レナ「ロイヤルストレートフラッシュ」 (107)

———カジノ———

最近、妙な客がいる。

P「こんにちは」

レナ「あら、また来てくれたの?」

そこそこ若い、男の客。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1367553285

P「どうしても貴方に勝ちたいんですよ」

レナ「これで計何連敗かしら」

毎日ここを訪れては、そんな事を言って。

P「今日こそは勝ちますから」

レナ「やってみなさいよ」

私とポーカーで、勝負をする。

P「そうですね……3枚捨てで」

レナ「なら私は2枚捨て」

P「……うーん」

レナ「あら、どうしたの?そんな困った顔をして」

だけど、そのわりにはものすごく弱い。

P「残念ですが、この勝負は降ります」

レナ「そう。私はスリーカードだったのにな」

P「僕はペアですよ。はは、負けちゃいましたね」

なんで、そんな私と勝負したがるのかしら。

レナ「エースのペアだから、私がペアだったら貴方の勝ちだったかもね」

レナ「それじゃ、チップはもらうわね」

P「大丈夫ですよ。次で取り返しますから」

レナ「どの口が言うのかしら」

実際、私はこの人との勝負では一度も負けたことがない。

そう、一度も。

P「ふむ……よし。5枚捨て」

レナ「また勝負に出たわね……3枚捨て」

P「これなら行けそうですね。レイズ」

レナ「ふぅん。なかなか強気ね。いいわ、受ける」

P「じゃあ……それ!ツーペアです!」

レナ「残念、フルハウス」

P「うぐぅ……」

レナ「むしろなんでそれで強気にレイズしたのかを聞きたいわね……」

P「こうでもすれば降りてくれるんじゃないかなーって」

レナ「普通のディーラーだったら可能性はあったかもね。でも私、普通じゃないから」

このカジノのNo.1ディーラー。

それが私だった。

P「普通じゃない、ですか……そりゃますます勝ちたくなりますね」

レナ「大体、私に勝ってどうするのよ」

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兵藤レナ(27)

それがこの客の不思議なところ。

私に勝ったところで、私が勝った分のチップは返ってこないわけだし。

かと言って名誉になるかと言えば、たった一回くらいで舞い上がるなと言われて御終いだ。

P「それでも、勝ちたいんですよ。勝って、言いたいことがあるんです」

レナ「へぇ。言いたいこと、ねぇ」

>>9 画像ありがとうございます!

