唯「うさぎ山商店街?」(139)

ガラッ

たまこ「寒っ」

たまこ「すっかりまた商店街に人が少なくなっちゃったなぁ」

たまこ「う~ん……そうだ! また前みたいに何かパーっと盛り上げる企画を用意するといいかも!」

たまこ「となると何がいいかな?」

たまこ「時期的にもお化け屋敷は無理だし……」

たまこ「う~ん……? どうしよ」

律「今日は結構いい感じだったんじゃないか?」

澪「そうだな! 皆息が合ってた。ドラムが走らない律を見たのは久々だよ」

律「おぉ!? 何を~!」

澪「わっ、やめろよ~!」

梓「やっぱりスタジオでやると機材が高級だからか、音もいいですよね」

唯「そうだねぇ~。あずにゃんのギターなんかいつもよりキッと締まってたよ」

紬「そうね~。皆プロみたいだったわぁ~」

唯「武道館ライブも近い!」

梓「もう、すぐ調子に乗る……。ムギ先輩もあんまり唯先輩を褒めないで下さいよ」

唯「えぇ~! あずにゃん酷いよ~」

紬「うふふ」

律「お前らー! 足が遅いぞー! もう電車乗り遅れても知らないぞ?」

唯「あっ! 急げー」

梓「手を引っ張らないで下さい!」

唯「ふぅ~。間に合った!」

澪「別にあんなに急がなくても十分間に合ったのに」

唯「えっ!? そうなの?」

澪「ああ」

唯「てっきりもう出発する寸前かと思っちゃってたよ~」

律「唯はおっちょこちょいだな~」

澪「お前がはっきり言わなかったからだろ」

律「あれっ、梓と紬寝てないか?」

澪「……本当だ」

唯「んふふ~、二人共可愛い寝顔だな~」

律「……なんだか私も眠くなってきた」

唯「奇遇ですね! 私もです! りっちゃん隊長」

律「よし、一緒に寝るか!」

唯「そうだね! おやすみ~りっちゃん」

澪「おっ、おい……寝過ごしても知らないぞ」

律「くかー」

澪「早っ! 皆寝ちゃってるし……」

澪「……なんだか私も眠たくなってしまったな」

澪「ちょっとだけ……」

車掌「次は~うさぎ山~、うさぎ山~」

澪「……! 寝過ごした! おい! 皆起きろ!」

律「んん……?」

梓「ふわぁ~。あれっ」

紬「よく寝た~」

澪「乗り過ごしたぞ!」

律「えっ!? おい、唯起きろ~!」

唯「う~ん……憂ぃ~、後5分……」

律「おーいー!」

梓「ケーキあげませんよ」

唯「おはよう!」

律「おい」

律「次の電車まで30分くらいあるな……。澪お前起きてたんじゃなかったのか?」

澪「うるさい」

梓「にしても、うさぎ山なんて初めて来ました」

紬「私も~」

唯「あ、それじゃあちょっとここの辺りを見物しようよ!」

律「それいいな! ここでずっと待ち続けるのも暇だし」

唯「うさぎ山商店街?」

梓「結構大きな商店街ですね」

律「だな! あんま人通りは少ないけど」

唯「だね~」グゥー

唯「あ、お腹なっちゃった」

紬「うふふ、唯ちゃん可愛い。あ、ならこの商店街で小腹を満たすのはどう?」

唯「あ、いいね!」

律「どっかに店がーっと……ん、あっちにたまやって店があるぞ」

梓「何のお店なんですかね」

律「餅……かな?」

澪「餅だな」

唯「お餅いいね! 食べたい!」

紬「あ、私も食べたいなぁ。お餅なんて久々だから」

唯「じゃあ行こー」

 
 
たまこ「う~ん……」


唯「こんにちはー」

たまこ「う~ん……。いや、あれもなぁ……」

唯「あれっ?」

澪「何だか凄い考え込んでるみたいだな」

律「すいませーん!!」

たまこ「あっ! ごっ、ごめんなさい! いらっしゃいませ」

律「餅買いたいんですけど、何かオススメはありますか?」

たまこ「あぁー、そうですね。今ならこの豆大福なんかが美味しいと思います!」

律「じゃあ、それ5個下さい」

たまこ「はーい、ありがとうございます」

唯「うわぁ~すっごいもちもち」

律「ここで食べてもいいですか?」

たまこ「あ、どうぞどうぞ~」

梓「唯先輩、ずっとお餅を突っついてるままだと食べられませんよ」

唯「あっ! そうだね!」

唯「じゃあ頂きます」パクッ

唯「……! うまい!」

紬「本当……。甘さも程よくて、しっとりした口当たり……」

律「本当に美味いな! 舌の肥えた紬が言うならさらに間違いない」

たまこ「えへへ、ありがとうございます!」

梓「本当に美味しいですね。こんなのどうやって作るんだろ」

たまこ「……あっ。もしかして皆さん高校生ですか?」

唯「そうでふー」

澪「口に物を入れながら喋るなよ」

律「どうして高校生だって分かったんだ?」

たまこ「皆さん制服着てるから」

律「あぁ、そりゃそっか」

澪「桜が丘高校の2年生です。こっちは後輩の」

唯「あずにゃん!」

梓「梓です!」

たまこ「そうなんだ! 私も高2だよ! 同い年だね~」

律「おっ、そうなのか!」

たまこ「さっきから皆が肩に担いでるのは……」

唯「あぁ~、楽器だよ! 私達軽音部だから」

たまこ「へぇ~! 凄いねぇ」

律「そういえば名前は何て言うんだ?」

たまこ「北白川たまこです!」

唯「へぇ~、たまこちゃんかぁ~! あっ、私は平沢唯って言うんだよ~」

律「律でーす」

澪「秋山澪です」

紬「琴吹紬と言います」

梓「中野梓です」

たまこ「そっかぁ~、皆よろしくね!」

 
澪「そういえばたまこはさっき何を唸ってたんだ?」

たまこ「あぁ~、それはねぇ」

たまこ「最近この商店街に活気が無くなってきちゃったから、こう何か盛り上がるイベントが無いかなーと思って」

唯「なるほど~」

たまこ「前の夏は皆でお化け屋敷をしたんだけどね?」

梓「あっ! それどこかで聞いたことあります! 確か本当に幽霊が出たとか……」

唯「ええっ!? 怖いよあずにゃん……」ギュッ

梓「もう、一々抱きついて来ないで下さい!」

たまこ「あぁ、でもそれはただの誤解だったんだよ!」

唯「そうなの?」

たまこ「うん。私の友達のかんなちゃんが仕組んでたり、偶然が重なったりしちゃって」

澪「凄いな……」

たまこ「でもそのお陰で、お化け屋敷は大盛況だし、商店街に来る人も増えたんだよね~」

唯「んひぃぃぃぃぃ!おまめさんきもちいいでつぅぅぅぅぅ(^ρ^)」グチャグチャグチャプシャアアアア
憂「お姉ちゃん!ご飯のときはおまたいじりやめてって何度いえばわかるの!」バッチーン
唯「あーう!ゆいのおまたいじりやまするだめー!うーいわるいこ!しーね!しーね!(`q´)むひょひょぉぉぉぉぉぉぉぉー(^ρ^)」グシャグシャグシャプシャー
憂「言うこと聞けない悪い子はお仕置きだね。お豆さん切っちゃいましょう」
唯「あーう!おしおきだめー!おまめさんだめー!("q")」
サクッ ブチブチブチブチ
唯「あんぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ("q")!!!おまめさんーーーーーー!!!!」ガクガク
憂「穴でオナニー覚えたらこまるから、こっちも閉じちゃいましょう。この『私の恋はホッチキス』でっと」バチンバチン
唯「おぎょおおおおおおおぎょおおおお!!!アガガガガガガゴゴゴゴゴゴ("q")」ピクピク
憂「はい、お姉ちゃん。今日のおかずはお豆さんの丸焼きだよ」
唯「んひぃ、んひぃ…ぁーう…おまめさん…ゆいのおまめさん…("q")」パクッ ブチブチ
憂「食wwべwwたww」
唯「("q")」ピクピク

たまこ「……まあ、今は季節のせいもあって人が少ないけど」

唯「……あ!」

律「うわっ、何だよ唯! いきなり大声を出すなよ」

唯「私達が商店街でライブをして盛り上げるってのはどうかな?」

たまこ「えっ!? いいの?」

唯「私達は全然いいよ! むしろやりたい!」

律「それはいいな」

澪「でも、そんな事勝手にやってもいいのか?」

たまこ「それはまだ分からないけど、今日商店街の集会があるから、それで提案してみようかな?」

律「おぉ!」

梓「あ、電車の時間大丈夫ですか?」

律「……あぁ! 後5分だぞ!」

澪「えぇ!?」

紬「残念、もうちょっとお話したかったんだけれど」

律「よし、じゃあまたな!」

たまこ「あ、はーい」

唯「……あ! たまこちゃんアドレス交換しよ?」

たまこ「そうだね! はい」ピロリロリーン

唯「出来た出来た」

律「おーい、唯行くぞー! 今度は本当に間に合わなくなるぞー!」

唯「あっ、じゃあごめん! もう帰るね」

たまこ「またね唯ちゃん」

唯「またねー」

 
 
