巨人小笠原「はい、こちら『いのちの電話』」 (4)

自殺を考えている人からの電話を受け、練炭を配布する非政府団体「カッスのいのちの電話」。
「絶望の淵にへたりこみ、死を覗きこんでいる人たちの背中にケリを入れる仕事」と代表の男性。
電話の先の相手がいかに無価値で生きる意味がないか、ねばり強く伝えるのがコツという。
ち~ん(笑)と電話が鳴る。この日の電話の相手は神奈川県にすむ20歳の男性Aさん(仮名)。
「やあ、お電話ありがとう。巨人小笠原です。ディカプリオって呼んでほしいな」
「こんにちはカッス。おれ、悩んでいるんだ。聞いてくれるかい……」
Aさん(3-8-56)は、ネット上の掲示板に面白半分で犯罪予告をしたところ逮捕されたと話す。
「周囲の人はもっと悩んでいるぞ。君のせいで……」イチモツをしごく。他人の不幸はいいオカズだ。
「ちくしょうめ。もうそれはさんざんいわれた。くそったれ。ファッキューカッス」電話は切れた。
怒られちゃったよ。そうつぶやくと彼はいたずらっぽくウィンクし、自分の唇でイチモツをぬぐった。
満足して鼻歌まじり、がちゃりと受話器を置くと、電話機とのあいだにはさまれたのはキンタマ。
享年37。あまりにも遅すぎる、惜しまれぬ死だった。

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