喜多見柚「フツウの雪の日」 (40)


楓「寒いので、温泉に行きませんか?」
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P「…」

P「なんというかまた、唐突ですね」

楓「ふふ。冬季だけに、突然です」

P「全然上手くないです」

楓「……辛辣ですねー…」

P「寒いので」ナデナデ

楓「あっ…ふふ。そうですねーさむいですねー」ニコニコ

P(可愛い)

ガチャ

「はふー。ただいまー」ガサ

P「?」



・シリーズ


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P「おう。お疲れさま」

柚「あっPサン!楓サンもーへへーやほー」ニパー
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楓「お疲れさま柚ちゃん」

柚「うんっ。えとっ肉まん買って来たんだよ!食べる?」ガサ

P「おー」

楓「おー」パチパチ

P「さすが。さすが柚えらい。よしよし」ナデナデ

柚「えへへーえらいよーっ。だからもっとほめてほめてっ」

P「よしよし」

柚「えへー」

楓(ふふ…楽しそう。私コーヒーでも淹れて来ようかしら……)

楓(…二人が楽しそうなので、豆を挽くために一旦身を引く…なーんて……ふふ)フフフ…

P(…楓さんなんか楽しそうだな)

柚(楓サンなんだか楽しそうカモ)ヘヘ


P「フードに雪ついてるな。はらうよ」

柚「えへへーアリガトー」

P「うん。よっと」

柚「……」

柚「ふ、ふにに…ふにふに」フニフニ…

P(なんか音が漏れとる)

P「…」…ペチ

柚「ふにっ」


柚「あれ??い、いま柚どうして急に叩かれたのカナ?」アウー?

P「あ、すまん。ちょっと確認を…」

P「…柚って叩くと音がするよな」

柚「??うんっ。たたくとふにって音がする!」ペカー

P「あ、うん。そんなに笑顔で返されても困るな…」

柚「??」

P「なんでもない」


柚「へへっ」

柚「ほらっ。まえにPサンがそれ可愛いなってほめてくれたから!それ以来くせになったんだー」にぱー

P「……」

P「そ、そっか。…なんかよく分からんがごめんな」

柚「??う、うん。べつにいいよっ」

P「ありがとう」ペチ

柚「ふにっ。ま、またたたいたなー」

P「可愛いから」

柚「??そ、そかっ。ならよいよっえへへっ」ペカー

P(可愛いなぁ…)ペチペチ

柚「ふに、ふに」


P「もうちょっとはらうな」

柚「うんっ。へへーよろしくー♪」

P(頭を差し出すポーズがまぬけで可愛いな)

P「……」…ポンポン

柚「…ふに……ふにに…」フニ…

P(そしてやっぱり音が漏れるみたいだ)クス


P「フードしててもやっぱり体は冷えてるな。よしよし」ナデナデ

柚「ふに。えへへ」

柚「Pサンがこうやってあっためてくれるなら平気カモー」

P「そうか?」

柚「うんっ。へへー」

P「そっか」ナデナデ

柚「うんうんっ。だからもっとなでていいんだぞー」

P「はいはい」ナデナデナデ…

柚「えへー」



コト


楓「はい。お二人のコーヒーです」

P「楓さん。ありがとうございます」

楓「ふふっいえいえ。柚ちゃんは、お砂糖とミルクもあるから、よかったら使ってね」

柚「アリガト楓サンっ。へへーたくさん甘くしちゃうぞ♪」ドサー

P「…」ズズ…

楓「…」

P「…」…コク

P「おいしいです」

楓「あ…ふふ。はい。よかったです」…ニコ

柚「こくこく♪」ウマー


楓「今日も雪がすごいですね…」

柚「ねー。あやうくアタシもゆきだるまするところだったかも」コクコク

P「そんなに?あとゆきだるまするってなんだよ」

柚「ついついゆきだるま作りたくなるしょーじょーのことだよ!」ペカー

P「そういう?雪まみれになる的な意味かと思ったわ」ペチ

柚「ふにー」アー

楓「…」クスクス


柚「にくまんうまー」もぐもぐ

楓「プロデューサーさん、半分いかがですか?」

P「どうも。じゃあ楓さんも俺のピザまんを半分どうぞ」

楓「ふふ。ありがとうございます」

柚「あっはんぶんことか楽しそう!ずるいぞーぱくー」

P「あ、こら」

柚「てへ。はいっPサンにもあーんっ」

P「むぐ」

柚「これでおあいこでしょ♪?へへっ」

P「…はいはい」もぐもぐ

楓「…プロデューサーさん…あの、私にもあーんって…」

P「子どもですか。あーん」

楓「あむ…もぐもぐ。ふふ、ありがとうございます…おいしいです」

P「そうですね」

楓「はい。えへへ」もぐ、もぐ・・

柚「もぐもぐ♪」


P「…それで温泉。本当に行きますか?」

楓「いいんですか?」

P「ええべつに。といっても近所の銭湯のことですけど」

楓「い、いいですいいです。それで全然…大丈夫です。わーい」

柚「??なんの話かナ?」

P「寒いから温泉に行きたいなって。柚も行くか?」

柚「おおっそれはいいカモ!行かない理由がないよ!」ペカン

P「そっか」

楓「じゃあ三人でおでかけですね」

P「そうですね」

柚「わーい」

楓「わーい」


P「…おー…また積もってるな…」ザク

柚「ねー」

柚「冬だねー」

楓「冬ですね」

P「冬だなぁ」


柚「マフラーぐるぐる」

P「苦しそうだな」

柚「な、長いもので。一緒に巻く?」

P「恥ずかしいから遠慮します」

柚「そっかー残念かもー。ぐーるぐーる」

P「…はは」

P「…?楓さん、どうしたんですかほどいたマフラーを構えて」

楓「へっ…あ、い、いえいえ。なんでもないですよ…?…ぐるぐる…」

P(ものすごく雑に巻き直しはじめた…)

P「…貸してください。ちゃんと巻いてあげますから」

楓「え…あ、あー。す、すいません…」

P「いえ」

柚「ふふー」


柚「えいっ」ギュ

P「?うぐ」

柚「へへっ。長いから巻き辛くてっ。だからやっぱり柚も楓サンもPサンと一緒に巻くとちょうどいいんじゃないかナー♪」

P「…」ケホッ

P「…すると俺だけものすごく暑くなると思うんだが」

柚「えいえいっ」

P「聞いてください」

楓「え、えいえい」

P(あもう間に合わないなこれ)ぐるー


P「……」ぐるーん

P「…けほっ」

柚「おおっ。Pサンなんだかもこもこで可愛いかも!」

P「…それはどうも」

楓「お似合いですよ。ふふ」

P「…どうも」

柚「ねーなんだかいい感じだよねー」ニパー

楓「ねー」ニコー

P(…まあいいか)ハァ…


柚「ついでにえいっ」パシ

P「…」

柚「へへ。手袋は忘れてきたので!」

P「…そうか」

柚「うんっ。へへーあったかーにぎにぎー」

P「…」

P「じゃあ行きましょうか」

楓「はい」



さくさく


柚「着いたー」

P「たぶん俺の方が早いと思うので、その辺りで待ってます」

楓「はい。あの、私たちに気を遣わずに…プロデューサーさんもゆっくりして来てくださいね」

P「了解です」

柚「一緒に入る!?」

P「入らない」ペチ < フニー

P「じゃあまたあとで」

楓「はい」

柚「はーい」








P「…ふー…」

P「?…あれ…早いですね」

楓「そうですか?」

P「ええ。なんとなく。思ったよりは」

楓「ふふっばっちり牛乳も飲んで来たんですよ」フンス

P(なぜ誇らしげに)


