玄「お姉ちゃんの寒がり体質を治す為に先生をお呼びしました」(155)

玄の部屋。


宥「えっ!?」

玄「早速お呼びします先生どうぞー」

がちゃ

菫「どうも…こんにちは今日は宜しく」ぺこり


宥「!?」びくっ


宥「えっ!?も…もしかして弘世さん?白糸台の……」きょとん

菫「ああ…久し振り。インターハイ以来かな」

宥「そうですね…ってどうしてここへ?」

宥「どうしてって貴女の体質を治しに来たのだが」

 
 

 
玄「弘世さんはその道の大家だと云う事で、わざわざ東京から吉野くんだりまで来て頂いたのです」

宥「はぁ…そうですか……」

宥<いきなり過ぎて何が何だか訳が判らないよ……>ふるふる

菫「それでは早速始めるか……先ずはこれに着替えて……」すっ

宥「えっ!?これは……白装束……?滝行とかで着る……」

宥<というか私まだやるとも何とも言ってない……>
 

未だに姉貴の名前の読み方がわからん

 
菫「そうですが、何か?」

宥「これを……着るんですか?」

菫「うむ」

玄「うむなのです」

宥「どうしても?」

菫「どうしても」

玄「どうしてもなのです」

宥「!?」


宥<どうして玄ちゃんも、さも当たり前の様に同調してるの?と言うか展開が早過ぎるよ!!無理があり過ぎるよ……>ふるふる
 

 
玄「お姉ちゃんっ!!」がぁ

宥「はひっ」びくっ

玄「先生の言われる事は絶対なのです」ふんす

宥「!?」

玄「それにお姉ちゃん。寒がり体質を治したくはないの?」

宥「そんな事はないけど……うう…判ったわ。一寸待ってて…今着替えて来るから……」

宥<うう…私は何でこんなに流され易いの……>ほろり
 

>>3
宥(ゆう)

一寸法師

  
10分後。

宥「お…お待たせ……」

菫<――――こ…これは……//////>

玄「お姉ちゃんは普段はもふもふの厚着だから目立たないけど…実は脱いだら凄いのです」ふんす

宥「もうっ玄ちゃんたらっ//////」かぁ

宥<ああ…この衣装…生地が薄くて肢体(からだ)の線が出ちゃうから恥ずかしい……/////>

菫「……コホン…ど…どうかな松実さん…寒くはないかな?」

宥「えっ?…そう言えば少し寒いですけど…思ったよりは寒くない気が……」

宥<でも…マフラーが無いから、少し首元がすーすーする……>

菫「それはよかった…この装束は少々特別な生地で作られていてね」
 

これはSSS(すけべ菫さん)

  
宥「そうなんですか……それで私はこれからどうすれば……」どきどき

菫「うむ…幾つか行程は有るのだが…取り敢えずここで座って欲しい」

宥「はい」すっ

菫「そのまま前を見て」

宥「はい……」

宥<!?>

宥<えっ!?目の前に弘世さんの顔が……>どきっ

菫「………………」じー

宥<しかも真顔で目をじっと見詰められて……>どきどき

宥「あ…あの……」もじもじ

菫「いいから私の目を見て」じっ

宥「はっ…はい/////」じっ
 

   
宥<ふぇぇ…恥ずかしいよぅ……でも……>

宥<弘世さん…女の私から見ても…やっぱり凛々しくてキレイ……>ぽー

宥<じっと見詰めていると……彼女の瞳に…吸い込まれてしまいそう……>ぼー

宥<でも…これは何の意味があるのかな?/////>

菫「……………」じー

菫「ふむ……もういいよ。恥ずかしい思いをさせて悪かった」ぺこり

宥「ううん…それで次は何をすればいいの?」

菫「ああ…次はそこに敷いてある布団に寝てほしい」

宥「!?」
 

えっそれは…

(アカン)

  
宥<お…お布団に……//////>かぁ

菫<?>

菫「顔が赤くなっているが大丈夫か?」

宥「な…何でも無いからっ////」あせっ

菫「それならいいのだが…それじゃあうつ伏せになって」

宥「はい…あの…これでいいですか?」どきどきどき

菫「ああ…そのまま楽にしてて」

宥「はい」すぅ

玄<ふう~む…お姉ちゃんが妙に素直になった…まぁ元々押しには弱いけど>
  

まーた罪もないおねーちゃーが毒牙にかかってしまうのか

  
菫「それでは失礼して……」ぐっ

宥<……………ひゃっ!?く…くすぐったい……>

宥「あの…弘世さん何を……?」

菫「何をって…ただのマッサージだが?」

宥「マッサージ?」

菫「ああ…マッサージをする事で、血行を良くして身体を温めるんだよ」もみもみ

宥「あっ…そ…それは判るんだけど……//////」もぞもぞ

宥<うぁ…くすぐったくて…ちょっと痛くて……でも何処か…じわじわと気持ちよくて……/////>

菫<うほっ松実さんの躰…柔らかくて揉んでいるだけで――――>もみもみ

菫<それに……ちょっと上気した表情で、もぞもぞしているのが//////>もみもみ

菫<いかんいかん…目的を忘れるな―――>ぶんぶん
  

  
菫「松実さん…マッサージはあまり慣れていないのかな?」もみもみ

宥「く…玄ちゃ…妹によくやって貰ってましたけど……あっ――////」はぁはぁ

宥<玄ちゃんの時はそうでもないのに…弘世さんの指で揉みれている思うと……どうしてこんなに敏感になっちゃうの―――?>びくんびくん

菫「ふむ…そうかならいいな」むにむに

宥「あっ!?」

宥<そこは…おしり……弘世さんの細くて長い指が私のおしりを揉み拉だいて……////>

菫「……………」もみもみ

宥<くすぐったくて…気持ち良くて……でも恥ずかしくて……痺れちゃう――――>ああっ
 

>宥<そこは…おしり……弘世さんの細くて長い指が私のおしりを揉み拉だいて……////>

OUT

  
玄<お姉ちゃん、必死に我慢はしてるけど…すっごく気持ちよさそうに悶えてる…私の時はあんな貌しないのに……>はぁはぁ

玄<少しジェラシーだけど、お姉ちゃんの悶え貌がエロいからまぁいいや>ふんふん

菫「ふむ…これ位でいいかな?終わったよ松実さん」

宥「ふぇっ?あ…そうですかもう……」しゅん

菫「ん?どうかしたかな?」

宥「い…いえ……何でも……」


玄<お姉ちゃん…ちょっと残念そう……私も残念>ふぅ

 

