健夜「はあ……」恒子「どうしたの?すこやん」 (64)

健夜「お母さんが早く結婚相手見つけなさいってうるさくて」

恒子「そうなんだ、ラジオ番組の続投が決まって憂鬱になってた訳じゃなくて良かった」

健夜「こーこちゃんに変ないじられ方するからそれも憂鬱だけどね」

恒子「ひどっ!?」

恒子「そんなこと言ってると男紹介してあげないよ」

健夜「別にいいよ、こーこちゃんの知り合いみたいなリア充男子と私みたいなアラサー実家暮らしじゃ釣り合わないだろうし」

恒子「ちょっ、ネガティブすぎでしょ!?すこやんだってまだまだいけるから大丈夫だよ」

健夜「それに……麻雀強い人じゃないと興味ないし」

恒子「麻雀強い男かあ」

恒子「大沼プロとか?」

健夜「いきなり相手の年齢上がりすぎだよ」

恒子「でもさあ、すこやんぐらい麻雀強い人なんて分かんないよ」

健夜「私も印象に残ってるのは赤土さんぐらいかな」

恒子「ハネ満直撃されたんだっけ?あーあ、赤土さんが男だったらすこやんも独身を卒業出来たのになぁ」

健夜「こーこちゃんそれだよ!!」

恒子「えっ??」

健夜「赤土さんが男になれば良いんだよ!!赤土さん自身も私との再戦を望んじゃうくらい私の事好きだし」

恒子「いやいや赤土さんは女だよ?性転換してって言ってしてくれるとも限らないしどうするの?」

健夜「困った時の神頼みだよ!!」

恒子「それなら縁結びをお願いしようよ」

健夜「そういうの良いから鹿児島まで行くよ!!」

恒子「えー」

健夜「という訳なんです」

小蒔「あの、そんな事言われても困ります」

健夜「霧島神境の姫なんだからきっと出来るよ!!」

小蒔「そんな事言われましても……」

健夜「どうしてやる前から諦めるの!!大丈夫きっと出来るよ!!さあ、さあ!!」

恒子「すこやんに出会いが有るように祈祷して貰うだけでも良いんでお願いします」

小蒔「それぐらいでしたら」

健夜「ダメだよ!!ちゃんと赤土さんを男にしてもらわないと!!戸籍の方は私がなんとかするからさ」

小蒔「えっ、えぇ……」

恒子「すこやん落ち着いて。そんなに赤土さんに固執しないでいいでしょ」

健夜「やだ!!やだぁ!!」

恒子「うわぁ……」

恒子(結婚がすこやんをここまで狂わせるなんて……)

小蒔「霞ちゃん、助けてください」

霞「巴ちゃん」

巴「呼びました?」

霞「お客様がお帰りよ」

巴「はい」

健夜「邪魔しないで!!」

巴「はっ」ドス

健夜「うっ……」バタッ

巴「失礼します」ズルズル

恒子「お、お邪魔しました」

霞「小蒔ちゃんもう大丈夫よ」

小蒔「助かりました」

初美「大変だったみたいですね」

小蒔「ちょっと小鍛治プロに幻滅しちゃいました」

春「駄目な大人の見本」ポリポリ

健夜「はあ……神代さんでもダメかあ」

恒子「すこやん元気出しなよ。赤土さんを男にするより良い男を探す方が楽だよ」

健夜「……」

恒子「……」

恒子「とりあえず長野に行こうよ。すっごいイケメンがいるらしいよ」

健夜「そう」

恒子「じゃあ決定ね」

健夜「うん」

恒子(テンション落ち過ぎー)

健夜「着いたね」

恒子「すこやん見て!!早速イケメンがいたよ」

健夜「えっ!?」

ハギヨシ「……」

健夜「ほ、本当だ」

恒子(やっとテンション上がったみたいだね)

