菫「ミニ宥が大特価バーゲン中か」ミニ宥「アッタカクナイ、アッタカクナイ」(166)

代行「IDはpuPoRoVD0やで~」

ミニ宥「アッタカクナイ、アッタカクナイ……」ブルブル

菫「――か、可愛いっ……!」

菫「店員さん! 店員さん!」

店員「はい、如何致しましたかお客様」

菫「この子の値段を聞きたいのですが!」

店員「定価は12800円ですが、只今セール中につき9800円になっております」

菫「安っ!? 買います! 一括で買います! すぐください! 今ください!」

店員「ちょ、ちょっとお待ちください。お客様はミニ雀士を飼われた経験がございますか?」

菫「いえ……あ、犬なら家で飼ってますが」

店員「あー、でしたら今すぐお買い上げいただくというのは難しいですねぇ」

菫「!?」

菫「何故ですか!? なら4倍……いや6倍までなら一括で出しますよ!? それ以上でも分割で……!」

店員「いえいえ、お金の問題ではなくて」

店員「ミニ雀士は飼育がかなり難しいんですよ。手間暇も、養育費もそれなりに掛りますし」

菫「ぐむむ……」

店員「可愛いから軽い気持ちでお買い上げになるお客様も多いんですが、すぐに死なせてしまったりお捨てになる方も多くて」

菫「こんな可愛い子達を捨てたり死なせたりする奴がいるんですか!? ゆ、許せん……!」

店員「初心者でしたらこちらのミニ穏乃やミニセーラがオススメですが」

ミニ穏乃「アソブンダ! アソブンダ!」

ミニセーラ「バスガデルデー! バスガデルデー!」

ミニ智美「ワハハ、アソビニイクゾー」

ミニ衣「コロモモイクゾー」

菫「……こっちも可愛いことは、可愛いけど……」チラ

ミニ宥「アッタカクナイ……」ブルブル

菫「ど、どうしても駄目でしょうか?」

店員「うーん……ミニ宥はブリーダーでも飼育するのが難しいと首を傾げるほどでして」

店員「こちらも商売とはいえ、命を扱う以上は……」

菫「――だったら、勉強してからまた買いに来ます! それならいいんですよね!?」

店員「はい、お客様のような熱心な方なら、知識さえつけていただければ我々も安心してお売りできます」

店員「この子は予約ということにして起きますので」

菫「ありがとうございます!」

菫「急いで勉強しなくては……!」ダッダッダ

照「咲、淡。ご飯だよ」

ミニ咲「カン! モイッコ、カン!」モグモグ

ミニ淡「クレテヤル! バイマンクライクレテヤル!」ムシャムシャ

照「ふふっ、いつみても咲と淡は可愛いなぁ」


 ピンポーン! ピンポンピンポンピンポンピンポーン!


