)

書き溜めしてない?

 

美希「なになに、なんのハナシ?」

真美「ミキミキ」


真美「あのさ、名前の漢字にいやな意味が入ってたら、やっぱりヤだよね」

美希「えーそっかな? ミキ的にはカンケーないって思うな」

真美「ヤな意味の文字でもいいの?」

美希「ミキだったら、どんな名前でもキラキラできるもん」

真美「さ、さすがミキミキ」

 

>>55
してない。
展開だけ考えてある

 
美希「社長も言ってたの。社訓その1! 漢字なんてただの目安だ!!」



一同「「「…………」」」


真美「いや、言ってないっしょ!」

真「765プロに社訓とかあったっけ?」

美希「あれー?」



千早「漢字の意味……もしかして、亜美のこと?」

雪歩「あ」

真「?」


真美「う、うん……」
 

 最初スカウトされたのは亜美で事務所に双子ってことも隠してて、デビューしたあとこっそり入れ替わって仕事してたんだとばかり思ってた
 途中まで誰も気が付かなかったけど話しに齟齬を感じてついにバレた、みたいな

支援

 
千早「気にすることは、ないと思うわ」

真美「そうかな」

千早「ええ……だって、どんなにいい名前をつけたところでそれで幸せになれるとは、限らないもの」


真(重ッ)

真美(うあうあ、返事に困るYO)


雪歩「で、でも私も……名前が、悪い意味だって思うのは違うと思うな」

真美「そっかな」

雪歩「うん……私もね、どんくさいから、小さい頃雪の日転んじゃったりして」

雪歩「雪歩なのに雪の日歩けないじゃんかーって言われちゃって、その時は、なんでこんな名前なんだろうって思ったりもしたの」

 
雪歩「でも、それって、名前が嫌なんじゃなくて……ダメダメな自分がいやだったんだと思うんだ」


雪歩「がんばって、いろんなことをできるようになって……自分のこと、すごいって思えるようになったら」

雪歩「きっと、イヤに思ってた名前を好きになれるよ」


真美「……雪ぴょん、ありがとっ!」

エヘヘ

真「そうそう、それにさ、亜美って、二番目って意味なんでしょ?」


真「一番と二番で戦って、競争してけば、どんどん色んなことできるようになるよ!」

真美「まこちん………それって、真美、亜美と戦わなきゃダメってこと?」


真「ああっ、ごめん! そんなつもりは…」

 
アハハハハ…



 

真美(亜美、真美たち、愛されてるYO)


真美(………でもやっぱり、違うんだよね)


真美(……ちょくせつ聞いてみるしか、ないのかな)


真美(あ、まだ聞ける大人がいるじゃん!)

 
小鳥「……はい。はい、じゃあまたあとで」カチャン


真美「ねぇ、ピヨちゃん」

小鳥「!」ピヨッ


真美「もし」

ポパピプペ

小鳥「あ、もしもしプロデューサーさん? 遅いですよ、今日の営業まだかかるんですか!?」


真美「………」



真(逃げた!)

美希(逃げたの!)

雪歩(こ、小鳥さん……)

 
真美「………」ハァ

トボトボ…


真「小鳥さん、ヒドイですよっ」コソ

小鳥「だ、だって、油断してて……」

千早「大人として何か、励ます言葉を言ってあげないんですか?」

小鳥「うーん……でもね、大丈夫よ。あの二人だもの、心配いらないわ」

雪歩「でも…」

小鳥「それに、あたしが何か言うより、もっといい人が帰ってきますから」

美希「」ピクン!

小鳥「だから美希ちゃんを抑えておきましょう」

 


―――某局・休憩室


亜美「見つかんない……一人で先に帰っちゃったのかなぁ」

ハァ…




貴音「……おや。溜息など。どうかなさいましたか?」

亜美「お姫ちん!? の声!? のキグルミ!?」

貴音「はい……廃棄処分の予定のものを、貰い受けました」

亜美「さっき探してたとき素通りしちゃうわけだよ……」

 

亜美「じつはね……」



貴音「なるほど……一つ欠けている、と」


亜美「うん……単に、亜美がいもうとーってことだと思うんだけどね…」



貴音「花はさかりに月はくまなきをのみ見るものかは」

亜美「え」


亜美「な、なにそれ……どっかで聞いた気も……マンガの呪文みたいなの?」


貴音「……ふむ……」

 

