女騎士「んほおおおお!!きび団子さいこおおおおっ!!」桃太郎「」 (45)

イヌ「ちょっと桃太郎さん……」

女騎士「もっと!!もっときび団子ほしゅいのおおおおおおお!!!」

桃太郎「お、おう」

サル「それで旦那、こいつも旅のお供に?」

桃太郎「そうなっちゃうのかなぁ……」

キジ「私あたま痛い」

女騎士「ふう……すまん、世話になった」

桃太郎「チョクショウ、残りのきび団子全部喰いやがって……」

サル「たとえきび団子がなくなったって、あっしらは旦那についていきやすぜ」

キジ「それでどうするの、この……人間?」

女騎士「なぜそこで疑問形になる」

イヌ「だって髪の毛だって金色だし、色も白くて今まで見たことない感じですよ」

女騎士「そういえば貴様たちも見慣れぬ格好をしているな」

キジ「だからそれは私たちの台詞なんだってば……」

女騎士「それはいいとして、ここはいったいどこなのだ?」

桃太郎「山陽道は備前国、鬼ヶ島へ向かう道中だよ」

女騎士「は?」

桃太郎「え?」

女騎士「まあいい、私は王都に帰らねばならんのだ、道を教えてくれ」

桃太郎「なにそれ」

女騎士「え?」

女騎士「なるほど、つまり私は全く知らない世界に飛ばされたワケか」

イヌ「厄介な行き倒れを拾っちゃいましたねえ」

女騎士「この世界の調査もしたいし、施しを受けた恩もある」

女騎士「貴様たちの悪鬼討伐に同行させて貰いたいのだが、よいか?」

キジ「文字通りの鬼が相手なのよ?」

キジ「アンタみたいな細身の女が太刀打ちできる相手じゃ……」

女騎士「ほお、実力を示せと言うのか、良いだろう」シャキンッ

女騎士「セイヤッ!!」ザンッ


バキバキバキ、ドンッ


サル「すげえ……松の大木を一太刀で斬り倒しやがった」

女騎士「ふっ、我が技量にかかればこの程度雑作も無いことよ」

桃太郎「でもここら辺りの木は整備された街道の街路樹だからね、もう止めてね」

女騎士「す、すまない」

桃太郎「そろそろ次の村が見えてくるはずなのだが」

キジ「も、桃太郎さん!」

桃太郎「火の手が上がっている!?」

サル「また鬼どもの仕業か!」

桃太郎「みんな急ぐぞ、一刻も早く村人たちを救助するんだ!」

女騎士「この世界での初陣か、期待していろよ皆の者!」

桃太郎「女騎士、君の強さは確かに見せてもらった」

桃太郎「だが決して無理はするな」

桃太郎「鬼は強い、精々追い返すのが精いっぱいだろう」

女騎士「―――別に、アレを倒してしまっても構わんのだろう?」

桃太郎「ッ!?」

女騎士「バケモノの相手は私の得意分野だ」チャキッ

女騎士「騎士の誇りにかけて、いざ参らんッ!!」ダッ

桃太郎「くっ、みんな女騎士に続けッ!!」

鬼1「な、なんだこの女は!?」

女騎士「チェストオオオオオオオッ!!」ザンッ

鬼2「ぐああああああっ!!」バタリ

イヌ「す、すごい……」

サル「本当に鬼どもを圧倒してやがる」

鬼3「そこまでだ!」

村娘「うわーーん!!」ジタバタ

女騎士「なっ!?」ピタッ

鬼3「この娘を無事に返してほしければ武器を捨てな」

桃太郎「くっ、卑怯な真似を」カランッ

女騎士「致し方あるまい」カランッ

村娘「すまねえだお侍さん!おらのせいで……」

鬼3「さてと」ニヤリ

桃太郎「その娘になにをする気だ!?」

鬼3「こんな上玉の娘を本気で無事に返すとでも思ったのかよ?」ボロン

村娘「ひいっ!?」

鬼3「ぐへへへっ、たっぷり楽しませて貰うぜ」ビンビン

村娘「助けてとーちゃん!かーちゃん!おらこんなのいやだーー!!」

女騎士「待てっ!」

桃太郎「女騎士、なにを……」

女騎士「私が身代りになろう」

桃太郎「ッ!?」

女騎士「彼女は戦禍に巻き込まれた無辜の市民なのだろう?」

女騎士「そのような者が一生を台無しにするような辱めを受けてよいワケがない」

鬼3「はっ、見上げた根性じゃねえか」

鬼3「いいだろう、この娘の代わりにお前をかわいがってやるよ」

鬼3「壊れるまで嬲って、自分で言ったことを後悔させてやるぜ!」

桃太郎「お、女騎士いいいいっ!!」

鬼3「ぬほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」ビュルルルルル

鬼3「らめえええええええ!!俺様のち○ぽ壊れちゃううううううっ!!」ビュルルルル

女騎士「日ノ本国の悪鬼もこの程度か?」パンパン

鬼1「ひぎいいいいいいっ!!金玉の中身全部でりゅううううううううっ!!」ドピュッドピュッ

女騎士「二度と悪さができないように絞り切ってやらねばな」ズチュズチュ

鬼2「や、やめろ……さっきの傷が……」ズキズキ

女騎士「問答無用ッ!!」ヌポンヌポン

鬼2「ぎゃあああああああああああああああああっ!!」ドクドクドク

桃太郎「なんだこれは……」

女騎士「ふう、他愛ない」ツヤツヤ

村娘「お侍さんすごかっただー!」

村娘「でっかい鬼どもがびくんびくんのた打ち回って泡吹いて倒れちまっただよ!」

女騎士「待たせたな皆の者、鬼どもは全員倒したぞ」テカテカ

イヌ「臭い」

サル「服着ろ」

キジ「大丈夫なのアンタ……?」

女騎士「ああ、鬼どももなかなかの逸物だったが……」

女騎士「私の相手にはまだまだ不足だったということだよ」

キジ「そういうことは聞いてないんだけど」

桃太郎「ま、まあ過程はどうあれ結果的に村を守れたんだ」

桃太郎「良しとしようではないか」

イヌ「桃太郎さん、本気でこの淫売と旅をつづけるんですか?」

桃太郎「こらイヌ、彼女だって他に方法が無かったんだ」

桃太郎「確かにちょっと肯定し辛い勝ち方だったが、それでも勝利は勝利だ」」

桃太郎「被害を出さずに村を守れたのは彼女の功績だぞ?」

サル「旦那、あっしには寧ろ鬼どもが被害者に思えてならないんだが」

女騎士「まあ、あの程度は自業自得だな」

桃太郎「そうだな、奪っていいものは奪われる覚悟がある者だけだ」

イヌ「流石に鬼たちもああいう形で色々奪われる羽目になるとは思ってなかったでしょうね……」

サル「なんで旦那はこの色狂い擁護するんだよ、怖いよ」

―――こうして女騎士の活躍で桃太郎一行は快進撃を続け


桃太郎「ついに辿りついた……ここが鬼ヶ島!」

イヌ「本拠地に近づくごとに鬼の被害が沈静化してましたね」

サル「この女のせいで戦力が残ってなかったんじゃね?」

女騎士「なんだその目は!?」

女騎士「被害が収まっているなら良いことではないか!」

キジ「確かにその通りではあるんだけどねぇ……」

鬼「親分、敵襲ですぜ!!」

桃太郎「くっ、見つかったか!?」

女騎士「援軍を呼ばれようとも関係ない!」

女騎士「片っ端から食い荒らすのみだッ!!」キャストオフ!

