恭介「理樹が記憶喪失になった・・・」 真人「は?」(335)

謙吾「また唐突だな・・・って、え?」

真人「わけがわからねぇよ!」

恭介「そのままの意味さ・・・理樹が全生活史健忘、つまり記憶喪失になった」

恭介「なんとかしてやろうじゃないか。俺たち・・・リトルバスターズが!」

理樹「・・・・・・」コソッ

謙吾「・・・・・・」

真人「・・・・・・」

真人「・・・あれっ?いつもならここで理樹のツッコミが入るはずじゃ・・・」

恭介「だから記憶喪失って言ってるだろ・・・」

謙吾「俄かには信じ難いな・・・さっきまで普通に俺たちと全力7並べをしていたんだぞ」

真人「飲み物買いに出て行ったきり帰って来なくて、心配していたところだったんだが」

恭介「ああ、ちょうど自販機の前で理樹と鉢合わせたんだが・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ガシャン!

理樹『ふぅ・・・また負けちゃったよ・・・真人ったら5を止めて微動だにしないんだもんな・・・』

恭介『お、理樹じゃないか』

理樹『恭介!お帰り!』

恭介『俺のいない間に何かあったか?』

理樹『ううん、いつも通りだよ・・・というか、何かあるのがいつも通りなんだけどね』

恭介『はは、それもそうだな・・・』

恭介『・・・・・・』

理樹『どうしたの?』

恭介『理樹・・・ありがとな・・・俺の帰ってくる場所を守り続けてくれて』

理樹『僕は特別なことは何もしてないよ・・・ただここがみんなが自分らしくいられる場所なんだ。みんな最高の仲間だよ』

恭介『フッ・・・そうだな!リトルバスターズは最高だ!』

理樹『うん!リトルバスターズ最高!』

恭介『よし!俺が帰ってきたからにはお前ら全員寝かせねぇぜ!理樹、部屋まで競争だ!』ダッ

理樹『待ってよ恭介!・・・うわっ!?』ズルッ

ゴンッ!!

