赤沢「恒一君…恒一君…///」クチュクチュ恒一「…」(250)

赤沢「ンアッー!」ビクビクッ

恒一「…///」

久保寺「ではここの問三を…榊原君、お願いします」

恒一「え? あ、はっ、はい! えっと…」ガタッ

赤沢「ふへへ…恒一君のお尻が乗ってた椅子…///」スリスリ

恒一(…赤沢さんが二人目のいないものになってからずっとこんな感じだ。正直辛い。色々と)

赤沢「恒一君は横顔もカッコいい…///」ジー

恒一「…///」

赤沢「あ、ちょっと赤くなった。ふふ…///」ツンツン

恒一(うぅ…///)

赤沢「やっべムラムラしてきた」

恒一「!?」

赤沢「恒一君…恒一くぅん…///」クチュクチュ

恒一(勘弁してください…)

赤沢「ふぅ…」スッキリ

鳴「…最低」

赤沢「何よ。いないものなんだから誰も見てないわよ」

鳴「そうだといいね」

赤沢「ふん。さーって、恒一君の写真でも撮ろーっと」

鳴「はぁ…」

鳴(高早死君が無くなって、いないものが二人に増えた)

鳴(最初は私の事を認めてた榊原君が候補だったそうだけど、赤沢さんが反対してくじ引きになったらしい)

鳴(まさか自分が当たりを引くなんて考えてなかったんだろうなぁ…)チラッ

赤沢「…」カシャシャシャシャシャシャ

鳴(まぁ本人は楽しそうだけど…)

昼休み

赤沢「恒一君は?」キョロキョロ

鳴「杉浦さんとどこか行っちゃったよ」

赤沢「え? な、何で多佳子と?」

鳴「赤沢さんの抜けた穴を埋める為に対策係になったらしいよ」

赤沢「私の穴を埋めるなんて…むふふ…///」ニヤニヤ

鳴「はいはい」

赤沢「でも初耳だわ。誰から聞いたの?」

鳴「榊原君から」

赤沢「は?」

鳴「あ…」

赤沢「また喋ったの? 喋ったの? ねぇ答えなさいよコラ」ユサユサ

鳴「…」プイッ

赤沢「見崎さん。私達はいないものよ? クラスの決まり事で最も大切なポジションなの。皆もそれを分かってるから私達を無視してるのよ。それなのに私達が決まりを破ってどうするのねぇ聞いてる?」ユサユサ

鳴(赤沢さんには言われたくない…)

廊下

恒一「中尾君が…?」

杉浦「えぇ…。泉美と喋れないなら学校来ないって…」

恒一「それじゃあこれからは僕と杉浦さんだけか」

杉浦「一応、小椋とかが手伝ってくれるけど…」

恒一「…それでもやるしかないね。頑張ろう」

杉浦「うん…」

恒一(…やっぱり不安なのかな。杉浦さん女の子なんだし、僕が頑張らないと)

赤沢「見崎さんパンだけ?」

鳴「…? うん」

赤沢「お弁当作ってもらったりしないの?」

鳴「たまに。でも美味しくないの」

赤沢「お母様も栄養を考えてるのよ、ちゃんと食べなきゃ。だから色々と…ぷぷっ」ニヤニヤ

鳴「…」イラッ

赤沢「私みたいな完璧なプロポーションを目指すならもっと日々の生活に気を使って――」

鳴「これおいひい」モグモグ

赤沢「…って、ちょ、わ、私のオカズ取ってんじゃないわよ!」

鳴「こっちもおいちい」モギュモギュ

赤沢「ああああああああ唐揚げええええええええええ!!」


勅使河原(最近仲良いなアイツら…)

赤沢「恒一君とお喋りしたい」

鳴「駄目だよ。さっき自分でも言ってたのに」

赤沢「自分はしてる癖に…」チッ

鳴「それは…榊原君が話しかけて来るから…」

赤沢「自慢? ねぇ自慢?」グイグイ

鳴「…」ニヤッ

赤沢「ああああああああああああもう!! いないものがこんな退屈だなんて!!」ゴロゴロ

生徒(うっせぇ…)

赤沢「もー誰かコロッと逝かないかしら。久保寺先生とか」

久保寺(ざけんなぜってー死なねぇ)

