どきっ!おじいさんだらけの桃太郎!(40)

昔々 あるところに
おじいさんと おじいさんが住んでいました。
男所帯です。




ある日
片方のおじいさんは 山へ芝刈りに
片方のおじいさんは 川へ洗濯をしに行きました。
分業です。

おじいさんが川で
もう片方のおじいさんのふんどしを洗っていると
川上から おおきな桃が
ドンブラコッ ドンブラッコッ ドンドンブラッコッ ドンッ
と 流れてきました。

おじいさんは
ふんどしを巧みに扱い
その桃を川から拾いあげ
腰を労りながらそれを抱え
家に持ってかえりました。

家に帰ると
芝刈りに行ったおじいさんがもう帰ってきているようでした。
きっちり閉めたはずの戸が
半開きになっていたので気づいたのです。

あいつ、もしや
いつもさぼっていたのでは?

と おじいさんは思いましたが
その疑念を 顔に出さず
声にも疑念の響きが入り込まぬように
さも そんな疑念などないかのような口ぶりで
のんきに寝ているおじいさんに 声をかけました。

おじいさん「よぉ~ えらく早ぇじゃねぇか~」

おじいさん「ん?ああ~…
       いつもこんなもんよ」

おじいさんは
こいつは いつもさぼっている と
確信しました。

おじいさんは 桃を おじいさんに見せました。

おじいさん「でっけぇ桃だなぁ」

おじいさん「んだべ
      んだから拾ってきたんだ」

おじいさん「ほー
      んだらば 手で掘って食べてみんべ」

おじいさん「割らんのけ」

おじいさん「いちいち割ることも なかんべ」

おじいさん「それもそうか」

おじいさん「そんだら
      いただくか」

おじいさん「んだな」

おじいさんたちは 素手で 桃を食べ始めました。

おじいさんは 桃を おじいさんに見せました。

おじいさん「でっけぇ桃だなぁ」

おじいさん「んだべ
      んだから拾ってきたんだ」

おじいさん「ほー
      んだらば 手で掘って食べてみんべ」

おじいさん「割らんのけ」

おじいさん「いちいち割ることも なかんべ」

おじいさん「それもそうか」

おじいさん「そんだら
      いただくか」

おじいさん「んだな」

おじいさんたちは 素手で 桃を食べ始めました。

桃は
1間以上ありそうです
その桃を しゃくしゃく と
素手で食べ進める おじいさん2人



手を 果汁で
ぬちゃぬちゃ べたべたに しながら
桃を
素手で

大きな桃を
しゃくしゃくと
素手で食べる おじいさん2人


しゃく しゃく しゃく しゃく
しゃく

食べ進めていると
片方のおじいさんが あることに気がつきました。

桃の中央部分
本来なら 種がある部分に
なにか
種じゃないものが ある と。

食べ進め掘ってできた 桃穴(以下:もあ)から
中を 覗くことにしました。


覗いて見ると
なんと 中には おじいさん。

おじいさんは 片方のおじいさんに
その事実を教えようと思いましたが

種の周りが うめぇ

と言っていたので
なんとなく 黙っていることにしました。

片方のおじいさんも 中のおじいさんに気付き
お前 黙ってたな
などと ひと悶着を経て
中から おじいさんを取りだし
揺り起こし
名前を訊ねると

桃太郎

と一言。


中からでてきたおじいさんを
桃太郎と表記することに決めました。

桃太郎「おじいさん方」

おじいさん「なんじゃ桃太郎」

桃太郎「わし ちょっくら鬼ヶ島にいこうと思っとる」

おじいさん「鬼ヶ島~?」

桃太郎「どうやら そこから来た鬼が
    都を襲っているらしいんじゃ」

おじいさん「はぁ~
      お前さんは中々 男気あふれとるじいさんだな」

桃太郎「そうじゃ あふれとるんじゃ 男気が」

おじいさん「んだら
      きびだんご こさえてやる」

桃太郎「センキュー」


おじいさんたちから
きびだんごを受け取った桃太郎は
鬼ヶ島を目指し始めました。

ドン!ドン!カッ!!


歩いていると
桃太郎は エンカウントしました。

現れたのは おじいさん。

おじいさん「桃太郎さん桃太郎さん
      おこしにつけたきびだんご(以下:KBD)
      1つ わしに くれんかね」

桃太郎「鬼ヶ島についてくるんなら かまわんよ」

おじいさん「OK」


その後
2回 おじいさんに遭遇し
KBDを要求され
鬼ヶ島へついてくることを条件に それを渡しました。


おじいさん3人と共に
いざ!鬼ヶ島!

都で
鬼ヶ島がどこなのか訊いたり
武具や防具を整えたり
KBDを補給したり
なんやらかんやらで
2ヶ月の月日が経ちました。


なんやらかんやらの部分で
いろんなおじいさんがパーティを出たり入ったりしました。
最初、お友になったおじいさん3人は みな出ていきました。
桃太郎は
あれ?鬼ヶ島へついてくる約束は?
うわぁ~KBD詐欺だわー
きびきび詐欺だわーやられたわー
などと思いましたが
そこは さすがの桃太郎!
年の功を発揮して
3人の顔すらも水に流して忘れてしまいました。
現パーティの顔すら危ういです。

よっ にっぽんいちっ!!


桃太郎一行は草むらに隠れ
砦を観察しているっっっ


砦の門の前には
ツノを生やした赤色のおじいさんと
ツノを生やした青色のおじいさんが立っていました。

草むら<ガサッ


赤おじいさん「む!そこに誰かいるんか!」

桃太郎「おじいさんっ
    鳴き声か何かで
    誤魔化しておくれっ」

おじいさん「御意…!」



スーッと思い切り息を吸い
おじいさんは全力で誤魔化すことにしました。

おじいさん「どんぶらこ!どんぶらこ!」

青おじいさん「なんじゃ 桃か」
赤おじいさん「そうじゃな 桃じゃな」


おじいさん「はぁー!どんぶらこったらどんぶらこ!」

青おじいさん「何やら楽しげな桃じゃな」


おじいさん「どんどんぶらぶらどんぶらこ!
      ぶらぶらどんどんぶんどらこ!」

赤おじいさん「そうじゃな 楽しげじゃな」

おじいさん「こらぶんど!こらどんぶ!
      ぶんどらこらどんぱるぷんて!」


赤おじいさんと青おじいさんは砕け散った!

桃太郎「いやいらいけれ」
おじいさん「いえいえ」

おじいさんは なんと
齢七拾にして童貞だったのです!

それを桃太郎は知らなかったんで
おじいさんを羨望の眼差しで見つめていたのでしょうねー。
もし そのことを知っていたら
けっこう桃太郎は すぐ見下す方なので
「ああ~…(笑)
 童貞だもんのう…(笑)」
なんて反応だったでしょうねー。
と、後に
この話を知った玉手箱開け済の浦島太郎は冷静に語った。



桃太郎一行は
砦の中へ
いざ、どんぶらこ!

桃太郎「案外 すんなり入れましたなぁ」

おじいさん「きゃつら
      人間が退治しにくるわけないと
      高をくくっておるのでしょうな」

おじいさん「いや ここまで順調だとしても
      油断は できませんぞ」

おじいさん「飯は まだかのう」

桃太郎「そうですな!
    気を引き締めていかねば!」

おじいさん「まずは 武器庫に向かうことにしましょう」

おじいさん「武器を得て
      鬼どもに 一泡も二泡も吹かせましょうぞ!」

おじいさん「飯は 飯は まだかのう」

桃太郎「案外 すんなり入れましたなぁ」

おじいさん「きゃつら
      人間が退治しにくるわけないと
      高をくくっておるのでしょうな」

おじいさん「いや ここまで順調だとしても
      油断は できませんぞ」

おじいさん「飯は まだかのう」

桃太郎「そうですな!
    気を引き締めていかねば!」

おじいさん「まずは 武器庫に向かうことにしましょう」

おじいさん「武器を得て
      鬼どもに 一泡も二泡も吹かせましょうぞ!」

おじいさん「飯は 飯は まだかのう」

桃太郎「き…さまが…鬼の大将じゃな…!」ギュルルルルル

老鬼「そうじゃ!わしが大将じゃ!!」

おじいさん「われら…きさ…まを…倒しにきた…!」ギュルルルルル

老鬼「倒すとは こちらのセリフじゃわ!!
   よくも 同胞たちをやってくれたのう!!
   覚悟せい人間!!!!」

おじいさん「覚悟するのは お前じゃわい!!!」ブピー!!

老鬼「おい 人間ども
   お前ら くさいぞ」

桃太郎「言うな!言うんじゃない鬼め!
    年老いても精神的にくるもんは くるんじゃ!」ブピー

おじいさん「精神的にくる言葉をいとも簡単に吐くとは
      まさに鬼畜!!生かしておけんぞ!!!」ブピー

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