小蒔「私、未来視が出来るようになったみたいです!」咲「!?」(101)

インターハイ終了から数ヶ月後、とある会場。

淡「サキー、久しぶりー!」ダキッ

咲「わふっ、うん、久しぶりだね、淡ちゃん」

和「むっ……大星さん、咲さんが苦しがってます。少し離れてください」ムスッ

淡「そんなことないもーん!」スリスリ

咲「あははは……」

淡「おおっ! シズも発見ー!」ダキッ

穏乃「うわわっ」

憧「ちょっと!? いきなり何してんのよ!?」

玄「まさかみんなとこんなにも早く再開出来るなんて……」

煌「すばらですね!」

怜「ホンマやなー」



洋榎「おっ、セーラも来てたんか」

セーラ「なんや洋榎。来たらあかへんのか」

絹恵「お姉ちゃんと江口さん、また喧嘩しそうや」

浩子「犬猿の仲やでなぁあの2人は」



豊音「わー! 宮永照さんだー! サインください!」

照「うん、いいよ」サラサラ

豊音「やったー! ちょー嬉しいよー!」

初美「けど、インターハイに出場したメンバーを集めて立食会なんて、誰が企画したんでしょうねー」

胡桃「そういえば知らないね」

優希「太っ腹だじぇー」



菫「この後は自由行動らしいな」

哩「隣の部屋には雀卓が人数分並べられとると」

智葉「都合がいいじゃないか。インターハイの雪辱戦といきたいものだ」



小蒔「……」コクッコクッ

咲(あ、神代さんうたた寝してる……)

小蒔「」ハッ

小蒔「――私、未来視が出来るようになったみたいです!」パー

咲「!?」

和「未来視……? まさか未来予知のことですか!?」

淡「へー! 面白そうじゃん! テルーテルー! 永水の神代がさー!」



 ざわざわ

 ざわざわ



霞「凄いわ小蒔ちゃん。未来視なんて本家の人間でも数えるほどしか出来ないのに」

春「さすが姫様……」ポリポリ

小蒔「はい、先ほど神様が力を与えてくださって……そうだ、どうせなら今すぐ使ってみましょう!」

小蒔「この中で未来を知りたい人、居ますかー?」

和「はい!」

憧「はいはい!」

淡「はいはいはーい!」

和(普段ならこんなオカルトありえませんと突っぱねるところですが!)

憧(神代さんの力は本物! 未来の私はシズと――!)

淡(未来の私は、今と変わらずテルーやサキーやシズと一緒に麻雀打ててるか知りたいよ!)

 ワタシモシリタイ!

 ワタシモワタシモー!

小蒔「おお……たくさんの人が……なら、皆でやりましょう!」

穏乃「……あの、ちょっといいですか?」

小蒔「はい、なんでしょう?」

穏乃「その……神代さんのみる未来って、絶対に決まってるものなんですか?」

穏乃「変わらない未来を知っちゃったら、この先が少しだけつまんなくなりそうで……私はあんまり知りたくないなって」

小蒔「安心してください! 私が見る未来視は、あくまでこうなるであろうという確率の高いものを写し視るだけですから」

菫「つまり、未来は決まっているものではないと」

霞「例えば不幸な未来は努力で変えることが出来るし」

春「安定した未来がみえても、努力をしなければそこに辿りつけない時もある……」ポリポリ

小蒔「そういうことですね。あくまでこの先の人生の参考くらいに考えていただければ」

穏乃「そうなんですか……なら、私も見せて欲しいです!」

というわけで、そこにいたほぼ全員が高確率で訪れるという未来を見ることに決定した。

小蒔「……」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

咲「うう……怖いような、楽しみのような……」

照「けど、ワクワクする」



セーラ「なあ洋榎。未来はどうなっとると思う?」

洋榎「そりゃ、うちは日本のトップエースの雀士になっとるやろな!」

セーラ「いっとけいっとけ。洋榎がトップエースやったら俺は世界のエースや」

洋榎「はっ、それこそ夢物語やないか」

絹恵(未来もおねーちゃんと一緒にいれるんやろか……おねーちゃんがお嫁にいってたら嫌やなぁ……)


小蒔「――!」クワッ

その瞬間、小蒔の後ろに巨大な鏡のようなものが出現し、おそらくは未来の情景なのであろう景色を映し出す。

全員(……)

全員(そ、想像異常に、オカルトだった……!)

鏡の中『らん、らん、ららーん……』

咲「……え!? あの鼻歌を歌いながら庭っぽいとこ掃除してるの、ひょっとして」

和「未来の咲さん!?」

久「へー、すごく綺麗になるのね。未来の咲は……」

咲(嘘、嘘……! な、なんかすごく嬉しいっ。お胸も少し大きくなってるし……!)

咲(……けど、なんで未来の私は割烹着のような服を来てるんだろう……?)

咲(どこかで働いてるのかな?)

玄(……あれ、あの庭、どこかで……)

和(咲さん! 未来の咲さんはなんて美しいのでしょうか――!)

未来咲『よし、お掃除終わり。次は料理の準備をしなくちゃ』

まこ「ふんふむ……ひょっとして咲は料亭か旅館で働いとるんかいの?」

優希「和風なとこだじぇ」

淡「えー!? サキー、プロになってないの!?」

咲「う、うん。プロは私じゃ勤まらないと思ってるから、進路としては考えてなくて……」

照(咲……綺麗になって……)ホロリ

玄「……この旅館! もしかして私の家!?」

穏乃「ええ!? い、言われてみれば……!」

憧「確かに、松実旅館」

宥「ほ、本当だ」

咲「そうなんですか!? 私、松実さんの家へ就職したんだ……」

和「な、なんて接点のない……」

怜「ホンマ人生って何が起こるかわからへんねんなぁ」

玄「……さすが私なのです!」

玄「宮永姉妹といえばもはやインターハイの伝説!」

玄「咲ちゃんが旅館に就職したとなれば旅館の話題性も宣伝効果も抜群!」

玄「きっとそれを見越して未来の私は咲ちゃんをスカウトしたんだ!」

宥「玄ちゃん凄いねぇ」

玄「咲ちゃん! なんなら来年から家に来てくれてもいいよ!」

咲「あ、あはは……か、考えて起きます……」

咲(旅館の従業員さん……意外と悪くないかも……)

?『咲、お疲れさま』

未来咲『あっ、これは若女将。お疲れ様です』

?『もう、2人の時は名前で呼ぶ約束だよ?』

未来咲『そうでした。すいません、玄さん』

未来玄『うん、よく出来ました』ナデナデ

未来咲『えへへ///』


竜華「おお!? あれは未来の玄ちゃん!?」

怜「おもちが更に豊かになっとる……!」

照「……ずるい」ペタペタ

和(……な、何やら未来咲さんと未来玄さん、少し仲が良すぎでは……)

玄「おおおおお、あれが未来の私……」

宥「今よりずっと大人びているというか」

憧「艶が出ているというか」

穏乃「反則クラスの、おもち凄すぎ――!」



?『ママー!』タッタッタ

未来咲『あっ、お帰りなさい』ナデナデ

未来玄『お帰り。麻雀クラブは楽しかった?』



和「……こ、子供?」

咲「あの子、今……ま、ママって……」

?『うん! すごく楽しかった! 今日もね、私が一番だったんだよ!』

?『あかどせんせーも、さすがあの2人の娘だーって、褒めてくれたの!』

未来咲『本当!? 凄い凄い!』ギュー

未来玄『さすがは――!』



未来玄『私と咲の自慢の娘だね!』ギュー

咲玄娘『咲ママ! 玄ママ! もっとぎゅっとしてー!』



和「」

咲「」

玄「」

照「――え? え、え……え?」

淡「咲、ママ……? 玄、ママ……?」

穏乃「あの子供の頭についてる尖った角! 小学生にあるまじきおもち!」

優希「間違いなく! 2人の娘だじぇー!」

憧「嘘でしょ……!?」

菫「咲ちゃんと玄ちゃんが……未来で」

宥「け、結婚しちゃんだー!」

玄「ふぇ!? えええぇ!? ええ、ええええええぇ!?/////」

咲「そ、そんな! 私と松実さんが……/////」




和「」

玄(どうしようどうしよう!)