 
長治「はい、それではうさぎ山商店街の会合を始めます! はい、うさぎぴょこぴょこ」


全員「うさぎ山~」

長治「今日も元気な」

全員「商店街!」

長治「では今日は、たまちゃんから提案があるそうです」

豆大「またか……」

たまこ「えっと、最近商店街の活気が少なくなってきたと思うんです!」

信彦「そうだねぇ」

文子「なんてったってこの寒さだものねぇ」

たまこ「実は今日、桜が丘高校の軽音部の人達がうちに来て、ライブを開いたらどうかって話になったんです」

富雄「ライブってことはバンド?」

たまこ「そう。それで商店街で後援して、さらに商店街を盛り上げられたらな~って」

かおる「素敵ね~! 私は賛成だわ」

長治「それでは、採決を取ります」

長治「ライブ計画に賛成の方は拍手!」

全員「」パチパチパチ

長治「では、全員賛成で可決~!」

文子「あら? 今回は大ちゃん反対しないのかい?」

豆大「別に浮ついた餅を作らないなら俺は反対はしねえ。どこぞのチャラチャラした餅屋とは違ってな?」

吾平「あぁん? そんなんだからお前ん所は時代に取り残されて行くんだ!」

豆大「餅屋は餅を作ってりゃいいんだよ! なーにがライスケーキ大路だ」

長治「まあまあ、二人共その辺で」

忠直「しかし、そうなるとその子達の高校に許可を取る必要があるのでは?」

長治「それなら心配に及ばんよ、私が取っておくから」

たまこ「わぁ~! ありがとうございます!」

 
 
たまこ「あっ、唯ちゃんにメールしとこ」ピッピッ


たまこ「ライブ出来るよっと……」

たまこ「送信!」

 
 
唯「ふーんふーんふーん」ジャカジャカ


唯「あ、たまこちゃんだ」ピロリーン

唯「……! えへへ~」

憂「お姉ちゃんどうしたの? 何だか嬉しそうだけど」

唯「この間ね、電車乗り過ごしてうさぎ山商店街って所に行ったんだけど、そこで仲良くなったたまこちゃんって子と計画して」

唯「ライブを商店街でやらせてもらうことになったんだぁ~」

憂「へぇ~。良かったね! お姉ちゃん」

唯「うん!」

紬「はい、今日は久々にショートケーキ」

律「おっ、ありがとムギ。やっぱりショートケーキは外せない基本だよなぁ」

唯「美味しそ~! あ、そういえば昨日の夜たまこちゃんからメールがあってね?」

律「おっ、もしかしてライブの事か!」

唯「そう! ライブ出来るって!」

律「おぉ!」

澪「やったな」

梓「でも、先生に許可とらないとダメなんじゃないですか?」

さわ子「皆~」ガチャ

律「あ、さわちゃん」

澪「あの、先生。まだ詳しい日程は決まってないんですけど、うさぎ山商店街でライブしたいんですけど……」

さわ子「あぁ、その事。さっき商店街の方から連絡があって、許可は出したわよ?」

唯「流石さわちゃん!」

梓「いや、別にさわ子先生を褒める必要は無いと思うんですけど」

紬「じゃあ私! いや、琴吹家全体でサポートするわ!」

律「気合入ってるな!」

澪「何もそこまでやらなくても……」

澪「しかし、そうなると何の曲をやるかとかも決めないとな……」

梓「あ、じゃあ今ある曲もライブバージョンにアレンジしましょうよ!」

澪「おぉ。いいなそれ」

唯「なんかそれっぽくなってきましたな~」

 
 
たまこ「はいお餅! 史織ちゃんもどう?」


史織「うん、いただきます」

たまこ「そういえばこの間、うちで店番してたら桜が丘高校って高校の軽音部の人達が来てね」

かんな「桜が丘というと、ちょっと遠めの所ですね」

たまこ「それで仲良くなって、商店街の盛り上げ企画でライブをしてもらうことになったんだぁ~」

みどり「えぇっ!? 凄いね」

たまこ「だよねぇ」

たまこ「集会でも許可が貰えたし、後はチラシとか作ったり、日程決めたりするだけなんだ~」

史織「でも商店街にそんなスペースがあるの?」

たまこ「いや、商店街から少しだけ外れた所に商店街が持ってる大きな空き地があるからそこを使わせてもらえるみたい」

たまこ「あ、そうだ! 今日一緒に計画出来ないか連絡してみようかな」ピッピッ

 
 
唯「ん?」ピロリーン


唯「あ! たまこちゃんからメールだ」

唯「今日一緒にライブの計画が立てられないか、だって! どうする?」

律「私はいいぞ!」

澪「そうだな。今日は部活早めに切り上げて行くか」

梓「そうですね」

紬「楽しみ!」

唯「じゃあ……」ピッピッ

 
 
たまこ「唯ちゃんからメールだ!」モッチモッチ


たまこ「今日来れるって!」

みどり「私も会ってみたい! ついてってもいいかな?」

たまこ「いいよ~!」

かんな「じゃあ私も」

史織「それじゃあ私も」

たまこ「あ、でも合わせて9人なんて家に入らないや……星とピエロに行こうかな」

 
 
たまこ「いやぁ……すみません。わざわざ座れるテーブルと椅子用意してもらっちゃって」


邦夫「いえいえ」

みどり「あ、もしかしてあの子達?」

たまこ「あ、もう来たんだね!」

史織「楽器重そうだね……」

ガチャ

唯「こんにちはー」

邦夫「いらっしゃい」

たまこ「皆ー、こっちこっち」

律「よっ! あれ、この人達は?」

たまこ「私の友達!」

かんな「牧野かんなです」

史織「朝霧史織です」

みどり「常盤みどりです」

律「よろしくな! 私は……」
 

 
 
たまこ「それでは、ライブの計画会を始めます!」


全員「」ワーワー パチパチ

たまこ「まずはライブの日程から決めよっか」

唯「ん~……ライブに向けて一応練習もしたいし……」

澪「じゃあ二週間後の土曜日なんてどうだ?」

たまこ「いいね。皆予定とかある?」

みどり「私は無いよ」

かんな「ありませんね」

史織「丁度部活も休みの日だね」

たまこ「じゃあ二週間後の土曜日で!」

かんな「舞台やセットは私が作りましょうか」

律「えっ、作れるのか!?」

かんな「大工の娘ですから。一人じゃちょっと厳しいですけど、頼めばある程度現場の人達も手伝ってくれるでしょうし」

律「ほえー」

みどり「私達はどうしよっか……あ、じゃあ私達チラシ作ったり、本番の時に機材運ぶの手伝うよ」

史織「私も」

唯「ありがと~」

たまこ「何かあっさり決まっちゃって、もうやる事ないんじゃない?」

澪「あ、私ライブのセットリスト考えてきたんだ」

澪「順番はふわふわ時間、わたしの恋はホッチキス、ごはんはおかず、カレーのちライスにしたいんだけど」

みどり「わたしの恋はホッチキス……?」

かんな「ごはんはおかず……」

史織「カレーのちライス……?」

律「あー……これがうちのスタイルなんで!」

たまこ「いい! すっごいいい!」

みどり「……!?」

澪「そ、そうか……? ありがとう」

紬「澪ちゃん嬉しそうだね」

澪「へっ!? べ、別にそんなことないぞ!」

みどり「あはは」

邦夫「……サービスのシュークリームです」

たまこ「ありがとう! マスター」

梓「ありがとうございます」

紬「ここのお店雰囲気がいいね」

たまこ「うさぎ山屈指のカフェだからね!」

律「そういえばさっきからかかってる曲がロックばっかりだな」

たまこ「あぁ~。マスターは来る人に合わせてDJするのが趣味なんだって」

梓「この曲かっこいいですね」

唯「マスターもかっこいい!」

邦夫「ど、どうも……」

たまこ「あ、みどりちゃん口にクリームついてるよ」

みどり「えっ、嘘!」

たまこ「私が取ってあげるね~」

みどり「えっ、ちょっ、ちょっと」///

紬「はぁ~///」ニコニコ

澪「お、おい律、またムギのスイッチが……」

律「おーい、戻ってこーい」

紬「はっ」

みどり「も、もう! 恥ずかしいからやめてよ!」///

たまこ「えー」

史織「あ、私もう帰らないと……」

唯「もうこんな時間? 私達も電車に遅れるからそろそろ帰らなきゃ」

たまこ「じゃあ今日はお開きにしよっか」

唯「また何かあったら連絡するね~」

たまこ「はいはい!」

澪「皆今日はありがとう」

梓「ありがとうございました!」

紬「いいもの見せて貰いました」ツヤツヤ

たまこ「?」

律「それじゃ、また」ガチャ

たまこ「ばいばい」

みどり「じゃあねー」

史織「それじゃあ」

かんな「私も帰らせて貰いますかね~。早く家に帰ってステージの設計図を書かなければ」

みどり「本格的だね」

 
 
梓「こんにちはー……って、先輩達が楽器持ってるのなんだか久々に見ましたよ」


唯「あずにゃ~ん」

梓「……」スルッ

唯「いたっ」

梓「もう、ギター持ちながら走ると危ないですよ?」

澪「今日は梓の言ってたライブ版のアレンジを考えたいんだ」

梓「あぁ!」

唯「そういえば、たまこちゃんって餅屋の娘って言ってたよね」

律「ああ、言ってたな」

唯「じゃあ一緒に歌ってもらって、おもちはおかず、カレーのちおもちなんてどう?」

律「えぇー……安直じゃないか?」

澪「いいな! それ!」

律「えぇっ!?」

紬「可愛くていいと思う」

律「紬もか……。ええい! じゃあそれで!」

梓「じゃあ、ラスト2曲は元のままとして、最初2曲はどうアレンジします?」

澪「メロディーやコード進行を変えてみるとか」

梓「そうですね! ここのコードは……」

唯「りっちゃん~……あの二人が難しい話してるよ……」

律「お前は流石に分かれ!」

 
 
みどり「よし! 結構いい感じにポスターとチラシ出来たんじゃない?」


史織「そうだね」

みどり「後はこれを商店街の人達に協力して配ってもらうだけだね」

たまこ「えぇっ!?」

みどり「どうしたの?」

たまこ「唯ちゃん達が、ライブで一緒に歌って欲しいって……」

みどり「おぉー、いいじゃん!」

かんな「いいじゃないですか。私もたまちゃんが歌うとこ見たいな」

たまこ「いや、皆でって」

みどり「えぇ!?」

史織「私はあんまり歌に自信が無いから遠慮したいんだけど……」

みどり「史織は声がいいし、歌も結構上手いじゃん」

かんな「誰か一人でって訳でもないし、皆で歌ってもいいと思いますけど」

たまこ「そうだね~、私も皆となら歌うよ!」

みどり「二人がそういうなら……」

史織「えっ、じゃあ私も……」

 
 
唯「あ、皆一緒に歌ってくれるってさ」


律「本当か!」

澪「なら今度メロディーの入ったCDをあげないとな」

梓「学校でやったライブの録音がありますし、それを使ったらどうですか?」

澪「そうだな。今ごはんはおかずとカレーのちライスのお餅アレンジバージョンの歌詞も出来たし」

みどり「あー、あー……。歌詞とCDは貰ったけど、難しいなぁ……」

TV「X月XX日に、うさぎ山商店街で放課後ティータイムのライブが開催されます」

TV「企画、後援:うさぎ山商店街、琴吹財閥」

みどり「……え?」

みどり「何、さっきの!」プルルル

みどり「あ、かんなだ」

かんな「見ましたかみどちゃん!」

みどり「み、見た! CMでしょ?」

かんな「驚きましたよ……。ますますプレッシャーがのしかかりますね」

みどり「うっ。本番緊張して声が裏返りそうだよ……」

かんな「まあ、みどちゃんなら大丈夫でしょ」

みどり「かんなの方こそ大丈夫なの?」

かんな「私は設計図書いてる間にずっと聴いていたので、もうばっちりですよ」

みどり「いいなぁ~。というか工事はどんな感じなの?」

かんな「木材も集まって、明日から手が空いてる現場の人が私と一緒に工事を始める予定」

みどり「凄いね……。気をつけてよ?」

かんな「任せてくださいよ」

 
 
文子「これ、今度この近くで高校生がライブやるんですよー」


かおる「もしよかったらこのチラシ、どうぞ」

富雄「ライブ、宜しくお願いしますね!」

たまこ「盛り上がってるね~」

かんな「なんだか各所で話題になってるらしいですよ」

たまこ「そうなんだ! 沢山人が来てくれるといいなぁ~」

 
 
ライブ前日


唯「大雨だね……」

澪「天気予報だと、明日も雨らしいぞ」

律「ムギにわざわざCMまでやって貰ったのにな……」

紬「私はいいんだけど……」

梓「……だっ、ダメですよ! 私達の気持ちまで暗いんじゃ、明日晴れるものも晴れません!」

唯「そ、そうだね! ありがとあずにゃん~」

律「いい事言うな」

紬「私感心しちゃった!」

梓「……///」

唯「あずにゃん照れてるー」

梓「照れてません」

律「じゃあ今日の部活動はこれまで!」

唯「あれ、ムギちゃん帰らないの?」

紬「あ、ちょっとやり残した事があるから……先に帰ってて?」

唯「うん」

ガチャ

紬「……」プルルル

紬「斉藤?」

紬「お願いがあるんだけど……。明日晴れに出来ないかしら」

紬「本当に!? ありがとう! 期待してます」

 
 
たまこ「いやぁ~、昨日が嘘みたいに晴れたね~」


みどり「本当。はぁ……緊張する」

史織「私も……。みどりは歌、出来た?」

みどり「一応ある程度までは……。緊張して歌詞飛んだらその時はよろしく」

史織「えぇ!? 私だって飛んじゃうかも……」

たまこ「あ、見えてきたよ~」

みどり「うわっ、凄っ!」

史織「大きい……」

かんな「お三方、おはよう」

たまこ「凄いね! 本当に作っちゃうなんて!」

かんな「私の汗と努力の結晶ですよ」

唯「おーい、みんなー」

たまこ「あ! おはよー」

律「うわぁ~、凄いなコレ! うちの体育館のステージと同じくらいあるんじゃないか?」

梓「こんな大掛かりなものを用意してもらえるなんて……」

律「よっしゃぁ! じゃあ早速機材の用意をするかー」

 
 
??「何だこの三角形の装飾は……」


??「何やらここは催しの会場のようだし、祭りの道具なのであろうか」

??「折角だ、頂いておこう」

 
 
みどり「アンプはここの辺りでいい?」


澪「うん。ありがとう」

史織「ドラム、一応並べたけど他にやる事はある?」

律「大丈夫だ! セッティングは私がやるから」

梓「……あ、あれ?」

紬「どうしたの?梓ちゃん」

梓「いやあの、ピックが無いんです……」

唯「えぇっ! 私の貸してあげようか?」

梓「予備があるならお願いします」

唯「あれ!? 私のピックも無い!」

澪「私のも無いぞ! まあ私は指が使えるからいいけど……」

たまこ「どうしたの?」

唯「ピックが無くなっちゃった……」

たまこ「ピックって?」

唯「ギターを弾くのにいる道具みたいなものなんだけど……」

たまこ「えぇっ!? 大変じゃん!」

みどり「家に忘れた訳じゃないの?」

唯「それはないはず……。昨日の夜憂と一緒に準備して確認もしたのに」

梓「私もきちんと持ってきてました」

史織「どこかで落としてしまったのかも」

かんな「開演は昼からだし、探してみようか」

たまこ「そっ、そうだね」

 
 
たまこ「無いなぁ……。そっちは?」


みどり「無いよ」

唯「今ならギリギリ買いに行けば間に合うかな?」

梓「無理ですよ……開演まで後少しですよ?」

かんな「道路まで探してみたけど、なさそうだね」

澪「おい、人が集まってきたぞ!」

唯「本当だ! 嬉しいなぁ~」

律「そんなこと言ってる場合か!」

史織「どんどん人が集まってくるね……」

デラ「娘達よ、どうしたのだ?」

たまこ「デ、デラちゃん!」

梓「喋った!?」

デラ「おや、見ない顔だな」

たまこ「詳しい事は後! ちょっと探して欲しい物があるんだけど」

デラ「何だ?」

たまこ「ピックを探して欲しいの!」

律「喋る鳥……なんてファンシーな」

澪「か、可愛い……」

律「ま、マジで?」

澪「可愛いだろ! あの丸い部分とか……」

律「ただの太った鳥だろ! なんかふてぶてしいし」

デラ「聞こえておるぞ、デコ」

律「んだとこの野郎!」

澪「落ち着け!」

デラ「で、何だったか。娘よ」

たまこ「ピックって言って、三角形のものなんだけど……」

デラ「もしかして、これの事か?」

唯「それだ!」

デラ「しかしなぁ~……今私は腹の虫の居所が悪い」

デラ「そこのデコが私に謝罪するならば返してやろう」

律「はぁ!? 絶対謝んないからな!」

澪「変な意地張るなよ! 開演が近いんだぞ?」

たまこ「デラちゃんも何迷惑かけてるの! 返して」

デラ「ほぉ~っほっほ 返して欲しければ私を捕まえて見ろ!」

律「あっ、待て!」

たまこ「デラちゃーん! 返さないともうお餅あげないからね!」

デラ「えっ」

史織「あっ、戻ってきた」

たまこ「もう! こんな事したら絶対ダメなんだからね」

デラ「分かった、分かった娘」

律「へへーん、このデブ鳥が」

デラ「何だと! この期に及んでまで私を愚弄するというのか!」

律「愚弄したのはそっちだろ!」

かんな「まあまあ、二人共。もう人が集まってきてるから衣装に着替えて準備しないと……」

唯「あっ、皆急げー!」

 
 
唯「うさぎ山の皆さん! あ、うさぎ山以外の人も来てるのかな?」


唯「こんにちは! 放課後ティータイムです!」

唯「えっと、どうしてここでライブをやる事になったかという経緯を話しますと……」

 
 
 
 

律「ながーい! さっさと始めんか!」

唯「ええーっ。しょうがないなぁ」

唯「じゃあ聴いてください! ふわふわ時間」

 
 
たまこ「始まったね!」


みどり「すっごい歌上手いじゃん……やっぱ緊張する」

みどり「というか、何で何百人と大勢の前で堂々と歌えるんだろう……」

かんな「笑顔がひきつってますよ、みどちゃん」

みどり「嘘っ」

史織「やっぱり生演奏は迫力があるね」

たまこ「だねぇ」

史織「あっ、そろそろ出番だね……!」

唯「わたしの恋はホッチキスでした~!」

唯「えー、最初のMCで話した、このライブで協力してくれた方々を紹介します!」

唯「たまこー!」

たまこ「いえーい!」

唯「みどりー!」

みどり「こっ、こんにちは!」

唯「かんなー!」

かんな「どうも」

唯「史織ー!」

史織「よろしくお願いしますっ」

唯「えー、ラスト2曲は続けて、ごはんはおかず、カレーのちライスをうさぎ山ライブバージョンにアレンジして」

唯「おもちはおかず、カレーのちおもち! 放課後ティータイム、フィーチャリングたまこ・みどり・かんな・史織!」

唯「……」コクッ

律「1・2 1・2・3・4!」

 
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

唯「皆~お疲れ様!」

たまこ「楽しかった~!」

みどり「ここ最近で一番疲れたかも……」

律「でも皆上手く歌えてたぞ?」

みどり「ならよかった……」

澪「さて、片付け始めよっか」

たまこ「あ、じゃあ片付け終わったらうちにおいでよ! またお餅ご馳走したいなぁ」

唯「やったー!」

梓「さ、じゃあまずはこれの移動手伝ってください」

かんな「了解」

 
 
商店街


ワイワイ ガヤガヤ

みどり「うわっ、凄い人!」

かんな「こんなに人が多いの始めてみたよ」

たまこ「……! ……! ほんっとにありがとう! 皆のお陰だよ!」

律「たまこのお陰でもあるんだぞ~」

梓「凄いですね本当に」

史織「あれっ、たまこの家行列が出来てない?」

たまこ「本当だ!」

あんこ「お姉ちゃん!」

たまこ「あっ、あんこ!」

あんこ「お姉ちゃん、私達だけじゃ手が回らないから早く手伝って!」

たまこ「えっ……」

唯「私達はまた今度でもいいよ?」

たまこ「本当? ごめんねぇ」

律「いいっていいって、また来るしな!」

澪「ああ」

たまこ「それじゃあ今度カレーのちおもちからアイデアを得た新商品、カレー餅を作って振舞うよ!」

紬「美味しそう!」

たまこ「本当にありがとね!」

 


たまこ「あ、デラちゃん。今日はあんな事しちゃったし、晩ご飯抜きね」

デラ「娘~! それは余りにも酷な仕打ちではないか!?」

終わり

ID変わってますが>>1と同一人物ですので

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