P「?」

P「…そういえば柚はまだなんですね」

楓「はい」

楓「……」

楓「…あの、プロデューサー」

P「?はい」

楓「プロデューサーは柚ちゃんのことをどう思っていますか?」

P「?…どう?」

楓「はい」

P「……」


P「どうって、フツウに」

P「担当のアイドルです」

楓「それだけですか?」

P「もちろん。いまの俺はプロデューサーですから」

楓「……いまの……?」

P「ええ。いまの」

楓「……」

楓「おぉ…なるほど」

P「なるほど?」

楓「あ、いえ」


楓「いまのというのは…そういうことだと、思っていいんでしょうか」

P「えっと…たぶん」

楓「そうですかー…」

楓「…ふふ。ちょっと、安心しました。思っていたよりも、その」

楓「プロデューサーさんがしっかりしていたので」

P「…しっかりって」

楓「ふふ。はい。プロデューサーさんはしっかり者でした。意外と」

P(意外と、か)ハハ…

楓「ふふふ」ニコニコ


楓「…いまはまだ、もちろん…今のままでいいと思います」

P「はい」

楓「けれどいまでないときになったら…きっと、ちゃんと考えてあげてくださいね」

P「はい。分かってます」

楓「はい」

楓「あ、もちろんそのときの私のことも。よろしくお願いしますね?」ニコ

P(笑顔が怖い)

楓「ふふふふ」

P「…あはは」ハハ…


楓「では…えっと」

楓「私先に事務所に戻ります」

P「え?」

楓「柚ちゃんは大きな仕事が終わったばかりですから。今日は遠慮して、身を引こうかと」

P「…」

楓「先に帰ってコーヒーを挽いて待っていますね。ふふっ」フフフフ…

P(あ、よかった。なんかいつも通りだ)


楓「またあとで」ニコ

P「はい。気をつけて」

楓「はい。プロデューサーたちも」








P「……」ハー…

柚「ぴとっ」

P「うっ……あ、暖かい」

柚「Pサンは冷たいねっ。ごめんねー待たせてる間に冷えちゃったかなっ」

柚「ほらほらっ柚が暖めてあげるよっぴとーぺたぺた」

P「ありがとう」

柚「どういたしましてっ。へへっ」にぱ


P「じゃあ帰るか」

柚「うんっ。そうしよっかー」



さくさく


P「この前のライブすごくよかったよ」

柚「うん。…うん?」

柚「わわっ急にほめられると照れる!」ペカカー

P「そっか。じゃあ面白いからもっとほめようかな」

柚「いいと思うよ!へへー。ほめてほめてっ」

P「うん」


柚「で、でも急にどうしたの?」

P「いやべつに…なんとなく」

P「柚はどんどんすごいアイドルになるなと思って」

柚「へへー。そーでもないよぅ」テヘテヘ

柚「楓サンとか、仁奈チャンとか、…比奈サンも。アタシみんなに追いつかなくちゃいけないから!」

P「そっか」

柚「うん!」

柚「あっでもほどほどにねっ。たのしくないとたのしくないよっ」

P「そうだな」

柚「うんっ」



さくさく


P「…頑張って、みんなに追いついて、それでどうするんだ?」

柚「…ンー…べつにどうもしないかナー」

柚「楽しければいいんじゃないかナっ?なんてっ」くるんっ

P「…うん」ポン

柚「ふに」

P「そうだな。楽しければいいな」ナデナデ

柚「…うん。えへへ。いいんじゃないかなっ」ニパ

P「うん」


柚「えっへへー」

柚「けどたのしいのも柚がそこそこがんばれるのも」

柚「Pサンのおかげだからねっ。これ大事っ忘れないでね♪」

P「おう。ありがとう」

柚「どういたしましてーこちらこそっ」にぱっ


P「…まあ」

柚「?うん」

P「うん」

P「俺も頑張るよ」

柚「おっやる気だねーっ。うんうんっ柚のやる気はPサンが柚をかまってくれるかどうかにかかってるからね!その調子で!」

P「はい」クス

柚「はいっ!えへへっ」


P「よし。着いた」

柚「ついたー」

P「…」

柚「…」

P「…」

P「…よし。頑張るか」

柚「うんっ。ほどほどにねっ」

P「おう。ほどほどにな」

柚「うん!」

P「…」

P(頑張ろう)



・・・・おしまい

おわりん


柚かわー

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