咲(なんで!? 今まで全然接点もなかったのに!)

玄(で、でも……こんなに可愛い咲ちゃんが)

咲(け、けど……こんあに優しそうな松実さんが)

玄(私の、お嫁さんになったら――)

咲(私の、お嫁さんになったら――)



玄、咲(すごく、嬉しいかも――!)ドキドキ



和(SOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOASOA)

鏡の中『』シュウウウウウ

絹恵「あっ。宮永さんと松実さんの景色が消えて」

豊音「新しい風景が浮かんでくるよー!」



未来洋榎『悪いがそれは通らんなぁ――ロン。12000』



洋榎「次はうちか!」

絹恵「お姉ちゃん、全然かわってない!」

セーラ「何一つとして変わっとらん!」

洋榎「なんでやねん!?」

未来セーラ『へっ、やるやないか――!』


セーラ「って対局してる対面の相手俺やん!」


泉(うぉ!? 先輩、今よりさらに格好ようなっとる!)

浩子(こっ、これは堪らん――!)

竜華「セーラごっつーイケメンやーん!」

怜「あれはやばいくらいモテそうやな」

セーラ「え? ほ、ホンマ? どないしよ、照れるなぁ///」



未来洋榎『当然や。大阪最強やで、うちは』

未来セーラ『この前の大会で荒川に負けといてよーゆうわ』

未来洋榎『お前もやろ!』

怜「未来でも仲悪いんか、この2人は」

竜華「南と北の宿命やね」

セーラ「まあせやろな」

洋榎「うちらの仲がそうそう変わるわけ――」



未来洋榎『あっ、話変わるけど、そういえばうちらのかわええかわええ愛娘が今度インタージュニアに出たいゆーててな』

未来セーラ『え? まだ早すぎやないか?』

未来洋榎『そんなもんやろ』



セーラ「はっ?」

洋榎「えっ?」

未来洋榎『それより問題なのは咲と玄の娘もその大会にでるらしいんや』

未来セーラ『マジか……あのカンドラ絨毯爆撃娘がついにくるんか』

未来洋榎『うちらの英才教育のおかげで他の子供には絶対に負けへんくらい強くなっとるけど』

未来セーラ『さすがに手におえんかもしれんなぁ……よし、なら今日からインタージュニアまで3人で猛特訓やな!』

未来洋榎『上等や! 寝かさへんで愛しの旦那様ぁ!』

未来セーラ『こっちの台詞や愛しの嫁! ――あ、それロン』

未来洋榎『んなっ!?』

実況『本日もノロケ全開で絶好調ですねぇ江口妻妻は!』

はやり『死ねばいいのにこいつら☆』




セーラ「」

洋榎「」

絹恵「」

浩子「」

セーラ「……」

洋榎「……」

セーラ「な、なんやお前。普段憎まれ口叩いとったのに、俺と結婚してるなんて」

洋榎「ふふふ、ふざけんなボケ。あれやな、やさしーやさしーうちは誰も貰ってくれんどっかの男女が哀れで仕方なしに結婚してやったんやろな」

セーラ「は? ざけんな」

洋榎「ボケてんのはそっちやろ……」

セーラ「……」

洋榎「……」

セーラ(……あかん)

洋榎(……あかん)

