幼女「ママ?」(277)

幼女「ママー、これ買って」

母「ダメよ、全く……それは前にも買ってあげたでしょ?」

幼女「でも、この前買ったの食べちゃったから」

母「……そう、それじゃあ来週買いましょう」

幼女「今欲しい」

母「ダメ」

幼女「なんで……なんでなんで!」

母「ダメったらダメなの!!」

幼女「……ぐすっ」

母「泣いてもダメよ」

幼女「ごめんなさぁい……」

母「謝ってもダメ」

幼女「……どうじたら買ってぐれるの」

母「だから……だから!!買わないって言ってるでしょ」

幼女「う、うぅ……うぇええ……」

母「大体、今月家にかけられるお金無いのよ……あの人から貰った慰謝料だって底をついちゃって……」

幼女「ごめんなさい……」

母「分かったから、早く元の場所に戻しなさい」

幼女「……うん」

タッタッタ

幼女「……」

幼女「……」ゴソゴソ

幼女「……よし」

タッタッタ

幼女「戻してきたー」

母「そう、それじゃあ行くわよ」

幼女「うんー」

母(……?やっけに素直になったわね)

――――――
―――


店員A「お会計、5680円です」

母「……えっと」

店員B「あの~お客様」

母「はい?」

店員「申し訳ございませんが、お子様のほうなのですが、先ほど私が拝見した所、ポケットに……」

母「……ッ!?」

幼女「?」

母「ポケットに入っているものを出しなさい」

幼女「や、やだぁ」

母「出しなさい」

幼女「やだ!」

母「なんで言うこと聞けないの!!」

幼女「やだやだやだ!!」

母「出っしなさい!ほら、じっとして!!」

幼女「ふぇ、えっぐ……えぐ……」

母「……申し訳ございませんでした」

店員B「い、いえ!大丈夫です、こういうことって結構あるので。君も、お母さんの言うこと聞くんだよ?」

幼女「う、うわああああああああああああん」

母「ちょっ!す、すみません」

店員B「こちらこそ、な、泣かせちゃったかな」

母「大丈夫なので、はい……お手数おかけしました」

店員B「こ、こっちこそ、なんだか申し訳ないです」

幼女「うぇええええん……」

母「いつまで泣いてるの!!」

幼女「う、うぅ……ぐっす……」

店員A「す、すみません、お会計よろしいでしょうか……?」

母「あ、ああ!はい、ごめんなさい……」

幼女「うぅ……ひっく……」

――――――
―――


自宅

母「今日やったことは、いけないことよ。分かるわね?」

幼女「ママが買ってくれなかったから」

母「だから!!そもそも、あなたが無断でお菓子食べたからでしょ!?」

幼女「……」

母「泣いてもダメよ」

幼女「ぐすっ……」

母「今回ばかりは、もうダメよ。お菓子は抜きね」

幼女「やだぁあああ!!」

母「あーもう、うるさいっ!!」

幼女「やだああああ!!いやだぁああああ!!」

母「もう、私が!!嫌よ!!もう!!!!」

数分後。

幼女「ママ、ごはん……」

母「……」

幼女「ママ、ごめんなさい……」

母「……」

幼女「ごめんなさいぃ……」

母「……はぁ」

幼女「ママ?」

母「……分かってるわよ、今から用意するから座ってテレビ見て待ってなさい」

幼女「うん」



トントントントン

幼女「あはは!!」

トントントントントントントントン

幼女「プリキュア!ピースサンダー!」

トントントントントントントントントントントントン

幼女「プリキュアーー!!」

トントントントン……カチャッ

母「……はぁ」

幼女「ママ、ごはんできた?」

母「もう出来るから、テーブルに座ってなさい……」

幼女「うん」


幼女「いただきーまーす」

母「……」

幼女「ママいただきますはー?」

母「……いただきます」

幼女「ママおいしー!」

母「……そう」

幼女「でも、にんじんやだ」

母「食べなさい」

幼女「きらーい」

母「食べなさい!」

幼女「やーだ!」

母「ああ、もう!!じゃあ、ママがあんたのこと嫌いになって、捨ててもいいの!?」

幼女「……え」

母「あ……」

幼女「や、だ……やだやだ!!やだ!!やだ!!」

母「……はぁ、もういいから分かったから」

幼女「ママやだ、ごめんなさい」

母「はいはい……」

幼女「うん」

母「……」

幼女「……」

幼女「ごちそーさまでしたー!」

母「……歯磨いて、お風呂入る用意しなさい」

幼女「お風呂やだー」

母「……はぁ」

幼女「プリキュア見る!」

母「見ないの、洋服持ってきなさい」

幼女「プリキュアがいい!」

母「そのプリキュアのパジャマを持って来なさい!!」

幼女「やーだー!!テレビのプリキュア見るのー!」

母「あああああああああ、もおおおおおう!!!!なんなのよぉ!!!!」

幼女「ま、ママ?」

母「なんで、事あるごとにやだやだやだって!!何がそんなに嫌なの!」

幼女「ママ……怖い……」

母「私が!一番!!嫌よぉ!!もうやだ、こんな生活……嫌……」

幼女「ママ、元気だして……」

母「誰のせいだと思ってるの!!」

幼女「ごめんなさい……」

母「じゃあいいわよ!お風呂入らないで!!プリキュア見てればいいじゃない!!勝手にしなさい!」

幼女「ご、ごめんなさい!お風呂入るからぁ……」

母「どっちなのよぉぉぉおおお!!!!」

幼女「う、うぅ、う……ぐすっ……」

母「泣きたいのはこっちよ……」

幼女「ふぇえ……」

母「はぁ……」



幼女「お風呂ー!」

母「……」

幼女「えいっ!」

母「わぷっ!」

幼女「あははは!」

母「……」

幼女「……ママ、ごめんなさい?」

母「もういいわよ……ほら、洗うわよ」

幼女「うん」

ジャー

幼女「お風呂出たらプリキュア見ても良い?」

母「……じゃあ、1話だけよ」

幼女「ほんと!やったー!」

母「……はぁ」

幼女「ママ、プリキュア好きー?」

母「知らないわよ」

幼女「わたしは好き!」

母「そう」

幼女「強くて、かっこいい!わたしもプリキュアになるー!」

母「なれるといいわね」

幼女「洗い終わったー!出てプリキュア見る!」

母「ちゃんと拭きなさい!」

幼女「うん」

母「……」

母(う、うぅ……酷い顔。なんでこんなことになってるのよ、見た目もう30過ぎてそうな女じゃない……まだ20代なのに何やってるんだろ)

母(大体、周りの友達はまだ遊んでる……あたしは子育てと仕事の両立が厳しいから、ろくに遊べない……)

母(あたしも……遊びたいし……新しい男だって見つけたい)

幼女「ママ!一緒にプリキュア見よ!」

母「……」

母(遊びたい……)

