幼吸血鬼「ククク、お前を我の眷属にしてやろう!」 (114)

幼吸血鬼「えい!」カプッ

男「ハハハ、痛い痛い」

幼吸血鬼「どうだ!参ったか!」チューチュー

男「ハハハ、参った参った」

幼吸血鬼「これで今日からお前は我の眷属だ!ありがたく思え!」

男「そうだな、ありがとう。それじゃあもう寝ようか」

幼吸血鬼「む、私はまだ眠くはないぞ!」

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幼吸血鬼「大体吸血鬼は夜行性なのだ!これからが私の時間なのだ!」

男「じゃあ俺は夜行性じゃないからもう眠らなきゃなー」

幼吸血鬼「ぐぬぬ……主人を放っておいて眠る気か!」

男「おやすみー」

幼吸血鬼「うー……」

男「……」

幼吸血鬼「むーん」

男「……」

幼吸血鬼「むーん」

男「……どうすれば眠ってくれるかな?」

幼吸血鬼「今日は寒いなぁ……お、お前が何だか震えているから一緒に寝てやらんでもないぞ?」チラッ

男「そうだなー、寒いから隣で温まってくれる人がいればいいなぁ」

幼吸血鬼「ふん、私が必要ならばそういえばよかろう!」モゾモゾ

男(このちっこいヴァンパイア)

男(ある時無理矢理押し付けられたのだが)

男(何ともまぁ可愛い事で)

幼吸血鬼「カプー」カプッ

男「こらこらお行儀が悪いでしょ」

幼吸血鬼「むにゃむにゃ……」チューチュー

男「……寝ぼけて吸ってるのか。なにこの可愛い生物」

男(事の発端は数か月前……)


―――
――――――

男「あぁ、コーヒーが美味い」

男(週に一度しか開いていないといわれる隠れた喫茶店)

男(噂にそぐわぬこのコーヒーの美味しい事よ)

男「お客さんは少ないけれど、お店の雰囲気もいい。通い詰めちゃいたいくらいだな」

男「……ただ何か騒がしいけど」

幼吸血鬼「我は吸血鬼の女王ぞ!はよう持て成さんか!」バンバンッ

黒髪少女「ああ鬱陶しいッ!なんですかあなた、久々に会って早々人を召使いのようにコキ使って」

男(黒髪の女性はこのお店の店主みたいだけど……あのちっこいのは客か?)

幼吸血鬼「当然だ!私は偉いからな!」ドヤァ

黒髪少女「……ところで、あなたお金はあるんですか?こうして朝食を平らげてコーヒーを啜っていますが」

幼吸血鬼「無い!だが褒美として私の使い魔になることを許そうぞ!」

黒髪少女「あなた……昔の好だからとあまり調子に乗っていると痛い目に合せるぞ」ガッ

幼吸血鬼「ヒィッ!?」ビクッ

幼吸血鬼「なっ、何をするきさまー!」ビクビク

男「ちょッ!?幼女にいきなり武器を突き立てるってどうなの!?」

黒髪少女「大変申し訳ありませんお客様、ちょっと躾を……」

男「過激すぎでしょ!?ちょっと!他のお客さんも何か言ってよ!」


青髪爺「……」ズズー

金髪少女「はいあーん♪」

赤髪男「あーん♪」

眼帯少女「……スヤァ」


男「なんで誰も反応しないの!?」

黒髪少女「さ、往生しなさいな」チャキン

幼吸血鬼「うー……」ブルブル

男「て、店主さん暴力はいけないと思いますよ」

黒髪少女「……へぇ、この娘を庇うのですか」ニコッ

男(笑顔が怖ッ!)