鳴「…」カキカキ

赤沢「何? また絵描いてるの?」

鳴「違うよ。赤沢さんも授業受けたら?」

赤沢「いいのよ私は家でやってるし。あ、ここ間違ってるわよ」

鳴「え?」

赤沢「ここも。あなたこそ真面目に受けてるの?」ププッ

鳴「…」ケシケシ

赤沢「もう。ほら、教えてあげるからちゃんと聞きなさいよ」

鳴「いいよ」

赤沢「何ムキになってるのよ。クラスの平均点下がっちゃうでしょ」

鳴「もう…」

赤沢「さて、放課後になったし恒一君追っかけよ」

鳴(迷惑とか考えないのかな…)

赤沢「何よ。見崎さんも来る?」

鳴「帰るよ。じゃあね」スタスタ

赤沢「ちゃんと予習復習するのよ。…さて」ペロリ

恒一(見崎は――帰っちゃったか。家行ってみるかな)

赤沢「恒一きゅん…///」コソコソ

恒一(赤沢さんがいないもの化して一ヶ月…平和だなぁ。一部を除けば)

赤沢(どんどん人気の無い方に…帰るんじゃないのかしら?)コソッ

恒一(でも根本的な解決にはなってない。杉浦さんも色々考えてるみたいだけどやっぱり一人じゃ限界っぽいしなぁ)

赤沢(こんな所に何の用が――ま、まさか恒一君私が襲い易そうな場所へ…!?)

恒一(夏休みも近いってのに。とにかく手当たり次第に当たってみるしかないな。見崎にも知ってる事聞いとかないと)

赤沢(ふへへ…/// 恒一君ったら教室じゃ恥ずかしいからって…。このシャイボーイ! 素敵!)

恒一「――って事で何か知ってる事無い?」

鳴「…私も、前に先輩から少し聞いただけだから。それよりいいの? 対策係がいないものに話しかけて」

恒一「学校外だし…僕は独り言言ってるだけで、見崎もそうって事で」

鳴「もう…」

恒一「それにしても何も情報は何も無しか…」

鳴「…分かってる事、一つだけあるよ」スルッ

恒一「?」

鳴「榊原君は死者じゃないし、私も違う。これだけは間違いないよ」

恒一「それってどういう――」

天根「鳴。店の前にお友達が来てるよ」

鳴・恒一「え?」

赤沢(何ここ…。よみたそ? 恒一君ここに入って行ったけど…は、入っていいのかしら?)ソワソワ

赤沢(…! まさかここホテル!? 『僕先に入ってるから後から来なよ』って事!? 恒一君ったらもー…///)ソワソワ

鳴「…何してるの」ガチャ

赤沢「ひゃいっ!?」ビクッ

鳴「人の家の前で何やってるの?」

赤沢「へ? え? 人の家? 見崎さん家!?」

鳴「そうだよ」

恒一「お、お邪魔しましたー」スタスタ

天根「また来てねぇ」

赤沢「あっ! こ、恒一君! 恒一君が何でここに居るのよ! 恒一君! くっ…! ちょっと見崎さん! 恒一君行っちゃったじゃない!」

鳴「…………とりあえず中入って」

赤沢「ふぅん…。見崎さん家って人形屋さんなのね」キョロキョロ

鳴「榊原君は店のお客さんだよ」

赤沢「ホントに? つまり人形屋さんになれば恒一君が毎日私の家に…?」ブツブツ

鳴「赤沢さんはこういうの平気?」

赤沢「平気って言うか…普通に良く出来てると思うわよ? これとか可愛いし」カチャカチャ

鳴「…」

赤沢「…? 見崎さん?」

鳴「なんでもない。お茶ぐらい出すから、リビング行こ」ポチッ

赤沢(エレベーター!?)

