P「鏡の中の世界」(129)

P「会社創設時の書類取ってこいはいいけど」

P「……酷いなこの有様は」

P「小鳥さんの私物物置になってるし……」グチャ

P「薄い本にDVDボックスに未開封フィギュア……ん?」

P「なんだこれ、鏡?」

P「神秘的で綺麗だな……」ソー

P「!?」ニュルン

P「うわっ!?手!手が吸い込まれる!」ズズズズ

P「うおおおお!なにこれ!何コレー!」ズルズル

小鳥「プロデューサーさん、ありました?」

小鳥「あら? いない」

小鳥「トイレかしら……」

小鳥「ぴよっ! こんな所になくしたと思ってた千早ちゃんの魔改造(バスト122)フィギュアが!」

小鳥「うふ、更に増量改造しようかしら」

ドサッ

P「いててて……」

P「……ここ物置、だよな」

P「そうだよな、鏡の中に引きずり込まれるなんてアホなことあるわけない」

P「……それにしてはなんか違和感が……なんだ?」

P「まぁいいや、書類はないし、一回戻るか」

ガチャ

P「なかったですよ小鳥さん」

小鳥「……何の話?」

P「え、あ、いや、書類が」

小鳥「と言うか貴方、なんで物置から出てくるの?」

小鳥「営業に行くって言ったのは嘘だったのかしら」

P(え、小鳥……さん?)

P(なんか雰囲気全然違うし)

P「……すいません、すぐ行ってきます」

小鳥「まぁいいわ、急ぎの仕事があるでもなし……休憩がてらお茶でも淹れて頂戴」

P「お茶?」

小鳥「さっさと行く!」

P「は、はいっ!」

P「な、なんなんだ一体……律子の生霊でも乗り移ったのか?」

雪歩「あ、プロデューサー」

P「お、雪歩。悪いけどお茶淹れてくれるか?」

雪歩「……誰にものを言ってるんですか?」

P「へ?」

雪歩「犬畜生の分際でご主人様に命令するなんて……」

雪歩「調教が足りませんでしたか?」スッ

P「   」

P「ごめん雪歩、俺、耳が腐ったみたい」

P「あとそのシャベルは何?」

雪歩「呼ぶときは様をつけなさい!」バシーン!

P「アーオッ!?」ベシーン

P「ゆ、雪歩!?」

雪歩「まだ言いますかっ」バシーン!

P「ひぎい!」バシンッ

P「わ、わかった。わかったからシャベルで尻を叩くのはやめてくれ」

雪歩「人にお願いするときはどうするんですか?」

P「や、やめてください雪歩様!」

雪歩「そうやって最初から素直になっていればいいんですよぉ?」

真「雪歩、なにやってんだ?」

雪歩「真ちゃん、聞き分けのない駄犬におしおきしてたの」

真「あっはっは、だっせーなプロデューサー」

P「ま、真……なんだそのパンクな格好は」

P(ドクロのプリントに全身シルバーアクセだらけだ……)

真「ん?あぁ、アンコロックの新作パーカーだよ、イケてるだろ?」

P「お前、女の子らしくなりたくてアイドルやってたんじゃないのか!?」

真「雪歩……ちょっと強く叩きすぎたんじゃないのか?」

雪歩「そうかも……」

真「あのな、ボクはきゃぴきゃぴしたアイドルなんてやりたくねーんだよ」

真「男らしく生きたいんだボクは」

P「じゃあなんでアイドルやってるんだよ」

真「そ、それは……プロデューサーが……」

P「俺が?」

真「ぷ、ぷろでゅーさが……ボクのこと、か、かゎぃぃって……言うから」

P「……」ムニ

真「!?」ビクッ

真「あっ、あにすんだテメー!」

P「おっぱいあるじゃん、よかった女だ」

真「こっ、このぉ!」ジワ

雪歩「ぎるてぃ!」ブンッ

P「フリスクっ!」ベシーン

雪歩「いい年して発情期ですか?」

雪歩「やっぱり新しく躾が必要なようですねぇ」

P「痛ったー! ケツ痛ったー!」ジンジン

雪歩「それとも去勢しちゃいましょうか?」

P「そ、それだけはご勘弁を!」

雪歩「プロデューサーは私だけの可愛いワンちゃんなんですから」

雪歩「粗相したら許しませんよ?」

真「ボクの胸を触った罪はでかいぜ、プロデューサー……!」

P「えっなに、やめてっ」

アッー!