男「そ、そういう訳じゃなくて……ほかのお客さんもいるんだから……」

幼吸血鬼「そこの貧相な一般人!私を助けろ!」ダキッ

男「おわッ!?突然何!?」

幼吸血鬼「んしょんしょ」ヨジヨジ

男「昇るなよ!」

幼吸血鬼「喜べ!私の盾になるといい!」ビクビク

男「盾!?嫌だよ!?」

黒髪少女「まったく、人を盾にするだなんて飽きれますね。やる気が削がれました」スッ

男「お……おう、なんのヤル気でしょうか」

黒髪少女「さて、もういいでしょう。怒ってないのでその人からとっとと離れてくださいな」

幼吸血鬼「……」

男「ん?」

幼吸血鬼「いいにおい……」

黒髪少女「おや?」

幼吸血鬼「……スー」

男「あ……寝ちゃった」


黒髪少女「フフッ……珍しい事もあるものですね。見ず知らずの人に突然懐いてそのまま眠ってしまうなんて」

男「あの、迷惑なんですけど」

黒髪少女「そのくらい我慢しなさいな。こんなに可愛らしい子供はそうはいませんよ?」

男「はぁ……」

黒髪少女「貴重な体験でしょう?」

黒髪少女「……そうだ、せっかくですしその娘、引き取ってもらえませんか?」

男「引き取るって……え?どういうこと?」

黒髪少女「そのままの意味ですよ。ウチに居られても困るので」

男「お宅の子じゃないんですか?」

黒髪少女「私が子持ちに見えますか?えぇ?」グリグリ

男「そういうことじゃないです。すみません、武器を押し付けないでください」

男「でも引き取るって言ってもこの子は……」

黒髪少女「親なし家族なし、最近ここに来たばかりで宿も無し、飯だけ喰らう態度の大きい幼女です」

黒髪少女「ま、ペット感覚で飼ってもらえればいいですよ」

男「飼うって……」

黒髪少女「餌はあなたの血でも少量与えるだけでいいですよ。この娘、吸血鬼ですが多くは飲みませんから」

男「いや、なんでもう引き取る事前提に話してるんですか」

黒髪少女「気に入らなければ煮るなり焼くなり犯すなり売り飛ばすなり生ゴミの日に捨てるなり好きにしてください」

黒髪少女「まぁ、あなたのような絵に描いたみたいな一般人にそんな非道な事は出来ないとは思いますが」グイグイ

男「ちょっと、困りますって!」

黒髪少女「お代は結構です、それではありがとうございましたー。またのご来店をお待ちしております」

バタン

男「えー……」

男「……」

幼吸血鬼「むにゃ……」

男「放置するわけにもいかないよなぁ」

幼吸血鬼「うにゅう」グリグリ

男「……」

男「可愛いなぁ」

――――――
―――


男(ってな感じで引き取ってしまったが)

幼吸血鬼「うー……」

男「おはよう、朝は辛そうだな」

幼吸血鬼「だから夜に話したであろう……私は夜行性だ」ゴシゴシ

男「眠れなかった?」

幼吸血鬼「ああ、半端な時間に起きてしまった。暇だったからずっとお前の寝顔を眺めておった」

男「それは恥ずかしいな」

幼吸血鬼「それより腹が減った。朝食を用意せい」

男「はいはい」スッ

幼吸血鬼「がぶぅ」カプッ

男「どうですかお嬢様?」

幼吸血鬼「うむ、今日も美味しいぞ!」チューチュー

男「それじゃあ俺も朝食を取ろうかな」

幼吸血鬼「なに?まだ食事をしていなかったのか?」

男「うん、それがどうしたの?」

幼吸血鬼「ただでさえ血圧が下がる寝起きに血を抜いたら貧血で倒れてしまうぞ」

幼吸血鬼「私の唯一のしもべであるお前が倒れたら大変だ。今度からはお前がしっかり朝食を取ってから我も血を吸うことにしよう」

男「何か、詳しいんだな」

幼吸血鬼「うむ!以前同じことをしたら殺されかけたからな!肘打ち裏拳正拳……」

男「誰に!?」

幼吸血鬼「喫茶店の憎きアイツだ!まったくちょっと吸ったくらいで……」プンプン

男(そりゃ無許可でそんな事しようものなら怒られるだろうさ)

男「それより、俺の事心配してくれるんだな」

幼吸血鬼「なッ!何を言っておるか!お前が倒れたら誰が私の身の回りの面倒を見るのだ!自らの所有物の管理くらいは当然だ!」

幼吸血鬼「決して心配をしている訳ではないからな!」

男「分かってるよ、ありがとう」

幼吸血鬼「ふんッ!」

幼吸血鬼「ところで今日の予定はなんだ?また出稼ぎか?」

男「出稼ぎって表現やめろよ……いや、今日は仕事は休み」

幼吸血鬼「お前は確か司書とか言っていたな。本が好きなのか?」

男「好きっていうかなんて言うか……まぁ求人出てたから入ったらそのまま採用されたというか」

幼吸血鬼「どこも人手不足と聞いていたがそうか。なんだかお前の将来が不安だぞ」

男「お前に不安がられてもねぇ」グニグニ

幼吸血鬼「ふぇあーやめろー!ほっぺた揉むなぁーッ!」

幼吸血鬼「私はお前の主だぞ!そんな扱いするな!」

男「ハハハ、ごめんごめん」

幼吸血鬼「ふむ、では今日は暇なのか」

男「うん、暇だな」

幼吸血鬼「うーむ、ならば私がお前の遊び相手になってやらんでもないぞ?」チラッ

男「あー、でも友達と遊ぶ約束していたような……」

幼吸血鬼「断れ!!許可無く我以外の者と遊ぶなど言語道断だ!!」

男(可愛いなぁ)

男「それじゃあ今日は何する?」

幼吸血鬼「お前が出稼ぎに行っている最中に一人でやってた死体ごっこは飽きたしな。二人で出来るのなら何をしようか」

男(んな事やってたのか)

幼吸血鬼「ううむ……いざ何かを考えると何も思い浮かばん」

男「それならさ、お前の事色々聞きたいな、俺は」

幼吸血鬼「私の事か?」

幼吸血鬼「話して面白い事なぞ何もないぞ」

男「いい時間潰しにはなるよ。色々知りたいしさ」

幼吸血鬼「わ、私の事がそんなに気になるのか」モジモジ

男「ああ、あんまりそういう話をしなかったからな。いい機会だと思う」

幼吸血鬼「うむ!そこまで言うのなら話してやらんこともないぞ!」

男(可愛いなぁもう)