セーラ、洋榎(胸が高なりすぎて相手の顔がみれん――!)ドキドキ



絹恵「おねえちゃんおねえやんおねえちゃんおねえちゃんおねえちゃんおねえやんおねえちゃんおねえちゃんおねえちゃんおねえやんおねえちゃんおねえちゃん」ブツブツ

浩子「おかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろおかしいやろ」ブツブツ

さらりと「死ねばいいのに」とか言っちゃうあらふぃふ牌のお姉さんw

鏡の中『』シュウウウウウ

未来淡『ねー、シズー』

未来穏乃『なに? 淡』


淡「あ、私だ」

穏乃「それに私も……」

咲「うわわ、淡ちゃんすごく綺麗……お姫様みたい」

宥「シズちゃんも凛々しくて、かっこいい」




憧( 嫌 な 予 感 し か し な い )

未来淡『チューして?』

未来穏乃『……はぁー、はいはい。わがままなお姫様の言うとおり――』チュッ

未来淡『シズー、シズー愛してるー』チュッチュ



咲「きゃああああぁ/////」

宥「未来の2人共、だ、大胆すぎ……////」


淡「」

穏乃「」

憧「」

鏡の中『』シュウウウウウ

未来宥『照さん、照さん』

未来照『ん、なに?』

未来宥『……照さんは、私をあったかくしてくれる太陽だよ』

未来照『――それは私も同じ。宥は私を温めてくれる、最愛の人』


照「」

宥「」





菫「なんでだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉ!?」ガンガンガン

照「世界中にばらまかれた私の種…娘達といい友達になれそう」

鏡の中『』シュウウウウウ

未来久『田舎暮らしもいいものねぇ』

未来久『ゆったりとしてて、静かで、空気もよくて……』

未来豊音『久がいれば、私はどんな場所にいたって幸せだよー』

未来久『ふふっ、私も――そうだ。この環境こそ、私が心から求めていた場所なのかも知れない』

未来久『豊音、お腹の子と3人で、幸せになりましょうね』

未来豊音『うん!』


久「」

豊音「えええ/// 竹井さんが私の旦那様……?」


春「」

美穂子「」

まこ「」

白望「」

塞「」

鏡の中『』シュウウウウウ

未来姫子『花田、これからは私意外を――見つめたらあかんとよ』

未来皇『姫子ったら……もう花田じゃなくて、鶴田だよ』


哩「」


鏡の中『』シュウウウウウ

未来尭深『智葉さん――ずっとあなたのそばに居させてください』

未来智葉『――ずっと、私について来い』



誠子「」

ダヴァン「」

鏡の中『』シュウウウウウ

未来竜華『頼りにしとるでー、だ、ん、な、さ、ま』チュッ

未来泉『我が世の春が来たでー!』



怜「」




かくして惨劇は幾度も幾度も繰り返された……

ごめんなぜかすめらぎときらめきを間違えた

皇× 煌○

小蒔「……」

小蒔「……」ハッ

小蒔「うーん、よく寝ました!」

小蒔「みなさん、未来はどうでしたか?」

小蒔「望むような未来が、ちゃんとありましたか?」

霞「……う、うん……小蒔ちゃん、今は、ちょっと……」

小蒔「へ?」

和「」

絹恵「」

浩子「」

憧「」

菫「」

春「」

美穂子「」

まこ「」

白望「」

塞「」

哩「」

誠子「」

ダヴァン「」

怜「」

和「……こんな未来」ポロポロ

憧「……絶対に」ポロポロ

菫「……絶対に!」ポロポロ

美穂子「変えて!」ポロポロ

哩「見せるとおおおおおぉ!」ブワッ

怜「」 ← 心停止寸前



カン!

霞「小蒔ちゃん小蒔ちゃん」

小蒔「なんですか? 霞ちゃん」

霞「そういえば私と小蒔ちゃんの未来が映ってなかったのだけど……」

霞「私達の未来は、どうなってるのかしら?」

小蒔「……えへへ、そんなの、視なくてもわかります」

小蒔「当然――」

小蒔「ずっと、一緒だから」ギュー

霞「……うん」ギュー



改めて、カン!

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