木｢続き早よ｣ﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬ

男｢あ、うん｣

男｢ｺﾞﾎﾝ、……名前も知らない木ですからー♪｣

木｢まだ名前は教えてませんしね｣

男｢｣

木｢ちなみに私の名前はマイケルです｣

男｢宜しくね、マイケル｣

木｢ややこしいので木のままでいいですよ。それより続き早よ｣ﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬ

男｢あ、はい｣

男｢ｺﾞﾎﾝ、……名前も知らないー♪木になるでしょー♪｣

木｢私は先ほど、マイケルと名乗りましたよね？｣

男｢｣

木｢続き早よ、続き早よ｣ﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬﾜｼｬ

男｢……このー木なんの木ー、｣

木｢2番ですか？なら歌詞が違うところから続けて下さい｣

男｢……もう帰っていいかな｣

木｢無理ですよ｣ｼｭﾙｯ

男｢！？｣

ｶﾞｼｰﾝ

木｢根で足を固定させてもらいました｣

男｢うわ……。全然動かない……｣ｸﾞｲｸﾞｲ

木｢どうしてこんな事になってるか分からない、的な顔してますね｣

男｢当たり前｣

木｢何故なら私は見たことのない木ですから｣

男｢！｣

木｢それなら見たことのない木になりますね｣ｸｽｯ

男｢君はいったい……｣

木｢ところでさ｣

男｢ん？｣

木｢なんで木と話せてるの？｣

男｢えっ｣

木｢なんで君は平然と木と喋れるの？｣ｸｽｸｽ

男｢なんでだろ……｣

木｢てかさ、ここが何処だか分かってる？｣

男｢それぐらい分かるさ。ここは……、何処だっけ……｣

木｢どうやってここに来たの？｣

男｢それは……、思い出せない……｣

木｢今何時？｣

男｢あれ……？腕時計に靄が……｣

木｢ねぇ、大丈夫？君はこの世界の人？｣

男｢この世界の人かな……？｣

木｢景色が歪んできてるでしょ｣

男｢ぐるぐるまき……｣

木｢さて、君はそろそろやるべき事があるんじゃないのかい？｣

男｢やるべき事……｣

..........ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ......

木｢ほら、もう時間さ。こんなところで歌ってないで行きなよ｣

男｢そうだな……｣

木｢いや、目覚めてね｣

男｢おう……。ではまた……｣

ｽｳｰｯ..................................................

..........ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ....................

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男｢……｣

男｢……朝か｣ﾑｸｯ

男｢アロエに水をやらないとな……｣

ﾉｿﾉｿ

｢おはよう！｣

男｢おはよう、木｣

木｢寝癖が酷いね｣

男｢お前もな。頭から幹が1本飛び出てるぞ｣

木｢あ、気づかなかったよ｣ﾁｮｷﾝ

男｢アロエに水あげてくる｣ﾉｿﾉｿ

木｢ご飯作ってあるから並べておくよー｣

男｢はーい｣

木｢……珍しく朝から楽しそうだね｣

男｢そうか？｣

木｢うん、初めて映画みて感動した！的な顔してる｣

男｢……ならそうかもな｣

木｢いい夢でも見たの？｣

男｢あぁ、｣