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

謙吾「渡り廊下に転がっていた野球ボールに足をとられ転倒、後頭部を強打したと・・・」

真人「理樹も久しぶりに恭介が帰ってきて浮かれていたんだろうな・・・」

恭介「ああ・・・そして起きたら全てを忘れていた」

謙吾「まったく、お前が傍にいながらなんたることだ・・・やはり理樹を守れるのはこの俺しかいないようだな」

真人「なんだと!?そいつは聞き捨てならねぇな!」

謙吾「理樹、何も心配はいらない。記憶が戻るまで俺がお前を守ろう」ズイッ

真人「いや、俺がこの筋肉でふんわり包み込んでやるさ。なぁ理樹!」ズイッ

理樹「うう・・・」

理樹「こ、怖い・・・」

真人・謙吾「」

恭介「そりゃ巨漢2人に迫られたら普通ビビるだろ」

真人「くそぅ・・・何でこんなにでかくなっちまったんだよぅ!」

謙吾「無念・・・!」

恭介「まずは理樹に2人を紹介するところから始めよう」

恭介「理樹、こいつは『憎めない筋肉馬鹿一直線』、井ノ原真人」

真人「おう」

恭介「こっちは『最強の男児にして真人のライバル』、宮沢謙吾だ」

謙吾「うむ」

恭介「見た目はでかくて怖いが、2人ともお前の親友なんだぞ」

理樹「親友・・・」

真人「へへ・・・」

謙吾「フ・・・」

恭介「真人も、謙吾も、そして俺も、いつだってお前の味方だ。記憶を無くして不安だろうが・・・俺たちが傍にいる」

理樹「君たち・・・いや、僕たちは・・・いったい何なの・・・?」

真人「俺たちか?」

謙吾「悪を成敗する正義の味方。人呼んで・・・」

恭介「リトルバスターズさ!」

理樹「リトル・・・バスターズ・・・」

恭介「ああ、俺たちは仲間だ。一緒に記憶を取り戻そう・・・理樹!」

理樹「う、うん・・・よろしく・・・!」

真人「よろしくなんて他人行儀だなぁ。ここは玄人っぽく『シクヨロ』でいいんだぜ?」

理樹「え?」

真人「え?」

理樹「・・・・・・」

真人「・・・・・・」

恭介「真人。何度も言うが理樹は記憶を失っているんだ。ボケればいつものようにキレのいいツッコミが返ってくると思ったら大間違いだぞ」

真人「別にボケようとしたわけじゃねぇけどよ・・・」

謙吾「素だからな」

恭介「謙吾も気をつけろよ。俺たちのボケや無茶は理樹のツッコミありきだからな」

謙吾「ああ・・・まさに、笑いの等速直線運動というわけだ」

理樹「・・・・・・」

真人「・・・・・・」

恭介「・・・・・・」

謙吾「あ、いや・・・今日物理のテストがあっただろ?つまり、理樹という名の摩擦がない今、すべったらどこまでも・・・」

理樹「・・・・・・」

謙吾「・・・・・・」

真人「うおおーーーーっ!!こんなん耐えられるかーーーっ!!」

理樹「!?」ビクッ

ガチャ

恭介「まったくお前らは・・・ん?」

真人「もう我慢できねぇ!いつものように思いっきり(ボケに対し)突っ込んでくれよぅ!」

謙吾「抜け駆けは許さんぞ真人!理樹、俺にも(ツッコミを)入れてくれぇ!」

鈴「・・・・・・」

真人・謙吾「・・・ハッ・・・」

バタン

真人・謙吾「うわあああああ!!ちょっと待てえええええ!!」

鈴「うにゃ~~っ!放せぇ~~っ!!」

真人「待て、お前は大変な誤解をしている!」

鈴「変態で豪快!?」

謙吾「言っとらんわぁ!」

恭介「まぁよく聞け、鈴。理樹は今・・・記憶喪失に陥っている」

鈴「なにぃ!?そんなん信じられるか!また何か企んでるんだろ!」

理樹「・・・・・・」

鈴「・・・・・・」

理樹「あ、あの・・・」

鈴「山」

理樹「ええっ!?か・・・川?」

鈴「ほらみろ!どこが記憶喪失だ!」

真人「んなもん誰だって答えられるだろーが!」

恭介「・・・というわけだ」

鈴「うーみゅ・・・どうやら本当のようだな・・・」

恭介「じゃあ改めて紹介するぞ理樹。こいつは『なかなか人に懐かない気高き仔猫』、棗鈴
   お前らと同学年で初期リトルバスターズの紅一点。そして俺の妹でもある」

鈴「恥ずべきことにな」

理樹「え?ということは・・・僕と鈴さんは双子・・・とか?」

真人「は?」

謙吾「何故そうなる?」

理樹「だって・・・恭介お兄ちゃんの妹・・・なんでしょ?」

真人「・・・・・・」

謙吾「・・・・・・」

鈴「・・・・・・」

恭介「・・・・・・」

ピキーン

真人「・・・これはどういうことだ?恭介」

謙吾「返答によっては・・・俺はお前と友情の縁を切ることになる」

鈴「あたしはもう切った」

恭介「ご、誤解だ!最初に理樹を介抱したときに、俺はお前の兄貴のようなものだと言っただけだっ」

理樹「え・・・?違うの?」

恭介「残念ながら理樹・・・俺とお前は血が繋がっていない」

理樹「ええっ!?」

真人「何で無駄に傷つけられてんだよ・・・」

謙吾「可愛そうに・・・」

理樹「そっか・・・僕、親がいないって教えてもらったから・・・ちょっと残念だな・・・」

真人「理樹・・・」

恭介「何言ってんだ、俺たちはみんな兄弟みたいなもんさ」

謙吾「ああ。俺たちがついていると言っただろう」

理樹「みんな・・・」

鈴「・・・あたしもいる」

理樹「鈴さん・・・」

鈴「そ、その呼び方は恥ずいからやめろっ!呼び捨てでいいっ」

理樹「う、うん・・・じゃあ・・・鈴・・・」

真人「俺たちも呼び捨てで構わねーぞ」

謙吾「俺も、恭介もな」

理樹「うん・・・真人、謙吾、恭介・・・」

真人「やれやれ・・・変な誤解をさせやがって・・・」

謙吾「まったくだ」

恭介「だが、もしお前と鈴が結婚するようなことがあれば、俺は本当にお前の兄貴になるんだぜ?」

理樹「ええっ!?」

鈴「んなぁ!?」

理樹「・・・・・・」チラ

鈴「う・・・」

理樹「・・・?」ジッ

鈴「し・・・」

理樹「し・・・?」

鈴「・・・しねぇーーーーーーーっ!!!」ダッ

バタン

真人「行っちまった・・・」

理樹「僕・・・嫌われちゃったかな・・・」

恭介「あれは照れ隠しだ。気にするな」

謙吾「さて、これからどうする」

恭介「もちろん記憶を取り戻せないか試してみる」

真人「病院にいかなくていいのか?」

恭介「そうしようとも思ったんだが、理樹が嫌がってな・・・」

謙吾「・・・仕方あるまい」

恭介「知り合いの霧島という医者に連絡し、助言はもらった。無理に連れて行くとそれがトラウマにもなりかねない。とりあえず日常の中に置き、様子をみろとのことだ」

真人「ならまずは筋肉だな!」

真人「どうだどうだ?」ムキッ

理樹「・・・・・・」

真人「はぁっ・・・!」ムキキッ

理樹「・・・・・・」

真人「ふんっ・・・」ムキムキッ

理樹「う・・・」

真人「! 反応ありか!?」

理樹「げげごぼぅおぇっ・・・」

恭介「ちょっ・・・け、謙吾!ビニール袋だぁっ!」

真人「」

真人「旅に出てくる・・・探さないでくれよな・・・」

理樹「ご、ごめん・・・でも素晴らしい筋肉だったよ!ほ、ほんとに!」

恭介「駄目か・・・」

謙吾「ここはやはり、野球じゃないか?グローブやバットを持ってきてみたぞ」

恭介「何か思い出さないか?俺たちは野球チームでもあったんだぞ」

理樹「うーん・・・」

謙吾「これも駄目か・・・」

恭介「いつものようにみんなで騒いでいれば記憶も戻ると思っていたんだが・・・」

真人「そうだ、『みんな』を呼べばいいんじゃねぇか?」

恭介「いや・・・」

恭介「考えてもみろ。今の理樹は苗字が違うのに俺と兄弟だと思い込むほど純粋無垢な少年なんだぞ?」

謙吾「純粋無垢・・・」

真人「なるほど、来ヶ谷や三枝とは正反対の言葉だな・・・」

恭介「そうだ。何を吹き込まれるかわからん・・・」

謙吾「おもちゃにされるのが目に見えているな・・・」

理樹「その、くる・・・なんとかさんとかっていうのは・・・?」

恭介「ああ、それは・・・」

風紀委員A「おい!いつまで騒いでいる!」バン

真人「げっ・・・」

風紀委員B「またお前らか・・・」

風紀委員A「もう消灯時間は過ぎているぞ!今週は取締りを強化するよう言われているんだ!」

風紀委員C「そうだ!お前たちが大人しくしないと俺たちが・・・」ブルッ

風紀委員A「そういうわけだ・・・俺たちを助けると思って静かにしてくれぇ!頼む!」

謙吾「そこまで辛辣な叫びを上げられると・・・」

真人「大人しくしないわけにはいかないな・・・」

恭介「やれやれ・・・続きは明日の朝だ。理樹も疲れがたまっているようだしな」

理樹「・・・・・・」ウトウト

恭介「よっと!さぁ、ゆっくり眠れ・・・」トス

理樹「・・・zzz」

恭介「また明日の朝くる。話はそのときに」

真人・謙吾「オーケー」

翌日

真人「やっべぇーーーっ!!遅刻だ遅刻!!」

理樹「はぁ・・・はぁ・・・」

謙吾「まさかみんな寝過ごすとはな・・・」

恭介「お前ら!走りながら聞け!」

恭介「他のメンバーには理樹が記憶喪失になったことは言うな!それは最終手段だ!鈴にも口止めしてある!」

恭介「奴等に隠しつつ、理樹の記憶が戻らないか探るんだ!決して理樹を1人にするなよ!」

真人「わかった!」

謙吾「了解だ!」

恭介「いくぞ・・・ミッション・スタートだ!!」

廊下

真人「あれだけ慌てた割には普通に間に合ったな」

謙吾「全力疾走してきたからな・・・」

理樹「それで・・・他のメンバーっていうのは?顔と名前を知っておかないと・・・」

真人「安心しろ。奴等に怪しまれないよう、うまく紹介してやるよ」

謙吾「着いたぞ。ここが俺たちの教室だ」ガラッ

???「あ、みんなおはよ~」

???「おはようございますっ!」

真人「おう、『ほんわりきゅーとなメルヘン少女』、神北小毬じゃねぇか」

謙吾「今日もいい天気だな、『えきぞちっく(自称)なマスコット』、能見クドリャフカ」

小毬「ほぇ・・・?」

クド「わふ・・・?」

理樹「・・・・・・」

小毬「まぁいっか・・・おはよう理樹くん」

クド「おはようです、リキ!」

理樹「お、おはよう・・・」

真人「よ、よし、さっさと着席しようぜ理樹。さ、通してくれな」

小毬「そうだ理樹くん、昨日のあれ、どうだった?」

クド「是非感想を聞かせてください!」

理樹「ええっ!?」

理樹「え、えーっと・・・」

真人(理樹、クッキーだ!2人が俺たちにクッキーを焼いてきてくれたんだ!)ヒソヒソ

理樹「!」

小毬「もしかして口に合わなかったかな・・・」

理樹「そ、そんなことないよ!とっても美味しかったよ!」

小毬「そっかぁ!よかったぁ!」

理樹「うん、ありがとね、神北さん、能見さん」

小毬「ほぇ・・・?」

クド「わふ・・・?」

理樹「え?」

小毬「神北さん・・・?」

真人「い、いや、今理樹は『髪切った?』って聞いたんだ!なぁ理樹?」

理樹「そ、そうそう!もしかして髪切ったさん?」

小毬「うーん・・・切ってないけど・・・」

クド「私のことは能見さんと言ったような・・・」

謙吾「ち、違う、『No!Me!』と言ったんだ。『髪を切ったのは僕さ!』という意味だ」

理樹「はは、どうかな?イメチェンしてみたんだけど・・・」

クド「いつもと変わらないように見えますけど・・・」

真人「そうだ、理樹は今日の宿題まだやってなかったんだ!困ったやつだな理樹は!俺が写させてやる、さぁ席に着こうぜ!」

理樹「ははは・・・」

小毬・クド「???」

真人「やれやれ・・・危ないところだったな」

謙吾「ギリギリセーフだろう」

理樹「ギリギリアウトだと思うけど・・・」

真人「とりあえず座って一息つこうぜ。よっこいしょっと」

ブ~!

真人「!?」

男子生徒A「おいおい、朝っぱらから誰だ?」

男子生徒B「また井ノ原だぜ!」

女子生徒A「も~!井ノ原くんったら!」

アハハハハハハ

謙吾「真人よ・・・いくらなんでも気を抜きすぎだぞ」

真人「ちょっと待て、俺は屁なんかこいてねぇ!誰だ!こいつを仕掛けたのはっ!」

???「やーいやーい!引っ掛かったなー!ぷくくーーーっ!!」

???「いやぁ~傑作でしたネ」

真人「テメェは・・・『お気楽 極楽 騒がし乙女』・・・三枝葉留佳!!」

葉留佳「やはー、おはよう理樹くん」

理樹「お、おはよう・・・」

真人「何てことしやがる!お陰で恥かいちまったじゃねーか!!」

葉留佳「まぁまぁそれはいつものことだからダイジョブダイジョブ」

真人「何だとっ!?」

葉留佳「ねぇ理樹くん、昨日のとどっちがおもしろかったかな?」

理樹「ええっ!?」

理樹「え、えーっと・・・」

謙吾(昨日は真人のイスに推進エンジンが積んであって、イスごと天井まで吹っ飛んだんだ)ヒソヒソ

理樹「ええーーっ!!それは断然昨日だよ!!」

葉留佳「やっぱ昨日のには勝てないかぁ。これはイタズラのハードルを上げすぎちゃいましたネ」

理樹「ハードルどころか棒高跳びのバー並みの高さだよ・・・」

真人・謙吾(ツッコミの調子が戻ってきている・・・)

小毬「はるちゃ~ん、そろそろホームルームが始まるよ~?」

葉留佳「ほいほーい。てなわけで理樹くん、あでゅ~!」

真人「理樹、何か思い出したか!?」

謙吾「なかなかいいツッコミが出ていたが・・・」

理樹「うーん・・・まだ何も・・・」

真人「駄目か・・・」

担任「ホームルーム始めるぞー」ガラッ

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

休み時間1

理樹「ねぇ・・・真人っていつもあんないい加減なこと言ってるの?」

真人「ん?何の話だ?」

理樹「いや・・・三角関数の話だよ・・・サイン・コスギって誰?」

謙吾「この前数学の課題をやりながらSASUKEを見ていたから、ケイン・コスギと混ざったんだろう」

真人「あの時は何だかスラスラ解けたつもりだったんだがな・・・」

謙吾「しかし、授業のことは覚えていなくとも、習った内容は覚えているんだな」

理樹「うん・・・不思議なことにね」

真人「うらやましいぜ・・・俺も記憶喪失になりてぇ!」

謙吾「お前の場合、何も残らんだろうがな」

小毬「ねぇ理樹くん・・・」

理樹「えっと・・・こ、小毬さん・・・どうしたの?」

小毬「・・・昨日の夜、何かあった?」

真人「な、何もないんだぜ」

謙吾「そ、そうだぜ」

理樹「2人とも動揺しすぎだから・・・どうして?」

小毬「だってりんちゃんの様子がおかしいんだもん・・・」

理樹「鈴・・・?」

鈴「! ふかーーっ!!」

クド「リキの話題になるとこうなるのです・・・」

理樹「まるで猫のようだね・・・」

恭介「何だ?賑やかだな」ブラーン

理樹「うわっ!?ま、窓の外に恭介が!?」

小毬「ふぇ?いつものことだよね?」

理樹(僕らの日常っていったい・・・)

クド「恭介さん、鈴さんの様子が変なのです・・・」

恭介「鈴・・・?ああ、昨日のことか・・・よっと」

小毬「やっぱり何かあったの?」

恭介「むしろ、何かあるかもしれないのはこれからだ。なぁり・・・ごふっ!?」

恭介「ぎゃああああああああああああ」

理樹(こ、これも日常・・・!)

小毬「ほわぁ~~~!?りんちゃんが恭介さんを蹴り落とした~~~~っ!!」

クド「わふ~~~!!大変です~~~~っ!!」

理樹「あ、やっぱり!?」

鈴「ふぅ・・・スッキリした」

休み時間2

真人「やべぇっ!宿題忘れたぁ!理樹、写させてくれぇっ」

理樹「(朝と言ってる事が違う・・・)いいよ。僕のは昨日のうちにやってあったみたいだから・・・」

小毬「真人くんっ!宿題は自分でやらないと駄目だよ?」

クド「お手伝いしますっ!」

謙吾「理樹、教室にいると何が起こるかわからん。少し廊下に出ないか」

理樹「う、うん・・・」

真人「うおおーーーっ!理樹、置いていかないでくれぇーーーっ!!」

謙吾「やれやれ・・・」

???「直枝さん、待ってください」ギュッ

理樹「え?」

謙吾「お前は・・・『日傘を差した物静かな天然素材』こと、西園美魚じゃないか!」

西園「・・・漫画なら、『誰に説明しているんだ』とツッコミが入りそうなセリフですね」

西園「今、お時間大丈夫ですか?廊下に出ようとしていたようですが・・・」

謙吾「・・・・・・」コクリ

理樹「・・・うん、いいよ。どうしたの?」

西園「これです」スッ

理樹「本・・・?(タイトルにクドの名前が入ってる・・・)」

西園「先日お貸しした推理小説の続きです。この一冊だけ、なかなか見つからなかったもので」

理樹「あ、ああ・・・ありがとう」

西園「それで・・・このシリーズはお気に召しましたか?」

理樹「ええっ!?」

理樹「え、えーっと・・・」チラッ

謙吾(俺は何を借りたのかなんて知らんぞ・・・!)ヒソヒソ

理樹「お・・・おもしろかったよ・・・」

西園「・・・当たり障りの無い感想ですね。イマイチでしたか」

理樹「い、いやそんなことは!」

西園「では、どこがどのようにおもしろかったのですか」

理樹「う・・・」チラッ

理樹(文化祭・・・盗難事件・・・謎・・・)

理樹「え、えーっと・・・ミステリ・・・の割には楽しげな・・・ね、うん・・・」

西園「・・・・・・」

西園「・・・そうですね。これは日常の謎・・・日常ミステリとも呼ばれるジャンルで、日常生活の中にあるちょっとした謎を取り上げ、それを解明していく、というものです」

理樹「なるほど・・・(よし、好感触だ・・・)」

西園「・・・ですが、それは前にも説明しました
   そもそも、以前お貸しした本には殺人などの残虐な描写が多く、次はもっと気楽に読めるものをとリクエストされたので、人が死なないミステリから選んでみたといういきさつだったはずですが」

理樹「」

西園「もしかして・・・」

謙吾「ちょ、ちょっと待ってくれ!」

謙吾「す、すまん、西園・・・実は理樹はまだその本を読んでいないんだ・・・」

理樹「う、うん・・・色々忙しくて・・・ごめん」

西園「・・・そうですか。それならそうと早くおっしゃってください。別に怒ったりしませんよ」

理樹「あはは・・・なかなか言い出せなくて・・・」

西園「それにしても、なぜ宮沢さんがそのことをご存知だったのですか?」

謙吾「お、俺が読むのを待てと言ったんだ」

西園「? どうしてですか」

謙吾「い・・・一緒に読もうと思ってな」

西園「!?」

理樹「!?」

ホモォ…

謙吾『ほら、理樹、ここに座れ』ポンポン

理樹『もう・・・恥ずかしいよ・・・』

謙吾『よし、次のページにいくぞ?』

理樹『待ってよ、僕まだ読み終わってないよ・・・』

謙吾『それはすまない、じゃあ待っていよう』

理樹『うわ、謙吾・・・首元に息がかかって・・・んっ・・・』

謙吾『フッ・・・気になるか?』

理樹『うん・・・僕、謙吾のこと・・・気になります・・・』



小毬「ほわぁ~~~!?美魚ちゃんが鼻血出して倒れた~~~~っ!!」

クド「大変です~~~~っ!!」

理樹「・・・・・・」

休み時間3

真人「理樹、どうやら次の授業は先生が遅れて来るみたいだぜ」

理樹「ちょうど喉が渇いてきたんだ・・・飲み物を買いに行きたいんだけど・・・」

真人「付き合うぜ」

謙吾「よし、俺も・・・」

剣道部員「宮沢せんぱーい」

謙吾「む・・・」

理樹「僕は大丈夫だから、行ってあげてよ」

真人「理樹のことは俺に任せな」

謙吾「ああ・・・頼む」

真人「自販機は中庭だ。行こうぜ」

理樹「どれがいいかな・・・」

真人「Keyコーヒーがオススメだぜ」

理樹「ならそれにし

???「ふーっ・・・」

理樹「うわぁっ!?」ピッ

ガシャン!

理樹「だ、誰・・・?」

???「フフフ・・・感度良好だな、少年」

真人「お、お前は・・・『ちょっぴりお茶目な姉御肌』、来ヶ谷唯湖じゃねぇか!」

来ヶ谷「君は何をわけのわからんことを叫んでいるんだ・・・」

来ヶ谷「そこを通りがかったら、ちょうど君たちを見かけたのでね」

理樹「いきなり耳に息を吹きかけるなんて悪趣味だよ・・・」

来ヶ谷「そういえば、昨日は恭介氏が帰ってきたんじゃなかったか?」

真人「それがどうかしたか?」

来ヶ谷「いや・・・いつもならばみんなを集めて何か新しい遊びでも始めるところじゃないか?」

真人「そ、そうか・・・?」

理樹「ど、どうだろう・・・」

来ヶ谷「・・・怪しい」

理樹・真人「!?」

来ヶ谷「貴様ら、この私に何か隠し事をしているな?」

理樹(ど、どうしよう・・・!?)ヒソヒソ

真人(な、何とか話を逸らすんだ!)ヒソヒソ

理樹(僕がやるの!?)ヒソヒソ

来ヶ谷「何をコソコソ話している」

理樹「う、ううん、何でもないよ!そういえば、くる・・・」ハッ

理樹(小毬さんやクドのときの失敗を思い出せ・・・ここは・・・)

理樹「そういえば・・・ホームルームのときにはいたのに、その後の授業からは姿を消してたよね?どこで何をしていたの?」

理樹「・・・唯湖さん」

真人「!?」

来ヶ谷「なっ・・・」

理樹「え?」

来ヶ谷「・・・・・・」

理樹「僕・・・何かおかしなこと言ったかな?ゆい・・・」

ドン

理樹「えっ・・・?」グイッ

来ヶ谷「貴様・・・その名をもう一度呼んでみろ・・・」

来ヶ谷「喉元掻っ切るぞ・・・?」ヒュォオオオオオ

理樹(ひ、ひぃいいいいいいいい・・・)

真人「」

来ヶ谷「わかったな?」ギロ

理樹「わ、わかりました・・・来ヶ谷・・・ひゃん・・・」ガクガク

来ヶ谷「わかればいいんだ。素直な少年は好きだよ、私は」パッ

来ヶ谷「で?真人くん?」

真人「ひぃぃっ!?」

>理樹(小毬さんやクドのときの失敗を思い出せ・・・ここは・・・)

なぜか鈴のメンバー勧誘のときのチャッピーのくだり思い出した

来ヶ谷「これは恭介氏の差し金か?」

真人「へっ・・・?」

来ヶ谷「様子がおかしいと思ったら・・・何かの罰ゲーム、といったところか?」

真人「そ、そうそう!困ったヤツだぜ、まったく・・・」

来ヶ谷「ふむ・・・野郎だけで楽しんだ挙句、人を罰ゲームのダシにするとは・・・」

理樹「あ、あの・・・来ヶ谷さん・・・?」

来ヶ谷「いや、理樹くんは何も悪くない。むしろ怖い思いをさせてすまなかったな。おっぱいくらいならいつでも揉ませてやるぞ」

理樹「ぶっ」

来ヶ谷「はっはっは。君にそんな度胸はないだろうがな。さて・・・恭介氏だったな・・・」シュン

理樹「あ、あれ!?来ヶ谷さん!?」

真人「き、消えた!?」

理樹(何者なんだあの人は)

真人「ふぅ・・・寿命が縮んだぜ・・・」

理樹「でもよかったの?恭介のせいにしちゃって・・・」

真人「来ヶ谷に記憶喪失のことがばれたらとんでもないことになりそうだからな・・・仕方ねぇさ」

理樹「うん・・・それは思う・・・」

真人「なぁに、ヤツも理樹のためなら本望だr

「ぎゃああああああああああああ」

理樹「・・・・・・」

真人「・・・・・・」

理樹「ねぇ・・・今の断末魔・・・」

真人「・・・・・・」

真人「とにかく教室に戻ろうぜ」

理樹「あ、待って・・・これを飲んでから・・・」

真人「げっ・・・それは・・・」

理樹「来ヶ谷さんにびっくりして押し間違っちゃったけど、これはこれで美味しそうだ」

真人「待っ・・・」

理樹「・・・?」ゴキュゴキュ

理樹「・・・・・・」

理樹「・・・ぶふぅーーーーーーっ!!!」

???「きゃっ!?」

理樹「げほっ・・・がはっ・・・」

真人「だ、大丈夫か理樹?」

理樹「な、何これ・・・『どろり濃厚ピーチ味』・・・?」

???「ちょっとあなたたち!!」

???「佐々美様の靴に跳ねたじゃない!!」

???「絶対に許しませんわ!!」

真人「お前らは・・・『唯我独尊の女王猫』、ささし・・・さ・・・さす・・・と、その取り巻き!!」

佐々美「笹瀬川佐々美ですわっ!!」

佐々美「直枝さん、あなたのせいで靴が汚れてしまいましたわ」

令「ただいまお拭きいたします!」

由香里「はい、きれいになりました!」

咲子「それではお舐めいたします!」

佐々美「ちょっ・・・そこまでしなくていいですわ!」

理樹(何だこの人たちは・・・)

佐々美「それで?わたくしに何か言うことがあるのではなくって?」

理樹「ああ・・・ごめんね、えっと・・・さ・・・?」

佐々美「笹瀬川佐々美ですわ!」

理樹「ささ・・・え?」

佐々美「笹瀬川佐々美ですわ!!」

理樹「ごめん、もう1回・・・」

佐々美「ささすっ・・・あなた馬鹿にしてますの!?」

理樹「ご、ごめん、そんなつもりじゃ・・・」

佐々美「まぁいいですわ・・・ところで、今日は一緒じゃないんですの・・・?」

理樹「え?誰が?」

佐々美「そ、それはその・・・」ゴニョゴニョ

理樹(髪型やリボンが猫みたいだ・・・あ、もしかして鈴の友達?)ヒソヒソ

真人(友達っつーか・・・まぁ似た者同士ではあるな)ヒソヒソ

理樹(じゃあきっと鈴のことを言ってるんだね)ヒソヒソ

真人(おお、なるほど)ヒソヒソ

理樹「・・・うん、今は一緒じゃないんだ」

佐々美「そ、そう・・・今日もお元気そうでした?」

理樹「うーん・・・朝は何か様子がおかしかったけど・・・」

佐々美「な、何かあったんですの!?」

真人「鈍感だなぁ理樹は。あれはどう見ても恋煩いだろう」

佐々美「こ、恋・・・!?いったい誰に!?」

真人「あ?そりゃあ理樹に決まってるだろ」

佐々美「」

取り巻き「」

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        Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
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      / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
      / :::/;;:   ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄ ̄ ̄ ̄

理樹「やめてよ真人、そんなわけないじゃん・・・」

真人「そうか?昔からお似合いだって謙吾も言ってたぞ」

佐々美(宮沢様本人が!?)

理樹「もう、からかわないでよ・・・」

佐々美(そして満更でもない様子!?)

>>143
お前の反応が一々面白い

真人「で?それがどうかしたか?」

理樹「なんなら呼んでこようか?」

佐々美「・・・・・・」

理樹「笹瀬川さん?」

佐々美「・・・いえ・・・ただ、わたくしからの伝言をお願いしますわ・・・」

佐々美「今はまだ、わたくしの思いは届かないかもしれません・・・」

佐々美「それでも!いつの日か、必ずあなたを振り向かせてみせますと!!」

理樹「」

真人「」

佐々美「それでは授業が始まるので失礼しますわ!!」

取り巻き「失礼しますわ!」

佐々美・取り巻き「おーっほっほっほっほっほ!!」

理樹「・・・・・・」

真人「・・・・・・」

理樹「・・・笹瀬川さんって・・・鈴のこと・・・?」ドキドキ

真人「いや、知らなかったぜ・・・今までの言動は、すべてツンドラだったってわけか・・・」

理樹「え?めちゃくちゃ冷たかったとか?」

昼休み

真人「っしゃあーーっ!!飯だ飯ーーーっ!!」

謙吾「学食に行くぞ、理樹」

理樹「うん・・・でも、授業がこんなに延びちゃったし、場所空いてるの・・・?」

真人「たぶん恭介が先に行ってるから大丈夫だろ」

謙吾「俺たちの中の誰かが座っていると、なぜかその周りの席は埋まらないんだ」

理樹(たぶん厄介ごとに巻き込まれたくないからなんだろうな・・・)

真人「おう恭介」

恭介「よう・・・」

謙吾「どうした?ボロボロじゃないか」

恭介「黒い稲妻が・・・」ブルッ

理樹(来ヶ谷さんだな・・・)

真人「朝も鈴に窓から蹴り落とされるわ、ついてねぇな」

理樹「元はといえば僕のせいだね・・・ごめん」

恭介「そんなことないさ。謝るより、こんな俺たちを笑い飛ばしてくれればそれでいい」

???「ここいいかしら?」スッ

理樹「え?」

恭介「お前は・・・『素っ気無し 愛想無し 配慮無しの風紀委員』、二木佳奈多じゃないか!」

佳奈多「いきなり失礼ですね・・・棗先輩」

葉留佳「はるちんもいっしょですヨ!」

謙吾「2人が学食にいるなんて珍しいな」

真人「そういや最近見かけねぇな」

葉留佳「いやぁ、前に私が学食で丼物ばっかり食べてるって言ったら『そんなの健康に悪いわ』って毎日2人でお弁当作ることになりまして・・・」

恭介「姉馬鹿だな」

佳奈多「な、何よ・・・文句あるの?」

葉留佳「それはいいんだけど、流石に『あーん』は・・・むぐっ!?」

佳奈多「さ、さぁ、しゃべってないで早くいただきましょう」

理樹「・・・・・・」

恭介「黒い稲妻が…」

恭介「黒いいっなずぅまが僕を責ぇえめぇぇるぅぅ!」

謙吾「・・・で、今日はなぜ学食に?」

葉留佳「・・・ぷはっ・・・昨日は夕方から遅くまでっずっと2人で遊んでたから朝起きれなくて、作る時間が無かったんですヨ」

恭介「・・・お前らが遊んでいた時間、他の風紀委員は立派に職務を全うしていたぞ、二木委員長」

佳奈多「そ、殊勝なことね」

真人「こいつ・・・」

理樹(この2人ってどんな関係?)ヒソヒソ

恭介(双子の姉妹だ。昔はお家騒動でいがみ合っていたんだが、それが解決してからは・・・)ヒソヒソ

佳奈多「ほら、ご飯粒ついてる」スッ・・・パクッ

葉留佳「やはは、そういうお姉ちゃんだって」スッ・・・パクッ

理樹「・・・・・・」

佳奈多「ハッ・・・こ、これは違うのよ・・・」ゴニョゴニョ

恭介「・・・まぁこの通りだ」

理樹「まるで付き合いたてのカップルを見ているようだよ・・・」

佳奈多「か、カップル!?直枝ったら何を考えているの!?破廉恥だわっ」

真人「お前こそ何を想像したんだよ」

理樹(なんか称号と違くない?この人)

佳奈多「はぁ・・・ご馳走様。私はもう行くわ」

葉留佳「え~もっとゆっくりしていこうよ~」

佳奈多「私は忙しいのよ・・・誰かさんが昨日推進エンジンでイスを木っ端微塵にした事後処理もしなくちゃいけないしね」

葉留佳「それは困った人もいるもんデスネー」

理樹「木っ端・・・真人、よく無事だったね・・・」

真人「筋肉に救われたぜ」

佳奈多「ほら、あなたも来なさい。まだ始末書、書いてないでしょ?」

葉留佳「は~い。じゃあね~ガイズ!」

理樹「うん、バイバイ」

恭介「さて・・・これで俺たちの仲間との接触は一通り済んだわけだが・・・」

謙吾「何か思い出さないか?」

理樹「うーん・・・」

真人「まだ駄目か・・・」

理樹「でも、何だか懐かしい感じがするよ・・・心が温かくなるような・・・」

恭介「フッ・・・そうか・・・この調子で行けば次第に思い出しそうだな」

謙吾「やはり、いつものように馬鹿騒ぎするのがいいのかもしれん」

恭介「そうと決まれば、残りの時間を使って思いっきり遊ぶぞ!」

真人「よしきたぁーーーーーっ!!」

謙吾「いよっしゃぁーーーーっ!!」

恭介「手始めに、真・絆スキップで校内一周だっ!!」ガシッ

理樹「え?ちょっ・・・うわあああああぁぁぁ・・・」

理樹「げげごぼぅおぇっ」

恭介「まさか記憶を失ってから2度もげげごぼすることになるとはな・・・」

謙吾「すまん理樹・・・」

鈴「食ったばっかであんなにはしゃぐからだ」

真人「何だよ、見てたんなら止めろよっ」

鈴「知るかボケェ!」

小毬「そろそろ授業が始めるよ~」

クド「リキ、大丈夫ですか?」

理樹「なんとか・・・」

恭介「じゃ、また放課後にな」

放課後

真人「ふぅ・・・今日も学生の本分を果たしたぜ」

理樹「隣でずっと寝てたけど・・・」

鈴「赤ちゃんの本分しか果たせてないな」

恭介「さて、今日は久しぶりに野球をするぞ!」スタッ

理樹「野球?そういえば僕たちは野球チームでもあるって言ってたっけ」

恭介「ああ。お前の記憶も戻るかもしれない・・・グラウンドに出るぞ!」

クド「わふーーっ!レッツ・ベースボール!なのです!」

佐々美「あら棗さん・・・これから野球?」

鈴「笹瀬川佐々美っ」

佐々美「笹瀬川佐々美ですわっ!・・・って、あ、あら・・・」

鈴「ん?何だ?」

真人「いつものように間違わなくて物足りなかったのか?」

佐々美「そ、そんなわけないでしょう・・・ソフトボール部の邪魔だけはしないようお願いしますわっ」

真人「おお、そういやさっきこいつからお前に伝言を預かったんだっけか」

理樹「ええっ!?ここで言っちゃうの!?」

鈴「伝言?」

真人「たしか・・・いつかあなたを振り向かせてみせます、だっけか?」

鈴「!?」

佐々美「!?」

鈴「お前キショいな・・・あたしは女だぞ」

佐々美「ご、誤解ですわっ!わたくしあなたにはそんな伝言・・・」

謙吾「おーい、お前ら何やってるんだ?始めるぞ?」

佐々美「み、宮沢様!」

謙吾「ほら理樹、行くぞ」ポン

理樹「うん、今行くよ」

佐々美「ひやぁあああああっ!?」

理樹・謙吾「!?」ビクッ

真人「なんだ突然・・・」

鈴「おかしなヤツだな」

真人「何だ、あれは謙吾のことだったのか。ったく、紛らわしいぜ」

鈴「まったくだ」

佐々美「もういいですわ!この想いはいつかわたくし自ら宮沢様に伝えてみせます!」

鈴「ま、がんばれ」

佐々美「あなたに言われるまでもありませんわ。わたくしの魅力で・・・ってもういない!?」

佐々美「・・・ハァ」

佐々美「・・・それにしても、まさか宮沢様の思い人が直枝さんだなんて・・・信じたくありま

西園「・・・その話、詳しく聞きましょう」ヌッ

佐々美「ひやぁあああああっ!?」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

恭介「まずはみんなの勘を取り戻すためにも、バッティングと守備練習・・・スタートだ!」

理樹(ちょっ・・・いきなり打てと言われても・・・)

小毬「理樹くんふぁいと~!」

鈴「いくぞ理樹!」

理樹(あわわ・・・)

鈴「ふにゃっ」ビッ

理樹(・・・・・・!)グッ

カキーン

理樹「・・・・・・」ポカン

真人「うおーーーっ!初級からホームランかよ!」

謙吾「わっしょい!わっしょい!」

葉留佳「さっすが理樹くん!」

鈴「へぼなのか・・・やっぱりあたしはへぼピッチャーなのか?」

恭介「なに、相手が悪かっただけさ」

恭介(やはり、体は覚えているんだな・・・)

鈴「何ぼーっとしてるんだ理樹!練習じゃー!」

理樹「う、うん・・・」

来ヶ谷「・・・・・・」

恭介「・・・ようし!練習終了だ!」

小毬「はぁ~~疲れたぁ~~」

クド「あいむたいあーどです・・・」

葉留佳「久しぶりにやるとけっこー疲れるもんですネ」

恭介「ん?どうした来ヶ谷」

来ヶ谷「君たちは先に帰っていてくれ。私は西園女史とみんなを介抱していく」

西園「はぁ」

恭介「そうか。じゃあまた明日な」

真人「行こうぜ理樹」

理樹「うん」

来ヶ谷「鈴くんも残れ。小毬くんにマッサージでもしてやるといい」

鈴「ん。わかった」

来ヶ谷「さて、私はクドリャフカくんを」ハァハァ

理樹「顔が怪しいけど・・・」

来ヶ谷「はっはっは。冗談だ。また、な」ニヤリ

理樹「? お疲れ・・・」

夕食後、理樹の部屋

恭介「野球をしても、何も思い出せないか・・・」

謙吾「うーむ・・・」

真人「どうすんだよ?」

恭介「やはり女子メンバーにも協力を仰ぐしかないか・・・」

理樹「というか、恭介たちが危惧するほど、悪い人には思えないけど・・・」

恭介「・・・そうだな。それに俺たちが傍にいれば下手な真似はできないだろ」

謙吾「ならさっそく・・・ん?三枝から電話だ」

真人「お?クー公から電話だな」

恭介「どうした?・・・って小毬から電話か」

謙吾「もしもし?」

真人「おう、どうした?」

恭介「もしもし」

理樹(みんなどうしたんだろ?)ブーブー

理樹(あ、僕にも電話だ・・・鈴から?)

理樹「もしもし?」

鈴『理樹・・・大事な話がある』

理樹「え?」

鈴『今部屋の外にいるんだ・・・ちょっと来てくれないか・・・』

理樹「? 入ってくれば?」

鈴『2人っきりじゃないと駄目なんだっ』

理樹「え・・・」ドキ

鈴『早くしろっ』

理樹「う、うん・・・」

理樹(大事な話・・・2人っきり・・・ま、まさか・・・)

理樹(いやいや、そんなわけ・・・)ガチャ

理樹「あれ?鈴?どこ?」

理樹「り・・・うぐぅっ!?・・・」

理樹「・・・・・・」コテン

???「・・・・・・」

恭介「ふぅ・・・」ピッ

真人「ったく・・・」ピッ

謙吾「やれやれ・・・」ピッ

恭介「能美と三枝は何だって?」

真人「さぁ・・・突然『しりとりしましょう!』とか言ってきたから付き合ってやったけどよ・・・『る』攻めに苦しんだぜ・・・」

謙吾「俺なんて延々と般若心経を唱えられたぞ・・・恭介は?」

恭介「オリジナルの童話の続きを考えてくれと頼まれてな・・・聖騎士タヌキニウスが地下で拷問を受けるとこまで語ったら、突然小毬が泣き出しちまった」

真人「当たり前だろっ」

謙吾「お前はいつでも無茶苦茶だな」

恭介「なかなかいい線いってたと思うんだがな・・・理樹はどう思う」

3人「・・・・・・」

恭介「・・・あれ?」

理樹「・・・ハッ・・・」ガバッ

理樹「こ、ここは!?ってあれ!?何で縛られてんの!?」ギチッ

???「フフ・・・お目覚めかね?」

理樹「! き、君たちは・・・!」

来ヶ谷「我々か?」

西園「悪を成敗する正義の味方」

小毬「人呼んでぇ~~~・・・」

葉留佳「リトルバスターズですヨっ!」

クド「なのです~~っ!」

理樹「な、なんで正義の味方が僕を拉致って縛り上げてるのさ!?」

鈴「理樹・・・すまん・・・」

理樹「り、鈴・・・」

来ヶ谷「さて、鈴くんから非常に興味深い話を聞いたのだが・・・」

理樹「!」

来ヶ谷「どうやら、少年は記憶喪失に陥っているそうじゃないか」

理樹(ここで肯定したら大変なことになる気がする・・・)

理樹「・・・いや、実はこれは恭介が考えた遊びなんだ・・・」

来ヶ谷「ほう・・・」

鈴「なにっ!?記憶喪失は嘘だったのか!?」

理樹「う、うん、騙してごめんね・・・そういうわけだから、帰してくれないかな?」

来ヶ谷「・・・・・・」

来ヶ谷「・・・そうか。そういうことだったのか」

理樹「うん、だから早く・・・」

来ヶ谷「ならば、昨日小毬くんの身に起きた大事件も、もちろん覚えているだろうな?」

小毬「ゆ、ゆいちゃんっ!?」

理樹「お、覚えてるよ・・・」

来ヶ谷「移動教室の際、慌てた小毬くんは廊下で思いっきりすっ転び、往来でパンツをお披露目することになった」

来ヶ谷「もちろん君もその場に居合わせていたのだが・・・さて、小毬くんはどんなパンツを履いていたでしょう?」

理樹「!?」

小毬「ちょっとゆい・・・むぐぐっ!?」

鈴「こまりちゃんをいじ・・・んぐっ!?」

西園「お静かに」ガシッ

来ヶ谷「おや?あれだけ衝撃的な事件を忘れたと言うのかね?」

理樹「ちょ、ちょっと待って・・・今思い出すから・・・」

理樹(やばい・・・何が何でも当てないと・・・!)

葉留佳「いやぁ~あれはたいへん小毬ちゃんらしいパンツでしたネ」

理樹(小毬さんらしい!?)ジッ

小毬「んん~~~っ!」モガモガ

理樹(白・・・いや、単純すぎるか・・・なら・・・)

理樹(・・・・・・)

理樹(・・・嗚呼・・・)

理樹(なぜ僕は初対面同然の女の子のパンツを想像しているんだ・・・)

来ヶ谷「どうした?やっぱり記憶喪失じゃないのか?」

理樹「い、いや!思い出した!」

小毬「んん~~~~っ!?」

理樹「ずばり・・・白が基調のイチゴ柄のパンツだっ!!」

西園「・・・・・・」

葉留佳「おおっ!」

クド「わふ~~~っ!!」

来ヶ谷「・・・ファイナルアンサー?」

理樹「ファ・・・ファイナルアンサー・・・!」

来ヶ谷「かかったな。昨日そんな事件は起きていない」

理樹「」

来ヶ谷「ちなみに小毬くんが昨日履いていたのは青と白のストライプのパンツだ」ハァハァ

小毬「ほわぁ~~~!?なななんで知ってるの~~~~っ!!?」

小毬「もうお嫁にいけない・・・」

葉留佳「まぁまぁ、理樹くんが小毬ちゃんに履いて欲しいパンツがわかったんだから、それで理樹くんを悩殺すればいいじゃん!」

理樹「いや、そういうわけじゃないから・・・」

来ヶ谷「で?やはり記憶喪失なわけか」

理樹「うん・・・」

クド「私のことも覚えていないのですか・・・?」

理樹「名前は教えてもらったけど・・・ごめん」

クド「いえいえ、リキは何も悪くありませんっ」

西園「・・・私に及んだ数多くのセクハラ行為も忘れたのですか」

理樹「ええっ!?」

西園「冗談です」

理樹「・・・・・・」

来ヶ谷「さて、今日1日恭介氏たちが手を尽くしても治らなかったとなれば、後は我々がなんとかするしかあるまい」

理樹「え・・・?」

葉留佳「前にもこうやって理樹くんを呼んで遊んだことがあるんですヨ?」

クド「お菓子もたくさん用意しました!」

小毬「理樹くん、このドーナツとっても気に入ってくれたんだよ~」

西園「同じ状況で同じものを食べれば、何か思い出すかもしれません」

理樹「みんな・・・」

来ヶ谷「恭介氏が何と言ったか知らないが、我々も君の仲間だ。我々にしかできない方法を試してみよう」

理樹「・・・ありがとう。僕、みんなのことを疑って・・・」

来ヶ谷「では、楽しいお着替えタイ~ム、だ」ニヤリ

理樹「え?」

理樹「うう・・・」

小毬「やっぱり理樹くん可愛い~!」

クド「可愛いです~!」

理樹「どうして女子の制服なんか着なくちゃならないのさぁ・・・」グスッ

葉留佳「そりゃあ前にもこんなことがあったからですヨ」

西園「何か思い出しませんか」

理樹「むしろ頭が真っ白だよ・・・」

鈴「・・・・・・」

理樹「な、なに?」

鈴「やっぱり似合うな」

理樹「・・・・・・」

来ヶ谷「というか、そもそも君は女じゃないか」

理樹「はぁっ!?」

来ヶ谷「女子生徒が女子制服を着ることの何がおかしい?」

理樹「そ、そんな突拍子も無い嘘に引っ掛からないから!」

来ヶ谷「なぜ嘘だと言い切れる?」

理樹「そ、それはその・・・つ、ついてるし・・・」

来ヶ谷「女の子にはたまにつくんだ」

理樹「はぁぁっ!?」

クド「そそそれはあまりに衝撃的な告白ですっ!!もしかして、私にもつくことがあるのしょうか!?」

来ヶ谷「とりあえず」

クド「わ、わふ~~~っ!?大ショックです~~~~~っ!?」

小毬「ゆいちゃん、あんまりいい加減なことばっかり言っちゃ駄目だよ?」

来ヶ谷「いや、だからゆいちゃんと呼ぶのはやめろと・・・」

小毬「さぁ理樹くん、召し上がれ~」

葉留佳「新聞紙ブレード!」

理樹「うーん・・・」

クド「缶ケリです!」

理樹「ううーん・・・」

西園「人形劇」

理樹「う~~~ん・・・」

小毬「駄目かぁ・・・」

鈴「困ったな・・・」

来ヶ谷「さてどうするか・・・女装より衝撃的なものとなると、そうはないからな・・・」

理樹「ショック療法なのは確定なんだ・・・」

理樹「このまま記憶が戻らないなんてことになったらどうしよう・・・」

鈴「・・・ふかーーーっ!!」

理樹「え!?何!?」

鈴「・・・弱気になるな」

葉留佳「そうそう!何とかなるって!」

西園「・・・三枝さんは楽観的過ぎますが」

クド「私たちがついていますよ!」

来ヶ谷「その通りだ。万が一記憶が戻らなくても、我々の関係は変わらんよ」

理樹「ありがとう・・・僕は、みんなや恭介たちのような仲間がいて・・・本当に幸せな人間だったんだね・・・」

来ヶ谷「ふむ、ここまできたら、多少無茶をするしかあるまい」スッ

理樹「え?ちょっ・・・な、何をする気・・・?その刀はいったい!?」

来ヶ谷「安心しろ、模造刀だ。だが・・・む?」

ピンポンパンポーン

『女子寮のみなさんに連絡します』

鈴「何事だ?」

葉留佳「お姉ちゃんの声ですネ」

佳奈多『只今、仮面を被った謎の3人組が女子寮に侵入したとの情報が入りました』

佳奈多『危険ですので部屋に戻り鍵をかけ待機してください。単独行動はとらないこと。我々風紀委員が総力をあげて確保します。繰り返します・・・』

西園「謎の3人組・・・」

理樹「ま、まさか・・・」

???「ふぅ~~いいお湯だったわ~~~!」

???「それにしても、侵入者だなんて物騒ね・・・曲がり角の先に潜んでたりしたら・・・」

???「ま、そんなことあるわけないか!さ、帰ってスクレボを読み直・・・」スッ

仮面の男「・・・・・・」

???「・・・・・・」

仮面の男「うまうーーーっ!!」

???「うんぎゃぁあああああああああああああ!!!!!」

小毬「ほわぁ!?いい今の声は!?」

鈴「女子のものとは思えん叫び声だったな・・・」

来ヶ谷「風紀違反取り締まりの強化週間に女子寮に侵入するとは、恭介氏たちもなかなか大胆なことをする」

葉留佳「姉御、どうしやしょう!」

来ヶ谷「ふむ・・・まんまと奪還されるのも癪だな・・・迎え撃つぞ」

理樹「ええぇーーーっ!!」

来ヶ谷「まぁ鍵さえかけてしまえばこちらのものだ。小毬くん、鍵がかかっているか確かめてきてくれ」

小毬「おっけーですよ~たぶん閉めたと思うからだいじょ

・・・カチャリ

小毬「・・・ほぇ?」

仮面の男「・・・・・・」バァーン

小毬「ほぇえええぇえぇぇ~~~~~~~!!?」

一同「」

小毬「・・・きゅぅ~」バタリ

仮面の男「見つけた!鈴の部屋だ!オーバー!」

『了解!今から向かう!オーバー!』

仮面の男「さぁ!理樹を返してもらおう!」

理樹「うわっ!?誰!?どうしたのその声!?」

仮面の男「声でばれないようヘリウムガスを吸ったんだ・・・おっと、効き目が切れてきたな。もう一度・・・」スーッ

来ヶ谷「3馬鹿の内の1人であることは確かなようだ・・・その体格は恭介氏だな?」

仮面の男「さぁな・・・囚われの姫を救いにきたナイト、とでも言っておこうか!!↑」

葉留佳「その仮面にその声じゃかっこいいセリフも台無しですネ」

西園「しかも体操服です」

鈴「変態だな」

来ヶ谷「面白い・・・相手をしてやろう」

来ヶ谷「鈴くん、クドリャフカくん、美魚くん、理樹くんを守れ!葉留佳くんは佳奈多くんに連絡だ!」

鈴「わかった!」

葉留佳「アイアイサー!」

仮面の男「俺を止められるか?」スッ

来ヶ谷「やってみよう」スッ

シュバババババババッ

理樹(は、速過ぎて何が起こっているのかわからない!!)

仮面の男「はぁっ!!」

来ヶ谷「抜かせんよ」

仮面の男「防御に徹するか・・・いつまで持つかな?」

来ヶ谷「じきに風紀委員がくる・・・そうすればお縄ちょうだい、だ」

???「いいや、奴等は来ない・・・」

来ヶ谷「なに!?」

仮面の男2「・・・・・・」ドン!

理樹(ひ、1人増えたぁーーーっ!!)

仮面の男2「風紀委員どもはけん・・・もう1人の仲間が足止めしているからな↑」

理樹(ああ、真人か・・・)

仮面の男2「きょうす・・・我が友よ、手を貸すぜ」スッ

仮面の男「すまないな」

来ヶ谷「2対1は流石のお姉さんも厳しいな・・・」

仮面の男「大人しく理樹を返す気になったか?」

来ヶ谷「いや、降参するにはまだ早い・・・小毬くん!今だ!」

仮面の男2「なっ・・・」クルッ

仮面の男「もう復活・・・・・・!?」クルッ

小毬「きゅぅ~・・・」

来ヶ谷「かかったな」ニヤリ

仮面の男「しまっ・・・」

虚之太刀・朧月!!!

来ヶ谷「・・・・・・」

葉留佳「やったかぁ!?」

クド「いえ!よく見てくださいっ!!」

仮面の男2「宮澤流・・・真剣白羽取り」ドン!

葉留佳「なにぃ~~~っ!?」

西園「その技は・・・」

来ヶ谷「やられた・・・真人少年かと思っていたが・・・まさか謙吾少年だったとはな・・・」

理樹「!?」

仮面の男2「フッ・・・あいつの真似をするなど、容易い事」

鈴「馬鹿同士だからな」

仮面の男「よし、理樹は返してもらったぜ」オヒメサマダッコ

理樹「わぁっ!?い、いつの間に!?」

仮面の男「撤収だ!」ダッ

仮面の男2「おう!!」ダッ

来ヶ谷「やれやれ・・・」

鈴「追わないのか!?」

来ヶ谷「我々の完敗だよ」

鈴「あたしは追うぞ!あの馬鹿ども、とっつかまえて風紀委員に突き出してやる!」

鈴「待てこらーーーーーっ!!!」ダッ

クド「それにしても、リキのことが心配です・・・」

来ヶ谷「なに、もう大丈夫だろう」

西園「どういうことですか?」

来ヶ谷「もうじき記憶が戻ることになるだろう、という意味だ」

葉留佳「はぁ」

西園「・・・ところで、何か忘れているような気がするのですが・・・」

「きゅぅ~・・・」

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

ダダダダダダダ

理樹「ちょっと、いい加減降ろしてよ!」

仮面の男「仕方ないな・・・だが、お前もこの仮面をつけろ。ばれると厄介だぞ」

仮面の男2「女装してるし、問題ないのではないか?」

仮面の男「それもそうか」

理樹「うわぁぁ!すっかり忘れてたぁ!」

仮面の男3「おう!うまくいったみたいだな!」タッ

仮面の男「仮面の男3!」

仮面の男「そっちはどうだ?」

仮面の男3「何とか撒いたが、二木のヤツがお怒りでやばいぜ!!」

仮面の男「そうか・・・まさに強敵だな!さぁつかまれ理樹!男子寮まで一気に行くぞ!!」ギュッ

理樹「わぁっ!」

仮面の男「ははっ」

仮面の男3「わっはっはーーっ!!」

仮面の男2「いやっほーーーぅ!!」

鈴「待てぇーーーーーーーーっ!!」

???『強敵があらわれたんだ!きみの力がひつようなんだ!』

???『きみの名前は?』

『・・・なおえ、りき』

???『よし、いくぞ、りき!』

『ね、きみたちは!?』

???『おれたちか?』

???『悪をせいばいする正義の味方』

???『ひとよんで・・・リトルバスターズさ!』


理樹「・・・・・・!!」


理樹(・・・って何かいい感じの話になってるけど僕らの格好すごいな!!)

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

理樹の部屋

恭介「ふぅ・・・着替え完了」

真人「何とか無事に帰ってこれたな」

理樹「色々と失った気がするよ・・・」

謙吾「でも、お陰で記憶が戻ったんだからよかっただろ?」

理樹「それはまぁ・・・」

鈴「お前らーーーっ!!」バン

理樹「鈴!」

鈴「3人まとめて風紀委員に突き出して・・・」

恭介「理樹の記憶、戻ったぞ」

鈴「なにっ!?本当か!?」

理樹「うん、心配かけたね」

鈴「山」

理樹「川・・・って誰でも答えられるし、一度このやり取りやってるから」

鈴「おお、いつもの感じだな!」

理樹「いやいやいや・・・」

鈴「それも理樹っぽいな!」

理樹「いやいやいや・・・」

恭介「というわけで、今回のことは大目に見てくれよな」

鈴「仕方ないな・・・理樹に免じて許してやろう。身内にこんな変態がいると思われたくないしな」

佳奈多「あなたたち!!」バン

恭介「今度は二木か。どうした?」

佳奈多「どうした?じゃありません!女子寮に侵入した件で取り締まりに来ました!」

恭介「証拠は?」

佳奈多「はぁ!?」

恭介「俺たちがやったという証拠はあるのか?」

謙吾「聞けば、その3人組は仮面に体操服、おまけに声まで変えていたそうじゃないか」

佳奈多「そんなことをするのは、あなたたちしか・・・」

恭介「先入観で物を言われては困る。それはお前の目指すものとは違うはずだぜ」

佳奈多「・・・ハァ」

佳奈多「・・・ま、何と言おうと言いくるめられるとは思っていたけどね」

佳奈多「葉留佳たちも口を閉ざすし、この事件は迷宮入りね。この学校の七不思議になったりして」

恭介「へぇ・・・」

真人「ほぉ・・・」

謙吾「ふむ・・・」

佳奈多「な、何よ・・・」

理樹「今の二木さんのほうが、昔よりずっといいってことだよ」

佳奈多「ふ、ふんっ!そりゃあなたたちにとっては好都合でしょうね!」

佳奈多「・・・ところで、あなたたちが連れていた女学生は誰?」

理樹(僕です)

恭介「さて、理樹の記憶が戻ったことを祝して、今夜は盛り上がるぜ!!」

真人「いやっほーーーーい!!」

謙吾「よっしゃぁーーーっ!!」

理樹「いやいや・・・流石に今夜は大人しくしておこうよ・・・」

恭介「何言ってんだ!遊びたいときに好きなだけ遊ぶ!それが人間の本質ってもんだぜ!」

理樹「少なくとも文明人の本質ではないから・・・」

鈴「理樹に突っ込まれるのがうれしくてたまらないようだな」

恭介「ヒィイーーヤァーーッホォォォゥゥゥゥ!!よしお前ら!!手始めに・・・」ツルッ

一同「」

恭介「え?」

ゴンッ!!

・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・

理樹「恭介がダンベルに頭ぶつけて記憶喪失になった・・・」

小毬「ほぇ?」

葉留佳「また唐突ですネ」

西園「わけがわかりません」

理樹「そのままの意味だよ・・・恭介が全生活史健忘、つまり記憶喪失になった・・・」

来ヶ谷「なぜ言い換えた?」

クド「さ、さぁ・・・?」

理樹「なんとかしてあげよう・・・僕たち、リトルバスターズが!」

恭介「なんだか賑やかですねぇ」ポワーン

一同「・・・・・・」

鈴「・・・アホだな」


終わり

読んでくれた方ありがとうございます
またKey関係で書くで見かけたら読んでください

あとレスで気づいたけど最近リトバスSSたくさん書かれてるんだな、くちゃくちゃうれしい


・・・俺も一応リトバスだと昔にポケモンやらボウリングやらやってるのも書いてるヨ

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