吹寄「私達は、クラスメイトでしょう?」青ピ「そうやで、カミやん」 (22)

注意事項

・上条×吹寄の原作再構成モノです

・ご都合展開があるかもしれません

・原作よりも敵の強さをあげる予定です

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「昨晩は、ビリビリ女に追いかけられて大変だったよ」

「羨ましい限りやで……ていうかそもそもその娘カミやんに気があるんちゃうんか?」

「単にプライドが高いだけじゃねえのか」

「本人の聞いてみないと分からないわね。その辺は」


ある夏の暑い日。じりじりと溶けてしまいそうな日光と夏らしい爽やかな風が教室を包み込んでいた。

そんな教室の中、うんざりとした表情を浮かべる少年、上条当麻を囲むように友人の青髪ピアスと吹寄制理がいる。

二人は不幸だと言う上条当麻の話を聞いて本当に不幸かどうか吟味する不幸審査委員会なるもののメンバーだったりする。

もっとも、メンバーはもう一人を含めた三人だけしかいない完全非公式のサークルのようなグループだが。

ちなみに、もうひとりのメンバー土御門元春は諸事情で数日前から学校に来ていない。


「これは不幸認定やで」

「同意するわ。ていうかこれは、何か対策を講じなきゃいつか被害が出るわね」

「うーん、そうだなあ。たまに特売逃すこともあるしなあ」

溜息を吐いたと同時に、この一年七組の担任と同時に庇護対象になっているような気もしなくない月詠小萌が教室へやってきた。

何も言われずとも、立っていた生徒は各々に自分の席へと着席する

HRの恒例、出席を難なくとりおわると次の授業の準備があるのか忙しなく教室を出た。

残念そうな表情を浮かべ、青髪ピアスは。


「もっと話したかったでえ……」

「まあ忙しいんだろ」


あしらうように上条がそう言う。

消沈する青髪を横目に、けたたましい蝉の声をBGMのようにして窓から景色を眺めていると、とんとんと肩が突かれた。

吹寄だった。右手にはシンプルな定規が握られていて、次の時間は数学かと予測する。


「貴様ら、次の時間は数学よ。定規は持ってきたんでしょうね」

「そーいや親船先生やんかー! 小萌先生と話されへんかったけど、幸せやでー」


上条はそう言われると、すぐさま学生鞄の中を漁る。

しかし定規は見つからない。というか、筆箱自体が家に忘れてきたのかもしれない。

親船先生……親船素甘という数学教師は忘れ物のペナルティを体育教師の災誤よろしくグラウンド一周としているのだ。


「げっ、ちゃんと用意した筈なのに……不幸だ」

「要するに忘れたってわけね? 不幸不認定! 自己責任よ。ほら、今日の所は貸してあげるから」

「さ、さすが吹寄様! ありがたや~ありがたや~」


「授業を始めるわよ。席につきなさい」


                                  *


やけに長く感じた理科の授業の終了を合図するチャイムが鳴り、各々は帰りの支度を始める。 

上条当麻は大きく体をのばし、ビルの上を煌々と照らす太陽を眺めて呟いた。


「うっしゃー、明日で一学期も終わりかー」

「せやなー」


青髪ピアスはそう気のないを返事する。

二人は周囲と同様に帰りの支度を済ませ、着席する。

月詠小萌の夏休みの諸注意や宿題についての説明を受けて、その場は解散となった。

帰ろうかとしているところ、青髪ピアスは唐突に言った。


「今日の晩御飯はカミやん家で鍋パーティやな」

「はぁ? この時期の鍋パーティーとか苦行以外の何物でもねえぞ!」

「いいわね。それに、例の「ビリビリ女」さんについても話したいし」

「吹寄まで来るのか? まあ、いいけどさ。じゃあ材料とかはどうする?」

「私は家から適当に持ってくるわ」

「僕はなんか美味しそうなの買ってくるわー」

「お前ら闇鍋じゃないんだから変なもん買ってくんなよ?」

「わかってるわよ」


上条は別々の方向へ帰っていく二人を眺め、歩き出した。

外にでると、扇風機が周っていた教室内とは違い、ヒートアイランド現象も加わってかとにかく暑い。

さすがにこの時間に部活動をやっていることは無いようだ。


「あっ、そーいや」


寝巻きのスウェットが不慮の事故により、破れてしまった事を思い出す。

この暑さの中、服屋まで行くことにうんざりするもジーンズや制服で過ごすわけもいかず、最寄りの服屋であるセブンスミストと呼ばれる専門店へ向かった。

この時間のここは流石に少ないかと思ったがどうやらそうでもないようだ。

避暑に来ている人が多いのか、いつもの客層とは少し違う雰囲気はあったが。

「えーと、スウェットっと」 

「あの……」

「ん?」


小さな女の子だった。小学生でもまた低学年の。

少女はどうやら子供向けの洋服店を探しているらしく、取り分け急いでいるわけでもない上条は親身になって子供向けの洋服店を探すことに。

女性向けの洋服店が多いのか、時には目を背けたくなるような女性用下着店や女性用水着店も多かった。

中高生から大人とメインターゲット層と捉えているのか、やはり子供向けの店は見つからなかった。そんな矢先のこと。

見慣れたクラスメイトが唐突に話しかけてきた。


「上条……?」

「ふ、吹寄ぇっ!? なんでここに!」

「そんなに驚くようなことかしら。ただ、パジャマを買いに。それで、そっちの女の子は?」 

「えーっとねえー、お兄ちゃんに洋服店を探してもらってたの」

「ま、そういうことだな」

「ふーん。よかったら私も手伝おうか?」

「そうしてくれ、頼む」

「わかったわ」


このセブンスミストと呼ばれる店は、単一の企業が複数の企業の服屋を統一的に経営するデパートのようなものであり、学園都市でも最大級の品揃えと言われる。

そのためか中高生に人気があり、第七学区周辺の中高校に進学したいという学生も居るという。

上条も基本的にはここにある男性向けショップで買い物を済ませることが多い。

その弊害か、セブンスミスト周辺に服屋はなく消去法的にここに来なければならないということもあるが。

しばらく歩いていると、なにやら見知らぬ顔があった。

その動きは奇妙以外の何物でもなく。

「なにやってんだ、ビリビリ」

「えっ、なっ、ちょっ……な、なんでアンタがここにいんのよ!?」

「居ちゃいけねえのかよ」


そうやって少し軽い溜息を吐くと、向こう側から軽快な声がきこえる。

吹寄と少女だった。


「おにいーちゃーん! ……あっ、常盤台のおねえちゃんだ!」

「ん? ああ、鞄の」

「お兄ちゃんってアンタ妹がいたの?」

「違うよ、俺はこの娘が洋服店を探してるって言ってたからここに来ただけだ」

「お兄ちゃんにここまでついてきてもったの! テレビの人みたいに、おしゃれするんだー!」

「そうなんだ」


ビリビリと呼ばれた少女は頭を撫でる。

そもそもビリビリたる所以は、彼女の能力に起因する。

彼女は学園都市でも七人しか居ない能力者達の頂点に君臨する超能力者の第三位だったりする。

御坂美琴。またの名を超電磁砲。


「いまでも充分、おしゃれよ?」

「短パンの誰かさんとは違ってな」

「なにィー? なら今ここでいつぞやの決着を……」

「馬鹿、こんなところでやる気か?」

「……」


御坂は黙りこむ。吹寄は少し不思議そうな表情を浮かべていたが、一連の流れをよく分かっていなかったらしい。

バツが悪そうなのは、上条に咎められたからなのか、それとも上条以外の他人の目の前で好戦的な姿を晒してしまったからなのだろうか。

はあ、と溜息を吐く御坂は手に持っていた水玉模様のパジャマを置き、軽く上条に謝る。


「おにーちゃん、向こうに見に行こ?」

「そうだな。じゃあな、ビリビリ」

「ビリビリっていうな!」


上条はどこからどう見ても消沈している御坂を横目に、歩きはじめる。

今日はここで終わりです、

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年02月02日 (日) 01:25:24   ID: CIoO1kZT

上吹好きやわ~( ̄∇ ̄)

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