まゆり「ねぇねぇ、ダル君」  ダル「ん?」(245)

立ったら書きます。

8月20日 お昼過ぎ
ラボ


岡部「なあダル、この暑さをどうにかしたいんだが」

ダル「・・・・・・」PCカタカタ

岡部「ダル? 聞こえないのか?」

ダル「・・・・・・」PCカタカタ

岡部「ダァルゥ! なぜ無視するんだ!」

ダル「あーあー聞こえない聞こえない。 リア充の声なんて聞こえないー」

岡部「んなっ・・・・・。 何を・・・」

ダル椅子から勢いよく立ち上がり岡部を指差し

ダル「まゆ氏がいる時! 毎回イチャイチャしやがってー
  何なんだよ! オカリンが暑いのはリア充だからだろうがああー」

岡部「ま、待て! 落ち着けダル! 俺がいつイチャイチャなどした?
    あと人を指差すのは止めろ」

vipではageたほうがいいと思うぞ。人が集まらん。

ダル「いつ? いつ・・・だと? いつもだお! 毎日だお!
    エブリディだよ! もう僕は耐えられないんだお!」

岡部「・・・・・・いや。ただとなりに座ってるだけじゃないか?
   そしてたまに名前を呼び合ったり、見つめ合う程度じゃないか。
   それのどこがイチャイチャしてるように見える?」 

ダル「オカリン。本気で言ってるなら早く爆発しろ」


ガチャ


紅莉栖「下まで声が響いてるわよ。 少し落ち着きなさいよまったく」

岡部「うむ。助手よ、買い出しご苦労」

紅莉栖「助手ってゆーな! 橋田はゼロカロリーのコーラでよかったわよね?」

ダル「牧瀬氏、僕のこと分かってくれてるんだね。僕は嬉しいお」

紅莉栖「へ、変な事言うな! このHENTAI!!」

ダル「僕はHENTAI紳士だお。でも、もっと罵ってくれていいお!」

>>4
助言どうもです。


紅莉栖「このコーラはいらないようね、橋田」

ダル「欲しいです。ごめんなさい」

紅莉栖「分かればいいのよ。はい、コーラ。 
   岡部もドクペ飲むでしょ?」

岡部「いや、今はいい。先ほど麦茶を飲んで喉は十分に潤っているのでな」

紅莉栖「そう? じゃあ冷蔵庫に入れとくわね」ガチャバタン

紅莉栖「で? なにを騒いでたのよアンタ達」プシュ

岡部「この暑さをどうにかしたいとダルに相談していたところだ」

ダル「違うお! オカリンがリア充っぷりを認めない話だったお!」

紅莉栖「岡部がリア充? はっ、そんな訳ないでしょただの厨二病よ」ゴクゴク

岡部「なんだとぉ、クリ腐ティーナめ」

ダル「牧瀬氏は最近ラボの研究室に篭もりっきりだったから知らないだけで、
   このカーテンの向こう側とこっち側では全く雰囲気が違ったんだお」コーライッキ

紅莉栖「そうなの? ヘッドホンつけてレポート書いてたから、
     そっち側の声なんて聞こえなかったから」

ダル「僕が、何度牧瀬氏にこの場の状況を知らせようとしたか。
   レポートの邪魔しちゃ悪いと思って話しかけられなかったんだお」ゲフ

岡部「大げさに言い過ぎだろうダルよ。この俺がまゆりとイチャイチャしているだの
   なんだのと。昔からあまり変わってないだろう」

紅莉栖「・・・・・・まゆりとイチャイチャ!? どういうことよ橋田! 説明しなさいよ!」

ダル「まゆ氏とラブラブチュッチュッしてます。毎日このラボで。ラボはラブホじゃねーぞ!!」

岡部「チュッチュッなどしていない!」

紅莉栖「・・・・・・ラブラブは認めるんか己は」

ダル「牧瀬氏。まゆ氏が来たらわかるんだお。この僕の怒りと悲しみが」

岡部「何度も言うが、大げさに言い過ぎだぞダル。この俺が――」


タタタタッ 
ガチャッ


まゆり「オカリーン! トゥットゥルー!」ダキツキ

岡部「まゆり! お前が来るのを待っていたぞ!」ダキシメ

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

まゆり「オカリン。喉渇いてるんじゃないかなーって思って、ドクペ買ってきたよー」ダキシメ

岡部「おー。さすがまゆり。丁度今喉が渇いたなーと思っていた所だ」ダキシメ

まゆり「えへへー。まゆしぃはオカリンの事なら何でもわかっちゃうのです」ダキシメ

岡部「まゆり・・・・・・」ダキ

まゆり「オカ・・・・・・リン・・・・・・」ダキ

紅莉栖「ち、ち、ちょっと待てぇー! なんぞこれ!? なんぞこれぇええええぇ!」

ダル「・・・・・・分かって・・・・・・くれたかな牧瀬氏・・・・・・」

紅莉栖「なんでこんな事になっちゃったの!? あれ? ちょっと待って!
     なんか意味がわかんない! なんなのこれ!? 私は夢を見てるの!?」

ダル「牧瀬氏! お、落ち着くんだお。これは現実。
   最初僕もほっぺをつねってしまう程混乱したけど、受け入れないと駄目なんだお・・・・・・」

岡部「まゆり・・・・・・・」ダキ

まゆり「オカリン・・・・・・」ダキ

紅莉栖「大丈夫よ。私は脳科学者。うん、落ち着け私。そう。マイフォーク。
     まだ持ってないのよね。マイスプーンは持ってるのよ私。そうだったわ」

ダル「牧瀬氏! こっちに戻ってくるんだ!!」

紅莉栖「・・・・・・はっ! 橋田・・・・・・助かったわ。危うく現実逃避しちゃうところだった」

ダル「これからどうなるのか・・・・・・それを考えただけで僕は体重が減る気がするんだお」

紅莉栖「いつまで抱き合って見つめ合ってるのよ!
     出会って2秒でこの展開はないだろ常識的に考えて」

岡部「・・・・・・そうだな。まゆりソファーに座るか」ダキカカエ

まゆり「うん・・・・・・ありがとうオカリン」オヒメサマダッコ

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

まゆり「オカリン。ドクペを飲ませてあげるのです」プシュ

岡部「まゆりはホントに気が利くな。ありがたく頂こう」ゴクゴク

まゆり「まゆしぃはオカリンが食べたり飲んだりしているところを見るのが
    可愛くて大好きなのです・・・・・・」

岡部「はははっ。恥ずかしいだろ。まゆり」アタマナデナデ

まゆり「えへへー」

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

紅莉栖「お、岡部! あんたさっき私が買ってきた時喉渇いてないって言ってたじゃない!」

岡部「ああ、さっき喉は渇いていなかった。今現在はとても喉が渇いている。
    だからこうしてまゆりに飲ませてもらっているのだが? なにか問題があるのか?」

紅莉栖「嘘乙! 5分も経ってないわけだが!」 

岡部「ふむ。助手は俺の身体の事を何でも知っているのか?
  喉の渇き。空腹。体調」

紅莉栖「ぐっ・・・・・・」

岡部「俺の事を知っているのは俺と――」

まゆり「まゆしぃだけなのです」ダキツキ

岡部「そうだ」ダキシメ

紅莉栖(こいつ・・・・・・殴りたい・・・・・・)

ダル「牧瀬氏・・・・・・なにを言ってもイチャラブ展開は変わらないんだお。
   僕も何度も何度も失敗したんだ・・・・・・」

岡部「まゆり・・・・・・」ミツメ

まゆり「オカリン・・・・・・」ミツメカエシ

紅莉栖「ま、まゆり? ちょっといいかしら?」テマネキ

まゆり「ん? あ! 紅莉栖ちゃんトゥットゥルー」

紅莉栖「え? あれ? 私気づかれてなかったの? なんで?」

ダル「まゆ氏は基本オカリンと喋る事しか考えてないと思われ。
   名前を呼ばれない限り反応してくれないんだお」

ダル「まゆ氏、僕もここにいるんだお!」

まゆり「ダル君もトゥットゥルー」

まゆり、紅莉栖の横に移動

まゆり「紅莉栖ちゃん、なにかご用事?」

紅莉栖「えっ、ええ。あのね、いつから岡部とこんな関係に?」

まゆり「んー。 まゆしぃはいつもオカリンの隣にいたよ? 
    まゆしぃはオカリンを愛しているのです」

紅莉栖「あ、愛ぃぃ? ちょっとまゆり。どうしちゃったの?」

ダル「牧瀬氏が研究室に篭り始めた日から急にこの状態だったんだ」

紅莉栖「なんですって? そんなに急になの?」

まゆり「まゆしぃ、もうオカリンの所に戻ってもいいかなぁ?」チラッチラッ

ダル「まゆ氏、戻るのはいいけどイチャイチャは控えてほしいお」

まゆり「わかったよー」

まゆり「お待たせーオッカリーン」ダキツキ

ダル(全然わかってないお・・・・・・まゆ氏)

岡部「待ちくたびれたぞ、まゆり」ダキシメ

紅莉栖「くっ・・・・・・橋田、詳しく話を聞かせなさい。おかしいわよこの状況」

ダル「分かったお。僕が気付いた点なんだけど・・・・・・」


・二人に変化があったのは4日前
・5日前までは二人共普通だった
・4日前から桐生氏・フェイリスたん・るか氏・阿万音氏はラボに来れないと連絡
・ここ数日で僕の体重が4kgほど減る

紅莉栖「おぃ。最後の体重はいらない情報だろ」

ダル「いや重要だお! 僕が痩せるなんてありえないだろ常考」

紅莉栖「デブ乙・・・・・・他には? なにもないわけ?」

ダル「うーん。 あ、個人的な事なんだけど」

紅莉栖「どうでもいい事だったら・・・・・・わかってるわね?」

ダル「いや、変なんだお。先週には終わらせたはずの宿題が、
   なぜか手付かずの状態だったんだお」

紅莉栖「なによそれ。勘違いなんじゃないの? そしてすごくどうでも――」

紅莉栖「いや、どうでもよくないわね。宿題は間違いなくやったのね?」

ダル「間違いないお! コミマを楽しむ為に毎年前日までに終わらせるんだお」

紅莉栖「ふむ。橋田のオタク力からしてそれは間違いなさそうね」

ダル「オタク力なんて始めて言われたお」

紅莉栖「ほかの皆はなにしてるの? こんな状況なのに」

ダル「るか氏は神社の手伝いで忙しい。フェイリスたんと桐生氏はバイトで。
   阿万音氏はブラウン氏が休暇で仕事休みだから短期のバイトで忙しいみたい」

紅莉栖「て事は、皆この状況を知らないのね」

ダル「そうだと思われ。あ、でもオカリンが今日あたり皆来れるって言ってたお」

紅莉栖「そうなの? だったら皆にもこの状況を相談してみないとね」

岡部「まゆり」ミツメ

まゆり「オカリン」ミツメ

ダル「・・・・・・みんなが混乱する様が浮かぶお」




ガチャ



フェイリス「入るニャー。 久しぶりだニャー」

るか「お久しぶりです皆さん」

ダル「フェイリスたんキタコレ! るか氏も久しぶりだお」

紅莉栖「漆原さん! フェイリスさん! ちょっと聞いて」

岡部「フェイリス、るか子よ。よく来た。久しぶりだな。フゥーッハハハハ」マユリダキシメ

フェ・ルカ「・・・・・・」

紅莉栖(くっ、そうよね混乱して言葉を失っちゃうわよね)

紅莉栖「あの――」

フェイリス「んもー。二人共今日もラブラブニャンだからー」

るか「いいなぁ。僕、羨ましいです」

紅莉栖・ダル「え・・・・・・・?」

フェイリス「ん? どうしたんだニャ?」

紅莉栖「・・・・・・ちょっと待って、二人共岡部とまゆりの事知ってたの?」

るか「? どういう意味でしょうか?」

ダル「オカリンとまゆ氏がラブラブな事知ってるん?」

フェイリス「知ってるもなにも、前からこうだったニャ」

るか「牧瀬さんも橋田さんも笑いながら二人を見守ってたじゃないですか」

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

ガチャ



鈴羽「おーっす。いやぁー短期バイトやっと終わったよー」

萌郁「・・・・・・お邪魔・・・・・・します・・・・・・」

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

鈴羽「岡部倫太郎と椎名まゆりは今日も仲いいなー」

萌郁「・・・・・・二人共・・・・・・変わらない・・・・・・ね」

紅莉栖「阿万音さんと桐生さんもこの事は日常的だと?」

鈴羽「んー? 今までと一緒じゃん。何言ってるの牧瀬紅莉栖」

萌郁「・・・・・・?」

紅莉栖(どういうこと・・・・・・私と橋田がおかしいの・・・・・・?)

岡部「バイト戦士、指圧師。久しぶりだな」マユリダキ

鈴羽「おーっす。椎名まゆり、おっはー」

まゆり「あ、鈴さんおっはー」

フェイリス「もーまゆしぃは凶真と居る時他の人のこと目に入らないニャー」

まゆり「えへへー まゆしぃはオカリンが居るときはオカリンの事を見てないと
    落ち着かないのです」

鈴羽「もう慣れちゃったなー。岡部倫太郎が居ない時は普通だし」

萌郁「・・・・・・ケーキ、買って・・・・・・来たの・・・・・・皆で・・・・・・食べよ」

フェイリス「萌ニャン! ありがとニャンニャン!」

るか「あ、僕飲み物用意しますね」

鈴羽「アタシは苺のショートケーキがいい!」

ワイワイガヤガヤ
オイシー イチゴー マユリ オカリン ヒューヒュー

紅莉栖・ダル(なんなんだこの状況・・・・・・)

フェイリス「二人共、ケーキいらないのかニャ?」

紅莉栖「え? ええ。私はちょっとこれから橋田と出かけるから」
   (橋田、ちょっと話合う必要があるわ)

ダル(おk、了解だお)
  「そうそう、そうなんだお。僕たちの分も食べてていいんだお」

フェイリス「にゃふふー。二人でデートかニャ? そうかニャ?」ニヤニヤ

紅莉栖「ちょ、違うわよ! ・・・・・・次のガジェットの為のパーツを買いに行くの!」

ダル「・・・・・・牧瀬氏とデートとか、萌える展開キタコレ!」

紅莉栖「・・・・・・」ギロッ

ダル「すみません、調子に乗りました・・・・・・」

紅莉栖「じゃあ、私たちは出かけてくるわね」

岡部「ああ、気をつけてな」マユリダキシメ

まゆり「オカリン・・・・・・」ダキシメ

るか「いってらっしゃい」

鈴羽「じゃあ二人のケーキは私がもらったー!」

萌郁「・・・・・・皆で・・・・・・わけよ・・・・・・?」

紅莉栖・ダル(早く・・・・・・この場を立ち去りたい・・・・・・)

牛丼屋



ダル「ゲフ。で、牧瀬氏。これは一体どうなってるんだろう」

紅莉栖「あんたこの状況でよく食べられるわね」

ダル「デブはご飯を食べないと力がでないんだぜ?」

紅莉栖「私はもうなにがどうなってるのかで、混乱しちゃってわけが分からないわ」

ダル「僕たち以外はオカリンとまゆ氏の事分かってた感じだったお」

紅莉栖「そうなのよね。皆馴染んでたわね、あの状況に」

ダル「でもおかしいお。だってオカリンとまゆ氏があんな感じになったのって
   4日前だったんだお。ああなってから他のラボメンがラボに来たことなんて
   なかったのに、なんで皆知ってるんだろう」

紅莉栖「5日前は皆で集まって円卓会議したわよね。あの時は普通だったはずよ」

ダル「どうなってるんだ。オカリン風に言うとこれがシュタインズ・ゲートの選択か・・・・・・だお」

紅莉栖「! 橋田、今のあんたの言葉で思いついた事があるわ」

ダル「お? 一体なんなんだお」

紅莉栖「その前に。あんたが宿題を終わらせたってのは間違いないわね?」

ダル「それは間違いないお!」

紅莉栖「先週やったはずの宿題が手付かず。4日前からのラボメンの変わりよう。
     過去改変されたんじゃないかと思うのよ」

ダル「は? ドユコト?」

紅莉栖「いい? 私と橋田が知ってる5日前の世界をAとして、
     今私たちが居る世界をBとするわね?」

紅莉栖「私たちは世界Aの記憶がありながら、世界Bの4日前に来ちゃったんじゃないかしら」

紅莉栖「皆言ってたじゃない。あの二人は前からこうだったって。
     それに私も橋田も二人を見守ってたって」

ダル「! そっか。世界を移動したって事は、Bの過去の記憶を僕達は持ってないって事」

紅莉栖「そうよ。だから私と橋田はこの世界が異様だと気づけたのよ」

ダル「でも、なんで僕達がAの記憶を持ってるん? その力ってオカリンだけじゃないん?」

紅莉栖「確かに岡部はリーディングなんちゃらを使えるみたいな事言ってたけど、
     あの力は誰しも持ってるはずの力なのよ。ただ岡部の力が強すぎるだけで」

ダル「じゃあ、オカリンはAの記憶を持ちながら、あの状態ってことなん?
   それだったら僕の右手が真っ赤に燃える事になりそうなんだが」

紅莉栖「いや、それはありえないわ。私の知ってる岡部はあんな事しないもん・・・・・・」シュン

ダル(あれ? なんか凄いデレてね?)

ダル「あのー。牧瀬氏? オカリンの事・・・・・・好きなん?」

紅莉栖「っ! な、な、な、なに言ってんのよ! このHENTAI!」カァァッ///

ダル「いあ。僕は応援するお! 今のオカリンとまゆ氏じゃ僕は耐えられないんだお」

紅莉栖「・・・・・・あ、あり・・・・・・がと・・・・・・」///

ダル(なんだこの牧瀬氏。可愛すぐる」

ダル「でもさ、どうあがいてもあの二人を元に戻すのは難しいんじゃね?」

紅莉栖「なんで? 過去を変えられたのよ? もう一度変えれば済むじゃない」

ダル「いあ、だって僕たちに記憶が残ってるのか分からんでしょ?
   変わった事に気付けなかったら意味ないんじゃね?」

紅莉栖「いえ、大丈夫よ。きっと大丈夫。岡部を想う気持ちが・・・・・・」

ダル「・・・・・・気持ちが?」

紅莉栖「奇跡を起こすのよ!」ビシィ!

ダル(牧瀬氏、奇跡とかそう言うの信じないんじゃなかったっけ)

ダル「過去を変えるってのは分かったんだけど、いつ頃の時期にDメール送ればいいん?」

紅莉栖「それは・・・・・・。二人があんな感じになる前じゃないかしら」

ダル「なんて送るん? 過去改変された要因のメール内容すらわかんないのに」

紅莉栖「・・・・・・」

ダル「あとメールは一体誰が送ったんだろ。誰かが過去改変したからこうなったわけだよね」

紅莉栖「・・・・・・まゆり、じゃないかしら・・・・・・」

ダル「え? まゆ氏が? いあいあ、まゆ氏はDメール送るの嫌がってたはずだお」

紅莉栖「だってこの世界で一番幸せなのはまゆりじゃない」

ダル「いや、オカリンも幸せなんじゃn」

紅莉栖「・・・・・・」バンッ!!

ダル「・・・・・・ま、牧瀬氏? 物に当たるのはどうかと・・・・・・思うお」

紅莉栖「橋田は応援してくれるって言った」

紅莉栖「私と岡部の事応援してくれるって言った」

ダル(やべー。牧瀬氏怖いお」

ダル「そ、そうだお! 僕は牧瀬氏の味方だお!」

紅莉栖「そうよね? 橋田ありがと」ニコニコ

ダル(もうどうにでもして下さい)

紅莉栖「Dメールを送ったのはまゆりだって事は分かったわね。
     その内容と送った時間を調べなきゃ」

ダル「そうだね・・・・・・オカリンとまゆ氏以外の人に話を聞いてみないと」
   (もう牧瀬氏の中ではまゆ氏が犯人だと確定してるんだな・・・・・・)

