勇者「幼なじみの僧侶が好きすぎてヤバい」(116)

僧侶「ちょっと勇者!!」

勇者「な、なんだよ……」

僧侶「それはこっちの台詞! 今の戦闘、何?」

勇者「ちょ、ちょっとよそ見してただけだろ!」

僧侶「嘘、絶対かっこつけてたね」

勇者「なっ!? わざわざそんなことしねぇって!!」

僧侶「どーだか!」

魔法使い「ふー! あ、二人の方も終わった感じ? あれ?」

騎士「どうやら魔物は仕留めたようですが、お二人の関係が悪いと?」

僧侶「べ、別に! 私はなんともないです!」

勇者「お、俺だって!」

魔法使い「ん~? 喧嘩、ですかねぇ?」

騎士「まあまあ、あのお二人は昔から仲がよいですから」

勇者「とにかく先に進もう! な!」

僧侶「……ふん」

勇者「あ……なんだよアイツ……」

魔法使い「一体何しちゃったんですか、勇者さま~」

勇者「べ、別に俺は何も……いつものことだ! アイツがあーだこーだ文句をつけて……」

勇者(……そうだ。アイツは昔っからそう)

---

勇者「とりゃっ!! えいっ! へへーん! どんなもんだ!」

僧侶「ふーん。……あっ! 勇者あぶない!」

勇者「え? ぐぁあ!!」

僧侶「もー! ゆだんしてるからよ!!」

勇者「う、うるさい! 少しよそ見してただけだ!!」

僧侶「嘘、絶対かっこつけてた!」

勇者「違……あっ! 危ない!!」

僧侶「え? きゃ、きゃああ!!」

ザシュッ…

勇者「……これでいいだろ」

僧侶「……ふん!」

勇者「あ、僧侶! 待てよ!!」

・勇者の傷が回復していく…

勇者「ぁ……」

僧侶「……次あんなことしたら、もう回復してあげないから!」

勇者「っ……」

---

勇者(……あの回復以来、俺はもうアイツの虜になってた)

勇者(その前から遊び半分で回復呪文をかけてもらうことはあった。でも、本格的な魔物との戦闘で)

勇者(危うく僧侶を失ってしまうところだった。そんな俺を回復してくれたアイツに惚れた)

勇者(二度と迷惑をかけるもんか。俺が絶対に守ってみせる。同じパーティーになったとき、そう誓った)

勇者(来る日も来る日も修行に明け暮れて、馬鹿みたいに強くなった)

勇者(強い俺が僧侶を守る。そう思った。でも、強すぎて……)

勇者(僧侶は気にしなかった。俺が強くなっていることに気がついてたのかわからないが)

勇者(傷をほとんど負わないせいで、僧侶は他のメンバーに付いてしまっていた。当たり前と言えば、当たり前だ)

勇者(だんだんと僧侶との溝が深くなっていくような気がして、怖かった。これ以上強くなるのが怖かった)

勇者(だからたまにこうしてやられる振りをして、回復呪文をかけてもらいたい。なんて情けないことを思うんだ)

勇者(でも、僧侶はそんなに甘くない。傷がすぐ治ることを、彼女は知っている。だけど、そんな僧侶にまた惚れ直したりして)