赤沢「コーヒー無いの?」

鳴「紅茶が一番でしょ?」

赤沢「は?」

鳴「あ?」

赤沢「はっ。コーヒーの良さが分からないなんて子供ね」

鳴「いいよ榊原君も紅茶派だし」

赤沢「はぁ!? ちょ、初耳よそんなの!」

鳴「こないだ来た時にコレと同じの飲んで『美味しいね』って言ってた」

赤沢「その缶ちょうだいよ」

鳴「もう無いよ…」

霧果「…あら、お友達?」

赤沢「あ…」

鳴「はい。クラスメイトの赤沢さんです」

霧果「そうなの。赤沢さんも下のお客様?」

赤沢「あ、いやその…」

鳴「赤沢さんとはクラスの係が一緒で、今日は一緒に勉強する事になって」

霧果「あらそう。榊原君とは別なのね」

赤沢(恒一君の事を知ってる!? この人も恒一君狙い!?)グヌヌ

鳴「(あー面倒臭い事考えてそう)もう帰るみたいなので、送って来ます」グイッ

赤沢「へ? あ、ちょ…」

赤沢「…お母さん?」スタスタ

鳴「うん」スタスタ

赤沢「敬語なのね」

鳴「…うん。私は、あの人の本物じゃないし」

赤沢「…」

鳴「…」

赤沢「…別に深く聞きはしないわよ。興味無いし」

鳴「…ありがと」

鳴「赤沢さんは、何で対策係に入ったの?」

赤沢「…従兄弟の人が、現象で死んだの。だからよ」

鳴「…ふぅん」

赤沢「何よ自分で聞いといて。そういう貴方は何でいないものになった時拒否しなかったのよ」

鳴「拒否したら、ならなくてよかった?」

赤沢「それは…」

鳴「冗談だよ」クスッ

赤沢「…あんたのそういう所、本当に嫌い」

鳴「…私、友達も居ないし。一番向いてるかなって思って」

赤沢「…」

鳴「人が死ぬのは、悲しい事だから」

赤沢「…そうね」

鳴「じゃあまた明日」

赤沢「…帰り、気を付けなさいよ」

鳴「はいはい」

赤沢「あと予習復習忘れるんじゃないわよ」

鳴「…はいはい。じゃあね」クルッ

赤沢「(…あれ?)じゃあね」

鳴「…」スタスタ

赤沢(暗くて分からなかったけど、眼帯外してた…?)

翌日

赤沢「恒一君のにほい…///」クンカクンカ

恒一(登校してきたら赤沢さんが僕の体操着入れに頭突っ込んでたでござる…)

鳴(昨日の今日で…)

杉浦「榊原君、ちょっと」

恒一「あ、うん」

赤沢「はふぅ…///」クンクン

鳴(…予習してよ)

杉浦「何か変化あった?」

恒一「僕の方は特に何も。そっちは?」

杉浦「私も別に――っ」フラッ

恒一「ちょっ…!?」グイッ

杉浦「ご、ごめん…ちょっと目眩がして…」

恒一「…ちょっとごめんね」スッ

杉浦「あ…」

恒一「熱あるじゃないか。昨日ちゃんと寝た?」

杉浦「…」フルフル

恒一「そんな。体壊しちゃうよ?」

杉浦「…私が頑張らなきゃ。対策係の責任が…」

恒一「杉浦さん…」

杉浦(泉美のあんな姿見たくないし)

恒一「でもこれじゃ授業も無理だよ。保健室行こう?」

杉浦「ダメ。そんな時間があったら対策考えないと…」

恒一「…はぁ、もう」グイッ

杉浦「ちょっ…/// ど、どこ触って…///」

恒一「保健室運ぶから、大人しくしててね」

杉浦「で、でも…」

恒一「考えるだけなら布団の中でも出来るでしょ?」

杉浦「それは…そうだけど…」

恒一「僕も対策係なんだから、少しは頼ってよ。ね?」

杉浦「…///」コクン

恒一「じゃあ行こうか。捕まっててね」

杉浦「お、重くない…?」

恒一「全然」

杉浦「…ん」ギュッ


生徒「…」ニヤニヤ

鳴「――って事があったの」

赤沢「多佳子ォ…ッ!」ギリギリ

鳴(殆ど自分のせいだって分かってないのかな…)

赤沢「これは早急に対策が必要ね」

鳴「対策係クビになったんじゃ…」

赤沢「失礼ね! クビじゃないわよ!」

鳴「一緒でしょ」

赤沢「…まぁいいわ。兎に角、あの二人を引き離すのよ」

鳴「どうやって? 中尾君が不登校になって、あの二人しか対策係居ないのに引き離していいの?」

赤沢「(中尾? 誰?)それは…どうにかしなさいよ!」

鳴「はぁ…」

そういやまだ風見が生きてるじゃん
あいつも対策係だぞ

>>66
忘れてた…
ちょっとご飯

恒一「ただいまー」

勅使河原「おう。杉浦はどうだった?」

恒一「軽い風邪だって。もう心配したよ…」

勅使河原「ほぉ…」ニヤニヤ

恒一「何だよ」

勅使河原「いやー? その調子で現象も攻略してくれるとなーって思って」ニヤニヤ

恒一(死ねよ)

赤沢「死ねよ馬鹿河原殺してやろうか」

鳴「どうするの?」

赤沢「うーん…そうだ。多佳子もいないものにすればいいんじゃない?」

鳴「そしたら次の対策係は…委員長の綾野さんかな。彼女も榊原君と仲良しだよね」

赤沢「もうどうしろってのよ…。いないものじゃなければ告白でもレイプでも堂々と出来るのに…」

鳴「現象解決して解除されるまで待てば?」

赤沢「…ん?」

鳴「ん?」

赤沢「それよ! そうよ簡単な事じゃない!」

鳴「?」

赤沢「私達で現象解決すればいいのよ! そしたらいないものも解除されるし、恒一君も私を見直して一石二鳥!」

鳴「…まぁ頑張ってね」

赤沢「何言ってるのよ。アナタも協力してもらうわよ」

鳴「え?」

赤沢「恒一君と自由にお喋り、したくない?」

鳴「…」

赤沢「どう?」

鳴「…ま、一目を憚るよりマシか」

赤沢「決定ね! 第二対策係結成よ!」

鳴「それで、何か解決の糸口はあるの?」

赤沢「………………み、見崎さんも考えなさいよ!」

鳴「…」ジトー

イノヤ

赤沢「ここのcoffeeは本物よ」ゴクゴク

鳴「はいはい」モグモグ

赤沢「ハワイコナエクストラファンシーって言って…」ウンヌンカンヌン

鳴「ふーん」ゴックン

赤沢「何でハワイコナって言うかって言うとハワイ島のコナ区って場所で…」ペラペラ

鳴「すいませんケーキおかわり」

智香「アイヨー」

赤沢「はぁ…本当なら恒一君と来たかったのに…」

鳴「ねぇ、ここどうやって解くの?」

赤沢「ここはこっちの公式の応用で…」カキカキ

鳴「…」フムフム

赤沢(…ま、一人で来るよりマシか)

赤沢「暇ねー…」ボー

鳴「…第二対策係はどうなったの?」

赤沢「それはっ…その…」ダラダラ

鳴「何も考えてないんだ…」

赤沢「そっ、そんなわけないじゃない!」アセアセ

鳴「はいはい」ズズー

赤沢「そ、そういう見崎さんはどうなのよ!」

鳴「…私は今のままでいいと思うよ? 現象止まってるし」

赤沢「バッカじゃないの!? こうしてる間にも私の恒一きゅんが多佳子の魔の手に、魔の手にいいいいいいいい!!」ブンブン

赤沢「あー…恒一きゅんがひょっこり現れたりしないかしら…」

鳴「そんな都合の良い展開が――」

ガチャ

恒一「良い雰囲気だね」

杉浦「ね」

鳴(来ちゃったよ…)

赤沢「」

恒一「勅使河原達はまだみたいだね」キョロキョロ

杉浦「先に何か頼んでようよ」


赤沢「ななななな」

鳴「落ち着いて」コソッ

赤沢「な、何で恒一君が来てるのよ! それも多佳子と一緒に!」コソコソ

鳴「デートじゃない?」

赤沢「ふぇぇ…」グスッ

鳴「う、嘘。冗談だよ。対策係の話しあいでしょ」アセアセ

恒一「杉浦さんてケーキ好き? コーヒーと紅茶は? こういう所良く来るの?」ペラペラ

杉浦「えと…」

恒一「あ…ご、ごめん」アセッ

杉浦「榊原君って、意外と喋るんだ」

恒一「あはは…そういう訳でもないけど」

杉浦「ふぅん」クスッ


赤沢「…」ギリギリ

鳴「…」ジトー

赤沢「ちょっと見崎さん、何あの雰囲気」コソコソ

鳴「良い雰囲気だね」コソコソ

赤沢「邪魔して来てよ」

鳴「それは…自分で行きなよ」

赤沢「私服見せたりなんかしたら恒一君が我慢出来なくなって『赤沢さん…何てキュートなんだ…』とか言って襲いかかられたりして…んふふ…///」ニヤニヤ

鳴(この自信はどこから湧いて来るんだろ…)

ガチャ

勅使河原「おー悪い悪い。待たせたな」

望月「おまたせー」

鳴・赤沢「ん?」

望月「――って事で、その松永って人に話を聞いてみたらどうかなぁって」

杉浦「…どう思う?」

恒一「いいんじゃないかな。僕らも行き詰ってるんだし、手がかりがあるなら会ってみる価値はあると思う」

杉浦「そうね。それで、その人はどこに?」

望月「えっと市街から出た――」


赤沢「…聞いた?」

鳴「…」コクコク

鳴「海か…」

赤沢「恒一君の水着か…///」ニヤニヤ

鳴「どうする?」

赤沢「行くでしょ!」

鳴「いつ行くの?」

赤沢「今でしょ!」

鳴「今行っても榊原君居ないと思うけど」

赤沢「なら準備よ! 水着買いに行くわよ水着! ほら早く!」グイグイ

鳴「はいはい」クスクス

赤沢「は?」

鳴「だから行けなくなっちゃったの」

赤沢「は? え?」

鳴「何か分かったらこの番号に」

赤沢「へ? 携帯持ってたの? てか何で?」

鳴「家族旅行なの。本当は面倒なんだけど。マジで。ホントに」

赤沢「えぇー…」

当日・海

赤沢「…」ソワソワ

赤沢(こ、恒一君達どこかしら…)キョロキョロ

赤沢(うぅ…一人で海なんて…寂しい…見崎さんのバカ…)テクテク

怜子「え?」

赤沢「あ」

怜子(え? な、なんで赤沢さんが…飲み過ぎかしら…)

赤沢「見つけた見つけた見つけた見つけた」

怜子(戻るか…)

綾野「こういっちゃんどう? どう? せくしー?」

小椋「…///」モジモジ

恒一「あはは…」

杉浦「なにやってんだか…」

望月「あれ? おっぱ…三神せんせーは?」

勅使河原「さっき向こうに行ってたけど――」

怜子「ただいまー」

勅使河原「お。噂をすれば――」

赤沢「恒一君は? 恒一君! 恒一くーん!?」キョロキョロ

怜子「いやーちょっと飲み過ぎたみたいで…変な幻覚も見ちゃうし」

赤沢「ちょっと彩! 恒一きゅんにくっ付いてんじゃないわよ!」グイグイ

綾野「え? あ、えとえと…」オロオロ

小椋「…榊原君むこういこ」クイクイ

恒一「へ? あ、う、うん…」

赤沢「んふふー…/// 恒一くーん…///」スリスリ

恒一「ちょ…///」ビクッ

勅使河原「…どうすんだよあれ」

望月「えっと…」

杉浦「…」イライラ

赤沢「んー…/// 恒一きゅぅぅぅん…///」ペロペロ

綾野「あー! あー!」グイグイ

小椋「おいコラてめぇいい加減に――」

杉浦「…」グイッ

恒一「え?」

杉浦「来なさい」

恒一「あ、えと…」

杉浦「いいから来なさい」ギロッ

恒一「はい…」テクテク

赤沢「あ! ちょっ、恒一きゅ――」

杉浦「…」ジロッ

赤沢「あ、ぅ…」ビクッ

杉浦「何やってんの」

恒一「い、いや…突然でその…」

杉浦「…デレデレして、ちゃんと分かってる? 私達が無視しないとあの子達が困るの」クドクド

恒一「はい…」

杉浦「ちっとは抵抗しなさいっての。こっちの気も知らないで…」ボソッ

恒一「え?」

杉浦「何?」ジトー

恒一「い、いえ…」ビクッ

杉浦「…しばらくココ居るわよ。戻ってまた鉢合わせしてもアレだし」

恒一「う、うん…」チラッ

杉浦「…? 何?」

恒一「い、いや…何でも無いよ」

杉浦「?」

恒一(杉浦さんて結構あるな…)チラチラ

綾野「こういっちゃんどこ行ったのかなぁ…」キョロキョロ

小椋「多佳子の奴一人だけ…」キョロキョロ


赤沢(くっ…見失った! まさか多佳子、ほんとに恒一君を――ってアレは…)