照「ん? だれか来たのかな」

照「はーい、今出ます」タッタッタ

 ガチャ

菫「照、お前ミニ雀士飼ってたよな!? 後生だ! 私にミニ雀士の飼い方を教えてくれ!」ドゲザ

照「」

照「と、とりあえず上がって」

菫「ああ! お邪魔します!」



ミニ咲「アワイチャ、アワイチャ」イチャイチャ

ミニ淡「サッキー! サッキー!」イチャイチャ

菫「この子達も可愛いなぁ」

照「あげないよ? それにしてもミニ雀士を飼いたいなんていきなりどうしたの?」

菫「ああ、ペットショップで一目惚れしてな! ミニ宥というんだが」

照「ミニ宥!? ミニ宥を飼うつもりなの!?」

菫「そうだが」

照「止めておいたほうがいいと思う」

菫「何故だ!? お前までそんなことをいうのか!?」

照「私が飼ってる咲と淡も飼育は難しい方だけど、ミニ宥は別格」

照「この2人がレベル5くらいだとすると、ミニ宥はレベル30はある」

照「それくらいにミニ宥は飼うのが難しい」

菫「……それでも! それでも私はミニ宥を飼いたい!」

菫「こんなにも、何かを求めたことは初めてなんだ……」ポロポロ

照「菫……」

ミニ咲「ナカナイデー」トコトコ

ミニ淡「オナカイタイノ?」トコトコ

菫「うっ、うっ……」

照「わかった。私が知ってることでよければ全部教えるよ。頑張って、菫!」

菫「本当か!?」パー

 ――1週間後

店員「猛勉強されたんですね。まさか一週間でこれほど知識を身につけるとは」

菫「で、では!?」

店員「はい、喜んでミニ宥をお売りしますよ!」

菫「や――やったああああああああああああああああぁ!」

ミニ宥「アッタカクナイ、アッタカクナイ……」ブルブル

菫「ミニ宥、待っていてくれ。今すぐ私が暖かくしてやるからな!」

ミニ宥「……」ブルブル

 ――菫の家

菫「前もって買っといたヒーターと電気毛布、電気コタツのスイッチを入れて……これでよし」

菫「ミニ宥は気温が常に25度以上ないと弱ってしまうからな、温度管理はしっかりせねば」

ミニ宥「チョットアッタカーイ……」ヌクヌク

菫「おお、鳴き声がちょっと暖かいに変わった!」

菫「少し環境と私に慣れてくれた証拠だな。完全に懷いてくれるとアッタカーイと鳴くらしいが、まだまだ道のりは長い……」

ミニ宥「……」

菫「……」

ミニ宥「……」ウルウル

菫「可愛いなぁ! もう!」ナデナデ

ミニ宥「ヒッ」ブルブル

ミニ宥「アッタカクナイ、アッタカクナイ!」コタツノナカニヒキコモリ

菫「し、しまった!? ミニ宥は大変臆病な品種、いきなり頭なんて撫でたら怖がって逃げてしまうんだった!」

菫「すまないミニ宥……私が軽率なばかりに……」

ミニ宥「クロチャン、クロチャン……」ブルブル

菫「妹品種のミニ玄を呼んでいるのか……」

菫「本来なら一緒に飼ってあげられればいいんだが、残念ながらミニ玄は超貴重なドラゴンの純血種」

菫「……一匹200万は、ちょっと手が出せない……」

ミニ宥「クロチャン……クロチャン……」

菫「だが、いつか玄も飼って一緒に住もうな、宥」

ミニ宥「……」グー

ミニ宥「オナカスイタ……」ブルブル

菫「む、ご飯か。ミニ宥の好物はみかんだが、それはもう少し成長してからだ」

菫「今はホットミルクが適切。温度は人肌より少し温かいくらいに調節して……」

菫「よし、出来た。宥、ご飯だぞー」

ミニ宥「……」ブルブル

菫「……食べないな。ああ、そうか! さっき私が恐怖心を与えてしまったから怖がっているのか!」

菫「宥の食事シーンを見れないのは残念だが、食事の間は部屋を出るしかなさそうだ……」スッ

菫「私は少し部屋を出るから、宥はゆっくりと食事を取ってくれ」

ミニ宥「……」

菫「もう少し懷いてくれたら、2人でご飯にしような……」

 ――数週間後

ミニ宥「スミレチャ、スミレチャ」

菫「うおおおおぉ……! 宥が! 宥が私の名前を覚えてくれた!?」

ミニ宥「スミレチャー」

菫「ああ! 私が菫だ! どうした宥?」

ミニ宥「……チョット、アッタカーイ」スリスリ

菫「――――そ、そろそろ、撫でてもいいかな」

菫「そっと、そっと、優しく……」ナデナデ

ミニ宥「……んー」ゴロゴロ

宥「……な、撫でれた……! やったあああああああああああぁ!」ポロポロ

ミニ宥「スミレチャー……」ヌクヌク

ミニ咲「ユウサン、ユウサン」スリスリ

ミニ宥「サキチャン、サキチャン」スリスリ


菫「はっはっは、どうだ照。私の宥は世界一可愛いだろう」

照「いや、世界一可愛いのは私の咲と淡だから」

ミニ淡「テルー! テルー!」

菫「しかし宥はあまり咲を怖がらないな。私は懐いてくれるまであんなに苦労したのに……」

照「咲は妹品種だから姉品種とは相性がいいんだよ」

菫「そうなのか……深いものだな、ミニ雀士は」

ミニ淡「……」ニヤッ

ミニ淡「……」タッタッタ

ミニ宥「……?」ブルブル

ミニ淡「コウコウヒャクネンセイ! コウコウヒャクネンセイ!」ガオー

ミニ宥「ヒィ!?」ガタガタ

菫「うわああああああああああぁ!? 宥うううううううううううぅ!?」

照「こ、こら淡!? イタズラしたら駄目っ!」

ミニ淡「ダブリー! ダブリー!」

ミニ宥「アッタカクナイ! アッタカクナイ!」ワーン

ミニ宥「スミレチャ! スミレチャ!」ガタガタガタ

菫「大丈夫か宥!? 安心しろ! 私が守ってやるからな!」

菫「淡、お前……!」

ミニ淡「カメレオン!」

照「ご、ごめん菫! 淡は好奇心旺盛だから……!」

ミニ咲「アワイチャ! メッ!」

照「そうだよ、淡! 宥と菫に謝って!」

ミニ淡「……ゴメンナサイ」シュン

ハギヨシ「ミニ須賀くんください」

京太郎「ミニハギヨシさんください」

二人「あっ……///」

菫「全く……どうだ宥? ちゃんと謝ってるし、許してやるか?」

ミニ宥「……」コク

菫「そうか、宥は良い子だな」ナデナデ

ミニ宥「……ン―」ヌクヌク



ミニ淡「……」ポロポロ

ミニ宥「……」

ミニ宥「オネエチャンダカラ、オネエチャンダカラ」スリスリ

ミニ淡「っ!」パー

ミニ咲「ナカシヨシッテタノシイヨネ! ナカヨシッテタノシイヨネ!」


照「よかった、仲直りしたみたい」

菫「宥に友達が出来て嬉しいな」

 ――数週間後

宥「……」モグモグ

菫「一緒にご飯を食べれるまで懐いてくれた」

菫「宥とご飯が食べられる、こんなにすばらなことはない」モグモグ

 プルルルル

菫「ん? 照からの電話か」

照『もしもし菫、今大丈夫?』

菫「ああ」

照『実は明日、ミニ雀士の飼い主同士の集まりがあるんだけど菫も来ない?』

菫「いいのか!?」

照『うん、飼い主なら誰でもOKだから』

菫「なら行かせて貰うとしよう。ううん、楽しみだな!」

ミニ宥「……?」モグモグ

菫「ここが会場か。おお、ミニ雀士がこんなに沢山……」

ミニ宥「……」ブルブル



怜「なんや、フナQも来てたんか」

ミニ竜華「トキィィィィ! トキィィィィ!」

浩子「ええ、暇でしたんで」

ミニセーラ「バスガデルデー! モウスグバスクルデー!」

洋榎「千里山の2人やん! 偶然やなー!」

ミニ恭子「メゲルワ……」ガタガタ

怜「おお、姫松の愛宕姉やん。久しぶりー」

ゆみ「やっぱり来てたか、蒲原」

ミニモモ「ダイスキッスー! センパイダイスキッスー!」スリスリ

智美「そりゃ来るだろー。私の可愛いミニ雀士をお披露目する絶好の機会だからなー」ワハハ

ミニ佳織「ミッツズッツ、ミッツズッツ……タンヤオー」

智美「それ四暗刻だぞー」ワハハ



透華「おーほっほっほ! やはりうちのミニ衣に勝る可愛さを持つミニ雀士は存在しませんでしてよ!」

ミニ衣「ウゾームゾー! ハイテーハイテー!」

煌「そんなことはありませんよ龍門渕さん。みんなそれぞれのすばらしいところは、決して比べて優劣を決めれるものではありませんから」スバラッ

ミニ仁美「ナンモカンモセイジガワルイ」メー

菫「みんな、やはり一番自分のミニ雀士が可愛いと思っているのだろうな」

菫「私も宥が一番可愛いと思っているし」ウンウン

照「ここに居たんだ、菫」

菫「おお、照。探したぞ」



ミニ咲「カン! モイッコカン!」

ミニ淡「ダブリー! ダブリー!」

ミニ恭子「メゲルワ……フツウノマージャンシヨーヤー……」ガタガタ




?「オマカセアレ! オマカセアレ!」

ミニ宥「ッ!」ジタバタ

菫「わわっ!? 急に暴れてどうした?」

ミニ宥「クロチャン! クロチャン!」

菫「何!? ミニ玄がいたのか!?」キョロキョロ




ミニ玄「オマカセアレ! コレハミゴトナオモチヲオモチ!」

ミニ霞「アラアラ」ドタプン

小蒔「わぁー、ミニ玄ちゃんではないですか! 凄い、誰が連れて来たのでしょうか」

ミニ宥「クロチャン! クロチャン!」タッタッタ

ミニ玄「オネーチャン!? オネーチャン!」スリスリ

ミニ宥「クロチャーン」スリスリ

菫「おお、あれがミニ玄……」

照「私も始めて見た」

菫「宥が初見であれほど懷くとは、さすがは直系品種だな」

照「誰が飼ってるんだろう」



?「こらー☆ 駄目だぞ、勝手に他人のおもちを揉んだりしたら☆」

ミニ玄「ウワワ! オネーチャン、ダイスキ―!」

?「わぉ☆ 珍しいね、ミニ宥だぁ☆」


照「どうやらあの人みたいだよ菫」

菫「そのようだ。宥の為に是非お近づきにって――あれは!?」



はやり「誰だろー☆ こんなに飼育の難しいミニ雀士を飼ってるの☆」



菫「アイドルの、水端はやり!?」

瑞原ね

今日は一先ずここで終わらせて貰います
次回は本格的なミニ雀士の生態とか書けたらいいな
では

>>147
すいません普通に間違えた

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