勇者「……はぁ」

魔法使い「勇者さまー? おーい?」

勇者「え? あ、あぁどうした?」

魔法使い「いえ、ただぼーっとしてるから大丈夫かなーって。魔物と戦闘したときのダメージですか?」

勇者「あ、あぁ……それは大丈夫だ」

魔法使い「なんなら僧侶さんに頼んでみましょうかー?」

勇者「え? い、いいよ別に!」

魔法使い「僧侶さーん」

僧侶「ん? どうしたの?」

勇者「あの、ま、魔法使い……」

魔法使い「せっかくですから、仲直りしちゃえばいいじゃないですか!」

勇者「あ、う、うん……」

僧侶「……で?」

勇者「あ、いや俺は別に……」

僧侶「具合悪いんじゃないの?」

勇者「だ、大丈夫だって! その、さっきの戦闘で少し怪我しただけで……」

僧侶「……」

勇者「……僧侶?」

僧侶「……治るでしょ。そのくらいの傷」

勇者「……あぁ」

僧侶「アンタがもっとちゃっちゃとしてれば次の街にももっと早く着けたでしょ」

勇者「……」

僧侶「大した怪我じゃないなら、いちいち私を呼ばないでよね」

勇者「……あぁ」

僧侶「……」

勇者(お前は僧侶だろ? 傷ついてる人を見たら、回復してあげるのが筋だろう?)

勇者(とてもじゃないが、そんなことを言えない。言いたい、俺は強いと目の前で自慢してやりたい)

勇者(そしてそれをめいいっぱい褒めてもらいたい。ただ、それだけなんだ)

勇者(……ただ見ているだけの自分に、うんざりする)

勇者「……!!」

ズバッ…ドドッ…

僧侶「!!」

魔法使い「わぁ!! 木が!! え? ゆ、勇者さま!?」

勇者「……行くぞ」

僧侶「……怒ってるの?」

騎士「勇者殿……」

勇者「……」

僧侶「……木に八つ当たりするんだ」

勇者「……お前が遅れるって言ったんだ。早く行こう」

僧侶「ちょっと勇者……」

勇者「なんだ」

僧侶「っ……」

勇者「……行くぞ」

魔法使い「あ、ま、待ってくださいよ勇者さまぁ!!」

僧侶「……何よ」

騎士「まあ、そう気を落とさぬよう」

僧侶「……騎士さん」

騎士「深いところは分かりかねますが……勇者殿も何か思うことがあるのでしょう」

僧侶「……勇者」

---ずっと見てた

僧侶(勇者は届かない人。私の憧れ。……なんて、最初は思ってなかった)

僧侶(そんなおとぎ話だか、昔話みたいに勇者に憧れるなんて馬鹿みたいだって思ったし)

僧侶(勇者はそれ以前に、大事な幼なじみだった。この職に付いたときから。だから逆に、勇者って感じがしなかったのかも)

僧侶(……それでも私は勇者のことを尊敬していた。回復呪文だって、私より先に覚えたのはアイツ)

僧侶(負けないように努力して、必死に追いかけた。でもアイツは笑顔で私より少し先に居て)

僧侶(やっぱり、勇者なのかなって思ってた時。あの日、魔物と初めて戦った日)

僧侶(実践なんてしたことが無かった私を半ば無理矢理連れ出して、得意げに魔物を切り倒して行く)

僧侶(なのに……調子に乗るから。なんて言ってる私も、人の事を言えなくて)

僧侶(本当に怖かった。それはもちろんまだまだ未熟だって言うのもあったけれど)

僧侶(……助けてもらえたってことが、むしろ私を不安にさせた。それでも)

僧侶(助けてもらったことで、昔から抱いていたこの気持ちが……)

僧侶(……恋心だって、知った。だから初めて、回復魔法をかけたの)

僧侶(でも、それっきり。私はありがとうも言わず……次に会ったとき、勇者は……)

僧侶(その瞬間、悔しいけれど……完全に惚れていた)

僧侶(圧倒的な力の差。今までの比にならないほど、勇者は強くなっていた)

僧侶(わからないわけがない。でも、あの日ありがとうを言えなかったから、私は余計に距離を感じて)

僧侶(助けてもらったのに、あんなぶっきらぼうな態度を取っておいて……今更”守って”なんて言えない)

僧侶(そう。それに相手は勇者。だから……だから私は、勇者と距離を置いた)

僧侶(できるだけ一人でこなして? 私は貴方の事を、”勇者様”だと思うから)

僧侶(でも……私がいなくても一人で回復して、魔物をなぎ倒していく勇者を見ると、胸が苦しくなって……)

僧侶(ますます私は勇者につっけんどんな態度で接してしまう。きっとそれが一番なんだ、って)

僧侶(今更私が回復してあげたところで、何になるの?尻の軽い女だって、見られてしまうかもしれない)

僧侶(そう……私達はただの幼なじみで、魔王討伐のパーティーメンバー。ただ、それだけ)

僧侶(……それだけなのに、どうしてこんなに辛いの)

僧侶(そんなに、怒らないでよ……辛いって言ってよ! そしたら、私だって回復してあげられるのに……)

僧侶(……勇者のバカ)

---

眠い
起きたら書く
落ちてたら立て直す

僧侶「ん……あ、あれ? 私……」

トントン

僧侶「え? は、はい」

騎士「失礼します。お休み中でしたか?」

僧侶「あ、あはは……すみません、つい寝ちゃってたみたいで」

騎士「いえいえ、ここまで結構な道のりでしたから」

僧侶「……」

騎士「……勇者殿のことでしょう?」

僧侶「えっ!?」

騎士「自分でよければ、少しでもお力になれないかな、と思いまして」

僧侶「そ、そんな! 別に私は……何も……」

騎士「……強くなればよいのでは?」

僧侶「えっ?」

騎士「勇者殿は知らぬ振りをしていますが、やはり一人だけレベルが違います」

僧侶「……」

騎士「きっと僧侶殿は……それをよく思っていない」

僧侶「わ、私は……」

騎士「とまあ、私の推測にすぎないのですが! でも、いかがでしょうか?」

騎士「強くなって勇者殿を見返す、というのは今の僧侶殿にとってどうとらえてもメリットになるのでは?」

僧侶「私が……もっと強くなる……」

僧侶(そうだ……私が弱いから行けないんだ……)

僧侶(いつも勇者の一歩後ろ。そこで満足してたから、私は……)

騎士「もちろん私は職業柄、呪文はほとんど使えませんが。軽い体術や自己治癒の方法、少しでもお役にたてるかと」

僧侶「……それじゃ、お願いします」

騎士「本当ですか? いや、よかった」

僧侶「いえ、こちらこそ……ぜひ、お願いします!!」

僧侶(強くなるんだ……勇者と同じくらい、いや勇者より強く!!)

---

魔法使い「勇者さまー? 勇者さまー?」

勇者「おっと魔法使い、どうしたんだ?」

魔法使い「あ、すみません朝早くから! その、この街にはどれくらいいるのかな、って」

勇者「そうだなぁ、特に決めてはいなかったが……長い出来るほど金もないし、2、3日ってところか?」

魔法使い「うーん……」

勇者「なんだ? 問題でもあるか?」

魔法使い「問題というか……昨日から騎士さんと僧侶さんがいないんですよねー」

勇者「……ん?」

魔法使い「どうしちゃったんでしょう? 買い物でしょうか?」

勇者「……そんなところだろ。久々の大きな街だし、魔法使いも好きなだけくつろいでいいからな」

魔法使い「あ、はい! それじゃまた何かあったら!」

勇者「あぁ」

勇者「……あの二人が?」

勇者(騎士は最近仲間になった、というかそもそも俺たちのパーティーがここ1ヶ月で組まされたようなパーティーで)

勇者(それぞれある程度のレベルを持ち合わせていて、バランスもとれていた)

勇者(勇者のその仲間と言うだけあって、確かに優秀な奴がそろっていた)

勇者(魔法使いはまだ子供だ。それでも賢者の手前くらいまで、呪文を使いこなせるという)

勇者(なんとなく俺に似ている。というのは、多分基本の戦闘で全力を出していないからだろう)

勇者(騎士は……なんというか不気味なやつ。そんな印象だった)

勇者(ナヨナヨしてるくせに、身のこなしが尋常じゃない。様々な体術で戦闘をサポートしてくれる)

勇者(だがその見た目と動きから魔王の手下なんじゃないかと思ったこともあったが、今では頼れる仲間だ)

勇者(そして僧侶。僧侶は昔からの付き合いで……あ、あれ? 僧侶は……)

勇者「……僧侶、は」

勇者(今何を覚えてるのか……どこまで力があるのか、わからない……わからない?)