幼吸血鬼「ふふふ、今我はとても気分がいい!何でも聞くがよい!」

男「それじゃあまず……なんでいつもそんな恰好してるの?」

幼吸血鬼「そんなとは?」

男「裸マント」

幼吸血鬼「んなッ!?失礼な!大事なところは隠してあるだろう!」

男「うん、気持ち程度に細い布切れでな」

幼吸血鬼「これはヴァンパイアの女王である我の正装であるぞ!そんな、と一言では片づけられはしない深き歴史があるのだ!」シュバッ

男「どんな?」

幼吸血鬼「……ちょっと待っていろ、今考える」

男(ダメじゃん)

幼吸血鬼「な、なんだその眼は!本当だぞ!嘘など言ってはいないぞ!」

男「本当のところは?」

幼吸血鬼「他に着る服がない……」ウルッ

男(ああもう!買ってやる買ってやる!!好きなだけ買ってやる!!)

幼吸血鬼「……お前、ひょっとしてこんな凹凸の無い私の体に欲情しているのか?」バッ

男「そんな警戒しないでください、してないから」

幼吸血鬼「なんだ、つまらん奴め」

男「そこは欲情しちゃアウトだよ」

幼吸血鬼「ふん、若い肉体に欲情するのは男のサガだと聞いていたが違うのか」

男「お前くらいの子に欲情するのは一部の人間だけだと思うぞ。少なくは無いと思うけど」

幼吸血鬼「……気になっていたのに服装について数か月放置していてとは中々だと思うが」

男「目の保養にはなりましたから!」

幼吸血鬼「他に何かあるか?」

男「じゃあ、ヴァンパイアの女王って言ってるけど。実際本当に女王様なの?」

幼吸血鬼「うむ、これは嘘ではないぞ。一族はとっくに滅んでしまっているがな」

男「あー……なんか」

幼吸血鬼「気にするでない。もう数百年も前の話だ」

幼吸血鬼「だが、まぁ復興させればいいだけの話。その為には多くの人手がいる」

幼吸血鬼「そういうわけだ!お前はしもべ第一号!これからも我に忠誠を尽くすのだ!」

男「ハハハ、分かっているよ」

幼吸血鬼「うむ!働き次第によっては褒美をくれてやるぞ!」

男「褒美か……何がもらえるんだ?」

幼吸血鬼「待遇のランクアップをさせてやる」

男「微妙に嬉しいのかどうか分からないが……内容によるな」

幼吸血鬼「まずは超底辺のしもべ!使いッパシリ程度の扱い!」ビシッ!

男「ひでぇ!?」

幼吸血鬼「次は執事へとランクアップ!完全に私の身の回りの世話を任せる!」

男「あれ?今の俺じゃないの?」

幼吸血鬼「む?まぁ人手がないと言ったであろう。代理だ代理、うん」

幼吸血鬼「次は参謀!執事を卒業し我の全世界ヴァンパイア計画を成し遂げるためにともに戦うことになるのだ!」

男「ぶっ飛んだな。全世界ヴァンパイアとか変な事言うからあの喫茶店の人に殴られたりするんじゃないのか?」

幼吸血鬼「失敗を恐れていては何も出来ぬ!その計画自体はまたいずれ話そうぞ、ククク……」

男(どうせ安直に世界征服とかだろうとは思うけど)

幼吸血鬼「次は……そうだな、次はどうするかな」

男「ここまで来たらもう信頼とかそういうの通り越して親愛なんじゃないかな?」

幼吸血鬼「親愛とな?ふむ……では次のステップに相応しいのは……」

男「夫とか」

幼吸血鬼「ぶぉッ!?夫じゃと!?」ボッ

幼吸血鬼「なッ!何と不埒なッ!我は……私が夫とするのは……」ゴニョゴニョ

男(顔真っ赤にして可愛い)

幼吸血鬼「とーもーかーく!私の夫となるにはそんな成り上がりではダメだ!初めから出来た男でなければ!」

男「そんな事言ってたら恋愛結婚できないよー?」

幼吸血鬼「う、うるさい!だったら夫なぞそんなもん必要になったら我が手っ取り早く決めてやる!」

男「復興するのならどの道血筋は必要だけどなー。子供作ったり」

幼吸血鬼「子ッ!?う、うるさーい!!もうこの話は終わりじゃ!!」

男(子作りの内容は分かってるのね。この手の話でからかうの超楽しい)

幼吸血鬼「まったく!人をからかいおって!」

男「そう怒るなよ。ほら、血でも吸って落ち着いて」

幼吸血鬼「うむ!」カプッ

男「あー、なんか最近血を吸われる量が増えてるなぁ」

幼吸血鬼「私に血を献上することはよいことだ!悔やむことではないぞ!」チューチュー

幼吸血鬼「それじゃあ今度は私から質問だ」チューチュー

男「何なりとどうぞお嬢様」

幼吸血鬼「お前は何故見ず知らずの私を家に置こうと思ったのだ?」

男「仕えているのは俺の方だから置いているって表現はおかしいんじゃないの?」

幼吸血鬼「そ、そうだった!訂正する!なぜ我に忠誠を誓おうと思った!」シュバッ

男(面倒見てもらっているって自覚はしてくれてるんだなぁ)

