シャロ「2月14日!バレンタインデーですー!」 (33)

ホームズ探偵学院
 家庭科室

エリー「あとは、ここを…こうして」

シャロ「……できました!」

シャロ「わーい!バレンタインのチョコ、完成ですー!」

エリー「お疲れ様、シャロ…」

シャロ「ありがとうございますエリーさん!あたし一人じゃ作り方が分からなくて…」

エリー「でも…そんなにいっぱい作ってどうするの?」

シャロ「みんなにあげるんです!あたしからバレンタインのプレゼントです!」

シャロ「よーし!早速チョコを配りに行きましょー!」

シャロ「えーっと…ひぃ、ふぅ、みぃ……よし!全部あります!」ガサゴソ

エリー「シャロ、こっちに置いてあるチョコは…?」

シャロ「そっちはあとで先生とヒメちゃんに送るんです!」

シャロ「よし!準備完了!」シャキーン

エリー「でも、シャロ…本当に行くの?」

シャロ「え?行きますけど…なんでですか?」

エリー「外……すごい雪だから…」ヒュゴオオオオオオオ

シャロ「はわわ…!ふ、吹雪いてますぅ…!!」

シャロ「…でも!これくらいで諦めません!絶対みんなにチョコレートをあげるんです!」

シャロ「それじゃ、行ってきますエリーさん!シャーロック・シェリンフォード出動です!」バッ

エリー「道が滑るから気をつけるのよー…」

エリー「……………」

エリー(シャロ、大丈夫かしら…もし転んだりしたら…)オロオロ

シャロ「エリーーーーさーーーーん!!」ズダダダダ

エリー「ひぃっ!?」ビクッ!

シャロ「忘れてました!はい、これっ!!」

エリー「え…?これって…」

シャロ「チョコです!エリーさんに渡すの忘れてました!」

エリー「…ありがとう、シャロ」ニコッ

シャロ「それじゃ今度こそ本当に出動ですー!」ダッ

エリー「そ、そんなに急いだら…滑って危な……!」

シャロ「てりゃーーー!大疾走ミルキィホームズターボですーーー!!」ズダダダダダダ

エリー「…………」

エリー(速い…)

ホームズ探偵学院
 ミルキィホームズ事務所

ネロ「あーぁ…なんで週末に雪なんて降るんだろ…」ゴロゴロ

コーデリア「ネロ、はしたないわよ」

ネロ「いいじゃん、コーデリアしかいないし」

コーデリア「もう!そういう問題じゃ…!」

ネロ「あーもう、うるさいなー…そういえば、他のみんなはどうしたの?」

コーデリア「…シャロとエリーは家庭科室、アリスちゃんとカズミちゃんは雪も降ってるし帰ったわ」

ネロ「家庭科室ぅ?エリーはともかく、なんでシャロがそんなとこに」

コーデリア「今日は14日じゃない、バレンタインのチョコを作るって言ってたわ」

ネロ「あっ…?そうか!今日はバレンタインか!」

ネロ「じゃあそのうちシャロとエリーがチョコいっぱい作ってきてくれるんだよね!楽しみだなぁ…!」ワクワク

コーデリア「……自分が作るって考えはないのね」

ネロ「え?作るって…僕が?なんで?」

コーデリア「なんでって…バレンタインデーは女の子が好きな人にチョコを贈る日でしょ?」

ネロ「はぁ…?嫌だよそんなの、めんどくさいし」

ネロ「僕はみんながくれる義理チョコが食べられればそれでいいよ」

コーデリア「ロマンスの欠片もない…」

ネロ「うるさいなー、じゃあそういうコーデリアはどうなのさ!?」

コーデリア「え…!?」ドキッ

ネロ「そこまで言うんなら、コーデリアはチョコ作ったんだよね?」

コーデリア「わ、私は…その、市販のチョコで済ませようかな…なんて」

ネロ「うわぁ、お菓子会社の陰謀に踊らされてるなぁ」

コーデリア「お、贈る人がいないんだから無理に作らなくてもいいのよ!私は!」

ネロ「じゃ、僕もそーいうことで!」

コーデリア「ぬぐぐ…!」

ネロ「早くシャロとエリーがチョコ持ってこないかなぁ…ふふふ…」

コーデリア「そうね…そろそろ持ってくるかもしれないわね」

ネロ「…………」

コーデリア「…………」

ネロ「……ねぇ?コーデリア?」

コーデリア「なに?」

ネロ「コーデリアは僕にチョコ作ってくれないの?」

コーデリア「はぁ…?」

ネロ「僕、コーデリアのチョコが欲しいんだけど…」

コーデリア「エリーとシャロので我慢しなさい、そんなに食べたら鼻血出るわよ?」

ネロ「…………」ジー

コーデリア「………?」

ネロ「……好きだって、知ってるくせに」

コーデリア「?」

コーデリア(…好きって、チョコが?)

コーデリア(まったく、ネロったらそんなに私のチョコが欲し…)

コーデリア(………ん?)


コーデリア『バレンタインデーは女の子が好きな人にチョコを贈る日でしょ?』

ネロ『僕、コーデリアのチョコが欲しいんだけど…』


コーデリア「……………え」

ネロ「…………」ジーッ

コーデリア(まさか、いや…そんなわけ…)

ネロ「…………」

コーデリア「ね、ネロ?あの、それって…どういう…?」

ネロ「……言わなきゃ分からないんだ?」

コーデリア「う……」

ネロ「………あのね」

コーデリア「……うん」

ネロ「あのね、僕……コー」

シャロ「ネロー!コーデリアさーん!ハッピーバレンタインですーー!!」ガチャー

コーデリア「ひっ!?しゃ、シャロ!?」ビクッ

シャロ「はいこれどうぞっ!あたしが作ったんですよ!」

ネロ「うおおおー!!やったー!チョコだー!!」バッ

コーデリア「あ、ありがとう……シャロ…」

コーデリア「………」

ネロ「あ、シャロまだいっぱいチョコ持ってる!」

シャロ「これはダメですー」

コーデリア(ネロ…なんて言おうとしたのかしら)

シャロ「じゃあ、あたしは残りのチョコを配ってきます!」

ネロ「ちぇー、ケチー」

シャロ「いってきまーす」ガチャ バタン

ネロ「………」

コーデリア「……あの、ネロ?」

コーデリア「さっき言ってた、好きって…?」

ネロ「………コーデリア」

ネロ「…僕がお菓子好きって、知ってるくせに!!」

コーデリア「…………は!?」

ネロ「は!?じゃないよ!なんで僕がお菓子好きって知ってるのにチョコ作ってくれないのさ!?」

ネロ「僕がチョコを欲しがってるのに作らないなんてちょっと冷たいんじゃない?」

コーデリア「………はぁ」

コーデリア(なんだ、結局…ただチョコが欲しいだけなのね)

ネロ「シャロでさえ僕にチョコをくれたのに………あ、そっか」

コーデリア「な、何?」

ネロ「もしかしてコーデリア、チョコ作れないんじゃないの?」

コーデリア「!」カチーン
コーデリア

ネロ「…僕がお菓子好きって、知ってるくせに!!」

コーデリア「…………は!?」

ネロ「は!?じゃないよ!なんで僕がお菓子好きって知ってるのにチョコ作ってくれないのさ!?」

ネロ「僕がチョコを欲しがってるのに作らないなんてちょっと冷たいんじゃない?」

コーデリア「………はぁ」

コーデリア(なんだ、結局…ただチョコが欲しいだけだったのね)

ネロ「シャロでさえ僕にチョコをくれたのに………あ、そっか」

コーデリア「な、何?」

ネロ「もしかしてコーデリア、チョコ作れないんじゃないの?」

コーデリア「!」カチーン

コーデリア「つ、作れるわよ?チョコくらい」

ネロ「ふーん、じゃあ作ってよ」

コーデリア「………」

ネロ「作れないの?」

コーデリア「…分かったわ!作ればいいんでしょ!作れば!」

ネロ「やったー!チョコが増えたー!」

コーデリア「まったく…太っても知らないわよ」

コーデリア「それじゃ…家庭科室行ってくるからお留守番頼むわよ?」

ネロ「ほいほーい」

ガチャ バタン

ネロ「………」

ネロ「……ふふ、コーデリアのチョコレート♪」ニヤニヤ

ネロ「楽しみだなぁ」

偵都ヨコハマ
 明神川さんち

アリス「はいカズミちゃん、紅茶淹れたよ♪」

カズミ「ありがとう!」

カズミ「はぁ~…アリスの紅茶はあったまるなぁ…」

アリス「それにしても…すごい雪だね」

カズミ「ね、放課後はチョコ買いにいく予定だったのにさ!」

アリス「これじゃ外歩けないよね…カズミちゃん、帰りは大丈夫?」

カズミ「どうやって帰ろうかな…止まないのかな」

アリス「天気予報だと明日まで降ってるって言ってたけど…」

カズミ「参ったなぁ」

カズミ「今日はアリスの家に泊まっちゃおっかなぁ~…?」

アリス「え?でも…布団の用意とかしてないよ?」

カズミ「いいじゃん!アリスのベッドに入れてよ!」

アリス「………」

カズミ「え?ダメ?」

アリス「ダメじゃないけど……」

アリス「カズミちゃん…寝てる時、ぎゅーってしてくるから…」

カズミ「アリスの体ってあったかいんだもん!今日は寒いから…いいでしょ?」

アリス「で、でも恥ずかしいから…」

カズミ「なんで恥ずかしがるの?お泊りの時は二回に一回はしてるのに…」

アリス「それ最近知ったばっかりだよ!?」

カズミ「いやー、まさかアリスが気づいてなかったなんて」

アリス「ほ、本当に恥ずかしいから…」

カズミ「なんで?」ギュッ

アリス「ひゃ…!!」

カズミ「おっ、やっぱアリスの体あったか~い!」

アリス「や…止めてよぉ…!」

カズミ「待って待って!もうちょっとだけ暖を……」

アリス「うぅ……」ドキドキ

アリス(こんなにくっつかれたら…心臓の音、カズミちゃんに聞こえちゃうよ…!)

アリス「………」ドキドキ

カズミ「ふぅー…」ギュー

シャロ「………」ギュー

アリス「………冷たああああああああああああい!?」バッ

シャロ「あうっ」ポテッ

カズミ「あっ!?アリス!?………ってなんでシャーロック先輩がここに!?」

シャロ「ハッピーバレンタインです!……へっきし!!」ガタガタ

紫苑「アリス、学校の先輩が来てくれてるよ」ガチャ

アリス「お兄ちゃん言うの遅い!」

シャロ「さ゛む゛いですー」ガタガタ

カズミ「うわ!シャーロック先輩雪まみれじゃないですか!」

シャロ「そ、外が吹雪で…!」ガタガタ

アリス「紅茶飲んでください!紅茶!」

カズミ「つまり…私達にチョコを渡す為にここまで来たんですか?」

シャロ「はい!」

アリス「わざわざこんな雪の中を……ありがとうございます!」

シャロ「えへへ…手作りだから、へんな形かもしれませんけど…」

カズミ「先輩、髪までぐっしょり…傘差さなかったんですか?」

シャロ「あー…急いで学院を出てきたから忘れちゃって…」

カズミ「……!」ピーン

カズミ「じゃあ、私の傘貸してあげます!」

シャロ「いいんですか!?」

カズミ「はい!まだ他の人のところにも配りに行くんですよね?使ってください!」

シャロ「おぉ…!助かります!ありがとうございますカズミちゃん!」

シャロ「じゃあこの傘、月曜日に返しますー」

カズミ「はい!じゃんじゃん使っちゃってください!」

アリス「先輩、気をつけてくださいね…?」

シャロ「お邪魔しましたー」ガチャ バタン

カズミ「………」

アリス「………」

カズミ「…ねぇアリス?」

アリス「なぁに?カズミちゃん」

カズミ「……先輩に傘貸したから帰れなくなっちゃった☆」

アリス「もう…しょうがないなぁカズミちゃん」

アリス「じゃあ私の傘を貸し……」

カズミ「うわー、しまったなー、今日はもうアリスの家に泊まるしかないなー!」

アリス「……」

カズミ「……ダメ?」

アリス「……しょうがないなぁ、カズミちゃん」

ヨコハマ警察
 G4執務室

咲「ちょりーす」ガチャ

平乃「あ、咲さん」

次子「よぉ咲、どしたの?」

咲「雪降ってて帰れない…」

次子「なんだ咲もかー、あたし達もなんだよね」

平乃「こうやって、皆さんがこの部屋に集まるのも…久しぶりですね」

咲「………小衣いないけど」

次子「あー…小衣は…」

平乃「小衣さんは交通課に飛ばされちゃいましたから…今、交通整理に行ってます…」

次子「この雪の中を…大変だなぁ、小衣」

咲「………南無ー」チーン

シャロ「ココロちゃん……いないんですか…!」ガーン

平乃「あら?シャーロックさん?いつの間に…」

次子「小衣は今、交通整理に行っちゃってるよ」

シャロ「くっ…!道理で交通課に行って『ココロちゃーん!』って叫んでもツッコミがないはずです…!」

平乃「あ、あまり仕事の邪魔はしないでくださいね…」

次子「ところで…今日はどしたの?」

シャロ「今日はバレンタインデーだから、みんなにチョコを配って回ってるんです!」

シャロ「もちろんG3の皆さんの分もあります!どうぞー」

次子「いいの?悪いねー」

平乃「ありがとうございます、シャーロックさん」

咲「乙」

次子「うん、結構いける」モグモグ

平乃「まぁ、手作り…これはホワイトデーにはきちんとお礼をしなければいけませんね」

咲「…………」

咲「シャーロック」チョイチョイ

シャロ「はい?」

咲「はいこれ、あげる」

シャロ「え…アメ、ですか?」

咲「チョコのお返し的な…」

次子(今返すのか…)

平乃(今返すんですか…?)

シャロ「ありがとうございます!咲さん!」

シャロ「じゃあ、あたしはそろそろ行きますね!」

平乃「どちらへ?」

シャロ「ココロちゃんにもチョコを渡しに行くんです!」

次子「え、今から…?雪凄いけど…」

平乃「それにもう外は真っ暗ですよ」

咲「今日は帰ったら?」

シャロ「いや、今日行きます!ココロちゃんにバレンタインのチョコをあげるんです!」

シャロ「それじゃ、お邪魔しましたー」ガチャー

次子「あ…行っちゃった」

平乃「シャーロックさんは小衣さんの事、本当に大好きですね」

偵都ヨコハマ
 交差点

小衣「……へっきしょーーーい!!!」

小衣「ったく…!なんでIQ1500の天才美少女警察官明智小衣がこんな雪の中交通整理なんてしなくちゃいけないのよー!!」

小衣「あーもう早く帰りたーい!こたつ入りたーい!おなかすいたー!眠ーい!死ぬー!!」

車「プップー」

小衣「うるさーーい!!黙って走れーー!!」



小衣「や、やっと終わった…」フラフラ

小衣「疲れた…もう体が動かないわ…ううぅ…」

シャロ「ココロちゃーん!!シャロですよー!」バッ

小衣「ココロちゃん言うなー!!」ベシーーン

シャロ「ぎゃふっ!!」

小衣「…ってシャーロック、何してんのよこんなとこで」

シャロ「あうぅ…ココロちゃんの体が動いてなによりですぅ…!」ズキズキ

シャロ「はいココロちゃん!これどうぞ!」

小衣「……なにこれ?」

シャロ「チョコです!」

小衣「え?あぁ、そっか…今日は14日だったわね」

シャロ「さっ、どうぞどうぞ!疲れた体には甘いものが一番です!」

小衣「いや、家に帰ってから食べるわ」

シャロ「……………」

小衣「……………」

シャロ「…………」ジー

小衣「…………」

シャロ「…………」ジーー

小衣「わ、分かったわよ…食べればいいんでしょ食べれば…」

シャロ「はいっ!」

小衣「もぐもぐ…」

シャロ「ど、どうですかココロちゃん…」

小衣「………おいしい」

シャロ「!」パアァ

シャロ「………えへへ」ギュッ

小衣「な、何よ!?急にくっつくんじゃないわよ!」

シャロ「なんでもありません!さ、帰りましょうココロちゃん!」

小衣「ひ、引っ張るな!あとココロちゃん言うなー!!」

シャロ「ココロちゃん、手冷たいですね」ギュ

小衣「そりゃこんな雪の中突っ立ってりゃ冷えるわ…っていうかなんで手繋いでんのよ」

シャロ「ココロちゃんの手、あっためてあげようと思って…」

小衣「あんたの手も冷たいから意味ないっつーの」パシッ

シャロ「あぁん、ココロちゃん…」

小衣(っていうか、よく見たら…)

小衣「シャーロック、あんた全身雪まみれじゃない」

シャロ「あー…今日、みんなにチョコを配って回ってたんですー」

小衣「はぁ!?この雪の中を!?なに考えてんのよ!?」

シャロ「だって、今日はバレンタインだから…」

小衣「…………」ギュッ

シャロ「ココロちゃん?」

小衣「バカは風邪ひかないって言うけど…一応あっためておいてあげるわ」

シャロ「……ココロちゃんの手、あったかいです…♪」

小衣「……あんたが冷たいんだってば」

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