幼女「ママ?」

母「……え、何?」

幼女「プリキュア見よ!」

母「……はいはい」

幼女「ぴかぴかぴかいん!じゃんけんぽん!勝った!ママはー?」

母「……」ピラッ

幼女「ママ何読んでんのー?」

母「いいから、プリキュア見てなさい」

幼女「ママもプリキュア見るの!」

母「見てるじゃないの」

幼女「ママはご本を読んでるの!」

母「プリキュアも見てるわよ!」

幼女「うー……」

母「また泣きそうな声出して」

幼女「ママと一緒に見たいんだもん……」

母「だから、見てるでしょ?」

幼女「ぴかいんじゃんけんもするの!」

母「ああ、もう!最近のアニメ面倒臭い!!」

幼女「おもしろかったー、もう一個みていい?」

母「ダメ、今日はもう終わり。さっき約束したでしょ」

幼女「でも、続き気になる」

母「ダメってば!もう寝なさい!」

幼女「うー……」

母「お布団ある部屋に行きなさい」

幼女「ママはー?」

母「後で行くから」

幼女「ママと一緒に寝う!」

母「分かったから」

幼女「うん、絶対絶対来てね。寂しいから」

母「はいはい……」

幼女「ご本も読んで!」

母「分かったから」

幼女「……」

幼女「…………」

幼女「ママまだかなー」

幼女「ママ?」

幼女「ママー!」

母「今行くから待ってて!」

幼女「はやくー!」

母「横になって待ってなさい!」

幼女「うんー……」




幼女「うぅ、怖い、ママ来ない……」

幼女「お、おしっこ……」

幼女「ママ、おしっこ……」

母「これは、持って行って……」

幼女「ママ?」

母「こっちは、いいわ……いらない」

幼女「ママー!」

母「ちょ、え……?寝たんじゃなかったの?」

幼女「おしっこ」

母「ああ、そう、行ってきなさい」

幼女「ひとりじゃやだ」

母「……ああ、もう!」

幼女「ご、ごめんなさい……」

母「いいから、ほら、歩いて」

幼女「漏れちゃう!」

母「ああ、もう!!」ダキッ

幼女「うーーー!」

母「はぁ、はぁ……間に合った」

幼女「出たー!」

母「あっそ……」

幼女「ママふいてー」

母「は?この前一人でできたじゃない」

幼女「できないー」

母「……はぁ」

幼女「うー」

母「分かった分かった、もう……」

幼女「ママも寝よ?」

母「ママは、やることができちゃったの。お仕事だから、一緒には寝れないわ」

幼女「やだぁ……ママと一緒じゃないと寝れない」

母「お願いだから一人で眠って!」

幼女「う、うぅ……」

母「お願いだから……」

幼女「ママ?」

母「……」

幼女「ごめんなさい」

幼女「スー……スー……」

母「はぁ、やっと寝た……」

母「もう10時……時間がないわ、早くしないと」



翌朝。

幼女「マーマ!おはよー!」

母「……んぁあ………うぅ……」

幼女「ママ!朝!ママー!おなかすいたー!」

母「あぁー……パン食べなさい、パン」

幼女「わたしじゃ切れない!ママ包丁触っちゃダメって」

母「あー……」

幼女「ママー!」

母「うるさいっ!!」

幼女「ご、ごめんなさい」

母「はぁ、もう……」

幼女「いただきまーす!」

母「……最悪な朝ね」

幼女「ママ食べないの?」

母「いらない、それよりそれ食べたら出かけるわよ」

幼女「お出かけ!どこ行くの?」

母「映画館よ」

幼女「わーい!」

母「……」

幼女「何の映画見るの?プリキュア?」

母「……そうね、そこらへんで良いわ」

幼女「やったー!!ママ大好きー!」

母「ぐっ……」

幼女「ママ?」

母「……なんでもないわ、さっさと食べちゃいなさい」

幼女「はーい!」

『今日の占い!カウントダーウン』

幼女「あえ?占いやってる、あえ?」

母「え?」

幼女「今日はお仕事ないのー?」

母「きょ、今日は休みよ。昨日終わらせちゃったの」

幼女「ママしゅごーい!」

母「いいから!それ食べたら歯を磨いて、さっさと着替えなさい」

幼女「はぁーい!」


――――――
―――


幼女「えいがかんにしゅっぱつー!」

母「……重っ」

幼女「ママ?荷物いっぱい?」

母「宅急便よ、ついでに出そうと思ってるだけ」

幼女「たっきゅうびん!」

母「自転車乗って」

幼女「うんー!たのしみー!キュアハッピー出るかなぁー!」

母「出るんじゃないの」

幼女「ママもぴかいんじゃんけんしようね!」

母「はいはい」

幼女「えいがーえいがー♪えいがー!」

母(うるさい……)

――――――
―――


幼女「えいがかーん!」

母「えっと、大人1枚と子供1枚……」

店員「畏まりました、指定の席はございますか?」

母「どこでもいいです」

店員「はい、それではJ-03番J-04番でお取りしました。開場は10分前になっています。ありがとうございました」

幼女「ママ、ポップコーンは~?」

母「買わないわよ……」

幼女「えー!欲しい欲しい!」

母「そんなお金無いの」

幼女「びんぼーなの?」

母「ッ!?」

幼女「ご、ごめんなさい」

母「……はぁ」

幼女「ママ、荷物持つー?」

母「いいわよ、変な気を使わなくても……」

幼女「うん」

母「……」

幼女「ママ?」

『まもなく、プリキュアオールスターズの上映が始まります。チケットをお持ちのお客様は、入場口までお集まりください、繰り返します~』

幼女「ママー!」

母「はいはい、行くわよ」

幼女「うん!」



幼女「まだ始まらないのー?」

母「静かにしてなさい」

幼女「うぅー、まだー?プリキュアー!ママ見て、ミラクウライト!」

母「はいはい、あんまりチカチカさせないの!」

幼女「えへー!ミラクウライト!」

母「なんでこんなもの配ってるのよ、鬱陶しい……」

幼女「ママ?」

母「なんでもないわよ……」

幼女「はじまう!?」

母「静かにしてなさい!」

『映画、プリキュアオールスターズ!』

――――――
―――


幼女「ぴかぴかぴかいん!」

母「……」

幼女「勝ったー!」

母「……ごめんね、ママトイレ行ってくるわ」

幼女「おトイレー?うん、分かったー!」

母「おとなしく映画見ているのよ」

幼女「うんー!」

幼女「キュアビートだ!」

幼女「頑張れー!プリキュアー!頑張れー!」

幼女「すごい!プリキュアすごーい!」

幼女「ミラクウライト!」

幼女「頑張れー!」

幼女「……あれ」

幼女「ママ遅いなぁ」

幼女「……ママ?」

幼女「でも、プリキュアあるから」

幼女「お外で待ってるのかな」

幼女「プリキュア……見てう」





幼女「終わっちゃった」

幼女「ママ?」

幼女「ママどこ?ママー!」

幼女「ママ、ママーーー!!マーーーマーーーー!!」

幼女「う、うぅ……ママ……」

幼女「ママーーー!」

店員A「え、えっと、どうしたのかな?」

幼女「ママが居ない、の……」

店員A「そっか、どこではぐれちゃったの?」

幼女「ママ居ない」

店員A「うーん、参ったな……出る時にはぐれちゃったんですかね?」

店員B「かもなぁ、結構あるし……インフォメーションセンターに連絡入れないとな」

店員A「そうっすね、店内放送かけたほうが良さそうです」

幼女「ママ……うぅ、ママー!!」

店員A「あ、ダメダメ!お兄さん達と一緒にママ探そう?」

幼女「怖い……」

店員B「あーもう!怖がらせてどうするんだよ……あいつに任せよう。俺らじゃ怖がっちまう」

店員A「そうっすねー、呼んできますね」

店員B「ああ、頼むわ」

幼女「怖いよぉ、ママ……」



店員C「すみません、お待たせしちゃって」

店員B「すまんな、この子頼んでいいか。インフォメーションセンターには連絡入れてあっから、そこまで連れてって欲しいんだ」

店員C「はい、分かりました。えっと……君お名前は?」

幼女「ママは?」

店員C「うん、私と一緒にママ探そっか?」

幼女「……お姉さん、プリキュア?」

店員A「ぷふっ!」

店員C「そ、そうだよ~お姉さんはプリキュアだよ!だから、大丈夫!一緒に行こ?」

幼女「うん!すごい!変身できう?」

店員C「今はちょっと無理かなー?ごめんね!」

幼女「すごいなー!初めて本物見た―!」

店員C「きっとママ見つかるよ!だから、泣かないで、ね?」

幼女「うんー!わたしもプリキュアになるもん!」

店員C「ふふ、きっとなれるよ!私も小さい頃憧れたなぁ……どれみちゃんとか、懐かしい」

幼女「どれみちゃん?」

店員C「そうそう、お姉さんんの頃はそうだったんだよー」

幼女「そうなんだぁー!」

店員C「ふふ、君と同じだったんだ」

幼女「そっかー!」

店員C「あ、えっと……お名前聞いてもいいかな?」

幼女「わたしは『幼女』だよ!」

店員C「うーん、名前だけかぁ……全部言えるかな?」

幼女「全部?『幼女』だよぉ?」

店員C「参ったなぁー……しょうがない、あっちの人に任せよう」

店員C「失礼します。迷子連れて来ました」

従業員A「お疲れ様です、こんにちは!君のお名前はなんて言うのかな?」

幼女「『幼女』です!」

店員C「苗字まで言えないみたいで……」

従業員A「そう……えっと、映画館に居たって聞いたけど、何時頃かしら」

店員C「えっと、11時前くらいですね。ごめんなさい、私も仕事あるので、お任せしても大丈夫ですか?」

従業員A「はい、また何かあったら内線コール入れます」

店員C「分かりました」

幼女「おねーさんどっか言っちゃうの?」

店員C「うん、ごめんね。敵が現れちゃったから、やっつけに行かなくちゃいけなくて」

幼女「そうなんだ!頑張ってね!あ、こえ!」

店員C「あ、これ……ミラクルライトだっけ?」

幼女「これ振って応援してう!」

店員C「うん、ありがと!」

従業員A「……子供使い慣れてるのね」

店員C「あはは……」

幼女「またねー!」

従業員A「それじゃあ幼女ちゃんは、そっちに座ろっか」

幼女「うんー、おばさんもプリキュア?」

従業員A「おば……あ、あはは、そうだよーおばさんもプリキュアだよー!」

幼女「ほんとー!?わーい!」

従業員A「ママはどんな人だか教えてくれるかな?」

幼女「うん!えっとねー……怒ると怖いの」

従業員A「そっか、怒られるの嫌?」

幼女「うんー……怖いから」

従業員A「そうだよね!おばさんも怒られるのは嫌いだから、一緒だね」

幼女「いっしょー!」

従業員A「……他にはあるかな?」

幼女「ご飯がねー!美味しいのー!」

従業員A「そっかぁー!それは幸せなことだねー!」

幼女「しあわせー?」

従業員A「そう!うれしいってこと!」

幼女「そっかー!わたししあわせー!」

従業員A「うんうん……えっと、他にはあるかな?」

幼女「うーん、わかんない!」

従業員A「そっか!あとはー……おいくつかなー?」

幼女「4歳!」

従業員A「分かった!それじゃあ、お母さん呼んでみるね」

幼女「そんなこと出来るのー!?」

従業員A「このマイクに話しかけるとそうなのよ」

幼女「ほんとー!」

従業員A「おばさんが声をかけると、だから幼女ちゃんはしー、よ?」

幼女「しー!」

ピンポンパンポンッ

従業員A『本日はイオンモール○○店にご来店ありがとうございます。お客様に、迷子のお知らせを申し上げます。
赤い色のTシャツに、ピンク色の上着、青い色のズボンをお召になりました9歳の『幼女』ちゃんが2階サービスカウンターでお連れ様をお待ちです。お心当たりの方は2階サービスカウンターへお越しいただくか、またはお近くの従業員までお知らせくださいませ』

