美琴「インデックス、ダメ堪えて」インデックス「で、でも、もう無理かも……」 (70)

1作目
美琴「なんか白いのに慰められた」インデックス「白いの言うな!」
美琴「なんか白いのに慰められた」インデックス「白いの言うな!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376320209/l50)

2作目
美琴「白いのと沖縄行った」インデックス「短髪、パンツ見えてるよ」
美琴「白いのと沖縄行った」インデックス「短髪、パンツ見えてるよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389529569/l50)

3作目
美琴「白いのがメイドになった」インデックス「お茶入れてみたんだよ」
美琴「白いのがメイドになった」インデックス「お茶入れてみたんだよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389607853/l50)

4作目
美琴「白いのが、お、おっぱいを吸ってくる」インデックス「記憶にないんだよ?」
美琴「白いのが、お、おっぱいを吸ってくる」インデックス「記憶にないんだよ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389882069/)

5作目
美琴「白いのが出て行った」インデックス「短髪のバカバカバカ……」
美琴「白いのが出て行った」インデックス「短髪のバカバカバカ……」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1391046472/)


6作目
美琴「インデックス、ダメ堪えて」インデックス「で、でも、もう無理かも……」

今回は、百合、エロを含める予定です。あしからず


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1392097291

常盤台中学能力者実験準備室――とある書架室

インデックス「みことー、この本ここに置いといたらいい?」モグモグ

美琴「あ、そこで大丈夫……」モグモグ

インデックス「コイン発射時の低ソニックブーム設計概念……?」

美琴「それは、上の方のか行のとこにつっこんどいて」

インデックス「無反動化時の反作用についてのレポート……?」

美琴「あー、それはそこの青いゴミ箱にポイしといて」

インデックス「作業が……一向に終わる気配を見せないのだけれども」ヘナヘナ

美琴「こら、メイド。働け」

インデックス「お腹空いたんだよ……」

美琴「私のメロンパンを分けてやってんのに、その言いぐさ?」モグモグ

インデックス「……いや、それとこれとは関係ないんだよ」

美琴「はいはい、足りないってんでしょ……これ終わったらご飯にするから、私だって腹ペコよ……はむッ」

インデックス「あー! おっきい方とったかも!」

美琴「ふぁ? ふぁひいっへんのよ、どっひもおんらり……」


ガラガラ――(隣の実験室が空く音)


後輩「大丈夫でしょうか?」

先輩「能力で鍵かけたし大丈夫ですよ」

後輩「……じゃあ、早く、お願い」

先輩「そんなに焦らずに……んッ」

後輩「んッぅ……ちゅるッ……」

先輩「はあッ……んぅ……ちゅぱッ」

後輩「お姉さまの唇……熱いです」

先輩「……君の下の口はもっと熱くなってるんじゃない?」

先輩は自分の足を後輩の太ももの間にするりと差し込んだ。

後輩「ふあッ……!」ビクッ

ガタガタ――


インデックス「な、なに」

美琴「ひふぁあめ(見ちゃダメ)」ガバッ

インデックス「ま、前が見えないんだよ」

『あ、お姉様、そこは……』

『もう、濡れてる……』

インデックス「な、何かいかがわしい会話が聞こえるかも……ッ」ビクッ

美琴「ふぃずふぁに(静かに)」

美琴はインデックスの両目に手をかざしながら、準備室の扉の小窓からこっそりと実験室の様子を覗き込んだ。
女生徒が二人、一人がほぼ半裸で下敷きになって恍惚とした表情を浮かべている。

美琴(あ、あんたらこんな所でナニやってんのよ……ッ?!)

『んんッ……ぐちょぐちょですね』

ツプ――ピチャピチャ

『や……かき混ぜないでェ……』

インデックス「……わわわ」プルプル

美琴(ひい……)ドドドッ

『乳首甘い……』

『あッ!? ッやァ!』

『どうです?』

『……敬語、止めてください……ッんぅ』

『……可愛い……ねえ、どうして欲しいか言って?』

『もちろん……あなたの二本の指を私の膣の中に入れて、乱暴にぐちょぐちょにかき回してください!」

『よろしい』

『あ……ァ……あぁッ?!……んぅ』


ズチュズチュズチュ――


インデックス「ちょ、ちょっと手を離してほしいかもッ」ボソボソ

美琴(だ、だめこんなの見せられない……)ブンブン

インデックス「あ……ね、ねえ」ボソボソ

美琴「……?」

インデックス「お、お腹鳴りそうかも……」

美琴「ふぁ!?」

美琴はすかさず、先ほど半分に分けてあげたメロンパンに目をやった。

インデックス「さっきのはもう食べちゃったんだよ……」

美琴(ど、どうし……ここでインデックスのお腹の音が鳴れば、私たちがここで覗いてたのが確実にばれ……)

インデックス「み、みこと……ご、ごめん、もう」

美琴「ふぃんでっふす、らめこふぁえて(インデックス、ダメ堪えて)」

美琴(ぁ……そう言えば私いつまでメロンパン咥えてんのよ! これをインデックスに食べさせれば……は?! 手がふさがってる!?)