男「こんな寒い時期にそんな恰好した女の子を放っておけないだろ」

男「それに、一目惚れってやつ?可愛かったからさ」

幼吸血鬼「!!?」

男(目が点になって顔が真っ赤だ、可愛い)

男「あなたは私にとっての最良の主人でございます、どうぞ今後ともよろしくお願いします」

幼吸血鬼「う、うむ!よきにはからえ!まだまだ不出来だが長い目で見てやらんこともないぞ!」

幼吸血鬼「ううむ……しかし、私は初めお前は下心があったと思っていたのだが」

男「下心て……」

幼吸血鬼「そりゃそう思うだろう。子供とはいえ私も女、そういう趣味の者に付け狙われたら大変だ」

男「だから俺はそういう趣味は無いから!」

幼吸血鬼「ま、それがつまらんと言っている。いっそ襲ってきてくれれば面白いが。返り討ちにするけど」

男「流石に犯罪はダメ絶対」

男「まぁペットを飼う感覚でいいって聞いたからね。こんな可愛い生物なら置いておきたいし」

幼吸血鬼「あ゛?ペット?」

男「あ、やべっ本音が」

幼吸血鬼「きさまーッ!私の事をペット扱いしていたとでも言うのかーッ!?」

男「違うって、さっき忠誠を誓うって言ったじゃん!」

幼吸血鬼「信じられるかーッ!もっと血をよこせーッ!」ガブッ

男「痛ッ!?いつもより痛い!?」

幼吸血鬼「吸い尽くしてやる!」チューチュー

……

ザパァ

男「お嬢様、痒いところはございませんかー?」ワシャワシャ

幼吸血鬼「うむ、そのまま続けい」

男「はいはーいっと」

幼吸血鬼「いやぁ、風呂というものはよいものだ。暴れた後の汗も洗い流してくれる」

男「俺は散々血を吸われてフラフラだけどね。今はあんまりお風呂入りたくない」

幼吸血鬼「自業自得とかいうやつだな」

男「それよりヴァンパイアって水とか苦手なんじゃなかったの?そういう話を聞いたことがあるんだけど」

幼吸血鬼「清められたものや真水がダメ。アレを被ると本当に人間の子供程度にしか力が出せなくなる」

男「強い生物ってそういう目立った弱点があるんだな」

幼吸血鬼「強いから目立つ弱点があるのではなく、強いからこそ広く弱点が知れ渡っているだけだ」

幼吸血鬼「しかしまぁ……」

男「ん?」

幼吸血鬼「本当に反応しないものだのう、お前のモノは」ギュム

男「ちょっと、やめて!ホントにアウトだから!刺激与えたらホントダメだから!」

幼吸血鬼「その嫌がりっぷりは本物か。まぁ私とてそこまで鬼ではないわ」

男(いくら子供相手だからと言ってもそんなスベスベの手で触られたら理性が飛びそうです)

幼吸血鬼「なぁ、参考までに聞く。本当に参考だが」

男「念を押してどうした?何が聞きたい」

幼吸血鬼「……お前、どのような女子が好みだ」

男「ぶっほぁッ!?」

幼吸血鬼「な、なんだ!?」

男(あかん、健気や……)

幼吸血鬼「べ、別に変な意味など無いぞ!ただしもべがどのような性癖かを知っておくのも主の務めだ!」

男(ちょっとその言い訳は苦しいです。可愛すぎて鼻血でそう)

幼吸血鬼「ほら言ってみろ、悪いようにはせんぞ」

男「うーん……可愛ければ何でもいいかなぁ」

幼吸血鬼「節操のない奴め」

幼吸血鬼「……元の姿に戻れたら多少は顔でも赤らめてくれるのだろうか」ペタペタ

男「元の姿?」

幼吸血鬼「なんでもない、もう私は出るぞ」ザパァ

男「あ、はいはい。体拭くから待ってて」

幼吸血鬼「ああ、頼むぞ」

……

男(後は眠るだけだけど……)

幼吸血鬼「……」ウツラウツラ

男(そういや昨日あんま眠ってないんだっけ、辛そうだな)

幼吸血鬼「今日も寒いのなら隣で寝てやらんことはないぞ?」ギュッ

男(そういってしっかり俺の服を掴んでるし)

男「それじゃあお願いしてもいいかな?」

幼吸血鬼「仕方がないな。いい大人が少し甘えん坊なんじゃないか?」ギュッ

男(どっちが甘えん坊なんだか)

幼吸血鬼「では我は仮眠を取る、お前を抱き枕として扱ってやるから光栄に思え」

男「はいはい、ありがとうございますお嬢様」

カプッ

男「あっ」

幼吸血鬼「むぐ……」チューチュー

男「ありゃりゃ、また噛んだまま寝ちゃった。噛み癖でも付いているのかな?」

幼吸血鬼「……いいにおい……」スースー

男「おやすみ、可愛いお嬢様」

小休止
書きためは終わっている

再開

――――――
―――



カランカラン


黒髪少女「いらっしゃいませー……あら?」

幼吸血鬼「うむ!喜べ!わざわざ我の方から出向いてやったぞ!」ドヤァ

黒髪少女「……」スチャッ

幼吸血鬼「こ、こら!無言で武器を構えるな!今日は金を持ってきている!」

黒髪少女「太陽に弱いのにわざわざご苦労様です、コーヒー一杯飲んだら帰りなさい」

幼吸血鬼「こっちは日傘常備しなければ昼間は出歩けんというのに酷い対応だ……」

黒髪少女「お小遣いを手に持って、可愛らし服を着て。あの男の人に貢がせたんですか?」

幼吸血鬼「奴は我のしもべだ!ここまでするのは当然のことであろう!」ビシッ

黒髪少女「はいはい、あなた完全にペット扱いされてますね」

幼吸血鬼「お前か!奴に変なことを吹き込んだのは!?」

黒髪少女「それで、今日は何をしにここへ?まさか本当にコーヒーを飲みに来ただけじゃあるまいし」

幼吸血鬼「……まぁ、意地を張らずに素直に聞きたいことがあってな」

黒髪少女「あら珍しい、なんでしょうか?わかる範囲でなら答えますよ?」

幼吸血鬼「ワケあって早急に元の姿に戻りたい!お前はどうやってその姿に戻った!」

黒髪少女「は?」

幼吸血鬼「え?」

黒髪少女「え?」

黒髪少女「いえいえいえ、私以前からこの姿のままなのですけど。はいコーヒーどうぞ」

幼吸血鬼「わーい!……じゃなくて、そんな馬鹿な!じゃあなぜ私だけこのようなちびっ子の姿になっている!」ズズズ

黒髪少女「知りませんよ、力の使い過ぎでそうなったんじゃないですか?」

幼吸血鬼「封印から解かれたら既にこの姿になっていた!お前は違ったのか!?」

黒髪少女「あなたとは格が違いますので。そんなちんちくりんになったりはしませんよ」

幼吸血鬼「ぐぬぬ……元に戻る方法を知らんとは……」

黒髪少女「魔力が回復すれば自然と戻る気もしますが……どうしたのですか突然。しばらくそのままでもいいじゃないですか。可愛いですし」

幼吸血鬼「元の姿の方がもっとプリティだ!……理由は話すつもりは無いが、とにかくすぐに元の姿に戻りたい」

黒髪少女「……チッ、惚気話か」

幼吸血鬼「な、なんのことかな?私は知らんなぁ?」

黒髪少女「それはそれはお熱い事で。吸血鬼の女王がただの貧相な一般人相手に恋い焦がれるなんてお笑いですね」

幼吸血鬼「馬鹿者!奴はただの一般人などではなく私の一番のしもべだ!」

黒髪少女「一番ですか、あー痒い痒い」

幼吸血鬼「あ、違ッ!一人しかいないから一番であってそんな意味じゃ……」アタフタ

黒髪少女「まったく……毎日血を吸い続けていたのならそろそろ戻ってもいい頃合いだとは思いますよ。それ以上早めたいのなら直接吸性を……」

幼吸血鬼「それは……ダメだ。奴はそんな事は望んではいない」

黒髪少女「だったら時間が解決するのを待ちなさいな。私からは言えることはそれ以上ありません」

幼吸血鬼「むぅ……」

黒髪少女「……ハァ、仕方がないですね。ちょっと失礼しますよ」スッ

幼吸血鬼「え?」

パアァ……

幼吸血鬼「今なにした?」

黒髪少女「少しですが私の魔力を分け与えました……元に戻れるくらいには回復したのではないですか?」

幼吸血鬼「お前……」

黒髪少女「一応仲間ですから、困ったときはお互い様って事で」

黒髪少女「おそらくですが、その状態でも魔力の解放を行えば無理やりにでも元の姿に戻る事は出来るんじゃないでしょうか?ま、憶測ですが」

幼吸血鬼「……」

幼吸血鬼「おい」

黒髪少女「まだ何か?」

幼吸血鬼「……ありがと」

黒髪少女「あら珍しい。お礼を言うなんてガラじゃないのではないですか?」

幼吸血鬼「ふん!本当にほんのちょっぴりだけ足しにはなったわ!まぁ記憶の片隅に留めておくようにはしておいてやってもいいぞ!」

黒髪少女「はいはい、それじゃあ早く帰って好きなだけ甘えてきなさい」

幼吸血鬼「そんなことはせん!我が甘えさせる方じゃ!」

ここでとてもナチュラルに幼吸血鬼の口調をミスる

……

ガチャ

男「ただいまー、遅れてゴメン。仕事が長引いちゃってさー」

幼吸血鬼「ふん!遅いじゃないか」

男「あ、ひょっとしてお腹空いてる?ゴメンゴメン」

幼吸血鬼「そんな事は今はどうでもいい。明日お前は出稼ぎは休みであったな」

男「うん、それがどうした?」

幼吸血鬼「フフン!明日は我の買い物に付き合わせてやる!光栄に思うがいい!」

男「何か買いたいものがあったか?それなら前に服買いに行ったときに一緒に言えばよかったのに」

幼吸血鬼「ええい!そういうことではないわ!」

幼吸血鬼「ともかく!明日は朝から街の中央の噴水の前に集合だ!」

男「え?集合って……一緒に行けばいいだろ」

幼吸血鬼「だーかーらー!そういうことではないと言っているだろうが!」

幼吸血鬼「もう知らん!先に寝る!」ボフッ

男(すっかり夜行性じゃなくなってるなぁ)

