ことり「そんなことないよ、ただの趣味だから……それに服を作るのがうまい人なんてもっとたくさんいるよ」

凛「ううん、高校生でこんなに作れる人はいないよ」

ことり「そうかな？」

凛「うん、ことりちゃんの衣装はいつもかわいいからみんな喜んでるよ！」

ことり「本当？　うれしいなぁ……」

ことり「実はこの衣装、凛ちゃんのなんだよっ」

凛「えぇっ！？」

ことり「？」

凛「り、凛はそんな……ふりふりでひらひらな服似合わないよ」

ことり「私の予想では結構凛ちゃんに似合うと思うんだけど……」

凛「ダメダメ！　もっといい人がいるにゃ！」

ことり「たとえば？」

凛「え、えーと……絵里ちゃんとか？」

ことり「絵里ちゃんだったら……こういう帽子とかがいいよ。そしてこの帽子に合うのは……こんな衣装かな」

凛「たしかに……大人っぽい上品な感じ」

凛「で、でも穂乃果ちゃんとか！」

ことり「穂乃果ちゃんはねー……これ！　前に書いたやつだけど」

凛「ぐぬぬ……じゃあかよちん！」

ことり「花陽ちゃんはこれ」

凛「真姫ちゃん」

ことり「こっちかな」

凛「……もうみんなの分決まってるの？」

ことり「うんっ」

凛「……凛はスカートとかリボンとか似合わないもん」

ことり「そんなことないってば」

凛「似合わないもん！」

ことり「あっ、凛ちゃん待って！」

ことり「…………行っちゃった」

ことり「むぅ……凛ちゃんはかわいいもん」

ことり「……そうだ！」

凛「……ことりちゃんってば凛をかわいいだなんて……そんな」

凛「……」

凛「そういえば買っただけのスカート、まだあったよね……」

凛「……やめよう」

凛「凛はみんなみたいに……かわいくないから」

凛（……はぁ、昨日あんな帰り方したからことりちゃんに顔合わせづらいなぁ）

花陽「凛ちゃんおはよう」

凛（……くよくよしててもしょうがない！　会ったらちゃんと謝ろう！）

凛「おはようかよちん」

花陽「今日もかわいいね」

凛「かよちんこそ……ん？」

花陽「じゃあ行こっか」

凛「かよちん、今聞き捨てならない言葉が聞こえた気が」

花陽「？」

凛（かよちん、今凛のことかわいいって……でもかよちんはそんなこと言わないよね）

凛「ううん、なんでもないよ」

凛（昨日のこと意識しすぎてるのかな……）

真姫「凛、花陽。おはよう」

花陽「真姫ちゃんおはよう」

凛「おっはよー真姫ちゃん！」

凛（うん、さっきのは聞き間違いだよね。気にしない気にしない……）

真姫「ふふ、凛は今日も元気でかわいいわね」

凛（気のせいじゃない）

凛「ま、真姫ちゃん何言ってるの」

真姫「何かおかしなこと言ったかしら」

凛「おかしいよ！　凛がその……かわいいとか」

花陽「おかしいかな？」

真姫「別にそんなことないわ」

凛「どうなってるの……？」

真姫「早く学校に行きましょ。遅刻しちゃうわ」

花陽「凛ちゃん」

凛「あ、うん……」

凛（おかしい……何でこんなことに……）

凛（何で凛のことかわいいって……）

凛（……）

凛（うぅ、今日は２人が変……凛がなんとかしないと！）

穂乃果「あ、みんなおはよう！」

花陽「あ、穂乃果ちゃん。おはよう」

海未「おはようございます」

凛「穂乃果ちゃんに海未ちゃん？　こんな時間に会うなんて珍しいね」

穂乃果「今日はちゃんと早起きしたからね！」

真姫「へぇ、あの穂乃果が早起きなんて意外だわ」

海未「私が起こしに行ったんですよ」

穂乃果「そうでした」

真姫「なるほどね」

凛「あの……ことりちゃんは一緒じゃないの？」

穂乃果「ああ、ことりちゃんは用事があるとかで今日は先に行っちゃったの」

凛「そっか……」

凛（じゃあお昼休みの時に会いに行こうかな）

穂乃果「いやー、それにしても今日の凛ちゃんはかわいいねぇ」

凛「！？」

凛（ほ、穂乃果ちゃんまでおかしくなっちゃった！？　で、でも海未ちゃんはきっと……）

海未「何言ってるんですか穂乃果」

凛（よかったぁ……海未ちゃんはやっぱり普段通り……）

海未「今日も、ですよ」

凛（だめだった）

穂乃果「本当だ！　うっかりしてたよ」

花陽「もう、穂乃果ちゃんってば」

真姫「相変わらずね」

穂乃果「えへへー」

凛（ど、どうしよう……みんな本当におかしくなっちゃった）

凛「絵里ちゃああん！」

絵里「どうしたの凛？　まだ１時間目終わったばかりだけど……」

凛「みんなが変になっちゃったんだよぉ！」

絵里「変？」

凛「うん、みんな凛のこと……その……かわいいって」

