玄「準決勝から、視聴者の投票も点数に反映される?」(174)

玄「ど、どういうことですか?」

審判「はい。実は以前から『可愛いは正義、人気ある選手こそ勝つべきではないか?』との声が多く……」

審判「この準決勝から『視聴者のネット投票による得票数も点数に加える』とのルールが新たに付け加わりました」

怜「な、なんやそれ……」

煌「……そういうルールになってしまったのなら、仕方ありませんね……」

審判「視聴者から好評を得られれば一票につき1点、逆に不評を得ればマイナス1点されます。ご注意を」

照「どんなルールであれ、白糸台は負けない」

恒子「それでは、いよいよ先鋒戦開始です!」




玄(しかし、投票で人気を得ると言われても……)

煌(どうすればいいんでしょうか……)

怜(まぁ、しばらくは様子を見るしかないやろな)




照「ロン。12000」

玄「うぅっ、また振り込んだ……いきなりボロボロだよぉ、お姉ちゃん……」

えり「何と、チャンピオンが阿知賀から連続和了!」

健夜「宮永選手は段々と打点が高くなる特徴がありますね。阿知賀は早くも大幅失点してしまいました」




照(これで、だいぶ稼い……)



照:76835

玄:137398

怜:101634

煌:101530



照「!?」

怜「ど、どういうことや! 何であんなに振り込みまくった阿知賀がトップで、白糸台が最下位なんや!」

審判「投票によるものですね。寄せられたコメントの中から、いくつか読み上げます」

審判「『泣き顔かわいい』『応援したくなる』『白糸台ペチャパイすぎ萎えた』『女の子を泣かせるなんてサイテー』」

審判「総じて阿知賀にはプラス票、白糸台にはマイナス票が集まっています」

照「ペ……ペチャパイ……」ズーン

怜「なるほど、そんな罠があったなんてな……」

玄「え、え……な、何か知らないけどラッキー」

煌「あの、私は何もしてないのに点が微妙に増えているのは……」

審判「普通に可愛いと見なされての票でしょう」

煌「あ、ありがとうございます……すばらです」

照(くっ、こうなってしまったはうかつに和了れない……)

怜(ようは応援されりゃええんやろ? なら……)




怜「うっ……はぁ、はぁ……」

玄「ど、どうしたんですか!?」

怜「う、うちは病弱でな……もう、牌すらも重く感じるねん……」

煌(今まで普通に打ってたような気がするんですけど)

怜「けほっ、けほっ……」

怜(どや! 病弱アピールで、票ゲットや!)

ドヤァァァァ

怜はそんなに黒くないもん!

怜「ダブル……ツモ、1300・2600……ごほっ」

怜(さぁ、これで二万点くらいは……)



照:78473

玄:140296

怜:101756

煌:101895



怜「って、全然伸びてないやん!」

審判「『病弱っ子萌え』『千里山萌え』『アピールあざとい』『関西弁の女は嫌いだ』」

審判「プラス票とマイナス票が、ほぼ相殺されてますね」

怜「最後のはどうしろっちゅうねん!」

怜(くっ……下手には動けへん)

玄(えっ、えっと……どうすればいいのかな……)

煌(私は、いつも通りに打ちましょう)

照(仕方ない、ツモ中心に戦おう)









ビーッ


照:130396

玄:162493

怜:119540

煌:107045





恒子「先鋒戦、前半戦が終了!」

恒子「最初に点を失った白糸台は、少しずつ和了を増やして挽回!」

恒子「現時点では、阿知賀次に白糸台となっております!」

これには玄ちゃんもニッコリ

宥「お疲れ、玄ちゃん」

玄「うぅ……どうすればいいのかよくわからないよぉ……」

穏乃「人気が点数に直結する……か。確かに難しいね」

晴絵「……心配ない。もう、うちの勝ちは貰ったも同然さ」

灼「ハルちゃん、何か秘策でもあるの?」

晴絵「あぁ、必勝の策がね! 玄、覚悟を決る時だよ!」

玄「え? え?」

憧「なーに企んでんだか……」

ああ、まだ後半があるのかw

怜(どうする……どうすれば、票を稼げる……)

竜華「なー怜……あかん、耳に入っとらんわ」




哩「煌、何か作戦はあっか?」

煌「全くありませんし、思いついても多分やらないと思います……」




淡「あれ、そんなの持っていくんだ? どうせならお菓子にすればいいのに」

照「お菓子じゃ駄目……いざとなれば、これを使う」

恒子「後半戦が間もなく始まります!」






照「……よろしく」

煌「あれ? 阿知賀が来ていませんね」

怜「遅れてるみたいやな……」




玄「お……お待たせ、しました……」(←水着)

照・怜・煌「!?」

ボク「!?」

えり「おーっとぉ! まさかまさかの水着で登場、阿知賀女子!」

健夜「もの凄い勢いで阿知賀の得票数が増えています」




怜「ちょっと待てやボケェ! 審判、あんなん反則やろ!」

審判「少々お待ち下さい……ええ、はい……」

審判「ええ、はい……『水着の子なんて夏のビーチには沢山いるしOK』だそうです。下着は隠すべきものなのでNGですが」

煌「そういう問題ではないと思いますが……」

照(くっ……その手があったか……)

玄(は、恥ずかしいよぉ……でも、勝つためにはしょうがないよね……)

恒子「おーっとぉ! まさかまさかの水着で登場、阿知賀女子!」

健夜「もの凄い勢いで阿知賀の得票数が増えています」




怜「ちょっと待てやボケェ! 審判、あんなん反則やろ!」

審判「少々お待ち下さい……ええ、はい……」

審判「ええ、はい……『水着の子なんて夏のビーチには沢山いるしOK』だそうです。下着は隠すべきものなのでNGですが」

煌「そういう問題ではないと思いますが……」

照(くっ……その手があったか……)

玄(は、恥ずかしいよぉ……でも、勝つためにはしょうがないよね……)

怜「ちょっと待てやボケェ!」

脳内再生したら何故か勃起した

玄「ろ、ロンです……12000」

照「くっ……」



照:120396

玄:768547

怜:120796

煌:109738





怜(ぐぐぐ……こ、このおっぱい女め……)

怜(……こうなったら……)

恒子「あれ? 園城寺選手、制服の胸のリボンを外しましたね」

健夜「何をする気でしょうか?」




怜「ふー、暑いなぁ」ムネパタパタ

玄・煌・照「!?」

ボク「!?」ガタガタッ

恒子「おーっと、千里山もエロアピールで対抗だぁーっ!」

健夜「うわ……ちょっと見えてるよ……」




煌「ちょ、ちょっと! ブラとか、色々すばらくないですよ!」

怜「やん、見んとってぇ♪」

照「確か、下着はNGのはず……」

怜「私は暑くて扇いでるだけやし。見えたとしても、それはただの事故や」

玄「別に暑くないんだけど……」

審判「ええ、はい……『事故ならば仕方ない、OK』だそうです」

怜「さぁ、どんどん行くでぇ!」

恒子「さぁ、阿知賀も盛り返してきました!」

健夜「白糸台と新道寺は苦戦していますね」




照:123957

玄:1359348

怜:1297497

煌:111296




照(……くっ、こうなったら……)

恒子「さぁ、千里山も盛り返してきました!」

健夜「白糸台と新道寺は苦戦していますね」




照:123957

玄:1359348

怜:1297497

煌:111296




照(……くっ、こうなったら……)

なんかもう別の競技になってないですかね・・・

怜「ロン、12000! よーし、調子出てきた!」

照「…………」

怜「どうした、チャンピオン? さっさと点棒を」

照「……ダメぇ……」

怜「は?」

照「そ、そんなおっきいの……ダメだよぉ……」ナミダメ

怜・玄・煌「!?」




恒子「なんと淫語作戦に出ました、宮永選手!」

健夜「目をウルウルさせてますが、間違いなく演技ですね」

咲「!?」

和「テレビ消しますね」

照「わ、私……(ハコ下に)イっちゃうぅ……」

怜「おい、これはアウトやろ! さすがにアウトやろ!」

審判「ええ、はい……『感想を述べているだけなのでOK』だそうです」

玄「ど、どうしよう……このままじゃ……」

煌「皆さん、恥じらいとかないんですの……私には、真似できません……」



照:1893481

玄:1782356

怜:1694034

煌:114934

ボク「!?」ドカバキズッコーン

玄「えっと、腕を組むと喜ばれるんだっけ……」

煌「露骨ですね」

怜「こうも暑いと、かなわんなぁ」スカートパタパタ

玄「ちょっと寒いくらいのような……あ、私が水着だからか。へっくち」

照「準決勝……私、初めてだから……優しく、してね……」

怜「去年もいたやろ!」

煌(……これ、麻雀大会ですよね……)

恒子「さぁ、とうとうオーラスです!」

健夜「白糸台、阿知賀、千里山の三校のデッドヒートですね」




照:2590126

玄:2584806

怜:2586943

煌:117015




照(このオーラスのアピールで……)

玄(全てが……)

怜(決まる!)

煌(蚊帳の外です)

玄(どうすれば……あ、そういえば……)

玄(確か、永水の大将さんが……私にも、できるかな?)




玄「よっ……と」パタリ

照(なっ……!)

怜(む、胸で手牌を倒しおった!)

煌(まだ配牌終わったところですのに!)

恒子「おっと! 松実選手の胸があまりに大きすぎて、手牌を倒してしまいました!」

恒子「これは凄いインパクト! 得票数もうなぎ上りです!」

健夜「他の三人には、真似できませんしね」




玄「ごめんなさい。胸の置き場所がなくて、ついうっかり」

怜「ついうっかりじゃないやろ! チョンボやろ、これは!」

審判「ええ、はい……『胸の置き場所がないなら仕方ない、OK』だそうです」

煌「今まで普通に打ててましたよね!?」

照(う……こうしてみると、ホントにでかい……)

怜(卓の上に乗せると、デカさがより一層強調されて……ぐぐぐ……)




怜(どうする……このままじゃ、阿知賀に全部持ってかれる……)

怜(こうなったら……私も、やるっきゃない!)