インデックス「み、みことぉ……」

美琴は数秒で迷いと決断を往復させ、後悔しながら自身が咥えていたメロンパンをインデックスの口元にあてがった。

インデックス「ふえ……はむッ」もぐもぐ

美琴「……ッ」ゾクッ

インデックス「はむッ……むぐ」ペロ

少女の両目を塞ぎながら、口移しで食べ物を与える。その行為による背徳感が美琴の背筋をなめた。

美琴(って、私……いつまで咥えてんのよ……)パッ

美琴は咥えていたところだけを噛みちぎって、インデックスから顔を離す。

インデックス「……んむ」ごきゅ

美琴「……」モグモグ

インデックス「……あ、収まってきたかも……」

美琴(ほッ……)

インデックス「……ね、ねえ……」

美琴「な、なに」

インデックス「……今、どうやって食べさしてくれたの?」

美琴「……」ビクンッ

『あ……いッ……ィ』

『もう、いきそう?』

グチュグチュ――


美琴「……ッ」カア

インデックス「……く、口?」

美琴「そ、そうよ、悪い?」

インデックス「悪いとかじゃ」

美琴「も……もう、黙って。聞こえるでしょ」

インデックス「……う、うん」

美琴(……し、心臓がもたない……)ドドドッ

インデックス「……」

美琴(……こ、いつこういうのに耐性あるのか、妙に落ち着いてるわね……)ドキドキッ




数分後――


美琴「はあッ……やっと出て行った」グッタリ

インデックス「……」

美琴「インデックス?」

インデックス「……ふえ?」プシュー

美琴「上せてる?!」

インデックス「喋るなって言ったから、とりあえず息も止めてみたんだよ……」フラフラ

美琴「バカ……!?」

インデックス「ああ、でも何か耳に残ってるものが……」フラフラ

美琴「忘れとけ……」

美琴はインデックスの頭を撫でてやる。

インデックス「う、うん……」

インデックスは美琴の胸のあたりに顔を埋める。

美琴「……ど、どうし」ドキッ

インデックス「美琴のせいで目の辺りがもやもやするかも……」グリグリ




美琴「悪かったわよ……」

インデックス「むー……ちかちかする」グリグリ

美琴「ほっとけば治るっての。それより、私風邪気味なんだから移るわよ」

インデックス「……それは困るかも」

美琴「でしょ」

インデックス「でも、もうちょっとこのままでもいい?」

美琴「……え」ドキッ

インデックス「みことの心臓の音、落ち着く……」

美琴「変なやつ……」

インデックス「あれ……だんだん早くなってるけど大丈夫?」

美琴「……風邪のせいよ」

インデックス「そっか……」

美琴「そうよ……」

インデックス「わ……私もね、今……すっごく早いかも」

美琴「……」

インデックス「……」


美琴はインデックスがゆっくりと離れていくのを感じた。視線が合う。インデックスの頬は、薄桃色に染まっていた。


インデックス「……わ、私……おかしいことだって、分かってるんだけど……分かってるんだけどね……あのね」

美琴「うん……」ドキッ

インデックス「みこと……」

美琴「なによ……」

インデックス「ご、ごめん……やっぱりいいや」

美琴「言いなさいよ……」

美琴はインデックスの腕を掴む。インデックスが少し怯えたような表情をしたように見えた

インデックス「……あ、あの……私も……キ……キ……キスして欲しい」

美琴(直球……過ぎるでしょ、いくらなんでも)ドキドキドキドキ

美琴「ダメって、言ったら?」

インデックス「みこと、いや……?」

美琴「……ッ」ゾクッ

インデックス「ねえねえ……」

美琴「そう言うのは、恋人同士でやるもんなの……」

インデックス「……私とみことは」

美琴「友達……」

美琴(なんて、友達に欲情する奴がいるか……っていう)

インデックス「ぅ……ッ」

美琴(……あ、泣く? やばい、私インデックスの反応が楽しくてしょうがない……なにこれ。どうなってんの)

インデックス「意地悪してるでしょ……」

美琴「……んん?」ギクッ

インデックス「……どうして、そういう事するのかな?」ギラッ

美琴「な、なんのことよ」

インデックス「みことが、私の事嫌いじゃないのくらい分かってるんだからね……?」ギラッ

美琴(あ、何かやばい予感が……)

インデックス「……女の子には手をあげない主義だったけど、みことは特別だからね」

美琴「へ?」




――ガブッ!

いったん抜けます

常盤台中学保健室――

ガラ――

美琴「こんにちわー。人に噛まれたんですが……」

ヒョコ

インデックス「誰もいないみたいだね」

美琴「たくッ、じゃあ、インデックス手当てよろしく」

インデックス「え?」

美琴「どうして私が? みたいな顔をしない」

インデックス「元はと言えば、みことが意地悪するからダメなんだよ」

美琴「……えへ」ニコ

インデックス「何が、『えへ』なんだよ! 全く、もう!」

テクテク――

インデックス「適当に消毒して、適当に絆創膏張っておいてやる!」ぷりぷり

ゴソゴソ――

美琴(つまり、手当しくれるのね……)

美琴は保健室の回転いすに座り、クルクル、と右回りに回る。

インデックス「えーと、これとこれでいいのかな」

美琴「早く早くー」

インデックス「ちょっと、うるさいかもみこと」

美琴「……う」

インデックス「ど、どうしたの? 言い方きつかった? それとも、傷が痛むのッ?」

美琴「回り過ぎて、酔った」

インデックス「……」



――ガブッ!