サル「おいこの女ついに初っ端から脱ぎ始めたぞ」

イヌ「もう突っ込みいれるの止めましょうよ、やるだけ無駄ですよ」

???「ほお、人間がよくここまでたどり着いたな」

女騎士「なっ!?」

女騎士「貴様は……まさか!!」

オーク「あれ、女騎士?」

オーク「なんでお前がここに?」

女騎士「それは私の台詞だッ!!」

オーク「あとなんで裸?」

女騎士「いや、鬼どもの相手をするためにな……」

オーク「お前は相変わらずだなぁ」

桃太郎「ちょっといいか女騎士?」

女騎士「なんだ?」

桃太郎「あの変わった感じの鬼と君、知り合いなの?」

オーク「申し遅れました人間さん」

オーク「俺はこいつと同じ世界から飛ばされてきたオークと申すものです」

桃太郎「はあ……丁寧にどうも」

女騎士「それよりオーク、なんでお前が鬼ヶ島に?」

オーク「いやあ、飛ばされた先がここでな」

オーク「前のボスが血の気の多いやつで、手下にならないなら叩きのめすとかいうからさあ」

オーク「逆に叩き潰してこの島乗っ取ったんだよ」

イヌ「なにそれスゴイ」

サル「異世界の奴ら、ちょっと規格外すぎやしませんかね……?」

女騎士「ならば貴様が今はこの島のボスということだな」

オーク「そうだけど?」

女騎士「ならば話は早い!」

女騎士「貴様をここで倒せばこの世界は平和になるし」

女騎士「いままで貴様に辱められた分の返報となろうぞ!!」くぱあ

女騎士「積年の雪辱、今こそ果たしてくれるわッ!!」ガバッ

女騎士「ぬほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」ビクンビクン

女騎士「オークのち○ぽはやっぱり格別なのおおおおおおおおおおおっ!!」プシャーー

オーク「やっぱり女騎士のま○こは鍛え方が違うな、すごい締りだ……」パンパン

女騎士「子宮の奥までズンズンきてりゅうううううううううっ!!」ビクンビクン

オーク「このまま出すぞっ!!いいなっ!?」パンパンパン

女騎士「オークの特濃おちん○ぽみるくほしゅいのおおおおおおおおおおおおっ!!」ビクンビクン

オーク「くっ!!」ビュルルルルルルルルル

女騎士「ぎんもぢいいいいいいいいいいっ!!妊娠確実っ!!!」アヘアヘ

桃太郎「そんな……あの女騎士がち○ぽに負けるなんて……」ガクッ

キジ「どうするのよこの鬼の数、囲まれてるわよっ!?」

イヌ「くっ、残念すぎてぞんざいな扱いをしていましたが彼女は間違いなく私たちの最大戦力」

サル「それを失って……旦那、どうしやす?」

桃太郎「覚悟を決めるしかないだろう……ッ!!」

オーク「あー、皆さんストップストップ!」ドピュドピュ

女騎士「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!?」ビクンビクン

オーク「先ほどはお見苦しいとことをお見せしました」

桃太郎「いや、いきなり襲いかかったのは女騎士の方だしな」

イヌ「見苦しかったという部分には肯定です」

サル「主に女騎士の痴態的な意味で」

オーク「まあそういうワケで」

オーク「掠奪なぞという破滅的で非生産的な行為を続けていてはやがて鬼族は滅びます」

オーク「なので人間と鬼族の共存を目指して鬼ヶ島の変革を行うことにしました」

オーク「残念ながら情報伝達手段がローテクなので」

オーク「ここから遠い地方ではまだまだ掠奪が続いている状況なのですが……」

桃太郎「それが私たちが相手をしたあの鬼どもだったということか」

イヌ「本拠地に近づくと逆に鬼たちが静かになってたのもそのせいだったんですね」

オーク「貧しい農村からの掠奪物は出来る限り返還しましょう」

オーク「そして一部の私腹を肥やした層から掠奪した資金を流用して……」

オーク「俺は『鬼ヶ島綜合警備株式会社』を設立する!」

桃太郎「なんと」

オーク「鬼ヶ島を拠点とする鬼族以外にも、人間に害を及ぼす人外種族は多い」

オーク「鬼たちの屈強な肉体を活かし、今までのマイナスイメージを払拭するために」

オーク「人間と契約を結び、警護を行う警備会社として組織化する!」

オーク「なお、これはあくまで自衛的な警備だけを目的とすることで」

オーク「後ろ暗い傭兵稼業とは一線を画するイメージ戦略でもあります!」

イヌ「スゴイ、半分ぐらいしか理解できないけどとにかく何かスゴイ」

女騎士「あひい……」ズルズル

オーク「おっ、気が付いたか」

イヌ「臭い」

サル「洗ってこい」

キジ「今いいところだから邪魔しないで」

女騎士「ううう……どうして私の扱いはこう酷いのだ?」

オーク「お前が先に仕掛けて、俺は受けて立っただけだからな?」

桃太郎「自業自得だな」

女騎士「そんな……桃太郎まで」ガクリッ

女騎士「ふう、それでなんでお前がこの世界の鬼どものためにそこまでするのだ?」

オーク「成り行きとはいえここのボスとなってしまったからな」

オーク「こいつらの将来を見据えて面倒見るのは俺の務めだよ」

イヌ「すみませんオークさん、私たち今まで異世界人に偏見持ってました!」

サル「旦那みたいにちゃんと人間できたやつだって普通にいるんですね!」

オーク「頼むから女騎士を基準にして考えないでくれよ……」

桃太郎「まあ、これで私たちの旅の目的は達したな」

イヌ「そうですね、鬼たちの悪行はオークさんが取締ってくれるみたいですし」

女騎士「そうか……これから私はどうすれば」

オーク「じゃあここに住めよ」

女騎士「……いいのか?」

オーク「元の世界に戻る方法を探すにしても、俺の近くにいた方が都合がいいだろ」

女騎士「ふっ、いつ私に寝首を掻かれるかとも知れないのだぞ?」

オーク「お前ぐらいいつでも相手してやるよ」ニヤリ

―――こうして、日ノ本国の鬼たちは桃太郎一行によって鎮められ、

    人々に安心が取り戻された。

    鬼ヶ島綜合警備株式会社は帝の認可を得て各地で実績を上げ、

    業界シェアの87%を占める一大企業として名を轟かせた。

    また仕事で生み出した人脈を生かし、人外の雇用問題などにも取組み、

    人間と妖怪が調和した新たな時代を切り開く先駆けとなったのだった。

    そして



女騎士「結局、元の世界に戻る方法はわからんかったな」

オーク「まあいいだろう、今の生活も充実していて俺は好きだぞ?」

女騎士「そうか、それでは新入りどもをシゴいてくる」

オーク「教えるのは戦いのテクニックだけにしておけよ?」

女騎士「分かっているさ、全く貴様は私をなんだと思っているのだ」

オーク「女騎士だろ?」

女騎士「くっ、その通りなのになぜか否定しなければいけない気がするッ!!」

桃太郎「おじゃまします」

オーク「ああ桃太郎さんお久しぶりです」

桃太郎「オークさんも色々頑張りますね、今日は節分の鬼のボランティアでしたっけ」

オーク「本物を使った方がご利益ありそうだからな」

オーク「こうやって市民との交流を深めるのも大事な営業戦略だよ」

女騎士「そうだ、この節分という行事では豆を食べるらしいな」

オーク「言わせないよ?」

女騎士「え?」

オーク「言わせない」

女騎士「この私からオチを奪うだと……!?」


女騎士「くっ、殺せ!」


おわり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom