京太郎「おもちぶらり旅?」玄「はい!」(341)

京太郎「……なんすかそれ」

玄「名前の通り! 素晴らしきおもちを求め、全国をぶらりと旅するの!」

京太郎「……急にオフ会したいだなんて言い出して、いざ何を言うのかと思ったら……」

京太郎「そんなことの為にわざわざ長野に……」

玄「あれ……なんだか反応薄いね? チャットだとあんなに熱く語れるのに」

京太郎「いや……流石にネットのテンションをリアルまで持ってはこれませんよ」

玄「そ、そっかぁ……」

京太郎「……で。 具体的には何をするんですか?」

玄「あ、行きたくないわけじゃないんだ」

京太郎「まぁ、それなりに惹かれるワードが入ってますし」

玄「……」

玄「……」ニヤニヤ

京太郎「……」

 グリグリグリグリ

玄「ごめんごめんなさ痛いぃいいいっ!」

玄「淑女の頭になんてことを……」ズキズキ

京太郎「……ん? ……なんですこれ?」スッ

玄「ん……ああ、それ! そのチラシ書いてある―『麻雀部短期アルバイト』ってやつ!」

京太郎「……『夏休み限定、短期間アルバイト。 雀卓や麻雀牌などの道具の手入れや部室の清掃、買い出し。 など』……」

玄「登録校が多い割に誰ひとり参加者がいないんだって!」

京太郎「そりゃそうだ (自分たちでやれよ)」

京太郎「……って、もしかして……これに?」

玄「うん! せっかくの長期休みなんだし、 一緒にやろうよ! 京太郎くん!」

京太郎「はぁ……そりゃまぁ別にいいですけど……」

京太郎「玄さんの方こそ、いいんですか?」

玄「え?」

京太郎「たまたまネットサイトの『おもち同盟』で知り合った程度の仲の俺なんかと二人で……」

玄「ああ、そんなこと。 だいじょーぶ! 全てのおもち好きに悪い人はいないって、私知ってますから!」

京太郎「考えがすでに如何わしい奴らのどこを見てそう言ってんすか」

玄「まーまーまーまー! だいじょーぶだいじょーぶ! 私達、知り合ってからもう二ヶ月も経ってるんだし!」

京太郎「そんなテキトーな」

玄「……私は京太郎君とでも全然構わないよ?」


玄「ていうか、京太郎君とじゃないといやかなーって」


京太郎「……」

玄「……」

京太郎「……」

玄「……」ニヤニヤ

京太郎「なんすかいきなり」

玄「あれ? ドキッと来なかった?」

京太郎「全然」

玄「アチャー」

玄「……でもね。 今日、こうしてここでオフ会して見てわかったよ」

玄「須賀くんは女の子にふしだらな目をよくするけど、本当に人が嫌がることは絶対しない人だって」

京太郎「……はぁ」

玄「チャットしてても思ったよ。 嫌な話題を振らず、ちゃんとこっちに合わせてくれる」

玄「ううん。それどころか、何時だって相手のことを気遣ってくれてる」

京太郎「そんな……」

玄「今だってホラ、領収書隠してる。 コーヒー代、一人で払うつもりだったでしょ?」

京太郎「……こんなの常識でしょう?」スッ

玄「ふふっ、そうかもね。 ……でも、だからだよ」

玄「だから、そんな紳士さんみたいな京太郎くんとなら一緒に行けるって思ったの」ニコッ

京太郎「……玄さん……」


玄「まぁ悪く言えば草食系チキン男子ってことだけどね」

京太郎「俺の感動を返せよ」

玄「……それで、どうかな? おもちぶらり旅」

京太郎「ん……概ねOKですよ。 県予選も終わって自主練しかないでしょうし」

玄「やった!」

京太郎「でも条件が」

玄「むっ。 申されよ」


京太郎「1つ。 バイト先の部員さん達に絶対迷惑をかけないこと」

京太郎「2つ。 バイトとはいえ仕事の一環、やるからにはまじめに」

京太郎「3つ。 必要費は全部割り勘」


玄「……うわぁ……おもち目的なのに随分真面目……」

京太郎「これくらい当然です」

玄「全く……雑用係に魂を売った人間ってのはこれだから……」

京太郎「……」



玄「嘘です冗談です謝るからグリグリはやめておねが痛い痛い痛いィ!!」

玄「うぅ……ズキズキするぅ……」

京太郎「あ。あともう1つありました」

玄「えー……まだあるのぉ……?」

京太郎「一番大事なことですよ」


京太郎「4つ。 隙を見せないこと」

玄「……ん? ……どゆこと?」


京太郎「行き慣れない場所となると不安が生じて心に隙が生まれやすくなりがち」

京太郎「そういった所を狙う悪代官ってのは何処にでも必ずいるもんです」

京太郎「だからこそ、ちゃんと周りに目を向けて信用できるかどうかを見極めるよう心掛けることって意味です」

玄「ほほー」

京太郎「特に、男の言葉や行動には騙されないようにしてくださいね」

玄「……それって須賀くんにも? さっき紳士さんみたいって言ったのに?」

京太郎「そりゃそうですよ。 敵意ムンムンにしろとは言いませんけど」

京太郎「これでも男なんです。 玄さんと一緒に行動してたらそういうことしちゃう可能性が無きにしも在らず、ですし」

玄「……それって……私のこと、そういう風に見てるってこと?」

京太郎「そうなる可能性があるかもしれない、ってだけですよ」

玄「……ふーん」


京太郎「まぁ、玄さんも十分魅力的だとは思いますけど」

玄「んぶっ」

京太郎「?」



京太郎「とにかく。 この約束を守ってくれるならば俺も行きますよ」

玄「……まぁどれも当然のことだし、守れなくはないかなっ」

京太郎「ならOKです。 あ、いや。 俺も『行く』ってのは失礼かな……」

 
 
 
 
京太郎「玄さんっ」


玄「んっ!」


京太郎「おもちぶらり旅、俺も連れてってくださいっ」


玄「あっ……」

玄「……はい!」


玄「よろこんで!!」

 
 
 