幼女「しゅごい!よくお店で流れてる人!」

従業員A「そうだよ~!」

幼女「ほんものだー!」

従業員A「ふふふ~」

幼女「今日は凄い一日だなぁー、早くママに言いたい!」

従業員A「うん、きっと会えるよ!」

幼女「うんー!」

――――――
―――


幼女「……お腹すいたなぁ」

従業員A「これ……食べて、おばさんからのサービス」

幼女「ほんとー!お子様ランチ!」

従業員A「ふふ、ゆっくり食べてていいからね~」

幼女「うんー!」




幼女「ごちそーさまでしたー!」

幼女「美味しかったぁー」

幼女「おもちゃもあるー!あけていいかなぁ……」

従業員A「ん?あ、食べ終わったのね。全部食べれた!偉いね!」

幼女「うんー!にんじんも食べたー!」

従業員A「にんじん、嫌いなの?」

幼女「うん……けど、ママが『ママもわたしのこと嫌いになって捨ててもいいの』って言ったから、わたしちゃんと食べる!」

従業員A「ッ!」

幼女「ママ遅いなぁー、にんじん食べたのになぁー」

従業員A「……ッ」

幼女「おばちゃん?」

従業員A「ちょ、ちょっと待っててね」

従業員A(まずい……これは、本当にまずい……)

従業員A(迷子なんてものじゃないわ、これは……違う、捨てられたのよ)

従業員A「すみません!今居る迷子の子なんですけど……」

従業員B「え?お母さん見つかったんですか?」

従業員A「ち、違います……その、捨て子である可能性が」

従業員B「……やっぱりそうか。この時間になっても来ないのはおかしい」

従業員A「も、もう一度店内放送をかけてはいけませんか?」

従業員B「いや、待ってくれ……さっきかけてから1時間たってない、お客様に不安を煽るようなことは出来ない」

従業員A「そんな……一人の子が!大変なことになっているのよ!?」

従業員B「し、しかし!」

従業員A「部長に言えばいいのよね?」

従業員B「ま、待ってくれ!」

部長「……さてと、昼行くかな」

従業員A「すみません、部長。今居る迷子なのですが……」

部長「迷子?お母さん見つかったのかい?」

従業員A「いえ……捨て子である可能性が」

部長「ふむ……いつインフォメーションセンターに連絡があったんだ?」

従業員A「11時前です。店内放送をかけたのは、11時半です」

部長「今何時かな?」

従業員A「……12時過ぎです」

部長「じゃあダメだな?」

従業員A「しかし!」

部長「確かに一人の子供は大切だ。だが、今フロアーに居るお客様も同じように大切だろう」

従業員A「……ぐっ」

従業員B「すみません、部長」

部長「いや、良いよ。君の気持ちも分かるからね。また1時間、2時間したらかけるといい。その間にお母さんは来ると思うがね」

従業員A「部長……!」

部長「私はお昼に行くよ」

従業員A「……」

従業員B「行きましょう、あの子があなたを待ってると思います」




幼女「ぴゅー!ぴゅー!あははは!変な音ー!」

従業員A「待ってるように見える?」

従業員B「げ、元気そうで良かったっす」

従業員A「部長があんな人だと思わなかった」

従業員B「だけど、放送かけたからって来るわけじゃありませんよ……」

従業員A「でも!なんかしないと落ち着いてられないじゃない……」

幼女「どうしたのー?」

従業員A「う、ううん、なんでもないわよ」

幼女「ケンカしてるの?」

従業員B「そんなことないさ、おねーさんとおにーさんは仲良しだからね」

幼女「おばちゃんも、おじちゃんも仲良しー!」

従業員B「ぐっ……お、おじ……」

従業員A「しょうがないしょうがない、お互い老け顔だもんねぇ」

従業員B「はー、おじさんかぁ……」

幼女「大丈夫ぅー?」

従業員B「ああ、大丈夫だよ……っと、そろそろ昼休憩終わりだ」

従業員A「昼休憩だったの?」

従業員B「そうっす、それじゃあ頑張ってくださいね」

夜。

従業員A「……警察に連絡、ですか」

部長「ああ、ここから先は私達の仕事ではない」

従業員A「……はい」

部長「感情移入してしまうのも分かる、一人の子供が親御さんを無くして居る状況だ。しかし、君に何が出来る。あの子を養えるか?」

従業員A「できません……」

部長「……現実を見なさい。私だって、あの子が気の毒でしょうがないんだ」

従業員A「……」

部長「私から電話をかけておく、あの子の面倒は見てもらっても構わないかな?」

従業員A「はい、分かりました」



店員C「ぴかぴかぴかりん!じゃんけん、ポンッ!」

幼女「勝ったー!」

店員C「負けたぁー!」

従業員A「あら、あなたはさっきの」

店員C「お疲れ様です、気になっちゃって来ちゃいました。大丈夫ですか?」

従業員A「ええ、でもなんでこの子が居るって?」

店員C「……普通、親御さんと会えたら『会うことが出来ました』っていう放送入りますよね?」

従業員A「よく聞いているのね、ちょっと嬉しいわ」

店員C「大変なんですね、店内放送だけじゃなくてこういうこともするって」

従業員A「結局は普通の事務員なのよね。あなたは、バイト?」

店員C「はい!バイトです……」

従業員A「こういう時、何も出来ない自分の無力さに苛立ちを覚えるわね」

店員C「……じゃあ、やっぱり」

従業員A「そういうこと、みたいね」

幼女「おねーさん!もっかいもっかい!」

店員C「よーし、次は負けないぞ!ぴかぴかぴかりん!」

幼女「じゃんけん、ぽん!」

警官A「遅れてしまい、申し訳ございませんでした」

部長「いや、大丈夫です。迷子の子も相手してくれる人が居たみたいですから」

警官A「は、はぁ」

幼女「パトカー?」

従業員A「……うぅ」

店員C「幼女ちゃん、きっと大丈夫だよ。大丈夫」

幼女「んー?」

店員C「安心して、きっとプリキュアがお母さん探してくれるから」

幼女「うんー!おねーさんもプリキュア頑張って!」

店員C「うん……」ダキッ

従業員A「頑張るのよ……」

警官A「それじゃあ、乗ってもらえるかな」

幼女「どこいくのー?」

警官A「……ママを探しにさ」

幼女「ほんとー!おまわりさん探してくれるのー!」

警官A「そうさ、おまわりさん、頑張るからね。……お二人もありがとうございました」

店員C「い、いえ、私は、そんな」

従業員A「絶対!お母さん見つけてあげてください!」

警官A「……ッ!心に誓います!」

店員C「お願いします」

バタンッ

幼女「またねー!プリキュアおねーちゃんと、プリキュアおばちゃーん!」

店員C「ま、またね!また会お!お母さんと一緒に!」

従業員A「そうよ!お母さんと一緒にねー!」

幼女「うんー!」



部長「……泣かせるじゃないか」

従業員A「今更泣いたって遅いですよ、部長はっ!」

部長「いやぁ……辛いもんだ、上に立つ人間ってのは融通が効かなくなっちまうもんだね」

従業員A「知りません!」

幼女「いーぬーの!おまわりさん、こまってしまって、わんわんわわーん」

警官A「……捨て子、かぁ」

警官B「バカ、声でけぇよ」

警官A「初めてですよ、俺。こういうの」

警官B「そうか……お前はこういうこと経験してなかったな」

警官A「はい、なんか物語とかの話しだけだと思ってました」

警官B「俺はさ、普通の窃盗とか、そういうものより残酷だと思うよ」

警官A「自分もっす……」

警官B「……やたら静かだな」

警官A「あ、寝てるみたいっすね」

警官B「無理もないよな……今日一日でいろんなことがありすぎた」

警官A「映画見てて、楽しい思いをしたと思ったら、親が居なくなるって、どんな気持ちなんでしょうね……」

警官B「知るかよ……とりあえず、自分は幸せに育ったんだなって自覚しておけ」

警官A「肝に銘じておきます……」

警官B「世の中にはクソみたいな親も居るもんだなぁ、ほんっと」

警官A「だから、誘拐事件ってのはあるんですね」

警官B「本当だな、誘拐されていないだけまだ良かったのかもしれない」

警官A「……必ず身元確認して、きちんと親族に返さないと、ですね」

警官B「そうだな」

――――――
―――


警官A「戻りました」

警官C「おつかれさん、その子か」

警官A「もう寝ちゃって」

警官C「無理もない、もう11時だしな……今日はここで寝かせるよ。簡易的だが布団もあるしな」

警官A「はい」

警官B「あとはお任せして、大丈夫ですか?」

警官C「ああ、問題ないよ。今日は帰っても平気だ、お疲れさん」

警官A「お疲れ様です!」

警官B「お疲れ様でした!」

警官B「よーし、かえっかぁ」

警官A「いや、自分ちょっとあの子について調べようかなって」

警官B「なんだ?泊まるのか?」

警官A「はい……泊まります。あの人達に任されましたから」

警官B「そうか、頑張れよ」

警官A「はい!」




翌朝。

警官A「……ん、あ、あぁー寝ちまったのか」

警官A「ふぁあ~……あっ、そうだ、あの子は!」

警官C「大変だ!!!」

警官A「ど、どうしたんすか!?」

警官C「あの子が居なくなった!朝食を運んでる間に消えた!」

警官A「ちょ、ちょっと待ってください!?どうやって逃げれたんですか!?」

警官C「そんなの分からん!探すの手伝ってくれ!」

警官A「子供の足っすよ!?そんな遠くまでは行けないですよね!?」

警官C「当たり前だ!自転車で探すぞ!」

警官A「ウィッス!」

警官A(きっと、お母さん探しに行ったんだ……!)