P「そのためには、貴方に勝たないとダメなんですよ」

レナ「いいじゃない。やってみなさいよ」

P「望むところですよ!」

……変な人。

———事務所———

ちひろ「プロデューサーさん。ちょっといいですか?」

P「ん?はい。なんでしょう」

ちひろ「あのですね。一つお聞きしたいんですが……カジノ的なところに通ってません?」

P「ええ。通ってますよ」

ちひろ「……そういう時は、少しでも言い訳するもんじゃないんですか?」

P「別に。自分のお金を使って、馬鹿な賭けをしてるだけですから」

ちひろ「アイドル達にはバレないようにしてくださいね?悪影響が出るかもしれないので」

P「わかってますよ。程々にします。程々に」

ちひろ「心配ですが……まぁ、その点は私がサポートしますから」

P「ありがたいです」

ちひろ「その代わり、このLPドリンクを———」

P「わかりました。特別セットでくださいな」

ちひろ「毎度有り♪」

P「はぁ。どうしようかな、これ。俺だけじゃ飲みきれないし」

ちひろ「誰かに分けて差し上げたらどうでしょうか?」

P「そうですねぇ……あの人は……いや、まぁ、飲んでくれないだろうなぁ」

ちひろ「あの人?」

P「ああ、いえいえ。気にしないでください」

ちひろ「気にします。誰ですか、あの人って」

P「……言いたくないですね。俺の楽しみの一つなんで」

ちひろ「……バニー?」

P「ガタッ」

ちひろ「動揺しましたね?なるほど、カジノ的な場所にいる、バニー的な人ですかぁ」

P「誰もそんなことは言ってませんよ」

ちひろ「ふ〜ん。いいこと聞いたなぁ〜♪」

P「ちょっと?ちひろさん?」

ちひろ「(これでまた更に一儲けっと……)」

———カジノ———

P「ってなことがありまして。ワンペアです」

レナ「そうなんだ。スリーカード」

P「容赦ないっすね」

レナ「当たり前♪」

P「そういや飲みきれないんでいります?LPドリンク」

レナ「私の口には合わなそうだし……ま、頑張って」

P「ううぅ……」ゴクゴク

レナ「というか、聞いていいかしら」

P「はい?」

レナ「なんでポーカーなのかしら」

P「なんで、とは?」

レナ「私に勝ちたいなら、もっと運に左右されるゲームの方がいいと思うわよ。例えば、ルーレットとか」

P「あー。いえ、俺、ルーレットはホントダメで」

レナ「もしかしたら、私がポーカーでイカサマしてるかもしれないわよ?」

P「それはないですね」

レナ「へぇ?なんで言い切れるのかしら」

P「貴方の目は、濁ってないからです」

レナ「濁って、ない?」

P「ええ。澄み切ってます。むしろ、イカサマを見抜く目ですよそれは」

レナ「なぁに?私を口説いてるの?」

P「そう取られましたか。まぁ、いいんですけど」

レナ「いいの?本気にしちゃうわよ?」

P「ええ、本気にしてくださって結構です。ツーペア」

レナ「もうちょっと格好良い男の人じゃないと、お断りね。スリーカード」

P「少しでも動揺してくれると嬉しいんですけどねぇ」

レナ「口説かれるのには慣れてるから」

P「やっぱりですか」

レナ「やっぱり、って?」

P「だって美人ですし」

レナ「ふふ。ありがとう。で、どうする?」

P「申し訳ありませんが、今日はちょっと降りさせてもらいます。明日も仕事があるのでね」

レナ「そう。またのご来店、お待ちしています」

———事務所———

P「うーん。やっぱ無理かなぁ」

ちひろ「何が無理なんです?」

P「いやぁ、カジノでなかなか勝てないんですよね」

ちひろ「プロデューサーさんなら、その気になれば勝てるんじゃないんですか?」

P「いえいえ。俺をあんま買いかぶらないでくださいよ」

ちひろ「勝てそうな気がするんですけどねぇ。あ、そういえば」

P「なんです?」

ちひろ「今日はバニーデイなので」

P「……なんですかそれ」

ちひろ「しばらくしたらわかりますよ」

P「なんか怪しい雰囲気がしますが……」

ちひろ「そろそろ着替え終わるかな?」

P「着替え終わるって、何が」

ガチャ!