 
京太郎「わざわざ長野までお疲れ様でした」

玄「ううん、そんなこと無いよ。 京太郎くんに会えてホント良かった!」

京太郎「旅の詳細はネットの方でまた」

玄「うんっ。 いつものねっ!」


玄「それじゃあ二週間後、またここで会おうね!」

京太郎「はい。あ、電車そろそろ来ますよ」

玄「わわっ、急がなきゃ。 じゃあね京太郎くんっ」




――――
―――
――

玄「とまぁそんなわけで、夏休みの間は全国をぶらぶらしてくるよ」

宥「いいなぁ……私も沖縄とか行ってみたい……」

玄「流石に沖縄は行かないかなぁ……」

宥「……それでそのぉ……一緒についてく人……須賀さん? ……大丈夫な人なの……?」

玄「大丈夫! 彼、紳士だから!」

宥「そうなの……?」

玄「一緒についてく私の身をちゃんと案じてくれてるからね。 信用に足る人だってのはこの前のオフ会で分かったし!」

宥「……玄ちゃんがそういうなら大丈夫かな……」

宥「……皆には私から伝えておくね」

玄「ありがとっ、おねーちゃんっ」

ギュゥ

宥「わっ、わっ」

玄「あったか~い。 ……ていうかあつ~い」

咲『旅? 全国を?』

京太郎「ああ。明日からお前ら合宿だろ? 一人でネトマするのも暇だし、どうせなら満喫しようと思ってさ」

咲『うっ……ごめんね? 一緒に合宿行けなくて……』

京太郎「気にすんなって。 男の俺が着いていけるわけねーし」

咲『……東京とか、行く?』

京太郎「ん? ああ、一応行く」

京太郎「なんか買ってきてほしいモンとかあんのか?」

咲『……ううん。 なんでもないよ』

京太郎「あ、そう」

咲『ブラブラばっかりして結局ゲームセンター行くとかしないでよー?』

京太郎「しねえよっ」

咲『あははっ』


京太郎「しっかり強くなってこいよ、咲」

咲『うん! 京ちゃんも、たくさん楽しんでいってねっ』

ピッ

――
―――
――――


京太郎「……そろそろかな……」


玄「京太郎くーん!」タッタッ


京太郎「おっ」

玄「二週間ぶり! 元気してた?」

京太郎「どうも玄さん。 わざわざ奈良からお疲れ様です」

玄「ふふーん。 二度目だから迷うことなく来れましたっ」ドヤッ

京太郎「二週間前は予定の3時間遅れでしたからね」

玄「……すみませんでした……」

京太郎「流石にあの時は本当に心折れるかと思いました」

玄「ホントすみませんでした……ッ」

京太郎「あ、そうだ玄さん。 これ」スッ

玄「? なにこれ……お金?」

京太郎「移動費です。 長野までの」

玄「……え? いや、なんでこれ」

京太郎「言ったでしょう? 必要費は全部割り勘って」

玄「……え! これも入ってたの!? う、受け取れないよ!」

京太郎「遠足は家を出てからスタートで、家に帰るまでがゴールなんですよ」

玄「え、遠足じゃないし! そんな……悪いよ……」

京太郎「受け取ってください。 2週間前は渡せませんでしたし」

玄「……京太郎くん……」

スッ...

玄「……ありがとっ」ニコッ

京太郎「どういたしまして」

玄「それで。 まずはどこに行くの?」

京太郎「んっと。 せっかく長野にいるんですけど、長野の連中は今みんな合同合宿中なので無理なんですね」

玄「へぇ。 合宿はどのくらい?」

京太郎「多分一週間くらいです。 なのでまずは北に行こうかと」

玄「北って言うと……あった。 岩手の……宮守女子高校!」

京太郎「流れは岩手→東京→長野→大阪→鹿児島。と、南下して行く感じになると思います」

玄「端から端まで行くんだね……こりゃ大変そうだ」

玄「……ていうかバイト先、改めて見ると結構有名な所が多いね」

京太郎「有名なんですか? 龍門渕と白糸台しか知らないんですけど……」

玄「姫松に千里山でしょ? 龍門渕に永水に……そして白糸台!」

玄「すごいなぁ……」

京太郎「有名校ほど小道具の整理に手がつかないほど練習に打ち込んでるってことなんですかね」

京太郎「俺みたいな雑用係でも雇えばいいのに」

玄「……ははは……」

京太郎「とりあえず今日は移動に使って、明日がバイト本番。 多分、1校につき大体2日の作業になると思いますよ」

玄「清掃に小道具修理に買い出しetc……そりゃそっか」

玄「……って、寝所とかはどうするの?」

京太郎「近くの宿は粗方確認済みです。 安い所ばかりですけどね」

玄「……おぉ……」

京太郎「全7校への移動費、宿代、その他飲食費を考えると……まぁこんくらいですね」スッ

京太郎「っと、これはチャットのほうでも言いましたっけか」

玄「……」

京太郎「? どうかしました?」

玄「いや……しっかりしてるなぁって……」

京太郎「こんなの、雑用係の人間なら誰だってそうですよ」

玄「そ、そうなんだ……」

京太郎「まぁ諸事情はこのへんにして」

玄「ん」

京太郎「それじゃあ。 早速岩手に向かいましょう」

玄「おー!」




――――
―――
――

――岩手


玄「到着っ」

京太郎「えっ。もう?」

玄「うん。もう」

京太郎「……えぇ……」

玄「なにか?」

京太郎「いや、もっとこう……岩手までの道のりの情景とか……なんか無いんすか」

玄「だって玄さん起きてたの最初の30分だけでしたもん」

京太郎「いやまあそうでしたけど」

玄「朝早くに奈良から長野まで来て眠かったんですもん!」

京太郎「……」

玄「特に電車内で何かあったわけでもないでしょ?だから省略! いっぱい寝て元気いっぱいだし!」

京太郎「はぁ」


京太郎「もう夜なんですけどね」

玄「せっかくいっぱい寝たのにね」

京太郎「俺ちゃんと言いましたよ。 明日がバイトだって」

玄「まーまーまー! 細かいことはいいのです!」

玄「それより宿行こう! 宿!」

京太郎「そうしますか」


玄「~♪」ウキウキ

京太郎「……言っておきますけど、普通の旅館っすよ?」

玄「むふふ。 私、自分のウチ以外の旅館見たこと無いんだ」

京太郎「ああ。そういや玄さんちの実家、旅館でしたっけ」

玄「言うほど人も来てなかったけどね。 あはは~」

――旅館


玄「普通だね」

京太郎「普通っすよ」

玄「ウチと同じくらいだよ」

京太郎「まぁ安いんで」

玄「………………」

京太郎「……そんなにしたかったんすか? 卓球」

玄「うえっ!?」

京太郎「寝言で『お風呂上りは卓球ぅ……』ってうるさかったから……」

玄「うわぁ! は、恥ずかしい!」

京太郎「……ちなみに、温泉もありません」

玄「 えっ 」 

京太郎「……だから『炎の湯煙おもち祭り~in岩手』もできません」

玄「 」

――翌朝


玄「…………ほはよぅ……」

京太郎「お、おはようございます。 朝食は7時なので顔でも洗ってきては?」

玄「うん……そうする~……」

京太郎「…………」

京太郎「目を赤くするくらい泣く程悔しかったとは……」


――朝食


玄「うひゃぁ京太郎くん! 見てコレ!お雑煮! おもちだよおもち!」

京太郎「おもちですよ」

玄「今まで隠してたけど、わたし玄さんはおもちのある物を見るとなんでも元気が湧くのですっ」ドヤッ

京太郎「はぁ」

玄「いまならなんでも出来る気がする~!!」クルクル

京太郎「…………」

京太郎(よくわからん人……)

――道中


玄「そういえば、今って夏なのに岩手は涼しいね」

京太郎「やませの吹く時期ですからね。 奈良や長野よりは涼しいでしょう」

玄「見るから見るまでみーんな田んぼと畑ばっかだし」

京太郎「国内自給率100%を超える数少ない県の1つですしね」

玄「山もあって海もあって。 いいところだね」

京太郎「古くから穀物に畜産業、漁業が盛んらしいですよ。 ワカメ養殖では全国1位ですし」

玄「へー。ワカメが」

京太郎「はい。ワカメが」



京太郎「っと。着きましたよ」

玄「ほほぅ。 ここが噂の…………」

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玄「コンビニ!!?」

京太郎「朝方、宮守の顧問のトシさんから単三10個入り買っといてって言われまして」

玄「び、びっくりしたぁ……。なんだパシられただけかぁ……」

京太郎「岩手に来てまさかこんなに早くパシられるとは思いませんでしたよ」

――宮守女子高校



京太郎「そんなわけで到着」

玄「あっさり着いたね」


トシ「来たね京太郎。遠い所からご苦労さん」

京太郎「あ、いえいえ。 出迎えありがとうございます、トシさん」

京太郎「これ、単三です」スッ

トシ「ああ、ご苦労さん」

京太郎「そんで。 こちら、同伴の」

玄「松実玄です。 よろしくお願いします!」

トシ「ようこそ宮守へ。 私は麻雀部顧問の熊倉トシ。よろしくね」

玄「はい!」

トシ「うん。 良い返事だ」

――宮守女子高校:麻雀部室


トシ「ここがうちらの麻雀部」

玄「部員、いらっしゃらないんですね」

京太郎「そりゃまだ9時ですし」

トシ「ああいや、一人来てるよ」



ガチャッ

エイスリン「タダイマ戻リマシタ!」


トシ「この子がね」

京太郎「おおっ」

玄「外人さんだっ」

エイスリン「? ドチラサマ?」

トシ「おかえりエイスリン。 この二人は……」

京太郎「今日と明日の二日間、麻雀部の雑用バイトを受けた須賀京太郎です」

玄「同じく、松実玄です」

エイスリン「ザツヨーバイト?」

トシ「言ってしまえばお手伝いさん。 メイドみたいなもんだよ」

エイスリン「メイドッ!」

トシ「ほら、自己紹介しな」

エイスリン「ハイッ!」

エイスリン「エイスリン・ウィッシュアート デス! エイスリンッテ呼ンデクダサイッ」

エイスリン「須賀クン! 松実サン! ヨロシクオネガイシマス!」ペコリ

スッ
(握手の絵)

京太郎「あ、ども」

玄「よろしくお願いしまーすっ」



トシ「とりあえず午前中は部室と小道具の清掃をお願いする。 そこの掃除道具を好きに使ってくれ」

トシ「私は教員室で仕事してる。 それじゃあ、頑張るんだよ」

京太郎「はいっ」

玄「了解ですっ」

京太郎「んじゃ玄さんは窓を。 俺、床掃いてます」

玄「がってん!」

 サッサッ

京太郎「……意外とホコリ少ないな。 これなら廊下の掃除も出来るかも……」

エイスリン「…………」

 クイクイッ

京太郎「ん。 あ、エイスリンさん」

エイスリン「ワタシモ掃除、テツダイマス!」

京太郎「え? そんな、いいですよ」

エイスリン「テツダイマス!」フンスッ

京太郎「……あー。 じゃあ牌磨きをお願いしますか?」

エイスリン「ハイッ! マカセテクダサイ!」


エイスリン「……」キュッキュッ


京太郎「……いい子だなぁ……」

玄「京太郎くんちょっとちょっとっ」クイクイッ

京太郎「ん」

玄「コレ見てコレっ」

京太郎「? なんすか」

玄「じゃーんっ」スチャッ

京太郎「……伊達眼鏡?」


玄「 おもちスカウター です」


京太郎「は?」

玄「これを通しておもちを見ると、相手の【おもち力】が解るという優れ物なのです」フフン

京太郎「はぁ………」

玄「ちなみに玄さんにしか使えませんっ」

京太郎「……いいんじゃないですか?」

京太郎(どうでも)