幼女「ママ、どこ……ママ、ママ」

幼女「怖いよぉ、お家帰りたい……誰か、ママ……」

幼女「おしっこしたい……」

幼女「一人じゃ出来ないよう」

幼女「う、うぅ、うぅぅぅ」

幼女「……」

幼女「気持ち悪いよぉ……」

警官A「くっそ、どこに居るんだ!」

幼女「!」

警官C「あっちのほう探したか?」

幼女(ここ……)

警官A「頼む、頼む!幼女ちゃーん!」

警官C「幼女ちゃん!出てきてくれ!ご飯食べよう!」

幼女(怖い怖い怖い、どっか行って、怖いよぉ……)

警官A「くっそおおおおおおおおおお!!!!!!!!どこに居るんだよぉおおおおおおお!!!」

幼女(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い)

幼女(怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い)

警官C「埒があかない……応援を呼ぼう!あと、市内放送かけてもらうんだ!くっそ、誘拐されてぇのか、あの子は!!」

幼女(やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだやだ)

幼女「ママ……」





――――ーーーーー
ーーーーーー
ーーー


.

女「……」

女「……‥…」

女「何してんだ、お前」

幼女「鬼ごっこ」

女「ふーん……」

幼女「いっぱい鬼いるの」

女「そうなんだ、大変だな」

幼女「うん」

女「……あのさ、なんでそんな痩せてんの?」

幼女「わかんない、水しか飲んでなかったらこうなっちゃった」

女「はぁ?お前家は?」

幼女「わかんない」

女「……あー、タダ事じゃないってわけか。そうかそうか……はー、とんでもない子に話しかけちゃったわけねー」

幼女「お姉さんは、何をしているの?」

女「私も鬼ごっこだよ、鬼がいっぱいいるな」

幼女「私と同じ?」

女「そう、お前と同じ」

幼女「……そっか」

女「とりあえずさ、これでも食えよ」

幼女「パン?」

女「そうそう、パンだよ」

幼女「甘いパンは勝手に食べると怒られるの」

女「良いから良いから、誰も怒らないし、むしろ食わないと怒られるよ」

幼女「ん……」

女「今まで水の他になんか食べたか?」

幼女「……草」

女「お前……」

幼女「美味しいのもあった」

女「そういう問題じゃねぇよ……」

女「……」

女「……あのさ、私お金持ちなんだよ」

幼女「お金持ち?いっぱいあるの?」

女「そういうこと、いっぱいあるぞー。家もでかい」

幼女「びんぼーじゃないんだ。わたしと違うね」

女「ああ、うーん……だからさ、私がお前を拾うよ」

幼女「え?」

女「お母さん、居ないんだろ?」

幼女「……うん」

女「市内放送でよく流れてる子だよな?」

幼女「知らない、知りません……お母さんは家に居ます。私はお使いを頼まれました」

女「今更そんなこと言っても間に合わないし……つか、それお前が考えたの?」

幼女「これいうと、みんなどっか行くから」

女「……そっか、案外賢いんだな、お前」

幼女「かしこい?」

女「人間ってのは、案外適応能力さえあれば軽々と生きていけるのかもなぁ。よし、んじゃ行くか」

幼女「うん……?」

女「私が育ててやるって言ってんだよ。今日から、私がお前のママだ」

幼女「ママは、もう居ないから」

女「だから、私が新しいママになってやるって言ってんの」

幼女「……わかんない」

女「そのうち分かるから、ついてきな。そこに車あっから」

幼女「うん」



女宅

幼女「家おっきぃー!」

女「んなことないけどな、もっとでかい家はある。そういうもんだ」

幼女「凄いー!綺麗ー!」

女「まぁな」

幼女「ここが新しいおうち?」

女「そういうこと、今日からお前はここで育つ」

家政婦「お帰りなさいませ、お嬢様。そちらのお子様は?」

女「あーそうか、今日は家政婦来てる日だっけ。この子はーえっと……親戚の子だよ。暫く預かることになったんだ」

家政婦「はぁ、なるほど。お名前は?」

女「……そうか、名前が必要だな」

家政婦「……はい?」

女「今のままの名前だと何かと問題がある……お前に新しい名前をつけようと思う」

幼女「名前……?」

女「……ああ、そうだ。お前の名前だ」

幼女「『幼女』だぉ?」

女「それではダメだ、お前の名前はこれから……『女子』だ」

幼女「『女子』?」

女「ああ、そう名乗れ」

幼女「わかんないけど、わかった!」

それから、10年の年月が流れた。

私はその後女さんに、小学校に入れてもらい、戸籍上の保護者も完全に女さんになった。
母親はこの10年間見つかっていない。
警察も、まだ捜索しているチームが存在するとの噂を聞いたが、DNA判定でもされない限り私が『幼女』であることはわからないだろう。
母親自身も、親族との関係は悪く、これは憶測だけど親族はきっと母親が私を捨てることを最初から分かっていたのだろう。

母親は別に恨んではいない。
あの母親に子供を育てることが出来なかったのは、10年間通して……やっと分かった。
『あの人もまた、子供だったのだ』

女さんが連れてきてくれた住まいは、完全にあの土地からも離れているし、優しくしてくれたスーパーのお姉さん達に会うこともない。
今考えると、あの時警官に保護されていたままだったら私はどうなったのだろうか。
それは今考えても分からないことだし、私は今の生活が嫌いじゃない、むしろ好きなので考えないことにしている。

次は高校受験も控えている。
本物の我が子のように、私を育ててくれた女さんは、しっかり私を高校まで連れて行く気らしい。
私は、申し訳ない気持ち半分、感謝の気持ち半分だった。
何故ここまで女さんがしてくれるのかは、10年たった今でも分からない。

きっと考えても無駄だし、それは女さんにしか分からないことなので、考えないことにしているのだ。

女子「おはようございます」

女「おはよっ、朝ごはん出来てるよ」

女子「ありがとうございます」

女「まーた、他人行儀して。本物の家族だろー?」

女子「ご、ごめんなさい……」

女「すぐ謝る癖も直す!じゃないと高校やってけないぞー?」

女子「はい」

女「で、最近中学の方はどうなのよ?」

女子「明日友達と遊びに行く予定です」

女「そっか、ちゃんと中学生やってんじゃん」

女子「はい、女さ……お母さんのおかげです」

女「あはは、まだ慣れない?小学校の頃はずっと『女さん』だったしね。無理もないか」

女子「はい……ごめんなさい」

女「まーた」

女子「は、はい!」

女「ま、テストの成績も良いし……行きたい高校も普通に行けそうだし。育て甲斐のない子だわ~」

女子「じょ、冗談です、よね?」

女「当たり前だっての!そういうとこ空気読めないと友達居なくなっちゃうからな~?」

女子「はい、ごめんな……はぷっ」

女「んー、今のは可愛いからポイント入るかな」

女子「は、はぁ」

女「って、もうこんな時間か。行かないと!」

女子「はい、行ってらっしゃい」

女「じゃねー、今日も遅くなるから!先ご飯食べてて!」

女子「分かりました」

女子「私も行かないと」

中学校

委員長「おはよう、女子さん」

女子「おはようございます、委員長」

委員長「明日の予定なんだけど、ショッピングモールでいいかな?」

女子「ショッピングモール?大丈夫だよ!」

委員長「良かった、ふふ。女子さんと買い物ずっとしたかったんだ」

女子「本当?実は私も!」

委員長「相思相愛だったのね」

女子「待って、委員長それ意味が違う!」

委員長「あれれ?」

女子「委員長なのにー」

委員長「別に好きで委員長やってるわけじゃないから……」

女子「そうなの!?」

委員長「みんながやらないから、仕方なく私がやってるだけ!」

女子「やっぱり委員長だ!」

委員長「ううん、わかんないね!」

女子「そうだね!」

ポニテ「おはよー!」

ツインテ「おっはー!」

委員長「おはようございます、二人共」

女子「おっはよー!」

ポニテ「何々?ショッピングモール行くんだって?」

ツインテ「私達も明日行こうと思っててさー、一緒に行かない?」

女子「え、ええっと、委員長が良ければ」

委員長「私も女子さんが良ければ……」

ポニテ「もう!夫婦かっ!」

ツインテ「まったくだ!」

女子「じゃ、じゃあ行きましょうか!」

委員長「ワイワイ行くのも楽しいし!」

ポニテ「けってーい!」

1限

女子「……」カキカキ

トントン

女子「……ん?」

ポニテ「これこれ」

女子(手紙?)

女子(……えっと、ツインテさんが誕生日だから、何を買うか、かぁ)

女子(よし……『アクセサリー』っと)