P「ひぃ……ひどい目にあった……」

P「お陰で尻が二つに割れた……病院行かなきゃ」

小鳥「最初からよ」

P「あ、本当だ。じゃあ大丈夫です」

小鳥「あんたの尻なんてどうでもいいのよ。お茶は?」

P「イエス、マム」コト

小鳥「どうも。雪歩を下手に刺激するからよ」

小鳥「あの子、ああ見えて独占欲強いんだから」ズズズ

P「ははは、ご冗談を」ズズズ

小鳥「冗談じゃないわよ、この唐変木」ズズ

P(さて、状況を整理するか……)

P(しっかり者の小鳥さんにドSな女王様雪歩、男を目指す真……)

P(そして最初からあった違和感……)

P(お茶を淹れてて気付いたけど、成分表の文字が逆に印刷されていた)

P(印刷ミスかとも思ったけど、どうやらそれも違うらしい)

P(時計、書類、テレビ、小鳥さんのホクロの位置……全部逆なんだ)

P(つまり、全てが反転してる世界なんだ、ここは)

小鳥「何を一人でブツブツ言ってるの?」

P「……ああ、いえ考え事を少し」

ガチャ

千早「おっはよー!」

春香「おはようございます」

P(千早に春香……印象はまるで逆だな)

千早「あっプロデューサー! どかーん!」ギュッ

P「うおっ!?」ムギュ

千早「えへへー、ちーちゃんタックルですよ?」グリグリ

P「や、やめっ、顔に胸を押し付けるな!」

P(やわらかい! そしていいにおいがする!)

千早「だってー、あたし胸ちっちゃいからこうでもしないとプロデューサー落とせないでしょ?」

春香「やめなよ千早ちゃん、プロデューサーさん、困ってるでしょう?」ムンズ

千早「やーん」ヒョイ

春香「大丈夫ですか、プロデューサーさん」

P「お、おう……ありがとう春香」

P(千早もそうだが、冷静な春香も斬新だな)

春香「プロデューサー、クッキー作ってきたんですよクッキー。食べませんか?」

P「ああ、もらうよ」

千早「ねぇ春香、あたしのは?」クイクイ

春香「もちろんあるよ」

千早「わーい! さすが春香!」

P(なんか千早がギャップありすぎて可愛い)モグモグ

春香「どうですか?」

P「ん、美味いよ。さすが春香だ」

千早「おいしいー」マグマグ

春香「嬉しいです。ところでプロデューサーさん」

P「ん?」ズズッ

春香「いつになったら私の気持ちに応えてくれるんです?」

P「ぶっ!?」ブハッ

千早「きゃっ!? きったなーい!」

P「な、なななななにを」

春香「こうやって毎日のように積極的にアプローチしているのに……」

春香「つれないですね、プロデューサーさんは」

千早「プロデューサーは乙女の気持ちをわかってないよね」マーグマーグ

千早「あたしもプロデューサー大好きだよ!」マムマム

P「は、ははは……」

春香「私も千早ちゃんも女の子なんですから」

春香「いつか、どこかの誰かにもらわれてしまっても知りませんよ?」

春香「その時になっても遅いんですから」

P「いやはや……あざとくない春香の破壊力があれほどとは」

P「……まさか元の世界でも同じように俺を……」

P「いやいや、ないな。きっとこっちの俺が反転して超イケメンなんだきっと」

P「早く戻るべきなんだろうけど……」

P「まずいな、ちょっと他のアイドルも見たくなってきた」

P「……全員に会ってからでもいいよな」

prrrr

小鳥「はい、765プロです」

小鳥「ああ、あずささん。どうしました?」

P(あずささんはこっちでも方向音痴なのか?)

