アスカ「エヴァ、降ろされた…」シンジ「えっ…?嘘でしょ…」(89)

アスカ「うぅ…バカシンジ…私、どうしよう…」

シンジ「アスカ…」

アスカ「私、何もなくなっちゃった…アハハ…」

シンジ「大丈夫だよ、アスカは天才じゃないか」

アスカ「ふふっ…天才ね…エヴァに乗って成果を出して、皆に認められて…それが私の生きる意味だったのに…」

シンジ「また見つければ良いじゃないか、アスカなら何でも出来るよ!」

アスカ「バカシンジ…」

シンジ「僕は本当にエヴァに乗って戦う事しか出来ないけど…アスカは違う」

アスカ「…でも」

シンジ「同い年で大学出てて、今でも空軍所属なんでしょ?食べるには困らないじゃないか」

コンコン

ミサト「入るわー…」

シンジ「どうぞ」

アスカ「!!」

ミサト「…アスカ、やっぱりここに居たわね」

アスカ「何よ…いけないの?」

ミサト「アスカ、明日にも荷物をまとめてこの家から出て行って」

シンジ「なっ!酷いよミサトさん!!いくらエヴァのパイロットじゃなくなったからって!!」

ミサト「シンジ君、気持ちはわかるけど…」

シンジ「だったら!!」

アスカ「わかってる」

ミサト「…アスカ、今までありがとう」

アスカ「フン…別にいいわよ…給料だってもらってた訳だし」

ミサト「…」

アスカ「こっちの所属じゃなくなるんだから、機密バレたらマズいんでしょ?信用無いわね…」

ミサト「…」

シンジ「黙ってばかりで…ミサトさん!!アスカがそんな事する訳ないじゃないか!!」

アスカ「いいの、バカシンジ!どうせ向こうに帰ったら自白剤でも打たれて嫌でも吐かされるわ…どんなに拒もうとね…」

シンジ「そんな…なんだよ…アスカだってまだ…僕と同じ…」

ミサト「シンジ君、アスカはシンジ君とは違う…歳は同じでも、立場が違うのよ…シンジ君の様に民間から来たってワケじゃないの」

シンジ「っ!!ミサトさん!!アスカだってただの!!」

アスカ「もういいわ、バカシンジ…ミサト、話はそれだけ?」

ミサト「ええ…」

アスカ「荷物、明日纏めるから…今日は良いでしょ?」

ミサト「…ええ」

アスカ「最後の日くらい、好きにさせてよね…」

ミサト「…邪魔して悪かったわね、二人とも…これも一応、仕事だから…」

シンジ「なんだよ!ミサトさん!!あんまりだよ!!」

アスカ「バカシンジ、私の為に怒らなくてもいいわ」

シンジ「だってあれじゃ…」

アスカ「用済みなのよ…実際問題」

シンジ「用済みって…」

アスカ「そ、お払い箱…きっと向こうでもすぐ同じ扱い、されるわ」

シンジ「なんでわかってて…そんな!!」

アスカ「だからここに居るのよ、バカ…」

シンジ「え…?」

アスカ「怖いの…」

シンジ「アスカ…?」

アスカ「怖いのよ!何処に行っても、きっと扱いは同じ…」

アスカ「さっきのミサト、見たでしょ?あれが大人の反応よ…」

アスカ「少しばかり頭が良くたって身体能力が高くたって…」

アスカ「用がなくなれば…ああなるのよ…」

アスカ「エヴァに乗れる!!」

アスカ「シンクロ出来て、操縦が出来る!!」

アスカ「私の価値はそこにしかないのよ…お笑いよね…アハハ!!!」

シンジ「アスカ…」

アスカ「アンタ、私の事…どう思う?」

シンジ「どうって…」

アスカ「アンタ今、自分もエヴァに乗れなくなったら…って考えたでしょ?」

アスカ「せっかく作れた自分の場所、失ったらどうしようって思ったでしょ?」

シンジ「…」

アスカ「もう私を見てくれるの、アンタしか居ないじゃない…」

シンジ「!!」

アスカ「それとも…アンタにとっても私はお払い箱かしら?」

シンジ「そんな事!」

アスカ「良かった…」

シンジ「アスカ…」

アスカ「アンタ、私の居場所になりなさい」

シンジ「!!」

アスカ「嫌とは言わせないわ」

シンジ「で…でも…ここにはもうアスカは居られないんだよ?」

アスカ「アンタが新しくどっか借りなさいよ」

シンジ「えぇっ!?そんなお金持ってないよ!!」

アスカ「アンタバカぁ?ミサトと暮らしてるから小遣い支給されてただけで、ちゃっかり貯金してあんの!」

アスカ「もしかして…知らなかったの?」

シンジ「うん…」

アスカ「ハァ…取り敢えず、私の貯金崩して新しい所借りるわ…」

シンジ「えっ…?」

アスカ「言っとくけど、私もう働かないから」

シンジ「そ、それはそうだよね…学生だし」

アスカ「ついでに言うけど、料理とかも今まで通り全くする気、ないわ」

シンジ「えっ?」

アスカ「当然よ!アンタ、私を誰だと思ってんの?」

シンジ「アスカは普段何するつもりなの?」

アスカ「平日は学校行って、休日はゲームしたりヒカリと買い物行ったりする」

シンジ「じゃあ僕が使徒と戦ったりネルフ行ってる時は?」

アスカ「ゲームしたり雑誌読みつつゴロゴロしながら無事帰って来るのを待ってる」

シンジ「アスカ…」

アスカ「あによ!?」

シンジ「まるで寄生虫じゃないか…」

アスカ「失礼ね!」

シンジ「いや…アスカってさ、3号機のテスト終わってから何か性格変わったよね?」

アスカ「ハァ?」

シンジ「あれから弐号機ともシンクロ出来なくなったし…」

アスカ「それもそうね…」

シンジ「3号機乗ってから何かあった?」

アスカ「弐号機に乗れなくなっただけで他は別に無いわよ」

シンジ「そっか…」

アスカ「そうよ」

シンジ「3号機はテスト後に使徒になって僕が処理したけど、アスカも一応検査受けたんでしょ?」

アスカ「ええ」

シンジ「何ともなかったんだよね?」

アスカ「何かあったら処置されてるわよ…バッカじゃないの?」

シンジ「そっか…」

アスカ「ねぇ…バカシンジ、今日一緒に寝てもいい?」

シンジ「えっ…えっ…えぇええええ!?」

アスカ「あ、変なコトしたら殺すわ」

シンジ「す…するワケないよ!!」

アスカ「それも失礼な話ね…」

シンジ「ごめん…」

アスカ「ま、いいわ…これから二人で暮らすんだし、多めに見てあげる」

シンジ「…はは」

シンジ(生殺しだよ…)

その夜

アスカ「Zzzz」

シンジ「なんだよアスカの奴、ホントにすぐ寝ちゃったよ…」

アスカ「Zzzz」

シンジ「はぁ…」

アスカ「う…ん…」

シンジ「寝てると可愛いんだけどな…」

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