凛（絵里ちゃんならきっと……）

絵里「あら、うれしくないの？」

凛「う、うれしくないっていうかなんていうか……恥ずかしいにゃー」

絵里「私は嬉しいけど……」

凛「なんで？」

絵里「だって凛のかわいさが認められたってことでしょう？」

凛（え、絵里ちゃんまで……！）

凛「絵里ちゃん……信じてたのに」

絵里「何の話？」

凛「凛のこと……か、かわいいって」

絵里「ええ」

凛「凛かわいくないもん！」

絵里「そうかしら」

凛「そうだよ！」

凛（みんな何で急にそんな……ああもう！）

絵里「凛、私今まで言ってなかったことがあるんだけど」

凛「え？　急にどうしたの？」

凛（何だか絵里ちゃんの目が怖い）

絵里「凛を一度……抱きしめてみたいと思ってたの」

凛「な、なんで！？」

絵里「かわいいから」

凛「かわいくないもん！」

絵里「捕縛」

凛「にゃー！」

凛（ぬ、抜け出せない）

絵里「ああ、やっぱりかわいい」

凛（絵里ちゃん本当にうれしそう……）

凛（まさか本気で凛のことかわいいって……じゃなかった！）

凛「はーなーしーてー」

絵里「あと５秒だけー」

凛「ごーよんさんにーいちぜろっ！」

絵里「は、速いっ……！」

凛「もう絵里ちゃんってば生徒会長なのに……」

絵里「はいはい、そろそろ授業が始まるから教室に戻るのよ」

凛「ぐぬぬ」

凛「……希ちゃんとにこちゃん、いなかったなぁ」

凛（ことりちゃんと一緒……とか？）

凛「いや、そんなわけないよね」

凛（うーん、困った……）

凛（でもきっと３人とも凛のことをかわいいって言うはず）

凛（……みんな嘘ついてるようには見えないんだけど……）

凛（でも凛がかわいいなんて……）

凛「むむむ……」

花陽「凛ちゃん」

凛「なに？」

花陽「物思いにふける凛ちゃんもいいと思うよぉ」

凛「か、かわいいなんて……」

凛（こうなったら仕返ししよう）

凛「かよちんもかわいいよ」

花陽「ふふっ、ありがとう」

凛（かよちんの返しはあっさりしてるにゃー……ん？）

凛（これだ！）

凛「ことりちゃーん」

穂乃果「あ、凛ちゃん」

海未「ことりは今いないんですよ」

凛「そっか……」

凛（謝ろうと思ったのに……でも次は教室移動があるから……）

凛（……放課後に会えるよね）

穂乃果「凛ちゃんどうしたの？　ご飯一緒に食べに来たの？」

凛「ううん、かよちんと真姫ちゃんが教室で待ってくれてるから……」

海未「それなら仕方ありませんね」

凛（……ん？　かわいいって言ってこない……）

穂乃果「凛ちゃん、じゃあまたあとでね」

凛「あ、うん」

凛（……？）

凛「……」

花陽「凛ちゃん？」

真姫「どうしたのよ」

凛「え？　あ、ぼーっとしてただけだにゃー」

凛（何だか変な感じ……）

花陽「？」

真姫「本当に大丈夫なの？」

凛「もっちろん！」

凛（……）

希「計画は順調みたいやな」

にこ「そうみたいね」

ことり「たぶん他の褒め言葉でも『かわいい』って言われてると思ってるはず！」

希「それで意識を向けさせるわけやな」

にこ「案外ちゃんと考えてるのね」



ことり「……ふふっ、これで凛ちゃんはきっと……」

凛「うー……」

凛（ことりちゃんがどこにもいない……）

凛「みんなも部室にいないし……職務怠慢にゃー！」

凛（それになんだかもやもやするし……）

凛「……あれ？　何か置いてある……」

凛（ことりちゃんの衣装ノート……）

凛（勝手に見るのはダメだよね……うん）

凛「……」

凛（凛もあんな服着たら……かわいくなるのかな）

凛「……そんなことないよね」

ことり「あ、凛ちゃん！」

凛「……ことりちゃん」

ことり「お昼休み、私に会いに来てくれたんだよね」

凛「……昨日はごめんね」

ことり「いいよ、気にしないで」

凛（ことりちゃん……優しい）

ことり「みんな、部室に来てないけどどうしたのかな？」

凛「わかんない」

ことり「ねぇ凛ちゃん」

凛「なぁに？」

ことり「みんなから『かわいい』って言ってもらえなくて、さびしい？」

凛「！」

凛（どういうこと……？　ことりちゃんは知って……）

凛「ことりちゃんが言わせてたの？　みんなに……」

ことり「ううん、言わせたわけじゃないよ。みんな凛ちゃんがかわいいと思ってるのは本当のことだもん」

凛「でも……ことりちゃんが何か言ったんじゃないの」

ことり「『凛ちゃんにかわいさを自覚してほしい』って言っただけだよ」

凛「そ、そんなの頼んでない！」



ことり「もう！　私も怒っちゃうよ！」

凛「……えっ？」

ことり「凛ちゃんはかわいいの！」

ことり「自分を卑下する必要なんてないのっ！」

凛「べ、別にそんなわけじゃ……」

ことり「凛ちゃんはかわいいもん！」

凛「こ、ことりちゃん……どうして……」

にこ「はいはい、そこまでー」

希「ことりちゃん、おいで」

ことり「うぅ……」

希「よしよし」

にこ「だから私に任せなさいって言ったのよ」

凛（ことりちゃん……泣いてるの？）

希「にこっちー？　そんな意地悪言うとわしわしやで」

にこ「……悪かったわよ」

凛「にこちゃん？　希ちゃん？」

にこ「凛」

凛「は、はいっ」

凛（にこちゃん……怒ってるのかな）

にこ「あんたはかわいいのよ」

凛「……にこちゃんまで急にそんなこと……」

にこ「ふざけてるわけじゃないわ。ことりが誰のために衣装作ってると思ってんのよ」

凛「そ、それは……」

にこ「それなのに『自分がかわいくないから着たくない』ってどういうこと？」

凛「……」

希「凛ちゃん、にこっちは怒ってるわけやないんよ」

希「もっと……自分に自信持ってほしいだけやで」

希「まぁことりちゃんもみんなに着てほしくて作ってるんやからね」

凛（そうだ、ことりちゃんはみんなのために衣装を作ってくれてるんだ）

凛（それを凛は……）

凛「……ごめんなさい」

ことり「いいんだよ、凛ちゃん」

凛「うん、でもごめんね」

希「仲直りできたん？」

凛「うん！」

希「それはよかった」

凛「もう、自分から逃げない」

にこ「そう、それでいいのよ。あんたは自分に自信がなさすぎ」

にこ「あんたもμ'sの一員なんだから」

凛「にこちゃんを見習って、凛もがんばる！」

にこ「そうそう私を見習って……ん？　なんか褒められてる気がしない」

希「……」

にこ「何で目をそらすのよ」

ことり「じゃあ凛ちゃん……これ、着てくれる？」

凛「わかった！」

凛（かわいくないって言うのは、自分を守ろうとしてたから）

凛（それを認めないことで自分に予防線を張ってた）

凛（みんなみたいに「アイドル」になれてなかった）

凛（でも凛はみんなのために……ことりちゃんのためにも変わるんだ！）

にこ「開けるわよ？」

凛「いいよ」

穂乃果「やっぱりかわいいよ、凛ちゃん！」

真姫「悪くないわね」

希「うん、似合ってるで」

絵里「あら、いい笑顔じゃない」

海未「素敵ですよ」

にこ「まぁにこほどではないけどね」

花陽「凛ちゃんかわいい！」

凛「……みんなありがとう」




凛「凛もみんなみたいにかわいくなる！」

絵里「もう十分かわいいわよ」

凛「まだまだにゃー。凛は世界を目指すよ！」

穂乃果「その意気だよ！」

花陽「うん！」

海未「やっぱり凛は元気がないといけませんね」

凛「心配かけてごめんね」

にこ「じゃあ私と戦うことになるわけね……」

凛「にこちゃんは凛の踏み台になってもらうにゃー」

にこ「ちょっとそれどういう意味よ」

希「あはは」

真姫「踏み台にしちゃ、高さが足りないんじゃない？」

にこ「真姫ちゃん？」

穂乃果「たしかににこちゃんちっちゃいもんねー」

花陽「そ、その小さいとは違うと思うよ？」

にこ「みんなしてにこをばかにしてー！」

海未「はいはい、いきますよ部長」

絵里「屋上で練習ですよー部長」

にこ「もー！」

穂乃果「あはは、にこちゃん牛みたい」

絵里「あとは２人で……ね？」

ことり「うんっ！」

凛「この衣装……それに凛のためにいろいろありがとう」

ことり「どういたしまして」

凛「それで……また凛に衣装作ってくれる？」

ことり「もちろん！」

ことり「凛ちゃんをもっとかわいくできるようにがんばるね！」

凛「凛もことりちゃんの衣装に似合うようにかわいくなる！」

ことり「ふふっ、お互いがんばろうね」

凛「うん、がんばろう！」





　　　　　　　おわり

なんかやっつけ感が出てしまった……すまん(´ω｀)

次の予定は決まってない

>>47-48
さんくす
喜んでもらえてうれしいでござる

……なんか最近凛ちゃんスレばっか立ててる気がする

IDにｵﾝﾄﾞｩﾙがいるし

>>49
酉ぬけた

乙乙
いつもすばらです

>>51-52
ありがとう

もうすぐ２０個になるぜ！
にこまき　ほのうみ　りんぱな　ことうみ　ほのえり　うみにこ　ことりん　ほのりん　は書いたから……
あと２８個残ってるんだね