怜「よいしょっと」ヌギヌギ

照・玄・煌「!?」




恒子「何と千里山、ここで上着を完全に脱いだぁーっ! 凄い勢いで得票数が増えています!」

健夜「さすがに松実選手には胸は劣りますが、他の二校よりは大きいですね」

煌「ちょ、ちょっとお待ちください! ブラ丸見え……というか、丸出しですよ!」

怜「だって暑いんやもん」

玄「下着は確かNGのはずじゃ!?」

怜「NGなのは隠すべき下着って言ってたやろ? これは見せブラだから平気や」

審判「ええ、はい……『見せブラならOK』だそうです」

煌「そんなのアリなんですか!?」




照(ま、まずい……)

照(仕方ない……この秘密平気を使う時!)

照「すいません、対局中の間食は確かOKですよね?」

審判「はい、卓や牌を汚さないようなものなら構いません」

照「じゃあ、失礼して……」ゴソゴソ

玄「……え、フランクフルト?」




照「ん……ちゅ……ちゅっ……」

玄・怜・煌「!?」

怜「いやいやいやいや、アカンやろこれは!」

照「何で? 私は普通に味わっているだけ?」チュパチュパ

怜「そんな風にフランクフルトを食べる人が、どこにいるっちゅうんや!」

照「ここ」チュッチュッ

審判「ええ、はい……『食べ方なんて人それぞれだからOK』だそうです」

玄「ま、まずい……追いつかれる……」

怜「くそっ……負けるもんか!」

照「ん……はぁ……」ペロペロ

煌「…………」

玄「えっと、ツモってと……きゃっ、またうっかり倒しちゃった、ごめんなさい!」

照「ツモのたびにやってる。明らかにわざと」

審判「ええ、はい……『うっかりなら仕方ない、OK』だそうです」

怜「はぁ~ぁ、暑いなぁ。見せパンやし、下もいっか」ヌギヌギ

玄「さすがにダメでしょ!」

審判「ええ、はい……『見せパンならOK』だそうです」

煌「…………」

照「…………」ゴクゴク

怜「ん? 牛乳も持ってたんか?」

照「うん、ホットミルク……けほっ、けほっ!」

照「あぁ……白くて熱いの、いっぱい、こぼしちゃったよぉ……」

玄「うっ! そんな反則スレスレの手まで!」

怜「モロ反則やろ!」

審判「ええ、はい……『こぼしたのなら仕方ない、OK』だそうです」

煌(もう、敗退でいいです……)

ビーッ



恒子「ついに終了! さぁ、結果は!」

健夜「これはどうなるか、私にも判断つきません」




玄(ふぅ、ふぅ……)

怜(ここまでやったんや、負けるわけない……!)

照(結果は……)

煌(好きにしてください)

恒子「いよいよ結果発表です!」



照:-634078

玄:-563496

怜:-637504

煌:253497



照・玄・怜「」

煌「あら」

恒子「な、なんとぉーっ! 新道寺以外の三校がトビ終了だぁーっ!」

健夜「こ、これは一体……」




怜「どういうことや! なんでマイナスになっとるんや!」

審判「はい。どうやら女性、それとお子さんを持つ保護者の方々から、怒涛の勢いでマイナス票が入ったようです」

照「!」

怜「し、しまった……」

玄「女の人も見てること、忘れてた……」

審判「オーラスでやりすぎたようですね。新道寺と、アピールが一番弱かった阿知賀が辛うじて決勝進出です」

煌「すばら……なんですかね、これは……」

照「やられた……完敗だ」

怜「うぅ……すまん、みんな……」

玄「……」スッ

照「ん……?」

怜「阿知賀……」

玄「……いい、勝負でした」

怜「…………」

照「うん……いい胸だったよ。阿知賀」

玄「千里山さん……素敵な、脱ぎっぷりでした」

怜「チャンピオン……あんた、いいお嫁さんになるで。床上手的な意味で」

玄・怜・照「……」ガシッ

煌「失礼しますね」




恒子「戦いの後で芽生える友情! これぞ青春!」

健夜「やってることは、青春とはかけ離れてた気がしたけどね」




なお照と怜はその後、部員たちからこってりしぼられた。
玄はレジェンドから褒められた。

アナ『というわけで、今回の台風の目となっている清澄の大将、宮永咲選手にインタビューです』

咲『…………』

アナ『ご存じの通り、王者白糸台は敗退しました』

咲『…………』

アナ『その白糸台の先鋒、宮永照選手ですが……宮永選手と、同じ苗字ですよね』

咲『…………』

アナ『もしかして、姉だったりするんですか?』

咲『私に姉なんていません』




照「ガーン」

菫「当たり前だ」




END

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