女子「はいっ」

先生「こら、何してる」

ポニテ「あっ!」

先生「見せなさい」

先生「……ふむ、こういうのは授業中にやらないこと、分かったな?」

ポニテ「はぁい」

女子「ご、ごめんなさい」

休み時間

ポニテ「いやーまずったまずった」

女子「ちょっとドキドキしちゃった」

ツインテ「何の交換してたの?」

ポニテ「内緒ー!」

女子「内緒!」

ツインテ「何を、生意気な!」

委員長「い、委員長として言わないとダメかなぁ、ダメってこと!」

ポニテ「それは勘弁!もう言われたし!」

女子「そうそう!」

委員長「そ、そっか!」

ツインテ「もー!気になるー!」

ポニテ「内緒だもんねー!『先生も内容見て、言わないでくれたのかな?』」

女子『多分、そうですね』

ツインテ「今度はひそひそ話かぁー!!」

給食

ポニテ「給食飽きたー」

女子「そうかなー?私は飽きない!」

ポニテ「だってさー、ご飯に牛乳だよ!?おかしくない!?お茶にしろよ!日本人だろうがー!」

女子「それは思うけど!」

ポニテ「あとこのサラダ嫌いでさー……女子さんは嫌いなものとかないの?」

女子「うーん、無いかな!昔から嫌いなもの無かったんだー」

ポニテ「そうなの!?健康体め!だから、これが育つのか、くそう、くそう!」

女子「こ、これって」

ポニテ「その胸じゃ!」

女子「ご、ご飯食べてる時に!」

先生「お前らうるせぇ!」

ポニテ「すんませーん!」

女子「も、もうー……」

掃除の時間

ポニテ「今日女子の家行っていいー?」

女子「あ、えっと、う、うちは親が」

ポニテ「そうだったー、忘れてた……ツインテのプレゼント相談しようかなーって思ったんだけど」

女子「そういうことですか……うーん、それじゃあ少しだけ、なら。親が帰ってくるまでですが」

ポニテ「ほんと!やったー!」

委員長「何の話しですか!」

ポニテ「あ、委員長!調度良かった、あのね、ツインテのことでー……」




自宅

女子「ど、どうぞ」

ポニテ「家、デカッ!?」

委員長「す、凄い……」

女子「あはは、入って入って」

ポニテ「くっそ!くっそ!スタイルバツグン、成績優秀、美人で、金持ちのお嬢さんってどんだけ幸せな家庭に産まれたんだー!」

女子「あはは……そういうわけじゃないんだけども」

委員長「はっ、まさか……まだ何かあるのでは!?」

女子「ないない!私の部屋行こ!」



ポニテ「うわー、綺麗にしてあるー優等生の部屋だー、なんか良い匂いもする」

女子「匂いまで嗅がないで!?」

委員長「あ、こ、これは!?」

女子「あー……見つかっちゃった?」

委員長「プリキュア!?プリキュアですね!?懐かしいーーー!!女子さんってもしかしてアニオタな感じだったのー!?早く言ってよー!私もなんだけどー!」

女子「あ、いや、プリキュア、だけです……」

委員長「なん……ですって……」

ポニテ「今の完全に自爆だねー」

委員長「はぁ……」

女子「で、でも委員長が見てるのなら見ようかな!」

ポニテ「なんでプリキュアだけあるの?」

女子「小さい頃のあこがれ、っていうのかなぁ……なんか名残で残しておいてる感じ」

ポニテ「そうなんだ、なんかこー……BD全巻揃ってると凄い綺麗に見えるね」

女子「そ、そうかな?」

委員長「恐るべき、女子さんの財力です……」

女子「あはは……私がお金持ちなわけじゃないんだけど」

ポニテ「よし!女子ちゃんのことも分かったし!ツインテへのプレゼント考えよ!」

委員長「そっちが本題だったね」

女子「私はアクセサリーがいいと思うなぁ……ネットで見ると結構安いんだよね」

ポニテ「6800円は安くない!」

委員長「そ、そうだよ!!」

女子「え、えー、でもみんなで割り勘すれば……」

ポニテ「あ、そうか、2000円ちょっと……うーん!悩むねー!」

委員長「出来れば身近につけられるものが良いよね」

女子「ネックレスかブレスレット、髪留めとかになるよね」

ポニテ「髪留め良くない?学校とかにもつけていけるし」

委員長「けど、あんまりキラキラしたのは校則違反ですよ。基本黒色のゴムですから」

ポニテ「委員長っぽいこといった……」

委員長「委員長ですから」

女子「じゃあ、休日につけられる奴かぁ……」

ポニテ「あたし結構ツインテと休日うだうだしてるからさー、あいつの基本コーデとか思い出して合いそうなのにしよっか」

女子「それだ!」

委員長「思い出せますか?」

ポニテ「えーと、えーと…………あ、そうだよ、プリ見れば良いじゃん!」

女子「おお!」

ポニテ「これだー!」

委員長「ぽ、ポニテさんの変顔……」

女子「ぷぷ……」

ポニテ「そこ見るとこじゃない!」

女子「これなんてどうかな!?」

委員長「お、おおお!」

ポニテ「値段値段!」

女子「4800円……!」

ポニテ「よし!それだ!割り勘すれば安い!」

女子「どうする?明日こっそり買う?」

委員長「そのお店にあると良いんだけど」

ポニテ「予約だー!聞いてみよー!」

女子「出来るの!?」

ポニテ「わかんない!けど、やらないよりやる!」

委員長「猪突猛進……」

ーーーー

女子「上手く決まったみたいでよかったぁ」

ポニテ「だね!明日が楽しみ」

委員長「そうですね!それじゃあ、この辺で私達は」

ポニテ「えーもっと居たいー」

女子「ごめん、そろそろ女さ……お母さん帰ってくるから」

ポニテ「そっかー……じゃあ仕方ない!家庭の事情には逆らえない!」

委員長「今日はありがとね、場所提供してくれて」

女子「ううん、こっちこそ、呼んでみてよかった!」

ポニテ「また遊ぼうねー!今度はツインテ入れて来よう!」

委員長「そうだね!」

女子「また明日ねー」

ポニテ「また明日!」

委員長「さよなら~」

女子「ふぅ……」

女子「よし、片付けして、晩御飯作らないと……」




翌朝。

女子「おはようございます、お母さん」

女「おはよ、今日は早いね」

女子「はい、たまには私が朝ごはん作ろうかなって」

女「晩御飯作ってもらってるのに、悪いなぁ。ありがと、貰うよ」

女子「はい!」

女「なんか嬉しそうだね、ああ、そうか今日ショッピングモール行くんだっけ?」

女子「そうなんです、友達が誕生日なので……」

女「あーそれで昨日人来てたのか」

女子「ッ!?ど、どうしてそれを!?」

女「案外分かるもんだよー、女子や私以外の人間がこの家に入った時の感覚の差異は」

女子「ご、ごめんなさい、無断で」

女「いいよいいよ、大丈夫だって。ここは女子、お前の家でもあるんだからさ」

女子「……は、はい!」

女「よーし、女子の飯食ってエネルギー満タンだし、行くかなぁ~」

女子「はい!いってらっしゃい、今日は少し晩御飯が遅くなるかもしれないのですが……」

女「そう?あーじゃあ私が早く帰ってきて晩御飯作るよ!ゆっくり楽しんできな、自己責任出来る程度の時間までなら許すからさ」

女子「そ、そんな、悪いです」

女「今日朝ご飯作ってくれたお礼だよ!じゃね!」

女子「あっ……ふふ、よかった」

女子「よし、私も行こっと!」


ーーーーー

その日放課後。


ポニテ「時は来た!放課後だー!」

ツインテ「ショッピングモールだけで、テンション上がりすぎだし!」

女子「私もちょっとテンション上げていきます!」

委員長「私も!」

ツインテ「みんな変なのー、じゃあ行こっか」

ポニテ「おー!」



大型ショッピングモール

ポニテ「よーし、まずはどこから行くかぁー?」

ツインテ「無難に服とか?」

委員長「て、提案があります!」

女子「はい!委員長!」

委員長「ちょっと、私は女子さんをお借りしてもいいですか?」

ツインテ「え?二手に分かれるってこと?」

ポニテ「ほほう?そういう百合の花道……」

委員長「そんなんじゃありません!た、多分」

女子「多分っ!?」

ツインテ「え、えっと、ポニテはどうする?」

ポニテ「二人の邪魔は出来ないなぁ~?」

ツインテ「うぐっ……そ、そういう関係なら、仕方ないか」

女子「あ、あれ?」

委員長「……」

女子「まんざらでもない顔しないでよ!?」

ツインテ「わ、分かりました。それじゃあ1時間後にまた集合というのはどうですか?」

女子「わかりました!」

委員長「ふふふ!」

女子「怖い!」

ポニテ「じゃあ、いい時間になったらLINE通話よろー!」

女子「はい!」

委員長「うまい具合になりましたね」

女子「よし、それじゃ行こっか」

委員長「はい!」ガシッ

女子「腕組み!?」

委員長「そういう設定になっていますから」

女子「委員長、怖い~!」



女子「ここかな」

女子「あの、昨日予約したものなんですが……」

店員「あ、はい!えっと、女子さまでしょうか?」

女子「はい!み、身分証明書とか必要ですか!?」

店員「あはは、大丈夫ですよ!こちらで大丈夫ですか?」

女子「はい、大丈夫です。あの……ラッピングとかっていうのはできますか?」

店員「はい、承っております。無料でラッピングさせて頂きますね」

女子「お願いします」

委員長「凄い、女子さんって大人っぽいですよね……対応とか」

女子「そ、そうかな!?結構心臓ドキドキだったよ」

委員長「どれどれ」

女子「やめ!?」

委員長「女子さぁん……!」

女子「やめー!」

店員「お、お待たせしました……」

女子「は、はい……なんかすみません」

店員「あはは……ここにお名前とか書けるんですけど、書きますか?」

女子「はい!貸してもらって良いですか?」

店員「どうぞ!」

委員長「女子さんの綺麗な字で!」

女子「あはは……Dear ツインテっと」

店員「はい、ありがとうございました!またご利用ください!」

委員長「買えましたね~!」

女子「うん!どうしよ、時間潰す?」

委員長「そうですね~、ベンチとか座って、ふふふ……」

女子「で、電話しようかな~!?」

委員長「そんなぁ!」

女子「……もしもし?ポニテさん?うん、終わったよ。えっと、映画館?分かった、今から行くね」ピッ

委員長「映画館ですか?」

女子「うん、ここの3階にある奴」

委員長「行きましょっか、ゆっくりと」

女子「待たせてるから、早く行こうね……」

ポニテ「こっちこっち!」

ツインテ「う、腕組んでる、やっぱり!?」

女子「おまたせ~って違うよぉ!?もうー!」

ポニテ「実はさ~映画見たくなっちゃってさ~!」

女子「映画?」

ツインテ「ポニテがほんっと、わがままで!」

委員長「何の映画ですか?」

ポニテ「今やってるジブリだよー!」

委員長「あ、それ見たかったんです!見ましょう!」

女子「映画かぁ、映画館では見たことなかったなぁ」

ツインテ「え、そうなの?」

女子「うん、大体家のテレビで買った映画を見てたよ」

ポニテ「まさかの初映画かー!」

委員長「初映画をもらっちゃいます!」

女子「あはは……」

ポニテ「えーっと、中学生4枚で!生徒手帳出してー」

ツインテ「はいはい」

委員長「はい」

女子「は……」

女子「……?」

ドックン……ドックン……。

女子(な、何これ)

ポニテ「女子ー?早くー!」

女子「あ、は、はいごめんなさい」

ドックン……。

ポニテ「ポップコーンも買お!」

ツインテ「太るよー?」

ポニテ「ビッグサイズ買ってみんなで食べよ!」

ドックン、ドックン、ドックン……。

女子「あ、あ、あれ……」

ーーーーーーー


母「えっ□、大人1枚と子□1枚……」


□員「畏まり□した、指定□□□ございますか?」


母「ど□□□いいです」


店員「はい、それではJ-0□番J-04□でお取□□□した。開場は1□□□になっています。あ□が□うご□□□した」


□女「マ□、ポッ□□ーンは~?」


母「買わ□□わよ……」


幼女「えー!欲□□□しい!」


母「そんなお□□□の」

幼□「びん□ーな□?」

□「ッ!□」

幼女「ご、□めん□□い」

母「……□ぁ」

□女「□マ、荷□□つー?」

母「い□□よ、変な□□□わなくても……」

幼女「う□」

母「□…」














幼女「ママ?」

女子「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」

女子「やだ、やだ……やだ……嫌、嫌……やだ!!」

ポニテ「ちょ、どうしたの?」

委員長「じょ、女子さん?」

女子「た、助け、やだ……映画、ダメ……あ、ああ…‥ママ……」

ツインテ「ポニテ!あっちの椅子に!」

委員長「私も手伝います!」

女子「はぁ……はぁ……あ、お、う……うぇえ……」

ポニテ「ちょ、まずいまずい!吐いてる!」

ツインテ「私店員さん呼んできます!」

委員長「女子さん、女子さん!しっかりしてください!」

女子(ああ……ダメだ、意識が……遠くなる)

女子(なんで忘れてたんだろ、私とママの最後の記憶を)

女子(ダメだ……友達に、こんなとこ、見せたら、もう……)

女子(……)

私は病院に運ばれた。
病院に行っている間に、吐いたり、糞尿やらを出していて、仮死状態になっていたらしい。
らしい、と言うのはもちろん私に記憶が存在しないからだ。

私の友達であった、ポニテ、ツインテ、委員長は心配してくれていた。
だけど、私がもうその心配を拒否してしまった。
何故ならば、心配してくれても無駄だからだ。
私は忘れてしまっていた記憶を思い出してしまった。
トラウマによって、深く深くに埋もれていた記憶。
ひょんなことから、私はママとの記憶を思い出してしまい、あの時何があったのかを思い出してしまったのだ。

私は、その映画館に行った日の記憶が無い。
この日記に書いている内容は、後から聞いた話である。

私は元々壊れていた、それを女さんの手によって治されて、きちんとした真人間になった。
しかし、引き金というのは簡単に引けるもので、私は幸せな生活をまた手放してしまったのだ。




私は……全てを拒否した。



「嫌だ」


と。

委員長「おはようございます、女子さん」

女子「……」

ポニテ「おはよ!女子ー?」

ツインテ「ポニテっ!」

ポニテ「……」

委員長「……」

女子「……」

みんなから出したお金だったので、ツインテさんへのプレゼントはきちんと渡された。
しかし、ツインテさんにとって最悪な誕生日になったということは言わずもがな。
私は謝っても謝りきれないことをした。

誰もが私は悪くない、と言う。
だけど、私は私に対する自己嫌悪が強すぎる為、私は私を攻め続ける。
何故なら、私は私が嫌いだからだ。

あの母親の娘であることに初めて憎しみを持った。
私だけが被害を被る分には良かった、だが、今回は巻き込んでしまった。

私は一人であるべき存在だ。

女さんからも独立しなければいけない。

そのうち学校へ行かなくなった。
委員長、ポニテ、ツインテの3人は私の家に来ることはあった、だけど女さんが拒否してくれた。

次に来た時はきちんと私から言わなければと決心をした。

女さんは、というと……私を独りにしてくれた。
私が独りになりたいというと、独りにしてくれる。
そうして、潰れそうになった時に、支えてくれる。

女さんは、そういう人だった。
私にとって本物の母よりも母のような存在である、女さん。

私は思い切って聞いてみた。

「何故そこまで私にしてくれるのか」

と。
すると女さんはこう言った。

「それは女子高生になった時に教える」

と。



私は高校受験は受けることにした。
その謎だけは知りたかったからだ。
そのまま女さんがその謎を墓にまで持って行っては、私が納得しきれないのだ。

2月

女子「……」

(11256……11256……11256……あった)

女子「……」

女子(合格していた、良かった。これで……女さんとの約束を果たせる)

女子(私はこの為だけに生きてきた、あとはどうでもいい……それさえ知れれば私はどうなっても良い)



私はもう一つだけこの時疑問に思っていたことがある。

女さんの職業だ。
私と女さんが話すのは、日曜日終日と、朝と夜ご飯の時だけだった。
私自身が触れなかったというのもあるが、私はこの11年間女さんの職業を知ることはなかった。
お金持ちなので、社長か何かだろうと思い込んでいた。

きっと、その事も女子高生になったら分かる。
そう思ってた。

4月

高校の入学式。

女子「……」

女子(何故女さんは、私の『女子高生』というのに拘るのだろうか)

女子(実際私は女子高生になった)

女子(……だけど、なかなか教えてくれる気がしない)

女子(また先延ばしにされてしまうのだろうか)

ポニテ「ちょ、ちょっと、ちょちょーーーい!!」

女子「……え?」

ツインテ「ちょ、ポニテ、待って!」

ポニテ「待ってじゃないよ!よー!!うわ、うわ、うわぁああ!!」

女子「つ、ツインテさんと、ぽ、ポニテさん?」

委員長「私も居ます!」

女子「い、委員長!?」

ツインテ「久しぶり、女子」

女子「な、なんで、みんな、ここに……?」

ポニテ「いやー、実はさー?ツインテのパピーがここの理事長なんだよねぇ?」

ツインテ「それで、女子さんがここを受けるのを知ってて……私たちも受けようってなって」

ポニテ「レベル高くて、何回自殺考えたことかー」

委員長「ポニテさん!」

ポニテ「い、いけね!ごめんごめん」

女子「どうして……どうして……」

ツインテ「だってさー、気になるよ」

ポニテ「私達友達だしさ」

委員長「わ、私は、その、友達以上でありたいです!」

ポニテ「何を!それなら私はさらにその上を行く!」

女子「あああああ……」

ツインテ「じょ、女子!?」

女子「う、うぅ、ぐすっ……」

委員長「……よしよし」

女子「みんな優しすぎるよぉ……」

ポニテ「そ、そうかなー?照れるなー?」

ツインテ「ポニテはもうちょっと治すべき所あるけどね!」

委員長「ふふ!これで元通り!」

女子「私、いいの?みんなの事拒否して、独りになりたいって思ってて、だけど、やっぱり、独りは寂しくて……」

ツインテ「辛かったな」

ポニテ「も、もう泣くなよ!わ、わだじまで!」

ツインテ「だ、ダメ、こら!もう!」

委員長「ふ、ふふ……ぐすっ……」

私達は4人で泣いた。
路上で泣く4人の女子高生と言う異様な光景に、道行く人達は視線を釘付けになっていた。

私は独りじゃなくなった。
この1年半、独りだった私は、どこかへ消えてしまった。

消えたのではなく……今の私に吸収されたのだ。

私はまた平穏な高校生活を送れる。

この時ばかりは、そう思っていた。





そう思っていたのだ。

女子「ただいま」

女「おかえり」

女子「……私、もう大丈夫です」

女「ほう?」

女子「ずっとこの世の中に絶望をしていました。私を産んだ母親や、世の中の仕組みに」

女「ふむ」

女子「だけど、それらをも超える存在がありますから……」

女「成長したな」

女子「……っ!はい!」

女「では……全てを話そう」

女子「……!」

女子(とうとう来た、全てが分かることが)

女「……女子、私の仕事はなんだか知っているか?」

女子「……?私は勝手に社長業とかだと思い込んでいました」

女「ああ、うん、大体あってるわ」

女子「だ、大体?」

女「あのな……私は裏稼業って言えば分かるかな。そういうのに手を出している人間だ」

女子「……は?」

女「私とお前、初めて会った時のことを覚えているか?」

女子「は、はい……」

女「あの時、お前は『鬼ごっこ』をしていると言ったな。私も同じだとその時言った、分かるか?」

女子「……分かりません」

女「賢い頭でも分からないか、それとも信じたくないのか」

女子「……」

女「私はね、あんたを売ろうと最初思っていた」

女子「ッ!?」

女「『女子高生になったら』と言っただろ、女子高生は高く売れるんだよ。分かるよな?そういう需要と供給の関係ってのは」

女子「そ、そんな、嘘です!」

女「嘘じゃないんだよ、これが。ごめんな」

女子「……」

女「まぁ、さっきも言った通り『最初』思っていただけだ。今は違う、お前を売ろうなんて思っていない。勿体なさすぎるからな」

女子「な、なら……どうするというのですか!?ここまで育ててくれた、私を!?」

女「私の後釜にしようと思ってな」

女子「……後、釜?」

女「そゆこと。お前は頭が良い、おまけにスタイル抜群、顔も可愛い、しかも女子高生ってことで成長率が高い。これより良い人材居るか?」

女「私が手塩にかけて育て上げたんだ……意味が分かったかな?」

女子「……裏稼業と言うのは具体的に何を」

女「そりゃ、人身売買やら、裏AV作成……いや今裏AVなんて言わねーか。そういう『市場に出まわっては行けないもの』を扱うわけ」

女子「そういうお金で私は生きてきたんですか……」

女「そうだよ。あんたがいつも食べてる朝飯、晩飯はそういう金だよ。お前の!大好きな!名残惜しいと言って残っている、プリキュアのBDもな!」

女子「ぐっ……」

女「……良い母親を演じるのも飽きた。これからは、良い上司を演じていく」

女子「……少し考えさせてください」

女「良いだろう、最も……拒否権なんて無いけどな?そんときゃお前を売るだけだ」

バタンッ

女子「……」

女子(せっかく……せっかく……)

女子(普通の女の子になれるって思ったのに……)

女子(裏稼業なんて、よく分からないし……)

女子(それに、絶対に法律違反はしている

prrrrrr

女子「……ポニテ?」

pi

ポニテ『もっしー?女子ー?』

女子「うん」

ポニテ『あ、今他も入れるわ~』

ツインテ『もしもし?』

女子「もしもし~」

委員長『女子さん、こんばんは』

女子「うん!こんばんは」

ポニテ『いやー暇だからさー、電話でもーってねー』

女子「あはは、突発的だね」

ツインテ『ポニテはいつもそうでしょ』

委員長『でも、それがポニテさんの良い所?』

ポニテ『やっぱりー!?そう思うー!?』

女子「あ、はは……」

ポニテ『女子何してたー?』

女子「い、今、教科書に名前書いてた」

ツインテ『私もやらないと』

ポニテ『やっば!忘れてたー、ナイス女子ー!』

委員長『もう私は学校で書いちゃいました』

ポニテ『早っ!さっすが委員長!あ、そうだよ、委員長またやるんでしょ?』

委員長『うん、出来ればやりたいなって。なんだかんだでこの役職が好きになっちゃって』

ツインテ『流石委員長ね』

ポニテ『どうしよっかなー!黒板委員会とかって無いのかなー!?』

ツインテ『もう中学じゃないし!』

ポニテ『無いかー!作るか!』

ツインテ『出来るわけないし!』

委員長『ふふ』

コンコン

女「女子ー?ご飯出来たよ、食べれる?」

女子「あ、は、はい!今行きます」

ポニテ『何々?ご飯?』

女子「うん、ごめんね!あとでまた参加する!」

ツインテ『いってらっしゃい』

ポニテ『いてらー!』

委員長『いってらっしゃい~』

pi

女子「……やっぱり、私は友達を裏切りたくない」

女子「だって……あの3人は私を裏切らなかったから」

ガチャッ

女「よっ、答えは出たか?後輩ちゃん」

女子「……はい」

女「早いな、飯食ってからにするか?」

女子「いえ、平気です」

女「そうか……どうするんだ?」

女子「私は友達を裏切れません……」

女「友達、か」

女子「はい、私には私を裏切らなかった友達が居ます」

女「ふーん?それで、断るってことか?」

女子「いえ……私を高校に通わせながら、その裏稼業……出来ませんか?」

女「ほう……私は辞めさせる気満々だったが。指定した学校は相当頭の良い所だったからな、判断基準と女子高生という称号のためだけに高校に入れた、が」

女「悪くないか……考えておこう」

女子「本当ですか!?」

女「しかし、後釜教育のほうが厳かになった場合、即退学だ。良いな?」

女子「それくらい分かっています、何故ならーーー私は貴女の娘だからです」

女「言うようになったな、増々気に入った。今日は後釜が決定した記念すべき日だ……豪華な夕食にしよう」

女「おい!入って来い!」

男「はいっ」

女子「ッ!?そ、その人は?」

女「私の旦那だよ」

女子「え、えぇ!?け、結婚されていたんですか!?」

女「言ってなかったっけ?」

女子「一言も聞いていません!」

女「そっか、じゃあ今言う」

女子「マイペースすぎます……」

男「君が女子くんだね。よろしく、女の夫、男というものだ。裏稼業についてはもう聞いているね?」

女子「は、はい」

男「なら、こういうのに一度触れておくと良い」カチャッ

女子「え、え、ほ、本物ですか!?」

女「そりゃモノホンだ。じゃないと使い物にならないだろう?」

女子「じゅ、銃刀法違反です!」

男「ぷっ、あっはは!面白いこと言うね、君の後釜」

女「何、これからだよ。私みたいになるのはさ」

女子「……は、はぁ」

女「ま、こいつのことはなんとでも呼ぶといいよ。私の後釜になるってことは、つまりこいつの上司になるってことだからさ」

女子「じょ、上司ですか?」

男「そのまま就任するならば、そうなります」

女「ってことで、頑張れよ」

女子「は、はい……」

女「さ、ご飯だご飯!!」飯飯!!持って来い!」

男「はいはい」

女子(なんか裏稼業ってそんなに怖くないのかなぁ……拳銃は怖いけど)

女「おー、今日は女体盛り?」

男「良い人材が入ったからね」

女子「ぶふっ!」

女「これいくら?」

男「36」

女「うーん、微妙じゃない?」

男「そう?安価にしては、そこそこの質だと思うけどね」

女子「あ、あのー……」

女「あ、食べていいよ?胸の上とかにある刺身とか。まぁーサンプルだからさ、こういうのがあるっての覚えておいてよ」

女子「は、はぁ……し、失礼します」

女体「……」

女子「さ、寒くないですか?」

女体「……」

女子「た、食べにくい」

女「おいおい、商品に話しかけてどーすんのよ。答えるわけ無いでしょ、そういう契約なんだし」

女子「そうなんだ……」

女「いっそそっちになってみる?女体盛り」

女子「絶対嫌……」

女「だよね、私もやったことないわ。つーか、女子まだ処女だろ?とっとけとっとけ」

女子「うーん、そういう系をする裏稼業なのに処女って良いのかなぁ」

女「だったらうちの旦那で卒業する?」

女子「い、いいや……」

女「そうか、まぁ気にすんな。これからいろんなプレイ見ていくし、処女でもなーんも問題ないよ。勉強さえすればさ」

女子「そ、そうなんだ」

女「おう、そうだぞ」

女子「変な世界……」

女「それに関しては、私も同意する」

女子「もし、私が頭悪いバカだったらどうしてた?」

女「女体盛りにしてた」

女子「良かった、勉強して良かった……」

女「努力は裏切らないもんな、よくやったよ」

女子「う、うん……」

女「……それともう一つ、母親のことだ。私のことじゃなくてな?」

女子「うっぷ……」

女「……やっぱりあの時から重症だな。克服してもらわなければ困る」

女子「そ、そうだよね……」

女「私らは、お前みたいな捨て子を拾って商品にしてる……お前みたいな境遇の人間は山のように居るってことだ。その度吐き気を催されるのは困る」

女子「はい……」

女「……まぁ言っても定期的に母親の話題出すくらいしか方法がないけどな」

女子「そう、だよね……うん、頑張ります」

女「良し、お前の『頑張ります』は本当に頑張るやつの言葉だからな、信用している」

女子「ありがとうございます」

女「……お友達とやらと電話してたんだろ?続き、しなくていいのか?」

女子「は、はい!」

ポニテ『でさー、うちのおかーさんってば!割り箸ですっ転んでんの!』

女子「た、ただいま」

ポニテ『あ、おかー!』

ツインテ『おかえりなさい』

委員長『女子さん!おかえりなさい!』

女子「何の話し?」

ポニテ『うちのおかーさんの話しー!割り箸で足滑らせてさー!』

ーーーーーー
ーーー








.

2年後。

ポニテ「あー……進路どうしよう」

ツインテ「私は大学かなぁー」

ポニテ「ツインテと同じ大学にしよっかなぁー」

ツインテ「金魚のフンか!」

ポニテ「うんこ言うな!」

委員長「私は留学を考えてるけど、女子さんはどうするの?」

女子「あ、あー……就職、かなぁ」

ツインテ「就職?大学には行かないの?」

女子「いや、もう決まってる、というか……」

ポニテ「まさか……お金持ちセレブママの跡継ぎ!?」

女子「なんで知ってるの!?」

ポニテ「え」

ツインテ「えっ!?」

委員長「えぇ!?」

女子「あっ……」

ポニテ「マジだったかぁー……そうだよねぇ、女子は頭良いもんねぇ、大学行く必要無さそうだもんねぇ……」

ツインテ「じょ、冗談じゃなく?」

女子「う、うん……あ、あとはー転勤も多いだろうから、み、みんなには会えなくなっちゃう、かも」

委員長「えぇ!?」

ポニテ「いや、委員長元々留学なんだから会えないじゃん!?」

委員長「それとこれとは違います!」

女子「あはは……ごめん」

ツインテ「謝る必要ないでしょ……普通に凄いことだから、誇っても良いと思うし」

ポニテ「どんなことしてるの!?」

女子「そ、それは、言えないかなぁ、あはは」

ポニテ「出た、企業機密!」

ツインテ「もう社長になりつつあるのね!」

委員長「女子さんが遠くなってしまう……」

女子「そ、そんなことないよ?通話とかだったらできるし!」

ポニテ「ならいいじゃん!ね!」

委員長「そうだけど~!」

ツインテ「……高校生活ってあっという間だね」

女子「うん、でも……一番幸せだった」

ポニテ「臭い台詞だー!!」

委員長「良いんです!女子さんには似合いますから!」

ツインテ「いやいや、それはどうだろう」

女子「ご、ごめんね」

ポニテ「すぐ謝る所も女子だよねー」

ツインテ「そうそう」




そんな感じで
私達は高校を卒業と共に、各自の道を歩むことになった。

私だけ、物凄い変な所に、だけど……。

裏稼業について学んだことは、世の中の経済学だった。
所謂ヤクザっていう存在が認められているのは、お金の周りが良くなる……つまり、経済の活性化によるものだ。
一部では警察とグルになっている所もあるくらい。

なので、私は経済学の勉強もした。
女さんから、需要と供給について詳しく教えて貰って、取り扱う価格の設定方法や、相場操作……。
また、品質管理や取引先への対処方法等も教わった。
みんなの前では高校生の私で話すけど、お仕事をする時はメリハリをつけるために口調も変わった。
そうすると、男さんに「後釜っぽくなった」と言われる。

女さんからは、とにかくよくやったと褒められた。
そもそも女さんは努力することを惜しまない人間が大好きみたいで、男さんもそうだったみたい。
女さん自身も相当努力をして、この業界に居るっていうことを知ってから、増々気合の入れ方が変わった。

母親のトラウマも少しずつだが、克服をしている。

私は捨てられて、拾われて、今こうして拾う側の人間になっている。
その光景は、とても不思議で、夢の様な感覚。

夢の様な……。

男「大変だ……下の奴らがやらかした」

女子「あんだって?」

男「子供を無理矢理誘拐をした……」

女子「おいおい、私達の稼業はあくまで『捨てられた子供を拾う』って方法だろうが。どこのどいつだそんなことしたの」

男「本当に下っ端の人間らしいんだ。殺すのは簡単だが、うちのものがやったっていう事実を隠すのが問題だ」

女子「……そうだな」

男「どうする?真幹部」

女子「その子供ってのはどこに居る……」

男「離すのは簡単だが、元を辿られたら困るだろ!」

女子「違う、連れてこいって言ってんだ」

男「……分かった」

女子「……正式就任早々これか」

女子「はぁ……」

男の子「う、うぅ……ぐすっ……」

女子「……」

男の子「おうぢがえりだいぃいいいい」

女子「なんでこんなの誘拐してんだよ……」

男「本当にすまない……」

女子「金だって無限にあるわけじゃないだろ……まぁいいや、100持って来い」

男「はい」

女子「……すーはー」

男の子「……ぐすっ」

女子「僕、名前はなんて言うの?」

男の子「お、おど、おどごの……ご、です……」

女子「そう、お母さんはどんな人?」

男の子「怒ると、怖い、人……」

女子「そう……お母さんのこと好き?」

男の子「う、うん……」

女子「……」

男「持って来ました」

女子「よし……いいか?これを持って家に帰してやる。ここの場所とか、諸々言うとその金は爆発する仕組みになってるわけだ?分かったか?」

男の子「わがりまじだ……」

女子「連れてけ」

男「はい」



女子「お母さんのことが好き、か」

女子「……はぁ」

女「なーにやってんだか」

女子「……女さん」

女「人拾い失敗して、下のせいにしているようじゃ後釜もなんもまだまだ認めらんないわ」

女子「ごめんなさい……」

女「まぁ、私も最初はそんなもんだったし、なんとも言えないんだけどさ。姑は五月蝿く言うもんだからね」

女子「は、はぁ……」

女「つっても言うだけだからね、やれとは言ってないから、そこの所は弁えておきな」

女子「はい」

女「よし」

女子「……」

それから何年経ったかは覚えていない。
ひたすら仕事をこなすだけの毎日。
高校時代の私はすっかり消えていなくなった。

そこら辺からだろうか、私はどの私が本当の私なのかと思い始めたのは。
高校時代の私も確かに私だ、だがこの仕事をやり始めてから価値観は変わっている。
人を商品でしか見れなくなったり、金銭感覚だって狂っている。

努力実ってか、その手の業界では少しだけ有名になっていた。
女さんの功績も、もちろんあったが私自身身を削ってでも生き残った

そうして、とある日……。

女子「……」

女子「…………オイ」

幼女「え?」

女子「お母さんはどうした」

幼女「居なくなっちゃった」

女子「死んだのか」

幼女「死んだって何」

女子「……なんだ、同じか」

幼女「……え?」

女子「同じなんだよ、私のお母さんも居なくなった」

幼女「そうなんだ」

女子「……そうなんだよ、気がついたらこうなってた」

幼女「……?」

女子「なぁ、お前も今『鬼ごっこ』しているのか?」

幼女「うん、鬼がいっぱいいる」

女子「これから、お前は……きっといろいろと辛い目に合うと思う」

幼女「つらい?」

女子「つらい、だ。私も辛かった、何回も何回も絶望して、何回も何回も努力して、這い上がった。一人、運を持ってきてくれた奴が居たからな」

幼女「よく分からない」

女子「そうだよな、わかんねぇよな。私にもさっぱりだ」

幼女「泣いてるの?」

女子「なんで泣いてるんだろうなぁ、あー……」

幼女「泣かないで?」

女子「……ああ、ありがとな」

幼女「うん」

女子「今度は、私がお前に運を渡す時だ」

幼女「え?」

女子「私の人生が変わった、分岐点をお前にやる」

幼女「……?」

女子「鬼ごっこの鬼は怖いからな、私が助けてやるよ」

幼女「ほんと?」

女子「ああ……だからついてこい」

幼女「うん」

女子「お前にも同じ目にあってもらうけど、さ……」

母「幼女!幼女!」

幼女「ママ!」

女子「……あれー、って……」

母「す、すみません、うちの子が」

女子「い、いえー、大丈夫ですよ」

祖母「全く、目を離すとこれだから……」

女子「子供を育てるって大変ですよね」

母「そうですね……でもやり甲斐ありますから」

女子「そ、っか」

祖母「……?あなた、どこかで私と合っていませんか?」

女子「ん、いやー顔はそこそこ広いつもりですけど……ッ!?」

祖母「……まさか」

女子「……」

祖母「……」

女子「多分、想像している人物とは違うと思います。貴女の考えている子は……死にましたから」

祖母「そうですか」

女子「ごめんなさい」

母「? お母さん?」

祖母「……きちんとやっているなら良いです」

女子「今更それ言われてもなぁー……まぁいっか、元気そうで何よりですよ」

祖母「恨んでいないんですか?」

女子「恨んでますよ、そりゃ恨みきれないほどに。だけど、恨んでも無駄なんですよ、こんなこと……」

祖母「……」

女子「ほら、『貴女の娘』が待っている。それどころか、孫まで。今度はきちんと離さないであげてください」

祖母「言われなくても」

女子「……お元気で」

女子(世間ってのは狭い)

女子(あの時助けてくれた、従業員さんとか店員さんとかも……本当ならどっかでまた会ってるのかもしれない)

女子(高校時代の友達を、こういう形で裏切っちまったけど、あいつらもまたどこかで会ってるのかもしれない)

女子(世の中捨てられても、捨てたもんじゃない)

女子(捨てたもんじゃないからこそ、拾う奴が居る)

女子「知れば知るほど、面白いもんだよ、ほんっと」



おしまい。

くぅ疲。
5時間半連続で投下はキツイですね
読んでくれた方は(アンチさん含めて)ありがとうございました

当初のプロットと全く違うものになっちゃったんですが、別にいいかなって……

当初はどうするつもりだったんだよ?
どう違うのか知りたいから書け

とりあえず女子さんは結婚するのかしないのかだけ教えて欲しい

>>236
親に捨てられる

拾われる

犯される

犯罪する

ブタ箱

釈放

親見つける

記憶喪失(のフリ)

親、親と言い張る

幸せに暮す

みたいなの今度きちんと書こう……

流れだけでは良くわかんないから文章で書いていって

>>239
養子はありえますが、結婚はありえません
あともう一回名前変えようと思ったのに忘れてた

前半の子供の時のウザさは良かったんじゃない
店員従業員警察がまっすぐ過ぎてつまらんかったけど
キャラがゲームのNPCと同じ感じで棒立ちだった

>>243
当初は、どんどんどんどんトラウマスポットに行って、少しずつ記憶障害を起こしつつも~っていう展開で
親と再開した幼女は、記憶喪失になる……フリをして、母親に認めてもらって、その後ずっと嘘をつきながら生きていくっていう感じだったんだけど、出来なかったわ

>>244
女子は結局最後まで処女貫いたの?
ご想像におまかせしますとか抜きで

従業員さんと、店員さんの存在すっかり忘れて申し訳なかったです
書いてる時は店員C可愛いなぁと思いつつ書いていたんですけど、モブ3人が印象強くなりすぎちゃったなぁと

>>249
委員長さんとやっちゃったかもしれません

正直、この程度のネグレクトで極度のフラッシュバックや記憶障害なんてあり得ないから、病みネタ書きたいならそこは覚えておいた方がいい
漫画みたいにいきなり壊れるなんてそうない

>>253
なんか僕なんかに何を求めているのか分からないのですが、沢山のご指摘ありがとうございました
価格設定に関しては経済学的だと思います
中盤ダイジェストに至っては返す言葉もありません、体力が切れました

>>256
序盤は上手かったのに捨てられてからの展開に怒りが湧いて来たでござる

>>245
僕はそういう店員従業員警官はNPCと同じ感じで良いと思っています
ポニテ、ツインテ、委員長もそうですが

前半褒めてくれてありがとうございます

>>259
その怒りは正しい怒りだと思います
どんだけ、子供が嫌でも子供は捨てられるべき存在じゃないと思っていますから

>>251
むふぉ
委員長はやっぱガチか
今度百合方面も書いてくれな
エロ有り無しとかはどうでもいいから

>>263
委員長はガチです
出てきた瞬間からガチで行こうと思っていました

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