貴音「つまりですね…」


貴音「例えば真円を描いた月はたしかに美しいですが……」

貴音「その美から欠けたものである、三日月の美しさは、それに劣るでしょうか?」



亜美「え……満月と三日月どっちがきれいか?」

貴音「はい」

亜美「そんなのどっちが好きかーって、好みの問題じゃない?」


貴音「そうですね……わたくしも、そう思います」

亜美「……あ」

 
貴音「わたくしはどちらも好きですが……残念ながら、両立しえないものでもあります」


貴音「三日月でも満月でもある、など、できませんから」

亜美「うん」



貴音「ですが………並び立つことは、どうやらできるようですね」

フフ


貴音「ふたりであるからこそ、揃え得るものを揃え得る……」

亜美「……! そっか!」



貴音「どうやら、なかなか贅沢なご両親のようで」

>>77
×揃え得るものを揃え得る
○揃え得ぬものを揃え得る

SSでイケメンな貴音とか初めて見たわ

>>80
らぁめんなお姫ちんが主流だからちかたないね

 


―――765プロ・事務所


真美「………」ハァ




P「よ、真美」

真美「……兄ちゃぁん」ジワ


P「よしよし、話は聞いた」

真美「あのさ、真美、亜美が二番で悲しんでるからって、それだけじゃなくて!」

P「ああ、そうだな」

P「なかなか難しいお年頃だなぁ……ニコイチに見られたらそれはそれで複雑だろうに」

真美「……うう」

 
P「真美、乙なもの、って言い回し、聞いたことあるか?」

真美「え……うん、いいものってカンジのことだよね?」

P「その通り。でもな、甲乙丙丁……これは、昔の1234。つまり、乙ってのは、亜美の亜と同じ意味なんだ」

真美「ええっ、じゃあなんで甲なもの、って言われないの?」

P「一つ下がっているくらいのほうが、気取らずにむしろ良い……ってことで、定着した訳だ」

真美「一つ下がってても……逆にいい?」

P「そうさ、もちろん、甲だって良いんだけどな」

 
P「ほかにも、日本では建物なんかを、わざと瓦をとって完成させないことがある」

真美「ええっ……完成させようよ」

P「いつまでも出来上がりを目指して進めるようにってな」

真美「………」



P「美しさってのも、出来上がりがあるものじゃない…」

P「足りないからこそそこへ届きたいと思ってがんばる姿が、本当に美しいのかもな」

真美「……足りないのが、本当のウツクシサ?」

真美「それだとさ、亜美が真美、真美が亜美ってことになっちゃうYO!」

P「んー…そうだな」



P「二人だからこそ、真美と亜美なのかもな」

真美「………そっか…!」



真美「二人だから、かぁ……!」

 



亜美「たっだいまー!」

真美「おかえりィ~」




真美「へへ、ねぇねぇ、面白い話があるんだけど」


亜美「んっふっふ~、亜美の話より面白いかな?」



亜美真美「「あのね――」」

 

 
…――



父「女の子なら真美、だな」

母「いえ、亜美、のほうがいいわ」
 
父「何を言ってるんだ、意味をかんがえれば真美だろ。音だっていい」

母「亜美って響きのがいいわよ。意味だってつつましやかじゃない」


父「長女が亜美ってなんだよ!」

母「真美のほうが次の子の名前に困るわよ!」


 

 

父「真美だ!」クリーミーマミ!

母「亜美です!」チイサナウチュウジン!




―――双子?




父「……どうやら、僕らにケンカしてほしくないらしい」

母「……そうみたいね」



母「ごめんなさい」
 
父「ぼくのほうこそ」

 

 

父「亜美」

母「真美」





――いっしょに生まれてきてくれて、ありがとう――






真美亜美「「ちなみにみんなはどっちが好み?」」



一同((((もう勘弁して……))))




終わりぃ

 
「亜美はカワイイ」……
「真美はかわいい」

つまり

ハサミ討ちの形になるな…





サクっと終れてヨカタ
これなら当日書けたわ



支援感謝。
亜美をディスったやつは呪う


ではでは

超乙!

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