P「綾鷹を飲んでるところを雪歩に見られた」(75)

P「雪歩のお茶が一番だな」

雪歩「えへへ…」

その日から毎日お茶をいれてきました。

雪歩「今日は暖かいから…少し冷やそう」

雪歩「1…2…」

雪歩「90!」

ちゃんと研究して…プロデューサーが喜んでくれるのが嬉しいから…

しかし、神様は時に残酷でした。

雪歩「あ…」

P「雪歩!」

選ばれたのは綾鷹でした…。

P「ち、違うんだ!これは!」

雪歩「信じてたのに…」グスッ

P「ゆ、雪歩…まず話を」

雪歩「イヤですううぅぅぅ!」タッタッタッ

P「あっ、おーい!雪歩ー!!」

P(営業先の自販機で買ったのをまだ残していたばかりに)

P(まさかこんなことになるとは)

響「ぷ、プロデューサー!!」

P「な、なんだ?響」

響「なんか今、雪歩が泣きながら外に出ていったけど…何かあったのか!?」

P「うーん、あったと言えばあったんだけど…」

響「なんなのさ、ハッキリしないプロデューサーなんて自分キライだぞ」

P「う、わかったよ。実はかくかくしかじかな理由でな」

響「む、むがー!プロデューサー、なんてデリカシーがないんだ!」

P「そんなに言われるようなことかなあ」

響「当たり前だぞ!雪歩と言えばお茶!その次に穴だからな!」

響「雪歩にとっては浮気をされたようなものさー」

P「ちょっ、人聞きの悪い…」

響「それだけのことをプロデューサーはしたんだぞ!」

P「まあ…確かに雪歩は裏切られたって思ったかもな」

響「そうでしょ?それとも何さ」

響「プロデューサーは雪歩のお茶よりそんなペットボトルのお茶のほうがいいのか?」

P「い、いや!それは雪歩のお茶がいいに決まってるだろ!」

響「だったら今すぐに雪歩に謝るさー!」

P「わ、わかったよ…たぶん、いつもの公園にいるはずだ」

P(雪歩はショックなことがあるといつもここに逃げてくる)

P(たぶん今日もここに…ああ、いたい…た?)

雪歩「こんなの!こんなの!こんなのー!!」バシバシ

P「」

P(今起こっていることを簡潔に説明しよう)

P(雪歩が地面にある空の綾鷹ボトルをスコップで殴りまくっている)

P(砂場で遊んでいたらしい子供は恐怖の眼差しで雪歩を見ていた)

雪歩「こんなの…なくなっちゃえですー!!」ブンブン

P「やめるんだ、雪歩!」ガシッ

雪歩「ふぇっ!?ぷ、プロデューサー…!」

P「そんなことしたって、綾鷹はなくならないぞ!」

雪歩「構わないでください!私は許せないんですぅ!」

雪歩「こんな機械で淹れたお茶がおいしいなんて…!」ゴゴゴゴ

P「落ち着けって雪歩!そんなのより雪歩が淹れるお茶のほうが断然うまいぞ!」

雪歩「嘘ですぅ!なら、さっきのは…」

P「さっきのあれは、営業先で喉が乾いて買ったやつなんだ」

P「他にパッとした飲み物がなくてな、仕方なく選んだ」

P「で、残ったから持ち帰ったが…さっきも飲んでみて、改めて感じたよ」

雪歩「…」

P「やっぱり、雪歩が淹れてくれるお茶が一番うまいってな!」

雪歩「…プロデューサーぁ!」ダキッ

P「ごめんな、ごめんな雪歩」ナデナデ

P「事務所に帰ろう、な?雪歩のとびっきりのお茶をご馳走してくれよ」

雪歩「…」

P「雪歩?」

雪歩「…さっき、飲んだんです。そのお茶」

P「ああ、その殴ってたボトルがそうなのか」

P「で…どうだった?」

雪歩「おいしかった…」

P「そ、そうか」

雪歩「機械で淹れたくせになんであんなにおいしくできるんだろうって」

雪歩「悔しくて…許せなくて」

P「急須で淹れたお茶に一番近いって宣伝してるしなあ」

雪歩「それが許せないんです!」

P「」ビクッ

雪歩「機械なんかに…私のお茶が負けるはずないんですぅ!」

P「だ、だから、それはさっき俺の舌で証明されたろ?だから」

雪歩「いーえ!自分で納得できるまで証明されないですぅ!」

雪歩「だからプロデューサー、今から付き合ってください!」

P「へ?付き合って、とは?」

雪歩「私が淹れる一番の…最高のお茶を完成させるのに、ですぅ!」

下痢

P(あれから雪歩の研究に付き合い、信じられないくらいのお茶を飲んだ)

P(茶葉だけでなく淹れ方のほんの少しの違いでも比べたいかららしい)

P(膀胱が破裂しそうだったがトイレに行く暇すら与えてくれない勢いで)

P(辛かった…)

響「バチがあたったんだぞ」

P「反省はしてるよ…いろいろと」

P「ま、おかげで雪歩の言う一番のお茶は見つかったみたいだから」

P「よかったよかった…」

雪歩「あ、プロデューサー!さっきはありがとうございましたぁ!」

P「いやいや。雪歩の一番のお茶が見つかってよかったよ」

雪歩「えへへ…これで、どんなお茶にも負けません!」

P(ほんとにお茶の事になると熱いよなあ…雪歩は)

響「よかったな!雪歩!」

雪歩「ありがとう、響ちゃん!」

響「そーだ!春香にもそのお茶を飲ませたらいいんじゃないか?」

P「お、そうだな。今夜は誕生日パーティーだし、その前のささやかなプレゼントって感じで」

P「もちろんパーティーのことは秘密だから、そのことは言わないけどな」

雪歩「そうですね、じゃあ春香ちゃんが帰ってきたらご馳走してあげます」

響「きっと春香、喜ぶぞ!」

P「そろそろ帰ってくると思うけど…」

ガチャ オツカレサマデース

P「お、帰ってきたな」

響「よっしゃー!じゃあ早速呼んでくるぞ!」タッタッタッ

P「あ、おい!そんな焦らなくても…ははは」




P「…」

P「?遅いな。春香じゃなかったのか?」

響「」

P「おーい響?どうしたん…」

春香「あ、プロデューサーさん!お疲れ様です!」

P「…」

春香「?プロデューサーさん?」

P(春香の左手に握られているそれは…まさしく…)

P(十   六   茶)

P「あわわわわわわわ」

響「あわわわわわわわ」

春香「?ど、どうしたんだろう?具合でも悪いのかな…」

P「は、春香!今すぐにそれをしまえ!」

春香「はぇ!?そ、それって?」

響「そ、そーれー!そのお茶さー!!」

春香「え、ええー!?」

雪歩「春香ちゃーん、おかえりー」トコトコ

P響「!!!!」

春香「あ、雪歩!あはっ、ただ


ガシャン

雪歩「」

春香「…え?」
P「ゆ、雪歩、落ち着け!お前のお茶はどんなお茶にも負けないんだったよな!」

響「そ、そうだぞ!春香も雪歩のお茶が一番好きなはずさー!」

雪歩「…」

春香「え、えーと、これはどういう」

雪歩「やっぱり自信ないですぅぅぅぅぅ!!」タッタッタッ ガチャン



P「…」ゴゴゴゴ

響「…」ゴゴゴゴ

春香「ご、ごめんな…さい?」

P「春香、雪歩を追うぞ」

春香「え?あ、はい」

響「あとでお茶責めの刑だからな」

春香「お茶責めって何!?っていうか事情を説明してください!」

P「緑茶を極めた雪歩に最大のライバルを見せつけたのが悪いんだ」

春香「意味がわかりませんよ!ま、待って!トイレ我慢してたのにぃー!」





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