櫻子「そういうもんなのかな?」ちなつ「そういうもんだよ」(197)

立ったら

京子「あ~…」

綾乃「……」

京子「だるい~…」

綾乃「……」

京子「暇だ~…」

綾乃「……」

京子「綾乃、プリン食べていい?」

綾乃「何なのよ!もう!!」

京子「どうしたの急に~?」

綾乃「どうしたのって…」

綾乃「毎度毎度生徒会室でだらだら過ごしといて、どうしたもこうしたもないでしょ!!」

京子「いや、だって暇だし…」

綾乃「暇って…生徒会室はあなたの暇をつぶしの場所じゃないわよ!」

綾乃「そもそもごらく部の方はどうしたのよ?部長が生徒会室でダラダラしてていいの?」

綾乃「ここ最近生徒会室に入り浸りっぱなしじゃないの」

京子「あ~それがね」

京子「最近結衣が受験勉強で忙しいからってあんまり部活に来れなくなってさ」

京子「新入部員いないし結衣放っておいて3人でどうこうするのもアレだからって」

京子「毎日部活やるのはやめて決めた日に部活やろうってことになったんだよ」

千歳「歳納さんは勉強せんでええの?」

京子「だって今日は気分が乗らないし…」

綾乃「『今日は』じゃなくて『今日も』でしょ!」

京子「そうとも言う」

綾乃「はぁ…」

京子「でも綾乃達も受験シーズンなのに生徒会の仕事って大変だね」

綾乃「生徒会長なんだからこれぐらい当たり前よ」

京子「お~関心関心」

綾乃「あなたも毎日毎日ダラダラしてないで早く家に帰って勉強したら?」

京子「え~」

綾乃「え~じゃない」

京子「じゃあここで勉強しよう」

綾乃「仕事の邪魔になるからダメに決まってるでしょ」

京子「大丈夫大丈夫ちゃんと勉強するから」

綾乃「あなた人の話聞いてた!?」


――――――――――――――――――――

綾乃「ほんと歳納京子は勝手なんだから」

千歳「またそんなこと言うて~」

千歳「綾乃ちゃん本当は歳納さんが来てくれて嬉しいんちゃう?」

綾乃「そ、そんなわけないでしょ!」

千歳「今日だって歳納さんからずっと見られてるのほんとは気づいとったんやろ?」

綾乃「気づいてない!!///」

千歳「気づいとったやん~、何や嬉しそうやったし」

綾乃「べ、別に嬉しくなんか…」

千歳「人から注目されて嬉しそうにする綾乃ちゃん始めてみたわ~」

千歳「前に大室さんに追っかけまわされた時は大慌てやったのに」

綾乃「うう~///」

千歳「ふふ」

千歳「綾乃ちゃん」

千歳「本当は歳納さんのこと好きなんやろ?」

綾乃「え…!?」

綾乃「べ、別に歳納京子の事なんかこれっぽっちも好きじゃないわよ///!」

千歳「嘘やろ」

綾乃「ほ、ほんとよ!」

綾乃「別に歳納京子の事なんて…」

千歳「……」

綾乃「千歳…?」

千歳「綾乃ちゃん、もういい加減素直になってもええんやないの?」

綾乃「…!」

千歳「うちらももう3年生、卒業まであっという間やで」

千歳「このまま何もせんで本当にええの?」

千歳「このまま卒業しても、後悔せえへん?」

綾乃「そ、それは…」

千歳「……」ニコニコ

綾乃「……」

千歳「それじゃうちはこっちやから」

綾乃「あ…」

綾乃「ま、待って千歳」

千歳「また明日な~綾乃ちゃん」

綾乃「行っちゃった…」

綾乃「……」

綾乃「そうなのよね…」

綾乃「もう、ほとんどない…」

綾乃「歳納京子と一緒に居る時間は…」

綾乃「……」

――――――――――――――――――――

【生徒会室】

京子「ふわぁ…」

綾乃「おはよう、歳納京子」

京子「あ、綾乃~おはよぉ~」

綾乃「今日はずっと寝てたわね」

綾乃「来てそうそう寝ちゃったからびっくりしちゃった」

京子「いや~生徒会室があったかくてつい…」

綾乃「ふふ、よく眠れた?」

京子「気持ちよかった~」

綾乃「そう、それは良かった」

京子「……」

京子「なんか最近の綾乃変だよ」

綾乃「え?そ、そうかしら?」

京子「うん」

京子「普段の綾乃だったら『生徒会室で居眠りなんて罰金バッキンガムよー!』とか言うのに」

綾乃「そ、そうだったかしら?」

京子「なんか気が抜けるな~」

綾乃「……」

京子「……」

京子「ねぇ綾乃」

京子「もしかして何か悩みでもあるの?」

綾乃「え…?」

京子「最近なんか浮かない顔してるし」

京子「私でよかったら相談に乗るよ」ニコ

綾乃「歳納京子…」

京子「言ってごらんよ」

綾乃「……」

綾乃「……///」

京子「あっ…言いたくなかったら別に…

綾乃「好きな子が、いるの…」

京子「え…?」

綾乃「私ね、好きな子がいるの」

京子「好きな子?」

綾乃「ええ」

京子「……」

京子「え、えっと…」

京子「まさか悩みって恋とかそっち系の話?」

綾乃「……///」コクン

京子「うおぉ…」

綾乃「どうしたの?」

京子「い、いや~まさか綾乃の口からそんな言葉が出てくるなんて」

綾乃「へ、変かしら…」クス

京子「変って言うかちょっとビックリした」

京子「それで?やっぱその子に告白するの?」

綾乃「……」フルフル

京子「…?」

綾乃「私ね、告白するのが恐いの」

京子「恐い…?」

綾乃「振られて今までの関係が壊れるのが恐いの…」

京子「……」

綾乃「私だってね、本当はその子に自分の気持ちを打ち明けたい」

綾乃「素直に好きって言いたい」

綾乃「……」

綾乃「でも、いつも考えちゃうの…」

綾乃「振られてその子に嫌われたら、気まずくなったらどうしようって」

綾乃「卒業までの残り少ない時間をその子と一緒に過ごせなくなったらどうしようって」

綾乃「恐くて恐くてしかたないの…」

京子「綾乃…」

綾乃「……」

京子「そっか…」

京子「それでずっと悩んでたんだね」

綾乃「……」コクン

綾乃「私、どうしたらいいか分からなくて…」

京子「……」

京子「私はそれでも告白すべきだと思うよ」

綾乃「え…?」

京子「確かに振られるのはすっごく恐いもんね」

京子「好きな子と一緒に居られなくなるのだってすっごく辛い」

京子「でもね綾乃」

京子「本当に恐いのは自分の気持ちに正直になれないことだよ」

綾乃「…!」

京子「言いたいこと言えない方がずっとずっと恐いと私は思うよ」

京子「そのまま告白しないで卒業しちゃったらさ、『もしあそこで告白してれば付き合えたかも』ってずっと引きずることになっちゃうし」

京子「何より自分の本当の気持ちに嘘をつき続けるのは本当に辛いことなんだよ」

京子「絶対後悔すると思うよ」

綾乃「歳納京子…」

京子「……」

綾乃「でも…」

京子「それにさ、綾乃は絶対に振られないと思うよ」

綾乃「え…?」

京子「だって、綾乃ってすっごく優しいし、思いやりもあるし」

京子「それにとっても可愛いじゃん!」

綾乃「……」ポカーン

京子「……」ニコ

綾乃「な…///」

綾乃「ななな…///」

綾乃「何言ってるのよ!!歳納京子!!!///」

京子「ほら!そうやって照れてる顔とかすっごい可愛い!」

綾乃「べ、別に照れてなんか…///」

京子「これで振れって言う方が無理だって~」

綾乃「うぅぅ…///」

綾乃「何なのよ、もう…!///」

京子「えへへ」

綾乃「……///」

京子「うん」

京子「やっぱ綾乃はさ、そうやって照れたり笑ったりしてる時が一番だって」

京子「さっきみたいにウジウジして落ち込んでる綾乃よりずっと可愛いよ」

綾乃「歳納京子…」

京子「綾乃なら大丈夫だって」

京子「きっと大丈夫」

綾乃「……」

綾乃「そうね…」

綾乃「いつまでもウジウジしてたってしょうがないものね」

京子「うん」

綾乃「私頑張ってみる」

綾乃「思い切って自分の正直な気持ちをぶつけてみる」

京子「うんうん、その意気その意気」

京子「綾乃ならきっと上手くいくよ」

綾乃「…うん!」

京子「へへ」

綾乃「あの…」

京子「ん?なに?」

綾乃「……///」

綾乃「ありがとう、歳納京子…///」ボソ

京子「……!」

京子「どういたしまして」ニコ

京子「さ~て、そろそろ帰…」

京子「……」

京子「って、もうこんな時間じゃん!」

綾乃「気づいてなかったの?」

京子「そんな、いつの間に…」

綾乃「あなたが寝てる間に」

京子「そういや生徒会の子も誰もいない…」キョロキョロ

綾乃「もうみんなとっくに帰っちゃったわよ」

京子「……」

京子「うぅぅ…」

京子「居眠りで学校に居残りって私馬鹿みたいじゃん!」

京子「綾乃ぉ~!何でもっと早く起こしてくれなかったんだよ~!」

綾乃「そ、それは…」

綾乃「……」

綾乃「可愛かったから…///」ゴニョ

京子「へ…?」

京子「今、なんて?」

綾乃「……///」

綾乃「好きな人の寝顔が可愛かったから…///」ゴニョゴニョ

京子「……?」

綾乃「だ~か~ら!!」

綾乃「好きな子の寝顔が可愛かったから起こせなかったの!!!」

京子「……」ポカーン

京子「好きな子の、寝顔…?」

綾乃「……///」コクン

京子「……」キョロキョロ

京子「え、えっと…」

京子「それって…」

京子「私のこと…?」

綾乃「……///」コクコク

京子「……」

京子「……///」カァ~

京子「じゃ、じゃあ綾乃が好きな人ってもしかして…」

綾乃「……///」

京子「……」

綾乃「歳納京子」

京子「ま、まって…そんな急に言われても///」

綾乃「歳納京子!!」

京子「ひゃい!」

綾乃「あなたは私に素直になってほしいって」

綾乃「自分の気持ちに嘘をついてほしくないって私に言ってくれたわよね」

京子「……」

綾乃「だから…」

綾乃「だから言わせて」

綾乃「私の本当の気持ちを全部」

綾乃「ずっとずっと言いたかったこと全部」

京子「綾乃…」

綾乃「……」

京子「……」

京子「う、うん、わかったよ」

綾乃「ありがとう、歳納京子」

綾乃「……」

京子「……」ゴク

綾乃「……すぅ」

綾乃「私、歳納京子のことが好き」

綾乃「それも友達としてじゃなくて、一人の女の子としてあなたのこと好き」

綾乃「私はもっともっとあなたの事が知りたい」

綾乃「あなたのそばにずっと一緒に居たい」

綾乃「だから…」

綾乃「私と付き合ってください!」

京子「……」

京子「そっか…」

京子「私のことそう思っててくれてたんだ」

綾乃「……」

京子「何だろう」

京子「すっごい嬉しい」

綾乃「……!」

京子「私もさ、ずっと気になってたんだ」

京子「何で綾乃の事をこんなに意識してるんだろうって」

京子「初めは綾乃と友達になりたいから気になってるんだって思ってた」

京子「でも綾乃と友達になってからもモヤモヤが全然治んなくてさ」

京子「気づいたら、プリントわざと忘れたり、生徒会室に乗り込んだり、ちょっかい出したり…」

京子「綾乃に構ってもらいたく必死になってた」

綾乃「歳納京子…」

京子「ずっとずっとどうしてなんだろうって考えてた」

京子「でも、やっと分かった」

京子「綾乃に好きって言われてやっと気づけた」

京子「……」ニコ

綾乃「え……?」

京子「……」ギュッ

京子「私も綾乃の事が大好きだったんだ」

京子「友達でも、親友でもなくて」

京子「本当は恋人になりたかったんだって」

綾乃「あ…」

京子「好き、綾乃の事すっごく大好き」

京子「私も綾乃のそばに居たい、ずっと一緒に居たい」

京子「だから付き合おう綾乃」

綾乃「歳納…京子…」グスッ

京子「これからずっと一緒だよ」

綾乃「うん…!」

【綾乃の家】

京子「……」

綾乃「……」カリカリカリカリ

京子「……」

綾乃「……」カキカキカキカキ

京子「ねぇ、綾乃」

綾乃「何?歳納京子?」

京子「今日ってさ…日曜日だよね?」

綾乃「そうね」カリカリカリカリ

京子「私たちって付き合ってるんだよね?」

綾乃「そうね」カキカキ

京子「私と一緒に居て楽しい?」

綾乃「そうね」カリカリカリカリ

京子「……」

京子「じゃあさ…」

京子「私の事好き?」

綾乃「……」ピタ

綾乃「好き」ニコ

京子「……!」

京子「なら今日どっか遊っ…!