  
菫「どうかな?少しはあったまって来たんじゃないかな?」

宥「はい…そうですね……これで終わりですか?」

菫「まさか?まだまだこれからだよ。妹さん、準備はどうかな?」

玄「はい。もうばっちりです」ぐっ

菫「そう云う事だから、移動するので付いて来て欲しい」

菫「妹さん。案内をお願いします」

玄「分かりました。さっお姉ちゃん行くのです」


宥<こ……今度は何を……>ふるふる
  

  
玄「お姉ちゃん。着いたよ」

宥「ここってお風呂場?……ここで何を……」

菫「何をって…お風呂場なんだから、勿論浸かって貰うんだよ」

宥「ええっ?」ちゃぷ

宥「冷たっ!?これって……」

菫「昨日の内に妹さんに頼んで、ここの温泉水を入れて貰っていたんだよ」

宥「……………」ちら

玄「ん?」にこ
 

支援

これアカンやつや

  
宥<だから今日お風呂に入れなかったんだ……>

菫「冷水と言ってもプールに入るのと然程変わらないから大丈夫な筈だ」

宥「でも…私には……」

菫「貴女の体質を変えるには、冷たさにも慣れる事が必要なんだ」

菫「あと……」とくとく

菫「私が用意したこの特別な水を入れる事によってより効果が出る」

宥「でも…やっぱり……」


菫「まぁ…いろいろ疑問に思う事もあるだろうが、ここは私を…信じてほしい」じっ…

宥<ああ…何でだろう……この人に見詰められると何も言えなくなって……逆らえなくなってしまう……>

宥<この人の考えている事が判らなくても、信じる気持ちになってしまう……>うう…

菫「どうかな?」

宥「わ…判りました……では服を脱ぎますから一寸外しt――――」

菫「いや、脱がなくてもいい」

宥「えっ!?どういう……」
 

  
菫「そのままの姿のままで入って貰えばいいと言ってるんだ」

宥「ど…どう言う事ですか?」

菫「さっきも言ったのだが、その装束は貴女の体質を治す為に必要なものなんだよ」

宥<本当にこの人の考えが判らない…でも……今はこの人を信じるしかない――――>

宥「………判りました…弘世さんの言われる通りにします」

菫「有り難う」にこ
  

宥が人妻化しておる

  

宥「……では…」ごくり

ちゃぷ

宥<!!やっぱり冷たい……>

玄「お姉ちゃん。頑張って」

宥「うん……」

ちゃぷん

宥「――――――――!!!」

宥<つ…冷たくてどうにかなってしまいそう……でも私はこの人を――――>かたかた


菫「大丈夫か?」

宥「…はい……大丈夫です」かちかち

宥<刺す様に痛くてじわじわと痛みが拡がって……頭の中が痺れて……>

玄<ああ…お姉ちゃんの唇の色が、みるみるうちに青紫色に……>
  

 
………。

菫「もうそろそろ上がろうか?」

宥「…あ……まだ…大丈夫…です……」ゆら…

宥<嗚呼……寒さを通り越してぼうっとして……>

菫<目の焦点が定まっていない……流石にこれ以上は無理か>ふむ

菫「いや。もういい上がってくれ」

宥「い…いいん…ですか?」ぼー

菫「ああ。早く上がるんだ」

宥「はい……」ざば

玄<うっ!!?>がびーん

玄<白い布がお姉ちゃんの肌にぴったり張り付いて……更に透けて――――>

玄<一緒に裸でお風呂に入っている時よりも、このぴっちりスケスケの方が更にエロいのですっ!!>ぶばっ
  

支援

 
菫「無理をさせてしまったな」

宥「い…いえ……大丈夫でs――――」ふらっ

がしっ

宥「!?」

菫「必要な事だったとはいえ、無理をさせてしまって本当に済まない」

宥「あ……//////」

菫「妹さんタオルを」

玄「はい」ふがふが
  

お姉ちゃんの塞に見えた

  
ぱさ

ぎゅっ

ごしごし

宥「ふぁ!?////」

菫「こうしてタオルで拭きながら密着すれば少しはあったかいだろう?」

宥「でも……それだと弘世さんが濡れて―――――」

菫「そんな事はどうでもいし、貴女の頑張りに比べたらどうって事はない」

宥「弘世さん……」きゅん

宥<弘世さんの心音が聴こえて来る……>

宥<弘世さん…凄いドキドキしてる……>

菫<………………////////>ごしごし

宥<でも…何でだろう……こうしていると…とてもあったかくなって安心する……>ほわっ

宥<数える程しか逢っていないのに…それでも……もしかしたら私はこの人の事を……>
 

ほう

  
菫「どうかな松実さん。まだ寒いかな?」

宥「ううん…ねぇ弘世さん……」

菫「ん?何か?」

宥「私はこれから何を言われたとしても、貴女の事を信じます……だから――――」

宥「これから私の事を宥って名前で呼んで貰えますか?」じっ

菫「―――ああ…それは一向に構わないが……それなら私の事も名前で呼んで貰いたいな」

宥「――――!うん…ありがとう菫さん……」ぎゅっ


菫<うっ松実……いや宥さん躰ちょーやわらかいんだけどーっ…て私はナニを考えているんだっ!!>ぶんぶん

菫「も…もういいかな?」どぎまぎ

宥「ううん…もう少しだけこうやって……いさせて……」ぎゅっ


玄<ううっ弘世さんに、身も心も預けるかの様にしがみ付くお姉ちゃん……>ふごふご

玄<何故だかイヨーにコーフンするっ!!>ふんふん
  

ふぅ~むなるほどなるほどなるほどー

ふむ

ふぅ~む
支援

 
…………。

菫「では着替え…とはいってもまた同じものなんだが…着替えたらまた同じ場所に戻って来て欲しい」

宥「はい…分かりました」

玄「お姉ちゃん待っているのです」ふごふご

宥「うん。待っててね玄ちゃん」

宥<玄ちゃん何で鼻に詰め物をしているのかな?>はて

 

 
……………。

ガチャ

宥「お待たせしました」

菫「もっとゆっくりでも良かったんだが…もう平気なのか?」

宥「はい。でも…ちょっと寒いのでこれ…マフラーを付けさせて貰ったんですけど、良かったですか?」

菫<…………ふむ…そうか…これは……>じ…

菫「そのマフラーは見たところ手編みの様だけど、宥さんが編んだのかな?」

宥「いえ…これは…母が私が幼い頃に編んでくれたものです。その頃からこの体質でしたから、母が心配して編んでくれたんです」

宥「その母は他界してもう居ないのですけど…それからは解れたりしたら私が直しているんです」

菫「そうか……」

宥「やっぱり…駄目ですか?」

菫「いや…むしろそのマフラーは着けていて貰った方がいい」

宥「よかったぁ」ほっ

宥「これを着けていると、どこか安心するんです」にこ
 

  
宥「それで次は何をすれば……」

菫「そうだった。立たせっ放しで済まない。そこに敷物が敷いてあるからそこに座ってほしい」

宥「この丸い敷き物に…ですか?」

菫「ああ。その台の前に座ってほしい」

宥「はい」すっ

宥「ここでいいですか?」

菫「ああ」

宥「あの…それでこの台の上に乗っているのって……」

菫「ああ。徳利と小鉢だが」

宥「それは判るんですけど…中に入っているのってもしかして……」

菫「勿論、清酒だ。ちなみに小鉢は酒盗と言う珍味だよ。宥さんにはこれからこの清酒と肴を呑んで食べて貰う」
 

支援

さるよけ

  
宥「………呑んでって……あの私…未だ未成年何ですけど?」

菫「宥さんと私は同い年なんだからそれ位は判るよ。だが、痛み止めにモルヒネが認められている様に、これは貴女にとって必要な物だから問題はない」きっぱり

宥「……………」

菫「それに、アルコールを摂取すると血行が良くなるって聞いた事はないかな?」

宥「………でも……いえ、判りました。私は貴女を…菫さんを信じるって決めましたから」

菫「ありがとう。信用してくれて嬉しいよ」にこ

宥「―――――――!!///////」どきどき

宥<この人の笑顔を見るだけでこんなにドキドキしちゃう……やっぱりこの人には逆らえないよ……>ううう…
 

支援ぞ

支援ばい

やっぱり菫さんタチの宥姉ウケは最高やな

 
宥「……あと一ついいですか?」

菫「ああ構わないよ」

宥「菫さんの傍らにあるケースは何ですか?」

菫「ああ…コレか。これはだな…まぁ恐らくはこれから使う事になると思う。だけど今は気にしなくてもいいよ」

宥「……そうですか」

宥<本当に何から何まで判らない…でも少なくとも私の為を思ってやってくれている事は判る……>


玄<ふぅ~むなるほどなるほどー何やら意味有り気なのです>ふんふむ


菫「じゃあそろそろ呑んで貰おうか」

宥「はい」
  

  
とくとくとく

宥「では……」ごくり

宥「頂きます」くいっ

菫「どうかな?いけそうか?」

宥「はい…美味しいとかは判らないですけど…何とか呑めそうです……」

菫「それを聞いて安心した。体質的に受け付けない人もいるから……ではその肴も食べてみてくれ」

宥「はい」ぱく

宥「辛いですね」ふーむ

菫「でも食べているとまた呑みたくなってくるだろう?」

宥「そうですね」くい

宥「……………」ぱく


玄<ふぅ~む。やり取りが機械的で何かの儀式みたい>
  

<>の使い方が気になる

…………。

宥「えへへーお酒って思ってたよりオイシー////」ぽわんぽわん


玄<そうでもなかった>


菫<ふむ…ちょっと呑ませ過ぎたか……量的にはそれ程でもないが、初めての様だし仕方ないか……>

()が普通な気がするけど意味は分かるし、まあいいかって感じ

宥「ねぇ……」がばっ

だき

菫「!?//////」

宥「ねぇ…菫ちゃん」

菫「菫…ちゃん?」

宥「うふふ…」ふー

菫「うっ!?」

菫<彼女の息が耳元に……それにお酒と彼女自身の甘い香りが相まって……>ゾクゾク

菫<眩暈がしそうだ……>くらくら

宥「フフフ…菫ちゃんあったか~い」ぎゅうう

菫<締めつけて来る度に密着して…少し苦しくて…でも柔らかくて…気持ち良くて……どうにかなりそうだ……>

宥「…私は菫ちゃんを信じて云う事を全部聞いてきたの……」

菫「あ……ああ…貴女の為とはいえ感謝している」
 

  
  
宥「ダ・カ・ラ……」


宥「勿論もし治らなかったら…セ・キ・二・ン取ってくれるよね」にこぉ

菫「!?」

宥「ん?」ちら


玄<お姉ちゃんがどこか古い表現で、だけど積極的に攻めてキターー!!>おおおー


菫「わ…わかった……//////分かったから――――」

宥「ホント!嬉しい菫ちゃん!!」ぎゅう!!

菫「!?/////」

宥「えへへ…/////」

菫「ゆ…宥さん……」

宥「ゆ・う。これからは宥って言わないと赦さないから//////」


玄<お姉ちゃんのこの何となく少しビッチな状態タマラン!!>ふんふん

 
 

支援

  
菫「ゆ…宥……分かったから少し離れて……」

宥「だーめ」ぎゅう

菫「!?」

菫<うう…柔らかくて…甘くて……気持ちい―――いかんいかん>ぶんぶん

宥「うふふ…ねえ菫ちゃん?」

宥「さっきお風呂場で私に抱きついた時…ドキドキしてたでしょう?」

菫「抱きついたって……それにドキドキなんて……」

宥「うふふ…あんなにドキドキしてるんだもん。判んない訳ないよ?」

菫「でもそれは……」
  

ほほう

  
宥「それに私のおしりを揉んでた時…ちょっとエッチな気持ちになってたでしょ?判っちゃうんだから」

菫「……そ…そんな事は――――///////」

宥「うふふ…かーわいい」ぎゅっ

菫「!?」


玄<それにしても…こ、こんなお姉ちゃん見た事無い……私までドキドキしちゃう//////>どきどき


宥「菫ちゃん…私に欲情しちゃった?浴場だけに?」にやどやっ

菫「!?」

玄<!?>イラっ


菫「い…いや……それは…その……//////」かぁ

宥「ふふ…もしかして私の事…好きになっちゃった?」

菫<……これは流石にすこし不味いな……>
  

支援

というか宥狙いでも無かった感じなのになんで体質改善方法知ってるんだよww

  
菫「妹さん。そこのペットボトルをこっちにはやくっ」

玄「えっ?ああ…判りました」ひょい

菫「さあ宥さ…宥。これを飲むんだ」さっ

宥「……飲ませて」

菫「?ああ…今キャップ開けるから」すっ

宥「…………違う」ぷい

菫「!?」

宥「菫ちゃんが飲ませて……/////」

菫「!!?」

菫「ど…どういう……」どきどき

宥「もうっ菫ちゃんの口で直接飲ませてって言ってるの!このわからんちん」めっ

菫「!!!?」びくっ


玄<キター!ビッチュウ(!?)キター!!>うほほーい!

 

今知ったんだが酒飲んだらエッチでイキにくいらしい

酒飲んだらエッチでイキにくいけどオナニーでもそうなの?

この>>1は多分童貞

  
菫「え?……いや…それは流石に……/////」

宥「飲ませてくれないと、激おこぷんぷん丸だぞっ!!」ぷんぷん

菫「!?」

玄「!?」

宥「は・や・く」ん~

菫「う…うう……うう―――!」

菫「――――――!!」プチン――

菫「さっさと飲め!!」ぐいっ

宥「あぼっ!!」ごくんごくん


玄<弘世さんの理性が欲望に勝ってブチ切れたーー!!>

玄<と言うか私なら悦んで負けてたーー!!!>


菫<あ…危なかった……もう少しで流されて言ってしまうところだった……>どきどき
  

  
……………。

菫「少しは落ち着いたかな?」

宥「はい…まだ少し頭がくらくらするけど…大分落ち着きました……」

菫「そうか…清酒も酒盗も思ったより摂り込んでくれた……これなら多分大丈夫だ」

宥「そうですか…よかった……」ほっ

宥「あの…菫さん……」

菫「ん?どうした宥さん」

宥「先程は酔っていたとはいえ…恥ずかしい処をお見せしてしまって……/////」

菫「いや…呑ませたのは私だ…貴女が気にする事はない」にこ

菫「それに……正直…状況が違っていたら……」ごにょごにょ

宥「えっ!?今何て……////」どきどき

菫「いや…何でも無い……/////」どぎまぎ

玄<初々しいを通り越して……もどかしい領域なのです。恐らく弘世さんの本性はかなりのヘタレなのです(確信)>

玄<それにしても女豹というか雌犬状態のお姉ちゃん…エロビッチ可愛かったな……よし今度私も呑ませて…ウェヒヒヒヒヒヒヒ―――>

宥<……玄ちゃんは、どうして悪い顔してるの?>びくっ

支援

防水

  
……。

宥「それで…次は何をすれば……」どきどき

菫「じゃあさっきみたいに、この敷物の真ん中に座って」

宥「はい」すっ

菫「これで貴女に…宥さんにやって貰う事は終わりだよ」

宥「そうですか……」

玄<?お姉ちゃんちょっとだけ残念そうな……>

菫「……いやあと一つ」

宥「はい」ぱぁ

菫「悪いがそのマフラーはとって貰えるかな?」

宥「?…わ…分かりました……」ぱさ

宥「これでいいですか?」

菫「ありがとう…これで本当に終わりだよ」

宥「そうですか……」

宥<ほっとした様な…でも少し残念な様な……>

  
菫<さて……そろそろだな……>すっ

宥「あの…菫さん?」


菫「後は≪私≫の仕事だ」キッ


菫「もうそこに居るのは苦しいだろう?耐え切れないだろう?」

宥「!?」

玄「…………」どきどき…ごくり

菫「……」すぅ

菫「いい加減出てきたらどうだ!!」カッ!!



菫「破っ!!!!」

バッ!!

 

ドンッッ―――――!!!!

宥「―――――――!!!!!?……」……かくん


ズォオオオオオオオオオオオオオオォォ―――――――――


玄「!!!!!!???――――――!!」

玄「おっお姉ちゃんの躰から人型の幽霊みたいなものが出てきたーーー!!!」

宥「はっ!?わ…私の頭の上に幽霊……?こ…これは……なんなの?」おののき


幽霊?【うおぉおオォォ……】

 

シャープーシューターのSさんはすごい
そう思った

  
菫<やはり視えるか…それに…妹さんも……>ちら


菫「説明は後でするからここでは簡単に言うが、これは貴女に取り憑いていた…恐らくは守護霊だった者の成れの果てのモノ」

宥「守護…霊……?」

菫「ああ…だがもう殆んど悪霊化している。これが貴女を苦しめていたものの一つだ」

玄「あわわわ……」わなわな

宥「これが…私を……」

宥<でも……>

宥<何だろう…私はこの霊(?)を視ても余り怖くないし憎いとかいった感情も湧かない……寧ろ何処か懐かしい―――>はっ!
 

露子さん

  
宥「…………菫さん…もしかしてこの霊は……」

菫「ああ…よく気付いた。恐らくは宥さん、それに妹さん…貴女方お二人のお母上の霊だ」

宥<……………くっ…>ぐぐっ…

玄「「!!!!?」」

宥「こ…これが……お母さん……」

玄「む…無理が有り過ぎる急展開なのです……」あわわ


菫「だが…残念だが…この状態になってしまった以上…もう宥さんにとって害をなす物でしか無い」

宥「それで…霊を…母を……どうするんですか?」ごくり

菫「勿論…滅さなければ為らない―――」

宥・玄「「!!?」」びくっ

菫「その為の私であり――――」かちゃ

玄<弘世さんが遂に意味有り気なケースを開けたー!!>

菫「その為のこの≪霊具≫だっ!!」ばっ

玄<ああっ意味有り気なケースの中身はアーチェリーぽい弓だったーー!!!>
 

  
母の霊?【うおおオォォ……】

菫「動けないでしょう?貴霊(あなた)を逃がさぬ様に、結界の上に宥さんに座って貰っていたから」

母の霊?【おおおおオオォ……】

宥「結界?もしかしてこの円形の敷物が?」

菫「ああ…裏地に縛霊の結界式が縫い込んである」

菫「それに…事前に清めに清められた、宥さんの体内(なか)には悪霊にとってはとても耐え難い環境になっていた」

宥「あっ……もしかして…あの行水もお酒も……」

菫「ああ。全ては宿主である宥さんの身体の内外を清める為」

菫「それにマッサージやアルコールで血行を良くすれば、それは霊の通り道を通り易くするのと同じ事。血菅は霊菅でもあるんだ」

玄「どーいう事なんですか?」はて
  

いつの間にか除霊モノになってたでござる

(;゚Д゚)

退魔師菫

  
菫「霊も通り道が無いと動けないって事だよ。つまり霊は血液と同じで血管を通り道にしているという事だ」

玄「ほえーそーなんですかー」なるほどなるほどー

菫「そして…宥さんの中に居られなくなった霊は、そこから逃げ出すしかない……」

菫「だが…逃げ出した先には……」

宥「……結界が張ってあるから結局そこから動けなくなってしまう……」

菫「その通りだよ…宥さん」

宥「この霊が私の中に……お母さんが……私の……」

玄「本当に…お母さんなんですか?……」

菫「私はそう確信している。そしてもしこのまま放って置けば、更に宥さんの躰を蝕む事になり、生命をも脅かす事になっていた」
 

 
玄「でも…とっても苦しそう……」

菫「宿主である宥さんの躰に居られなくなって、無理矢理出てきた上に、刹那に結界に縛られたのだから相当苦しいだろう」

玄「でも…正直実感はわかないけど…あれがお母さんだと思うと、私も胸が苦しくなって来るのです……」ぎゅう

宥「玄ちゃん……」

菫「宥さんも妹さんも辛いとは思うが……」ぐっ

菫「それでもどうしても私は…この弓を引いて、討たなければならない」ぐぐっ

菫「清められて弱体化し、且つ結界によって縛られた云わば、まな板の上の鯉の状態の今、このチャンスを逃すと取り返しがつかない事になりかねない」ぐぐぐっ

母の霊?【ぉオオ……オオオオ…・…】


宥「ちょっと待って下さい―――」
 

  
菫「……宥さん…気持ちは判るg―――」

宥「いえ。この霊が母であるという事も…そして母がもう元に戻れない事も判ります……判るようになってしまったんです」

菫<やはりそうか……>

玄「お姉ちゃん……」

宥「今…菫さんが矢を放てば母の霊は滅せられる…でも無理矢理の除霊だから成仏も出来ないのでしょう?」

菫「……残念ながら貴女の言われる通りだ」こく

宥「だから……」すっ

宥「≪これ≫を使わせて下さい」

しゅる…

玄<お姉ちゃんが自分からマフラーを外した!?>

しゅるるるるるる――――

玄「お姉ちゃんのマフラーが、お母さんの霊を包み込む様に巻き付いたーーーー!?」
 

宥姉も何者だ

序盤と今のテンションの違いに笑ってしまう

永水とノーウェイさん以外で除霊なんて初めて見たなww

 
母の霊【オオ…おオオオオ――――お…おお…………】

玄<マフラーに巻かれた瞬間、あんなに険しくて苦しげだった霊の表情がみるみる穏やかになって……>

玄「――――!!あ…あの顔は…面影は……お母さん……やっぱりお母さんだ……恐い貌の時は判らなかったけど……やっぱりお母さんだったんだ……」

菫<…………………>

宥「貴女はお母さんなんですよね?」


母の霊?〖…宥……玄……そう…私はあなた達の母親よ……〗


宥・玄「「お母さん!」」


菫<……まさか…清霊術が使えるとは……この業界でも真の清霊術を使えるのは、ほんの僅かだというのに……>

菫<それを何の修練も受けずに…思わぬ処にとんでもない逸材がいたものだな……>むぅ
 

(これ元は何のマンガだったっけ?)

   
母の霊〖宥…ごめんなさい…私はあなたを護る為に守護霊になったというのに…結果的に貴女を苦しめる事になってしまった……〗

宥「お母さん……」

母の霊〖駄目なお母さんでごめんね……〗

宥「ううん…いいよ…お母さんは私を…私達を護ろうとしてくれただけだから……」

玄「死んでも子どもを護ろうとしてくれるお母さんなんて、滅多にいないのです」

母の霊〖宥…玄……あなた達は本当に優しい子に育ってくれたのね……それだけで母としてこんなに嬉しい事はないわ……〗

宥「そんな……」

玄「えへへ…なのです////」
 

  
母の霊〖それからそこのお嬢さん〗

菫「はい」

母の霊〖有り難う…貴女のお陰でやっと子離れが出来そう。それに貴女がいなかったら近い将来私は……〗

母の霊〖本当に取り返しの付かない事をするところだった……貴女には感謝してもしきれないわ〗

菫「いえ…私は自分のすべき事をしただけです」

母の霊〖それにあんな状態になった私がまさか成仏させて貰えるなんて……〗

菫「それは…私ではなく宥さん…貴女の娘さんの『力』ですよ。私の『力』ではそんな事はとても出来なかった……」

母の霊〖ふふ…真面目な子なのね……じゃあ一つお願いしてもいいかな?〗

菫「何ですか?」
 

 
母の霊〖私は宥を…いえあの子たちを目醒させたくはなかった……でも結果的に目醒めさせてしまった……〗

母の霊〖それは私の所為…そして……〗

母の霊〖貴女の所為〗

菫「………………」

母の霊〖だから…あの子たちの事をお願いね〗

菫「……分かりました」ぺこり

母の霊〖ふふ…何から何まで悪い母親でごめんね〗

菫「いえ、貴女の愛情がお子さんを想う気持ちが、ただ強かったというだけの事です」

母の霊〖……そう…そうかもしれないわね…あと、あの子たち…特に宥は貴女の事がとても気になっているみたいだから〗

宥「!?お…お母さん……//////」かぁぁ
  

親公認ですよ菫さん

 
母の霊〖あの子は貴女の事を―――――いえやめておきましょう。後は若い人達に任せた方がいいみたいだから〗

菫「?」

宥「もうお母さんってば///////知らないっ」ぷい

菫「?ん?どうしたんだ宥さん?」

宥「な…なんでもないっ/////」あせあせ

母の霊〖ふふふ……〗


玄<お姉ちゃん判り易す過ぎ…というか、弘世さん判らなさ過ぎなのです。先が思いやられるのです>ふぅやれやれ

 

  
母の霊〖………もう…いいかな……〗

母の霊〖名残惜しいけど…そろそろ逝かないとね……〗

宥「お母さん……」

玄「まだダメなのです!話したい事がいっぱい…いっぱいあるから―――」

母の霊〖これ以上は宥の身体に負担が掛かってしまう。私はこれ以上、宥に負担はかけたさせたくないの……〗

母の霊〖それに本来私はここに居るべきではない〗

母の霊〖とっくの昔に死んでしまった者が、必要もないのに未練がましく現世に留まるべきではないから……〗

玄「お母さん……」
  

コークスクリュー支援

  
母の霊〖もう…何も未練はないわ。宥、玄、お父さんに宜しくね〗

玄「そうだっ!まだお父さんに逢ってないよ!逢わなくてもいいの!?」

宥「でも…お父さんは出張で……御免なさいお母さん」

母の霊〖ううん。今になって逢っても、あの人寂しがっちゃうから……私もね〗にこ

玄「うう……私も寂しいよ……」じわ

宥「玄ちゃん…我儘言っては駄目……お母さん困っちゃうよ……」じわ


母の霊〖本当にいい子に育って……それと…貴女……ええっと……〗

菫「弘世…弘世 菫です」

母の霊〖そう菫さん……そろそろお願い〗

菫〖分かりました〗すっ

ぐぐっ
  

   
宥「お母さん…またね」

玄「またねお母さん…今度は天国でお母さんに甘えちゃうのです」

母の霊〖うん…でも宥も玄も当分来ちゃダメだからね。あなた達はこれでもかって精一杯生きなさい〗

宥・玄「「はい」」

母の霊〖菫さん…長々と待たせちゃってごめんなさいね〗すっ

菫「……いきます」ぐぐぐっ!!

菫「シャープシュート(仮)!!!」

ビシュッ!!
 
スパッ――――!!

母の霊〖――――――!!!〗

すぅぅ……
 

超重要シーンなのに(仮)でフフってなっちまった畜生

SSS

  
宥「お母さんが…徐々に消えて……」

玄「お母さん……」

母の霊〖宥…玄……最期にあなた達に逢えて本当に良かった……〗にこ

母の霊〖私はそれだけでとてもしあわs――――〗

シュン……―――――


宥「お母さんが……」

玄「逝っちゃった…………」
  

  
…………。

宥「お母さん……」ぽろぽろ

玄「お母さんせっかく逢えたのに…また逝っちゃうなんてやだよっ!」ぽろぽろ


宥・玄「「お母さーん!!」」わぁぁぁぁ

菫<…………>


宥「菫さん!!」がばっ

玄「弘世さんっ!!」がばっ

菫「!?」


宥・玄「「ああ……――ああああぁぁぁぁぁぁぁアアーーー!!」」ぎゅうう×2

菫「…………」

なでなで

菫<全く…情けないな…今の私にはこんな事位しか出来ない……>なでなて
 

  
菫「……もう…大丈夫かな?」

宥「はい……」ぐすぐす

玄「大分落ち着いたのです」ぐすぐす

菫「そうか…それじゃあ少し離れてくれないかな……二人に抱きつかれておもちがきもちe―――じゃなくて少々照れくさいのだが……」

宥「はっ!?」ばっ

玄「!?失礼したのです」ばっ

宥「ご…ごめんなさい//////」かぁぁ

玄「御免なさい」ぺこり

菫「いや…いいんだ。お気持ちは察するに余りあるから……」


菫<正直に言うと少し…いやかなり惜しい気もするのだが…話を進めないとな……>
  

この時点で既に、少々無理のある展開となっておりますが
これからこれまでのお話の説明っぽい感じになります
結構くどい感じになるとは思いますが、ご了承くださいますよう
よろしくお願い申し上げます

どうぞ

おk

  
玄「じゃあ憧ちゃん…阿知賀の中堅だった子も違うんですか?」

宥「阿知賀の中堅?……ああ、渋谷と打ってた子か。あの子は寺か神社の生まれなのか?」

玄「はい。この近くの吉水神社の生まれなのです」

菫「そうか…でもあの子からは何も感じなかったから、霊能力と言った様なものは持っていないと思う」

玄「そうですか…ちょっと残念……」


菫「話を戻そう……」

  
 

  
菫「最初はインターハイで宥さんと打った時から、あの格好とある種特有の雰囲気が気になっていたんだ」

菫「そして、大会後に妹さんに話をさせて貰ったんだ。その時点である程度予想していたんだよ」


菫「彼女は松実 宥は『霊的な何かに憑かれている可能性が有る』と――――」


菫「それで先日、妹さんにこの事と、治す為に其方にお伺いしたいと話したら、私を信じて快く了解してくれたよ」

菫「余程、姉の…宥さんの事を心配し気にかけていたのだろうな」

宥「そうだったの?」

玄「うん」

宥「ありがとう…玄ちゃん」にこ

玄「えへへなのです」へへ
 

  
菫「そして、妹さんにこの事を貴女に伝えない様に、口止めしたのも私なんだ」

菫「この事を貴女に…と云うよりも貴女を通じて貴女の中の霊に感付かれると、計画が上手くいかなくなる可能性が高かったから」

菫「そして、今回…万全の態勢で臨めたのも、妹さんの協力があったからこそなんだよ」

宥「そうだったんですか……」

菫「だが…黙っていた事は申し訳なかった。済まなかった」ぺこり

玄「御免なさいお姉ちゃん……」ぺこり

宥「ううん。最初は吃驚したけど、玄ちゃんも菫さんも私の為を想ってやってくれている事が分かったから…全然大丈夫だよ」にこ
  

  
菫「因みに私が麻雀部に所属しているのは、宥さんの様な人を探す為でもあったんだ」

菫「何故かは判らないが…ここ最近、麻雀をしている者に霊力を持つ者、霊や魔に憑かれている者が多くなっているんだ」

玄「ほーそーなんですか」ふんふむ

菫「通常では考えられない様な打ち方や、法則を駆使している者は大体そうだと思って貰っても構わない」

菫「そしてそれは雀力に比例すると言ってもいい」

菫「そして、その殆んどの者が自身の『力』や憑き物とうまく付き合っているし、殆んどの者がその事に気付いてすらいないのだと思う」

宥「…………」

菫「だが私はそれらのモノ達まで、どうこうしようとは思ってはいない」

菫「だから、今回の宥さんの様に、放って置くと危険だと、害であると判断したモノに対してのみ、対処する様にしている」
  

  
  
……。


菫「それで…始めに宥さんの『目』を診させて貰ったのは、本当に霊に取り憑かれているのかを確かめる為だったんだ」

菫「普通の人には見えないのだが、とり憑かれた人の『目』には特有の揺らぎと濁りがあるんだよ。それを確かめさせて貰った」

宥<あの時は訳も分からず、恥ずかしかった……気持ち良かったけど……>かぁ

菫「それからマッサージしたのは直接触れて、霊の存在と動きを確認する為に必要だったんだ」


菫「それで、確信したこの人は…松実 宥という人は確実に『憑かれている』と……」

 

