女騎士「……おい」

少年「！」ﾋﾞｸｯ

女騎士「礼はするから、ここから出してくれ」

少年「…」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

女騎士「だめかー…この鉄格子を開けてくれるだけでいいんだがなあ…」

少年「………」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

少年「…」　
女騎士「お前の名前は?」　
少年「ｼﾞｭｹﾞﾑｼﾞｭｹﾞﾑｺﾞｺｳﾉ････｣

女騎士「私を助けたらきつーいお仕置きとかありそうだもんなあ、助けたくても助けらんねえか」

少年「………」

女騎士「…で、なんでこんなとこにいるんだ？見たところ一応人間だろ、お前」

少年「………」

女騎士「ダンマリかよ…ああもう、話し相手がいなきゃ暇でしょうがないな…」

少年「…」

女騎士「…ははーんわかったぞ、お前攫われたろ」

少年「！」ﾋﾞｸｯ

女騎士「やっぱりな…私はお前の捜索に来たんだよ、だからさっさと帰ろうぜ」

少年「………」

女騎士（ちっ……適当な嘘では引っかかんねえか…）

オーク「おらクソアマ！餌でも食ってろ！」ｶﾞﾁｬ

女騎士「！」
少年「！」

オーク「なんだあ？せっかく飯を持ってきてやったのにその態度はあ？」

女騎士「け、お前らの餌には何が入ってるかわかんねえからな」

オーク「黙れ！せっかくの人の好意を…」

女騎士「おいおい、人を攫っておいてよく好意だとか言えるな」

オーク「…もう知らん、坊主、食わせとけ」

少年「…」ｺｸｯ

オーク「大人しくしとけよクソアマ！」ﾊﾞﾀﾝ

少年「……」ｽｯ

女騎士「おっと私が食う前に、まずはお前が食え」

少年「！」

女騎士「お前、見るからに飯食えてなさそうだしなあ、おすそわけだ」

少年「………」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

女騎士（躊躇なくいったか…こいつはある程度ここの奴らに信用があるのか？）

少年「………」ﾁﾗｯ

女騎士（いやいや、ただただ腹が減ってるだけの可能性がある…そう決めつけるべきでは…）

少年「……」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

女騎士（にしてもよく食うな、ある程度量あったのに半分食いやがった）
（育ち盛り…ってことかな、少し母性本能をくすぐるというか）

少年「……」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

女騎士「…ちょ、ちょっと待て！あとは私が食う！食いすぎだ！」

女騎士「……なんだ、案外うまい飯出すのな」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

少年「…」ｺｸｺｸ

女騎士（にしても…これからどうしたものか、脱出する方法もパッとは思いつかんし…）
（誰か来てくれるかも…なーんて、私には仲間がいないしなあ）

少年「……」ｳﾄｳﾄ

女騎士「…ん？どうした、眠いのか？」

少年「…！」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

女騎士「はは、かわいい奴め」

少年「……」ｳﾄｳﾄ

女騎士「…おい、お前ちょっとこっち来い」

少年「？」

女騎士「いいからいいから、ちょっと来いよ」

少年「……」ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ

女騎士「鉄格子のギリギリまで近づけ、それで向こう向け」

少年「…？」ｸﾙｯ

女騎士「よーし、んでそのまま座れ」

少年「？」ﾍﾟﾀﾝ

女騎士「よーし捕まえた」ｶﾞｼ

少年「！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

女騎士「おいおい落ち着けって、何もしないから」

少年「…」ﾊｧﾊｧ

女騎士「はは、こうやると安心するだろ？それに温かいし…」

少年「……」ｺｸｯ

女騎士（ほんとちっさい体だな、ぬいぐるみみたいだ）

少年「……」ｳﾄｳﾄ

女騎士「寝たいなら寝ていいぞ、別に逃げたりしないからさ」

少年「……」ｺｸｯ

女騎士（…にしても、今日は冷えるな…まあ牢獄ってのもあるが）

オーク「…」ｷﾞｨｨ

女騎士「！」

オーク「……」ﾌｧｻｧ

女騎士（…毛布をかけやがった）

オーク「…おい、脱走なんて考えないな？」

女騎士「さあ、どうだか」

オーク「…そうか、だろうな」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

女騎士「な、なんで手錠をかける、しかも鉄格子に繋ぎやがって」

オーク「出られたら困るからだ、馬鹿かお前」

女騎士「ああめんどくせえ、これじゃ気になって眠れねえじゃねえか」

オーク「すぐ外してやる、つべこべ言うな」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

女騎士（今度は鉄格子を…あ、あいつを運んできやがった）

少年「Ｚｚｚ」

オーク「今度からそいつと一緒に入ってろ、文句言うなよ」

女騎士「…なんでこんなことを？」

オーク「坊主がお前の脱走の手伝いをされちゃ困るからだ」

女騎士「なーるほど…」

オーク「さっさと寝ろクソアマ…ふぁー…」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬﾊﾞﾀﾝ

女騎士「………」
（なんか警備ゆるいな、ゴリ押せば出れるんじゃないか？）
（て言うか私以外に誰も捕まってねえし…）

少年「Ｚｚｚ…」ｸｼｭﾝ

女騎士「！」
（…まあ、今日は寝るか、いい抱き枕もあるし）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少年「……」ﾆﾔ

女騎士（こいつ笑うとかわいいな…ふふふ）

女騎士（…ふふふ）ｷﾞｭｰ

少年「……♪」

女騎士「……ん？」

少年「zzz」

女騎士「…気のせいか」
「………zzz」

少年「♪」

オーク「朝だぞ…ふぁー…」

女騎士「zzz」

少年「zzz」

オーク「………」ｶﾀｯ


女騎士「…んあ、なんの匂いだ…」ｺﾞｼｺﾞｼ

女騎士「お、飯…起きろー」ﾕｻﾕｻ

少年「………」ﾑｸﾘ

女騎士「お前の分も食べちまうぞー」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

少年「！」

女騎士「冗談だ冗談、落ち着いて食えよ」

少年「…」ﾊﾟｸﾊﾟｸﾓｸﾞﾓｸﾞ

女騎士（必死になりやがって…）ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

少年「！…」ﾊﾟｸﾊﾟｸ

女騎士「ふふふ…」
（久しぶりだな…誰かと飯食うのは）

少年「…」ｼﾞｰ

女騎士「……ん、どうかしたか？」

少年「……」ﾆｺ

女騎士「…このやろー！」ｷﾞｭｰ

オーク「お前ら、外出るぞ」ｷﾞｰ

女騎士「…なんだ？奴隷商にでも売りつけるのか？」ｷﾞｭｰ

少年「……」

オーク「そんなんじゃねーよクソアマ」
「ちょっとした作業だ、手伝え」

女騎士（……なんだ、私にチャンスを与えたのか？）
（鉄格子から出て走えば逃げ切れそうだぞ、こんなとこ）

オーク「変なこと考えるなよクソアマ」

少年「………」


【序章、事の発端】

というわけで疲れたまた明日な

オークがいいヤツすぎてニヤけた

絶対立てろよ？>>1さんよぉ･･･