鳴「ん?」

赤沢「え?」

鳴「…人違いです」スタスタ

赤沢「いやいやいや何で居るのよ」グイッ

赤沢「ははーん。さては家族旅行って嘘で抜け駆けしようとしてたのね…!」キッ

鳴「ただこの近くに別荘があるだけだよ」

赤沢「ふーん…」

鳴「榊原君は?」キョロキョロ

赤沢「それが見失っちゃって…」

鳴「良かったらウチの別荘来る? お腹空いてるでしょ?」

赤沢「…しょうがないわねぇ! 見崎さんも寂しそうだし、行ってあげるわよ!」

鳴「うん。寂しかった」

赤沢「え?」オロオロ

鳴「嘘。行こ」クイッ

赤沢「くっ…! もう!」

鳴「お肉取って」モギュモギュ

赤沢「野菜も食べなさいよ」ジュー

鳴「もっと肉焼いて肉」モギュモギュ

赤沢「はいはい」

鳴「うまうま」モグモグ

赤沢「…もしかして私この為に呼ばれたの?」ジュー

鳴「…」モグモグ

赤沢「ちょっと!」

霧果「あら?」

赤沢「あ」

鳴「げ」

霧果「えっと…赤沢さんだったかしら?」

赤沢「ド、ドーモ…」ペコッ

霧果「何でここに?」

赤沢「い、いえ…私も遊びに来てて、それで見崎さんと偶然会ったので…」アセアセ

霧果「そう」ジー

赤沢(見てる…! 超見てる…!)

霧果「ちょっと赤沢さん。いいかしら」

赤沢「はい?」

霧果「その…学校の鳴はどんな感じ? あの子そういうの全然話してくれなくて」コソッ

赤沢「どんなって…」

赤沢(しょっちゅう授業はサボるし成績も良くないしボーっとしてて何考えてるか分かんないし人の弁当はつまみ食いするし可愛げも――無い事は、ないけど…)チラッ

鳴「?」

赤沢(…あああああもう!)

霧果「…」ゴクリ

赤沢「…と、とっても良い子ですよ」ニッコリ

霧果「そう…」ホッ

赤沢「あはは…」

霧果「良かった。あの子無愛想だから学校で虐められてないか心配で…」

赤沢(まぁ遠からずというか…)

霧果「赤沢さんみたいな友達もいるし、要らない心配だったわね」

赤沢(い、意外と良い人、なのかしら…?)

霧果「じゃあゆっくりして行ってね」

赤沢「は、はい…」

鳴「…何話してたの?」

赤沢「ん? えっと…世間話よ」

鳴「ふぅん」

赤沢「良いお母さんじゃない」

鳴「…関係無い」プイッ

赤沢「…ふん」

鳴「そういえば榊原君は? いいの?」

赤沢「え? あ! も、もう戻って来てるかしら。行くわよ見崎さん!」

鳴「これ食べたらね」モグモグ

恒一「――なるほど旧校舎に」

松永「そうなんだよ。ところで怜子彼氏居るの?」

望月「殺すぞ」

杉浦「じゃあ帰ってすぐにでも…」

恒一「だね」

松永「あ?」

望月「あぁ?」


鳴「聞いた?」

赤沢「ちょっと恒一君にくっ付き過ぎじゃない? 石投げましょ石」

夜・旧校舎

鳴「真っ暗だね」

赤沢「…」ガクブル

鳴「赤沢さん?」

赤沢「なっ、何よ!」

鳴「くっ付かれると重いんだけど」

赤沢「迷ったらどうするのよ! こんなに暗いのに!」

鳴「赤沢さんが『多佳子達を出し抜くのよ!』ってこの時間にしたんじゃない…」

鳴「…」スタスタ

赤沢「うぅ…」ビクビク

鳴「…こっちかな」ガラッ

赤沢「ちょっ!? きゅ、急に開けないでよ!」

鳴「…まさか赤沢さん、怖いの?」

赤沢「そっ…そんなわけないじゃない!」

鳴「じゃあここからは手分けして探そうか」

赤沢「は? いやいやいや一緒に探しましょ。そっちの方がいいわ。絶対に良い」

鳴「何で? 手分けした方が効率良いよ?」ニヤニヤ

赤沢「いいから! ほら! こっち探すわよ! ほら!」グイグイ

鳴「あ、足元に黒いモノが…」

赤沢「いやあああああああああ!?」ギュー

鳴(ヤバイこれ楽しいかも…///)ゾクゾク

赤沢「ふぇぇ…」グスッ

鳴「無いな…」ガサゴソ

赤沢「もう帰りましょうよぉ…」ヒック

鳴「何のために来たの。赤沢さんも探したら?」

赤沢「恒一君…恒一君…」グスッ

鳴(やりすぎちゃったかな…)

鳴「あ。これかな?」ペリペリ

赤沢「か、帰りましょ! ね? ね?」グイグイ

鳴「再生機持って来てるよ。聞いていこ」

赤沢「えぇ…」

鳴「これ聞いたらね。がんばろ」

赤沢「ぐすっ…」コクン

鳴(かわいい…)

松永『死者を殺せ。あと彼女募集中です』

鳴「死者を殺す…。どう思う?」

赤沢「」

鳴「赤沢さん?」

赤沢「」

鳴「…はぁ、もう。帰るよ赤沢さん」グイッ

赤沢「」ズリズリ

ちょっとお風呂行ってくる

赤沢「ついに現象の解決方が分かったわね! 流石は私!」

鳴「見つけたの私だけどね。それでどうする?」

赤沢「…どうしましょうか」

鳴「死者、誰か分かる?」

赤沢「…」フルフル

鳴「…」

赤沢「本人にも分からないのよね? どうしようも無いじゃない…」

鳴「…意外と赤沢さんだったりして」

赤沢「はァ!? そ、そういう見崎さんかもしれないじゃない!」

鳴「…」

赤沢「…」

鳴「…もし、私が死者だったら――」

赤沢「…もう止めましょ。こんな事意味無いじゃない」

鳴「…うん」

赤沢「でももし、私が死者だったら見崎さんが殺してね」

鳴「…赤沢さんは違うと思うよ。元気だし」クスッ

赤沢「もしもの話よ。それより合宿よ合宿! 恒一君と一つ屋根の下…風呂も覗き放題…ふひひ…///」

鳴「美味しいものあるといいけど…」

松永『死者を殺せ。あと彼女――』ブツッ

恒一「…」

杉浦「…」

恒一「これ、どう思う?」

杉浦「…死者さえ特定出来れば、やる」

恒一「でもクラスメイトだよ?」

杉浦「でもやる。死にたくないもの」

恒一「…」

杉浦「…アンタに死なれても困るし」

恒一「杉浦さん…」

合宿

高林祖母「ゆっくり楽しんでね(最後の晩餐をなあああああああ!!)」

鳴「おいちい」モギュモギュ

赤沢「恒一君の横顔を堪能しながらのご飯は格別ね! 最高!」モグモグ

鳴「おかわりー」

赤沢「ほら恒一君あーんして! 遠慮しなくていいのよ!? ほら! ほら!」グイグイ

恒一「お、おいしいね杉浦さん」

杉浦「…ちょっと、皆いい?」ガタッ

ナンダナンダ ドウシタ

杉浦「実は、現象の解決方が分かったの」

恒一「ちょっ!?」

杉浦「それで、死者を判別する必要があります。皆には死者の疑いがある人を――」

恒一「ま、待ってよ! ダメだってそんなの!」

杉浦「――じゃあどうしろってのよ!!」バンッ

シーン

赤沢「…た、多佳子?」

杉浦「…ごめん、今の無しで。もう部屋戻るね」

恒一「ちょ…待って! 杉浦さん!」

オイドウイウコトダヨ サァナ オイワクイシニソウナンダケド

鳴「…」

部屋

恒一「杉浦さん? 入るよ」

杉浦「…」

恒一「…大丈夫?」

杉浦「平気。ほっといて」

恒一「どうしてあんな事言ったの?」

杉浦「…だって、ああでもしなきゃ」

恒一「でもあれじゃ余計に混乱するだけだよ」

杉浦「じゃあどうすりゃいいのよ…」グスッ

杉浦「私だって考えたわよ。一杯考えて、でも分かんなかったの。ああするしかないじゃない」

恒一「…」

杉浦「…やっぱり私ダメだよ。泉美みたいに出来ないよ」

恒一「…僕がいるよ」ギュッ

杉浦「…」

恒一「杉浦さん一人じゃ出来なくても僕がいるよ。小椋さんも綾野さんもいる。だから皆で考えよう?」

杉浦「…出来るかな。泉美みたいに」

恒一「杉浦さんならできるよ。僕がついてる」ニコッ

杉浦「――うん」

部屋

赤沢「何で私達はこんな離れなのよ…」ブツブツ

鳴「…ねぇ、さっきのどう思う?」

赤沢「多佳子の事? 多分疲れてるのよ。普段はもっと冷静なのに」

鳴「追い詰められてるのかな」

赤沢「あんまり強い子じゃないから。だから私達第二対策係が現象を止めないと」

鳴「…杉浦さんとは友達なんだよね? 大切?」

赤沢「な、何よいきなり。…友達だしね。大切よ」

鳴「じゃあ、早く解決しなくちゃね」

赤沢「ま、それより今は恒一君のお風呂を――」

鳴「私ね、死者が分かるの」

赤沢「…………は?」

赤沢「は? え?」

鳴「…いきなり言っても信じられないよね」

赤沢「し、知ってるの!? 誰が死者か!」ガシッ

鳴「うん」

赤沢「じゃあ何で言わなかったのよ!」

鳴「言っても意味無かったし。でも、今なら…」

赤沢「…説明しなさい。全部」

鳴「…どうこから話そうかな。あれは私が四歳の頃――」

赤沢「死の色が見える義眼…現象が始まってたのは四月…」

鳴「…」

赤沢「恒一君と病院で会ってた…!」ギリッ

鳴「そこはどうでもいいよ…」

赤沢「…正直荒唐無稽ね」

鳴「だよね」

赤沢「何でもっと早く言わなかったの?」

鳴「言っても意味無かったし。私いないものだったしね」

赤沢「だったら私に言えば良かったじゃない!」

鳴「…」

赤沢「お母さんとの事だって言ってくれれば…」

鳴「だって…」

赤沢「私が信じないと思ったの?」

鳴「…うん」

赤沢「…信じるわよ。だってほら、アレよ」モゴモゴ

鳴「?」

赤沢「…とっ、友達、でしょ…私達…///」

鳴「友達…」

赤沢「妹さんの事、辛かった?」

鳴「…」コクン

赤沢「私もおにいが死んだ時辛かった。でも恒一きゅんと出逢って運命を感じて対策係になって頑張ろうと思ったの。アンタもうじうじしてんじゃないわよ」

鳴「…今はいないものだけどね」プッ

赤沢「そ、それはいいの!」

鳴「それでどうするの?」

赤沢「…行くわよ。こればっかりは恒一君にはさせられないもの」

鳴「うん」

数日後

赤沢「死者は三神先生で、私と鳴で現象を解決したの!」

勅使河原「へーへー分かったって。スゴイネー」

赤沢「殺されたいのか馬鹿河原来年の死者にしてやろうか? あ?」

鳴「…もう止めなよ。誰も覚えてないんだから」

赤沢「何言ってんのよ! ああああああああもう『現象解決して恒一きゅんのハートゲットだゾ』計画がパーじゃないもおおおおおおお!!」

鳴(テープで全部忘れるって言ってたのに…)

赤沢「…恒一君は?」

鳴「杉浦さんとデートだって」

赤沢「はあああああああああああああああああ!?」

鳴「あの二人、もうすっかりカップルだよね。もう現象も終わって対策係も無くなったのにベッタリだし」

赤沢「ざけんじゃないわよ! 現象解決したの私よ!?」

鳴「…ま、榊原君が選んだのなら仕方ないんじゃない?」

赤沢「アンタそれでいいの!?」

鳴「赤沢さんいるしね」クスッ

赤沢「冗談言ってんじゃないわよ! 邪魔しに行くわよ鳴!」

鳴(冗談じゃないんだけどなぁ…)


赤沢さんの対策はこれからだ!

おわり

くぅ疲
見てくれた人さんきゅー
誰か鳴ちゃんか赤沢さんとイチャイチャするやつ書いてくれよぉ…

赤沢さんメインと聞いたから赤沢さんルート期待してたのに…

>>235
すまんな
今度ちゃんと赤沢さん√考えるわ

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