男「ご飯はいいの?」

幼吸血鬼「もう必要ないわ!」

男「必要ない?」

幼吸血鬼「……ともかく、明日は遅れるなよ。面白いものを見せてやるからな」

男「面白い物ねぇ……期待せずに待っておくよ」

幼吸血鬼「ふん!仰天のあまり腰を抜かすがいい」

――――――
―――


男「で、朝本当にいなくなってたし」

男「待ち合わせ時間の前に噴水の前に来たはいいけどアイツいないし!」

男「ひょっとして騙されたか?日頃からちょっとからかい過ぎたのが原因か……むむむ」

「阿呆、お前を手玉に取っているのは私の方だというのに」

男「お、やっと来たな」


吸血鬼「すまないな、着れる服を調達しに行っていたら遅れた。まぁ主人が遅れてきたからと文句を垂れているようではまだまだだが……」

男「お前……ッ!」

吸血鬼「んー?どうした?私を見て何か言いたげな顔をしているなあ」ニヤニヤ

男「子供の成長は早いっていうけど、最近の子は育ち盛りなんだな」

ガブッ

男「痛ッ!?なんで噛みつくんだよ!ここ街のど真ん中だぞ止めろって!」

吸血鬼「もっと他に言うことがあるだろう!」

男「いやだって大きくなったとは思うけど目覚ましい成長をした訳じゃないからな……」

吸血鬼「うう……確かに元の姿に戻ったところで私の体は人間でいう14、5歳の娘と同じ程度ではあるが……確かにボリューム不足か」

吸血鬼「それに……驚かないのか?」

男「十分驚いたよ、でもすぐにいつもと変わらないお前だってわかったからこっちも態度を変える必要とかは無いしな」

吸血鬼「……ふん、まあそこは良しとしよう」

吸血鬼「早速だ、手を出せ」

男「ん、こうか?」

吸血鬼「ああ、それでいい。強く握れ」ギュッ

吸血鬼「今日はお前が私をリードすることを許そう。退屈させたら承知しないぞ」

男「あ、でもこれって……」

吸血鬼「俗に言うデートとかいうやつだな。不服か?」

男「そんなことはないよ。お前の方はいいのか?貧相な一般人相手にそんな事をさせて」

吸血鬼「今日は気分がいいから無礼講だ。適度に我を満足させてみせよ、大事なしもべよ」

男「ハハっ……それではお嬢様、ワタクシめがこの街を一日かけてご案内いたしましょう」

吸血鬼「うむ、よろしく頼むぞ」

……

吸血鬼「おい、そこの服屋に寄るぞ」

男「服か……前買ったのは気に入らなかった?」

吸血鬼「そ、そんなことは無いが……私だって女だ、それにこの身の丈に合う服だって欲しい……ダメか?」

男「ハァ……俺の財布が持つ程度になら」

吸血鬼「お、このワザとらしい煌びやかな服いいな」

男「いくらなんでも派手すぎるだろそれ、光ってるぞ。うわ値段凄い」

吸血鬼「変に可愛らしい物よりも私はこっちの方が好きだがな。買え」

男「やめて、ウチの懐事情危険なの知ってるでしょ」

……

「何あの人たち」

「ああいうプレイ?」

「恥ずかしくないの?」


男「あのー、お昼ご飯だからと言って俺の膝の上に対面するように座られたらちょっと恥ずかしいんですけど」

吸血鬼「いつも同じことをやっているではないか」チューチュー

男「それはちっちゃい姿だから許されているのであってだね」

吸血鬼「知らんな!」チューチュー

男「ああ、日傘で丁度上半身が隠れて周りから卑猥なことしているように見えているんだろうなぁ」

……

吸血鬼「ここは……お前が出稼ぎに来ている場所か」

男「その言い方間違ってるから使わないでって!」

吸血鬼「なるほどな、魔法図書館か。ふむ、なかなかの物が揃っているな」

男「あんまり騒いだりしないでよ?同僚に白い目で見られたくないからさ」

吸血鬼「……内容はてんで間違ったものばかりだな、よくこんなので貸し出しなんて出来るな」ポイッ

男「オイこら!?何捨ててくれてるんだよ!?」

吸血鬼「お前の方が騒がしいぞ……私の財産にもっといい本が山ほどある。今度この図書館に寄贈してやろう」

男「え?あー、そんな事しなくてもいいよ別に」

吸血鬼「このくらいしかお前の顔を立ててやることが出来ないからな。ま、ありがたく思え」

……

吸血鬼「あー疲れた!」

男「一日中歩き詰めだったからな、お疲れさん」

吸血鬼「私が望んで行ったことだ、その労いの言葉はいらんぞ」

男「それで、今日は楽しめましたか?お嬢様」

吸血鬼「ん……60点というところだな」

男「それは手厳しい事で……」

吸血鬼「あ!け、決して退屈という訳ではなかったぞ!私の合格点は案外低めだからな!今日は大負けしてこの点数だ!」

男(言ってること滅茶苦茶になってるよー)