勇者(ただ、俺と僧侶は幼なじみで……パーティーの一員、ってだけなのか)

勇者(また苛立ってきた、時に魔法使いの言葉が脳をよぎる)

くぅ~疲れましたwこれにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

ふぅ~シコりましたw これにて早漏です!
実は、オナニーしたらセックスの話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は今夜のオカズなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのオナネタで挑んでみた所存ですw
以下、チンコ達のみんなへのメッセジをどぞ

チンコ「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと包茎なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

アナル「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

金玉「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

乳首「見てくれありがとな!
正直、オナニーでイった私の気持ちは本当だよ!」

陰毛「・・・ありがと」モサ

では、

チンコ、アナル、金玉、乳首、陰毛、>>1「皆さんありがとうございました!」



チンコ、アナル、金玉、乳首、陰毛「って、なんで糞>>1が!?
改めまして、ありがとうございました!」

くぅ~疲れたwこれにて完結です!
実は、タレをかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったの←
ご厚意を無駄にする流行りのネタで挑んでみw
以下、まどか達のみんなへのメッをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちっと腹黒なところも見えちったけど・・・しね!」

さやか「いやーありマミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

子「見てくれありがとな!
正当」

ほむら「・・・ありがと」ファ

では、

まどか、マミ、子、ほむら、俺「皆さんありました!」



まどか、マミ、子、ほむら「んが!?
改めました!」

本当本当

くぅ~疲れましたwこれにて敗退です!
実は、優勝したら三連覇の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当はイチローがでないので期待は全くなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りの若手で挑んでみた所存ですw
以下、侍達のみんなへのメッセジをどぞ

能見「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと大失点されたところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

中田「いやーありがと!
私の無能さは二十分に伝わったかな?」

内川「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

阿部「見てくれありがとな!
正直、二回のチャンスで凡打三振だったとき私のバッティングは本当だよ!」

山本「・・・終わった」ガク

では、

能見、中田、内川、阿部、山本、中居「皆さんありがとうございました!」



能見、中田、内川、阿部、山本「って、なんで中居くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

くぅ~疲れましたw これにて三浪です!
実は、受験失敗したら浪人の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は勉強するつもりはなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのセンターに挑んでみた所存ですw
以下、大学達のみんなへのメッセジをどぞ

明治「みんな、受けてくれてありがとう ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

中央「いやーありがと! 法学部の偏差値の高さは二十分に伝わったかな?」

立教「受けてくれたのは嬉しいけど落ちたのはちょっと恥ずかしいわね・・・」

青山「受けてくれありがとな! 正直、試験で落とした私の判断は正当だよ!」

学習院「・・・ありがと」ツルッ

では、

明治、中央、立教、青山、学習院、法政「皆さんありがとうございま した!」



明治、中央、立教、青山、学習院「って、なんで法政が!? 改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に浪人決定

くぅ~疲れましたwこれにて敗退です!
実は、大リーグ機構から出場の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は配当金の問題がまだ解決してないのですが←
日本国民の期待を無駄にするわけには行かないのでWBCに挑んでみた所存ですw
以下、日本代表のみんなへのメッセージをどぞ

能見「みんな、見てくれてありがとう
メンタルの弱さが見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

稲葉「いやーありがと!
どれくらいスランプかは二十分に伝わったかな?」

松田「見てくれたのは嬉しいけどちょっとボール振りすぎたわね・・・」

内川「見てくれありがとな!
正直サイン見間違えたのはのは凡ミスだよ!」

阿部「・・・ありがと」ウナギ
では、

能美、稲葉、松田、内川、阿部、山本「皆さんありがとうございました!」


能美、稲葉、松田、内川、阿部「って、なんで山本監督が!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に期待はずれ

勇者「……何を心配してるんだ俺は」

勇者(ばかばかしい……どうしてそこまで考えられるのに、行動に移せないんだ)

勇者(行動って言ったって……じゃあ何をすればいい? 好きだと告白すればいいのか?)

勇者(もうやめよう……今日はもう、寝る)

勇者(……僧侶)

---

騎士「あの、大丈夫ですか? 僧侶殿……」

僧侶「だ、大丈夫! 滝に打たれるのには、慣れてたし……」

騎士「は、はぁ……」

僧侶「ふぅ……よし! それで、次は?」

騎士「……」

僧侶「騎士さん?」

騎士「え? あ、いや失礼! それでは次は……」

僧侶「片足でバランスを取るのね? よーし……ほっ……」

騎士「……僧侶殿」

僧侶「おっとっと……危ない危ない」

騎士「……」

僧侶「コレ結構難し……わぁ!!」

騎士「あ、危な……!」

ドサッ

僧侶「い、痛たた……あっ! ご、ごめんなさい!!」

騎士「あ、いえ私は大丈夫ですが……僧侶殿、お怪我は」

僧侶「え? あ、大丈夫です! すみません、まだまだみたいですね私!」

騎士「……僧侶殿」

僧侶「はい?」


騎士「……勇者殿のことを、どう思っていらっしゃいますか」

僧侶「……え?」

騎士「……」

僧侶「な、なんでそんなこと?」

騎士「あ、い、いえ。単に気になったもので」

僧侶「……別に私は」

騎士「お二人の仲が険悪、というか喧嘩をしていらっしゃるのはいつものことではありますが」

騎士「今回に限っては、どうも腑に落ちないと言いますか」

僧侶「……」

騎士「その、私の勝手な考えなのですが……」

騎士「僧侶殿は……勇者殿のことを……」

僧侶「も、戻りましょ!」

騎士「……」

僧侶「……その、今日はありがとうございました!」

騎士「いえ……」

ガチャッ

僧侶「……疲れた」

僧侶「強くなるとは言っても、あれは僧侶の修行じゃないよね……」

ボスッ

僧侶「……勇者」

僧侶(強くなったら……どうするんだろう)

僧侶(強くなったら、勇者を助けてあげればいいのかな? それで、私が……)

僧侶(でも、わかんないよ……勇者がどれくらい強いのか、私には……)

僧侶(せめてこの旅が終わって、二人ともただの幼なじみに戻れば……でも)

僧侶(そんなに待てるかな……その頃には、下手したら嫌いになってたり……嫌だよそんなの)

僧侶(……今日はもう、寝よ)

---翌日

勇者「……」

勇者(……これは確認だ。一応、そういう、確かめは重要だ……)

トントン

勇者「……」

僧侶「……はい?」

勇者「あ、い、いやいるならいいんだ。大した事じゃないから、扉越しでも。その、後何日かしたら先に進むつもりだからさ」

僧侶「……わかった」

勇者「あぁ。……それじゃあ」

僧侶「あ……」

勇者「何かあるか?」

僧侶「……その」

勇者「……」

僧侶「……朝、ご飯とか」

魔法使い「おはようございます勇者さま!! あれ? どうかしたんですか?」

勇者「え……あ、ま、魔法使い?」

魔法使い「あれ? あ、もしかしてお話中でしたか……?」

勇者「お話……というか、その……」

僧侶「……なんでもない。後何日かしたらでしょ? 大丈夫」

勇者「あ、あぁ……それじゃあな」

魔法使い「……?」



騎士「おや?」

勇者「……」

騎士「おはようございます、勇者殿」

勇者「あ、騎士か。おはよう」

騎士「お疲れのようで。体の具合は大丈夫なのですか?」

勇者「まあ、大丈夫だ。騎士の方こそ、最近は頼ってばかりですまないな」

騎士「いえいえ、勇者殿には到底及びません」

勇者「あはは……そう言ってもらえるとありがたいんだが」

騎士「……僧侶殿のことですか?」

勇者「えっ!?」

騎士「勇者殿にわざわざこのようなことを伺うこと自体、おこがましいのですが」

騎士「失礼を承知で、お聞きします」

勇者「……あぁ」

騎士「勇者殿は、僧侶殿に好意を抱いている、と」

勇者「……そうだな。多分、そうだ」

騎士「……」

勇者「だって、可愛いだろ僧侶? まあ魔法使いも悪くないが……なんて見た目で語っちゃいけないわな」

勇者「まあとりあえず、恥ずかしながら好きだな。俺は。同じ男なら分かってくれないかな、僧侶の魅力」

騎士「……そのような軽いものでしょうか」

勇者「……どういう意味だ?」

騎士「いえ、決して馬鹿にしたり蔑んだりしているわけではないのです。ただ……」

勇者「大丈夫、騎士のことは信用してる。もっとハッキリ言ってくれて構わない」

騎士「……いえ。ただ、一つだけ……失礼を承知でお聞きしておきたいのです」

勇者「あぁ、いいぞ」

騎士「恋にうつつを抜かして、戦いをおろそかにするようなことは……ないと」

勇者「……もちろんだ」

騎士「……でしたらもう私は何も。今までの暴言も忘れていただいて結構ですので」

勇者「いやいや、重要なことだ。パーティー内恋愛が禁止な訳じゃないが、そんなことで死んだら笑い者だからな」

勇者「ありがとう騎士。もちろんこの気持ちは、ある程度落ち着いてから決着を着けるつもりだ」

騎士「そう言っていただけると、私も……」

勇者「そう言えば他にも何か言ってたよな?」

騎士「あぁいえ! それだけなのです。では私は少々装備を揃えてきますので、また後ほど。失礼いたします」

勇者「そうか? わかった、それじゃまた」

勇者「……すんなり出たな。そんな風に言えたら苦労しないんだが」

勇者「……そんなに軽いもんじゃ、ないよな」


騎士「……」

---
僧侶(朝声をかけられたのは、もしかしたら初めてかもしれない)

僧侶(学校に行くときだって、いつも私が先に起きて、起こして……)

僧侶(……もしかしたら、アイツの夢を見てたかもなんて)

僧侶(働かない頭で、できるだけ平静を装った受け答えをするけど、声が上ずってるような気さえしてくる)

僧侶(そんな状態だからそんな勝負に出られたのかもしれない)

僧侶「……朝、ご飯とか食べ……」

「おはようございます勇者さま!!」

僧侶「!!」

僧侶(魔法使いが悪い訳じゃない……恥ずかしがって、扉越しなんかにそんな約束を取り付けようとするからこうなる)

僧侶(そんな自分が憎らしい……いや、一周回って勇者のせいだ! 寝ぼけていた頭が急に動き出す)

僧侶(そして、ドアの外の気配がなくなって、余計寂しくなった。天井を見ながら、思わず呟く)

僧侶「……朝食なんて、一人で食べられる」

僧侶(なんでそんな空しい独り言を呟いたのかわからない。けど、あまりにバカバカしくて笑ってしまった。涙もにじんできた)

トントン

僧侶「……え?」

魔法使い「あの……僧侶さん?」

僧侶「ま、魔法使い!?」

魔法使い「入っても、大丈夫ですか?」

僧侶「あ、う、うん」

ガチャッ

魔法使い「……」

僧侶「その、どうしたの?」

魔法使い「すみませんでした!!」

僧侶「わぁ!! な、何が……?」

魔法使い「その……さっき邪魔しちゃった、みたいで」

僧侶「あー……ううん、別に大事な話じゃなかったから!」

魔法使い「そう、なんですか?」

僧侶「うん! 気にしないで大丈夫だから! ありがとね?」

魔法使い「いえいえこちらこそ!」

少し離れる

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