ハギヨシ「お疲れ様です。藤田さん」ニコッ

藤田「萩原さん!?何でここに」

恒子「あれ……?」

健夜「こーこちゃん……靖子ちゃんをやっちゃっても良いよね?」

恒子「ダメだよすこやん!!落ち着いて」

ハギヨシ「迎えに来たのですが迷惑でしたか?」

藤田「いや迷惑という訳じゃ……」

ハギヨシ「では行きましょう」グイッ

藤田「ちょっと、引っ張らないでくださいよ」

健夜「やるっきゃない」

恒子「やっちゃダメー!!」

健夜「でも……」

恒子「イケメンなんて他にもいるよ!!探しに行こう」

健夜「そうかな……」

恒子「そうだよ!!」

健夜「そっ、そうだよね!!よーし頑張ってイケメン探すぞー」

恒子「ふぅ……」

恒子「すこやん!!あれ、イケメンじゃない?」

健夜「でも、頭に何か乗ってるよ」

恒子「あれは……カピバラかな?」

健夜「何でカピバラ!?」

京太郎?「カピバラではない神だ」

恒子「喋った!?」

健夜「下の人がね……」

京太郎?「私は今飼い主の体を 恒子「ほらやっぱりイケメンじゃん」

健夜「えー……見た目は良いけど中身が……」

恒子「それはこれから何とかすれば良いじゃん」

健夜「でも麻雀は?」

恒子「すこやんが鍛えればすぐに上手くなるよ」

健夜「そうかな~」

京太郎?「あのー話聞いてくれます?」

健夜「はい何ですか?」

恒子「何だっけカミバラさんだっけ?」

京太郎?「そうじゃなくて神です」

健夜「やっぱり私の手には負えないよ」

京太郎?「別にあなたとどうにかなるつもりじゃありませんから」

健夜「ア゛!?」

恒子(それはそれで怒るんだ……)

健夜「じゃあいったい何の用ですかー?」

恒子(機嫌わるっ)

京太郎?「さっき鹿児島の知り合いから連絡があって、迷惑なアラサーが来たからまた来ない様に何とかしてくれって頼まれまして」

健夜「アラサーじゃなくてアラ……って合ってたね」

恒子「すっかり板についてるねそれ」

健夜「こーこちゃんのせいでしょ」

京太郎?「……」

健夜「あっ、ごめんなさい何でしたっけ?」

京太郎?「頼みますよ後で文句言われるのはこっちなんですから。あいつらいつも9人がかりで面倒くさいんですから」

健夜「ごめんなさい、それで用って何ですか?」

京太郎?「あなたの願いを叶えましょう」

健夜「えっ!?本当に神様?」

恒子「すこやん信じちゃダメだよ」

健夜「でもさ、お願いするだけならタダだよ」

恒子「まあ確かに」

健夜「という訳で靖子ちゃんを不幸にしてください!!」

京太郎?(あれ?聞いてた願いと違う……)

恒子「おいぃ!!そうじゃないだろ!!」

健夜「そうだった、赤土さんを男にしてください!!」

恒子「そうじゃなくて、理想の男と結婚させてもらいなよ」

健夜「私の理想は赤土さんだって気付いたから」

恒子(もうすこやんは駄目かもしれない)

京太郎?「分かりました」

恒子「分かっちゃうの!?」

健夜「やっぱり本物の神様だったんだ」

恒子「見た目カピバラだけどね」

京太郎?「完了しました。戸籍上も男にしたので結婚出来ますよ」

恒子「赤土さんは良いって言ったの?」

京太郎?「えっ!?小鍛治さんの願いを叶えるだけだからそんなの関係ありませんよ」

恒子「神様ってか悪魔じゃん……」

健夜「こーこちゃんそんな事より阿知賀に行くよ!!」

恒子「……」

恒子(これはきっとドッキリ……だといいな)