玄「というわけで早速エイスリンさんのおもち力チェック!」

京太郎「……」

エイスリン「……」キュッキュッ

玄「ピピピピピ」ジー

京太郎「自分で言うんですか」

エイスリン「……」キュッキュッ

玄「ん……ん……んー……デン!」

玄「出ました! おもち力49! 一般人レベルですねー」

玄「可もなく不可もなし。 誇れもしないし蔑まれもしない。 普通も普通ですね」フンフム

玄「どうですっ京太郎くん!」クルッ


京太郎「エイスリンさん、床掃除終わったんで手伝いますよ」

エイスリン「ワァ! アリガトウゴザイマス!」


玄「………あれー?」

京太郎「ふぅ。 あとは雀卓とイスの清掃かな」

エイスリン「雀卓モ掃除スルンデスカ?」

京太郎「牌詰まりを起こさないようにとかセット時間が短縮できるようにですね。 ちょっと面倒ですよ」

京太郎「なのでエイスリンさん。 後は俺だけで……」

エイスリン「テツダイマスヨ!」

京太郎「……それじゃあ、サイコロん所のビスを開けてもらえます? これ、ドライバーです」

エイスリン「マカセテクダサイ!」グッ


玄「……なんかいいムードだなぁ……」


ガチャッ

豊音「おはようございまーすっ」

塞「あら? お客さん?」

シロ「……誰……」


玄「!!」

―――
――


塞「須賀くんに松実さんね。 お疲れ様」

豊音「バイトかぁー。 お疲れ様ですっ」

シロ「掃除とかダル……」

京太郎「雀卓は今メンテ中ですので、すいませんがあと小一時間程かかります」

京太郎「なのでその間は待っててもらうしか……」

塞「ふうん」

塞「……それで? 私たちは何をすればいいの?」

京太郎「えっ。 それじゃあ俺らの意味が……」

豊音「そうだねー。皆の物なんだから皆で掃除しなきゃねー」

京太郎「皆さん……」


シロ「……」ソロリ...

塞「こーら。 逃げようとしないっ」グイッ

シロ「……ダル……」

風呂

エイスリン「ゴ開帳デス!」パカッ

塞「へぇ……自動卓の中ってこうなってるんだ……」

豊音「天井拭き終わったよ―。 次はなにかなー?」

シロ「……zzz」フキ...

塞「こーら寝るな! しっかりイスの足拭く!」

シロ「ぅ……面倒だなぁ……」フキフキ


京太郎「いやぁ、宮守の皆さんが皆親切な人で良かったですね玄さん」

玄「…………」プルプル

京太郎「……玄さん?」

玄「お……」


玄「おもちスカウター! 発動!!」バッ

京太郎「うわぁ」

京豚は朝から夕までの間に打ち砕かれ、顧みる者もなく、永遠に滅びる。

玄「ターゲット補足……姉帯 豊音、臼沢 塞、小瀬川 白望……」

玄「ピピピピ......おもち力測定中……………デンッ!」

玄「測定完了……! 結果を報告……」

玄「姉帯豊音……おもち力70! ……あの高身長に劣らぬおもち……!」

玄「臼沢塞……おもち力62!……安産型……バランスが良い……!」

玄「小瀬川白望……おもち力68! ……奴め……あの服の下にとんでもないもの隠してやがる……!」

玄「……すばらしきおもち哉……」


シロ「……なにあれ」

京太郎「気にしないでください。 初めての岩手なんで興奮してるんですよきっと」

シロ「ふーん……」ギィ

豊音「あっシロ! そのイス、背もたれのネジ取れて……」

シロ「えっ……うわっ」

バタンッ

あのなおもち触るのは玄ちゃんだから許されるの
汚い男が触るなんて普通にセクハラなんですが?

京豚はキモいんだよ 神聖不可侵である百合漫画の咲に手を出すんじゃねえ チンポ脳どもが
百合は神聖なもので 男は汚いの わかる? お前らのしてることは いちゃついてる女の子達に うんこ投げつけて喜んでるようなものなんだよ

あと 咲が百合漫画じゃないとか言ってる奴はアニメ見てないだろ 麻雀興味ないから 原作は知らないけど あんな百合百合してる素晴らしいアニメの原作が百合漫画じゃないわけがない それに 作者も百合好きらしいし 咲が百合漫画だというのは 紛れもない事実

それに 百合が世間ではマイナーだとか 言ってる奴がいるけど そんなわけ ねーだろ なのはやゆるゆり らきすたがどれだけ人気だとおもってんだよ こんな当たり前のことも理解できずに 性欲のためだけに喚き散らすから京豚は馬鹿にされるんだよ

シロ「……痛ぅ……」

京太郎「だ、大丈夫ですか?」

エイスリン「背モタレ……取レチャッタ!」

塞「あーあー……。 サボってるからよ、全く」

シロ「……痛っ」

豊音「ちょっと診せてー。あー、左肘のところ少し打っちゃてるねー」

京太郎「お、俺。水持ってきますっ」ダッ

玄「……ハッ」

玄(もしかしてチャンス到来なのでは!?)


玄「小瀬川さんっ、このイスどうぞっ」サッ

シロ「ん……ありがと……」

玄「それで、左腕診せてください」

シロ「ん……はい」スッ

ムギュウ

玄(お……おもちが右に寄ってるぅ……!)

シロ「……どうなの?」

玄「あ、ああはい! 少し赤くなってますけど今後に響くほどじゃないと思いますハイ!」

シロ「あ、そう」


豊音「背もたれのネジ、どこいっちゃったかなー?」スッ

ムギュ

玄「!!」

玄(姉帯さんのヨツンヴァイン……!! おもちが寄せて上がってぇ……!!)


塞「んっしょっと。 背もたれ、どこ置いとこうかしら……」

ムニュ

玄「!!」

玄(おもちが背もたれで潰れてるぅ……!)

玄「えへ……えへへ……」

シロ「……」

シロ(え、なにこの人……怖い……)

―――
――


京太郎「水道水道っ。 こっちだっけか!」ダッ

ドンッ

「痛っ!」

京太郎「うおっと! 危ないっ」

ギュッ

「……くない……?」

京太郎「す、すいません。 怪我は無いですか?」

「……えっ?」


胡桃「……男子?」

京太郎「ど、どうも」

霞「彼らはね、咲のSSが好きなのではないのよ」

霞「自分の姿を須賀くんに重ね、咲キャラたちと絡みたいだけなの」

初美「そうなんですかー?」

霞「そうよ。須賀くんはかわいそうだわ。京豚の、自己投影の犠牲になってしまったせいでいろいろな人に嫌われてし亦野だから・・・」

霞「京太郎SSの『京太郎』を、『俺』に置き換えて御覧なさい」

霞「ほとんどのSSで、違和感なく話が進むはずよ」

初美「うわー・・・ほんとうなのですよー」

霞「こういったスレにはね、ただちにふんふむを召還しなくてはならないの」

霞「『悪』をのさばらせてはいけないのよ」

胡桃「……! は、離して!」グイッ

京太郎「うおっと、すいません!」スッ

胡桃「……それで……どうして男子がここに?」ジロッ

京太郎「あ、はい。 俺たち……」


胡桃「ふぅん……バイト……」

京太郎「はい。 あ、すいません! この近くに水道ってありますか!?」

胡桃「水道? そこ左曲がってまっすぐの所」

京太郎「ありがとうございます! それでは麻雀部で後ほど!!」ダッ

胡桃「……」

胡桃(何急いでるんだろ)


胡桃「……ちょっと待って!」

胡桃「私も行く!」

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいました!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです(正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸れたのか、それは人それぞれだと思います。
少しでもこのSSを読んで「自分もがんばろう!」という気持ちになってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします!ではこれにて。
皆さんお疲れ様でした!

ジャー

胡桃「し、シロが!!? ホントに!? 須賀!!」

京太郎「はい鹿倉さん。 もしかしたら骨に響いたり……」

胡桃「そ……そんな……」

胡桃(シロが骨折……!?)


京太郎「よっと、こんくらいでいいかな……」

胡桃「………っ」ワナワナ

京太郎「……鹿倉さん?」


胡桃「シロッ!」

ダッ!


京太郎「え、ちょっと」

京太郎「……行っちった」

亜ああ、謝れ

タッタッタッ...

バンッ !

胡桃「シロ!!」


シロ「……い、いい加減離して」グイッ

玄「いやぁもうちょっとだけぇえへへえへえへ」

シロ「……なにこの人……」


胡桃「……あれ?」


エイスリン「オハヨウゴザイマス! クルミサン!」

豊音「あー胡桃ちゃん、おはよー」

塞「遅かったわね。 バスでも遅れてた?」


胡桃「……」

胡桃「あれ?」

京太郎「小瀬川さん、水汲んできました」

シロ「あ、須賀……くん。 ありがと」

京太郎「濡れタオル当てといてください。 骨に異常ないですか?」

シロ「余裕で大丈夫だと思う。 それよりこの人どうにかして……」

玄「うえへへ」

京太郎「なにトリップしてるんですか、このおもち狂」ポコッ

玄「あうっ」


胡桃「……シロ……? 腕……大丈夫なの?」

シロ「あ、クルミ。 大丈夫、ちょっと打っただけ」

胡桃「こ、骨折とか……」

シロ「? 別にしてないけど……」

胡桃「…………」


胡桃「す、須賀ァ!」

胡桃「あ、アンタさっきシロの座ったイスが横転したって!!」

京太郎「? そう言いましたけど」

胡桃「シロが腕から倒れて重傷だって!!」

京太郎「いや、そこまでは言ってませんよ」

京太郎「もしかしたら骨に響いてるかもしれないってだけで骨折までとは……」

胡桃「うっ……」

京太郎「それに、そんな重傷だったら水汲んで無いで保健室行きますよ普通」

胡桃「っ……」カァァァ

京太郎「……? 鹿倉さん?」

胡桃「……!」プルプル


胡桃「バッカみたいっ!!」

バシンッ

京太郎「いてぇ!!?」

くぅ~疲れましたwこれにて試合終了です!
実は、校内ランクを上げたらスタメンの話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は自信なかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので清澄のリーチに振り込んでみた所存ですw
以下、戦犯候補達のみんなへのメッセジをどぞ

ちゃちゃのん「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと役満に振り込んじゃったけど・・・気にしないでね!」

亦野「いやーありがと!
私の防御の薄さは二十分に伝わったかな?」

小走「リーチ掛けたのはいいけどツモられたのは恥ずかしいわね・・・」

泉「見てくれありがとな!
正直、高1最強と思った私の気持ちは本当だよ!」

末原「・・・おおきに」カタカタ

では、

ちゃちゃのん、亦野、小走、泉、末原「皆さんありがとうございました!」



ちゃちゃのん、亦野、小走、泉、末原「って、なんで池田がいないの!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に責任払い

京太郎「なんで叩かれたんだろ……」

豊音「あははー。 チョーどんまいだよー」ナデナデ

エイスリン「須賀クン! 雀卓開ケトイタヨ!」

京太郎「お、ありがとうございます。 それじゃあメンテしますか」

塞「え、できるの?」

京太郎「別のバイトで何度か診たことあるんで。 あっ、コンベアベルトが少し空いちゃってますね」

京太郎「それにVベルトも亀裂入ってる。 テンリーダーはまだ大丈夫かな。あ、でもホッパーリングがすり減ってる……」

塞「……へぇぇ」

豊音「こうなってるんだねー」

エイスリン「? ??」


胡桃「……充電したい……でも出来ない……」ウズウズ

玄「……」ジー

胡桃「? ……何?」

玄「……おもち力30。 雑魚か……」フッ

胡桃(よく分かんないけどなんか腹立つ!!)

――少しして


シロ「暑い……痛い……ダルい……」

京太郎「ホントそうっすね……。 喉乾いてきた……」カチャカチャ

玄「あ、須賀くん。 私水筒……」

スッ

京太郎「ん?」

エイスリン「ドウゾッ」

京太郎「アクエリ……ありがとうございますっ」

エイスリン「ドウイタシマシテッ!」ニコッ

京太郎「……あぁ、美味い……」

エイスリン「フフッ」ニコニコ


玄「あっ……」

シロ「……喉乾いたなぁ……」

玄「!! でしたらコレッ!」

シロ「……」

シロ「いや、こっちがいい」スッ

ゴクッ

京太郎「ちょ、それ俺のっ」

シロ「……ん、ありがと……」スッ

京太郎「……ど、どういたしまして……」

シロ「うん……」

玄「ぐ、ぐぬぬ……」


シロ(あの人……なんか嫌な予感するなぁ……)

玄(水も滴るイイおもちにしようとしたのに……)

文才ないね書くのやめたら?