綾乃「ダメ」

京子「……」

綾乃「……」カリカリ

京子「……」

京子「うあぁぁぁぁぁぁん!!!」

綾乃「どうしたのよ急に?」

京子「だって…だってさ!」

京子「私たち付き合ってるんでしょ!?」

京子「ならもっとデートしたりしてイチャイチャしようよ!」

京子「毎日毎日勉強ばっかじゃつまんないって~」

綾乃「……」

綾乃「あのね歳納京子」

綾乃「受験本番までもうとっくに2ヶ月切ってるのよ」

綾乃「今の私たちに遊ぶ時間なんてないの」

綾乃「もしここで油断して私とあなたどっちかが落ちたらどうするの?」

綾乃「一緒の高校に通えなくなるのはあなたも嫌でしょ?」

京子「そりゃ、そうだけど…」

綾乃「だったら頑張らないと」

京子「う~…」

京子「……」

綾乃「……」カキカキカキカキ

京子「はぁ…」

京子「綾乃があと1年早く告白してくれてればな~」

京子「そしたらもっとデートとかいっぱい行けてたのにな~」

京子「……」チラ

綾乃「な、何よ…?」

京子「いや、別に」プイ

綾乃「……」

京子「せっかくの日曜日なのに朝から綾乃の家で勉強かぁ…」ボソボソ

京子「綾乃と一緒にデートに行きたかったなぁ…」ボソボソ

京子「……」チラ

綾乃「はぁ…」

綾乃「仕方ないわね」

京子「……!」

京子「じゃあ…」

綾乃「息抜きにちょっと出かけるだけなんだからね」

綾乃「昼過ぎには帰ってちゃんと勉k…

京子「ねぇ!ねぇ!じゃあどこ行こっか?」

京子「私ちょっと行ってみたいところがあんだけどさ~」

綾乃「ちょ、ちょっと歳納京子!人の話を…

京子「綾乃大好き~!」ギュッ

綾乃「ひゃあ!///」

京子「好き好き~」スリスリ

綾乃「うぅぅ…///」

【夕方】

京子「楽しかったね~綾乃」

綾乃「ええ」

京子「あんなにはしゃいでる綾乃久しぶりに見たよ」

綾乃「そ、そんなに私はしゃいでたかしら…///」

京子「大はしゃぎだったよ~ほんとビックリ」

綾乃「……ッ///」

綾乃「歳納京子と出かけたの久しぶりだったから…///」

京子「へへ」

京子「私も久しぶりに綾乃とデートできて楽しかった」

京子「また今度一緒にどっかに行こう…


カァーカァーカァー


京子「ね…?」

綾乃「……」

京子「……」

綾乃「……」

綾乃「…って」

綾乃「もう夕方じゃないの!?」

京子「あ、あはは…」

綾乃「あはは…って、笑ってる場合じゃないでしょ!」

京子「い、いや~楽しい時間は過ぎるのが早いね!」

綾乃「あぁぁ…昼過ぎには帰って勉強するはずだったのに…」

綾乃「いつの間にか歳納京子に振り回されて…」

京子「む…」

京子「失礼な!振り回してたのはどっちかというと綾乃の方だったじゃん!」

綾乃「な…何言ってるのよ!」

綾乃「それはあなたでしょ!」

京子「あれあれ~?ゲーセンのクレーンゲームで何時間も張り付いてたのは誰だったっけ~?」

綾乃「……!」

綾乃「そ、それは…」

京子「ムキになって連コインするしさ~」

綾乃「あ、あれは…ただクラゲ三姉妹のぬいぐるみがどうしてもほしかっただけで…///」ゴニョゴニョ

京子「私が取ってあげるって言っても全然聞かなかったし」

綾乃「だって…自分で取ってみたかったんだもの…」

京子「結局私が取ってあげたんだよね~」

綾乃「あ、あなたに頼らなくてもそのうち私が取ってたわよ!!」

京子「そういう割には私が取ってあげたらすっごい喜んでたよね?」

綾乃「ッ…///」

京子「あの時の綾乃可愛かったな~」

綾乃「うぅぅ…///」

京子「子供みたいにはしゃいでて、面白かったよ~」」

綾乃「やめて…///」

京子「あっはっは」

綾乃「もう…!///」

京子「はぁ~」

京子「今日は綾乃とデートできて良かった」

京子「本当」

綾乃「ど、どうしたのよ、急に…?」

京子「いやね、今日綾乃とデートしててさ」

京子「綾乃と一緒の高校に通えたらもっと楽しいんだろうな~とか思っちゃった」

綾乃「歳納京子…」

京子「綾乃」

京子「絶対に二人で一緒の高校に行こうね」

京子「私と綾乃はこれからもずっと一緒だから」

綾乃「…うん!」

京子「さ~て!これからはもっと頑張らないとね!」

綾乃「サボったりしちゃダメよ」

京子「綾乃こそ、根詰めすぎて倒れないようにね」

綾乃「わかってるわよ」
――――――――――――――――――――

【試験当日】

京子「おはよう綾乃~」

綾乃「あっ、歳納京子」

綾乃「お、おはよう…」ガチガチ

京子「どうしたの~?元気ないよ?」

綾乃「……」

綾乃「そんなことは…」カチコチ

京子「う~ん」

京子「もしかして綾乃、緊張してる~?」

綾乃「……!」

綾乃「べ、別に緊張なんてしてないわよ…」

京子「ほんとかな~?」

綾乃「緊張してない…!」

綾乃「……」ソワソワ

京子「……」

京子「ふ~ん…」

京子「それ~!」ギュッ

綾乃「…!」ビクッ

京子「ふふ~♪」ギュー

綾乃「な、ななな!///」

綾乃「何するのよ!歳納京子!!?///」

京子「いや~、これで少しは緊張がほぐれるかなって」

綾乃「緊張してない!///」

京子「大丈夫大丈夫、私がすぐに緊張をほぐしてあげるって~」

綾乃「だ!か!ら!緊張なんてしてないって言ってるでしょ!!!///」

京子「お~!いつもの綾乃に戻った~!」

京子「やっぱ綾乃はこうでなくっちゃね」

綾乃「……!」

京子「この調子ならきっと大丈夫だよ」

綾乃「……///」

綾乃「あ、あなたに心配されなくても試験ぐらい余裕よ余裕!///」プイ

綾乃「心配はノンノンノートルダムなんだから!」

京子「……」

京子「ノンノンノートルダム…」

綾乃「ふん…///」

京子「そ、そうだよね…!綾乃だったら楽勝だよね!」

綾乃「当然よ!///」

京子「あはは…」

京子「そんじゃ行こっか」

綾乃「あっ…」

綾乃「待って、歳納京子…」

京子「何?」

綾乃「その、えっと…」

綾乃「……///」

綾乃「ありがと……///」ボソ

京子「……!」

京子「おう!」

試験はあっという間に終わった

当日の朝は本当は緊張で押しつぶされそうだったけど

歳納京子が居てくれたおかげで試験中は全然緊張しなかった

歳納京子はというと、試験が終わった後もおちゃらけてて気楽そうな様子だった

そんな様子を見て大丈夫だったんだと安心できた

そして

【結果発表当日】

京子「……」

綾乃「……」ソワソワ

京子「……」

綾乃「……」ソワソワ

京子「綾乃」ポン

綾乃「」ビクッ

綾乃「な、ななな何かしら?歳納京子」

京子「緊張し過ぎだって」

綾乃「で、でも…」

京子「手ごたえはあったんでしょ?なら大丈夫だって」

京子「私も綾乃も絶対受かってるよ」

綾乃「う、うん…」

京子「…って、お!張り出されたみたいだよ」

綾乃「……!」

京子「一緒に見に行こうか?綾乃」

綾乃「……」

綾乃「……」コクン

………


綾乃「……」

綾乃(204…206…207…)

綾乃(208…209…)