wan’t you kiss me 特別な、二人だけの秘密♪

しっかし上条さん抜きでこの二人がメインってな珍しいな
面白いからいいケド

美琴「ちょっと、ちょっと……乙女の肌にまた新しい傷ができちゃったじゃない」

インデックス「知らないかも」

美琴「なに、そんなにぷりぷりしてんのよ」

インデックス「ふん! 早く、腕出して!」

美琴「はいはい」スッ

インデックスはスプレータイプの消毒液を一吹きして、乱暴に絆創膏を張り付けた。

美琴「あたた……」

インデックス「これでいいよね」

美琴「ありがと」ニコ

インデックス「その無駄に落ち着いた感じはなんなのかな」

美琴「笑ってたら許してくれるかなーと」

インデックス「どうしようかな……」ニコ

美琴「どうしたらいいのよ?」

インデックス「キスして」

美琴「ぶふッ!?」

インデックス「そしたら、許すよ」

美琴「バカ言ってんじゃないわよ」ドキドキ

インデックス「お願いなんだよ……」

インデックスは、美琴にすがる様にしがみついてくる。上目づかいに頬を上気させて。

美琴「ちょ……」ゾクッ

インデックスの薄赤い唇が近づいてくる。

美琴「……待って、待って!」

インデックス「なんなのさ」

美琴「ど、どこにすればいいのよ」

インデックス「そ、そんなの頬っぺたに決まってるんだよ!」

美琴「な……なにいい?!」ガクッ

インデックス「い、嫌なの?」

美琴「え……あ、ううん。……右向いて」

インデックス「うん」クル

美琴「……ちゅッ」

インデックス「わーい!」

美琴「え、これでいいの?」

インデックス「うん、こんな感じなんだね……くすぐったいかも」

美琴「……」

美琴(え、え、えー!? それだけ、それだけなの!? 私一人バカを見たの!?)




インデックス「みこと? どうしたの?」

美琴「私の純情を返せ……」ボソ

インデックス「何のことか分からないけど、みことにもしようか?」

美琴「いい……わよ」

コンコン――

光子「あの、すいません」

インデックス「あ、みつこ!」

光子「あら」

美琴「こ、婚后さん」

光子「どうされたんです? ま、まさか御坂さんお怪我でも?!」

美琴「あ、違うの。ちょっと不可抗力で」

インデックス「むう」ギラッ

美琴「おとと……」

光子「私は少し手を切ってしまって。でも、ちょうど良かった。私、インデックスさんにご用事がありましたの」

インデックス「なになに?」

光子「この間お誘いしたので、ご迷惑じゃなければ良いのですが。今日も、これからお茶会を開くの良ければと思いまして」

インデックス「!? それは、ぜひぜひ行きたいかも!」

光子「喜んでいただけて良かった。丁度、イギリスから届いた紅茶と前食べてみたいと仰っていたケーキもありますので」

インデックス「ホント?! みつこありがとう! 大好きなんだよ!」

インデックスは人懐っこい笑顔で、光子に飛びついた。

光子「きゃッ」

インデックス「あ、手当してあげるね!」いそいそ

インデックス「ちょっと染みるから我慢して」

シュッ

光子「ありがとうございます……あ、所で御坂さん」

美琴「……へ?」

光子「あの御坂さんもお誘いしたいと思っておりましので、良ければどうでして?」

美琴「あ……えっと、ごめん! 今から用事あるの忘れてた」

インデックス「え?」

美琴「ちょっと行くとこあるからさ、インデックスのこと頼むわね」ニコッ

光子「そうですか、それはまたの機会にぜひ」

美琴「うん、ありがとう。今度はご相伴に預かるから」

インデックス「みこと……?」

美琴「あんまり、迷惑かけるんじゃないわよ」

インデックス「かけないんだよ!」

光子「そんな、迷惑だと感じたことなど……もっと仲良くなれればと思っておりますし」

インデックス「私も、みつこやきぬほやまあやと仲良くできたら嬉しいかも!」

光子「今日は、切班芽実と言う方も一緒でして、少し賑やかになるかと」

インデックス「めぐみ?」

光子「ふふ、会ってからのお楽しみと言うことで」

美琴「じゃあ、帰る時は迎えに行くから、婚后さん連絡くれる?」

光子「わかりました」

インデックス「みつこ、早く早く」ワクワク

光子「ええ、あちらでしてよ」


テトテトテト――




美琴「……」

美琴(……ゲーセンいこ)

とあるゲームセンター――

ダダダダ――
ガガガ――


美琴「……」

ホアター!
アチョアチョアチョ!

美琴「……」

ァタタタタ!
昇竜拳!

ウィナー!
カンカンカン!

対戦相手「うおおお?! 女子中学生に負けた!!??」

美琴「……」

ガタッ

美琴(……飽きた)

対戦相手「お嬢さん、勝ち逃げかい??」

美琴「なに?」

対戦相手「暇なら、お兄さんと」

美琴「……遊んでもいいけどさ」

対戦相手「え、まじで?」

美琴「その代償は……大きいかもね」ビリッ

対戦相手「げ……能力者かよ?!」

美琴「今、いらついてんの! 話しかけないでくれる?」

対戦相手「ちッ……時間無駄にしちまったぜ」

男は後ずさりして、逃げて行った。

美琴「……」

美琴(私、いらついてたんだ……)

美琴(わかってたけどさ)

美琴(人間が小さいな……嫉妬したのバレてないよね)

美琴(婚后さんに嫉妬って、ないわ……ほんと)

美琴(私、インデックスに……)

ポン――(肩を叩かれた)

上条「よう、ビリビリ」

美琴「……」

上条「懐かしいあだ名で呼んでも電撃が飛んでこないですと?!」

美琴「……あんたに構ってる心の余裕なんてないの」

上条「……どうした? 何かあったのか」

美琴(……そう言えば、昔、こいつにも)

上条「まさか、インデックスと喧嘩したのか?」

美琴(同じように、抱いてたものがあったっけ)

美琴「違うわよ」

上条「よく分からんが、上条さんで良ければ相談に乗るぞ」

美琴(こいつら、よく似た生き物ね……つくづく実感するわ)

美琴「あんたってさ……」

美琴(私、尽くしてくれる人が好きなのかな……)

上条「俺がどうした?」

美琴「……誰か好きになったことってある?」

上条「……そ、そりゃあ上条さんだって男の子ですので、恋の一つや二つはありますとも」

美琴「ふーん、それっていつ」

上条「えーっと、中坊の時とか」

美琴「女?」

上条「……女性の方ですが?」

美琴「あ……いやなんでもない」

上条「てか、そういう話なら、もうちょっと落ち着いたとこで話そうぜ」

美琴「……そうね」

今日はここまでです

>>14
すぐにエロイ方に持っていくんだから

>>13
影響受けまくりです

>>24
エロくてナニが悪い!?

