仁奈「どうして学校にキグルミで来てはいけねーですか?」(83)

先生「学校は、勉強するところだからね」
仁奈「仁奈、ちゃんと勉強するでごぜーますよ!」
先生「う~ん……でも、他のお友達も困っちゃうから。ね?」
仁奈「……うう。でも……」
先生「とにかく、明日は普通の格好で来てちょうだいね」
仁奈「…………」

これはニナチャーンのパパが頑張るお話

---翌日
先生「仁奈ちゃん、着ぐるみで来ちゃダメって言ったでしょう?」
仁奈「この羊のキグルミは新作なのでやがります。モフモフしてーですか?」
先生(し、したい……モフモフしたい……)
先生「ダメよ仁奈ちゃん。学校に着ぐるみ来てくるのはいけません」
仁奈「……でも、仁奈はキグルミアイドルなのでごぜーます……」

---放課後
先生「はぁ……困ったなぁ。仁奈ちゃん、普段は素直でいい子なのに」
先生「着ぐるみのことになると、すごく頑固なのよねぇ……」
先生「やっぱり、親御さんに話しないとダメね」
先生「でも、いつ電話しても、お手伝いさんしかいないのよねぇ」
先生「(資料を見て)……お母さんが亡くなっているのよね」

---職員室
先生「ちょっといいですか、あの、市原仁奈ちゃんのことで」
同僚「うん? 仁奈ちゃんがどうかした?」
先生「この間から、学校に着ぐるみで来るようになっちゃって……」
先生「注意しても聞いてくれないんですよ。それで、親御さんに連絡しようとしてるんですけど……」
同僚「ああ、お手伝いさんしか出ないでしょ。あれ、呼んでもお手伝いしか来ないよ」
先生「そうなんですか!? でも、お父さんは……」

同僚「父親は海外に出張だとさ。娘を置いて、グローバルなビジネスだって」
先生「そんな……仁奈ちゃん、まだ9歳ですよ……」
同僚「アタシが担任の時は8歳だったよ」
先生「そういうことじゃなくて……って、同僚先生、怒ってます?」
同僚「怒ってるよ。あの父親は――」

同僚「クズだ」

そうするわ

vipにスレ立てんのとか10年ぶりだしSS書くのとか初めてで緊張するわ。

エロいシーンはないんだ……すまんな

先生「親御さんのことをそんな風に言うのは……」

同僚「……ああ、悪い。ちょっと頭に血が上ってたわ」

先生「……」

同僚「……市原さんも、お母さんが生きている頃は普通の父親だったんだが……」

同僚「逃げたんだよ、あの人」

同僚「娘を見ると、死んだ妻を思い出すから、娘から、家から逃げたんだ」

同僚「金だけはあるから、他人を傭って、小学生の娘の世話をさせてね」

同僚「小遣いも渡す、やりたいならアイドルもやらせる、でも自分は近づかない」

同僚「そんな父親なんて……」

先生「……」

先生「……来てもらえないかもしれないけど、もう一度連絡してみます」

先生「それでダメなら、仁奈ちゃんと、何度でも話してみます」

先生「そういう状況なら、なおさら、仁奈ちゃんにはちゃんと説明しないと」

同僚「そう。アンタは立派な先生だよ。……高校、大学の時は、あんなに子供っぽかったのにね」

先生「ちょ、やめてくださいよ先輩~っ!」

凜わんわんとか興奮したわ

---数日後

先生(仁奈ちゃんは、あの後もやっぱり、着ぐるみで学校に来ている)

先生(羊、ドラゴン、兎……うう、どれも可愛いよぉ~)

先生(でも、学校に着てくるのを認めちゃったら、他の子に示しがつかないよね)

先生(今の「うらやましい」とか「アイドルだから許されるの?」みたいなこと言い出してる子いるし……)

先生(なんとか、わかってもらわなくちゃ)

し、私服の学校なら私服で通すし……

---放課後

先生「わざわざおいで頂いてすみません。市原仁奈さんの、保護者の方ですね?」

先生(お父さんは来れないって言ってたのに、スーツの男の人……誰だろう?)

先生(まさか、お手伝いさん……には見えないし)

仁奈「Pは、仁奈のプロデューサーなのでごぜーます!」

先生「プロデューサー?」

蘭子とかどんな格好で学校いっとるんやろな

P「ええ、まあ、弱小プロダクションなんですが……一応」

P「本来は芸能活動にしか関係なんですが、保護者の方からも、色々面倒を見てくれ、と言われてまして」

先生「なるほど……」

先生(これがアイドルのプロデューサー……なんだか、業界人って感じはしないなぁ。優しそうだし)

先生(でも、この人は、仁奈ちゃんを仕事の道具にしてるんだ。信用しちゃいけない)

P「で、先生。うちの仁奈が、なにか問題を?」

先生「その、学校に着ぐるみで来るのはいけない、とお伝えしているんですが」

先生「どうも、わかってくれないみたいで。保護者の方からも、言って頂ければ、と」

仁奈「仁奈はキグルミで通いてーのでごぜーます!」

仁奈「せっかく、可愛いキグルミがいっぱい増えやがったですから」

仁奈「みんなに見てほしーです。モフモフしやたってほしいです」

仁奈「……可愛い、って、言って欲しいのです」

P「そうか、キグルミ仁奈は可愛いからなぁ」

仁奈「そうでごぜーます! さすがPは仁奈のことをよくわかっていやがります!」

先生「あ、あの……」

しやたって→しやがって

すまんな

P「ちょっと、先生と話したいんで、仁奈は外で待っててくれるか?」

先生「あ、でももう放課後で、生徒がひとりで残るのはちょっと……」

P「大丈夫です。面倒みてくれる子を連れてきて……おーい、千枝~」

仁奈「あ、千枝おねーさんでごぜーます!」

千枝「仁奈ちゃん、一緒にお外に行ってよう?」

千枝「着ぐるみの手入れができるよう、家庭科室を使う許可もらってきたよ」

仁奈「千枝おねーさんが直してくれるなら嬉しいです!」

プロデューサー「終わったら携帯に連絡するから。千枝、よろしくな」

千枝「あ、はい。プロデューサーさん///(今のやりとり……大人っぽいかも)」

>>22
友人「また制服改造して……」

蘭子「ククク……我が纏いし漆黒のヴェールに如何様か?(あの、私の制服がなにか……)」

先生「校則違反よ、放課後へ来なさい」

蘭子「我を運命の楔で縛ることは何人たりとも不可能よ!(え、ちょ、見逃してください!)」

先生「放課後に指導室へ」

蘭子「はい」

---

(年少組が退場して)

P「――――先生! どうもすみません!」(平伏

先生「え、えっと……?」

P「仁奈が、着ぐるみで学校行っちゃったのは、俺のせいでもあるんです」

P「撮影で使った衣装を、そのままあげたり、古い衣装を、裁縫の得意な子が直してあげたり」

P「さっきの千枝なんかも、だいぶ手伝ってあげたみたいで」

P「着ぐるみがいっぱい増えて、それで、嬉しくなって、いつも着るようになっちゃったんです」

>30
最後の「はい」で草生える

ちょっとだけ支援。

先生「そういえば……だいぶ前に着てた、うさぎの着ぐるみは少し、その、いたんでましたね」

先生「それが綺麗に繕ってあって、最近着てくるのは、作りがしっかりしたモノになって……」

P「仁奈が欲しがるんで、ついつい、色々あげてしまったんです」

P「前は、古い着ぐるみしかなかったんで、部屋で自分ひとりで着てたのが……」

P「数も増えて、質も上がって、見てもらいたくなったんでしょうね」

先生「でも、やはり学校ですから……」

P「はい、わかってます。こっちも、っていうか俺が、ついつい新しいのをあげちゃうのが……」

先生「可愛いとは私も思うんですけど……(あ、言っちゃった)……でもやっぱり……」

P「ええ、学校に着ぐるみで来てはいけない、っていうのは、わかります」

P「私の方からも、仁奈にはきちんと、言い聞かせてみます」

先生(あ、この人、ちゃんとした大人なんだな……)

先生「ありがとうございます。よろしくおねがいします!」

(ガラッ

仁奈「仁奈はキグルミで学校に来てーです!」

P「仁奈……?」

千枝「す、すみませんプロデューサーさん、とめられなくて……」

仁奈「Pは仁奈の味方してくれると思ったのでごぜーますのに……」

P「でもな仁奈、撮影ならともかく、学校に着てきちゃったら、他の子が……」

仁奈「みんな、可愛いって言ってくれるでごぜーますよ!」

仁奈「仁奈のキグルミ、可愛いね、って。言ってくれるです。撫でてくれるです」

先生(それは……まだみんな9歳とか10歳だし……着ぐるみなんて見たら、大喜びだけど)

先生(仁奈ちゃん……ただ、褒められたいだけかぁ。ちやほやされて、可愛いって言ってもらって……)

先生(……まあ、そうだよね、だからアイドルにもなったんだし。そういうタイプの子なんだ)

仁奈「ママは……そうしてくれたです」

先生(――っ!!)

仁奈「兎のキグルミは、ママが作ってくれたのでごぜーます」

先生「あの、ちょっとボロボロに……いえ、ごめんなさい」

仁奈「あんまり、うまく作れなかったけど、って……着てみたら、すごく喜んでくれたです」

仁奈「それから、いろんなキグルミを、仁奈が赤ちゃんの時から、着せてくれたです」

先生「ああ、ありますよね。赤ちゃんにピカチューの着ぐるみ着せたり」

千枝「あれ可愛いですよね!」

P「すごく可愛いな!」

長すぎ地味すぎな気がしてきたけど総選挙ステマのためにがんばる

仁奈「ママは、仁奈に可愛いって言ってくれて、いっぱい抱っこしてくれて……うっ……うう」

先生「に、仁奈ちゃん、ごめんなさい! お母さんのこと、思い出しちゃったね……(オロオロ」

千枝「仁奈ちゃん、泣かないで……(ジワァ」

仁奈「仁奈が、自分で思い出したです。謝る必要はねーです! 仁奈は、仁奈はママを――」

仁奈「忘れたくねーです!!!」

仁奈「だから、ボロボロになっても、小さくなっても、兎のキグルミ着てたです」

仁奈「そしたら、千枝おねーさんが、破れたところ直してくれたり、サイズ直してくれたりしたです」

千枝「とっても大切なものだと思ったから……」

先生(佐々木さんて、まだ仁奈ちゃんとふたつしか変わらないのに……すごいわね)

P(やはり千枝は合法……)

仁奈「プロデューサーも、いろんなキグルミ着る仕事もってきてくれて」

仁奈「現場で使ったキグルミを、頭を下げて、もらってきてくれたです」

仁奈「仁奈は、キグルミがいっぱいで、嬉しかったんでごぜーます!」

仁奈「だから、学校のみんなにも、見て欲しかったんでごぜーます!」

先生「仁奈ちゃん……」

仁奈「ママが死んでから……」

先生・P・千枝「……!」

仁奈「あれから、パパはまるで、ママが最初からいなかったみたいに、ママの話をしねーです」

仁奈「仁奈のことも、あんまり見ないようになってしまったでごぜーます」

仁奈「でも、昔は、ママが生きている時は……ママが仁奈にキグルミを着せてくれて」

仁奈「ママとパパは一緒に、仁奈に、可愛いねって、それで、順番に抱っこしてくれたのでごぜーます」

千枝「に、仁奈ちゃん……(ポロポロ」

先生「……うっ……(グス」

――うわあ、仁奈、すごく可愛いよ!

――仁奈、うさぎさんの気持ちになるですよ。

――それってすごくいいアイデアよ仁奈! さすがママの娘だわ!

――ああ、そうだね。ママの作った仁奈の着ぐるみは、本当に可愛いよ。

――パパもママも、仁奈のこと、モフモフして、撫でやがってくだせー!

仁奈「でも、ママは死んじまって、パパは笑わなくなったでごぜーます」

仁奈「もう、仁奈のことを、可愛いって言って、モフモフしてくれやがらないです」

仁奈「だから、学校に行って、みんなに……クラスメイトの野郎どもとか、先生とかに」

仁奈「モフモフしてもらって……可愛いって……」

仁奈「……(グス」

先生「うん、うん……わかったよ、仁奈ちゃん、なんで着てきたのか、先生わかった」

P「うーん……本当は、仁奈が、一番見て欲しいのは、お父さんなんじゃないか?」

仁奈「仁奈は……パパに、元気になって欲しいです」

仁奈「けど、パパは帰ってこねーですから……」

先生「……」

仁奈「でも、アイドルのお仕事は楽しーです!」

仁奈「可愛いキグルミもいっぱい着られるですし、お土産にキグルミもらえたりするです」

P(うん、まあ、頭下げて、もらってきたり、普通に買い取ったりしてるからね)

P(ま、それで仁奈が喜ぶなら、安いもんだけどな!)

P「そうだな。でも仁奈、現場ではいいし、事務所にいるときもいいけど」

P「学校では、キグルミはやめよう」

先生「プロデューサーさん……?」

仁奈「やっぱり、ダメなのでごぜーますか……?(ショボーン」

P「本当はね、キグルミで通える学校があったっていいし、みんな、好きな服を着ていい、って俺は思う」

P「でも、そういうことができない、させない学校の方が多い。それはおかしい、と俺が思っていてもだ」

P「中学になれば、一気に自由な学校も増えると思うぞ。高校ならもっとな」

P(蘭子とか美玲とかなぁ……あいつら自由すぎだろ……)

仁奈「高校生……仁奈より、ずっとおねーさんでやがります……」

P「うん、だから今の話だけど……」

P「仁奈が、キグルミを見て欲しいのは、誰だい?」

支援ありがと



仁奈「……一緒にいてくれる、Pと、おねーちゃんたちでごぜーます」

P「うん、でも、本当は、パパに見て欲しいだろう?」

仁奈「……でも、パパはいねーです」

P「いるさ。海の向こうでも、別の国でも。そして――メディアなら、届くんだ」

仁奈「どういう意味でごぜーますか?」

P「仁奈。トップアイドルを目指そう」

P「そして、歌や、バラエティや、なんならドラマでも」

P「いろんなところで、“キグルミアイドル”として活躍しよう」

P「そうすれば、きっとお父さんも、仁奈のことを目にする」

仁奈「でも……パパは見たくないのでごぜーます……悲しくなるから……」

P「仁奈。アイドルはね、見ている人を、楽しくする仕事なんだ」

P「だから――」

P「トップアイドルには――シンデレラガールには、見ている人を幸せにする力がある」

P「辛い時や、苦しい時でも、見ている人を笑顔にする、楽しくさせる」

P「それがアイドルの仕事。トップアイドルに与えられる『力』だ」

P「だから……仁奈、仁奈は、アイドルとして、きちんと仕事で、着ぐるみを纏うんだ」

仁奈「……プロデューサーの言ってることは難しいでごぜーます……」

千枝「わ、わたしにもちょっと……」

先生「あの、まだ3年生ですから、語彙の問題が……」

P「あっ! そうか! えーと、じゃあ、なんとか別の言い方で……ええと、えーと……(アセアセ」

仁奈「大丈夫でごぜーます。言葉の意味はちょっとわからなくても」

仁奈「Pの気持ち、伝わったでやがります。Pの気持ちになったですよ……」

仁奈「先生、仁奈は、学校にキグルミで来るのは、やめやがります」

先生「仁奈ちゃん……いいの?」

仁奈「大丈夫でごぜーます。Pも、おねーちゃんたちも、一緒でやがりますから」

仁奈「仁奈は寂しくねーです。アイドル、楽しいです」

仁奈「だから、もしいつか、遠い場所、パパが仁奈を見ることがあったら」

仁奈「仁奈のキグルミの可愛さで、パパを楽しくさせてやるですよ」

仁奈「そうしたら……」

P「ああ、たまらなくなって、飛んで帰ってきて――」

仁奈・P・千枝「「「モフモフしやがります!!!」」」

全員「あははははは!」

先生(プロデューサーさんって……アイドルって……すごい!)

---面談終了後

P「じゃあ先生、色々すみませんでした」

P「私は、まあ現状、仁奈の保護者みたいなものなんで、また何かあったらご連絡ください」

P「これ、名刺です」

先生「プロダクション……アイドル事務所なんですよね」

P「ええ。ああ、あと……もし、先生が」

先生「はい?」

P「アイドルになりたかったら、いつでも言ってください」

先生「ええええ!? わ、わたしもう23歳だし、教師だし、そんな」

P「ちょっと、ティン! と来たんですよ。もし興味があれば、お話だけでも」

P「おっと、次の撮影だ。仁奈、千枝、行くぞ!」

仁奈・千枝「「はい」でごぜーます!」

先生(わたしが……アイドル?(トクン )

---事務所

P「ふ~、まさか、アイドルの保護者役までやるなんてな~」

ちひろ「お疲れ様でした、プロデューサーさん。お茶どうぞ♪」

P「ありがとう。やっぱり、ちひろさんのお茶は美味しいなぁ」

ちひろ「ふふ。それにしても、仁奈ちゃんをトップアイドルって、大きく出ましたね」

P「そうだよな……それも、アイドルの最高の名誉、シンデレラガールなんて」

P「でも、俺は仁奈の父親代わりみたいなもんだ。やれるだけはやるよ」

ちひろ「プロデューサーさん、かっこいいです!」

P「そ、そうかな(デヘヘ」

ちひろ「わたしも、そんなプロデューサーさんを、応援しますね!」

P「ありがとう、ちひろさん!」

ちひろ「はい! まずは――」

ちひろ「投票券つきのお得な4STEPガチャ、好評開催中です!」

P「」

-完-

総選挙で仁奈ちゃんをよろしくニキー

という思いを込めて、はじめてSS書いてみた。
見苦しいところいっぱいあったと思うが付き合ってくれてありがとう。
支援サンキューユッキ。

仁奈ちゃんに入れてくれよ!!!!
「前回五位だし余裕wwwwwwwwwwww」ってぶっこいてたら42位とかで焦ってんだよ!!!!

まあ千枝ちゃんはエロいし合法なんでかわいい

おつ

ニナチャーンにいれてくるよ

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