妹「おにい......さむいね...」 兄「ああ」 (94)

妹「...今日も太陽昇ってこない」外チラリ

兄「ああ」

妹「もう一週間もだよ?」

兄「そうだな」

妹「電気も止まっちゃったし」

兄「……」

妹「お腹すいた」

妹「お風呂上がったからはいっていいよー」
兄「ほーい、さてと…ってげげっ!?お前なんつー格好してんだよ!」
妹「別にいいじゃない、家族なんだし、だって暑いんだもん」
兄「おまえオッパイが見えそうじゃないか!下なんてパンティ丸見えだぞ!」
妹「はぁ?なに焦ってんの?ばっかみたいお兄ちゃん」
兄「っつーか若い女がそんなかっこで歩き回るとか!早く着替えろ」
妹「あれー?まさかお兄ちゃん、あたしのハダカみて興奮しちゃったの?w嘘でしょーっ?www」
兄「そっ…そんなことあるわけないだろ!」
妹「ふふふ…お兄ちゃんエッチしたこと無いんでしょ?」
兄「…そんなの言えるかっ!!」
妹「図星だーっwねえ、あたしでよかったら…初めての人になってあげてもいいよ」
兄「ぷっwwなんだそれ?どこのエロゲーだよwwからかうんじゃねえってのwwww」
妹「からかってなんかないもん…”がばっ!”ほら、お兄ちゃんオッパイだよ
  お兄ちゃんが夢まで見たオッパイ…好きにしていいんだよ…アソコだって…」
兄「本当にいいのか…?」
妹「来て…お兄ちゃん…あたしをめちゃくちゃにして!」
兄「ジャイ子…」

兄「これ食べとけ」ガサッ

妹「でもこれ、さいごのお菓子……」

兄「大丈夫だ。外の様子を見るついでに何か買ってくる」

妹「でも、外は危ないってラジオで言ってた!」

兄「都会はそうだろうけど、この辺は平気だって」

妹「でも怖いよ……おにい、お願いすぐ帰ってきて」

兄「約束する。戸締り頼むな」ガチャ

バタン

妹「……」鍵ガチャ

妹「おにい」



街中



兄(すごい雪積もってるな、それに誰もいない)ザックザック

兄(一応ケータイ電源入れて......ダメだ圏外のままだな)

兄(それにしてもひどい寒さだ。こんなに着込んでるのにきつ過ぎる)

兄(とりあえず近くのコンビニとスーパーまでいっとくか)

コンビニ到着

兄(やっぱり何も残ってないか)

兄「誰かいませんか―!」

兄「……次行くか」







妹「おにい遅いな……ってまだ10分も経ってなかった」

妹「暇だしおにいに言われた通りラジオ付けて回しておこ」

ラジオ「ザーザーザーギュピーザザァァ」

くるくる

ラジオ「ザザァザザザザ…き……ザザザァ…こちr……」

妹「!!」

兄「スーパーもすごい荒らされてるな」

ガサガサ

兄「でもこっちは探せば色々ありそうだな」

兄「お、妹の好きなお菓子だ。あいつ喜ぶな」

兄(もう一時間か、妹が心配するし、そろそろ帰ろう)ヨッコイショ

男「おい、おまえ!」

兄「!!」

男「おまえ、この辺のもんか?」

兄「はい、そうですが」

兄(うわ、妹以外の人と久しぶりに会った)

男「他には?仲間はいないのか?」

兄「仲間?いえ」

男「そうか、なら持ってるもん全部よこせ」カチャ

兄(おいおい、これってライフルじゃ……)

ラジオ「ザザザァァァ……ザザッザ」

妹(今なんか声聞こえたよね)

妹(あ、これアンテナ伸ばしてなかった)

ニュイーン

ラジオ「ザザァ……本国民の皆さん。冷静になってお聞き下さい」

妹「あ、きたきた」

ラジオ「現在、我が国は非常事態宣言を発令中。異常気象に続き、先日の未確認のミサイル攻撃の影響で都市部を中心に暴動・略奪など大幅な治安の悪化が深刻化しており、警察消防と自衛隊も……

妹「ちょ、なにこれ怖い」

ラジオ「発電施設の大半が施設機能を停止しており、大規模停電の復旧の目途は立っておりません。お住まいの自治体機能が維持されている住民の皆さんは、今後の物資不足に備えて協力するようお願いします」

妹(だから電気止まってたんだ)ブルブル

ラジオ「続いて今回の異常気象について、天文気象学の専門家の翁博士に来ていただいています」

ラジオ「翁さん、この度の異常気象はどういった原因が考えられますか?」

翁「既に指摘されている通り、太陽活動の急速な低下が原因であると考えられます。一週間前に観測された強力な太陽風によってほとんどの観測衛星が機能を停止してしまったため、現在太陽を観測することはできていませんが、おそらく...


妹「なんか難しくてよく分からないけど、やばそう」

ラジオ「ただ今、新たに情報が入ってまいりました!先ほどのミサイル攻撃について防衛省から正式発表が入りました!」

ラジオ「ミサイル攻撃は戦術核ミサイル群で、合計52発が主要都市及び自衛隊駐屯地・米軍基地に向けて発射。近隣国A国とB国からのもので、現在在日米軍と協力しつつ防衛ラインを再構築して上陸にも備えて軍備を日本海側へ集中して……」

妹「気象異常だけじゃなくて、こんなことにも……」

妹「ミサイル怖いけど、うちは山間の小さな街だからこないよね?」

妹「おにい、まだかな……この事はやく伝えないと」

玄関ガチャ

妹「おにいだ!」ダダダダ

妹「キャ!!」

兄「あぁ……妹、ただいま」ヨロ

妹「おにい!そ、その血どうしたのっ!?」アワアワ

兄「なんでもない、野犬に襲われただけだ」

妹「野犬って、すごい血……けがしなかったの?」

兄「ほんと大丈夫、腕をかまれただけだよ。薬局で包帯と消毒液買って抵当にやった」

妹(おにい、全然平気って顔してないよ……」

兄「食糧も確保してきた。三日は心配ない。それより、そんなあわてて出てきてどうしたんだ?」

妹「あっ!そう、そうなの!ラジオがね……

ペチェペチェ

兄「マジか、そんなことになってんのかよ……通りで」

妹「??」

兄「いや、なんでもない」

妹「これから、どうしよう……おにい」

兄「母さんたちとも連絡がとれない以上、家を離れたら合流は難しい」

妹「うん」

兄「二人が帰ってくるまで、ここで凌ごう」

妹「わかった!じゃあ私も買い出し手伝うねっ!」

兄「駄目だッッ!!!!!!!!」

妹「!!」ビクッ

兄「いや、ごめん。ほら、ラジオでも言ってただろ?外は危ないかもしれないから妹は家の中のことを頼むよ」

妹「わ、わかった」





三日後

居間

妹「ママたち帰ってこないね……」ブルブル

兄「きっと、どこかに避難してるんだ。大丈夫だ」ハーハー

妹「うん……でも不安だよ。日に日に寒さもきつくなってきたよ」ブルブル

兄「ロシア人は真冬に水遊びするらしいし、まだ平気さ」ニコッ

兄「きっと大丈夫……きっと」

ラジオ「ザザザ……日本国民の皆さん、内閣総理大臣の首相です。この非常事態の混乱の中、不安と恐怖に耐えている良識ある日本国民の皆さんにお話しがあります」

兄妹「「!!」」

首相「太陽の急速な活動低下……通称”太陽冬眠”と呼ばれる現象によって、我が国に限らず現在世界中で大混乱が発生し、先の見えない不安から各地で資源を争う紛争が勃発し始めています」

首相「先日のミサイル攻撃もその余波であり、ヨーロッパ・アジア・アメリカの各地のそれに比べてその混乱は島国故に微小でありました」

首相「世界中の研究者が”太陽冬眠”について調査研究を行っている段階ですが、大多数の見解として本現象は数十年から数百年続くと予想されています」

兄弟「「……」」

首相「国民の皆さん、どうか落ち着いて下さい」

首相「私たちはこの未曾有の人類、いや生物の存亡の危機に際し、協力し生き抜くべく英知を絞らなければなりません」

首相「いまは有力な解決策が見いだせない状況ですが、どうか国民の皆さん一週間、一週間でいいので耐えてください」

首相「国連・日米同盟・そして日本の優秀な科学者・技術者達と共に、必ず打開策を見出す信じて、どうか……ザザザ

兄「それじゃあ、買い出し行ってくるよ」

妹「……一人じゃあぶないよ、わたしも」

兄「言っただろ。おっきいリュックもあるから一人で平気だよ」

妹「……うん」

兄「いつまでも玄関開けてたら部屋が冷えるだろ?じゃあな」バタン


妹(おにい……私気付いてるんだよ。腕の傷が噛み傷じゃないって)

妹(わたし、怖いよ……一人で待ってるのも……おにいを一人にさせるのも)ポロポロ

兄「まずは……あそこに行くか」ザクザク


公園


兄「雪積もってるな」

ライフルの刺さった土盛り

兄「……これからも、妹のこと守れるかな」合掌


兄「さて、じゃあ食糧探しに……」ヨッコラセ

兄「マジで寒さがヤバいな、スパイクシューズじゃないともう歩けない」



妹「これから、どうなっちゃうんだろう……」

妹「数十年このまま?ずっと寒いままなの?」

妹「学校のみんなどうしてるかな……」

妹「パパ……ママ……」


妹「このまま、おにいに迷惑かけ続けるのかな……」ポロポロ

妹「なにか、できることを考えなきゃ」

兄「また降ってきたな」

兄「かなり積もってきたし、これから外に出るのも無理になるかもしれないな……」

兄「そういや、昔見たドキュメンタリーで全球凍結ってのやってたな」

兄「マジで生きていけるのか……」

兄(……とりあえず、詰められるだけ食糧詰めていこう)



兄「ただいま」ブルブル

妹「おにい、おかえり!」ヒラリ

兄「なんだこれ!!」

妹「へへへ~分かる?」

兄「家のなか暖けぇなオイ!」

妹「それだけじゃないでしょ?」ヒラヒラ

兄「妹、白ワンピじゃねーか!」

妹「へへ~お気に入りなの!スカート久しぶりで嬉しくて///」ウキウキ

兄「可愛いな……ってそうじゃない。これはどういうことだ」

妹「パパの部屋の使ってない暖炉を掃除しました」キリッ

兄「暖炉ってあの書斎のか?」

妹「他にないよ」

兄「燃料は?薪も灯油も無かっただろ」

妹「パパの書斎の本を燃やしています」

兄(白目

兄「親父が本好きでよかったな」アッタカーイ

妹「これならしばらく持つでしょ?」高そうな本ポーイ

兄「いや、家じゅうの本集めても三日、節約して一週間がいいとこだろうな」

妹「えー!それからどうしよう……」アワワ

兄「……」

妹「おにい、どうしたの?」

兄「妹、明日朝から図書館行くぞ」

妹「!!」

兄「危険は承知だが、もう雪が一階を埋め尽くしてる。今日も外に出て人影ひとつなかった。それにこれ以上積と、身動きが取れなくなる」

妹「と、図書館から本持って帰るの?

兄「いや、家には書置きをして、図書館に篭る」

妹「……わかった」

兄「図書館まで近いけど、雪でキツイから今日はもう寝ておけ」

妹「おにいは?」

兄「俺ももう寝る」

妹「じゃ、じゃあ暖炉のおかげであったかいから、一緒にここで寝よう?」

兄「当たり前だろ。久々に薄着で寝れるんだからほかの部屋なんていかないって」

妹「うん、じゃ、じゃあ私こっちのソファで寝るね?ってソファ一つしかなかったね」

兄「じゃあ俺は妹が寝るまで薪(本)くべとくよ」

妹「それじゃあおにい寝れないよ!」

兄「じゃあどうするんだよ」

妹「い、一緒に毛布に包まって寝れば大丈夫じゃないかな?」

パチパチ

兄(上手く本を設置したから朝まで残るだろ)

妹「おにい、一緒に寝るの久しぶりだね」ドキドキ

兄「お前が小学4年のときに夜中に泣きついてきたのが最後だっけ?」

妹「違うよ、中学のときパパとママと一緒にキャンプ行ったとき4人一緒に寝たもん」

兄「あーそうだっけかな」

妹「そうだよ」

兄「……」

妹「……」

兄「……ごめんな、頼りない兄で」

妹「ううん、私こそ全然おにいの役に立てなくてごめん……」ギュッ

妹「じゃあ、おやすみ」ギュー

兄「苦しい」

妹「温かいからいいの!」

兄「そうだな」

妹「私がいてよかったでしょ?」

兄「……そうだな」

妹「なんで、間があったの?」

兄「本当にお前がいていれてよかったなって思ったんだ」

妹「そんなに?!」

兄「そうだよ。俺一人だったらさびしくて耐えられなかったかもな」

妹「……私もだよ」

妹「……ねぇおにい、このままずっと寒いままだったら、どうしよう」

兄「……」

兄「そしたら、俺がお前をずっと守るだけだよ」







兄「準備はできたか?」

妹「うん、できた」

兄「もっていくもの、その写真だけでいいのか?」

妹「うん、あとはおにいがいれば、何もいらない!」

兄「……」

妹「あ、照れたでしょ」

兄「照れた」

妹「あははっ」

兄(久しぶりに笑ったな)

妹「うわ、想像以上の景色だね」

兄「ほとんど真っ白な屋根しか見えないからな」

妹「みんなどこ行っちゃったんだろうね……」

兄「多分、山岳じゃ無理が来るのが分かって、支援も届きやすい平地に行ったんだと思う」

妹「……私たちも早めにそうすればよかったのかな?」

兄「どうだろうな、暴徒もいるらしいからこっちの方がまだ安全かもしれない」

妹「人がいない方が安全って、なんだか寂しい話」

兄「……そうだな」

兄「図書館に着く前に話しておく」

妹「?」

兄「図書館はこの地域の避難指定所だ。だから俺達より先に家での籠城に限界が来て誰か来てるかもしれない」

妹「うん」

兄「もし誰かいても、俺の傍は離れるなよ」

妹「わかった」


ザク ザク ザク


妹「あ、図書館だー埋もれてる!」

兄「俺が最初に二階の窓から入る。安全だったら呼ぶから、後から入ってこい」

妹「う、うん」ドキドキ

トントン トントン

シーン

兄(仕方ない……割るか)

バリーン ガシャン

兄「おーーーーい!誰かいたら返事しろーーー!!」

兄「……」

兄(無人か?)

兄(いや、室温が少し暖かい。誰かいるな)

兄「妹、寒いかもしれないが、もう少しここで待っていてくれ」

妹「ホッカイロいっぱい詰めてるから大丈夫!」

図書館内

兄「誰かいるだろー!返事してくれー!」

兄(なんで返事しない?前のこともある……警戒しないとな)

兄(出刃包丁は、、、あるな)


兄(こっちは誰もいないな)

兄(あとは事務室だけか)

ガチャ

謎「キャー!!」

兄「!!」

謎「やめて、なんでそっとしておいてくれないの……」

兄「落ち着け、この街の人間だ。避難してきたんだ」

謎「え、あ……あなたは兄君?」

兄「おまえ、誰かと思ったら幼馴染か!」

幼馴染「う、うぐ、うぇぇぇん、兄君とかぜったいこれ幻覚だよぉぉ」

兄「ちげぇよ!ほら実体あるだろ!」ペチペチ

幼馴染「うるうる」

兄「他には誰かいないのか?」

幼馴染「ううん、先週ラジオを聞いてみんな都市部に移動するって……」

兄「そうか……ってなんでお前は残ったんだよ」

幼馴染「私は本が好きだから、死ぬならここでって……」本ギュッ

兄「なるほどな」

兄「妹!大丈夫だ。入ってこい」

妹「誰かいた?」

兄「幼馴染がいた」

幼馴染「あ、妹ちゃん?元気そうでよかったぁ……」

妹「お、幼馴染さんこそ一人で大丈夫でしたかッ?」

幼馴染「図書館は壁も厚いし、潜って本を読んでたら気にならなかったですよぅ」

兄妹「(白目)



ガン ガン

兄(割った窓塞ぎ完了っと)

兄「さて、非常食も水もある。燃料になる本も大量にある。しばらくはこれで持つか……」

一週間後


ラジオ「ザザザ……」

妹「今日だよね?……偉い人が言ってた約束の放送日」

兄「ああ」

幼馴染「本当に助かる方法なんて見つかるのかしらぁ……」

ラジオ「ザザザ…ちらは、国営放送局です。臨時で全周波数で放送しております」

妹「きたきた」

兄・幼馴染「「ごくり」」


首相「日本国民の皆さん。この苦しい環境の中、政府の支援が十分に行き渡らないことについて、まず謝罪致します」

妹「そーだそーだ!」

首相「国連の特別専門家委員会による検討の結果、この未曾有の危機に対してこれから述べる三つの対策が国際的に平等に実施されることが決定しました」

首相「まず、世界各地に存在する核シェルターなどの施設を利用した世代間長期避難計画がまとまりました」

首相「日本国内ではJAXAの8年後の一般公募を予定していた大規模月面生活実験設備を中心に以下の年齢制限下で抽選で避難受け入れをします」

首相「年齢制限は10代が全国から80名、20代が……

兄「国内の避難受け入れが俺達の年齢層は80人だけって……」

妹「宝くじもびっくりだよね」

幼馴染「助かっても、これから何百年も氷の下で生活するんでしょう?助かってもそんな生活……」フラッ


首相「以上が、国連及び日本国が実施する人類保全計画です」

首相「ラジオを聞いて、絶望している皆さん。どうか元気を出してください。正直に言えば……私も本保全プログラムの対象外なのです」

妹「え、こういうのって偉い人だけ助かるんじゃないの?」

兄「権力とか無意味のマジでヤバい状況ってことだろうな」

首相「それでは早速抽選の結果をお伝えします。当選者のいる地域には、明日早朝までに自衛隊ヘリが到着します」

首相「それでは、当選者を読み上げます……10代当選者は……



兄「妹、起きてるか?」

妹「……起きてる」

兄「少し話さないか?」

妹「いや、聞きたくない!私の意見は変わらない!」ポロポロ

兄「……さっき幼馴染とも話したんだ。お前のこと頼むって」

妹「なんでっどうしてッ……ヒックッこうなるの」

兄「お前は選ばれたんだ。しかも幼馴染も一緒だ。すごい奇跡じゃないか……」

兄「なぁ妹、俺は嬉しいんだ」

兄「ラジオ聞いて、お前が助かるってわかって、信じてもいなかった神様に感謝しちまったよ」

妹「聞きたくない!おにいを置いて行くなんて絶対にしない!」

兄「……頼むよ妹。お前が助かれば俺は死んでもいいと思ってる」

妹「だから!なんで!そんなこと言うの!!」

兄「……」

妹「人を……殺したから?」

兄「!!」

兄「……やっぱり気づかれてたのか」

妹「当たり前だよ……おにい嘘が下手だもん」

兄「そうだ、俺は……見ず知らずの人間を殺した」

妹「でもそれは――!!