紅莉栖「多分あのメンバーの中でまゆりの事を一番知ってるのは漆原さんね。
     メールして呼び出してみるわ」

ダル「確かに、るか氏ならなにか知ってるかもしれないお」

10分後



るか「僕に話があるんですよね? なんでしょうか?」

紅莉栖「うん、まあ座って。大事な話があるの」

るか「はい。失礼します」

紅莉栖「大した話じゃないのよ。岡部とまゆりはいつからあんな感じだったかしら?」

るか「え? 僕がまゆりちゃんと友達になった時から既に二人は仲良しでしたよ?」

紅莉栖「そう・・・・・・。まゆりから何か聞いてない? 二人が仲良くなったきっかけみたいな事」

るか「えっと、確か岡部さんに昔助けてもらったんだってまゆりちゃん言ってた気がします」

ダル「オカリンがまゆ氏を?」

るか「はい。まゆりちゃんおばあさんが亡くなって、とてもショックだったみたいで、
   その時まゆりちゃんを助けてくれたのは岡部さんだって」

紅莉栖「なるほど、そこから二人の間に・・・・・・愛が芽生えたと・・・・・・」ギリッ

ダル「牧瀬氏! 落ち着いて!」

るか「?」

ダル「そ、それで、その事がいつ頃だったってのは知ってるん?」

るか「6年前の今日がそのおばあさんの命日だったと思います。その丁度半年後に岡部さんに
   助けてもらったって聞きましたよ」
 
紅莉栖「半年後か・・・・・・2月20日・・・・・・」ニヤ

ダル「メールの日時は分かったけど、肝心の内容は流石にわからないんだお」

紅莉栖「漆原さん、助かったわ。これで先に進めるわ」

るか「? お役に立てたのならよかったです。それじゃあ僕はこれで」

紅莉栖「ええ、ありがとう。またね」

ダル「牧瀬氏、これからどうするん? 内容が分からないとどうにもならないお」

紅莉栖「いいえ、最初に私が世界Aでまゆりに合った時、まゆりは言ってたわ。
     『まゆしぃはオカリンの人質なのです』って」

ダル「うん? それで?」

紅莉栖「だから世界Aでは岡部はまゆりを助ける時に、『お前は俺の人質だ』
     みたいな事をまゆりに言ったのよ。どこにも行かさない。そばに居ろって」

紅莉栖「世界Aのまゆりはそれで岡部とずっと一緒にいるんじゃない?
     もともとラボメンってあの二人だったんでしょ?」

ダル「確かに、なんかそれっぽい気がしてきたお」

紅莉栖「だからまゆりはこんなDメールを送ったのよ。
    『まゆりに告白 彼女は貴方を 愛している』みたいな」

ダル「牧瀬氏、すごい妄想力だお・・・・・・」

紅莉栖「それで岡部はまゆりに・・・・・・告白して・・・・・・くっ・・・・・・あんなことに・・・・・・」ギリッ

ダル「でも告白したところで、まゆ氏がおばあさんの死から立ち直るかなんてわかんなくね?」

紅莉栖「だから言ってるじゃない。Dメールを送ったのはまゆりだって」

ダル「それが?」

紅莉栖「まゆり本人があの時そう言われていたら、岡部と相思相愛になれるんだって、
     思ったからDメールを送ったのよ」

ダル「・・・・・・」
   (まじでまゆ氏の犯行なのかな・・・・・・)

紅莉栖「それにあの優しい岡部の事だもの、『お前が好きだ、だから何処にも行かさない。
     俺のそばにずっと居ろ』みたいな事を言ったら」

ダル「世界Aで言ったかもしれない、『何処にも行くなそばに居ろ』が世界Bにも
   繋がるってことですね、わかります」

紅莉栖「ええ。そうなるのよ。岡部は・・・・・・優しいから・・・・・・」

ダル(牧瀬氏、言ってて恥ずかしくないのかな・・・・・・)

ダル「でもあくまで牧瀬氏の考えであってそれが正解かはわからなくね?」

紅莉栖「そうね。だから本人に確認しましょう」

ダル「え? まゆ氏に聞くん?」

紅莉栖「いいえ、岡部に聞くのよ。今の岡部ならまゆりとの馴れ初めをペラペラ喋ってくれそうだし」

ダル「・・・・・・」

紅莉栖「まゆりも夜には家に帰るでしょ。その時に岡部に聞くのよ」

ダル「わかったお。もう牧瀬氏に付いてくお」

ラボ 夕方




岡部「ふむ。バイト戦士達は帰ってしまったな」

まゆり「そうだねー。オカリン・・・・・・」ギュッ

岡部「こらこらまゆり。助手とダルが見てるぞ」

まゆり「オカリン、大好きだよ・・・・・・」

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

岡部「まゆり・・・・・・俺もだ」ダキシメ

ダル「ねえ、牧瀬氏。なんで地獄に戻ってこようと思ったんだ・・・・・・」ヒソヒソ

紅莉栖「二人きりにして間違いが起きたらどう責任とるつもりだ橋田」ヒソヒソ

ダル(そっちの心配かお・・・・・・)

まゆり「オカリン。まゆしぃはそろそろ帰らないといけないのです・・・・・・」

紅莉栖・ダル(ついにきた!)

岡部「そうか・・・・・・寂しいが、気をつけて帰るのだぞまゆり。
   俺はダル達と話すことがあるのでな」

紅莉栖・ダル(なんの事だ・・・・・・)

まゆり「うん、また明日ね・・・・・・オカリン・・・・・・」

紅莉栖・ダル(こっちは華麗にスルーか・・・・・・)

ガチャ
タタタッ



ダル「オカリン、僕たちも話があるんだお」

岡部「あの事・・・・・・だろう?」

紅莉栖・ダル(まさか、全部分かってる!?)

岡部「ふむ。この暑さをどうにかしたいという事・・・・・・だな」キリッ

ダル「ちっげーよ! 今更そっちの話ぶりかえしてんじゃねえぞ!」

岡部「なに? 違うのか? 俺はその話をしたかったのだが」

ダル「牧瀬氏。たのむお」

紅莉栖「ええ。岡部? あんたとまゆりが・・・・・・その、いつからお互いを愛しあったのか
     それが・・・・・・・聞きたくて・・・・・・うぅ・・・・・・」ポロポロ

ダル(牧瀬氏への精神的ダメージが大きすぎる)

ダル「そうだお! いつからイチャイチャなのか急に知りたいなーなんて」

岡部「なんだそんなことか。それはそうだな・・・・・・俺とまゆりが出会ったのは――」

ダル「いあ、出会いの場面とかいらないんで、イチャイチャしだすきっかけの話をして欲しいわけだが」

岡部「なんだと? 大事な話だぞ。俺とまゆりの出会いは」

ダル「オカリン、頼むお。これ以上牧瀬氏を泣かせるなお」

紅莉栖「うっ・・・・・・ううっ・・・・・・」ボロボロ

岡部「助手よ? なぜ泣いているのだ? お腹痛いのか?」

紅莉栖(ううっ・・・・・・岡部は優しいなぁ・・・・・・)

ダル「オカリン、牧瀬氏を泣き止ませるには、どうしてもイチャイチャのきっかけが必要なんだお。
   だから手短にその部分だけ頼むお」

岡部「ふむ。あれは5年前の2月だったな。まゆりが精神的に落ち込んでてな。
   俺はまゆりを助けたい一心で、まゆりに愛の告白をした」

ダル「なぜ助けたいってだけで、愛を告白しちゃったのかkwsk」

岡部「それはだな、神のお告げがあったのだ!」

ダル「なに言ってんだオカリン」

岡部「むっ? 信じてないな。これをみろ」

ダル「ん? 昔の携帯・・・・・・?」

岡部「ああ、差出人不明の宛先からこんな文が3回に分けて送られてきたのだ」

『まゆりに告白 彼女は貴方を 愛している』

ダル(おいおい、まじかよ・・・・・・)

岡部「俺は気付いたんだ。まゆりが俺を愛してくれているなら。
   この俺が愛の告白をすれば、まゆりは元の元気なまゆりに戻ってくれると」

ダル「てことは、オカリンもまゆ氏の事その時から好きだったん?」

紅莉栖「うぅ・・・・・・ううっエーン」ボロボロ

ダル(やっべ、余計なこと聞いた・・・・・・)

岡部「いや、まゆりの事は妹のようにしか思っていなかった」

紅莉栖「!!」キタコレ!!

ダル「え? じゃあなんで今あんなラブラブなん?」

岡部「ああ。俺が告白してまゆりは確かに元気になった。だが、まゆりは――」

岡部「俺への愛情表現が激しくなったんだ」

紅莉栖・ダル「・・・・・・」

ダル「で、その愛情表現を受け続けているうちに、オカリンはまゆ氏が好きになったと?」

岡部「そうだ。もうまゆり無しでは生きていけない」

紅莉栖「うわあああああん」ボロボロ

ダル「オカリィィン! 牧瀬氏にトドメさすんじゃないお!」

紅莉栖「マイフォーク・・・・・・」ポロポロ

ダル「牧瀬氏?」

岡部「という訳だが。こんなことを聞いてなにか意味があるのか?」

ダル「うん? あるんだよ。牧瀬氏には大いにあるんだよ。
   オカリンその神のお告げメールもっかい見せてくれね?」

岡部「ふっ。ダルも信じる気になったか! フーッハハハ」

ダル(日付は・・・・・・2月20日・・・・・・13時か・・・・・・あとオカリンのメアドも)ピピッメモメモ

ダル「サンクス、オカリン。もう僕達の用事は終わったよ」

紅莉栖「・・・・・・橋田・・・・・・どう・・・・・・だった・・・・・・?」ウルウル

ダル「大丈夫だお、牧瀬氏。なんとかなりそうだお!」

紅莉栖「よかった・・・・・・よかったよぉ・・・・・・」

岡部「では、俺の話も聞いてもらおうk」

ダル「クーラーでも買えばいいお、割とマジで」

岡部「なっ!? ダァールよぉ。真面目に考えてくれ」

ダル「あ、オカリンこれから牧瀬氏と話があるから、ラボから出てってくんない?
   牧瀬氏泣かしたのオカリンなんだから、ちょっとくらい気使ってくれお」

岡部「・・・・・・なぜ、俺が出て行かねばならん! 話ならすればいいだろう!」

ダル「オカリン、今はただ、僕の頼みを聞いてくれ・・・・・・もうすぐ皆が笑える日が
   手に入るんだお・・・・・・だから、邪魔しないでくれお」

岡部「む・・・・・・わかった。話が終わったら連絡をくれ。それまで時間を潰してくる」

ダル「オカリン、すまない・・・・・・」

ガチャ
テクテク


ダル「牧瀬氏? 落ち着いた?」

紅莉栖「グスッ・・・・・・ヒグッ・・・・・・うん・・・・・・」

ダル「牧瀬氏、君の考えは大当たりだったお。メールの内容がばっちり正解だったお」

紅莉栖「・・・・・・うん・・・・・・ズズッ」

ダル「牧瀬氏・・・・・・とりあえず顔洗ってきたほうがいいと思われ。
   綺麗な顔が台無しだお」

紅莉栖「うん・・・・・・ちょっと行ってくる」ズズッ テクテク

ダル(はぁ・・・・・・なんて日だお・・・・・)

数分後


紅莉栖「待たせたわね、橋田」

ダル「ううん、もう大丈夫そうだね牧瀬氏」

紅莉栖「ええ。恥ずかしい所みせちゃったわね」

ダル「いいんだお! それよりもうゴールは目の前なんだぜ?」

紅莉栖「説明をお願いするわ橋田」

ダル「まあぶっちゃけ、牧瀬氏の想像通りだったよ。Dメールの内容。
   送られた日時は5年前の2月20日13時。
   Dメールを見たオカリンが告白したせいで、
   今のまゆ氏との関係が出来上がったで間違いないみたい」

紅莉栖「と言うことは、その日の13時過ぎに打ち消すためのDメールを送れば、
     岡部は元に戻るのね」

ダル「そういう事になるお。送るメールの内容は牧瀬氏に任せるお」

紅莉栖「そうね。じゃあ『告白失敗する 今貴方が最善 と思う事を!』でどうだろ」

ダル「うん、いいんじゃね? 元々オカリンがDメールなんて見てない時には
   普通にまゆ氏を助けることが出来たんだし。オカリンなら大丈夫だお」

紅莉栖「じゃあ、あとはメールを送るだけね、橋田」

ダル「うん、5年前にメール送る訳だし僕の携帯からDメール送っても身元バレないから
   僕の携帯から送ろうか。電話レンジの設定しとくお」

紅莉栖「橋田・・・・・・ありがとね。あんたがいなかったら、きっと私は駄目だったわ・・・・・・」

ダル「ふふふ。牧瀬氏。僕もオカリンのあんな姿が嫌だっただけさ!
   僕も牧瀬氏がいなかったらこれから先どうなってたか分からなかったお!」

紅莉栖「そうだわ。もし世界Aに戻って二人共記憶が残ってたらお祝いしましょう。二人で」

ダル「おうふ。それはデートのお誘いってことでおk?」

紅莉栖「ち、違うわよ!・・・・・・お礼よお礼!」

ダル「おっけー設定完了だお! じゃあ合言葉を決めとこう、二人が記憶を持ってたら
   それで分かるし、もし持ってなかったらその時は意味のない言葉だけど、
   違う世界の相手に前の世界の事言って混乱させるのも悪いしね」

紅莉栖「そうね。なんて言葉にしましょうか」

ダル「じゃあどっちかが『Bの事覚えてる?』って聞いたら
   聞かれた方が『お祝いはどこで?』って言おう」

紅莉栖「ふふっ。分かったわ。お互い記憶が残ってることを祈りましょう。
     じゃあ、世界Aに向かって行くわよ! 橋田!」

ダル「オーキードーキー! メール送信は任せたお!」


バチバチバチッ
ガタガタ
ダル「ん?」

ピロリン


ちょっとトイレ行ってきます。

ラボ 



ワイワイ ガヤガヤ

ダル(ん・・・・・・んん・・・・・・)

ダル「はっ!」キョロキョロ

ダル(今いつなんだろ? 携帯携帯)ゴソゴソ

『8月20日 19時00分』

ダル(僕は覚えてる! 牧瀬氏とやったミッションを!)

岡部「おい助手よ。そのケーキはダルの分だろう?」

紅莉栖「助手ってゆーな! だから橋田に取ってあげてるんじゃないの」

岡部「いや、食い意地を張ってる助手が食べるのではないかと思ってな」

まゆり「もーオカリン。紅莉栖ちゃんがそんな事するはずないよー。ねー? 紅莉栖ちゃん」

紅莉栖「そうよ! 橋田じゃないんだから食い意地なんてはらないわ!」

鈴羽「ねーアタシのケーキはー? 苺のショートケーキはー?」

フェイリス「鈴にゃんの分はこれだにゃー」

萌郁「・・・・・・私は・・・・・・余ったので・・・・・・いい」

るか「でも、桐生さんが買ってきて下さったのに、余り物だなんて」

萌郁「みんな・・・・・・何が好きか・・・・・・分からなかったから・・・・・・いろんな、
   種類買ったから・・・・・・好きなの・・・・・・取っていいよ・・・・・・」

岡部「ふっ。指圧師よ! よく言った! 余り物はこの鳳凰院凶真が引き受けよう!」

フェイリス「凶真優しいニャー。皆好きなの選ぶんだにゃー」

紅莉栖「橋田? あんたチョコレートケーキでいいのよね? 好きって言ってたし」

ダル「牧瀬氏!」

紅莉栖「ふぇ!? なによ急に大きい声だして。ビックリするじゃないの」

ダル(間違いない、世界を移動できたんだ!)

ダル(まゆ氏とオカリンも普通に戻ってる。成功したんだ・・・・・・)

ダル「ねえ、牧瀬氏。Bの事覚えてる?」

紅莉栖「・・・・・・」

ダル(牧瀬氏! 奇跡は起こせるんだお! 思い出すんだ!)

「お祝いはどこで?」

ダル「――――」


合言葉は聞こえたんだ。
でもその声は牧瀬氏の声じゃなくて
牧瀬氏は小首を傾げてるだけだった。

声の聞こえた方を見てみると、そこには
まゆ氏が笑顔で立っていた。

紅莉栖「はぁ? 橋田なんのこと? Bってなに?」

ダル「・・・・・・ううん、ごめん、寝ぼけてたみたい・・・・・・」

るか「まゆりちゃん、今なにか言わなかった?」

まゆり「んー? 新しいガジェット完成のお祝いはどこでするのかなーってまゆしぃは思ったのです」

岡部「おーそうだったな。しかし、まゆりよ。まだ完成はしてないんだぞ? 気が早いなまゆりは」

紅莉栖「そうね。まあお祝いって言ってもどうせラボでピザとか食べるだけでしょ?」

鈴羽「その時は苺のショートケーキもよろしく頼むよ! 岡部倫太郎」

岡部「ふむ。任せておけバイト戦士よ!」

鈴羽「わーい! 絶対だからね! 岡部倫太郎!」



その時僕は気付いた。
僕だけが記憶を持ったまま過去が変わったんだと。
まゆ氏の言葉に一瞬ドキリとさせられたけど、
たまたま合言葉が合ってしまっただけだったんだ。
これで今まで通りのラボになる
そう分かっていても少しだけ未練がある
牧瀬氏の記憶が無い事だ。

岡部「おいダル? どうした? 元気がないように見えるが」

ダル「う、ううん! なんでもないお! 牧瀬氏ナイスチョイスだお!」

紅莉栖「甘いものばっかり食べてたらもっと太るわよ? 橋田」

ダル「ケーキは別腹だって何度言えば分かってもらえるんかな」モグモグ

るか「橋田さん美味しそうにケーキ食べますね。動物みたいで可愛いです」

岡部「なんだ、るか子よぉ。貴様まさかダルに惚れたのか?」

るか「えっ!? ち、違いますよぉ。変な事言わないで下さい、おか、いえ凶真さん」///

フェイリス「ニャフフー。焼きもちかにゃ? 凶真ー?」

岡部「なにを言っているフェイリス。そんな事はないぞ」

紅莉栖「はいはい、わかったから大人しく食べなさいよ」



そうだ。
牧瀬氏と一緒に望んだ世界なんだ。
落ち込む必要なんてないんだ。
僕達はこの世界に来ることができたんだから。

牧瀬氏が楽しそうに笑って、皆で喋っていられるこの世界なら
誰も不幸になんてならないんだから。

ラボ 8月20日  22時


まゆり「まゆしぃのカイチューが22時を指してるのです♪」

岡部「ふむ。そろそろ円卓会議も終わりにするか」

紅莉栖「そうね。今日も円卓会議という名の雑談会だったけど」

るか「ぼ、僕はこんな風に喋れる会は好きですよ! おか、凶真さん!」

岡部「フゥーッハハハ! ラボメン同士のコミュニケーションも大事だからな」

鈴羽「片付けも終わったしーそろそろ帰るよー」

フェイリス「そうだにゃ。あまり遅くなると電車もなくなっちゃうのニャ」

紅莉栖「じゃあ、皆帰りましょうか。 岡部はラボに残るの?」

岡部「いや、今日は自宅に帰る。このところラボにずっと泊まっていたのでな」

萌郁「じゃあ・・・・・・みんな、一緒・・・・・・に、帰ろ・・・・・・」

ダル「あ、僕はちょっとPC使ってから帰るお。戸締りは任せてくれなんだお!」

岡部「ああ、じゃあ戸締りは頼むぞダル。まゆり、帰るぞ」

まゆり「あー。まゆしぃは冬のコミマの衣装をちょっとだけ作って帰るのです」

岡部「なに? こんな時間からか? ならば俺も残っていくが」

まゆり「ううん、大丈夫。ダル君もいるし、皆は先に帰ってていいよー」

紅莉栖「橋田。まゆりの事頼んだわよ。くれぐれもHENTAI行為はしないようにね」

ダル「大丈夫だお! 戸締まりとまゆ氏は僕に任せて!」

岡部「うむ。あまり遅くならないようにな、二人共」

まゆり「うん! またねーみんなー」


僕は一人で気持ちを整理したかったんだけど。
まゆ氏の事頼まれちゃったし、
まゆ氏の裁縫が終わるまでPCで時間を潰そう。


まゆり「ねぇねぇ、ダル君」

ダル「ん?」


ソファから聞こえるはずの声はとても近くから聞こえた。
それもそうだ、まゆ氏は僕の真後ろに立っていたから。

ダル「うわぁ! まゆ氏、どしたん? 近くにいるからビックリしたよ」

僕の言葉にまゆ氏は答えなかった
いつものようにニコニコとした笑顔で僕を見ていた。

ダル「・・・・・・? まゆ・・・・・・氏・・・・・・?」

まゆり「まゆしぃはねぇー。知っているのです」

ダル「ん? なんの話?」

まゆり「AもBもCもDも、ぜーんぶ、まゆしぃは知っているのです」

僕は少し怖くなった。
ここにいるまゆ氏は僕の知ってるまゆ氏のはずなのに、
とても不安でいっぱいだった。
このまゆ氏は一体誰なんだろうか。

ダル「・・・・・・まゆ氏? なにを知ってるん?」

まゆり「んー? ダル君も知ってるんでしょ? AとBは」

ドキッとした。
恋に落ちた時の胸のドキドキじゃない。
好きな人と喋っている時のドキドキでもない。
不安が僕を押し潰そうとしてるような。
そんな痛みだった。

ダル「まゆ氏・・・・・・まさか記憶がある・・・・・・」

まゆり「うん♪ まゆしぃは知っているのです。ダルくんと紅莉栖ちゃんが
    頑張ってこの世界に来ちゃった事を」

来ちゃった。
まゆ氏のその言葉の意味。
なんだろう、その言い方はまるで、
来た事にたいして不満があるような、
そんな風に感じた。

ダル「どうしてそれを・・・・・・僕に・・・・・・?」

まゆり「多分ダル君は勘違いしているのです。まゆしぃが悪い子だと思っているのです」

ダル「AとBを知ってるって事は・・・・・・理解できるお。その後のCとDって一体なんなん・・・・・・?」

まゆり「ダル君? まゆしぃの事怖がってる? 大丈夫だよ、まゆしぃはダル君に
    変なことはしないよ?」

ダル「まゆ氏・・・・・・説明してほしい。僕にはなにがなんだかわからないんだ・・・・・・」

まゆり「そうだねぇ。まゆしぃの事分かってもらいたいから、全部教えちゃうのです」


そして、まゆ氏は話しだした。
一つ一つ、丁寧に。
僕に理解してもらえる様に。

ちょっと、次文章大量で読みにくいと思います。
申し訳ないです。

「今、まゆしぃ達がいるこの世界はダル君と紅莉栖ちゃんが考えてた世界Aだとするよ?
 でね? 世界Bはダル君も知ってる通り、さっきダル君がいた世界なの。
 ダル君はその世界Bが嫌だよーってなって、元居た世界Aに戻ろうとしたんだよね?
 うん、紅莉栖ちゃんと一緒にだったね。
 まゆしぃが最初に言ったこと覚えてる? そうだね、ABCD全部知ってるって言ったよね。
 ダル君はAとBしか知らないから、Aが元居た世界だって思っちゃったんだよ。
 うん、ダル君はね、AとBの二つの記憶しか持ってなかったの。分かる?
 でもね、まゆしぃは知ってるのです。CとDを。
 今AとBの記憶を持ってるダル君は、ほんとは世界Dに戻らないといけなかったんだよ。
 まゆしぃ? まゆしぃもDに戻らないといけないんだけどね、もう今のまゆしぃには戻れないんだ。
 CとDの事を話そうか?
 Dはね、皆が幸せになれる世界なんだよ。まゆしぃも紅莉栖ちゃんもオカリンもダル君も
 皆がいつまでも仲良しで過ごせる世界。
 そうだね。これが理想の世界で、ずっと続いていくはずだった世界なんだよ?
 でもね、ある日この世界が壊れることになっちゃうの。
 うん、そしてDが壊れた後にまゆしぃが行った世界がCの世界。
 Cの世界はね、Bにとても似てるけど、違う所がちょっとあるんだ。
 なにかわかる? わからない? ダル君? 大丈夫だよ? まゆしぃは怖くないからね?
 うん、そうだよ。紅莉栖ちゃんとオカリンが、ラブラブだったのです。
 Dの世界が壊れた理由、ダル君ならもうわかるんじゃないかな?
 うん、紅莉栖ちゃんがDメールでオカリンとラブラブになるようにしたんだよ」

僕はもうまゆ氏の話が本当なのか
考えられなかった。
でもまゆ氏に嘘を言っているような素振りは一切なく
真剣に僕の目をみて話してくれた。
普段見せるまゆ氏の優しさの他に
もう一つ明らかに見えてしまう感情
悲しみにも似た嫉妬
ああ、まゆ氏も苦しんでいたんだな
僕はそう思った。

「うん、ダル君はDとAの違いを聞きたいんだよね?
 DとAで決定的に違うことを教えるよ。それはねダル君が紅莉栖ちゃんとまゆしぃの事
 信じられなくなっちゃって怖くなっちゃううんだ。
 Dの世界は皆が幸せ。皆がみんなを大好きなのに。
 Aのこの世界じゃ、皆が皆大好きって訳には行かなくなるの。
 ん? ダル君は紅莉栖ちゃんとまゆしぃの事怖くないの?
 だって自分の事だけ考えて、オカリンを独り占めしようとしたんだよ? 
 ダル君? 世界Cを壊したのは」

僕はまゆ氏の次の言葉がなんなのか、
頭の中では考えないようにした。
電話レンジなんて作らなければよかったんだ。
本当の僕達は、世界Dにいる。
どうしてもDに戻らないと駄目なんだ。

まゆり「まゆしぃなんだよ?」


ダル「うああああああああああああ」

ラボ  



オカリン・・・・ミンナ・・・・・

ダル「んっ・・・・・・寝てた・・・・・・のかな・・・・・・」

誰かの声が聞こえて目が覚めた。
僕の体には薄い掛け布団がかけられていた。
誰かが掛けてくれたのだろうか。

まゆり「あ、ダル君。起きた?」ゴシゴシ

声をかけてくれたまゆ氏は何故か泣いていた。

ダル「ま、まゆ氏・・・・・・?」

まゆり「・・・・・・ごめんね。ダル君を怖がらせちゃったよね。もう大丈夫だから。」

ダル「ううん、ごめん。まゆ氏。取り乱しちゃって。今何時頃だろ」

まゆ氏は携帯を取り出して時間を教えてくれた。
今は21日の02時30分だった。

まゆり「ダル君、まゆしぃはね。ダル君には世界Dに行ってもらいたいんだ」

ダル「まゆ氏?」

まゆり「ダル君がなんとかDにたどり着けたとしたら、電話レンジちゃんを」

ダル「うん、壊すよ。絶対に。」

その時のまゆ氏の笑顔は、
今まで見たことのないほど綺麗だった。

まゆり「多分ね・・・・・・もうまゆしぃは世界を超えての記憶は維持出来ないと思うんだ」

ダル「じゃあ、今のまゆ氏はずっとこの世界に残るって事になるん?」

まゆり「うーん、どうなんだろう。今のまゆしぃとDのまゆしぃは両方存在してるのかもしれないし、
    どちらか片方だけかもしれないもん」

まゆり「だからね? ダル君。 Dの世界に行けたら、Dのまゆしぃが本当のまゆしぃだって、
    そう思ってほしいなぁ。そしてDの紅莉栖ちゃんも本当の紅莉栖ちゃんなんだって」

ダル「うん。約束するよ。まゆ氏と牧瀬氏の事を信じるよ僕」

まゆり「えへへ。ありがとうダル君」


僕は絶対にたどり着いてみせる
まゆ氏の思いを持って。
Bの牧瀬氏と約束した元の世界に戻る為にも。
絶対に諦めたりしない。
そう誓った。

まゆり「そうだ、覚えてるかな? Dの世界は皆幸せだって。
    まゆしぃすっごく幸せなんだよ? だってね、Dの世界じゃ」

まゆり「おばあちゃんは生きてるから」


普段見せないまゆ氏の涙が
僕を奮い立たせてくれた。
まゆ氏に泣き顔は似合わない。

まゆ氏にはいつも笑顔でいて欲しい
僕は本気でそう思った。

まゆり「だからね・・・・・・世界Dのまゆしぃは・・・・・・カイチューを持ってないのです」

ダル「わかったお。 ありがとうまゆ氏!」

まゆり「うん・・・・・・まゆしぃはちょっとお寝むなので寝るね・・・・・・」

ダル「おやすみ、まゆ氏。 次会うときは皆が幸せになってる世界だお!」

まゆり「ダル君・・・・・・ありがとう・・・・・・まゆしぃを信じてくれて・・・・・・またね」

僕は、電話レンジの準備をした。
皆が笑っていられる世界のために
まゆ氏の思いを叶える為に


ダル「待っててね、まゆ氏! 必ず成功させるから!」

バチバチバチッ
ピロリン



「ダルクン・・・・・・ゴメンネ・・・・・・」

僕はDメールを送った。
新しい世界に行くために。
新しい世界で初めにする事は決まっている。
まゆ氏の懐中時計を確認するんだ。

まゆ氏との別れの挨拶をしての最初のDメール
世界を移動して直ぐにまゆ氏の懐中時計を確認してみた。

まゆ氏は懐中時計を持っていなかった。

僕は喜んだ。
まさか一発目で行けるなんて思って無かったから。

でもその喜びは直ぐにかき消される事になった。


オカリンが事故に合って死んだのだと
牧瀬氏が僕たちに伝えることによって。

僕は考えた。
まゆ氏はDの世界は皆が幸せだと言っていた。
これじゃあ幸せなんかじゃない。

オカリンがいなくなる世界なんて考えられなかった。

僕はDメールを送った。
何度も何度も送った。

でも、何度やってもオカリンが死んでしまう。
決まった時間に。
そして毎回まゆ氏は懐中時計を持ってなかった。

僕は何度Dメールを送ったのだろう
何度この8月16日を経験したのだろう。

何十回 何百回
もう数え切れないほどオカリンの死を聞いた。
オカリンの死を見た。

そして、オカリンが死んだ後
僕は何も考えられなくなった。
ラボでボーっと過ごした
そして次の日の17日

牧瀬氏が死んだ
次の日の18日
フェイリスたんが死んだ
次の日の19日
桐生氏が死んだ
そして今日、20日
るか氏が死んだ

今ラボにいるのは
僕とまゆ氏だけ。
阿万音氏には一度も会ってなかった。

ダル「・・・・・・まゆ氏」

まゆり「・・・・・・なに? ダル君」

ダル「阿万音氏はどうしてるか知ってる?」


聞いてはいけない
僕は本能的に気付いた
でも、聞かずにはいられなかった。

まゆり「阿万音さん? ・・・・・・誰?」

ダル「ううん・・・・・・なんでもないんだ」

まゆり「ダル君・・・・・・まゆしぃは帰るね」

ダル「うん・・・・・・またね」



まゆ氏は帰って行った。
もう、会えなくなるんじゃないかな
ふと、そんな事が頭をよぎる。

僕にはもう、
Dメールを送る気力は残っていなかった。

次の日の21日 朝
ニュースで事故の話をしていた
私立花浅葱大学附属学園2年生
03時頃、車に撥ねられ死亡
事故現場には見慣れた帽子が写っていた。




牧瀬氏とオカリンが違う世界で話していた事を
僕は思い出した。


※久方ぶりのスーパー紅莉栖タイム

紅莉栖「だから! 世界線の中に色んな可能性の世界があるの!
     世界線は必ずひとつの結果に収束するのよ。
     仮に岡部が明日死ぬとするわね? 仮にだって言ってるだろーが!
     そうすると、世界線の中にはいろんな可能性の世界があるんだけど
     岡部が明日死ぬ。これは確定した事象だから絶対に変わらない。
     そう。岡部が死なないっていう別の世界線に行かないとだめなのよ。
     その世界線だと、岡部は明日どんなことをしても死ぬことはないわ。
     死なないだけよ? 怪我はするかもしれない。意識不明になるかもしれない。
     2日後には死ぬかもしれない。
     まあ、寿命なんてもんは分からないからね。
     そして、死ぬ日が確定してる場合はなにをしても助けることはできないのよ。
     世界線の中の別の可能性の世界には簡単に行けるけどね。
     別の世界線に行くことは余程のことがない限り無理なのよ」

僕は気付いた。
世界AとBではまゆ氏のおばあさんは死んでいるのだ。
世界Dでのまゆ氏のおばあさんが生きているとするのなら、
別の世界線なんじゃないのかなって。
そして、今僕がいるこの世界は
さらに違う世界線なんじゃないのだろうか。
今僕がいる世界は
まゆ氏のおばあさんは生きているけど
ラボメンの皆が死んじゃう世界
阿万音氏の事を知らない世界
こんな残酷な世界が存在したんだ。

一体いつ、この世界線へ来てしまったんだろう。
ふと、僕は違和感を感じた。
僕がまゆ氏に時間を聞いた時だ。
まゆ氏はいつも懐中時計で時間を見てたはずだ。
首からいつも下げてるはずの懐中時計を、だ。

あの時のまゆ氏は懐中時計など身につけていなかった。
そうだよ。付けてなかったんだよ。
そして僕が世界BからAに来たとき
まゆ氏は22時を知らせる時に懐中時計で時間を確認したんだ。

僕が取り乱して叫んだ後
その間に世界戦を移動しちゃったって事だ。

待ってくれ。
そうだとしたら?
あの時のまゆ氏は
皆が死んだ後に残されたまゆ氏なんじゃないだろうか。
世界Aとの続きの会話をした。
まゆ氏は記憶を保ったまま、
この異常な世界に来てしまったんだとしたら。
『オカリン・・・・・・ミンナ・・・・・・』
あの声はまゆ氏の声だった。
そしてまゆ氏は泣いていたのだ。

まゆ氏は僕より前の時間に移動していたんだ。
そこでオカリンやラボメンの死を見て、
僕にはその事を知らさずに、
僕に気を使ってくれていたのだとしたら。

ダル「まゆ氏・・・・・・ごめんよ・・・・・・」

僕は絶望した。
世界線の移動は無理だ。
牧瀬氏がオカリンに言っていた。
余程のことがないと無理だと。
それが2回も起こって僕はここにいる。
世界戦を移動した理由も分からないまま。
多分、DからCに移動した時には既に
世界戦が移動していたんじゃないだろうか。
でなきゃ、CからBへのDメールの内容の辻褄が合わない。

ダル「ふぅ・・・・・・牧瀬氏は、実験大好きっこだったからなぁ
   世界線を移動させる方法に気付いて試してみたのかもなぁ」

答えは分からない
僕の勝手な想像だ。
でも不思議と牧瀬氏を恨んだりは出来なかった。
僕はラボメン皆が好きだからだ。

ごめん、かけました。。。


8月22日 02時00分


僕は立ち上がって外に出た。
目的地はそんなに遠くない。

僕は今どんな顔をしているのだろう。
わからない。
鏡なんて持ってないし、お店のシャッターは閉まってる。

世界D(おばあちゃん生存)からクリスがDメール送ってオカリン独占。これがC。
それに耐えられないまゆりがDメール送ってオカリン独占。これがB。
それに耐えられないクリスとダルがDメール送ってA(おばあちゃん死亡)
そこからさらに移動して最初Dだと思った今の世界が皆殺しEってこと?であってる?

長い階段を上って扉を開けた。

ダル「運動不足って事が身にしみてわかるなぁ」

ここはラジ館の屋上だ。
オカリンと中鉢博士の話を聞きに来て以来だ。

ダル「皆、怒るだろうな。何してるんだって」

ダル「まゆ氏、僕は君に謝らないといけないよね」

ダル「約束を守れなかったから」

ダル「最後に、まゆ氏の笑顔が見たかったな・・・・・・」

『ダル君? まゆしぃは怒ってないよ』
「まゆ氏、来てくれたの?」
『うん♪ まゆしぃだけじゃないよ。皆ここにいるよ』
「ほんとに? 僕も早くそっち側に行きたいんだ」
『ダァルゥゥゥ。何をしている? はやくこっちに来い』
「オカリン! もっといっぱいオカリンと過ごしていたかった」
『フゥーッハハハハ! なにを言っている? これからもずっと一緒だぞダル』
『橋田! あんたがいないとガジェット制作が捗らない訳だが』
「牧瀬氏!わかったお。すぐそっちに行くから!」
『橋田至ー。自転車のパーツで欲しいのがあるんだけどー』
「阿万音氏! オークションで安く仕入れるよ。任せて!」
『ダルにゃーん。地球がヤバイ! 早くこっちにくるんだニャー』
「フェイリスたん! 待ってて、すぐそっちにいくお!」
『橋田さん、おいしいチョコケーキがあるんです。早く来ないとなくなっちゃいますよ』
「るか氏! 僕の分は残しておいて欲しいお! 待ってて!」
『・・・・・・待って・・・・・・る・・・・・・』
「桐生氏! もうすぐそっちに行けるから!」

『ダル君。安心していいよ。ダル君は今日死んじゃう運命だからね』
「まゆ氏、ありがとう。僕が死ぬのは確定した事象なんだね」
『うん。だから大丈夫。皆の所に行こう? まゆしぃと一緒に』

僕はまゆ氏に手を伸ばした。
まゆ氏があの笑顔で僕の手を握ってくれた。

そして僕は、
皆がいる場所へ飛び立ったのだ。

                                          ~完~

ダル「(辞退したら)いかんのか?」

もともとこんなバッドエンドの予定じゃなかった
書いてる内に、なんかバッドエンドっぽくなっていったから
そのまま書いただけなんだ。

>>217
じゃあいつトゥルーエンドを書くか?

最初は紅莉栖がオカリン独り占め
まゆしぃが取り返す
ダル、Dメール送るの協力させられる。
紅莉栖とまゆしぃに板挟み
見たいなの書きたかった。

これ一昨日から書き始めて昨日で既に出来上がってたんだ。
だから最初に考えてた板挟みエンドなんて書いてないんだ。

修正するなら>>221だな
俺はこの終わり方でも仕方ないと思うけど
ダルは主人公補正ないし

>>234
ダル以外殺しちゃったから、
Dメール送ってくる奴がいない

この話はこれで終わりで
次書くときはバッドエンドに逃げたりしない。

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