小鳥「そう……仕方ないわね」

小鳥「プロデューサーを行かせるから、待ってて」

ガチャ

小鳥「あずささんがダウンしてる律子ちゃんを公園で見つけたから迎えに来て、だそうよ」

P「律子に何かあったんですか!?」

小鳥「どうせいつものやつでしょ」

P「待ってろ律子!」ダッ

P「律子!」

あずさ「あ、プロデューサーさん来たわよ、律子ちゃん」

律子「う……プロデューサー……」

P「大丈夫か……って酒くさっ!」

あずさ「朝、お散歩してたらそこのベンチで倒れてたんですよ」

P「律子お前、どれだけ飲んだんだ……? でかい奈良漬けみたいになってるぞ」

律子「居酒屋で……隣に座った全身黒いおっさんと意気投合して……」

律子「二人で日本酒三本空けたまでは覚えてる……」

P「お前な……」

あずさ「襲われてない? 大丈夫?」

律子「ん……」ゴソ

律子「大丈夫……まだ処女……」モゾモゾ

P「乙女のたしなみは何処に飛んでいった」

律子「うっ……」バッ

P「よせ律子! 女を捨てる気か!」

律子「……っ!」ダダダダ

律子「ケロケロケロケロケロケロ」

あずさ「あらあら」

律子「うぅ……」ゴホッ

通行人A「うわ……」

通行人B「ないわー」

通行人C「美人なのに……」

P「あ、すいません。すぐ引き上げますんで」

律子「何見てんだコノヤロー! ○○ぶっかけるぞ!」

律子「うっ」

律子「オロロロロロロロ」

あずさ「ほらほら、無理しないの」サスサス

P「ほら律子、水」

律子「あ、ありがとうプロデューサー……あずささん……」ゴクゴク

P「立てるか?」

律子「……無理……」

P「どれだけ飲んだんだよ」

あずさ「じゃあ、落ち着くまで休んでから事務所に行きましょうか」

律子「   」チーン

あずさ「ほんと、だらしないわね律子ちゃんは」

P「はは……」

P(だらしない律子に……あずささんは?)

P「こいつ未成年なのに……」

あずさ「飲みたい気持ちはわかるけど……これはちょっと飲み過ぎですね」

P「あずささんも飲めるんですか?」

あずさ「この間飲みに行ったじゃないですか、でもプロデューサーさんには勝てなかったなぁ」

P「酔いにくいのも考えものですよ、酔えないから酒が増えますし」

あずさ「この間一緒に飲んだときは、酔い潰して襲ってやろうと思ったんですけどねえ」

あずさ「見事に負けちゃいました」

P「お、襲うって……」

あずさ「だってプロデューサーさん、全然靡いてくれないんですもの」

あずさ「お姉さんは寂しいなー」グリグリ

P「あずささん、俺より年下じゃないですか……」

あずさ「うちのアイドル全員から慕われてて誰にも手を出さないなんて、男としてどうなんですか?」ウリウリ

P「プロデューサーがアイドルに手を出してどうするんですか」

あずさ「男ならガッと押し倒してギュッとしてバッとヤっちゃいましょうよ」ムニムニ

P「アイドルが言うセリフじゃないですよ。あとほっぺいじるのやめてください」

あずさ「なんで酔い潰れた私を襲ってくれなかったんですか?」

あずさ「既成事実さえあれば引退して結婚できたのに」

P「……聞かなかったことにします」

あずさ「ねぇ……私、そんなに魅力ないですか?」ギュッ

P「いっ!?」ムニュ

あずさ「ねえ……答えてください」ギュー

P「あ、ああ、つ、つーか胸当たってるんですけど」ムギュ

P(フランクで……せ、積極的すぎるあずささん……!)