茄子「こんにちは、プロデューサーさん♪」

P「茄子……ってなんだそのカッコ?!」

茄子「うさぎちゃんです〜。似合ってますかね?ぴょんぴょん♪」

P「な、な、な」

ちひろ「だから言ったじゃないですか。今日はバニーデイだって」

茄子「どうですか?可愛いですか?」

P「ちょ、茄子近い近い!」

幸子「茄子さん!あんまりプロデューサーさんに近づかないでください!」

P「おお、幸子か助かっ———」

幸子「プロデューサーさんは可愛いボクのバニーを見ていればいいんですっ!」

P「なんでお前までバニーなんだよぉぉぉぉおおおお?!」

ちひろ「愛されてますねぇ。プロデューサーさん?」

P「何がですか?!ああ、もう、茄子も幸子も早く服を……」

早苗「プロデューサー君?」

P「ひっ?!」

早苗「ちょ〜っとこっちを向いてくれるかな?」

P「違うんです早苗さん。これはそう、ウサミン星の侵略が……」

早苗「感想聞きたいんだけど、どうかな?」

P「早苗さんまで何してんですかぁぁぁあああ!!」

早苗「何って……バニー♪」

P「みりゃ分かりますよ!ってかアンタこういうの取り締まる側だろ?!」

早苗「おねーさんもたまには女の色気ってモンを見せておかないとかなって♪」

P「め、目のやりどころに困るのでホントあの……」

茄子「Pさ〜ん?」ギュッ

P「ふわっ?!」

茄子「ダメですよ〜。あんまり早苗さんとばっかり仲良くしてたら〜」

P「茄子!右腕に当たってる!当たってるって!!」

茄子「当ててるんですよ〜」

早苗「いくら幼馴染だからって、それはダメだと思うな〜……ってことでこっちはもらった!」ギュッ

P「ちょ、早苗さん。悪ノリもいい加減に」

早苗「Pく〜ん♪」ギュムギュム

P「やめて!理性が持たないぃぃぃいいい!!」

幸子「2人とも!ダメですよほら、プロデューサー困ってるじゃないですか!」

P「さ、幸子———」

幸子「プロデューサーは世界一可愛いこのボクにだけ、デレデレしてればいいんです!」ギュゥ

P「幸子ぉぉぉぉおおおおお!!なんで背中に抱きついたぁぁぁぁあああ!!」

ちひろ「(私もバニー着てみようかしら……)」

———カジノ———

P「ってことがありまして、ちょっと今日は疲れているので早めに帰らせてもらいます……ツーペア」

レナ「へぇ。楽しそうじゃない。スリーカード」

レナ「で、実際襲ったの?」

P「ブッ!」

P「何言ってんですか?!」

レナ「だって、女の子にそんなに迫られて……普通の男の人だったら襲ってないかしら」

P「残念ながら、あくまで仕事仲間なので……」

レナ「でも、幼馴染もいるんでしょう?」

P「そりゃそうですが、今は仕事仲間なので」

レナ「頭が固いなぁ。ってか、バニー属性?」

P「そんな属性じゃありません」

レナ「どうかしら。毎日私に会いに来てるってだけでも、それなりに素質があると思うわ」

P「そんな素質いりませんよ。スリーカード」

レナ「それは残念。フルハウス」

P「ホント動揺しないんですね」

レナ「そりゃ、No,1ディーラーだから」

P「はぁ。こんなんじゃ頭も回らないんで、ちょっと今日は帰りますね」

レナ「そう?私としてはもうちょっと付き合っててもらってもよかったんだけど」

P「また今度、という事で———」

ディーラー1「ふざけんな!」

レナ「……何かしら」

P「行ってきたらどうです?」

レナ「そうね。貴方はどうするの?」

P「あんまいざこざには巻き込まれたくないんで、帰ると思いますよ。多分」

レナ「そ。じゃあまたね」

P「ええ……」

P「……ルーレット、か」

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鷹富士茄子(20)

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輿水幸子(14)

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片桐早苗(28)

これって、続き物?

再び投下開始します。

>>44 画像ありがとうございます!
>>45 ここから続き物にしようかなーって思ってまする。

ディーラー1「お前らイカサマは禁止されているはずだぞ!」

客1「なんのことかなぁ〜?」

客2「身に覚えがないなぁ」

客3「そもそも、俺らがイカサマしたって証拠はぁ?」

ディーラー1「ぐっ……」

客1「さっさと次のゲーム始めてくれよぉ」

客2「ほらほら、さっさとしろよ」

客3「ってかお前弱すぎ。もっと他のヤツ呼んでこいっての———」

レナ「事情は把握いたしました。では、こちらのディーラーに変わって私が相手いたします」

ディーラー1「レナさん……?!」

客1「ヒュー!いい女じゃねぇの!すげぇ好み!」

客2「いいねぇいいねぇ。こういうの待ってたんだよ!」

客3「イカサマなんて言いがかりつけたのはこれで許してやるよぉ。さっさとゲームやろうぜ」

レナ「はい。では始めましょう」

レナ「……っ」

客1「へへ。黒の11だなぁ」

客2「おお、当たっちまったよぉ」

客3「ツイてるなぁ。げへへ」

レナ「(五回回して確信した)」

レナ「(こいつら……イカサマ、してるわね。確実に)」

レナ「(でもどうやってイカサマしてるのかがわからない以上……)」

レナ「(イカサマしてても、してないのと一緒……)」

レナ「(バレないイカサマはイカサマじゃない。なんて、ホントそのとおりね)」

レナ「(いくらで見破れるかしら。逃げられる前に……)」

客1「あーあ。あきたわー。そろそろ帰るか」

客2「そうだな!稼いだ稼いだ!」

客3「いやー。今日は大当たりだなぁ!」

レナ「(まず、逃げられる———)」

P「はぁいちょっとそこのお三方」

客1「あ?」

レナ「(ちょっ、なんで貴方が)」

P「いやいや。勝ってるらしいじゃん?だから俺、あんたらと勝負してみたくてね」

客2「あぁん?」

P「運が強い人と勝負するのが趣味なの、俺。だから勝負してくんない?」

客3「はぁ?なに言ってんだよ。俺らは今から———」

ガシャン!

P「……」

レナ「(うっそ?!何そのチップの山……!!いくら使えばこんなに……)」

P「さ、勝負してくれねぇ?俺に勝ったら、これ全部あんたらのもんだ」

客1「……ふふ、おもしれえじゃねぇか」

客2「いいね。ぶんどってやるよ」

客3「いい女の前だからって、カッコつけたかっただけなら後悔しろよ……?」

P「別に。カッコつけるつもりも———」

P「負けるつもりも、毛頭ない」

レナ「(何を考えてんのよ……勝てるわけないじゃない)」

レナ「ちょっと。貴方」

P「なんですかね?」

レナ「馬鹿なの?」

P「まぁそうですよね。馬鹿に見えますよね」

P「でもいいんですよ。馬鹿には馬鹿の意地ってのがあるんです」

レナ「それにそのチップの山どっから」

P「この店のオーナーに借りました。全部後で返しますよ」

レナ「ここのオーナーに?そう簡単に借りられるワケ———」

P「いいから———やらせて、くれませんか?」

レナ「っ」

レナ「(何今の……得体の知れない何かを感じた)」

P「大丈夫ですよ。さてっと」プルルルル

レナ「電話……?誰にかけてるの?」

P「うーんとですね」


P「俺の守護神に」


茄子「くしゅん……風邪かしら?あら、Pさんから電話♪」

P「赤の36。俺の勝ち」

客1「……」

客2「お、おい。どうなってんだ」

客3「し、知らねぇよ。ちゃんとやってるよ」

レナ「(……なんなのあの人)」

P「ほらほら。どうしたんですか?」

客1「……くっそ!」

客2「こんなのイカサマだ!十連続一目賭け成功なんてありえねぇ!!」

客3「そ、そうだそうだ!イカサマだ!」

レナ「(こいつら、自分のことを棚に上げて……!)」

レナ「ちょっと、貴方達———」

P「じゃあ次はこうしよう」

P「俺はテーブルに近づかない。遠くから番号だけ宣言する」

P「その間、あんたらは何してもいいぜ。イカサマも自由だ」

P「見張っててもらって構わない。アレならボディチェックも受ける」

P「で、もちろん一目賭けだ」

P「これで文句あるか?」

レナ「(一体何を言っているのこの人……!!)」

レナ「(プロの私でも、ボールの回転、台の回転を見て予測するくらいしかできないのに……)」

レナ「(台も、ボールも見ないで一目賭けなんて!)」

客1「お、おう……」

客2「いいぜ。やってやろうじゃねぇか」

客3「俺らも一目賭け……」

P「ああ、ちなみに」

P「俺はこれ全部賭ける。だからあんたらも持ってるもん全部賭けろ」ガシャン

全員『?!』

レナ「ちょ、ちょっと!あんまり調子に乗ると……!」

P「これであんたらが勝ったらこれ全部あんたらの物だぜ?」ガシャッ

客1「……やってやろうじぇねぇか」

客2「な、なぁ。もうやめないか?こいつ、ヤバイよ……」

客3「そ、そうだよ。充分勝ったんだから……」

客1「うるせぇ!!ここまでコケにされて黙ってられっか!!」

P「勝負成立。じゃあ俺はあっち行ってるわ」

レナ「(なんなのよ……何が起こってるの?)」

客1「(いいか?絶対にうまくやれよ?!)」ボソボソ

客2「(わかってるって!)」ボソボソ

客3「(お、おいおい……)」ボソボソ

レナ「……じゃあ、回すわね。11ゲーム目」

コーン カラカラカラカラ……

客1「赤の18だっ!」

客2「黒の22!」

客3「く、黒の29!」

レナ「(こいつら、もし失敗してもいいように近くに固めて来た……!)」

レナ「……貴方は?」

P「……ん。もう回したのか。後ろ向いてたから気づかなかったわ」

レナ「……やっぱり、変な人」

P「まぁ、決まってんだけどな」

P「俺がかけるのは———」

———翌日———

レナ「貴方、アイドルのプロデューサーなんかやってんるんですって?」

P「え、どこでそんな事聞いたんですか。ワンペア」

レナ「知り合いのツテを使ってね。スリーカード」

P「あっちゃー。やっぱ勝てないなぁ」

レナ「この前の鬼の様な運勢はどこに行ったのかしら。11連続一目賭け成功」

P「だからあれは守護神がいたからですね」

レナ「だったらその守護神をここに連れてきたらいいんじゃないかしら」

P「……このカジノ潰したいんですか?」

レナ「……まぁ、潰されたくないでしょうね。オーナーからしたら」

P「ま、そんな守護神もうちのアイドルの一人なんすけどね」

レナ「へぇ、女の子だったの。てっきり、カ○ジみたいな男の人かと思ったわ」

P「気持ちはわからんでもないですが。 ブタです」

レナ「……やるたびに弱くなってない?ツーペア」

P「やっぱり勝てませんねぇ。じゃあ今日はこの辺で」

レナ「守護神ちゃんのお力を借りたらどうかしら?」

P「それで勝っても意味ないんですよ」

レナ「ふぅん。じゃあ、また明日」

P「大丈夫ですよ。次は、負けませんから」

レナ「どの口が言うのかしら……捨て台詞?」

レナ「あーあ。せっかくいい人見つけたと思ったのになぁ」

レナ「あの時のカッコよさはどこに行ったのかしら……あら」

レナ「あの人、手札片付けてないじゃない……もう」カサカサ

レナ「……え?」

レナ「ま、待って。なんで、こんな、わざわざ……」

レナ「……やっぱ、変な人」

———事務所———

P「おはよう、茄子」

茄子「あ、Pさん」

P「ここではプロデューサーと呼べと……」

茄子「いいじゃないですか。幼馴染なんですし♪」

P「まぁいいけど。で、一昨日はいきなり電話ごめんな」

茄子「いえいえ。でもびっくりしましたよ〜。急に0〜36までの数字から好きな数字を11個選べなんて」

P「そりゃそうだ。まぁでも最後に0を選ぶとは。やっぱ変わってるな、茄子は」

茄子「むぅ〜。それ褒めてるんですか?」

P「褒めてるよ」

茄子「で、結局なんだったんですか?あれ」

P「一種の心理テストみたいなもんさ。人から聞いて、やってみたくなったから茄子に聞いてみた」

茄子「ちなみに他の子にはやったんですか?」

P「いんや。やってない。茄子だけ」

茄子「私だけ……ふふっ。あ、で結果は?」

P「結果?……うーん。これ言っていいのかなぁ」

茄子「な、なんですか。勿体ぶらないで言ってくださいよ〜」

P「茄子はな……結構Hな事がわかった」

茄子「へ?」

P「しかも意外や意外、ムッツリスケベだ」

茄子「そ、そんな事ないですよ〜!」

P「まぁ、心理テストの結果だから気にしない気にしない」

茄子「確かにPさんとの未来はいつでも想像してますけど……」ボソボソ

P「茄子?」

茄子「あ、いえいえ。なんでもないですよ。それよりもそろそろ、幸子ちゃんが来るので迎えに行ってあげたらどうですか?」

P「そうだな。じゃあ行ってくる」ガチャ

茄子「行ってらっしゃ〜い」バタン

茄子「……なんか今の、夫婦っぽかったかも♪」

———カジノ———

レナ「こんばんは。待ってたわ」

P「こんな美女にお出迎えなんて、男冥利に尽きますよ」

レナ「さ、ポーカーを始めましょう。今度は……本気で」

P「……どうしたんですか?」

レナ「なんでもないわよ。ただそういう日もあるってことよ」

P「そういうものですか」

レナ「ええ。じゃあ配るわね」

P「……」

レナ「じゃあ始めましょう?」

P「ええ。今日こそ勝ちますよ」

レナ「(……私がこの手札で出せそうなのは最高でもスリーカードね)」

レナ「(でも私の予想だと……この勝負は勝つ。確実に)」

P「じゃあ……3枚捨てで」

レナ「私も3枚チェンジ」

P「……レイズしますよ」

レナ「ふーん。じゃあ乗るわ」

P「エースのワンペアです」

レナ「クィーンのスリーカードよ」

P「うーん。降りてくれると思ったのに「ふざけてるのかしら?」……え?」

レナ「バレてないとでも思ってたのかしら。コレ」ペラペラ

P「……」

レナ「貴方が捨てたカードは、エース枚1にキング2枚」

レナ「……手札にはキングが一枚ある。変えなければフルハウスだったわよね?」

P「まさか。偶然「じゃないわ」……」

レナ「昨日も、一昨日も」

レナ「貴方、同じように役をわざと崩すように捨てたわね?」

レナ「しかも、私よりも強い役を」

レナ「一体何かしら?私に対する侮辱?」

P「違うんですよ。うーん……どう説明したらいいかなぁ」

レナ「何が違うって言うの?」

P「わかりました。じゃあ、あと一勝負だけしましょう。……次、出そうな気がするんです」

レナ「……そこまで言うなら」

P「……」

レナ「……」シャッシャッ

P「……やっぱり」

レナ「何がやっぱりなのよ」

P「いえ。じゃあ俺は3枚捨てで」

レナ「……手札を見せなさいよ」

P「え?」

レナ「いいから見せなさいっての」グイッ

P「うわっ」

レナ「……フルハウス。ここから貴方、三枚捨てるって言うの?!」

P「……はい。お願いします。この勝負だけ、やらせてください」

レナ「……なんなのよ。貴方」

レナ「2枚チェンジ……」

レナ「(JOKERと7……手札に7のペアがあるからフォーカードね)」

レナ「フォーカード。で、満足したかしら」

P「はい。やっと出てくれましたよ」


P「ロイヤルストレートフラッシュ」

レナ「!!」

P「意外と出ないもんなんですねぇ。これ」

レナ「……JOKER無のロイヤルストレートフラッシュなんて初めて見たわよ。イカサマ?」

P「そういう事をしてないのは、貴方が一番良く知ってるはずですよ。俺はフルハウスを崩したんですから」

レナ「馬鹿みたいね。ロイヤルストレートフラッシュが出るまで、店に通うつもりだったの?」

P「ええ」

レナ「どうして、わざわざロイヤルストレートフラッシュで私に勝とうと思ったの?」

P「知ってもらいたかったんです。アイドルの世界は、俺のやっている仕事はこういうものだって」

P「何万分の、何億分の、いえ、何兆分の一」

P「トップアイドルになれる確率なんて、そんな確率しかないんです」

P「だけど、俺はこうやって今、ロイヤルストレートフラッシュを出しました」

P「俺はこのカードのように、アイツらを絶対にトップアイドルにしてみてみせます」

P「例え大きなチャンスを捨てたって、何度も何度も転んだって」

P「絶対に、諦めたくないんです」

レナ「……言いたいことがあるんだっけ」

P「ええ。やっと言えますよ」

P「兵藤レナさん」

P「一緒にトップアイドルを、目指してみませんか———?」

———数日後 レッスン場———

レナ「レッスンで意外としんどいわね……」

P「すぐ慣れますよ。茄子だって、幸子だって、早苗さんだってやってのけたんですから」

レナ「確かに。幸子ちゃんを見習わないとね……あの子、努力の塊みたいな子だし」

P「ええ。アイツはいつだって頑張ってますから。自分を一番可愛く見せるために」

レナ「そうと決まれば負けてられないわね……でも、今日はもうちょっと無理かしら」

P「ゆっくり休んでください。急ぐことはないですから」

レナ「ふふ。不思議ね」

P「何がですか?」

レナ「ついこの前まで、カジノのディーラーやってた私がアイドルやってるって」

P「そうですかね?俺は一目見た時から、この人だって思いましたよ」

レナ「ありがと。お世辞でも嬉しいわ」

P「お世辞じゃありませんから」

レナ「……ねぇ、Pさん」

P「プロデューサーと呼んで欲しいところなんですが」

レナ「いいじゃない。固いこと言い合いっこなしよ」

P「最近、プロデューサーと読んでくれるのが幸子とちひろさんしかいなくて、なんかこう……」

レナ「モテモテじゃない、Pさん」

P「どこがですかね」

レナ「鈍感ねぇ。そうそう、ちょっと事務所に帰ったら、久しぶりにポーカーやらない?」

P「ん、いいですよ。まぁ、勝てる気はしないんですけど」

レナ「あら、なんで?」

P「今のレナさんはアイドルですから。可愛い我がアイドルに本気なんて出せませんよ」

レナ「とか言って本当は自信がないだけのくせに〜」

P「あの時はホント、どうかしてたんですよ。家に帰ってからも、ロイヤルストレートフラッシュ出した興奮で寝れませんでしたし」

レナ「中身な子供なのね、可愛い♪」

P「やめてくださいよ、むず痒い」

レナ「じゃ、約束ね」

P「別にいいですけど」

レナ「ふふ、Pさんが見せてくれたみたいに、私も見せてあげるわよ」


レナ「アイドルとしての私の、ロイヤルストレートフラッシュを、ね?」


おわり

お疲れ様でした。
続き物にしようと思っているものの、第一話みたいな物だと思ってくれたら幸いです。

やっぱり、レナさんと茄子さんはセットだと思います。
では、またどこかで出会えましたら。

乙。面白かった
イカサマ客との大勝負シーン読みたかったけど
どんなイカサマかも気になる

>>97 イメージとしては磁石でボールを引き寄せる感じです。
   大勝負シーンは一方的な勝利になっちゃいそうなので、割愛しました。


ほか何書いてるんですか?

>>101 終了しているのは、

    李衣菜「801ってロックですよね!」モバP「」
    李衣菜「801ってロックですよね!」モバP「」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1367150259/)


    一応進行中なのは
    P「チーム名は……765バスターズだ!」
    P「チーム名は……765バスターズだ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1365676584/)


    です。

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