兄「正当防衛かもしれない。俺もそう思ってる。でも違うんだ」

妹「何が……・

兄「俺はあの男にライフルを向けられて、怖くて怖くて仕方なくて、死にたくなくて――


兄「俺の家に可愛い妹がいるんだ。処女だぜ?犯したくないか?って声をかけたんだ」

妹「!!」

兄「へらへら泣きながら笑って、ゲスみたいに、自分でも驚くほどぺらぺらと反吐がでる言葉が出てきてさ……はは」

妹「……」

兄「聞いてくれよ。あの男は馬鹿だったから、気をよくして話に乗ってきてさ」

妹「…」

兄「なんか口に出したら俺もすっかりその気になってきて、二人で輪姦して楽しもうぜって」

妹「」

兄「あいつを殺したのは二つ隣の家の玄関の前だったよ」

兄「チャイムならしてみ?お兄ちゃーんって言って飛び出してくるぜ?って」

兄「あいつが楽しそうにチャイムに手を伸ばした瞬間に後ろから持ってたスコップで殴ったよ」

兄「首の後ろに驚くほど簡単にスコップが刺さって、こいつ死んだなって思って」

兄「それでも刺しまくって刺しまくって……意外とぴくぴく動くのな、雪から蒸気が立ってて笑ったな」

妹「……」

兄「分かっただろ。俺は助かる価値ないんだよ」

兄「きっと選ばれなかったのも運命なんだと思う」

妹「……」

妹「嘘」

兄「嘘じゃない」

妹「じゃあなんで、そんなに泣いてるの?」

兄「え……泣いてなんて」ポロポロ

妹「前にも言ったでしょ。おにいの嘘は下手だって」

兄「嘘じゃないって言ってるだろ!!」

ギュ

妹「本当にあったんだって……わかってる」ナデナデ

妹「おにいは、弱虫だからきっとそうしたんだろうなって、わかる」

妹「でも私がいまここで生きていられるのは、おにいのおかげだから」

兄「!!」

兄「……ここに残っても、絶対に助からないんだぞ」

妹「うん知ってる」

兄「凍えて震えながら死ぬんだぞ?」

妹「寒いのはいや」

兄「JAXAの施設ならお前の大好きなお風呂にも入れると思うぞ?」

妹「んーそれは迷う」ニシシ

兄「……そこで迷うのかよ」


妹「おにい……さむいね…」

兄「ああ」

妹「今夜も一緒に寝てもいい?」ゴソゴソ

兄「もう俺の布団に入ってるだろ……あと今夜で最後だろ」

妹「まだ言ってる……私いかないからね」

兄「」

妹「幼馴染さん、きっとおにいのこと好きだよね」

兄「なんでここでそれを言うんだ?」

妹「私の方がおにいのこと大好きだから」

兄「」

妹「こうして一緒に寝んねできる私の大勝利だよね」

兄「……そうかもな」


妹「んーそうだ」

妹「おにい、なんでもいうこと一つ聞いてくれたら、施設に行ってもいいよ」

兄「本当か?」

妹「うん」

兄「じゃあ言ってみてくれ」

妹「……」

妹「おにいの種を私にちょうだい」ギュ

兄「……」

兄「……何言ってるか分かってるのか?」

妹「おにいは私がここに残ったら後悔するんでしょ?」

兄「当たり前だ」

妹「私はおにいと離れたくない……おにいの温もりを忘れさせないで」

妹「反論しないってことはりょうしょうと見なします」ヌギヌギ

兄「いやいや待てよ、おかしいだろ兄妹だろ」

妹「地球滅亡を前に兄妹とかどうでもよくない?」

兄「よくない」

兄「俺は殺人犯だぞ……」

妹「私の兄、それ以上でも以下でもないです」

兄「もし子供ができたら、一人で育てるのか?」

妹「ほんとどんだけ心配性なの??」

兄「それに他にも――!


チュ


妹「んっ」

兄(白目)

妹「おにい……おにいの匂い」ハァハァ

チュッチュ レロ

兄「!!」

妹「…んっ……おにい」サワサワ

兄「妹……そこは」

妹(うわわ、す、すごいガチガチしててアツアツしてるんだけど)

妹「おにいのすけヴェー」

兄「おい、あっ」

兄(なんか発音がおかしい)

ハァハァ

兄「これ以上は……ダメだ」

妹「約束が違うんだけど」

兄「……それは」

妹「なんでもいうこと一つ聞いてくれるんでしょ?」

兄「」

妹「種付してくれなかったら凍えて死んでやるんですけど」ジー

兄「わ、わかった。降参だ」

妹「ホント!」

兄「ああ、でも後悔するなよ……」

ノシッ

妹「きゃっ」ドサッ

兄「妹、綺麗だな」

妹「おにい、そんなみないで……恥かしい」ドキドキ

兄「遠慮しないからな」レロ

妹「ひゃぅ」ビクンッ

兄「」レロレロ

妹「ん……・んっ」ビクッ

妹(おにいの舌が……入って)

レロ レロレロ クチュ クチュクチュ

妹「はぁ……はぁ……」ドキドキ

兄「……妹」

妹「おにい……おねがい」

兄「」クイ ヌギヌギ ポロン

妹(あれが……おにいの)

兄「いれるぞ」ドキドキ

妹「うん」ドキドキ

クチュ

妹「あ」

ヌチュ ヌリュ

妹「あ…あぅ」ビクビク

妹(あわわわ、すごい……)

ヌリュン

妹「っ!!」

兄「はぁはぁ…全部…入ったぞ」

妹「うん……うん」ポロポロ

兄「痛むか?」

妹「ううん、嬉しいだけ」

妹「動いて……して」

兄「分かった」グイ

ヌチュ 

ヌチュ

ニュ ニュ ニュル ニュル

妹「あっ…・・んっ……んッ」

パンッ パンッ パンッ

妹「おにい…んっ…おにい!……あんっ!」

ニュ ニュ パンッ パンッ

妹「もっと……あっ!……キスして」

チュ ヌリュ

妹「んッ」

パンッ パンッ パンッ!

妹「ぷはぁ……んッ…おにい…なんか…なんかッ…んあっ!」

兄「くっもう」

妹「おにい…んッ…ぜんぶ…あんっ///」ビクッビクッ

兄「ああああああああ」ビクン

ブビュルッ! ビュル!! ビュルル

妹「んんんんんんッ!!」ビクッビクッビクッ

妹(おにい……好き…大好き……)

翌朝


バララララララララ

幼馴染「自衛隊のヘリ、着たみたいですよぉ!」

兄「ああ」

妹「……」

幼馴染「おーーい、こっちでーすよー!」手フリフリ

兄「雪の上にヘリポートのマーク描いたし分かるだろ」

幼馴染「あ、そっか」

兄「幼馴染……妹のこと、よろしく頼んだぞ」

妹「……」兄の袖ギュ

幼馴染「……うん。分かってる。昨日約束したでしょ」

兄「そうだったな」

ババババババババババッ

自衛隊員「危なから少し離れてくださーーい!」

幼馴染「はーーーい!」フリフリ

兄「妹、少し下がろう」

妹「」コクコク




ヒュンヒュンヒュンヒュン

自衛隊員「この一帯の治安状況は問題なさそうだが、長時間着陸しているわけにはいかない!当選者二名は氏名と生年月日、あと住所を言いなさい」

幼馴染「はい!私は……


兄「お別れだ妹……元気でな」

妹「」スタスタ

兄(妹……)

妹「あ、あの!」

自衛隊員「なんだ!どうした!!?」

妹「私、向こうの人と結婚してます!」

自衛隊員「え」

兄・幼馴染「え」

妹「子作りもしまくり!おなかに赤ちゃんもいます!!」

自衛隊員(白目)

妹「私は……あの人なしでは私は生きていけません!!」

7年後


首相「一時は全球凍結の危惧もあった大災害である”太陽冬眠”は、NASAを中心に組まれた”太陽活性化計画”によって脱しつつあります。これまで12基の反応剤ロケットが太陽に向けて打ち上げられ、4基が成果を挙げています」
破壊された地球環境と人的資産は計り知れませんが、私たちが地上で、あの暖かい太陽の光に触れる日は、そう遠くないはずです。皆さん、私たちはこの地球でまだ生き続けています」

妹「だってさパパ」

兄「おう」

FIN

マジで初めてSS書いたよ
すげぇ難しいのな

あとずっと言いたかったけど
爆発早すぎ

ノシ

妄想を垂れ流した訳だけど
また書いたらお前ら読んでくれるの?

まだあったのか
読んでくれてありがとうな

デイアフタートゥモローとかアイアムレジェントとかも好きだけど
世紀末ものだとザ・ロードが一番好きだ
見たことなかったら是非見て見てくれ

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2016年02月23日 (火) 22:31:41   ID: D75QGx7a

良かったよ!

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