キース「104期の問題児」(57)

*一気に投下する。捏造その他色々あり、転載禁止。


…教官室。

「コニー・スプリンガー、入ります!」

キース「うむ」

ガチャ…

コニー「し、失礼しますっ!」

キース「硬くなるな。今日呼んだのは叱る為じゃない」

コニー「は、はぁ…」


キース「給金の件だ」

コニー「あ…」

キース「成績と民間への貢献度を考慮しつつ、
 この度僅かながらだが賞与が支給される」

キース「スプリンガー、貴様は受け取りを
 ラガコ村の父親宛にしているが、いいんだな?」

コニー「はい、それでお願いします」


キース「…フ」

コニー「な、何か」

キース「いや、家族思いなのだな」

コニー「うっ…」

キース「恥ずかしがることではない。
 お前が憲兵を目指しているのはそのためなのだろう」


コニー「いや、その…」

キース「……」

コニー「妹と弟が、まだ小さいもんで」

キース「ほぅ、弟妹がいるのか」

コニー「はい…」


キース「…精進しろ。今の成績だと10位内には入れるだろうが、
 油断すると足をすくわれるぞ」

コニー「! はいっ!」

キース「話は以上だ。手配はしておく」

コニー「はっ! ありがとうございます!」


キース「……」

コニー「……」

キース「…行っていい」

コニー「! はっ! し、失礼しました!」

…バタン


キース「…ふぅ」

座学教官「お疲れさん」

キース「志望動機は悪くないんだが」

座学教官「まぁな…」

キース「なんとかならんのか、この座学の成績は」


座学教官「居残らせて1対1で教えたりもしているのだが…」

キース「範囲の決まった試験で10点だぞ、選択問題有りでだぞ」

座学教官「うむ…」

キース「…最終試験はどうするつもりだ」

座学教官「スプリンガーにあわせるわけにもいかんだろ…」

キース「はぁ…」


座学教官「配点の高い立体機動は得意なのだろう?」

キース「あぁ…機動力だけなら、キルシュタインをも上回るだろうな」

座学教官「ほぅ」

キース「斬撃はともかく、速さも申し分ない」

座学教官「ふむ」


キース「だが作戦の誤認が多い…」

座学教官「はは…」

キース「毎年こんな問題児ばかりなのか?」

座学教官「お前は教官になってまだ数年だが…104期は多いな」

キース「……」


座学教官「スプリンガー、ブラウスを筆頭に」

キース「アルレルト、レオンハートもだな」

座学教官「レオンハート?」

キース「協調性がなさすぎる」

座学教官「あぁ…」

キース「アッカーマンはイェーガーに依存しているし
 フーバーは積極性に欠け、キルシュタインは軋轢をうみやすい」


座学教官「…多いな」

キース「上位陣で手のかからんのは、ブラウンとボットだけだな…」

座学教官「ははは…」

キース「笑い事ではないぞ」


座学教官「まぁまぁ。この後用がないなら飲みに行くか?」

キース「…いや。今朝届いた書類に目を通しておきたい」

座学教官「真面目なのはいいが、たまには息も抜けよ」

キース「あぁ…」


…男子寮

バタン

エレン「お、おかえり。どうだった?」

コニー「ふ…聞いて驚け、俺は憲兵になれる」

ジャン「は?」

コニー「教官が言ってたんだ、このままなら10位内確実だってな」

マルコ「教官が?」

コニー「おう! ちゃんと聞いたぜ」


マルコ「…他に何か言ってなかった?」

コニー「うーん…足をすくわれるって何だ?」

マルコ「…隙をつかれて失敗させられる、って意味だよ」

ジャン「つまりアレだろ、10位内に入ってるが
 油断すると落ちるギリギリってことなんだろ」


コニー「なっ、そうなのか!?」

マルコ「…多分」

コニー「かーっ! 危うく騙されるところだったぜ…」

ジャン「お前が馬鹿なだけだろ」

コニー「うっせ!」


エレン「うーん…つまり、アレがばれたわけじゃないんだな」

コニー「おう、給金の送り先の話しただけだな」

エレン「給金の送り先?」

コニー「あ」


マルコ「そういえば、コニーは実家に仕送りしてたんだっけ」

コニー「ま、まぁな」

エレン「へぇ、そうなのか。偉いな」

コニー「当たり前だ、オレは天才だからな」

ジャン「天才は関係ねぇ」

ライナー「まぁまぁ、それより…」


エレン「ほんとにヤルんだな?」

ライナー「あぁ。勝負は来月だ」

コニー「でもよお、ほんとにうまくいくか?」

ライナー「うまくいくさ、なぁ、参謀?」

アルミン「参謀はともかく…皆の協力次第だよ」


エレン「話は向こう側にもついてるんだろ?」

アルミン「ミカサやクリスタを通じてね…」

ライナー「なら問題ないな」

アルミン「でも、その…ほんとに、アレを?」

ライナー「準備はこちらでなんとかしよう。な?」

ベルトルト「…なんで僕が」


ジャン「どう見たってこの中じゃお前らが適任だろ」

マルコ「そうだね…僕らじゃ無理がある」

コニー「頼むぜ」

ライナー「そういうことだ。さて、この話はここまでだ。
 明日も訓練だからな、寝ろ寝ろ!」


…男子寮で作戦が繰り広げられる、1ヶ月程前。

コニー「ぜぇっ、ぜぇっ…」

サシャ「もうだめでず、はじれまぜん…」

コニー「お前、狩猟民族なら、気づけよ…」

サシャ「そのまま返しますよ…そもそも、教官は、気配がなさすぎです」

キース「ほぅ…」


コニサシャ「」

キース「私の気配に気づけん貴様らが、どうやって巨人に勝とうというのか」

サシャ「いやぁ、そのぉ…」

コニー「オレらは、憲兵に、ですね…」

キース「…そうだったな」

コニサシャ「?」


キース「先日、私宛に1通の通知が届いた」

サシャ「は、はぁ」

キース「去年調査兵団に入団した者の半数が死んだようだ」

コニー「……」

キース「あいつらは、貴様らのように馬鹿ではなかったし
 成績も大して良くなかった。だが、それなりの信念を持って入団したはずだ」

サシャ「……」


キース「…貴様らには関係のない話に思うか」

コニー「…いえ」

サシャ「…すみません」

キース「巨人が怖くて憲兵を目指すのも悪いとは言わん。
 だが、今期にも調査兵団を目指す者はいる」

コニー「…はい」

キース「私には、彼らが戦い、生き残れるよう教える義務がある」


サシャ「…辛く、ないんですか」

キース「だから私に教えられることなら全て教える。
 それはたとえ、憲兵を目指す貴様らにもだ」

コニー「……」

キース「いつ何時、何が起こるかわからん。憲兵が戦うこともないとも限らん」

コニー「巨人が、シーナまで攻めてくるんでしょうか」

キース「わからん。だが5年前のことを考えると、ないとも言い切れん」


サシャ「教官は」

キース「……」

サシャ「教官は、何故、教官に…」

キース「…さぁな」

コニー「……」

キース「私には、私に出来る事をする。それだけだ」


………

コニー「…なぁ、サシャ」

サシャ「…はい」

コニー「教官ってさ、すげぇな」

サシャ「そうですね…」

コニー「ああー!」

サシャ「な、なんですか」


コニー「オレらって、教官に怒られてばっかだったな」

サシャ「そうですねぇ…」

コニー「最後くらい、教官をビックリさせてやりてぇな」

サシャ「ほほぅ?」

コニー「なんかねぇかなぁ」

サシャ「それは、頭の良い人に相談しなくてはですよ!」


…そして作戦から1ヶ月が経過。

キース「……」

座学教官「……」

キース「3、点…だと」

座学教官「…すまない」

キース「いや、謝らんでくれ…」

座学教官「あ、あぁ…」


バタンッ

ライナー「失礼します!!」

マルコ「ボットです! 失礼します!」

キース「…何事だ、騒々しい」

ライナー「ハッ! 食堂で訓練兵同士で喧嘩が発生しており…」

マルコ「私どもでは対処しかねまして…」


キース「喧嘩だと? その位貴様らで対応できんのか」

ライナー「…申し訳ございません」

キース「…誰が暴れたのだ」

マルコ「アッカーマンとレオンハートです!」


キース「………行こう」

座学教官「おいおい、大丈夫か」

キース「まぁ、あいつらを止められるのは私しかおらんだろう」

ライナー「お手数をおかけ致します」


キース「明日は解散式なのだぞ、まったく…」

ライナー「……」

キース「貴様らも女子に負けていてどうする」

マルコ「返す言葉もございません…」

キース「まぁ良い。…静かだな、入るぞ」









「「キース教官! 3年間ありがとうございました!!」」

コニー「これ、オレらからです!!」









.


キース「……」

ライナー「…受け取ってくださいませんか」

マルコ「僕達の…気持ち、です」

キース「…貴様らも加わっておるのか」

ライナー「104期全員で」

マルコ「最後まで迷惑かけまして…すみません」


キース「……」

104期「……」

キース「最終試験を終え、貴様らは少しばかり気が緩みすぎているようだな」

104期「……」

キース「まぁ良い。これはありがたくいただこう」

104期「……」

キース「…開けた方がいいのか」

コニー「ハッ!」

キース「……」

キース「…………」

キース「…………貴様ら」







キース「全員死ぬ寸前まで走ってこい!!!」

104期「ハッ!!!」






.


…教官室。

キース「…どいつもこいつも」

座学教官「お疲れ。本当に104期はおもしろい奴らばかりだったな」

キース「…これはお前の選定か」

座学教官「あぁ、お前が好きそうな銘柄を聞かれたのでね」

キース「……」

座学教官「にしても、何故全員走らせているのだ?」

キース「…これだ」

座学教官「…………ぶっ」


キース「まったく…なんて奴らだ」

座学教官「ククク、好かれてる証拠、じゃない、か」

キース「笑うな。馬鹿にするのも大概にしろ」

座学教官「いやでもなぁ、私はお前がうらやましいよ」

キース「…今夜は飲むぞ」

座学教官「付き合おう。いい夜になりそうだ」




<完>


プレゼントは酒とヅラだったとか。

コニーと誰かの話とお題をいただいたので、コニーと教官の話にするつもりが…
書いてるうちに104期と教官の話になってしまった、すまない。
コニーと誰かのCPが良かったのだろうか…それだったらさらにすまない。

なお、なりすまし・のっとりが増えてるようなので今後はトリつける。
では、また。

うん、俺なりに頑張ってみたけどコニーって書きづらかったよ…精進せねばだ

予想以上にレスあってビックリするよ…
まぁ最近王道ばかり書いてる気もするし、鬱系かドロドロ展開もお題消費したら考えるか

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年10月01日 (水) 23:51:55   ID: Diw2cW_G

イイハナシダッタナ-(;o;)
104期マジですき♪

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