あずさ「プロデューサーさんが望むなら、この胸も好きにしていいんですよ?」

P「ま、待ってください!十秒だけでいいから!」

あずさ「だーめ」フウ

P「あひい!?」ビクッ

P「み、耳元で息を吹き掛けないでください!」ドキドキ

あずさ「ね……私の運命の人になってくれますか……?」

P「えんだあああぁぁぁぁぁ!」

律子「……爆発しろ」ボソ

あずさ「あら」

律子「ったく……人が気分悪くて寝てる傍で……」

P「り、律子……」バクバク

律子「プロデューサー、水もう一本買ってきて……」

P「よ、よしわかった!」ダッ

あずさ「あらあら、逃げられちゃった」

律子「起きてるってわかってやってた癖に……よいしょっと」ムクリ

律子「あ゛ー……ちょっと楽になった」

律子「ああくそ、メガネまたなくした」

あずさ「お酒も程々にね」

律子「飲みたくもなりますよ、あんな鈍感プロデューサーがいたら」

律子「……私はもう、アイドルじゃないし」

あずさ「律子ちゃんは充分可愛いんだから、積極的にアプローチしたら?」

あずさ「さっきの私みたいに♪」

律子「私がやったところでああはなりませんよ……」

あずさ「そんなことないよ」

律子「今、私は私の仕事をするだけ……」

律子「全部終わったら、やってみますよ」

律子「……面倒だけど」

あずさ「うふ」

あずさ「ほんとはぎゅってしてあげたいんだけど……」

律子「いいですよ、自分でも臭いと思うし……」

あずさ「その服、何日目?」

律子「……ちゃんと二週間前に洗ったやつですよ」

あずさ「あらー……」

P「いやはや、積極的なあずささんは心臓に悪い」

P「えーと、このあとの予定は……」ペラ

P「やよいと伊織のバラエティ番組」

P「伊織はなんとなく想像できる気もするが」

P「やよいは……想像できんな、どうなってるんだ」

P「お、いたいた」

P「お待たせ、二人とも」

伊織「おはようプロデューサー」

やよい「おせーですよプロデューサー」クチャクチャ

P「悪い悪い」

P(やよいが……グラサンしてガム噛んでるー!)

P(何と言うか……背伸びして最近不良になりました感ばっちりだな)

P(……似合わない、べろちょろ首に下げてるし……)

やよい「あにみてんだよですかー」クッチャクッチャ

P「い、いや別に」

P(グレてるのか……いやでも敬語だし)

P(……試してみるか)

P「なぁやよい、なんでそんな突っ張ってるんだ?」

やよい「あーん?」

やよい「……プロデューサーには関係ないですだろ」クチャクチャ

P(文法おかしいし)

P「ひょっとして、俺のこと嫌になったのか?」

やよい「そっ、そんなんじゃねーよですし!」

やよい「ただ……ただ、その……超うっうーなだけだぜですよ!」ポロ

やよい「あっガムが」

P(なにこの子かわいい)

やよい「ガムは包んで捨てるのが不良の作法ですだぜ」ヒョイ

P「よーしやよい、いつものやろうぜ!」

やよい「おっ、やるですかー? きなさいこのやろー!」

P「はい!」

やよい「たーっち!」パン

やよい「うぇーい!」

P「いぇーい!」

P(良かった、嫌われてる訳ではなさそうだ)

伊織「もう! さっきからやよいとばっかりイチャイチャして!」ムー

P「ああ、放って悪かった伊織」

やよい「い、イチャイチャなんてしてないよだぜ!」

伊織「悪いと思うなら私ともしなさいよ」

P「はいは……ん?」

ペース早くね?
さる大丈夫か

伊織「私がどれだけ会いたかったと思ってるの?」ダキッ

P「うぉっ!?」

P(あの伊織が! 恥も外聞もなく首に抱き付いてくるなんて!)