ガチャッ

塞「はーい皆ー。 素麺出来たわよ―」

豊音「チョーいっぱいあるからたくさん食べてねー」ドンッ

胡桃「器ここ。 ツユこっちで薬味それ」

京太郎「素麺。 いいっすね~」

玄「おひょっ!(チャンス再来!)」


豊音「須賀くん! ツユは濃い目と薄目、どっちがいいかなー?」

エイスリン「須賀クン! コオリ、欲シイデスカ?」

京太郎「あの、自分でやりますから……」


玄「小瀬川さん、素麺お取りしましょうか?」ジロジロ

シロ「自分でとるから……それとどこ見てんの……」

玄「えへへ…………おもち……」

シロ「……須賀くーん。 助けてー……」

玄「ああ、待って隠れおもち!」

京太郎「えっと、辛子辛子……」

スッ

京太郎「おっ?」

胡桃「ん」

京太郎「ああ、ありがとうございます。 鹿倉さんも辛子派ですか?」

胡桃「別に……」

塞「胡桃は舌がまだ子供だからね。 辛いの駄目なのよ」

胡桃「さ、サイ! 要らないこと言わない!」

京太郎「……そうなんすか?」ニコニコ

胡桃「うぐ……。 わ、笑うな!」

京太郎「そんな変なことじゃないですよ。 辛いもの苦手なんて可愛いじゃないですか」

胡桃「か、かわっ……!」

胡桃「~~ッ」カァァァァ

塞「あらまぁ」

――夕方頃

京太郎「よっし! これでとりあえず今日の分は終わりですね!」

玄「お疲れー!」

塞「お疲れ様。 麦茶どうぞ」スッ

玄「これはこれは、どうもどうも」


トシ「お疲れさん。 随分綺麗になったね」

京太郎「ありがとうございます。 明日は買い出しですか?」

トシ「そうだね。 まぁ詳しいことは明日言うよ」

トシ「一先お休み。 よく頑張ってくれたね」

京太郎「……それでしたら、俺たちだけじゃないですよ」

京太郎「宮守の皆さんが手伝ってくれなかったら、きっと今日だけじゃ終わりませんでした」

豊音「須賀くん……」

エイスリン「須賀クン……」

塞「……へぇ……」

胡桃「…………」

シロ「…………」

京太郎「だから、バイト代を少し減らしてくれたって構いません」

トシ「ハハ、流石にそこまではしないさ」

京太郎「でも、それくらい皆さんに感謝してるってことなんです」

豊音「須賀くん……!」キラキラ

エイスリン「須賀クン……!」キラキラ

塞「あらあら……」

胡桃「……ふんっ」

シロ「……zzz」

玄「……京太郎くん……」キラキラ

京太郎(……この人はどうだろ……)

トシ「そうかい。 それじゃあ明日の働きも期待してるよ」

京太郎「はい。 それでは」

玄「お疲れ様でしたー!」

豊音「じゃあねー須賀くーん!松実さーん!」

エイスリン「二人トモ! マタ明日デス!」

京太郎「また明日ー」

玄「さようなら~!」



――旅館にて


玄「お疲れ様―!」

京太郎「お疲れ様でしたー」

玄「いやー疲れたねー。 ほら見てココ、腕の所。 もーパンパンですよー」

京太郎「どれ、マッサージしましょうか」モニッ

玄「あっ……ああんっ……すごいっ……テクニシャンッ……」ビクッ

玄「ふぅ……良いお湯だったぁ……」

玄「京太郎くーん。 お風呂あがった……よ?」

京太郎「ん、どうも」スッ

玄「何書いてたの?」

京太郎「ああ。 明日の買い出しん時何を買うかのメモとその費用の計算を」

玄「へぇぇ。 何買うの?」チラッ

京太郎「自動卓が結構ガタ来てたんで、大体はその部品を。 後は生活用品を少し」

玄「結構かかるんだね。 あ、ここ間違ってるよ」スッ

ムニュ

京太郎「……ちょっと玄さん……4つ目の約束……」

玄「え? …………あー」

玄「…………」ニヤニヤ

京太郎「…………」

ポコンッ

玄「あうっ」

京太郎「よし。 これで今日はおしまい」パタンッ

玄「お疲れ様。 何から何までありがとね、京太郎くん」

京太郎「いえいえ、好きでやってることですから」



シンッ......

玄「……それじゃあ始めよっか……」

京太郎「……ええ。 今まで我慢して来ましたし」




玄「【第一回、おもち談義】を!」




 
 
 