綾乃「あっ…」

綾乃「……」

綾乃「あった…」

綾乃「歳納京子!私…」

京子「綾乃~!!!」ギュッ

綾乃「ひゃあ!?」

京子「私も受かった!受かったよ!!綾乃!!」

綾乃「と、ととと、歳納京子!///」

京子「良かった、本当良かった…」グスッ

京子「うぅぅ…」ポロポロ

綾乃「歳納京子…」

綾乃「もう、一番おちゃらけてたあなたが泣いてどうするのよ…」グスッ

京子「ぐす、えっぐ…」

京子「これで、ずっと一緒だよね…」

綾乃「はぁ…当たり前よ」

綾乃「約束したじゃない、私とあなたはこれからもずっと一緒だって」

―――――
――――
―――
――

京子「いや~でも綾乃と同じクラスで良かったよ」

綾乃「私もよ」

綾乃「周りが知らない子ばっかりだったから、あなたが同じクラスでほんと良かった」

京子「えへへ」

京子「そういや、綾乃はどこの部活に入るか決めたの?」

綾乃「まだ決めてないけど…」

綾乃「とりあえず生徒会に立候補してみようかなって思ってる」

京子「あ~、中学の頃生徒会長だったもんね」

京子「綾乃にピッタリだと思うよ」

綾乃「ふふ、ありがとう」

綾乃「歳納京子は?」

京子「う~ん…」

京子「ごらく部もないし、私は漫研に入ろうかなって思ってる」

京子「前から結構興味あったし」

綾乃「漫研かぁ、あなた絵描くの上手だものね」

京子「いや~照れますな~」

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、あかり達のみんなへのメッセジをどぞ

京子「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

京子「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

京子「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

京子「・・・ありがと」ファサ

では、

京子、俺「皆さんありがとうございました!」



京子、「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

結局あの後、私は生徒会に、歳納京子は漫研に入ることになった

高校生活は中学よりも毎日がすごく新鮮でとても楽しいものだった

人見知りだった私も歳納京子を通じて沢山の友達が出来たし

何より大好きな歳納京子と一緒に居られるのがとっても嬉しかった

私も歳納京子もこんな毎日がずっと続けばいいなと思ってた

いや、思っていたはずだった…

京子「綾乃」

綾乃「歳納京子…」

京子「あのさ…」

京子「今度の日曜日…、よかったら一緒にどっか出かけない?」

京子「久しぶりに、さ…」

綾乃「え…?あ、えっと…」

京子「あ…、用事があるなら別に…」

綾乃「べ、別にそういうわけじゃ!」

綾乃「そういうわけじゃ…」

京子「……」

京子「綾乃はさ…、私の事好き?」

綾乃「……!」

綾乃「好き」

綾乃「好きに…決まってるじゃない」

京子「あはは、そうだよね…」

京子「私も綾乃の事が好きだよ」

綾乃「うん…」

京子「……」

綾乃「……」

2年になるころ

私も歳納京子もお互い上手く接することができなくなっていた

気づいたら私は歳納京子に壁を感じるようになって、いや…歳納京子も私に対して壁を感じるようになっていた…

どっちも相手のことが好きなのがわかってるのに

お互いに気を遣い合ってるような

何か遠慮してるような


よくわからない関係になっていた

【綾乃の家】

綾乃「……」

綾乃「今日は日曜日…」

綾乃「……」

綾乃「何で断っちゃったんだろう…」

綾乃「……」

綾乃(いつもなら喜んで歳納京子とデートしてたのに…)

綾乃(いつからだろう、歳納京子と一緒に出掛けなくなったのは…)

綾乃(歳納京子の事が嫌いになったのかしら?)

綾乃(……)

綾乃(いや違う…)

綾乃(それだけははっきり違うって言える…)

綾乃(やっぱり私は歳納京子のことが好き)

綾乃(好き…なのに…)

綾乃(なのに何で一緒に居るのがこんなに辛くなってるんだろう)

綾乃「……」

綾乃「はぁ…」

綾乃「ちょっと外に出かけて気分転換してこようかしら」

綾乃「まだ晩御飯まで時間あるし」

―――――――――――――――――――――

綾乃「……」トボトボ

綾乃(本当は今頃は歳納京子は一緒に…)

綾乃(……)

綾乃「…って」フルフル

綾乃「気分転換で外に出たのに同じことで悩んでてどうするのよ」

綾乃「気持ちを切り替えないと…」

綾乃「……」

綾乃「でも…」

「あれ?綾乃…?」

綾乃「え…?」

結衣「あ、やっぱり綾乃だ、久しぶり」

綾乃「船見さん…」

喫茶店】

結衣「こんなところで綾乃と合うなんて」

結衣「今日は京子と一緒じゃないの?」

綾乃「え?ええ…」

結衣「そっか」

結衣「高校が別々になってからアイツともあんまり会えなくなったから」

結衣「久しぶりに顔を見たいって思ってたんだけど」

綾乃「船見さんは今日はどうしたの?」

綾乃「こんな時間に、何かの帰り?」

結衣「え、あ…、いや…///」

綾乃「どうしたの?」

結衣「……///」

綾乃「……?」

結衣「デートの帰り…///」ボソ

綾乃「……!」

結衣「……///」

綾乃「ぷっ」

結衣「わ、笑うなよ///」

綾乃「船見さんがそういう風に照れてるの初めてだったからつい」

結衣「はぁ…///」

綾乃「相手はどんな人なの?」

結衣「ん?ああ、陸上部の先輩だよ」

綾乃「へぇ~陸上部の」

結衣「うちの学校の陸上部って、男女一緒でさ」

結衣「だから先輩と一緒に練習したり一緒に帰ったりすることも多くてさ」

結衣「それで、いつの間にか先輩のことが好きになってって」

結衣「その…」

結衣「思い切って告白したらOK貰って…///」

結衣「それで付き合うことになったんだ…///」

綾乃「そうだったの」

結衣「……///」

綾乃「その人って良い人?」

結衣「うん、優しいし、一緒にて楽しいよ」

結衣「ちょっと抜けてる所があるけどね」

綾乃「ふふ、そう」

綾乃「……」

綾乃(そういえば…)

綾乃(船見さんには私たちってどう見えてたのかしら)

綾乃(やっぱりお互い好きあってるように見えてたのかな…)

綾乃「……」

綾乃「ねぇ…船見さん」

結衣「何?綾乃?」

綾乃「船見さんって、その…私と歳納京子のことどう思う?」

結衣「綾乃と京子…?」

結衣「どうしたのさ?急に」

綾乃「あ、いや、ちょっと気になってね」

結衣「それって、女同士で付き合う事どう思ってるかってこと?」

綾乃「え…?」

結衣「うん?違うの?」

綾乃「あ…、そう、そうなの」

綾乃「船見さん私たちの事どう思ってるのかな~って…」

結衣「う~ん」

綾乃「……」

綾乃(違う事聞いちゃった…)

結衣「……」

結衣「実はね、私も女の子から告白されたことがあるんだ」

綾乃「え…?」

綾乃「船見さんが…?」

結衣「うん…」

結衣「後輩の子からね」

綾乃「……」

綾乃「知らなかった…」

綾乃「それで、その子とはどうしたの…?」

結衣「断ったよ」

綾乃「……」

結衣「その子のことは私も好きだったんだけどさ」

結衣「私の好きは友達や後輩としての好きだったからね」

結衣「それに私自身女同士で付き合うってことがよくわからなかったから」

綾乃「そう、だったの…」

綾乃「……」ズキ

綾乃(あれ…?)

綾乃(何で船見さんの言ってることが引っ掛かってるんだろう…?)

綾乃「……」

綾乃「付き合うってことがよくわからなかった…」

結衣「あ、いや、別に綾乃達がおかしいとかそういう事じゃなくて」

結衣「私自身そのことに本気で向き合える自信がなかったからさ…」

綾乃「船見さん…」

結衣「多分その子は私のこと本当に好きでいてくれたんだと思う」

結衣「ただその子の私に対する好意の形が勘違いとかだったらどうしようって不安になってさ」

綾乃「勘違い…?」

結衣「うん」

結衣「ただ相手のことが嫌いになって付き合うのが嫌になるならまだいいんだけど」

結衣「お互いに相手の事が好きなのにそういう勘違いが原因で付き合うのが嫌になるのはきっと辛いことだからさ…」

結衣「それに私の時は綾乃や京子の時みたいに両想いってわけでもなかったしね」

綾乃「……」

結衣「正直に言うとね、私は京子がちょっとだけ羨ましんだ」

綾乃「羨ましい?」

結衣「うん」

結衣「だって綾乃は京子の事を良くわかってるし」

結衣「それに同性で付き合うってことにに真剣に向き合ってる」

綾乃「真剣に…」

結衣「うん、じゃないと付き合えないよ」

結衣「今の今までずっとね」

結衣「そんな綾乃と一緒に居れる京子がちょっとだけ羨ましい」

綾乃「あ…」

綾乃「そんな私は…」

結衣「…っともうこんな時間」

結衣「そろそろ帰らないと」

綾乃「え…?あ…」

結衣「久しぶりに会えてよかったよ」

結衣「また今度一緒に遊ぼうよ」

結衣「京子も千歳も誘ってさ」

綾乃「そ、そうね…」

綾乃「……」

綾乃(……)

【綾乃の家】

綾乃(……)

綾乃(私が真剣に向き合ってる…?)

綾乃(付き合うことに…?)

綾乃(……)

綾乃(違う…違うのよ船見さん…)

綾乃(私も船見さんに言われてやっと気づいたの…)

綾乃(多分私も歳納京子も船見さんと同じ…)

綾乃(私ただ…、目を背けてただけ…)

綾乃(今になってようやく気づいて…)

綾乃(……)

綾乃(私は……)

―――――
――――
―――
――

京子「綾乃…」

綾乃「どうしたの急に?」

綾乃「放課後に二人で会おうって…」

綾乃「部活はいいの?」

京子「うん、大切な話だからさ」

綾乃「……」

京子「あの、さ…綾乃」

京子「私たち、別れよっか…」

綾乃「……!」

京子「……」

綾乃「……」

綾乃「そう、ね…」

京子「あんまり驚かないんだね…」

綾乃「ええ…」

綾乃「私も何となくこういう日が来るのわかってたから」

京子「……」

京子「ごめんね、綾乃」

綾乃「どうしたの?」

綾乃「別にあなたが謝ることじゃないわ」

京子「いや、そうじゃなくてさ」

京子「綾乃を私の我儘に付き合わせちゃったこと」

綾乃「……」

京子「私さ、女の子同士で付き合うことに憧れてたみたいでさ」

京子「だからこんな恋愛ごっこに浸って馬鹿みたいに浮かれて」

京子「自分がやってることがどんなに大変で間違ってることか真剣に考えもしないで」

京子「綾乃の気持ちも考えないで」

京子「それで…」

京子「それで綾乃を傷つけた…」

京子「ゴメン…」

綾乃「歳納京子…」

綾乃「ううん」

綾乃「そんなに自分を責めないで歳納京子」

京子「でも…」

綾乃「私も同じ…」

京子「え…?」

綾乃「私もあなたと同じだから」

京子「綾乃も…?」

綾乃「私もあなたへの憧れを勝手に恋心だって勘違いしてた」

綾乃「目の前が見えてなくて」

綾乃「だからお互い様よ…」

京子「綾乃…」

京子「……」

京子「けど…」

綾乃「ねぇ、聞いて歳納京子」

京子「……」

綾乃「たぶん私とあなたは付き合い方を間違えたんだと思うの」

綾乃「本当は友達でいるべきで恋人になんかなっちゃいけなかったのよ」

綾乃「中学の頃は女の子しかいない環境だったから、ちょっとだけ勘違いしちゃったんだと思うの」

綾乃「あなたも私も…」

綾乃「だからこれはどっちが悪いとかそういう話じゃないと思う」

綾乃「二人とも目がやっと覚めただけ、ただそれだけのことなのよ」

京子「綾乃…」

綾乃「いい?歳納京子…?」

京子「……」

京子「うん…」

綾乃「……」

京子「……」

京子「あのさ…」

京子「戻ろっか、普通の女の子に」

綾乃「……」

京子「私は綾乃の友達の歳納京子に」

京子「綾乃は私の友達の杉浦綾乃に」

綾乃「……」

綾乃「そう、ね…」

綾乃「それがいいわね…」

京子「……」

京子「綾乃」

綾乃「何?」

京子「私たち、これからも友達だよね?」

京子「ずっとずっと仲良しでいられるよね」

綾乃「……」

綾乃「ええ、もちろんよ」ニコ

綾乃「ずっと…」

綾乃「ずっと友達なんだから」


―――――
――――
―――
――

―――――――――――数ヵ月後、学校

綾乃「それでどうなのよ?」

綾乃「隣クラスの子…だっけ?」

京子「な…///」

京子「ななな、何で綾乃が知ってるの!?///」

綾乃「ちょっと隣のクラス子が話してるの聞いただけよ」

綾乃「付き合ってるんでしょ?」

京子「い、いや…それは…///」

綾乃「上手くいってるの?」

京子「何で綾乃がそんなこと気にするんだよ~!///」

綾乃「気にするって…当たり前じゃない」

綾乃「昔あなたと付き合ってたんだもの、そりゃ気になるわよ」

綾乃「今の歳納京子がどんな…」

京子「ちょ、ちょっと!///」ガバッ

綾乃「何y…ムググ」

京子「綾乃~」ゴニョ

京子「昔付き合ってたことはお互いのために秘密にするって約束したじゃん」ゴニョゴニョ

綾乃「……!」

綾乃「そ、そうだったわね、忘れてたわ…」

京子「はぁ…」

綾乃「ゴ、ゴホン…」

綾乃「それで実際どうなの?」

京子「うん、上手くいってるよ」

京子「カッコいいし、優しいし」

綾乃「そうよね、あなたが好きになった人なんだもの」

綾乃「きっといい人よね」

京子「うん」

京子「……」

京子「綾乃はさ、どうなの?」

綾乃「私はまだ好きな人はいないかな」

京子「え~ほんとなの~?」

綾乃「ほんとよ」

綾乃「副会長になってから生徒会の仕事が忙しくてそういう暇がないもの」

綾乃「それに私って内気だし」

京子「関係ないと思うけどな~」

京子「綾乃ってどっちかというとモテるタイプだし」

京子「そのうち誰かが告白してくると思うよ」

綾乃「そ、そうかしら…///」

京子「うん」

京子「綾乃は優しくて思いやりがあってすっごく可愛い」

京子「綾乃と付き合ってた私が言うんだよ、間違いないって」

綾乃「歳納京子…」

京子「えへへ」

綾乃「あなたも自分からばらしてるじゃない」

京子「……」

京子「し、しまったぁー!!」

京子「秘密にするって約束したばっかなのに!!」

綾乃「はぁ…」

綾乃「でも、まあ、ありがとね歳納京子」

綾乃「ちょっとだけ自身が付いたわ」

京子「そう?そりゃ良かった」

京子「…って」

京子「そろそろ私部活に行くね」

綾乃「行ってらっしゃい」

京子「綾乃も生徒会の仕事頑張ってね」

綾乃「わかってるわよ」

京子「じゃあね~」ピューン

綾乃「まったく…」

綾乃「相変わらず騒がしいんだから」

「綾乃は優しくて思いやりがあってすっごく可愛い」

「綾乃と付き合ってた私が言うんだよ、間違いないって」


「だってさ、綾乃ってすっごく優しいし、思いやりもあるし」

「それにすっごく可愛いじゃん!」


綾乃「……」

綾乃「間違いない、か…」

綾乃「言ってること昔と同じじゃないの」クス

綾乃「さてと…」

綾乃「私もそろそろ生徒会室に行かないと」


―――――
――――
―――
――

ちなつ「えっと…」

ちなつ「106号、106号…」

ちなつ「あ、ここね」


ピンポーン


「は~い」


ガチャンッ


京子「おー!来た来た!」

ちなつ「お久しぶりです、京子先輩」

京子「ちなつちゃん久しぶり~」

京子「ささ、上がってよ」

ちなつ「お邪魔します」

京子「いや~、まさかちなつちゃんがわたしと同じ大学に入学してくるなんて」

ちなつ「私だけじゃなくて櫻子ちゃんもここの大学ですよ」

京子「それほんと?」

京子「あれ~?ここの大学ってそんな簡単だったっけな~?」

ちなつ「私も櫻子ちゃんもかなり頑張りましたから」

京子「そういやちなつちゃんって櫻子ちゃんと同じ高校だったんだっけ?」

ちなつ「たまたま滑り止めで受けてた高校が同じだっただけですけどね…」

京子「でも大学は二人とも第一志望の所受かったんでしょ?良かったじゃん」

京子「私は知り合いの後輩が二人も増えて嬉しいよ」

ちなつ「私も知ってる人が先輩に居てホッとしました」

京子「うんうん、何か困ったことがあったら遠慮せず言っておくれよ」

ちなつ「……」チラ

京子「ん?どうしたのちなつちゃん?」

ちなつ「今気づいたんですけど、京子先輩の部屋きれいですね」

京子「ん~、そう?変かな?」

ちなつ「変っていうかイメージと違うっていうか…」

ちなつ「中学の頃の京子先輩の部屋って漫画やらコスプレの衣装やらが散らばってて凄かったじゃないですか」

ちなつ「だから一人暮らしでもっと酷くなってるんじゃって思ってて」

ちなつ「ちょっぴり意外です」

京子「あ~それがね~」

京子「今付き合ってる彼氏がさ、アニメとかオタクとかそういうのに全然理解無くて全部片づけちゃったんだよ」

ちなつ「片づけたって…京子先輩そういうの大好きだったんじゃないんですか?」

京子「ん~、前はそうだったけどミラクるんが終わってから急に冷めちゃってさ」

京子「ついでだから、この機会に卒業しようかな~って」

京子「それに彼氏も私の部屋に泊まることが結構多いし」

京子「それで部屋が散らかってるのもアレだからね」

ちなつ「そうだったんですか」

ちなつ「……ってあれ?」

ちなつ「京子先輩って今彼氏いるんですか?」

京子「うん、さっき言ったじゃん」

ちなつ「杉浦先輩とは別れたんですか?」

京子「……」ギクッ

京子「な、なな何の話かな~?」

ちなつ「何の話って…中学時代杉浦先輩に告白されて付き合ってたじゃないですか」

京子「あはは…そうだったっけ…?」

ちなつ「付き合ってたじゃないですか」

ちなつ「それはもうこっちが恥ずかしくなるぐらいベタベタと…」

京子「……」

ちなつ「京子先輩?」

京子「うわああああぁぁぁぁぁぁ!!!!」バタバタ

ちなつ「」ビクッ

京子「恥かしい!!!恥ずかしい!!!」バタバタ

京子「私はそんなの知らない!!」ゴロゴロ

ちなつ「ちょ、京子先輩!落ち着いt…

京子「昔の話は止めてぇぇ…」

――――
―――
――

京子「はぁ…はぁ…」

ちなつ「落ち着きましたか」

京子「……」

京子「お願いちなつちゃんそのことは誰にも言わないで」

ちなつ「え~どうしましょうか」ニヤニヤ

京子「!?」

京子「やめて!恥ずかしくて私死ぬって!!」ガシッ

ちなつ「でも~」

京子「ほんとやめて!!今の彼氏にばれたら引かれる!ほんと引かれるから!!」

ちなつ「……」

ちなつ「はぁ…冗談ですって」

京子「え…?」

ちなつ「まぁそういう時期もありますもんね」

ちなつ「私だって結衣先輩の事で勘違いをしてた時期がありましたから」

京子「ちなつちゃん…」

京子「よ、良かった~、ちなつちゃんが話の分かる人でほんと良かった」

ちなつ「京子先輩も大げさですよ」

ちなつ「ああいうのだって人生経験みたいなもんじゃないですか」

京子「そう言われてもね~私は思い返すたびに恥ずかしくなっちゃうな」

ちなつ「だからってあれは恥ずかしがり過ぎです」

京子「ちなつちゃんはストイックだねぇ」

ちなつ「京子先輩が子供っぽいだけですよ」

京子「あはは、そうかな」

ちなつ「はぁ…」

ちなつ「それで?杉浦先輩とはそれっきりなんですか?」

京子「ん?いや、今でもたまに会ったりしてるよ」

ちなつ「あれ?そうなんですか」

ちなつ「てっきり気まずくて会えないんじゃないかって思ってました」

京子「ぜ~んぜん、今でも綾乃は私の大親友だよ」

京子「色々あったおかげでお互い本音で話せるようになったしね」

ちなつ「へー」

京子「この前は『結局別れたの!?相変わらずフラフラしてるんだから!』ってどやされたし」

ちなつ「あはは…」

ちなつ「今でも杉浦先輩と仲良いんですね」

京子「うん」

京子「ところで話変わるけどさ」

京子「ちなつちゃんはどこのサークルに入るか決めたの?」

ちなつ「サークルですか?まだ決めてませんけど」

京子「サークルは絶対入っておいた方がいいよ~楽しいし」

ちなつ「京子先輩はどこのサークルに入ってるんですか?」

京子「私?私は飲みサーだけど」

ちなつ「飲みサー?」

京子「簡単に言えばみんなで集まってお酒のんでダラダラしたり、コンパしたりするサークルかな~」

ちなつ「はぁ…それって楽しいんですか?」

京子「楽しいよ~、っていうか元々私みんなでワイワイ騒ぐのが大好きだし」

ちなつ「はぁ…なんか京子先輩らしいですね」

京子「ちなつちゃんも入る?」

ちなつ「う~ん」

京子「ちなつちゃんが可愛いからすっごい盛り上がると思うけどな~他の大学の学生とも知り合えるし面白いよ」

ちなつ「そうなんですか?」

京子「うん、私の今の彼氏もこのサークルでこの前知り合った別の大学の先輩だし」

ちなつ「へ~そうだったんですか」

京子「今日も夜からサークルの飲みなんだけどちなつちゃんも来る?」

ちなつ「え?行ってもいいんですか?」

京子「別に気にしないよ~新入生いつでも大歓迎だし、そもそもそんな堅苦しいところじゃないしね」

ちなつ「う~ん…」

ちなつ「やっぱやめときます」

京子「ありゃ?そう?」

ちなつ「もっと色んなサークル見て回りたいですしね」

京子「そっか」

京子「まあ気が向いたら入ればいいよ、こっちはいつでも大歓迎だし」

ちなつ「そうすることにします」

京子「うん、待ってるよ」

ちなつ「さてと…」

ちなつ「それじゃ、私そろそろ帰りますね」

京子「もう帰るの?」

ちなつ「こっちに引っ越して来たばっかりで荷物の整理がまだ終わってないですよ」

京子「ああ、そっか、ちなつちゃんこっちに来て一人暮らし始めたばっかだもんね」

京子「一人暮らしって結構大変でしょ?」

ちなつ「う~ん、そうでもないですよ」

京子「へ~凄いね、私は慣れるまで結構苦労したよ、妙に寂しいし、ソワソワするし」

ちなつ「まあ、そういうのって人によるんじゃないですか?」

京子「そうかなぁ~」

ちなつ「それじゃ、もう帰りますね」

京子「あ、うん」

京子「久しぶりに会えて楽しかったよ、また今度一緒に遊ぼうね~」

――――
―――
――

ちなつ「……」

ちなつ「はぁ…」

ちなつ(京子先輩変わってなかったなぁ…)

ちなつ(いや、変わってたって言った方がいいのかな…?)

ちなつ(……)

ちなつ(まぁ…どっちでもいいや)


ガチャッ


ちなつ「ただいま~」

櫻子「おう、おかえり~」

櫻子「荷物片しといたよ」

ちなつ「ごめんね、まかせちゃって」

櫻子「別にいいよ~どうせ退屈だったし」

ちなつ「はぁ…」

櫻子「どうしたの?ため息なんてついて」

ちなつ「京子先輩の事でちょっと…ね」

櫻子「歳納先輩と久しぶりに会ってきたんだっけ?」

ちなつ「うん…」

櫻子「どんな感じだった?」

ちなつ「とっくに杉浦先輩と別れてた」

櫻子「ほら~、私の言ったとおりだったでしょ」

ちなつ「京子先輩って私はともかく杉浦先輩の事は本当に好きだったって思ってたんだけどな~」

ちなつ「杉浦先輩だって京子先輩にべったりだったし」

櫻子「普通は付き合ってるうちに違和感を感じて自然に離れていくもんだよ」

ちなつ「やっぱ二人ともそう感じて別れたのかな」

櫻子「多分そうだろうね」

ちなつ「う~ん」

櫻子「どうしたの?」

ちなつ「京子先輩も杉浦先輩もさ」

ちなつ「後悔とかしなかったのかな…」

ちなtる「あんなにお互い好きあってたのに…」

櫻子「……」

櫻子「でもやってることがやってることだしな~」

櫻子「昔の事いつまでも引きずってたってしょうがないよ」

櫻子「今は別の相手がいるんでしょ?ならそれでいいじゃん」

ちなつ「……」ジー

櫻子「な、何さ?」

ちなつ「そういう割には櫻子ちゃんって向日葵ちゃんのことを引きずってたよね~」

櫻子「い、いや…あれは仕方ないよ!」

櫻子「高校別々になっちゃったから大学は同じところに行こうねって励まし合ってたのに」

櫻子「だんだん構ってくれなくなっておかしいな~と思ったら」

ちなつ「彼氏」

櫻子「そう彼氏だよ彼氏!私に黙ってさ」

櫻子「あんな突然言われても困るって!」

ちなつ「でもだからって向日葵ちゃんとその彼氏さんの所に乗り込んで暴れたのはマズかったと思うよ」

櫻子「……」

櫻子「あれは私も悪かったって思ってるよ…」

櫻子「馬鹿だよね、別に私は向日葵と付き合ってるわけでもないのにイライラして暴れちゃってさ」

櫻子「おかげで向日葵にも嫌われるし」

ちなつ「……」

櫻子「まあ、自業自得だったし、今は全然引きずってないよ」

櫻子「第一向日葵は可愛いし面倒見も良いし普通に考えたら彼氏いない方がおかしいって」

櫻子「おっぱいもでかいし…」

ちなつ「ぷっ」

櫻子「なんだよ~」

ちなつ「やっぱ向日葵ちゃんのこと引きずってんじゃん」

櫻子「い、いや…」

櫻子「ほんとに今はもう引きずってないって~」

櫻子「それに今はちなつちゃんがいるからいいの」

ちなつ「向日葵ちゃんの変わり?」

櫻子「も~何でそういう事言うんだよ~」ユサユサ

ちなつ「あはは」

櫻子「そういうちなつちゃんは引きずってないの~?」

ちなつ「私?」

ちなつ「別に引きずってないよ」

ちなつ「結衣先輩には振られるんだろうな~って何となく気づいてたし」

櫻子「違う違う」

櫻子「あかりちゃんだよ」

ちなつ「……」

櫻子「好き、だったんだよね…?」

櫻子「高校が別々になってからもたまに会ってたみたいだし…」

ちなつ「……」

ちなつ「そっか、櫻子ちゃんは知らなかったんだっけ?」

櫻子「……?」

ちなつ「あかりちゃんにはもう付き合ってる人がいるんだよ」

櫻子「え…」

ちなつ「気づいたらさ、とっくにあかりちゃんには好きな男の子が出来てて」

ちなつ「嬉しそうに私に話しててさ」

ちなつ「始めっから私の入る余地なんてなかったよ」

櫻子「ちなつちゃん…」

ちなつ「まぁ、高校が別々になった時点で何となくこうなることは分かってたし」

ちなつ「そんなに落ち込みもしなかったんだけどね」

櫻子「そうだったんだ…」

ちなつ「むしろあかりちゃんに悪いことしたなって思ってるし」ボソ

櫻子「悪いこと…?」

ちなつ「ん?いやなんでもないよ」

櫻子「なんだよ~気になるじゃん、教えてよ~」

ちなつ「秘密」

櫻子「ちぇ」

ちなつ「ふふ」

ちなつ「でも櫻子ちゃんも物好きだよね」

ちなつ「せっかくクラスの男子からモテてたのに私と付き合うなんて」

櫻子「先に迫ってきたのはちなつちゃんの方じゃん」

ちなつ「受け入れる方も受け入れる方だよ」

櫻子「う~ん…」

櫻子「やっぱねーちゃんに似たのかな」

ちなつ「お姉さんに似た、かぁ…」

ちなつ「そういえば結局あの後お姉さんと連絡着いたの?」

櫻子「ううん、着いてないよ」

櫻子「今どこで何やってんだか…」

ちなつ「……」

ちなつ「でも好きな人のためにそこまでできるって何かいいな」

櫻子「そんな良いもんじゃないって」

櫻子「ねーちゃんが女と付き合って同棲してることがうちの親にばれたとき本当に大変だったんだよ」

櫻子「とーちゃんはキレるし、かーちゃんはわーわー泣くし」

櫻子「ねーちゃんはねーちゃんで一歩も譲らないし」

ちなつ「だからって勘当はやり過ぎだと思うけどな」

櫻子「どっちもどっちだよ」

櫻子「おかげで私はお前は撫子みたいになるなって口酸っぱく親から言われてさ」

櫻子「ほんといい迷惑だよ」

櫻子「ねーちゃんも人の事散々馬鹿って言といて、どっちが馬鹿なんだか」

櫻子「私にぐらい連絡よこせばいいのに…」

櫻子「……」

ちなつ「……」

ちなつ「思ったんだけどさ、私たちの事ばれたらどうなるのかな」

櫻子「う~ん、多分私も追い出されるかもね、それとも今度は無理にでも別れさせようとするかな」

櫻子「とりあえずロクなことにならないのは間違いないね」

ちなつ「……」

櫻子「大丈夫大丈夫、櫻子様を信用しろって!」

ちなつ「むしろ不安になってきた」

櫻子「酷い!」

ちなつ「はぁ…なんで櫻子ちゃんなんかと付き合ってるんだろうな私」

櫻子「え~、今更そういう事言うの」

ちなつ「だってわたし櫻子ちゃんの事結構苦手だったし」

ちなつ「我儘だし、私の事振り回すし、うるさいし、ペース乱されっぱなしだし」

櫻子「今は落ち着いてきてるだろ」

ちなつ「私から言えばぜーんぜん変わってないよ」

櫻子「ぐぬぬ…」

櫻子「じゃあ何で付き合ったのさ」

ちなつ「ほんと何で付き合ったんだろ」

ちなつ「向日葵ちゃんと絶交したときの櫻子ちゃんが捨てられた子犬みたいだったから情でも移っちゃったのかな…」

櫻子「そんな理由!?そんな理由であの時私襲われたの!?」

ちなつ「人聞きの悪い、櫻子ちゃんだって全然抵抗しなかったじゃん」

櫻子「私結構傷ついたんだよ…」

ちなつ「でも途中からは櫻子ちゃんの方から求めてくるようになってたよ」

櫻子「あ、あれ…?そうだったっけ…?」

ちなつ「そうだったよ、それにいつの間にか立場逆転してるし」

櫻子「ま、まあ…あの時の私は向日葵の事でヤケになってたし流されちゃったのかな~」

櫻子「あはは…」

ちなつ「……」

櫻子「……」

櫻子「結局今日の今日までズルズル流されてきちゃったね」

ちなつ「じゃあ私たちもそろそろ京子先輩や杉浦先輩みたいに別れる?」

櫻子「いや、いいや…別れるも何かめんどくさいし」

ちなつ「そこはめんどくさがるところじゃないと思うけどなぁ…」

櫻子「ちなつちゃんこそ、それでいいの?」

ちなつ「……」

櫻子「ちなつちゃんだったらすぐいい彼氏見つかると思うけどな」

櫻子「可愛いし、毒吐く割には面倒見いいし」

櫻子「それに上手だし」

ちなつ「それは関係ないでしょ、女の子と絡み合うのが上手くてモテるなんて聞いたことないよ」

ちなつ「ていうか普通引かれるって」

櫻子「あはは、そうだね」

ちなつ「……」

櫻子「……」

ちなつ「私も今更後戻りするのも嫌だし、もうこのままでいいかな」

櫻子「本当にそれでいいの?後々後悔することになったらどうすんのさ?」

ちなつ「後悔って…それこそ今更だよ」

櫻子「……」

櫻子「私は、さ…」

櫻子「もう向日葵みたいなことは勘弁だし、ちなつちゃんが別れたいって言うなら止めないよ」

櫻子「ちなつちゃんにも嫌われるのは嫌だし…」

ちなつ「櫻子ちゃん…」

櫻子「……」

ちなつ「はぁ…」ギュッ

櫻子「……?」

ちなつ「な~んとなく櫻子ちゃんに惹かれた理由がわかっちゃったかも」

櫻子「へ…?」

ちなつ「それに黙ってればすっごくクールでカッコイイし、背もけっこう高いし」

ちなつ「まあ黙ってればだけど」

櫻子「き、急にどうしたの?」

ちなつ「でも私には騒がしくて意地っ張りなぐらいな相手が丁度いいのかもね」

ちなつ「静かなのは性に合わないし」

ちなつ「……」

ちなつ「ねぇ、櫻子ちゃん」

櫻子「何…?」

ちなつ「心配しなくても、私はずっとそばにいるから」

櫻子「ッ……」

ちなつ「私の気持ちももう他に行くとないし」

ちなつ「このまま櫻子ちゃんと一緒にいるのも悪くないかも」

ちなつ「ね?」

櫻子「……」

ちなつ「……」

ちなつ「櫻子ちゃん?」

櫻子「グスッ…」

ちなつ「……」

ちなつ「もしかして櫻子ちゃん泣いてるの?」

櫻子「べ、別に泣いてねーし」

ちなつ「泣いてるじゃん」

櫻子「泣いてないって!」

ちなつ「意地っ張り」

櫻子「……」

櫻子「ちなつちゃんは…物好き過ぎるよ…」

ちなつ「櫻子ちゃんもだよ」

櫻子「……」

ちなつ「たぶんさ」

ちなつ「私も櫻子ちゃんも物好きだからさ」

ちなつ「物好き同士回りに回ってこうやってくっついたのかもね」

櫻子「……」グスッ

櫻子「はは…」

櫻子「そういうもんなのかな…」

ちなつ「うん、そういうもんだよ」

ちなつ「きっと」


おわり

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