恒子「奈良に着いたね」

健夜「きゃっ」ドン

晴絵「ごめんなさい大丈夫ですか?」

健夜「大丈夫です……って赤土さん!?」

晴絵「小鍛治プロ!?すみません今急いでるんで」

健夜「きっとここで会ったのは運命だから……離さないよ!!」ガシッ

晴絵「離してください!!」

恒子「ごめんなさい。すこやんは親からの結婚圧力でおかしくなっちゃったんです……」

晴絵「そうなんですか……じゃなくて早く逃げないと」

望「早く逃げないと何なのかしら?」

晴絵「くっ、追いつかれたか」

玄「先生、何で私たちから逃げるんですか?」

宥「あったかく無いです」

灼「みんなががっついてるからだと思……」

憧「灼だってがっついてるじゃん」

穏乃「先生、私が1番良いと思います!!」

恒子「何これ……?」

健夜「赤土さんここは危険だから逃げよう」

望「部外者は黙っててください!!」

健夜「部外者じゃないよ!!こーこちゃん」ドンッ

恒子「ちょっ、押さないでよ!!」

宥「邪魔するなら……」

玄「容赦しませんよ」

健夜「こーこちゃんの犠牲は無駄にしないよ!!」

恒子「えぇー!!」

穏乃「覚悟してください」

恒子「お手柔らかに……」

健夜「上手いこと電車が来てくれたおかげで逃げられましたね」

晴絵「福与さんは大丈夫なんですか?」

健夜「大丈夫ですよ……たぶん」

健夜「そんなことより何で追われてたんですか?」

晴絵「それは……」

健夜「もしかして体が男になっちゃったんですか?」

晴絵「どうしてそれを!?あっ……」

健夜「やっぱり本物だったんだ」ボソッ

晴絵「どうしてこんな事に……」

健夜「私と結婚しましょう。そうすればみんな諦めますよ」

晴絵「でも……」

健夜「きっと戸籍上も男になってるから大丈夫ですよ」

晴絵(もしかして小鍛治プロと何か関係が……)

健夜「とりあえず私の実家はマークされてるかもしれないので、どこかに身を隠しましょう」

晴絵「そうですね……」

憧「見つけた!!」

宥「逃がしませんよ」

健夜「こーこちゃん、足止めにもならないなんて」

恒子「それって酷くない!?」

健夜「こーこちゃん!?裏切ったの?」

恒子「別に足止めするとか言ってないし」

穏乃「先生帰りましょう。そして私と結婚してください」

灼「私と結婚して欲し…」

宥・玄「私と結婚して松実館を継いでください」

望「うちの神社を継ぐなら私と憧のこと好きにして良いよ」

晴絵「みんな落ち着いてくれ」

健夜「あのさあ、どうして赤土さんが男になったと思ってるの?私と結婚するために決まってるでしょ」

憧「はあ!?」

灼「ないない」

健夜「有るよ!!私が神様にお願いしたんだよ!!」

玄「うわぁ……」

穏乃「あの人大丈夫なんですか?」

恒子「駄目だと思う……でも、神様のせいってのは本当なんだよね……」

健夜「だから私には赤土さんと結婚する権利と責任があるんだよ!!」

宥「そんなの認められません」

望「ちょうどいいから誰が晴絵に相応しいかここで決めるわよ」

玄「望むところです」

灼「新子姉妹と松実姉妹に対抗するために手を組んだ方が良いと思…」

穏乃「そうですね」

憧「負けないわよ」

恒子「今の内に逃げた方が良いんじゃないですか?」

晴絵「そうですね。みんな待ってろよ、またみんなで仲良く出来るように絶対女に戻ってみせるからな」

こうして赤土さんは旅に出た……
とは言っても熊倉さんのおかげですぐに戻ったらしいけど

すこやんはまた神代さんのとこに行こうとしたけど阻止されたらしい

そして……

健夜「こーこちゃん、どうしたら靖子ちゃんを不幸に出来るかな?」

恒子「赤土さんと結婚出来なかったからってそういうのやめなよ……」

健夜「赤土さんの事を抜きにしても、私を差し置いてイケメンと付き合うなんて許されないよ!!」

恒子「はぁ……」

健夜「ちょっとこーこちゃん聞いてるの!?」

恒子(これは結婚するの無理だなぁ……)



おしまい

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