>>26
悪いわけがないだろ!

上条さん中学の時の記憶無いだろ

>>31
あ、ごめん


>>22 訂正


美琴「違うわよ」

上条「よく分からんが、上条さんで良ければ相談に乗るぞ」

美琴(こいつら、よく似た生き物ね……つくづく実感するわ)

美琴「あんたってさ……」

美琴(私、尽くしてくれる人が好きなのかな……)

上条「俺がどうした?」

美琴「……誰か好きになったことってある?」

上条「……うん、ない」

美琴「……使えないわね」

上条「まあ待てよ、もしかしたら何か名案を思い付くかもしれないだろ」

美琴「そうかしら……?」

上条「言うだけでも言ってみたらどうだ?」

美琴「……うーむ」

上条「ここじゃ、落ち着かないしちょっと場所を移そうぜ」

美琴「え……うん」

読んでくれてありがと

とある公園――

上条「それでは……」

美琴「……あんたさ、インデックスのことどう思ってるの」

上条「インデックス?」

美琴「好きなの?」

上条「がはッ!?」

美琴「ちょ、汚いわね」

上条「どうって言われても……俺は」

美琴「好きか嫌いか簡潔に述べなさい」

上条「OK、俺も男だ……好きだよ」

美琴「そ……う」

上条「……どうした?」

美琴「いや……」

上条「言っとくけど、あいつは守るって決めたから……だからその恋愛感情とはまた違うといいますか」

美琴「……恋愛感情じゃないなら、なんなのよ」

上条「野生生物保護条例に則って活動しているレンジャーのような気持ちです」

美琴「何それ……ペット?」

上条「それに近いなあ。……うちのインさんがどうかしたのか?」

美琴「……」

上条「ま、まさか何か粗相を?」

美琴「別に……いや、そんなのしょっちゅうよ」

上条「何ですと!? 帰ってきたら、お尻ぺんぺん……ってセクハラだよなこれ」

美琴(……何だかんだ。こいつら仲良いのよね……)ズキ

美琴(……やっぱ、話す相手間違えたわ)

美琴「一応、あの子も女の子だしね……」

上条「然らば、やはりご飯おかわり抜きの刑に処すか……」

美琴「それは苦痛でしょうね……はあッ」


美琴は頭を垂れて、項垂れた。


上条「御坂? ……んー、ちょっと喉渇かないか? 買ってくるから、何が良い?」

美琴「……いちごおでん」

上条「あいよ」

タタタタ――

美琴(さらに気を遣わせてどうすんのよ……)

美琴(こいつと喋ってると、インデックスが遠くなっていくような……気持ちになる)

美琴(私の知らないインデックスを知っているから?)

美琴(ヒーローには……勝てないから……?)

美琴(純粋に守りたいって想いが眩しい……)

美琴(何で、あんた……そんなに真っ直ぐなの……)

美琴(比べてしまう……私はいつまでもドス黒い感情を引きずりながらでしか、誰かを守れない……)

美琴(……守りたい守りたいって、私を好きでいてもらいたいだけじゃない。私を癒してくれる人を求めてるだけよ……)

美琴(見返りしか求めてないから、嫉妬ばかりするのね……)


美琴は腰を上げる。一度、上条の向かった先に視線を送った。
彼はまだ帰ってこない。彼女は財布から小銭を取り出して、ベンチに置いた。









タタタ――


上条「……お待た」ピタッ

上条「あれ?」キョロキョロ

上条「御坂……?」

とあるビルの屋上――


美琴(逃げて来ちゃった……)