男だすな糞

京太郎「いよっ! 待ってました!!」

玄「今回のおもち候補者はこちらの3名」

【小瀬川 白望】【臼沢 塞】【姉帯 豊音】

京太郎「ふむ。 面白いカードですね」

玄「正直言って分けるなら二択なんだけどね」

京太郎「小瀬川さんと姉帯さん、ですか?」

玄「勿論!」

京太郎「そりゃまあ大きさから言ったら彼女らにしか分は無いでしょうね」

京太郎「ですが【至高のおもち】の条件は3つあるのを忘れましたか?」

玄「まさか! 私が作った条件だもの、忘れるわけありません!」


玄「【大きさ】! 【形】! 【手触り】!」

京太郎「そう。 その3つです」

京太郎「だから、まだ誰が至高なのか決めるのは早いですよ……」

玄「フフフ……すいません……。 なんせ久々なものでして……」

京太郎「それでしたら俺だって久々ですよ。 こうして玄さんとおもち談義をするの」

京太郎「正直、我慢するのが辛かったですよ。 仕事に差し支えないよう抑えるのは」

京太郎「この時間が……どれほど待ち遠しかったか!」

玄「それであの仕事ぶりですか? 尊敬に値しますよ、【同士】!」

京太郎「ありがたきお言葉です、【師匠】」



京太郎「しかしどうして【第一回】? これまで師匠とは何度も談義を開いてきたのに」

玄「なに、それはネット上でのこと。 こうして直接対面して話し合うのはコレが初めてでしょう?」

玄「ですからそれを記念として今回を新たに【第一回】としたのです!」

京太郎「! ……流石は師匠……。 感動しました……!」

玄「同士京太郎……顔をあげなさい。 そして始めましょう」


玄「聖なるおもちを求める為に!」

京太郎「はい!」

京太郎「とまぁネット上のノリはこのへんにして」

玄「ここからは静かにやろっか。 騒ぐと迷惑になりそうですしね」


玄「それで、さっきあげた通り【大きさ】で言ったらこの二人が圧勝だと思うの」

京太郎「確かに初見で大きさを競うならこの二人ですね……」

京太郎「【形】はどうですか?」


玄「長身でありながらバランスの整ったおもちを持っている姉帯さん。対して小柄でありながらもアレほどのおもちを持つ小瀬川さん」

京太郎「常識で考えるなら、バランスの良い姉帯さんが有利ですか?」

玄「確かにそうかもね。 でも近年、低身長で小ぶりの女性が増えつつある中アソコまでのおもちを持つ小瀬川さんも引かない」

京太郎「これは難しい……」

玄「……形に付いては引き分けということにしておこっか。 じゃないと談義が進まないし」

京太郎「そうですね」

玄「最後に【柔らかさ】なんだけど」

京太郎「これはもう玄さんに任せます」

玄「……やっぱり?」

京太郎「流石に男の俺がおいそれと触れるわけにはいきません」

京太郎「【イエス、オパーイ。 ノー、タッチ】」

玄「……京太郎くんの座右の銘……か」

京太郎「全てをあなたに託します。 玄さん」

玄「……わかったよ! おまかせあれ!」

玄「京太郎くんの、その確固たる紳士心。そして無念! ……私が必ず晴らしましょう……!」

京太郎「師匠……頼みました……!」

玄「……以上をもって、第一回おもち談義を閉じます」

玄「礼!」

京太郎「っ!」バッ


玄「それじゃあまた明日ね、京太郎くんっ」

京太郎「はい、おやすみなさい。玄さんっ」

――翌朝


玄「……」ニヤニヤ

京太郎「……いい加減止めてくださいよそのニヤけ顔」

玄「ハッ。 ごめんごめん……。 今日、あのおもち達をこの手で触れられると思うと……」

玄「止まらなくて……」ニヤニヤ

京太郎「……」

グニグニ

玄「い、いふぁいいふぁいいふぁい!!」


京太郎「さあ行きましょうか」

玄「なんか夜と朝のテンションのギャップが酷いよ……」ジンジン...

玄「……同士のDVに悩まされています。 どうすればいいでしょうか。 (奈良県 17歳)」

京太郎「なに言ってるんですか。 早く行きますよ」

玄「……ふぁい……」

――宮守女子高校 9:00


京太郎「え? デパートですか?」

トシ「ああ。 この近くで雀卓部品が売ってる所って言ったらあそこしかなくてねぇ」

京太郎「それはいいんですけど……移動方法は電車ですか?」

トシ「そうなるね。 ああ、移動費はあたしがもつよ。 安心しな」

京太郎「そうですか? なんかすいません……」

トシ「ハハ。 子供ってのはいつまでも大人の世話を焼かせるなんもんだよ」

トシ「気にすることじゃない」

京太郎「……ありがとうございます」


京太郎「というわけで、デパートに繰り出すことになりました」

シロ「ダルイなぁ……」

塞「デパートなんて久々ね。 何年ぶりかしら」

豊音・玄「「ジャコス行くの!?」」

京太郎「はい、ジャコスですよ」

胡桃「…………」

京太郎「どうかしましたか? 鹿倉さん」

胡桃「い、いや……別にっ」

京太郎「?」


エイスリン「デパート……行ッタコトナイデス!!」

豊音「ジャコス楽しいよー! エイスリンさんにも色々教えてあげるよー!」

玄「こっちにもジャコスあるんですね! 楽しみです!」

胡桃「うるさいそこ!」

シロ「……うるさ……」


塞「移動は?」

京太郎「電車です。 移動費はトシさんが」

塞「そう。 なら、安心ね」


京太郎「それじゃ、いきますかー」

玄・エイスリン・豊音「「「オーー!!!」」」

――ジャコス 10:30

玄「着いた―!!」

豊音「ジャコスー!!」

エイスリン「オッキイデスネー!!」


京太郎「……ホント……ここまでの道程とかマル無視ですね」

塞「窓から見えるものなんて田んぼと畑しかないからねぇ。 ほら、行くわよシロ」

シロ「……マッサージ機……」

塞「あーはいはい家電店ね、わかってますから」

塞「というわけで、私とシロは家電店行ってくるわね」

京太郎「あ、はい。 集合時間はどうします?」

塞「んー……。 12:00でいいんじゃない?」

京太郎「じゃあそうしますか。 ……玄さんはー……」

玄「私達は皆でゲームセンターに行ってきます!!」

豊音・エイス「「マス!!」」

京太郎「……はい」

胡桃「……」

京太郎「鹿倉さんはどうしますか? 臼沢さん達と家電店行くか、姉帯さん達とゲーセンか」

胡桃「私は……」

グッ....

京太郎「?」

胡桃「……す、須賀に着いてく……」

京太郎「俺にですか? 麻雀店練り歩くだけで面白くないですよ?」

胡桃「い、いい。 それで、いいから」

京太郎「そすか? んじゃ、行きましょうか」


玄「最初はUFO行きましょうよUFO!」

豊音「いやーここはやっぱりプリクラだよー!」

エイスリン「???」


シロ「……塞……おぶって……」

塞「嫌に決まってんでしょ。 ほら、歩く歩くっ」

――ジャコス麻雀店

京太郎「お、あったあった。 大コンベアベルト1つお願いします。 それとホッパーリングのツメをいくつか」

店員「……お兄さん……どっかの業者さん?」

京太郎「いえ、ただの雑用係です」

店員「……最近の雑用係はすげえな……ほいよ」

京太郎「ありがとうございます。 それと、この近くでVベルト売ってる所ないですか?」

店員「Vベルト? ならあっちのホームセンターに有ると思うよ」

京太郎「わかりました、ではそちらに行ってみますね」

店員「あーい、毎度ー」



京太郎「鹿倉さん、お待たせしました。 次行きましょう」

胡桃「う、うん……」トテテ

京太郎「えっと……ついでにマットも買っとこうかな……それと……」

胡桃「…………」ジー

――ホームセンター


京太郎「よし、これで後は宮守の方に送ってもらえれば、と」

京太郎「鹿倉さん。 買い物も終わりましたし、皆と合流しま……」

京太郎「……あれ……」

京太郎「鹿倉さん?」



胡桃「……」ポツーン

胡桃「どうしよう……」

胡桃(迷子った……)


胡桃「だからデパートは嫌なのに……」テクテク

胡桃「大体須賀も須賀! 歩幅合わせずスタスタ行くから……」テクテク

胡桃「行くから…………」テク....

胡桃「…………」

胡桃「……ふぇ」ジワ

ギュッ

胡桃「! な、なに!」


京太郎「鹿倉さんみーつけたっ」


胡桃「あっ……須賀……」

京太郎「すいません、勝手に行き過ぎましたね。 ちゃんと歩幅合わせます」

胡桃「……うっ……」

京太郎「? 鹿倉さん?」


胡桃「ばかぁ!!」

ペシンッ

京太郎「あいてっ」

胡桃「一人でスタスタ行かない! お前は生き急いでいるのかバカ!」ペシンッ

京太郎「すいません」

胡桃「ホントに目付いてんの!? それ義眼じゃない!?」ペチンッ

京太郎「大丈夫です本物です」

胡桃「ちゃんと周り見る! 気配り足りない! それでも雑用係!?」ペチッ

京太郎「はい」

胡桃「もうっ……ったく……もぉ……」

ギュッ

胡桃「!!」

京太郎「ならこうすれば……離れること無いですよね?」

胡桃「あっ……」

京太郎「俺の手、汗ばんでませんか?」

胡桃「うっ……だ、大丈夫……」

京太郎「なら良かったです」


胡桃「……うぅ」カァァァァ

――マクドナル○ 12:00


豊音「コレすっごく綺麗に撮れたねー!」

玄「最近のプリクラはいろんな加工ができますからねー! アハハ! これなんて! ほら、エイスリンさんも見てください!」

エイスリン「……? チャリデキタ?」

京太郎「楽しそうですね」

玄「あっ! 京太郎くん、おかえりー!」

豊音・エイス「「リー!」」

京太郎「ホント楽しそうですねこのやろう」


塞「……はぁ……」

シロ「……ダル……」

京太郎「家電店でなんかあったんですか?」

塞「ああ……須賀くん……。 ……君じゃないとは思うんだけど……」

京太郎「?」


シロ「……私たちの胸……揉んだ?」

―――
――


京太郎「なるほどねぇ。 悪質ですねそりゃ」

塞「まさかマッサージ機で寝てる所を襲われるとは思わないでしょ……」

シロ「……はぁ……」

京太郎「…………」チラッ

玄「( ̄ー ̄)bグッ!」

京太郎「( ´∀`)bグッ!」


京太郎(ちなみに姉帯さんの方は……?)

玄(プリクラ機の中で抱きつく時に一発)

京太郎「( ´∀`)bグッ!」

玄「( ̄ー ̄)bグッ!」

玄「お目当ての物は買えた?」

京太郎「ええ。 玄さんが仕事してる間、ばっちりと」

玄「うむ! じゃあ帰ろっか!」

豊音「まだもうちょっと居たいんだけどなー……」

エイスリン「トッテモタノシカッタデス!」

塞「早く帰りましょう……」

シロ「もう来たくない……」

玄「……あれ? 鹿倉さんは?」

京太郎「いますよちゃんと」スッ

ギュッ

胡桃「……///」

京太郎「ここに」


塞「あらまぁ、親子みたい」

玄「わぁ可愛い」

胡桃「う……うるさい……///」

――宮守女子高校 14:00

トシ「うん、きっちり全部届いてるね」

京太郎「よっし。 それじゃあ最後に一仕事しましょうかっ!」


玄「えー」

豊音「えー」

エイスリン「エー」

シロ「えー」


塞「子供かっ」

京太郎「……せめて玄さんは手伝ってください」

玄「……じゃあちょっと待ってて」サッ

京太郎「……?」

玄「………………ふぉおおおおおおおおお!!」

玄「松実玄! 行きます!!」ビシッ


京太郎(……さてはおもちプリクラを見たな……)

――16:00

カチンッ

京太郎「よし……これで、OK!」

京太郎「作業終了! お疲れ様でした!」

玄「あー疲れたー!!」

京太郎「……腹減ったなー……」

塞「だと思って、おにぎりを作っといたわよ。 はいっ」スッ

京太郎「ありがとうございます! 頂きます!!」

玄「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」

豊音「お味噌汁もあるよー。 はいっ、どうぞー」

京太郎「美味い! 最高です!」

玄「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」

胡桃「……漬物……あるけど……」

京太郎「ぜひ頂きます!!」

玄「ハムッ、ハフハフ、ハフッ!!」

トシ「二日間、ご苦労さん。 これ、バイト代だよ」スッ

京太郎「ありがとうございます」

玄「諭吉さんが5人見える……!」

トシ「一生懸命働いてくれたんだ。 それにこの後もどっか行くんだろ? これでしっかり食ってしっかり働くんだよ」

京太郎「トシさん……ありがとうございます!」

玄「うぐっ…… (罪悪感で胸が……)」


エイスリン「須賀クン! コレ、ワタシノメールアドレスデス!」スッ

豊音「須賀くん、私もー!」スッ

胡桃「……これ……私の……」スッ

京太郎「ど、どうも……」


塞「岩手に来ることなんて滅多にないでしょうけど、近くを寄ったら顔ぐらい出してね?」

シロ「……元気で……」

玄「はい! そちらもお元気で!」

玄(おもちも!)

 
 
京太郎「それではみなさん! さようなら!!」


玄「ありがとーございましたー!!」


トシ「風邪引んじゃないよー」

豊音「さよーならー!!」

エイスリン「Good Bye !」

胡桃「……さよなら」ボソッ

シロ「じゃあねー……」

塞「お元気でー!」


――――
―――
――

ガタンゴトン


京太郎「二日間、お疲れ様でした。 玄さん」

玄「京太郎も! お疲れ様でした!」

玄「クタクタだけど、すっごく充実した気分だよ!」

京太郎「でしょうね」

玄「おもちを拝んで、触れて、ジャコス行って! それでお金も貰う! ホント最高だよー!」

京太郎「でしょうね」


玄「次は何処に?」

京太郎「東京です。 王者白糸台ですよ」

玄「ひゃー……ちょっと緊張するね……」

京太郎「とは言っても今日一日は移動に使いますから、ゆっくりしましょうよ」

玄「そうだね。 ……おもち談義の続きもしたいし!」

京太郎「おっ! そうですね! ……でっ。 【柔らかさ】の方はどうだったんですか?」

玄「いやーそれがさ! 意外なことに臼沢さんのおもちが――――」

 
 
 
 
―――おもちマイスター玄とその弟子京太郎の至高を求める旅はまだ始まったばかり―――



―――この先、いかなるおもちに出会うのだろうか―――


―――二人の旅は、まだまだ終わらない―――









――続く

途中から書き溜め終わってるしもう眠い
お前ら今日は月曜日だぞさっさと寝ろよ


8時間も付き合ってくれて、読んでくれて、保守してくれてありがとう
次もまた書き溜めての投稿だから気長にね
それじゃ、また会ったらよろしく

書き溜めに1週間使うような遅筆だから落としてオナシャス
後日また改めてスレ建てるからそんときゃよろしく

それじゃおやすみなさい

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