伊織「にひひっ♪ ん~」スリスリ

P「あばばばばばばっば」

やよい「い、伊織ちゃんくっつきすぎだよだぜ!」グイグイ

P「そ、そうだぞ、仮にも外なんだから」ヒョイ

伊織「あん……だってぇ」

伊織「昨日からずっとあんたに会うの楽しみにしてたんだから」

伊織「これくらいいいじゃない」ギュー

P「だからアイドルが抱きつくなって」

伊織「むー……じゃあ、手をつなぐくらいならいいでしょ?」

P「まぁ……それくらいなら」

P(年齢差から保護者に見えるだろうし)

>>69
ありがとう、気を付けるわ

やよい「だ、だめだって!」

伊織「じゃあやよいは右手で、私は左手ね」ギュ

やよい「うー……べ、別に私は……」

P「ほらやよい、一緒にスタジオ行くぞ」スッ

やよい「……プロデューサーがどうしても、って言うなら……つないであげるぜですよ」

P「ああ、頼む。やよいと手を繋ぎたい」

やよい「うっうー!」ギュッ

P(根はいい子のまま変わってないみたいでよかった)

伊織「ねえ、いつになったら婚約してくれるの?」

P「ぶっ!?」

伊織「婿になってもらうことになるけれど、悪い話じゃないでしょ?」

P「いや、未成年でしょ君」

やよい「長介がプロデューサーと遊びたいって言ってたぜですよ」

P「あ、あぁ……また行くよ」

やよい「もやしくらいならごちそうしてあげないこともないですよ」

P(すげーなこっちの俺、どうやって毎回切り抜けてんだ)

P「残りは亜美真美に響、美希に貴音か」

P「スケジュールによると……美希と響がグラビア撮影、と」

P「ついでだ、見に行こうか」

P「……」

美希「あー、しんどいのー」

響「プロデューサーが来るってさ」

美希「えー……来なくてもいいの」

響「そんなこと言っちゃって、本当は嬉しいのにー」

響「美希は素直じゃないなー」

美希「ありえないの! なんでミキがあんな冴えない男を!」

響「この間、二人きりの時にプロデューサーのことハニーって呼んでたの、見ちゃったよ?」

美希「あっ、あれは……その、そ、そう! ドラマの練習で!」

響「美希は今そんな仕事ないじゃないか」

響「照れない照れない♪」

美希「うぅ~~~!」

P(そろそろ出るか)

P「おっす」

響「あ、はいさーい」

美希「ふんっ!」

P「……美希は何を怒ってるんだ?」

P(陰から見てたから知ってるけど)

響「さあ?」

響「それよりプロデューサー、この水着どう?」クイクイ

美希「……っ!」

P「おいおい、それ以上めくると俺のプロデューサーが火を吹くぜ?」

響「結構露出高いけど気に入ってるんだ」

P「やめろって……誰か見てたら誤解されるぞ」

響「別に構わないよ?」

響「プロデューサーとなら……アイドルやめても」

美希「……!」プルプル

P「冗談きついぞ……いいから服着ろ」

響「んもう、つれないなプロデューサーは」ゴソゴソ

P(おしとやかで小悪魔な響に、伊織みたいな美希……か)

美希「……ミキもう帰る」

P「そうか、それは残念だな」

美希「残念ってなにが?」

P「差し入れにおにぎり買ってきたんだが……」

P「帰るなら仕方ない、響、一緒に食うか」

美希「!」

響「食べる食べるー!」

P「お茶が欲しいな……」モグモグ

響「さんぴん茶ならあるよ」マグマグ

美希「あ……あ……」

P「おっ、気が利くな」

響「……」

P「美希、そんなところでよだれたらしてないでこっちこい」

美希「っ!」ゴシゴシ

美希「知らないの!」プイッ

響「……自分、お手洗いに行ってくるさ」

響「プロデューサー、あとよろしくな♪」ボソ

P「?」

タタタタ
ガチャ

美希「……」

P「ほら美希、おにぎり食べよう」

美希「……プロデューサーがどうしてもって言うなら食べてあげるの」

P「ああ、美希と一緒におにぎり食べたい」

美希「……」キョロキョロ

P「どうした? 周りを気にしたりして」

美希「ハニー!」ガバッ

P「うおっ!?」

美希「ん~、ハニー分充電なの」ギュー

P「い、いきなりなんだ!?」

美希「だって……誰かいると恥ずかしいの」

P「それよりその水着でハグはやめてくれ!」

P「当たる! なんか柔らかいのがモロ当たるから!」

美希「当ててんの♪」

美希「ハニーがいけないんだよ、ミキの目の前で響とイチャイチャするから」スリスリ

P「わ、わかったから離れろ! それ以上はまずいから!」

美希「えー、まだ足りないの」

美希「あと10分は充電しないとダメなの」ギュー

響「……」ジー

P「あっ」

美希「どうしたの?」クルッ

響「……」カシャッ

美希「ひ、響!?」

響「レア写真ゲットだぜ♪」

響「記念に事務所のみんなに送るさー」カチカチ

美希「や、やめるの! やめて響!」バタバタ

P「色々ヤバかったな……」

P「いい時間だし事務所に戻るか」

ガチャ

P「ただいま戻りました」

小鳥「あらお帰り」

『いっけー!』

『お姫ちん、がんばってー』

P「……騒がしいですね」

小鳥「年少組と貴音がゲームやってるのよ」

小鳥「ちょっと注意してきて頂戴」

P「はいはい」

P「おい、うるさいぞお前ら」ガチャ

亜美「あ、兄(C)だ」

真美「おっはー」

貴音「……」カチカチ

P(亜美と真美はあんまり変わりない……が)

P(貴音が……まるで別人だな、あんなギャルみたいな露出の多い私服着て)

P「あのな、事務所なんだからもうちょっと静かにしろ」

P「客が来ることもあるんだから」

亜美「は→い」

真美「お姫ちんがどうしてもクリアできないクエストがあるって言うからさ→」

貴音「真美、粉塵! 粉塵を!」

真美「もうないよ」

P「おい貴音」

貴音「ちょっと待ってくださいあなた様!」

貴音「もう少しで……もう少しで我が宿敵『くるぺっこ』を……!」

P「G級?」

真美「ううん、下位」

P「手伝ってやれよお前ら……」

亜美「それじゃお姫ちんのためにならないっしょ→」

貴音「ああっ!」デデーン

亜美「あー、3落ち→」

P「どれだけ下手なんだよ」

真美「お姫ちん、ケルビに殺されるからね」

貴音「やってられませんね」ポイス

貴音「あぁ、でりけーとぞーんが痒うございます」ボリボリ

P(ミステリアスのミの字もないな)

貴音「あなた様、さっきから何をじろじろ見ているのです?」

P「いや、アイドルなんだからもう少し慎み深い格好と行動をな」

貴音「またお説教ですか」ハァ

真美「い→じゃん、お姫ちんスタイルいいし」

亜美「兄(C)も目のホヨーっしょ→」

P「そういう問題じゃない」

貴音「誰のためにこんな格好をしていると思っているのです?」

P「へ?」

貴音「あなた様は露出の多い女は好みではありませんか?」ズイ

貴音「殿方は劣情を催すような挑発的な格好の女を好むと思っていましたが」

貴音「例えばほら……このような」チラ

P(み、みみ見える!)