吸血鬼「しかしまぁ……最後に選んだ場所が街を一望できる時計塔の上と来たか」

男「本当は入っちゃいけない所だけど、昔からある抜け道を知っていたからな」

男「ここから見える夜景なら締めにはちょうどいいかなと思って」

吸血鬼「ああ、及第点はくれてやろう」

男「気に入ってもらえて何よりだよ」

吸血鬼「ああ……そうだ、それよりも今は少し話がしたい」

吸血鬼「私の事について。お前には聞いてもらいたい」

男「重要な事?」

吸血鬼「ああ……聞いてほしい」

吸血鬼「今まで隠してきていたが、私はその昔、英雄と崇められた存在だ」

男「英雄……」

吸血鬼「戦争で人々助け、そして勝利まで導いた古い英雄の一人」

吸血鬼「多くの犠牲を払い、争いの日々は終わった。しかし、英雄たちは自分たちの力を求め人々が新たな争いを起こさぬようにと自らを封印することに決めたのだ」

吸血鬼「その際どういった不具合かは分からんが、力を使い果たした私は数百年の封印の中で幼い子供の姿になってしまったのだ」

男「今元の姿に戻れているのは……」

吸血鬼「力が回復した、と言ったところだな」

吸血鬼「ククク……感謝するぞ。これも毎日お前の血を摂取してきたおかげだからな」

男「そりゃどうも。お前が幸せそうならそれでいいよ」

吸血鬼「い、言うではないか!確かに感謝はしているがそれ以上は別に何もないからな!」

男「はいはい、いつもの事だからな。わかってるよ」

吸血鬼「……いや、違うな」

男「ん?」

チュッ

男「ッ!?」

吸血鬼「たまには素直になってみるのも悪くは無いな……どうした?」

男「い……い、今なにしたッ!?」

吸血鬼「永遠という名の呪い……接吻だ。この呪いはとても重いぞ?」

男「いやぁ……なんか素で驚いた。らしくないと思って」

吸血鬼「フン!しもべの分際で……口を慎めよ」カプッ

男「ちょ!?ここで吸血ですか!?」

吸血鬼「いいだろうそのくらい……それはまぁいい。それよりどうだ?このくらいの見た目の女子になら少しは興奮もできよう」

男「え?それってどういう……」

吸血鬼「丁度人目に付かないいい場所だ。つまりはこういうことだ!」グッ

男「ッ!急に押し倒すのは酷いんじゃないか?」

吸血鬼「お前だって少しは期待していたんじゃないのか?

吸血鬼「今まで散々焦らしおって。人が好いているのを知っていてあの態度を貫き通していただろう」

男「あーハハハ……可愛かったからつい」

吸血鬼「つい、で済ますな馬鹿者が」

吸血鬼「……いいにおい。私はずっとこのにおいを嗅いでいた」

男「たまに言ってたみたいだけど、それってどういう臭いなんだ?」

吸血鬼「雄の臭い、それも猛った雄の」

吸血鬼「私が求めるくらいだ、よっぽど私と相性がいいんだろうな。本能でわかる」

男「……」

吸血鬼「どうした?いつものように私を軽くあしらってみせよ」

男「ここまでされたら流石に恥ずかしいというかなんというか」

吸血鬼「お前、結局ロリコンとかいう部類じゃないか」

吸血鬼「与太話はここまで、それでは早速……」ゴソゴソ

男「あ、ちょっと!」

吸血鬼「おお!立派立派!……ニヒヒ、嬉しいぞ。私で興奮してくれるのは」

男「いかん、本格的に恥ずかしい!」

吸血鬼「何も恥じる事は無い、お互いに初めてなのだから。経験は無いが種族の記憶に刻まれている」

吸血鬼「全てを委ねよ……そう、お前は私の……我の者だ。他の誰にも渡すものか」

吸血鬼「さぁ、始めよう。我が一族の繁栄の為に、お前には私の作る世界の王となってもらう!」

男「そりゃすごい格上げだな……」

吸血鬼「夫婦という答えを出したのはお前だ……冗談とは言わせんぞ!」

吸血鬼「もう何を恥ようか、何を躊躇おうか。愛しておる、契りを交わそう……」

男「お、お手柔らかに!」

吸血鬼「うむ!それでは……」

吸血鬼「いただきまー……」


ホブンッ!


幼吸血鬼「へ?」

男「あれ?」

幼吸血鬼「あれ?え?なんで?」

男「元に戻ったな……」

幼吸血鬼「ええいこんな大事な時に!!なんでまたちんちくりんに戻ってしまったのだ!!」

幼吸血鬼「……ええい知るか!このまま強行突破だ!」

男「それはダメだ!」

幼吸血鬼「う……うう」グスン

男「お、おい泣くなって」

幼吸血鬼「せっかく……せっかく素直になれたのに……えぐっ」

男「ああもう!」ダキッ

幼吸血鬼「あっ……」

男「どんな姿してたって、俺はお前の事好きだよ」ナデナデ

幼吸血鬼「あー……うー……」

男「今日はもう帰ろうか、疲れたしな」

幼吸血鬼「……うん!」






幼吸血鬼「それよりもさっきの続き、しない?」

男「断る、俺を本格的に犯罪者にしたいのか」

――――――
―――


幼吸血鬼「あのあと滅茶苦茶噛みついた!」ガブガブ

男「現在進行形で何故か首筋ではなく頭をかじられていますが」

黒髪少女「はいはい惚気話はいいですよ。わざわざ店に顔を出してまで報告するな鬱陶しい」

幼吸血鬼「独り身の女が何か言っているなー」

幼吸血鬼「しかし何故またこの姿になってしまったんだろうな」

黒髪少女「純粋に魔力の回復がまだだったのに無理やり元の姿を維持しようとしたからだと思いますよ」

幼吸血鬼「お前から魔力を貰って、言うとおりに解放を行ったのになぁ」

黒髪少女「あれ?真に受けちゃったんですかそれ」

幼吸血鬼「へ?」

黒髪少女「あなたに渡した魔力量は本当にたかが知れていますし、魔力の解放なんて出鱈目に言っただけなのですが」

幼吸血鬼「きさまぁぁあああああああ!!」ガギンッ!

黒髪少女「あなたいつから噛みつきキャラになったんですか、その程度じゃ私には当たりませんよ」

黒髪少女「しかしまぁ、一時的にでも元の姿に戻れたのですからいいじゃないですか」

男「そうそう、ゆっくり元に戻るのを待てばいいよ」ナデナデ

幼吸血鬼「あーうー……」

黒髪少女(すっかり手懐けられてペットみたいになっちゃって)

幼吸血鬼「長生きはするものだな、良き伴侶に出会えることは幸せだ」

黒髪少女「それは重畳、あなたが幸せそうで何よりですが……やれやれ、今日のお代は結構です。後は当人たちで片づけてくださいね」



男「おいいいい!!何とか言えよ!!俺はもう人間じゃないのか!?」

幼吸血鬼「そんなものは私にとっては関係ない!」チュッ

男「ッ!」

幼吸血鬼「お前が私の姿が変わっていようとも愛してくれるように、私もお前がどんな姿だろうと愛していける」

幼吸血鬼「人間だろうとヴァンパイアだろうと、そんなものは関係ない」

男「おいおい……」

幼吸血鬼「お前は我のものだ!ずっと話さないと言ったであろう!」

幼吸血鬼「これからもずっと!」




幼吸血鬼「ククク、お前を我の眷属にしてやろう!」 おわり

終わった
一旦書き終えてから大きく修正を加えたから幼吸血鬼の口調がおかしくなってるかも
ブログの方で今後の投下予定SSを知っていた方
思いっきり告知をガン無視して申し訳ありません。突発的に書くので多分こういう事が増えます

もしお付き合いしていただいた方がいましたら、どうもありがとうございました

過去作
http://blog.livedoor.jp/innocentmuseum/

地味に新作一か月ぶりくらいなのか……

うわああああああ!!
ごっそり抜けてる箇所があるorz

少々お待ちを

>>97から

黒髪少女「所であなた、そのデートの日以降に何か変わったことはありませんでしたか?」

男「あ、俺の事?」

黒髪少女「はい。腐ってもそこの小さいのはヴァンパイア。あなたに何か影響が出ている可能性があります」

男「んー……強いて言うなら」

男「こいつがベッタリ甘えるようになったって事かな」

幼吸血鬼「えへへー……恋人同士だから遠慮する必要ないもんねー」

黒髪少女「ふむ……ちょっとした話でもしましょうか」

男「何ですか?」

黒髪少女「ヴァンパイアは基本的にプライドが物凄く高い種族です」

黒髪少女「自分たちを絶対的な頂点と考えていますからね」

黒髪少女「特に、人間を下等種族と見下して食料か何か程度にしか認識していない場合がほとんどです」

男「一緒に暮らし始めた時とか完全にそんな感じだったなぁ」

黒髪少女「そんな種族の女性が相手を対等に扱うようになる……これがどういう意味か分かりますか?」

男「惚れた弱みってやつじゃないの?」

幼吸血鬼「うにゃーん」

黒髪少女「中にはそういう個体もいるでしょうけど……この場合、真っ先に考えられる理由が」




黒髪少女「眷属化です」

男「えー……」

黒髪少女「自分と同じ種族にしてしまえば気兼ね無く接することが出来ますからね」

黒髪少女「で、実際のところどうなんでしょう?ネージュ、あなたひょっとして彼に……」

幼吸血鬼「さーてな!そんなものどうしたか忘れてしまった!」

男「お、おい!たまに眷属にしてやるって言ってたけど、アレ流石に冗談だよな?冗談でやってたんだよな!?そんな事してないよな!?」

幼吸血鬼「さーて、どうだったかなーフフン」

>>98

大変失礼しました

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年04月07日 (月) 23:19:42   ID: Amwcwi1i

思わずニヤついてしまった。

2 :  SS好きの774さん   2014年08月29日 (金) 22:00:21   ID: ybs7g89K

乙です

3 :  SS好きの774さん   2015年01月30日 (金) 19:19:56   ID: mNF6rSpS

なんか良いね

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