美琴は錆びた鉄塔に背を預ける。


美琴「……はあ」

美琴「……そろそろ、終わる頃かな……」

美琴「……インデックス」ボソ

カツン――

美琴「誰!?」クルッ

後ろを振り返ると、白髪の少年――一方通行が奇妙な表情でこちらを見ていた。

一方通行「……」

美琴「あ、あんた……い、いつからそこに」

一方通行「言っとくがよォ、俺は最初からそこにいましたがァ」チラ

彼は鉄塔の上を指差して言った。

美琴「き、聞こえた?」

一方通行「反射してたから、雑音は耳に入ってこないが」

美琴「そ、ならいいのよ」

一方通行「生憎、お前が来る前のお話だァ」

美琴「ひッ……」カア

一方通行「カカッ……痒いねェ」

美琴「……忘れて!」

一方通行「お前の独り言だろォ、知ったこっちゃないぜェ」

美琴「あんた……なんでここにいんの」

一方通行「シスターズから聞いてなィのか……?」

美琴「何をよ」

一方通行「今日は……」

美琴「今日は?」

一方通行「ガキをカエルの所に行かせてる」

美琴「……ああ、もうそんな時期か……」

一方通行「全裸で検査するんだと」

美琴「……で、追い出されたと」

一方通行「まァそんな所だ……たく……あのガキ、思いっきりどつきやがって……」

よく見ると、一方通行の白い右頬が薄ピンクに染まっていた。
反射をしなかった所を見ると、一方通行は打ち止めに相当甘いのだと思えた。

美琴「……ロリコン」ボソ

一方通行「今、何つったァ?」

美琴「別に」

一方通行「お前と言い、シスターズと言い、人をおちょくるのがよっぽど好きらしいなァ」

美琴「あんた、丸くなったわね……」

一方通行「余計な体力を使いたくないンだよ」

美琴「……ううん、自分に素直になった、でしょ?」

一方通行「何がでしょ? だ……俺は元から俺の意志でしか動いてなィんだよ」

美琴「羨ましい……」

一方通行「はあ?」

美琴「単純で羨ましい……」

一方通行「……お前、自分がいかに単純じゃないかとか考えたことあっかァ?」

美琴「考えないわよそんなこと」

一方通行「だろうなァ」

美琴「思ったらすぐ行動。後先の事なんか考えない。あんたたちが羨ましい」

一方通行「俺がいつ、そんなどっかのアホなヒーローみたいなことをした」

美琴「自覚無しって、怖い」

一方通行「……俺は全部計算して動いてんだよ」

美琴「え、やだ、それもそれで嫌らしい」

一方通行「……」

美琴「……ごめん、傷つけた?」

一方通行「かすってもいないから安心しろ」

美琴「そう言えば、ロシア娘は何してんの?」

一方通行「こうるさいから置いて来た」

美琴「とか言って、打ち止めが心配だから付き添いさせてるだけでしょ」

一方通行「うっせェ」

美琴「ホント、家族みたいになって……」

一方通行「そこは……ま、否定はしねェなァ」

美琴「……そう」

一方通行「なンだ」

美琴「いや……」

美琴(ホント、羨ましい……)

一方通行「またごちゃごちゃ考えて時間の浪費してるンですかァ?」

美琴「してるわよ……悪い?」

一方通行「どうでもいいし、お前の相談に乗ってやるつもりなんざねェが……いつまでも目の前の問題があると思うな。その答えだって、同じものが昔と変わらずそこにあるとは限らねェんだ」

美琴「相談なんてした覚えないから……」

一方通行「カカ……単なる戯言だァ。さて、俺はもう行くが、お前はそこで日が暮れるのでも待っておけばいい……カカカッ!」

美琴「ちょッ」

笑いながら、一方通行はひらりと屋上から飛び降りた。下から誰か見ていたら肝を冷やしただろう。彼の、喉を潰すような声が小さくなっていく。

美琴(……ポエマーめ)

ピピピ――

美琴「……メール? あ、お茶会終わったんだ」

少女は一つ伸びをする。

美琴「しゃーない、迎えに行くか……っしょ」


カツン、カツン――――




常盤台中学――中庭、噴水前

美琴「ごめん、お待たせー」

インデックス「美琴ってば遅いから、もう少しでお土産のケーキも食べちゃうところだったんだよ」

光子「お代わりでしたらいくらでもありますので、安心してたーんとお召し上がりくださいな」

インデックス「じ、冗談なんだよ。人にあげる物を食べる程、落ちぶれてないかも……たぶん」

美琴「たぶんて」

光子「ふふ……可愛らしい方ですね」

美琴「そーかなあ」

インデックス「少なくとも美琴よりは可愛いかも」

美琴「ほお……?」ビリ

インデックス「ここは、能力禁止だって書いてあったんだよ……?」ジリ

光子「クスクス」

美琴「笑われてるわよ」

光子「いえ、仲がよろしいようで、お二人のやり取りが面白くてつい」

インデックス「でも、今日のみつこの方がもっと面白かったんだよ。さっきだって」

光子「ちょ、ちょちょちょ! それは言わないお約束ではなくって?!」

美琴「?」


インデックス「ふっふーん、じゃあこれは貸しにしておくね」

光子「インデックスさんてばいじわるなんですから……」

美琴「何かあったの?」

インデックス「内緒なんだよ」

光子「御坂さん、なんでもなくってよ?! さ、さて日も暮れて来ましたし私はこれで」

インデックス「またね、みつこ」

光子「はい。それではごきげんよう」

美琴「……」

美琴(……あいた)

美琴は無意識のうちに、昼間インデックスに噛まれた腕を握りしめていた。

美琴(痛いはずよね……)

美琴「インデックス……楽しかった?」

インデックス「うん!」ニコ

美琴(無邪気ね……まるで夕暮れまで公園で遊んで来た子ども)

美琴「ケーキ、何個くらい食べたのよ?」

インデックス「ちょっとだけ」

美琴「だから何個よ?」

インデックス「ほんの10個程……かも」

美琴「……あんたね……お返しのことも考えなさいよね」

インデックス「そ、それじゃあメイドとして雇われに」

美琴「いやいや……」

インデックス「で、でもそれ以外に方法が」

美琴「駄目よそんな……」

美琴(ダメ? ……私にこいつの行動を止める権利なんてないでしょうが……)

インデックス「そんな?」

美琴「あ、いやほら私たちもお茶会開いて招待すればいいでしょ」

インデックス「なんという一石二鳥なお返し……!」

美琴「呆れた、太っても知らないわよ?」

インデックス「むふふふ……」




常盤台女子寮――美琴たちの部屋

ガチャ、バタン――

黒子「ただいま、ですの……あら」

インデックス「あ、くろこおかえり」もぐもぐ

美琴「おかえりー」

黒子「お姉様、そのケーキ」

美琴「今日、インデックスが婚后さん達のお茶会に御呼ばれしてね、お土産もらってきたみたい」

黒子「みたいって、お姉様はご一緒しなかったんですか?」

美琴「え、ちょっと用事があってね」

黒子「そうなんですか、私てっきりそれを買いに街に出られてたのかと」

美琴「え?」

黒子「ほら、あのツンツン頭の類人猿と何やらお話していた所のすぐ近くで、ジャッジメントが交通整理してたんですのよ」

インデックス「美琴、今日とうまと会ったの?」モグモグ

美琴「あ、ううん……人違いじゃない」チラ

黒子「……え、あー……そうですわね、私も遠くからでしたのでしっかり確認してませんでしたし」

インデックス「うっかりさんなんだよ」モグモグ

黒子「おほほほ、最近昼夜忙しかったせいでしょうか……私も糖分補給させて頂きますの」モシャ

美琴「あんた働き過ぎなんじゃない? 気をつけなさいよ」

黒子「ええ……」

黒子(お姉様……?)モグモグ

美琴「私もう食べたから、あとは黒子にあげるわ」

美琴は立ち上がって、シャワールームへ向かう。

黒子「あ、お姉様お背中お流し」バフン!

美琴「じゃかあしい!」

黒子「ああん!? いきなり、枕を投げつけるなんて、ひどいですの!」

美琴「あんたも学習しなさいよね……たくッ」

スタスタスタ――バタン

黒子「いつも通りの反応ですわね……」

インデックス「どしたの?」ゴックン

黒子「お姉様、どこか変ではありませんでした?」

インデックス「んー……、今日は考え事してるっていうか、ぼーとっしてることが多かったかも」

黒子(……そういう時は、たいてい、誰かさんのことを考えていたりするのですけれど……いつもと反応も違うし……)

インデックス「……何だろうね?」

黒子「肝心なことは仰らない人ですからね……」

インデックス「頑固者なんだよ」

黒子「そうですわね。誰に対してそんな意地を張っているのか……分かりませんが」

黒子(あの方でなければ……インデックスさんくらいしか思いつきませんけど)チラ

インデックス「うん?」

黒子「はあ……」

インデックス「何か、思い当たったの?」

黒子「そうですわね」

インデックス「何かな」

黒子「えー、日本には古来より裸の付き合いと言う、腹を割って話すための作法がありまして……本音と本音を話すときには、身を守るものなく互いに真正面から傷を背負い合うとさらに互いの仲が深まるという都市伝説的なものがあったりするので……インデックスさん」チラ

インデックス「そ、それは、私に今すぐシャワールームに行って、美琴を偵察して来いと言っているのかな?」ビクッ

黒子「今の所、インデックスさん以外に悩みの種が思いつきませんの」

インデックス「ううッ……肩身の狭い立場だから、それを言われると痛いんだよ」

黒子「薄々気づいてたんじゃないんですの?」

インデックス「……な、なんのことかな」

黒子「その反応を見る所、心当たりがあるようですね」

インデックス「なきにしもあらず……かも」

黒子「ま、あとは本人達でどーぞ」

黒子はインデックスの服に手を当てた。瞬間、全ての衣服が取り払われる。

インデックス「うっひゃ!?」

黒子「行ってらっしゃい」

インデックス「くろ」

ヒュパ――

刹那――少女の姿は言葉と共に切り取られ、数秒してシャワールームからどちらともつかない悲鳴が聞こえた。

黒子「……焼けますこと」

シャワールーム――

ヒュパ! ――ドバシャン!

インデックス「ふぎゃッ」

美琴「……な」

カラン――

シャワーヘッドが美琴の手から滑り落ちて、床を転がった。
噴水のように、インデックスの裸体に湯がかかる。

インデックス「あつ!? な、なに! やめ」

美琴「はああ?! ちょ!? あ、あんたいきなりびっくりするじゃない!?」ビリッ

インデックス「いたッ!? それ痺れるからしまって欲しいかも!」

美琴「いやいやいやいや! 驚いたから! めちゃくちゃ驚いたから! ホントに!」

インデックス「私だって、何の心の準備もなかったんだよ!!」

美琴「はッ、黒子の仕業ね? そうでしょ! あンの……野郎……ッ」

美琴は言いながら、シャワールームの扉に手をかけた。

美琴「くろ」ガシッ

インデックス「待って欲しいかも!」

美琴「ちょ」

美琴は腕にしがみつくインデックスを見やる。そして、ふと、この少女がここへ飛ばされた訳を、冷静に考える。

美琴「……」

インデックス「あのね……」

美琴「え、ええ」

インデックス「あ、あのね!」

あの後輩がやることなど、いつも自分のために他ならないではないか。彼女は自分の衝動を抑えるように、下唇を噛んだ。

美琴「……」

インデックス「みこと……」

美琴「お膳立てされるなんてね……」

インデックス「あ、あのね……へ、へっくしゅ!」

シャワールームに少女のくしゃみがこだまする。美琴は落ちていたシャワーヘッドを手に取って、インデックスの身体にゆっくりかけてやった。

インデックス「あったかい」

美琴「……ねえ」

インデックス「……なにかな」

美琴「気が付かなかったんだけど、あんた、パンツ履きっぱなしじゃん!?」

インデックス「え? あ、ええ!?」

二人ともびしゃびしゃと足元で水しぶきを散らす。インデックスは慌てて下着に手をかけた。片足で滑りそうになるものだから、ひっかけるように美琴を支えにする。

インデックス「ふう……」

美琴「ふう……」

インデックス「準備万端なんだよ……」

美琴「と言われましても……」

インデックスは仁王立ちで、こちらを見上げている。

美琴「前くらい隠しなさいよ……」

インデックス「これは、隠し事なく話をしようという意思の現れかも!」

美琴「……私、別に隠してることなんて」

インデックス「みことは……ないんだね。じゃあ、私が隠してたこと言うね」

美琴「え」

インデックス「まず、一つ!」

美琴「お、おう」

インデックス「この間作ってもらったおしゃぶり無くしました!」

美琴「いや、それはかまわないけど」

インデックス「二つ! この前連れてってもらったラーメン屋、マズかったかも!」

美琴「なんですとッ……」

インデックス「三つ! みことのゲコ太のストラップ踏んづけて壊したの私なんだよ!」

美琴「ぶッ!?……許さん」ビリッ

インデックス「あ、痛い痛い! 痺れてる! ごめんなさいッ」

美琴「……それだけなの?」

インデックス「四つ……」

美琴「……」

インデックス「……お茶会、一緒に行って欲しかった……かも」

美琴「……」ズキッ

インデックス「……用事あるなんて、言ってなかったんだよ。うそ……だよね」

インデックスは、真っ直ぐにこちらを見ている。

美琴「……うん」

インデックス「私と一緒にいるの……いや?」

美琴「そんなこと言ってないじゃない……」

インデックス「みこと、例えそれが嘘でもいいんだよ。私は、みことの幸せを祈るって決めたから」

美琴(だから……どうして、そこまで言えるの……)