P(落ち着け俺、BE COOL、BE COOL)

P「ず、随分とストレートな言い回しだな……」

貴音「わたくし、あなた様になら襲われてもようございますよ?」ムニ

P「あわわわわわわわ」

亜美「相変わらずだね、お姫ちん」

真美「あんまり露骨なのもよくないかもだよ→?」

P「そ、そうだぞ。世の中には貞操観念と言うものがだな」

貴音「失礼な、わたくしは誰にでも身体を開く痴女ではありません」

貴音「あなた様だけに靡く、あなた様専用のびっちでございます」

P「   」クラッ

亜美「あ」

P「   」バターン

真美「兄(C)が倒れたー!」

貴音「いけずです、あなた様」

………
……


P「んん……」パチ

亜美「あ、起きた」

真美「おはよ、兄(C)」

P「亜美、真美……ここは」

亜美「兄(C)、お姫ちんの誘惑に負けて倒れちゃったんだよ」

P「貴音……今度説教しなきゃな」

P「って真美、ひ、膝枕!?」

真美「えへへ、たまにはこういうのもい→っしょ?」

亜美「がんばってる兄(C)にゴホービだよ」

真美「兄(C)、最近働きすぎなんだから」ナデナデ

亜美「薬飲む?」

P(亜美と真美が甲斐甲斐しすぎる……)

P(そうか、いたずら好きが反転して極端ないい子になってるのか)

亜美「兄(C)、もっかい寝ちゃいなよ。ピヨちゃんには言っとくからさ」

P「いや、でもな」

真美「ほらほら、ナデナデしたげるから」ナデナデ

亜美「亜美も添い寝する!」ゴソゴソ

P「う……」

P(やばい……マジで気持ちいい)ウトウト

いいっすね~

P「ん……」パチ

真美「あ、起きたー」

春香「プロデューサーさんっ、大丈夫ですか!?」

美希「ハニー!」

千早「声が大きいわよ、春香、美希」

P「あれ、ここは……?」

P「時計……書類……戻ってる!」

貴音「?」

響「プロデューサー、本当に大丈夫?」

やよい「物置で倒れてたんですよ?」

伊織「ちょっと働きすぎなんじゃない?」

P「いや、大丈夫だ……変な夢を見ただけ」

律子「無理しないでくださいよ、もう」

P「……やっぱりこっちの方がいいな、うん」

小鳥「?」

P「いや何でもない、俺はもう大丈夫だ」

P「さ、仕事仕事」

雪歩「うわあ、綺麗な鏡ですね」

真「あっ本当だ」ソー

P「ちょっ待て! その鏡は!」

カッ

雪歩「きゃあ!?」

真「うわあ!?」

P「雪歩! 真!」

雪歩「いたたた……」

真「う、うぅ……」

春香「ふ、二人とも大丈夫!?」

真「ん……? なんだここ、どこだ?」

雪歩「あ……春香ちゃん、今日も可愛いリボンだね」

春香「え? そ、そうかな……えへへ」

雪歩「犬の首輪みたいで」

春香「ヴァイっ!?」



P「鏡の中の世界」


END

 i _イ く  i、 ,< _L / / V レ  / / / 三ミミ、   ポルナレフ
 ト┴-、  ト> -K巛 i ./ ,r、く,イ   三ミ ミ、
 ト--、_三三彳イィ r,lllr─テ  l ト, ミミ、m、三ミミi  鏡の中とか
 i三三彳彡イイ彳ノ| ノ   くノリ ノ r ^川三ミミミi  鏡の世界とか

  !ミニr-、彡ミ/ シ     lフテラ /  i三三ミミi さかんにいってますが
  iミニ| ft、 i彳f-=ァ=テ-、  くr<r' .  川ミ三=ミ!
  |ミニ.| k ( ヽ;;i `゙ー´イ '(   t .,!   .!彡三ミ/
  |テニ,,ヽミて       ,レ--〉,!  メミ三彡/  鏡に「中の世界」なんて
  川||||||`r、ィ       ` ̄´ ,!  ノ三仁シ   ありませんよ…
 リ川川 V::::ヘ    , -一= ,! rt^´ミミシ
r'くシリ|k.i ( )、::::ヽ、      T ,!  ヽ,三ミr'  ファンタジーやメルヘンじゃあ
|: : : : : : : : : : ::¨ー、`ヽ _  ' ,'   ノサミシ   ないんですから

読んでくれた方々、ありがとうごぜーます。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom