服部「せ、せやかて、工藤!」(117)

服部「これはどうしようもないで。掻き出すしかないわ」

コナン「やめろ服部! 摘便は医療行為だ。下手すっと、脱腸するぞ!」

服部「じゃあどうしろいうねん! 医者に『うんこ固すぎて出ません』言うんか!?」

コナン「そうするしかねーだろうな」

服部「イヤや・・・・・・西の高校生探偵やぞ。汚名にもほどがあるわ! アホか!」

コナン「バーロ。毎日ちゃんと排便しねえお前が悪いんだろうが。自業自得だ」

服部「頼む工藤! おまえの小さい手ぇならなんとかなるやろ! 俺のアナルからうんこ引き抜いたってや!」

コナン「冗談じゃねえぞバカ! おとなしく医者に行けって!」

服部「死んでも行かんぞぉ! 工藤! 俺を見捨てんといてや!」

コナン「いや、だってお前」

服部「工藤、もし『医者いけ』言い続けるんやったら・・・・・・おまえ」

   「正体、バラすで・・・・・・ぜーんぶまるまる喋ったる」

コナン「て、てめぇ・・・・・・!」

服部「俺やて、こないなこと言いたないねん。なあ、頼む工藤。ただケツの穴からウンコを引っ張り出してくれればええんや」

   「それだけなんやで、工藤」

コナン「・・・・・・はぁっ。ったく、しゃーねーな」

服部「引っこ抜いてくれるんか!?」

コナン「ちょっと、待ってろ。今準備すっから」

コナン「摘便で一番注意しなければならないのは、菌の侵入と肛門の損傷だ」

服部「菌!? バイキンがケツの穴から入るんか! 肛門が傷つくんは嫌や。嫌やで、工藤」

コナン「ちゃんと療法どうりにやれば心配ねーよ」

    「摘便するには手袋を着用して、潤滑剤を使うんだ。潤滑剤にはグリセリンなんかを使うんだけど・・・・・・」

服部「よう知っとるな、工藤。グリセリンか、薬局に売っとるやろ」

コナン「わざわざ買いにいく必要なんてねーよ。グリセリンは化粧水なんかにも入ってるし」

    「たしか、蘭の化粧水が洗面台にあったな。とってくる」

服部「おお、悪いな工藤。ありがとさん、感謝するでぇ」

コナン「よし、肛門を確認するぞ」

服部「おし、おーし、きたってや! 工藤!」

コナン「・・・・・・」

モゾモゾ

服部「ここ、こそばいな、工藤。こそばいで」

コナン「だぁーってろ」

    (くそ、なんで俺が服部のケツの穴を探らなきゃなんねーんだ)

服部「ど、どうや工藤・・・・・・俺のうんこはどないなっとるんや」

コナン「!?」

    (こ、これは・・・・・・!)

服部「な、なんや!? 工藤、どうなんや!?」

コナン「服部・・・・・・」

服部「く、工藤。なんでメガネ光らせとるんや。それは犯人追い詰めるときのやつやろ!」

   「使いどころ間違うとるで工藤!」

コナン「すまねえ」

服部「工藤!」

コナン「硬すぎる」

服部「な、なんやて・・・・・・?」

   「そ、それはつまり、工藤。おまえは、俺のうんこが硬すぎる言うんか?」

コナン「ああ、硬すぎる。まるで栓だ。すっかり肛門を塞いじまってるよ」

服部「堪忍してや・・・・・・わざわざ大阪から来たんやで!」

   「アナルに負担かけんよう、新幹線のデッキに立ちっぱなしで、来たんやで!」

   「助けてや工藤! 泣きそうや! 和葉の静止を振り切ってガッコ飛び出したんや!」

コナン「んなこと言ってもよぉ・・・・・・つーかなんで俺ならどうにかできると思ったんだよ」

    「悪いけど、俺には無理だ。やっぱり病院に行ったほうがいいよ、服部。専門家に任せよう」

服部「イヤや! そんなこと言う工藤は工藤やあらへん! くそう(糞)や!」

コナン「お、おい服部!」

服部「くっ」ダッ

コナン(バーロ・・・・・・何が恥だよ。もう十分恥を晒してるじゃねえか)

蘭「あらぁ? 今出てったの、服部くんじゃない?」

コナン「あ、蘭ねえちゃん」

    (アッブネー。いたのかよ)

蘭「なんかズボンがずり落ちてたけど・・・・・・やだコナンくん。なんで私の化粧水を?」

コナン「ええ!? あ、いや、これは」

服部「工藤のアホ! ドアホ!」タッタッタッタッタ

   「うっ・・・・・・アカン、無理な運動するとケツの穴が開きおる・・・・・・!」ガクッ

   「アカン、アカンわ。和葉、もう生きて会えんかもしれんで・・・・・・」

   「すまん。和葉ぁ!」

灰原「なにしてるの、貴方」

服部「ち、ちっこい姉ちゃん! なんでここにおるねん!」

灰原「それはこっちの台詞よ。どうして、大阪の探偵くんが米花町でうずくまってるの?」

服部「い、いや、それは・・・・・・」

   (ん? せや! このちっこい姉ちゃんはたしか、工藤をちっこくした組織の薬剤師やったな!)

   「た、助けてくれ!」

灰原「・・・・・・?」

服部「俺のうんこ柔らかくしてくれんか!?」

灰原「水分を多く摂取することね。軟水よりも硬水の方がいいらしいわ」

   「腸内に便が溜まると水分が抜けて硬くなるから、我慢しないでその都度しっかり排便すること」
  
   「あと、日頃からビフィズス菌や食物繊維の豊富な食事を心がけて」

   「そうね、まあこれぐらいかしら。食生活から改善していかないとだめよ」

服部「そうやないねん!!!」

灰原「アブノーマルな性癖からくる欲求を言っているのだとしたら、警察呼ぶけど?」

服部「そうやない! とりあえず俺の話し聞けや!」

服部「・・・・・・ってわけや」

灰原「・・・・・・そう。工藤くんもお手上げなの。なら無理ね。病院に行きなさい」

服部「ちょぉ待てや! ちっこい姉ちゃん! 薬剤師なんやろ!」

灰原「元・研究員よ。薬品を取り扱うという点ではまあ、似たようなものだけど」

服部「だったら、なんとかならんか? なんや凄い便秘薬とか、あるんやろ?」

灰原「直腸に溜まった便に便秘薬は無意味」

服部「じゃあどないしたらええんや!?」

灰原「まあ、下品な言葉で申し訳ないけど、ひねり出すしかないんじゃない?」

服部「せやから、硬いうえに太すぎて、無理にひねり出したらアナルが避けてまうねん・・・・・・」

灰原「やだ貴方。泣いてるの?」

服部「泣いてへんわ! アホ!」

灰原「しょうがないわね・・・・・・いいわ、うちにきて」

   「うちと言っても、阿笠博士の家だけど」

服部「ええんか?」

灰原「大の男が泣いてるの、ほっとけないでしょ」

服部「か、感謝するで! ちっこい姉ちゃん!」

灰原「はいはい」

灰原「幸い、博士は留守よ」

服部「なんで幸いなんや?」

灰原「西の高校生探偵が陰部を丸出しにして研究室にいたら、説明するのが面倒でしょ」

服部「い、陰部丸出して・・・・・・」

灰原「なに?」

服部「し、尻の穴を見せなアカンのか!?」

灰原「当たり前でしょ。詳しく見なきゃ、処置のしようがないもの」

服部「アカンアカンアカン! アカンやろ!」

灰原「工藤くんにも見せたんでしょ? どうせ、肛門科に行くことになれば看護婦さんに見られるかもしれないのよ」

服部「せ、せやかてちっこい姉ちゃん」

灰原「ほら、その台の上で四つん這いになって」

服部「き、緊張するわ・・・・・・!」

灰原「あらそう。力は抜いてね」

服部「ち、ちっこい姉ちゃんは、こういうの慣れとるんか?」

灰原「慣れてるわけないでしょ。摘便なんてしたことないわよ。これでも私、まだ18歳だから」

   「こういうのは、本来介護を必要とするお年寄りか、身体が麻痺している患者に対してするものなの」

服部「俺はジイサンか。笑えんで、ホンマに」

灰原「笑われても困るわ。こっちは大真面目なんだから」

服部「俺かて真面目や! それ聞いてますます病院行きたなくなったわ。俺はまだピチピチの高校生やぞ」

灰原「・・・・・・硬いわね」ツンツン

服部「アッ、アッ、ちょ、待て、なにで突っついとるんや?」

灰原「ピンセット」ツンツン

服部「摘便って、手袋でするんやなかったのか? 工藤はそう言ってたであっ、んっ」

灰原「冗談じゃないわよ。自分の便だって触りたくないわ」ツンツンツン

服部「ハ、ハハ。そらそうや」

   「で、どうなんや。俺のウンコ、どない感じや」

灰原「無理ね」

服部「ちょぉはやっ! もう諦めてまうんか!」

灰原「硬いうえに、太すぎる。すっかり水分が抜けてるわね。まるで鉄のよう」

服部「な、なんやて・・・・・・!」

灰原「浣腸の入る隙もない。見え隠れしてるのは氷山の一角ね、きっと」

服部「あ、あんまし不安になること言わんといてや」

灰原「事実だもの。しょうがないわ」

   「諦めて、病院に行きなさい。たしか、前に博士が痔を直してもらった肛門科の電話番号が・・・・・・」

服部「イヤや! それはイヤや!」

灰原「どうして?」

服部「西の高校生探偵が肛門科で詰まったウンコを抜いてもろたなんて、汚名にもほどがあるわ!」

灰原「くだらないプライドなんて捨てたほうがいいと思うけど」

   「このまま放っておくと、腸にたまったガスと便が爆発するわよ」

服部「ホホホホホホンマかいな!?」

灰原「ええ」

   (嘘だけど)

服部「せ、せやかて・・・・・・せやかて・・・・・・」

   「・・・・・・」

灰原「どうするの? 電話する? しないの?」

服部「・・・・・・・・・・・・バラしたるで」

灰原「え?」

服部「バラしたる。組織のことも、ちっこい姉ちゃんの正体も、工藤のことも、まるごと全部や!」

灰原「あ、貴方・・・・・・何言ってるの!? そんなことしたら、貴方自身も!」

服部「死なばもろともや! それが嫌やったら、このウンコなんとかせえ!」

灰原「正気!?」

服部「正気やないわ! うんこと屁に乱れて爆死やぞ!? 普通でいられるか! 冗談やあらへん! 一刻も早く出してや!」

   「出してや!!! ウンコ出したってぇ!!!」

灰原「ちょ、ちょっと落ち着いて」

服部「出してぇ・・・・・・出してやぁ・・・・・・うんこぉ・・・・・・」ガクッ

灰原「・・・・・・」

   (よほどショックだったのね・・・・・・)

   「・・・・・・はぁ。わかったわ」

服部「え?」

灰原「貴方には、何度か協力してもらったものね。恩返し・・・・・・なんて、こんなことで言うと馬鹿みたいだけど」

   「貴方の気の済むようにすればいいわ」

服部「・・・・・・?」

灰原「ちょっと待ってなさい。今の貴方に適した物があるわ」

服部「な、なんやこのゲル状のもんは」

灰原「アナルキシン5555」

服部「ア、アナルキシ? なんやそれ」

灰原「とある薬の開発段階で生まれた欠陥品よ」

   「大腸上皮細胞にのみ作用するの。この薬品が触れると、細胞を侵食しながら収縮していくわ」

服部「つ、つまりどういうこっちゃ」

灰原「大腸上皮細胞は便に含まれている成分のひとつ。まあ、剥がれ落ちて死んだ細胞だけど、作用することは実証済みよ」

服部「これは、危なくないんか?」

灰原「危険な薬品よ。でもまあ、工藤くんのお友達である貴方になら、託せるんじゃないかと思って」

服部「この際、どうこう言ってられへん。うんこをどうにかできるんなら、使わせてもらうで」

灰原「そう」

服部「で、具体的にどう使えばええや」

灰原「このアナルキシン5555を便に塗り込み、溶けた表面を削っていけば、なんとかなるんじゃないかしら」

   「まあ、時間はかかるでしょうけどね」

服部「おお! ホンマかいな! ちっこい姉ちゃん!」

灰原「保証はしないわ。ま、気の済むまでやってちょうだい」

服部「おおきに! おおきにな! 恩にきるで!」

灰原「私は上にいるから。・・・・・・換気扇つけてくわよ」

服部「おお! ヨッシャ! 頑張るでぇ!」

~数時間後~

灰原「どんな感じ? うっ」

   (す、すごい匂い・・・・・・)

服部「だいぶや・・・・・・だいぶ削れたで! 見てみぃ!」

灰原「見たくないわよ・・・・・・」プイッ

   「!?」

   「ちょ、ちょっと! それ、私のクッションじゃない!?」

   「なんで私のクッションの上に溜めてるのよ!」

服部「せ、せやったか。スマンスマン、直接床に溜めるのも悪い思て」

   「ちょうどうまい具合に椅子の上に置いてあったもんやから」

   「気を効かせたつもりやったんやけどな」

灰原「はぁ・・・・・・もういいから。どんどんやってちょうだい」

服部「スマンな。ちっこい姉ちゃん。洗って返すで」

灰原「買って返して。それは捨てて」

博士「哀くん。地下の研究所からなんか匂わんか?」

灰原「そう? 私は感じないけど。蓄膿症じゃない?」

博士「えー・・・・・・そ、そうかのう」

灰原(いつまでかかるのかしら、あの作業)

博士「ん? 食欲ないのう」

灰原「ちょっとね・・・・・・」

~さらに数時間後~

灰原「いい加減終わったかしら」

服部「おお、グッドタイミングや! まさに今! ひねり出したとこやで!」

   「ほれ、見てみ! クライマックスでアナルキシンをケツの穴に注入したら、一気に出たで!」

灰原「見たくないわ」

   「・・・・・・それ、貴方が片付けてよね。地面に転がってるのも。ここ、大切な研究所なんだから」

服部「任せときぃ! 素手で掻き出し続けたおかげで、うんこに触ることへの抵抗なくなったわ!」

   「道端の石ころみたいなもんやで!」

灰原「そう。良かったわね」

   「ウェットティッシュ置いておくから。ちゃんと手を拭いて」

灰原「じゃあ、私はもう寝室へ行くから」

服部「もうそんな時間かいな。 行ってまうんか?」

灰原「さすがに、徹夜であなたの便のことを考えてたくないわよ・・・・・・」

服部「そうやったな。すまんかった」

灰原「別に。貴方はどうするの? 泊まってく? もう終電の時間過ぎちゃったし」

   「帰るにしても、しばらくはこの部屋から出ないでね。臭いから」

服部「了解や」

灰原「これ、消臭剤と消毒液。あと芳香剤も置いていくわ。じゃ、おやすみなさい」

服部「ありがとさん!」

服部「いやースッキリしたわ。やっぱウンコを出すっちゅうんわ大切やな!」

   「興奮して眠れんわ。この気持ちを誰かに伝えんと」

ピポパ プルルルル

コナン『あい、もしもし・・・・・・』

服部「工藤か?」

コナン『・・・・・・なんだよ、こんな時間に』

服部「出たんや! 出たんやで、工藤!」

コナン『なにが』

服部「あんなあ、工藤。寝ぼけとるんか? うんこに決まっとるやろ」

コナン『・・・・・・服部』

服部「なんや」

コナン『くだんねぇことで起こすな!!!!! バァァァァァァァーーーーーーーーーーーーッロ!!!!!!!!』

ブツッ

服部「なんやねん工藤。カンカンやな」

服部「あー。暇やなぁ」

   「和葉も電話出えへんし。まだ臭っとるから研究室から出れへん」

   「んー」チラッ
 
   「PCか。暇つぶしにネットサーフィンでもしよか」

   「『便 硬すぎ』で検索っと」

   「んーなに?『便が硬すぎて肛門に蓋をされたよう』なんやコイツ! まんま俺やんけ! ハハハハハハハ!」

服部「ハハハハハハ! 回答募集しとる! 恥知らずなやっちゃなー」

   「ハハハ・・・・・・」

   「・・・・・・」
 
   (この質問投稿者、不安やろな・・・・・・辛いんやろうな・・・・・・)

   「・・・・・・よっしゃ! いっちょ回答したるわ!」

   「えーと、『アナルキシン5555という薬がよく効きます。使い方は・・・・・・』っと」カタカタ

ウォッカ「兄貴、ついに尻尾をつかみやしたぜ」

ジン「シェリーか?」

ウォッカ「はい。ネットの質問投稿サイトの回答欄に、組織の開発記録と一致する薬の名が」

ジン「アナルキシン5555・・・・・・たしかAPTX4869と同種だったな。偶然じゃないのか」

ウォッカ「いえ、やつの残していった資料に書かれた特徴と、回答者の言う薬品の特徴が一致してますからね」

     「間違いありませんぜ」

ジン「回答者の使用したPCは?」

ウォッカ「当然、特定済みです」

ジン「フッ・・・・・・そこから、連鎖的に、か。匿った連中もろとも、容赦するなよ」

ウォッカ「もちろんですよ。兄貴」

ジン「ヘマしたな。シェリー」

チュンチュン

服部「ふぁぁ・・・・・・ん? なんで風呂場に」

   「せや、匂いも取れてきたからひとっ風呂浴びよおもて・・・・・・」

   「浴室まできて、そのまま寝てもうたんか。疲れきってたからなぁ」

バタン タッタッタ

服部「いやースマンスマン。なんや浴槽で寝てもうたわ。昨日は世話に・・・・・・あれ?」

   「誰もおらんのかいな?」

   「ん、なんやこれ」ヌメッ

   「ケチャップか?」ペロッ

   「こ、これは・・・・・・! 血ぃ!? 血やないか! ななな、なんで・・・・・・!」

   「争った痕跡・・・・・・?」

   「はっ! ジイサンとちっこい姉ちゃん・・・・・・!」ダッ

服部「ハァッ・・・・・・ハァッ!」タッタッタッタ

   (なんや、何がどうなっとるんや!?)

ガチャ

服部「工藤! オッサン! 大変や!」
 
   「!? な、なんや、ここも荒らされとるんか!?」

   「なんで毛利探偵事務所まで・・・・・・?」

バタン

服部「! だ、誰や!」

コナン「は・・・・・・服部ぃ!」

服部「お、おま、ボロボロやないか! どないなっとんねん!」

コナン「どうなってる!? バーロ!!! やつらが俺たちの正体を嗅ぎつけたんだよ!!!!」

服部「や、やつら・・・・・・?」

コナン「黒ずくめの組織だ!!!」

服部「な、なんやとー!?!?!?」

コナン「蘭も、おっちゃんも、灰原も、博士も・・・・・・皆・・・・・・!」

服部「な、なんちゅーこっちゃ。えらいことやで、ホンマに」

コナン「服部ィ! てめえ!!!」

服部「な、なんや! なんで俺が責められとんねん!」

コナン「やつらはネットに流された組織の情報を元に、灰原の居場所を突き止めたんだ!」

服部「組織の情報・・・・・・?」

コナン「アナルキシン5555だ!!!」

服部「アナルキ・・・・・・な、まさか! あの薬、組織が開発したんか・・・・・・!」

コナン「灰原が残したメッセージには、おめえが情報を漏らした可能性があるって・・・・・・!」

服部「そ、そうかもしれん・・・・・・俺と同じ境遇の、うんこ硬くて困ってるやつにアナルキシンのこと教えてもうた」

コナン「バーロ!!! なんで気づかなかったんだ!!!」

服部「せやかて工藤! うんこと屁で腸が爆発する言われてみ! 冷静さを欠くに決まっとるやろ!」

コナン「なにわけわかんねえこと言ってんだ!!! バーロ!!! バーロ!!!」ドカッ バキッ

服部「いたい! 痛いて工藤! 堪忍したって!」

コナン「蘭が・・・・・・蘭が!!! くそぉ!!!!」

服部「・・・・・・スマン工藤。俺がうかつに情報を流さなければ・・・・・・! こないなことには・・・・・・」

コナン「・・・・・・」

服部「工藤・・・・・・」

コナン「・・・・・・」ギロッ

服部「く、工藤?」

パシュッ

服部「うっ・・・・・・!」

   (ま、麻酔銃・・・・・・・・・・・・?)

   「く、工藤・・・・・・お前、なに・・・・・・を・・・・・・」ドサッ

服部「・・・・・・ん? ど、どこやここ」

コナン「蘭の部屋だ」

服部「く、工藤!? な、なんやこれ! なんで俺は四つん這いで拘束されとんねん!」

コナン「黙ってろ」

服部「こ、こないなことしとる場合ちゃうやろ! 工藤!」

   「警察に連絡して、やつらの足取りを!」

コナン「あったりめえだろ! 今すぐやつらを見つけ出して・・・・・・蘭の、あいつの・・・・・・!」

    「だけど、もう手遅れなんだよ!」

服部「な、なんやとぉ?」

コナン「組織に全ての関係を洗われた。やつらはとっくに動き出してる。後手に回りきった今、もう勝ち目はねえ」

    「FBIの潜入捜査官たちも、蘭の繋がりから襲撃を受けたらしい・・・・・・」

    「ここに俺がいることも、もう知られてんだ。やつらが来るのは時間の問題だ」

服部「だったら!」

コナン「だから、残された時間で、蘭の仇をうつ」

服部「な、なんやと、工藤。仇て、何を言っとるんや」

コナン「蘭の・・・・・・あいつの部屋で、お前を殺す。服部」

服部「な、なにを言っとんねん!!! 血迷ったんか工藤!!!」

   「犯罪を、殺人を憎んでたやないか! たとえどんな動機でも、許さなかったやないか!」

   「それやのに工藤! お前が殺人鬼になってどうすんねん!!!」

コナン「バーロー!!! うんこを理由に俺を脅迫してきたてめえに言われたかねえよ!!!」

服部「工藤・・・・・・!」

コナン「もう、よそう。服部、無駄話してる暇はねえんだ。お前のどうしようもねえミスでこうなっちまったのは真実だろ」

服部「ちょ、ちょお待てえ! 工藤!!! 待ってくれや!」

コナン「真実はいつも、ひとつなんだよ」

コナン「・・・・・・」ズリッ

服部「ちょ、なんで俺のズボンずらすんや!?」

コナン「・・・・・・」スッ

服部「な、なんやそれ! なんや工藤!!!」

コナン「パイカルからつくった増加剤だよ。博士が俺たちを元に戻すために、研究してくれていたんだ」

服部「増加剤ぃ!? ぱ、パイカルゥ!? なんで酒なんて取り出しとるんや工藤!!!」

コナン「アポトーシスの修復を行う性質があるんだ。気づかせてくれたのは、服部、おまえだったな」

服部「おま、何を言って」

コナン「おらぁ!!!」ブスッ

服部「アッー!!!///」

服部「な、なんやコレ!!! うあぁ!!! アナルが、熱い!!! 焼けるようや!!! うぐぅ!!!」

   「くっ!!! ・・・・・・なんや、なにが、起きとるんや!!! 工藤!!!」

コナン「この特殊パイカルには欠点があってな。増加剤と名付けた通り、元の細胞の数より多く増殖して、肥大化してしまうんだ」

    「お前の直腸に付着しているアナルキシン5555。そいつが侵食した大腸上皮細胞を肥大化させている真っ最中だ」

服部「どういうことや!!! 工藤!!!!」

コナン「簡単に言えば、お前のケツに残留したうんこがデカくなって、お前ごと破裂する」

服部「なんやてえええええええ!!!!!!!!!」

   「冗談やろ? 工藤、そうなんやろ? ドッキリなんやろ? そう言ってや! 嘘や言うてくれえええええ」

コナン「わりいな、服部。蘭のために、死んでくれ」

パンッ

コナン「っ・・・・・・」グラッ ドサッ

服部「な・・・・・・なんや! 工藤、おまえ額から血が!!!」

   「う、撃たれたんか!?」

ジン「まさか、ガキの姿になって生きていたとはな。工藤新一」

服部「だ、誰や・・・・・・!」

服部「おい工藤! 工藤!」

コナン「―――――」

服部「う、嘘やろ・・・・・・!」

ジン「西の服部、か。フッ、東西の高校生探偵を、ひとりでお相手できるとはな。上出来だとは思わねえか?」

服部「なんや、お前。まさか、工藤が追っていた組織の・・・・・・!」

   「グッ!!!」ズキィ!!!

   「うううううううああああああああああ」

ジン「? なんだ?」

服部「うわあああああああああああああああああ」ブチィッ

ブシャァァ

服部「ぐあああああああ・・・・・・・・・アアアア、ア」ドサッ

グチュ グチャァァ プシャアアア

ジン「!? 下腹部が破裂しやがった・・・・・・!」

   「工藤新一が何かを仕掛けたのか・・・・・・?」

ジン「おい」

服部「・・・・・・ぁ・・・・・・ぁぅ」

ジン「チッ、虫の息か・・・・・・」

   (・・・・・・まあ、いい。あの方に報告だ)

ピピピ プルルルル



服部(なんや・・・・・・これ、下半身の感覚がないで)

   (嗅覚は・・・・・・まだ、生きとる・・・・・・くっさ・・・・・・)

   (この異臭、うんこか・・・・・・?)

服部(・・・・・・なんや、結局、うんこ爆発かいな・・・・・・)

   (なんで、こないなことになってしもうたんやろな・・・・・・)

   (せめて、こうなる前に・・・・・・)

   (しっかり、毎日、ウンコしとけば・・・・・・)

   (よかっ・・・・・・た・・・・・・)

   (く・・・・・・ど・・・・・・う・・・・・・)

   「――――――」

ジン「ええ。絶命しました。肛門の裂傷によるショック死でしょう。ひどい有様です」

   「はい。はい」

   「了解しました」プツ

   「・・・・・・フン。汚い花火だな」

コツコツコツ バタン

ジンの去った蘭の部屋
そこに横たわる一人の青年は、うんこまみれでありながら、安らかな死に顔であったという  


名探偵コナン
      ~完~ 

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