インデックスは笑っている。美琴にはそれが自分を不安がらせないようにするための気遣いであると知っている。知っているからこそ、なおのことこのインデックスという少女が、どうして自分にここまで優しく献身的に接してくるのか、疑問に思うのだ。

唐突に、上条当麻の屈託のない笑みが、美琴の脳裏に蘇る。

インデックス「ただ……迷惑なんじゃないかなって、私の独り善がりなんじゃないかなって思ったらやっぱり怖いんだよ」

美琴「迷惑じゃないのよ……」

インデックス「良かった……」

美琴「でも、私には……自信がない。……あいつにシスターズの件で助けられた時も、どうしてって思ったの。嬉しかったのはもちろんだけど、守ってもらっておいて、私が、私自身を否定してしまう……こんなのあいつにも妹達にも申し訳ない……」

インデックス「……みこと、私達は誰かに助けてもらったり、守られたりして生きていくんだよ。それはあったかいことで、後ろめたいことかもしれないけど」

美琴「それが、苦しい」

インデックス「みこと……」

美琴「あんたたちは、凄いわよ……呼吸するみたいに、自然に救いの手を差し伸べて……」

インデックス「……みことにだってそれはできるんだよ」

美琴「……ヒーローってさ、弱いものを救うけど、あまりにも弱い人間にとっては……近づけば……毒になることもある」

美琴(……どうして私こんな弱音ばかり……こいつに話しちゃうの?)

インデックス「……みこと、私にはあなたを救いたいとか守りたいとか、そんな立派なものはなくて、ただ喜んでもらいたいだけなんだよ。笑って欲しいんだよ……私だって自分の我がままで動いてるだけなんだから」

美琴「それは、嬉しい……でも、嫌なの。あんたを縛っている気がして。あいつから奪っているような気がして……私、あいつに嫉妬してる……負い目を感じてる……あんたはここにホントはいちゃいけないって……自分の感情がバラバラで掴めなくて……混乱してる」

インデックス「……まだ、遠慮してたの」

美琴「するわよ……」

インデックス「……」

インデックスは一歩、美琴に近づいた。それは、肌と肌とがぶつかるほど近く――、

美琴「なに……ん」

インデックスが背伸びをした途端、美琴は自分自身に何が起こったのか理解できなかった。
ちかちかと、脳髄に小さな爆発が起こる。

インデックス「ッ……」

美琴の瞼が何度か瞬いた。その間に、天井から冷たい滴が肩に落ちる。
それから、彼女は、唇に温かい何かを感じ、漸く、自分がインデックスにキスをされているのだと悟った。

美琴「あ、あ、あ、あんた今」

動揺で、言葉が上手く舌に乗らない。

インデックス「キスしたんだよ」

身体が動かない。
いつの間にか、少女の両腕に抱かれている。

インデックス「ねえ、私達友達?」

美琴「そのはず……よ」

インデックス「友達には頬っぺたにキスする?」

美琴「あ……あんまりしない」

インデックス「唇には」

美琴「……しないかな」

インデックス「私ね美琴に甘えてるんだって、甘えたいんだって最近つくづく思うんだよ」

美琴「インデックス……」  

インデックス「でも、変だよね。とうまといる時にはね、一緒にいたいとは思ったけど触れたいとか、キスしたいとか思わなかったんだよ。これってなんなのかな」

美琴「あんた……私の事……好きなの?」

インデックスはその質問に答えなかった。

インデックス「……ほっとけないかな」

呟くように言った。

美琴「……」

勝手だ、と美琴は思った。ここまできて好きとも言わず、まるでインデックスは自分に決定権を残しているようだった。けれど、彼女の中にも迷いがあるんじゃないだろうか。それは、彼女の中にも――上条当麻がやはりいるからなのかもしれない。自分の中にあったように。

インデックス「私達、もしかしたら、甘えれない鬱憤を晴らし合ってるだけなのかもしれないね」

美琴「そうかもね……」

互いに、優しさに飢えていたのかもしれない。

美琴「……私、素直じゃないわよ」

インデックス「知ってるんだよ」

美琴「喧嘩っ早いし」

インデックス「それは、もう身をもってわかってるかも」

美琴「隠し事だってするし、嘘も言う」

インデックス「大丈夫。そんなの当たり前のことなんだよ……私だって綺麗じゃない。でも、みことにならそんな私を知ってもらいたいかも」

あんたは十分綺麗よ、なんてクサイ言葉は言わない。
美琴はインデックスの身体に腕を巻き付かせる。

インデックス「みこと?」

顔を見られたくない、と美琴は思った。これが自分の意気地なのだ。

美琴「嫉妬もする……」

自分より一回り小さな少女は、かすかに笑った。

インデックス「いつしたの?」

美琴「お茶会に誘われた時……」

インデックス「そうなんだ……おこちゃまなんだよ」

美琴「悪かったわね」

インデックス「でも、嬉しいかも」

インデックスは、猫のように頬を肩の辺りに摺り寄せる。くすぐったくて、柔らかくて暖かくて、気持よい。
少女が、少しとろんとした瞼でこちらを見上げてくる。美琴は、少女が何を期待しているのか分かった。
恥ずかしさから、躊躇して顔を背けてしまう。

インデックス「こっち、向いて欲しい……」

美琴「ええ……」

やや顎を引気ながら振り返る。インデックスの顔が近い。近すぎる。
鼓動が早くなる。息が苦しい。この状態でキスなどしたら、呼吸困難にでもなってしまうかもしれない。
うだうだとそんなことを考えている間に、二発目が唇に向かって発射されていた。

美琴「ッ……ン」

触れるだけかと思いきや、離れる瞬間に唇で唇を挟まれた。
ぷるん、と下唇が震える。

インデックス「柔らかい……」

美琴「た、食べないでよ……」

緊張のあまり、ムードも何もない言葉が口を衝く。

インデックス「食べないんだよ……」クスクス

美琴「そ、そう」

インデックス「みことからはしてくれないの?」

少女が小首を傾げる。

美琴「……して欲しい?」

インデックス「うん」

素直だ。なにこいつ、可愛すぎる。

美琴「ちょっと、待ちなさい……準備が」

インデックス「何の?」

美琴「心の」

インデックス「……じゃあ、目を瞑っておくね」

そう言って、インデックスは少し上を向いて目を瞑った。
長い睫が震えている。とても無防備だ。だから、余計に欲情をそそられた。
そう考えている自分に、自責の念が湧く。

美琴「……」

美琴は生唾を飲み込んだ。

インデックス「……まだ?」

美琴「ええ……」

羞恥もあったが、実は見ているのが楽しいとは言えない。
自分にねだっている姿が可愛くて、もう少し見ていたいと美琴は思った。

見つめていると、インデックスの小さな頬っぺたが少し膨らんだのが分かった。
また噛みつかれて痛い思いをするのも嫌なので、美琴は漸く彼女のおねだりに従った。

インデックス「……ふッ……ン」

美琴「ン……」

手が自然、インデックスの胸に伸びる。
横から包むように触れると、インデックスの身体がびくりと跳ねた。
身をよじって離れようとしたので、さらに深く口づけた。
舌を唇に押し当て、口内へ舌をねじ込ませる。

インデックス「ァッ……フッ」

何をどうしたら、彼女を満足させられるのか、何も分からない。
ただ、自分が触れたくて甘えたくて、その衝動のまま彼女の口内を犯した。
少女の時折漏れる掠れた吐息がくすぐったい。

美琴「……ぷはッ」

インデックス「ッハぁ……ハぁ」

唇を離すと、インデックスは少し足元をふらつかせた。

インデックス「な……長いかも」

頬を火照らせ、少女が体を離そうとする。

美琴「……気持ちよかった」

言葉が無意識に口をついて出た。
インデックスが恥ずかしそうに、口元をもごもごさせる。

インデックス「私もなんだよ……」

そう言ってふにゃりと微笑んだ。


美琴「ックシュ!」

インデックス「大丈夫? そう言えば、風邪っぽいって言ってたんだよ」

美琴「あー、平気よ」

言いつつも、背筋に悪寒が走る。

インデックス「温めてあげる」

彼女は美琴の背中をさする。

美琴「……じゃあ、私も」

サスサス――

インデックス「ひゃッ、ど、どうして、胸をさするのかな?」

両脇からインデックスの胸を挟む。軽くたゆませる。

美琴「ちっさ……」

インデックス「そ、それはみこともうひゃ?!」

美琴は、小さな突起に唇を近づけた。意を決して、さくらんぼを啄むようにそれを口に含む。
ちゅぱりと水音を奏でる。

インデックス「ッ……!?」

何をされているのか理解していないインデックスが、その突起から伝わる刺激に耐えるようにして、美琴の頭を両腕で挟んでくる。小梅を噛むように、美琴は歯を立てる。

インデックス「ふんッ……ッくぅ!」

声が大きく漏れた。その幼さの残る甘い響きに、美琴は腰が砕けそうになる。

かあ、と自分の頬が熱くなる。興奮しているのが分かった。
もっと、彼女の甘ったるい声を聞かせて欲しい。そう思って、またインデックスの唇に啄むようなキスをする。
いつの間にか、羞恥は消えていた。ただ、彼女の乱れる姿が見てみたいという欲求が頭の中に沸々と湧き上がっていた。
純粋な彼女が、性に溺れる姿を見たいと。

美琴「はぁ……ッ」

だが、待て、と美琴は思い当たる。外に黒子がいるのをすっかり忘れていた。
声を出されて、気づかれたらしゃれにならない。

美琴「……インデックス、この続きは」

また、今度、と言おうとした矢先、インデックスが美琴にもたれかかりながらこう言った。

インデックス「もっと……して」

美琴「……ッ」ゾクゾクゾク

それは、美琴の理性を瓦解させるには十分な破壊力だった。

美琴「あんた、声出さないでよね……」

インデックス「頑張る……んだよ」

その後、何度も何度も胸を揉みしだき吸っては、声が出そうになるたびまたキスを繰り返してやった。
呆けたインデックスが、もう立てなくなった頃に、漸く二人はシャワールームを後にした。






黒子「長かったですわね」

その言葉に、二人ともがぎくしゃくと頷き返していた。






翌日、美琴は風邪を引いて、1日中ベッドに張り付けになった。






6作目 おわり

読んでくれてありがと。

とりあえず、みこインのこのシリーズはいったん終了です。
また、書きたくなったら書くかもしれません。謎とか伏線とか回収してなくてすいません。
次は、たぶん百合発展しないみこインになります。


タイトルは、


インデックス「とうまが消えた」美琴「あんた、水は、トイレは?」
インデックス「とうまが消えた」美琴「あんた、水は、トイレは?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1393771970/)

興味あればどうぞ

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