 
菫「あの水行は身体の外側を清める為、あの時、私が足した水は特別に清められた、所謂『清め水』と云うものだよ」

菫「ついでに言うとこの白装束は霊力が込められていて、身体の内と外を霊から護ってくれるものなんだ」

菫「あの時それを着たまま行水して貰ったのは、吃驚した霊が暴走して飛び出してくるのを防ぐ為だったんだ」


菫「それから、お酒と酒盗を摂って貰ったのは、今度は身体の内側を清める為。アルコールは実際に消毒にもなるし、それは穢れた霊に対しても有効なんだよ」

菫「酒盗には塩分が大量に含められていて、塩は『清め塩』として、これも穢れた霊には有効だ」

菫「勿論お酒も塩も祈りが込められた、本物の清酒と清め塩を使わせて貰った。実を言うと普通の酒と塩では効果はないんだ」

菫「この一連の作法で、最高のレベルで霊の弱体化を成功させる事が出来た。後はお二人の見た通りだ」
 

ふななな

  
菫「そしてこれは……」かちゃ

菫「見た目は普通の洋弓だが、私専用に特別にあしらえた物だ」

菫「これは霊力を送り込むと撓る仕組みになっていて、私の様な非力な者でも、霊力を送り込む事によって、成人男性でも到底引けぬ様な、剛弓並みの威力の矢が放てる代物なんだ」

菫「そして矢は神事にも使う破魔矢。西洋の弓と日本の矢を組み合わせた、その名も『和洋折衷』これが私の自慢の霊具だ」ふふん

菫「こいつなら大抵の悪霊は祓う事が出来ると自負している」どやっ


宥「……………」

玄<『和洋折衷』……弘世さんはネーミングセンスがあまりないのです……>
  

ここまでえっちぃことするためのデマカセ

  
宥「あの…一ついいですか?」

菫「ん?どうした」

宥「もしかしたらお母さんがあんな事になってしまったのは…私に原因があるんじゃないかって……思うんです……」

玄「!?」

菫「そうか……宥さんはもう気付いていると思うが、貴女は今回の件で霊能力に目醒た……」

宥「はい……」こく

菫「霊力を生み出すには、その源泉たるエネルギーが必要なんだ。それは単純に熱量(カロリー)だったり、精神エネルギーだったりする」

菫「前者は沢山食べたり、お菓子等の甘いものが好きな者が多く、後者は個性的な性格な者が多いんだ」

菫「それで宥さんは、熱量から発生された熱そのものをエネルギー源にしたものだと思う」

菫「そして私が見たところ貴女の霊力は相当に高い。だがその霊力を受け入れる容器が絶対的に小さいんだ」

菫「だから溜め込めなかった余剰の霊力が体外に霧散して、それが体温を奪い、寒がりの体質の原因になってしまったんだよ」
  

おお、本当にCLAMPばりの事後解説だ

支援ぞ

しえ

4

支援です

支援

まだー

いまからよむほ

あとちょっとだろうにここで中断とは

猿か寝たか

まだか

福路美穂子ちゃんの美乳揉みたい

マジキチ先輩チーッス

はいチーッス

(^ω^)ペロペロ

  
菫「そして貴女のお母さんは、その事に恐らくは本能的に気付いていた」

菫「だから貴女の事を想ってそのマフラーを編んだのだと思う」

菫「そして彼女自身、霊力を持っていた。そして彼女自身の霊力と貴女の事を想う強い気持ちが込められたマフラーは霊具となって、貴女を護ったんだよ」

菫「そして、霊具となったマフラーは体外に放出されてしまう熱(霊気)を吸収する事で、少しでも貴女を冷やさない様にした」

菫「その結果、彼女の死後に貴女自身が手を加える事と、貴女から放出された霊力を吸収し続ける事によって、より強力な霊具となっていったんだ」


菫「だが、結果的にその強力すぎる力と想いが、今回の事態を起こしてしまった」
 

  
菫「人が死後…霊になるのはその人自身に、霊力がある者だけなんだ」

菫「例え生前にどれだけの心残りが、強い亡執の念があろうとも、その人自身に霊力が無いと霊になる事はない」

菫「そして余程貴女の事が心残りだったのだろう。貴女の母上は死後、守護霊となってまで貴女を見護ろうとした」

菫「だが…皮肉な事に貴女の余剰分の霊力が、大量に霊体に流入し、そして貴女を想う強い念が混ざり合って、時間を掛けて徐々に変質してしまったんだ」

宥「…………」

菫「どんなに美味しい物でも、濃度が濃過ぎると食べられなくなってしまうのと同じで、更に彼女を霊にさせた様々な強い残留思念が、高濃度の霊気に中てられて悪い方向へ化学変化を起こしてしまった」

菫「その結果…霊体が濁ってしまい、悪霊になり掛けてしまった」

菫「このまま放っておいたら、取り返しのつかない事になっていた」
 

  
宥「……そうですか…それで…もし、このままだったら私はどうなってたんですか?」

菫「貴女の霊力を吸収し続けて、更に肥大化して手が付けられない悪霊になって、貴女の霊力を貪り蝕んだだろう」

菫「……恐らくは早くて数年…もっても十年生きられたかどうかだったと思う」

玄「お姉ちゃん……」

宥「…………」

菫「実を言うと、本来ならあの霊は…現状でも既に相当に強力な『力』を持っていたんだ」

菫「今回…これだけうまくいったのは奇跡に近いと言ってもいい」


宥「……もし…私にこの力が無かったら…母は……どうなっていたんですか?」

菫「普通に守護霊として貴女を護ろうとしただろうな。貴女に対する影響力はそのものは殆んど無かったとは思うが……」
  

宥「やっぱり…やっぱり私が…お母さんを……こんな力さえなかったら……こんな事に……」ぽろぽろ

玄「お姉ちゃん……」

菫「そんな事はない」だき

宥「ふぁ!?/////」

菫「貴女は悪くない…勿論お母さんも。お母さんは貴女を護ろうとした。唯それだけ」

菫「そしてたまたま貴女に力があったというだけ」

菫「そしてその力が少し悪く作用しただけ……誰も悪くなんて無いんだよ」

菫「でも貴女のその『力』のお陰でお母さんは元に戻り、成仏させる事が出来たんだよ。正直、私ではとても出来なかった」

菫「貴女がいたから…貴女に力があったから、お母さんは穏やかに天に還る事が出来たんだ」

宥「菫さん……」

菫「私は幾つもの霊を送った事があるが、あんなに穏やかに満足げな表情(かお)で送れた事は無かったよ」にこ

宥「……うん…ありがとう菫さん……」にこ
  

……………。

玄「これで…全部終わったんですね……」

菫「ああ。これで全部……正直に言って思ったよりもずっと上手くいったと思う」

菫「これも全て、妹さんが私の申し出を快く承諾してくれて、尚か且つ協力してくれたからだよ。心から礼を言わせて貰いたい」ぺこり

玄「えへへ…そんな事はいです……でも、よかったのです」てれ

菫「それに宥さん…貴女が私の一見不可解な指示を、私の事を信じて素直に聞いてくれたからだよ。本当にありがとう」ぺこり

宥「ううん…私の方こそ……何から何までして貰って……何かお返しさせてほしいくらいです……」
  

キター

しえん

  
菫「そうか…それなら宥さん……」

宥「はい?」

菫「貴女に一つ、頼みたい事があるのだが……」

宥「何ですか?」

菫「私は今…一人注視している者がいる」

宥「注視ですか……?」

菫「ああ…そいつはまだ覚醒はしていないし、何時覚醒するかも分からないが、もし覚醒する様な事になればとんでもない事態になりかねない程の物だ」


菫「そしてそいつは…偶然だが、私に近しい者なんだ―――――」
  

  
玄「…………」

宥「…………」

菫「宥さん…貴女の霊能力者としての潜在能力は相当に高い。もし『あいつ』と対峙する様な事になった場合、貴女の『力』が必要なんだ――――」

菫「だから宥さん――――」

菫「今すぐでなくてもいい…高校を卒業してからでもいい……もし出来る事なら私にその『力』を貸してはくれないだろうか?」

宥「……………」

玄「!?」

菫「貴女のその『力』が私には必要なんだ」
  

  
宥「…………菫さん一ついいですか?」

菫「はい」

宥「それだけですか?」

菫「?言ってる事がよk――――」

宥「私の『力』が欲しいだけなんですか?」じ…

菫「うっ……それはその………」ひきっ


菫「……わかった正直に言おう…私は貴女と…宥さんと、個人的にもっとお近づきになりたと思っている/////」かぁ

宥「うん……」こく

宥「いいですよ菫さん…ううん菫ちゃん。これから私を菫ちゃんのいい様に使って下さい」にこ

菫「有り難う…宥さん……いや宥。これからよろしく」


玄<イイ様に使ってって……ナンか響きがいやらしいのです>もんもん
  

なんか菫さんがいうと、中ニ病に聞こえる不思議

    
翌朝。

菫「じゃあそろそろ行くから」

玄「観光もしないで真っ直ぐ東京に帰るのですか?」

菫「いや…これから大阪に行こうと思っている。あそこにも宥と同じく、いや…それ以上に緊急を要する人がいるんだ」

宥<……………うん>ぐっ

玄「その人もインターハイの時に見つけたんですか?」

菫「ああ。はっきり言って現状でも相当に危険な状態だと思う」

菫「だから…玄さんにした様に対象者に近しい人に同じ様にコンタクトをとったんだ」

菫「だけど…あちらは玄さんの時の様には快諾してくれなかったんだが……」

菫「それでも…どうにか先方とのアポは取れたから、今から行くんだよ」

玄「そーなんですか」
  



宥「菫ちゃんちょっと待ってて」たた

菫「?」

おおキテル
しえん!

………。


宥「お待たせ」

玄「!?」

菫「宥…その格好は?」

宥「これから大阪に行くんでしょ?だから少しはおめかししないと……」

菫「おめかしって……まさか付いて来る気なのか?」

宥「だっていずれ菫ちゃんのお手伝いをするなら、早い方がいいでしょ?」

菫「それはそうだが…今回が特別上手くいっただけで、この件は恐らく実際に戦う事になると思う。はっきり言って危険なんだよ」

宥「でも……あちらの方は余り乗り気ではなかったんでしょ?」

菫「ああ。まあ私を胡散臭い奴位には思っているだろうな……」

宥「それなら…尚の事、私が一緒に居た方がいいと思うの。私がこの事を話せばあちらの方たちも少しは信じてくれると思うから……」
  

  
菫「その申し出は嬉しいが…だが……」

宥「菫ちゃん!!」

菫「はいっ!!」

宥「私が貴女に付いて行くと決めたのは、貴女と共に歩んでいくパートナーになるためだから。私はこの『力』を誰かの為に使いたいから」

宥「菫ちゃんの邪魔に…足手纏いにだけはならない様にしますから……だから―――」

菫「…………」こく

菫「分かった…改めて言おう……宥…私に付いて来て欲しい」

宥「――――!!はい」こく

菫「あと一つ、これだけは言わせて貰う」

宥「………」

菫「私は貴女をこの身に代えても必ず護る。それだけは容認してほしい」

宥「うん…私も精一杯菫ちゃんをサポートするから」にこ

菫「有り難う宥」にこ
 

  
宥「そう云う事だから、玄ちゃん。お姉ちゃんちょっと行って来るけど…いいかな?」

玄「本当の事を言うと、お姉ちゃんには危険な事はして貰いたくはないよ。でも…お姉ちゃんが自分で決めた事だから……」

玄「菫さん……」じ…

玄「お姉ちゃんの事…宜しくお願いします」ぺこり

宥「玄ちゃん……」

菫「ああ。宥の…貴女のお姉さんの身は私が必ず守ると約束する」

玄「はい。約束したのです」こく
  

  
菫「それじゃあ宥。行こうか」

宥「はい。それじゃあ玄ちゃん。お姉ちゃんちょっと行って来るね」

玄「うん。行ってらっしゃい。気を付けてね、お姉ちゃん。菫さん」


宥・菫「「行ってきます」」


……………………………。


そして後に…高校卒業を機に上京した松実 宥が、弘世 菫の二人が、魔王と呼ばれる存在と死闘を繰り広げる事になるのは、もう少し先の事だった……。



おしまい。
 

少し変わった物を書こうと思い書いたら、こんな事になってしまいました。
最早これまでと思ったのですが、支援して下さった方々のお陰でどうにか
終わらせる事が出来ました。

有り難う御座いました。

乙乙

誰かスレ立て代行頼める?

SS速報でフルボッコにされて懲りたと思ったらまるで成長していなかったでござるの巻
もう言葉も出ないわ

>>150 あんま変なのじゃなけりゃ立てるよ

乙でした
続きが気になる

乙乙

乙ぞ

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