P「お前ら人間じゃねぇ!」 ゆきぽ「ぽえ!?」(209)

人影のなくなった深夜、住宅街から声がする

???「ごめんね…」

なにかを謝罪しているらしい

???「でもこうするしかないの…」

女性はそうつぶやくと何かを置いて立ち去った

???「本当に…ごめんなさい…」

冬が訪れる少し前の出来事だった

─11月初頭・とある喫茶店─

鬼ヶ島羅刹「暇だなぁ…」

周囲から隠れるように座っているのはジュピターの三人

チャオ「休暇もらったのはいいけど」

トイレ「僕らどこ行くにも変装しなきゃまずいもんね!」

鬼ヶ島羅刹「変装したって人の多いところには行けないけどな…」

チャオ「なにが不満なんだい?」

鬼ヶ島羅刹「お前らが付いて来てることだよ!!おかげで目だって欲しいものすら買いにいけねぇ!!」

トイレ「ま、それが目的でクロちゃんは僕らにも休みくれたんだけど!」

チャオ「冬馬がまたフィギア買ってるところをツイートされないようにね」

鬼ヶ島羅刹「いいじゃねぇか!俺がなにを買おうが!!」

トイレ「クロちゃんにもジュピターの販売戦略があるんだし、少しは自重しようよ」

チャオ「ア○ゾンじゃ駄目なのかい?」

鬼ヶ島羅刹「あんな目にあうのはもうこりごりだぜ…」

トイレ「なにかあったの?」

チャオ「さぁ?」

鬼ヶ島羅刹「…………帰る!こんなところでグダグダしてるならトレーニングしてるほうがマシだ!!」

トイレ「せっかくの休暇なのに…」

チャオ「やれやれ…」

鬼ヶ島羅刹「店員さん!お会計!」

トイレ「待ってよ冬馬君!」

─帰り道─

北斗「思ったより人が多いな…こっちから帰ろう」

翔太「北斗君って道詳しいよね!なんで?」

北斗「記者に張られない道は確保しといて損はないからね」

翔太「ふーん」

冬馬「…」

翔太「冬馬君!なにいじけてるの?」

冬馬「いじけてなんかねぇよ!イメージトレーニングだ!」

北斗「素直じゃないなぁ冬馬は」

翔太「それが冬馬君らしい……ってなにあれ?」

北斗「捨て猫じゃないかな」

冬馬「捨て猫?」

                  ____

                     ヘ'":.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.`. . 、
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  "'' - _                          . | 拾 | ... |!
                               | っ. |.  |!
                              | て. | .. .|!
                             `'' - .,j  |!

北斗「こういうのは関わらないに限るってね」

冬馬「…」

翔太「冬馬君?」

冬馬「か…可愛い…」

???「くっ?」ブルブル

冬馬「北斗!翔太!俺はこいつを飼うことにする!!」

北斗「なに言ってるんだ冬馬!俺達のマンションはペット不可だろ!?」

翔太「そうだよ!もしクロちゃんにばれたら大変なことになるよ!」

冬馬「知るかそんなもん!こんな可愛い生き物放置しておけるか!!」

翔太「あーもー知らないよ?」

北斗「俺達も共犯…なのかな?」

冬馬「どうだ、俺と一緒に来るか!?」

???「くっ!くっ!」ピョイピョイ

冬馬「そうかそうか!そういやお前名前はあるのか?」ヒョイッ

???「くっくー!」コクコク

冬馬「あるのか…で、なんて名前だ?」

???「くっ!」フンス

冬馬「なに言ってるのかさっぱりだ…なんか名前付けてやらないとなぁ…」

翔太「一匹だったからソロ?ピン?ぼっち?」

北斗「拾った場所で言えば日本?東京?板橋区?」

冬馬「ピン…板橋……決めたぞ!お前は今日からピピン板橋だ!!」

ピピン板橋「くっ…」ガックリ

翔太「すっごい残念そうな顔してる…」

冬馬「そんなことないよな!ピピン(ry?」

ピピン「く…くー」コクン

冬馬「ほらな!」

北斗「とりあえず洗ったほうがいいと思うんだが…」

冬馬「そうだな、なんとかして俺の部屋まで運ばないと」

北斗「衣装ケースに入れて運べばいいじゃないか」

翔太「じゃ、僕先に行って冬馬君の衣装ケース持ってくるよ!」

冬馬「頼んだぞ、翔太!」

北斗「俺は社長にマンション変えられないか聞いてくるかな?」

冬馬「すまねぇ北斗、恩に着るぜ!」

─冬馬のマンション裏─

翔太「冬馬君!こっちこっち!」

冬馬「サンキュー翔太!ピピン、俺の部屋に着くまでここに入っててくれないか?」

ピピン「くっ」イヤイヤ

冬馬「頼むぜ…他の方法は思いつかないんだ」

ピピン「くぅ…」オソルオソル

冬馬「よし、これで大丈夫だな」

翔太「そういえば北斗君は?」

冬馬「おっさんにマンション変えられないか相談に行ったぜ」

翔太「そんな大事なこと僕抜きで!?僕もクロちゃんのとこ行ってくる!」

冬馬「いや…お前のためじゃないんだけどな…」

─冬馬のマンション─

冬馬「うーっす」

警備員「」チラッ

衣装ケース「…」

がらがらがらがら

冬馬「部屋までもう少しの辛抱だからな」

衣装ケース「くっ!」モゾモゾ

─冬馬の部屋─

冬馬「もう出ていいぞ!」

ピピン「くっくーー!!」ピヨーイ

ケースから飛び出すなり部屋中を走り回るピピン

ピピン「くっ!?」トテトテトテトテ

冬馬「あーっと、まずはシャワーを浴びてくれ!部屋が汚れちまう」

ピピン「くっ」コクン

冬馬「しかしお前は服なんか着てるところを見ると、結構な金持ちに飼われてたのか?」ヒョイッ

ピピン「く…」ショボーン

冬馬「すまん!嫌なことを思い出させるつもりはなかったんだ…」

─風呂場─

冬馬「それにしてもお前の服は人間そっくりにできてるなぁ」

ピピン「しゃーーーっ!!」

冬馬「どうしたんだよ!脱がさなきゃ洗えないだろ!?」

しかし冬馬が服を脱がそうとするたび

ピピン「しゃーーーっ!!」

冬馬「くそっ!大人しくしやがれ!」

ピピン「くっ!?くっ!?くっ!?」ジタバタジタバタ

ピピンは抵抗したがあっという間に脱がされてしまった

ピピン「くっ///」カァァァァァ

シャワーーーーーー

冬馬「なに恥ずかしがってんだ!ほら、じっとしてろ」ワシャワシャ

ピピン「くっくっ」

冬馬「どうだ?どっか痒いとことかないか?」ワッシャワッシャ

ピピン「くっ」コクン

冬馬「これでお終いっと!」ザッブーーン

ピピン「くー」ブルブルブルブル

冬馬「はっはっは!きれいになったじゃないか!」

─居間─

冬馬「もうこの汚れた服は洗っても使えねぇだろうなぁ…どうするか…」

ピピン「くっ!」スチャ

冬馬「お前…その服どっから出したんだよ!?」

ピピン「くっくー」モゾモゾモゾモゾ

冬馬「代わりの服があったとはな…」

ピピン「くっ!」フンス

冬馬「一人で服が着られるのか!お前賢いなぁ!」ナデナデ

ピピン「くっ///くっ///」

冬馬「次は…食事か」

ピピン「くぅ」ギュルルルルル

冬馬「待ってろ、確かこの辺に…お、あったあった!」ガサゴソ

ピピン「」ジーッ

冬馬「ほらっ!キャットフードだ!」

ピピン「くっ…」ガックリ

冬馬「どうした?食べないのか?」

ピピン「くっ?」カジッ

冬馬「美味いか?」

ピピン「くっ!くっ!」ペッペッペッ

冬馬「結構高いやつのはずなんだけどなぁ…」

ピピン「くっくー!」

冬馬「うーん…直接ホームセンターにでも連れてって好きなの選ばせるか…」

ピピン「くっ」トテテテテテ

冬馬「どこ行く気だ?」

ピピン「くっ!くっ!」ガチャッ

冬馬「おいおい!勝手に俺の冷蔵庫を漁るな!」

ピピン「くー!」ガサゴソ

冬馬「お前…それが食いたいのか?」

ピピン「くっ」コクン

冬馬「俺の夕飯のサンドイッチだが…まぁいいか、やるよ」

ピピン「くっくー♪」モムモムモムモム

冬馬「まったくお前は…」ナデナデ

ピピン「くっ♪」モムモム

冬馬「しっかし…お前どっかで会ったことないか?」プニプニ

ピピン「くっ?」ゴックン

冬馬「なーんかどっかで見た顔な気がするんだが…」プニプニ

ピピン「くぅ…」オドオド

冬馬「どうでもいいか、そんなことは!」

ピピン「くっくっ!」ピョイピョイ

ピンポーン

冬馬「北斗たちが来たのか?念のため隠れてろ」

ピピン「くっ!」トテテテテテテ

冬馬「天ヶ崎?」

北斗「竜馬」

ガチャッ

冬馬「で、どうだった?引っ越せそうか?」

北斗「その必要はないみたいだよ。社長がここをペットOKにするんだって」

冬馬「は?」

翔太「元々クロちゃんのマンションだからね!今まではなんとなくペット禁止にしてただけだって言ってたよ!」

冬馬「マジか……で、その檻はなんだ?」

北斗「さっきの生き物を入れとくものだけど…まさか部屋に放し飼いにするつもりかい?」

冬馬「悪いかよ!」

翔太「部屋中引っかき傷だらけにされちゃうよ?」

北斗「猫なんかは爪とぎする生き物だからね」

冬馬「ピピンは猫じゃねぇ!!」

北斗「いつも一緒にいられるわけじゃないだろう?その間に部屋を荒らされたりしたらどうする気だい?」

冬馬「ピピンはそんなことしねぇ!」

翔太「……その自信はどっからくるの」

北斗「冬馬の好きにすればいいさ。一応檻は置いとくから使いたくなったら使ってくれ」

冬馬「わかった…」

翔太「そういえばあの子のご飯はどうしたの?」

冬馬「あの子じゃねぇ。ピピン板橋だ」

翔太「そうそうピピン(ryちゃんにあげるエサとか大丈夫?」

北斗「たしか前回の打ち上げのときのビンゴの景品がキャットフードじゃなかったか?」

冬馬「キャットフードを嫌がったんだ…」

翔太「え!?じゃあどうするの?」

冬馬「サンドイッチを食わせた」

北斗「俺達と同じものを食べるのか…なかなか贅沢な…」

冬馬「そういやピピンに食わせちまったから俺の夕飯がないんだよな…コンビニまで買いに行くか!」

北斗「どうせ暇だしお供するよ」

翔太「ピピンちゃんは連れてくの?」

冬馬「おう!もうこのマンションはペットOKなんだからな!」

北斗「いや、ペット可は来月からだ」

冬馬「なに!?」

翔太「さすがに今日契約変更は無理だよ」

冬馬「だよな…普通に考えりゃ…」

北斗「今ピピンちゃんはなにをしてるんだい?」キョロキョロ

冬馬「あぁ、誰が来たかわからないから隠れてろって言ったんだが…」

翔太「姿見えないよ?」テクテク

冬馬「おっかしーな…どこに隠れたんだ?」

翔太「しーっ!冬馬君!」

冬馬「いたのか?」

ピピン「く…」ZZZzzz

翔太「ダンボール箱に隠れながら寝ちゃったのかな?」

北斗「拾ってもらえて安心して、今までの疲れが出んだろうね」

冬馬「そっとしといてやるか」

翔太「だね!」

北斗「じゃ、俺らはどこかに夕飯食いに行きますか」

冬馬「そうするか!」

─次の日の昼・冬馬の部屋─

ピピン「くっ…」パチクリ

冬馬「起きたかピピン!」

ピピン「くっ!?くっ!?」キョロキョロ

冬馬「安心しろ、ここはもう路上じゃない」

ピピン「くーっ!!」スリスリ

冬馬「どうしたどうした?今まで一人で寂しかったのか?」

ピピン「…………くっ」グズッ

冬馬「大丈夫だ!これからは俺が一緒だ!」

ピピン「くっくー!」ペシペシペシペシペシペシ

冬馬「おいこら落ち着け!頭を叩くな!」

ピピン「くっ!lくっ!くーっ!!」ペシペシペシペシペシペシペシ

…………………

冬馬「落ち着いたか?」

ピピン「くっ!」

冬馬「そろそろ昼飯を買って来ようと思うんだがお前も来るか?」

ピピン「くっくー!」ピヨーイ

冬馬「しかしどうやってお前を外に連れ出すかが問題だな…」

ピピン「くっ?」

─冬馬のマンション・入り口─

冬馬?「…」テクテク

警備員「!?!?」

─マンションの外─

ピピン「くぅっ!」ハーハー

冬馬「ピピン大丈夫か!?」

ピピン「くぅ…」グッタリ

冬馬「さすがにコートの中はきつかったか…」

冬馬は大きめのコートの内側にピピンを隠して警備員の目を誤魔化した

ピピン「くっ」クイクイ

冬馬「そうだな、じゃ行くと………しまったぁ!!」

ピピン「くっ?」

冬馬「首輪を忘れてた!!まぁピピンは逃げないだろうが……」

ピピン「くっくー!」フンス

冬馬「しかし首輪がないと野良と勘違いされそうだな…」

ピピン「くー」クイクイ

冬馬「わかったわかった。とりあえず飯だな」

ピピン「くっ」トテトテトテ

冬馬「車に気をつけろよ!お前ちっちゃいんだから」テクテク

ピピン「くっ!?くっ!?」ペシペシペシペシペシペシ

冬馬「痛い痛いなんなんだ一体!」

ピピン「くーーっ!」ペシペシペシペシペシペシ

冬馬「ちっちゃいか?ちっちゃいってのが気にいらないのか?」

ピピン「くっ!」コクン

冬馬「意外とプライド高いんだな…」

─マンション付近のローソン─

店員「いらっしゃいませー」

冬馬「お前はカゴに入ってろ。欲しいものがあったら取ってやる」

ピピン「くっ」ヒョイッ

冬馬「さーてなににするかな…」

???「それは…ぷちどるじゃないかい?」

冬馬「なんだあんた…って765の社長!?」

高木順一朗「半分正解ってとこかな、今は765プロの会長をやってるんだ」

冬馬「会長!?まぁいい、あんたこいつを知ってるのか?」

高木順一朗「その子は知らないが似たような子なら見たことがある」

ピピン「?」

高木順一朗「その子は765プロのアイドルにそっくりでね!みんなからは『ぷち・あいどる』略してぷちどると呼ばれていたんだ」

冬馬「思い出したお前の顔!765の如月ってやつに似てるんだ!!」

ピピン「くっ!?」

高木順一朗「ということは君の名前は『ちはー』君かな?それとも『ちひぇー』君?もしかして『ちひゃー』君かい?」

ピピン「くっ!くっ!」ユサユサ

冬馬「お前の名前…本当は『ちぃひぇー』なのか!?」

ピピン「くー!」ペチン

冬馬「『ちひゃー』…なのか?」

ピピン「くっくー♪」ピョイピョイ

高木順一朗「おっとそろそろ飛行機の時間だ。それじゃ私はこのへんで」

店員「ありがとうございましたー」

冬馬「…」

ピピン「くっ?」クイクイ

冬馬「なぁピピン。お前、『ピピン板橋』と『ちひゃー』どっちの名前で呼ばれたいんだ?」

ピピン「くぅ…」

冬馬「そうか…だが俺にはわかるぜ、名前の大切さ。やっぱり望まない名前で呼ばれるのは嫌だよな…」

ピピン「くっ」コクン

冬馬「そんな顔すんなって!本名がわかった記念だ!部屋に戻ったら一杯やろうぜ、ちひゃー!」

ちひゃー「くっくーっ♪」ピヨーイ

冬馬「ほら、何が欲しいんだ?」

ちひゃー「くっ♪」ペシペシ

冬馬「牛乳?変わった奴だな」

ちひゃー「くくー!」

─とある公園─

冬馬「外で食う飯も悪くないもんだな」

ちひゃー「くっ♪」ゴキュゴキュゴキュ

冬馬「うまいか?」

ちひゃー「くっくー!」プハーッ

冬馬「ふっ…口の周り白くなってんぞ」フキフキ

ちひゃー「くくぅ///」

冬馬「食い終わったら少しこいつで遊ぶか!」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「いくぞちひゃー!とってこーい!」ポーン

ちひゃー「くっ!」トテテテテテテテテ

ゴムボールを一生懸命追いかけるピピ……ちひゃー

ちひゃー「くっくー!」トテテテテテテテ

冬馬「投げ返すんだよ!できるだろ?」

ちひゃー「くっ!」ポイッ

ボール「」ボテボテボテボテ

冬馬「上手いぞちひゃー!そーらもう一回だ!」ポーン

ちひゃー「くっ!くっ!」トテテテテテテテテ

短い足で一生懸命ボールを追いかける

ちひゃー「くくーっ!」ポイッ

ボール「」ボテボテボテボテ

冬馬「そうだそうだ!次はキャッチしてみろ!できるか?」ポーン

ちひゃー「くっ!?」

ちひゃーに向かって飛んでくるボール

それをちひゃーは

ちひゃー「がぷっ」キャッチ

冬馬「すごいなちひゃー!取れるのか!」パチパチパチパチ

ちひゃー「くっ!」フンス

ドヤ顔のちひゃー

ちひゃー「くくーっ!」ポイッ

ボール「」ボテボテボテボテ

冬馬「次はさっきより難しいの投げるぞ!いいか?」

ちひゃー「くっ!」

冬馬「それっ!」ポポポポーン

ちひゃー「くくっ!?」トテトテトテ

ボールはちひゃーの前で大きくバウンドする

そして頭の上を抜けようとするボールを取ろうと後退したちひゃーは…

ちひゃー「!?」スッテン

後ろに転んでしまった

冬馬「大丈夫か!?」ダダッ

ちひゃー「く~~;;」グッスン

冬馬「すまん!そんなつもりじゃなかったんだ!」ナデナデ

ちひゃー「くぅ…」グッスン

冬馬「痛くないか?ちひゃー?」ナデナデ

ちひゃー「くっ」トテトテトテトテ

冬馬「どうした?」

ちひゃー「くくっ」ヒョイッ

冬馬「まだ続けたいのか?」

ちひゃー「くっ!」ポイッ

冬馬「わかったよ!でもちひゃーも気をつけろよな?」

こうして一人と一匹はしばらくの間ボール投げを楽しんだ

─その少し後・ホームセンター─

冬馬「お前俺の頭の上が好きなのか?」

ちひゃー「くっ!」ペシペシペシ

冬馬「でも運動させないとペットが太るってどっかのニュースで見た気が…」

ちひゃー「くっ♪くーぃ♪」ピヨーイ

冬馬「おいこら!どこ行くんだ!?」

ちひゃー「くっ♪くっ♪くっ♪」ピョイピョイ

冬馬「ペットコーナー?お前犬が好きなのか?」

ちひゃー「くっ♪」キラキラキラ

冬馬「変わった奴だな…」

ちひゃー「くくっ♪」ペタッ

数分後

ちひゃー「くっくー!」バイバイ

冬馬「満足したか?」

ちひゃー「くっ♪」トテトテトテ

冬馬「じゃ、首輪売り場を探すか!」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「ってなんだよ!こんな近くにあるのか…ちひゃー、どれがいいんだ?」

ちひゃー「くくっ??」キョトン

冬馬「お前の首輪だ!好きなの選んでいいぞ!ほら、これなんかリードが目立ちにくそうだぜ!」

首輪をちひゃーの首に回そうとした瞬間

ちひゃー「しゃーーーーーっ!!!」

冬馬「!?」

ちひゃーに威嚇された

冬馬「おいおいどうしたんだ?首輪つけないと野良と勘違いされるぞ?」

ちひゃー「しゃーーーーーーっ!!!」

冬馬「さすがに首輪なしって訳にはいかないんだよ…外出るときだけでいいからさ!」

ちひゃー「しゃーーーーーーっ!!!」

冬馬「帰りにまた牛乳買ってやるからな?どうだ?」

ちひゃー「くっ?くー…………くっ!」

冬馬「そうかそうか。じゃ、好きなの買ってさっさと帰ろうぜ!」

ちひゃー「くくっ!」コレ

冬馬「その青いやつか!お前によく似合ってるぜ」

─レジ─

店員「一点で4000円になります」

冬馬「結構な値段だな…」

店員「こちらサービスで名前を入れることができますが、いかがなさいますか?」

冬馬「じゃあお願いします。名前はちひゃーで」

店員「かしこまりました。出来上がり次第アナウンスでお呼びしますので店内にてお待ちください」

冬馬「っとなると待つ場所はあそこか…」

─ペットコーナー─

ちひゃー「くっ♪くっ♪」トテテテテ

冬馬「お前ほんとに犬が好きなんだな」

ちひゃー「くっくー♪」

数分後

アナウンス「番号72番でお待ちのお客様。商品が完成いましたので、サ-ビスカウンターまでお越しください」

冬馬「呼ばれたか…行くぞちひゃー!」

ちひゃー「くっ!」ピヨーイ

─帰り道─

冬馬「今日は楽しかったな、ちひゃー」

ちひゃー「くっ!」トテトテトテトテ

冬馬「また公園に行こうな。次はサッカーでもしようぜ!」

ちひゃー「く?」

冬馬「あ…ボール蹴りでもしようぜ!」

ちひゃー「くくっ♪」ピヨーイ

冬馬「こら!少しは自分の足で歩け!太るぞ!」

ちひゃー「くっ!?」ピョン

冬馬「それじゃ家まで競争だ!俺に勝てるか?」

ちひゃー「くっくー!!」トテテテテテテテテテテテテ

ちひゃーの首には首輪がつけられていたが…

それはちひゃーを縛るためのものではなく、むしろこれからの二人を現しているようだった

─冬馬のマンション前─

翔太「あれ?冬馬君じゃない!どこ行ってたの?」

冬馬「ちょっとこいつの首輪を買いにな」

北斗「よく似合ってるよ、ピピンちゃん」ナデナデ

ちひゃー「がぷっ!!」

北斗「痛いよ…ピピンちゃん…」

冬馬「そいつの名前はピピンじゃねぇ、ちひゃーだ!」

翔太「名前変えたの?」

冬馬「かくかくしかじかあってな、これがこいつの本名らしい」

北斗「そろそろ離してもらえないかな?ちひゃーちゃん…」

ちひゃー「くっ!」

北斗「あぁ…歯型が…」

翔太「そういえば冬馬君たちご飯もう食べた?」

冬馬「今日はちひゃーの歓迎会をする予定だからな。寿司の出前を頼もうかと思ってる」

北斗「俺達も参加して?」

冬馬「いいけど寿司代は払えよ」

翔太「トップアイドルなのにケチだね…」

冬馬「それはお前らも同じだろ!?」

ちひゃー「くっ」ズビビッ

冬馬「おっと寒かったか。続きは部屋だ」

北斗「またピピンちゃんを隠しながら部屋まで行くのか」

ちひゃー「がぷっ!!」

冬馬「こいつの名前はちひゃーだって言っただろ…」

─冬馬の部屋─

冬馬「どうやらバレなかったみたいだな…」

翔太「そんなことより早くお寿司頼もうよ!」

冬馬「なんでそんな乗り気なんだよ?」

翔太「宅配寿司って初めてなんだよね!」

北斗「それより早くちひゃーちゃんを出してあげたほうがいいんじゃないかな?」

冬馬のコート「んーー!んーー!」モゾモゾ

冬馬「おっとすまんすまん!大丈夫かちひゃー?」

ちひゃー「くぅ…」ハーッハーッ

北斗「来月になれば楽になるんだけどね…」

冬馬「しばらくは部屋ん中で生活だな」

─in こたつ─

冬馬「それじゃ適当に4人前頼むぜ?」

翔太「ちひゃーちゃんも1人前食べるの!?」

ちひゃー「くっ!」フンス

冬馬「ちひゃーが食えなかったら俺らが食えばいいだろ」

北斗「多くて困ることはないだろうからね」

PPPPPPPP

冬馬「すいません。出前お願いしたいんですけど…」

翔太「僕もペット欲しいなぁ!」ツンツン

ちひゃー「くっ?」

北斗「俺は自分のことで手一杯だけどね」

翔太「ペット飼ってると女の子との会話のネタになるよ?」

北斗「来月になったら俺もなにか飼おうかな?」

─夕飯到着─

冬馬「それじゃちひゃーの…なに祝いだ?」

翔太「拾ってきた祝い?」

北斗「こういう場合は『二人の出会いに』とか言うんじゃない?」

冬馬「とりあえずちひゃーに乾杯!」コツン

翔太「かんぱーい!」コツン

北斗「乾杯っと…強引だなぁ」コツン

ちひゃー「くー!」コツン

冬馬「ちひゃー!なにか食いたい物あるか?」

ちひゃー「くっ?くっくーっ!!」コレコレ

北斗「最初は海老か?」

冬馬「意外と庶民的だな…ほら、口開けろ」

ちひゃー「くっ」アーン

冬馬「どうだ?うまいだろ?」

ちひゃー「くっくーっ♪」モムモムモム

翔太「冬馬君!僕にもやらせて!」

冬馬「おい気をつけてやれよ!そっとだからな!」

翔太「大丈夫!ちひゃーちゃんは次なにが食べたい?」

ちひゃー「くー!」コレ

冬馬「大トロか…急に贅沢な物を」

翔太「じゃあいくよ!あーーん!」

ちひゃー「くっ」アーン

翔太「どう?」

ちひゃー「くっくっくー♪」モムモムモム

北斗「幸せそうだな」

冬馬「そりゃあんだけ美味いもん食えばな!」

北斗「ちひゃーちゃんじゃなくて冬馬の話さ」

冬馬「俺が…か…?」

北斗「この二日間より嬉しそうな顔を俺は今まで知らなかったね」

冬馬「…」

ちひゃー「くっ♪くっ♪」クイクイ

翔太「ほら!ちひゃーちゃんが次のが欲しいって!」

冬馬「お、おう!どれがいいんだ?」

ちひゃー「くー!」コレトコレ

北斗「まったく……」

─数分後─

冬馬「うーー食ったぁーー」

翔太「けっこう量あったね」

北斗「桶は玄関前に置いとけばいいのかな?」

冬馬「あ、俺がやっとくからいいよ」

ちひゃー「くーっ?」クンクン

翔太「どうしたの?ちひゃーちゃん」

ちひゃー「くくっ?」ツンツン

北斗「どうやら山葵に興味があるのかな?」

ちひゃー「く?くくっ?」ペタペタ

冬馬「食べられるけどやめといた方がいいぜ!そいつは…」

冬馬が言い終わる前に

ちひゃー「♪」パクン

冬馬「おい!それはそのまま食うもんじゃねぇ!」

ちひゃー「くっ?」モムモム

翔太「あーこれは…」

北斗「くるな、間違いなく…」

ちひゃー「くーーーーーーーーっ!?!?!?!?」ピヨヨーーーーーーン

冬馬「落ち着け、吐き出せちひゃー!」

ちひゃー「くっ!?くっ!?くっ!?くっ!?くっ!?」バタバタバタバタ

翔太「落ち着いて鼻をつまんで!」

ちひゃー「くっ!?くーーーっ!?」バタバタバタバタ

北斗「誰もが一度は通る道だよねぇ」

冬馬「懐かしんでないで助けろ!」

…………………

ちひゃー「く…ぅ…」グッテリ

冬馬「ようやく…おさまった…」ハァハァ

翔太「一時は…どうなるかと…思ったよ…」ハァハァ

北斗「まさかこんなに…暴れまわるとは…」ハァハァ

翔太「部屋中めちゃくちゃだね…」ハァハァ

北斗「片づけが…」ハァハァ

冬馬「いいよ…後は俺がやる…お前らはもう部屋に戻って休め…」ハァハァ

北斗「じゃあお言葉に甘えて…」ズルズル

翔太「また明日事務所でね…」ズルズル

冬馬「おう…」

ガチャッ

冬馬「さて、と…とりあえず洗い物は済ますか…」

ちひゃー「?」

冬馬「桶も洗ったほうがいいのか?」

ジャーーーーーー

冬馬「洗わないよりはいいだろ」ゴシゴシゴシゴシ

ちひゃー「くー」クイクイ

冬馬「皿持って来てくれたのか!?ありがとうな!」

ちひゃー「くっ!」フンス

冬馬「それじゃ残りのも持ってきてくれるか?」

ちひゃー「くっくー!」トテトテトテ

冬馬「まったく…可愛いやつだ」ゴシゴシゴシ

……………………

ちひゃー「くくっ」ヨイショ

冬馬「これで全部だな!それじゃ終わったら風呂……のまえに居間の掃除か…」

ちひゃー「くー」

冬馬「やっぱ掃除は明日だ!ちひゃー、風呂にするぞ!」

ちひゃー「くっ?くくっ!」トテテテテテ

冬馬「なんで逃げるんだよ!お前風呂嫌いなのか?」ヒョイッ

ちひゃー「くっ///」ポッ

冬馬「なぜそこで顔を赤くする…」

─風呂場─

ちひゃー「くぅ…」コソコソ

結局服を脱がされ風呂場に連れてこられるちひゃー

冬馬「ほら!体洗ってやるからこっち来い!」

ちひゃー「くーっ」ゴシゴシ

冬馬「自分で洗えるのか…」

ちひゃー「くっ!」フンス

冬馬「いいんだよ、遠慮すんなって」ヒョイッ

ちひゃー「くっ!?」ジタバタ

冬馬「ほら見ろ!背中とかよく洗えてないぞ?」ワッシャワッシャ

ちひゃー「くっ///」シュン

冬馬「じっとしてればすぐ終わるからな!」ワッシャワッシャ

ちひゃー「くぅ」ジーーー

シャワーーーーーー

冬馬「よし!じゃあ風呂に入るか!」ヒョイッ

ちひゃー「くくぅ!」

冬馬「ふーーっ…生き返るなぁ…」ザブーーン

ちひゃー「く…く…くぅぅぅ♪」ポチャン

冬馬「熱くないか?」

ちひゃー「くっ!」

冬馬「そうか。あーー!明日っから仕事かぁ…」ブクブクブク

ちひゃー「くっくっ」ペシペシ

冬馬「励ましてんのか?ありがとな」ナデナデ

ちひゃー「くっ!」

冬馬「はーー……」

ちひゃー「く…」パチャパチャ

冬馬「…」

ちひゃー「…」ポチャポチャ

冬馬「くってねって~あそべ♪」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「くってねって~あそんじゃえ♪」

ちひゃー「くくぅ♪」

冬馬「くってねって~あそぼ♪」

ちひゃー「くっ♪くくーくっ♪くっくっくー♪」

冬馬「お前…歌が好きなのか?」

ちひゃー「くっ♪」

冬馬「なにか歌える曲とかあるのか?」

ちひゃー「くぅ///」テレテレ

冬馬「恥ずかしがらずに歌ってくれよ!ほらっ、マイクだ!」

そう言って冬馬は…

どこからともなくマイクを取り出した

恥ずかしながらもマイクを受け取るちひゃー

ちひゃー「くっ」コホン

冬馬「いいぞ!ちひゃー!」

ちひゃー「くくくくぅぅぅぅ♪」

冬馬「?」

ちひゃー「くくくくぅぅぅぅ♪」

冬馬「え?」

ちひゃー「くぅぅぅくくくぅぅぅぅんにゃ♪」

冬馬「演歌?」

ちひゃー「くっ!」フンス

冬馬「お、おう…うまかったぜ…」パチ パチ パチ

ちひゃー「くくぅ♪」

冬馬「そのマイクお前にやるよ。歌の練習にでも使ってくれ」

ちひゃー「くっくー♪」バッチャバッチャ

冬馬「おいおい、マイクはお湯がかからないようにしろよ?」

ちひゃー「くっ!」ピョン

冬馬「もう出るのか?」

ちひゃー「くーっ♪」ギュッ

冬馬「そんなにマイク気に入ってもらえて嬉しいぜ!」

ちひゃー「くっ!」トテトテ

ガチャッ

冬馬「さて、俺も出るかな?」

だぜ!

─居間─

冬馬「おーい!ちひゃー!どこ行った?」

ちひゃー「くっくー♪」トテテテテテ

冬馬「まずは体を拭こうぜ…風邪ひいちまうぞ?」フキフキ

ちひゃー「くっ…」ションボリ

冬馬「で、一体なにを取ってきたんだ?」フキフキ

ちひゃー「くっ!くっ!」コレ

冬馬「マジック?………マイクに名前を書いて欲しいって事か?」フキフキ

ちひゃー「くーっ♪」コクコクコクコク

冬馬「書いといてやるから服を着とけよな」

ちひゃー「くっ」ガサゴソガサゴソ

昨日に引き続き、ちひゃーはどこからともなく服を取り出し着替え始めた

冬馬「うーーん…こんな感じでいいか?」

ちひゃー「くっくー♪」ピョイピョイ

冬馬「でも基本的に夜は歌うなよ。隣に住んでる人の迷惑になるからな!」

ちひゃー「くっ!」

冬馬「お前は物分りもいいなぁ」ムニムニ

ちひゃー「くくぅ」ゴロン

冬馬「さてと、そろそろお前の寝床を用意しないとな」

ちひゃー「くっ?」トテトテトテ

ちひゃーは昨日使ったダンボールに歩いていく

ちひゃー「くっ」ポスッ

冬馬「お前、それでいいのか?」

ちひゃー「くー!」

冬馬「まぁお前がそれでいいっていうなら構わないが…」

ちひゃー「くくっ」モゾモゾ

冬馬「居間は暖房消しちまうからな、箱ごと俺の寝室に置いておくか」ヨイショ

ちひゃー「くっ?」オロオロ

冬馬「安心しろ。俺のベッドの横に移動するだけだ」

ちひゃー「くっ?くっ?」アタフタ

─冬馬の寝室─

冬馬「あっちは寒いからな、暖かいほうがいいだろ?」ドサッ

ちひゃー「くぅ」キョロキョロ

冬馬「明日は早いから早く寝るぞ!おやすみちひゃー」ゴソゴソ

ちひゃー「くっくー」

冬馬「…」

……………………

ちひゃー「…」

冬馬「…」ZZzzz

ちひゃー「…」キョロキョロ

冬馬「…」ZZzzz

ちひゃー「くっ」トテトテトテ

冬馬「…」ZZzzz

ちひゃー「くくぅ」ピヨーイ

冬馬「…」ZZzzz

ちひゃー「くっ」モゾモゾモゾ

冬馬「…」ZZzzz

ちひゃー「くっくー♪」ゴロン

─朝─

じりりりりりりりりり

冬馬「ん…朝か…」ポチッ

布団「」モソモソ

冬馬「だりぃ……ん!?」バサッ

ちひゃー「く…」ZZzzz

違和感を感じて布団をめくると、マイクを抱きしめたちひゃーが眠っている

冬馬「お前…最初っからここで寝たけりゃそういえばいいのによ」ツンツン

ちひゃー「く…くぅ…」ZZzzz

冬馬「さて、今日の準備だ」

ちひゃー「く…」ZZzzz

─30分後・寝室─

ちひゃー「くっ!?くーーっ!?」ドタバタドタバタ

冬馬「どうしたちひゃー?」ガチャッ

ちひゃー「くくーーっ!!」トテトテトテ

冬馬「なんだなんだどうしたっていうんだ?」

ちひゃー「くっ!くくーっ!;;」グズッ

冬馬「俺がいなくなったとでも思ったか?」ナデナデ

ちひゃー「くぅ::」グズッ

冬馬「安心しろって…ほら、涙拭け」フキフキ

ちひゃー「くっ…」

冬馬「着替えたら朝飯用意してあるから食っとけよ」

ちひゃー「くっ」

冬馬「それと昼飯は冷蔵庫に入ってるからな」

ちひゃー「くっ?」キョトン

冬馬「できるだけ早く帰ってくるからいい子で留守番頼むぜ!」

ちひゃー「くーっ!」ピトッ

ちひゃーが足に引っ付いてくる

冬馬「今日からまた仕事なんだよ。だからお前は連れて行けないんだ」ヒョイッ

ちひゃー「くっ!!くーーっ!!」イヤイヤイヤイヤ

冬馬「なぁ…俺はお前を檻なんかに入れたくないんだ。わかるだろ?」

ちひゃー「くぅ」ションボリ

冬馬「帰りに牛乳買ってきてやるからさ」

ちひゃー「く…」ショボーン

冬馬「おっともうこんな時間か…それじゃ行って来るぜ!」

バタンッ

─夕方・961プロ─

黒井「それでオーディションの結果はどうだったのだ、冬馬よ?」

冬馬「もちろんぶっちぎりで一位だぜ!」

黒井「当たり前だ!あの程度のオーディションに落ちるようなやつは、961プロにはいらんからな」

冬馬「そういや北斗と翔太は?」

黒井「あいつらはお前と違ってまだまだ基礎が足らん。IAまではみっちりトレーニングだ!」

冬馬「そうか…あの地獄の特訓か…」

黒井「そして冬馬、お前はペットを飼いたいらしいな?」

冬馬「あぁ、そうだけど」

黒井「これをくれてやる。使うといい」

冬馬「ブラシ?」

黒井「猫はいいぞ冬馬よ!まさにセレブの嗜みだ!」

冬馬「お、おう」

黒井「そして猫で一番重要なのは毛並みだ!わかっているな?」

冬馬「そうなのか…」

黒井「買ったらおもいっきりブラッシングをしてやれ!ペットの世話もできてこそ一流のアイドルだ!」

冬馬「アイドル…関係なくね?」

黒井「それと後で鍋に入れた画像を送れ!無論土鍋だぞ!」

冬馬「おっさん猫好きなのか?」

黒井「……そ、そんなことはない!自社のアイドルがなにを飼っているのか把握することも、社長の仕事のうちだ!」

冬馬「まぁなんでもいいけどよ。それじゃこのブラシは貰ってくぜ!」

黒井「セレブな私の施しだ!ありがたく使え!」

だぜ!

─夜・冬馬の部屋─

ガチャッ

冬馬「ちひゃー!今帰ったぞ!」

ちひゃー「くー!」ポンポン

冬馬「いい子で留守番してたか?お、ボール遊びしてたのか!」ナデナデ

ちひゃー「くっくー!」

冬馬「そうかそうか…ってこの部屋は何だ!?」

ちひゃー「くっ!くっ!」ドヤァ

冬馬の部屋はきれいに整理整頓…というわけではなかったが、ある程度の片付けがされていた

冬馬「まさかお前が掃除してくれたのか?」

ちひゃー「くっ!」フンス

棚の本は上下が逆だったり種類がバラバラだったりする

CDも元あった場所とは違うところに並べられている

しかし

冬馬「ありがとうな、ちひゃー。すっげー助かったぜ!」ナデナデ

ちひゃー「くくぅ///」テレテレ

冬馬「そうだ!ちひゃー、ちょっとこっち来い」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「ブラッシングしてやるよ」

ちひゃー「くっくー♪」ピヨーイ

冬馬「やりかたとかよくわかんねぇけど…こんな感じでいいのか?」

ちひゃー「くぅぅぅ~♪」

冬馬「お、気持ちいいのか?」

ちひゃー「くにゃぁ~♪」

冬馬「反応まで可愛いやつだ…」

─それから一ヵ月後─

冬馬のマンションはペット解禁となり

ちひゃーはというと

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   ム;;-─ ¨亡7 ̄ ̄て_ノ¨ ─--z__ノ

─冬馬の部屋─

北斗「なんていうか…ちひゃーちゃんってそんな頭だったっけ?」

翔太「うわぁー!ネコ耳だ!」

冬馬「ある日目覚めたらこうなってたんだ…」

ちひゃー「くっ!」もっさぁ

北斗「そんなことあるのか!?」

冬馬「多分このブラシのせいだ…」

翔太「なにこれ?普通のブラシじゃない?」

北斗「裏になにか書いてあるな…made in 961?」

翔太「うちの事務所って動物用品も作ってたんだ!?」

冬馬「おっさんが俺に物をくれるなんて珍しいとおもったら…」

北斗「使うとネコミミになるブラシか…」

翔太「可愛くっていいじゃん!」

北斗「そうだぞ冬馬、なにが不満なんだい?」

冬馬「ブラッシングだ…」

翔太「ブラッシングなら前からやってたんでしょ?」

北斗「あ…そういうことか」

翔太「どういうこと?」

冬馬「このちひゃーは確かに可愛い!!だがな!!ブラッシングで!!毎日二時間もってかれるんだ!!!」

北斗「で、休みの日ぐらいは誰かに代わって欲しくて俺達を呼んだのか」

冬馬「頼むぜ…まじで…」

翔太「ブラッシングしていいの?やった!おいで、ちひゃーちゃん!」

ちひゃー「くっ?」キョトン

翔太「どうしたの?ブラッシングしてあげるよ?」

ちひゃー「くっくっ」ピトッ

冬馬「ほらっ、翔太がブラッシングしてくれるってさ!良かったな!」

ちひゃー「くー!」イヤイヤ

冬馬「どうしたんだ?お前の好きなブラッシングだぞ?」

ちひゃー「くっ」ピトッ

北斗「どうやら冬馬以外からはブラッシングされたくないみたいだね」

冬馬「そうなのか?」

ちひゃー「くぅ…」

北斗「膝の上からも降りてこないとは、たいした懐かれようだな」

翔太「ちぇっ…いいなぁ」

だぜ!

冬馬「ちひゃーはいいぞ!食事の準備や片付けも手伝ってくれるからな!」

ちひゃー「くっ!」

翔太「意外と賢いんだね」ナデナデ

北斗「そのずっと握ってるマイクはなんなんだい?」

冬馬「こいつ歌が好きでさ、よく歌ってるんだ!主に演歌を……」

北斗「そりゃまた渋い趣味だな」

翔太「ねぇねぇ!一曲歌ってよ!」

ちひゃー「くっ?」

北斗「ちひゃーちゃんのちょっとイイとこ見てみたいー!」パチパチパチ

冬馬「歌ってやれよ!いつもみたいにさ!」パチパチパチパチ

ちひゃー「くっ///」コホン

こうして「ちひゃーすぺしゃるらいぶ」は夜遅くまで続いた

─雪歩&ゆきぽの誕生日から数日後・冬馬の部屋─

冬馬「ちひゃー!散歩に行くぞ!」

ちひゃー「くー♪」ジャラジャラ

冬馬「準備がいいな!ほら、首輪つけてやるからじっとしてろ?」カチャカチャ

ちひゃー「くっ」ジーッ

冬馬「ボールはどっち持ってくんだ?小さいのか?大きいのか?」

ちひゃー「くっくー!」コッチ

冬馬「よし、じゃあ今日は野球しに行くか!」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「お前用に小さいバットも用意してあるんだぜ!」

ちひゃー「くっ♪」ブンブン

冬馬「危ないから部屋ん中じゃ振り回すなよ!」

ちひゃー「くくっ!」

だよ!

─ちょっと遠いところにある公園─

冬馬「かなり歩いたが…ここならファンに見つかることもないだろうな」

ちひゃー「くっ!くっ!」クイクイ

冬馬「わかってるって、首輪だろ?」カチャカチャ

ちひゃー「くぅぅ」スッキリ

冬馬「それじゃちひゃー、さっそく野球だ!俺の球が打ち返せるか?」

ちひゃー「くっくー!」ブンブン

冬馬「いくぞ?それ!」ホワーン

ちひゃー「くっ!」スカッ

冬馬「空振りだちひゃー!どうした?そんなもんか?」

ちひゃー「くっ!くっ!」ブンブン

冬馬「もう一球いくぞ?そらっ!」ホワーン

ちひゃー「くっ!」スカッ

冬馬「違うぜちひゃー!もっと小さく振るんだ!」

ちひゃー「くくっ?」ブンブン

冬馬「そうだそうだ!いくぞ?」ホワーン

ちひゃー「くっ!」カッキーン

ボールは見事に3メートルちかく飛んだ

ちひゃー「くっ♪くっ♪」ピョイピョイ

冬馬「やればできるじゃないか!どうだ?楽しいか?」

ちひゃー「くっくー♪」ブンブン

冬馬「ははっ!次いくぞ?」ホワーン

ちひゃー「くっ!」スカッ

かんけーし

─夕方・帰り道─

冬馬「今日はいっぱいあそんだな!」

ちひゃー「くっ!」トテトテトテ

冬馬「バット買ってきたかいがあったってもんだ」

ちひゃー「くー!」トテトテトテ

冬馬「しっかしお前のあのバッティングフォームはなぁ…」

ちひゃー「くっ!?くっ!?」ペチペチ

冬馬「そう怒るなって!初めはみんなあんなもん……ってこんなところにケーキ屋なんかあったのか!?」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「結局クリスマスも仕事で構ってやれなかったしな……よしちひゃー!ケーキ買って帰るか!」

ちひゃー「くっくー♪」ペシペシペシ

>冬馬「居間は暖房消しちまうからな、箱ごと俺の寝室に置いておくか」ヨイショ

ちひゃー「くっ?」オロオロ

冬馬「安心しろ。俺のベッドの横に移動するだけだ」

ちひゃー「くっ?くっ?」アタフタ

ここで泣いた
もうちょっとこういう冷や冷や感頼むわ

─ケーキ店─

店員「いらっしゃいませ」

冬馬「どうするちひゃー?どれがいいんだ?」

ちひゃー「くっ♪くっ♪」キラキラキラ

冬馬「そんなに嬉しいか?でも食い過ぎたら太るからな、一個だけだぞ!」

ちひゃー「くっ♪」ペシペシ

冬馬「それがいいのか?ちょっと待ってろ……すいません、このチョコレートケーキを二つ」

店員「ありがとうございます」

冬馬「あとローソクとかないですか?」

店員「誕生日用ですか?」

冬馬「まぁそんな感じで」

─再び帰り道─

ちひゃー「くっ♪くっ♪くーぃ♪」ピョイピョイピョイ

冬馬「嬉しいのはわかるけど車に気をつけろよ!」

ちひゃー「くっ!」フンス

冬馬「それとケーキの箱は揺らすなよ?中身がグチャグチャになっちまうぞ?」

ちひゃー「くっ!?」ソローリソローリ

冬馬「そこまでしろとは言ってないって!なんなら俺が持つぞ?」

ちひゃー「くっくー!」ギュッ

冬馬「わかったわかった!そんなに楽しみか…」

ちひゃー「くっ♪くっ♪くー♪」ソローリソローリ

─冬馬の部屋─

ちひゃー「くっ♪くっ♪」クイクイ

冬馬「首輪外したらまずは手洗いうがいだぞ?」カチャカチャ

ちひゃー「くー♪」トテテテテテ

冬馬「俺もガキの頃はあんなんだったのかな…」

─台所─

ちひゃー「くっ!くー!」ゴシゴシ

冬馬「わかってるって、ケーキだろ?」ゴシゴシ

ちひゃー「くくくぅ♪」フキフキ

冬馬「じゃあ皿とフォークを用意してくれ」フキフキ

ちひゃー「くっ!」ゴソゴソ

冬馬「飲み物は…さすがに牛乳はきついか?」ゴソゴソ

─居間─

ちひゃー「くっ♪」ワクワク

冬馬「それじゃそっちがお前の分で…こっちが俺の分だな」

ちひゃー「くっくー♪」キラキラ

冬馬「おっと待て!ローソク貰っといたんだった!」

ちひゃー「くっ?」キョトン

冬馬「クリスマスってのはな、部屋を暗くして、ローソクに火をつけて、それを消してからケーキを食うもんなんだ」サシッ

ちひゃー「くくぅ!」

冬馬「それじゃ電気消すぞ?」

ちひゃー「くっ♪」

pppppppppppp

ちゃお☆

冬馬「誰だよ…おっさん?」ピッ

黒井「冬馬よ!今テレビ局のお偉いさんたちと会食しているのだが…お前のことをだいぶ褒めててな」

冬馬「はぁ…」

黒井「どうやら来期にお前の冠番組を作ってやってもいいと言っているのだ!」

冬馬「まじかよ!?」

黒井「という訳で今からあいさつに来い!」

冬馬「今からだって!?」

黒井「そうだ、既に迎えの車を送ってある。なに、一時間もかからんさ」

冬馬「いや…でも今…」

ちひゃー「くっ?」

黒井「なんだ?これより大事な話があるのか?」

冬馬「わかった…行くよ…」

黒井「では待っているぞ」プチッ

冬馬「…」

ちひゃー「くっ?」ツンツン

冬馬「すまんちひゃー。少し出かけなきゃならなくなった…」

ちひゃー「くくっ!?」

冬馬「一時間……あの長い針が一回りした頃に戻ってくる…それまでケーキは待っててくれるか?」

ちひゃー「くっ……」ションボリ

冬馬「本当にすまん……それとケーキは悪くならないように冷蔵庫にしまっておくからな」

ちひゃー「くっ」コクン

冬馬「じゃあちょっと行ってくるからな」

─とある料亭─

黒井「来たか…皆さんお待たせしました!我が961プロが誇る最高のアイドル!天ヶ瀬冬馬です!」

冬馬「どうも、天ヶ瀬冬馬です!よろしくお願いします!」

知らない人A「おぉ、彼が!」

どっかで見た気がする人B「この間の○○って番組良かったよ!ぜひうちでもやらないか?」

番組プロデューサー…だったっけこの人C「企画書はもう作ってあるんだ!」

そんなこんなで数十分拘束された

冬馬「おっさん…もう帰りたいんだけど?」コソコソ

黒井「なんだ?何か用事でもあるのか?」

冬馬「IAに向けてのトレーニングがあるんだよ。番組もらってもIA逃がしたら意味ないだろ」

黒井「そうだな…皆さん、そろそろ冬馬はトレーニングがあるので(ry」

─帰りの車─

冬馬「マンションに戻れるのって何時ぐらいですか?」

運転手「20:00には着きますよ」

冬馬「そうですか…」

冬馬「…(時間はぴったりだがちひゃーは怒ってるだろうな、たぶん)」

冬馬「…(わかってくれって言ったって無理だ…俺がちひゃーの立場だったら絶対理解してやれない…)」

冬馬「…(なんて謝るか…)」

運転手「着きましたよ」

冬馬「いつもありがとうございます」

運転手「これが私の仕事ですから……!?」

冬馬「どうしました?」

運転手「天ヶ瀬さんのマンション…煙が出てないですか?」

冬馬「えっ!?」

運転手「出てますよね!?」

冬馬「あの位置…俺の部屋だ…」

運転手「大変だ!すぐに消防に連絡を」アタフタアタフタ

冬馬「ちひゃーーー!!!」ダダッ

運転手「駄目です天ケ瀬さん!避難してください!!」

─マンション入り口─

冬馬「おい!警報は!?」

警備員「警報?なんのことです?」

冬馬「くそっ!俺の部屋から煙が出てるんだ!」

警備員「そんな馬鹿な!?警報機はどれも作動してないですよ!?」

冬馬「いいから住人を退避させろ!」ダダダダダッ

─冬馬の部屋のある階─

冬馬「やっぱり俺の部屋か!」ダダダッ

ドアの隙間から真っ黒い煙がもくもくと溢れ出る

冬馬「おい!ちひゃー無事か!うわっ!?」ガチャンッ

─冬馬の部屋─

部屋の中は煙で充満していた

冬馬「ちひゃー!返事をしろ!ちひゃーー!!」

煙のせいで部屋の奥まで見渡すことができない

冬馬「おい!どこにいるんだ!ちひゃー!」

ある程度は部屋の中に入れる

しかしそれ以上は…

冬馬「ちひゃー!ちひゃーーーーーー!!!」

部屋の中は熱く、予想以上に呼吸がしずらい

冬馬「ちひゃー……………………」

そこが冬馬の入れる限界だった

目の前に見えるのは真っ黒い煙と、ところどころから噴出する炎だけ

冬馬「くそっ!!!!!!!」

あきらめかけて下を向くと…そこには

冬馬「ちひゃー!?」

居間の角にそれは倒れていた…

冬馬「しっかりしろ!ちひゃー!」

ほんの数センチ横で炎が唸りをあげ大量の火の粉が降り注ぐ

しかしその中を冬馬は必死に進む

冬馬「もう少しで……………………届いたぁ!!」ギュッ

ちひゃー「」ゴロッ

冬馬「?」

ちひゃーから何かが落ちた

だがそれを気にしている余裕はない

冬馬「くっ」

全力で部屋から逃げ出す

冬馬「ごほっごほっ」ハァハァハァハァ

警備員「なにやってるんですか!自分から火災に飛び込むなんて!」

冬馬「それより消防と救急はまだか!?スプリンクラーは!?火災報知機は!?」

警備員「消防と救急は今こっちに向かってます!防火設備はなぜか機能しないんです!!」

どうなるんだ(´・ω・`)

く・・・起きてられない(´・ω・`)エレ速辺りに載ってくれたら嬉しいな

冬馬「おい!ちひゃー!」ペチンペチン

ちひゃー「」

冬馬「しっかりしろ!死ぬんじゃない!」ペチンペチン

ちひゃー「」

冬馬「返事しろよ!」ユサユサ

ちひゃー「」

冬馬「お前を置いて仕事に行った俺が悪かったから!」ユサユサ

ちひゃー「」

冬馬「頼むよ…目を開けてくれ…」

ちひゃー「」

警備員「…」

その後すぐに消防が来てちひゃーは動物病院へと運ばれていった…

火も他の部屋に多少燃え移ったぐらいで、被害はそこまで拡大しなかった…

─鎮火から数時間後・冬馬の部屋─

目の前にはちひゃーに買ってやった首輪が落ちている

しかし焼け焦げが酷く「ち…ゃ…」以上は読めなかった

冬馬「…」

ここでの思い出が全て燃えてなくなってしまった

冬馬「あの…原因ってなんだったか…わかりますか?」

消防隊隊長「出火元はテーブルの上の可能性が高いですね…ですが火災原因になるようなものが…」

冬馬「電球が落ちて火がでたとか?」

消防隊隊長「それはないですね。部屋の電気が消えてたという報告もありますので」

冬馬「え?部屋の電気が消えてた?」

消防隊隊長「はい。ですから卓上になにか燃えそうなものを放置して外出したとかはないですか?」

部屋の電気を消して…

ローソクを吹き消す…

そして火災が発生したのは俺が帰ってきた瞬間…

冬馬「テーブルの上には……なにがあったんですか……?」

消防隊隊長「判断できるのは…皿が二枚とフォークが二つですね」

確か皿に移したままフォークも一緒に冷蔵庫に入れたはずだ…

ということはちひゃーが俺を驚かせようとして…

でもそれならなんでちひゃーはすぐに逃げなかったんだ…?

まさか自分で消そうとして…

ゴロンッ

冬馬「マイク!?」

確かちひゃーを見つけたとき、何かがちひゃーから落ちた気がした

これを持ってたせいで脱出が遅れたのか?

待てよ

さっき火事に気づいて部屋に飛び込んだ時…

鍵を開けてないにも関わらず扉が開いた…

ということは一度部屋を出たはずだ…

まさかこれを取りに戻ったのか!?

冬馬「このっばかやろーーーー!!!!!!!!!」ドンッ

消防隊「どうしたんですか!?」

冬馬「どうしてお前は!?こんなものの為に!!」ドンッドンッ

消防隊「やめて下さい!」

冬馬「くっそーーーーー!!!!」ドンッ

─動物病院─

冬馬「…」コツコツ

ちひゃーに聞きたかった

本当にマイクを取りに戻って逃げそこなったのか!?

本当ならなんでそんなことをしたのか!?

たとえ返事がないにしても

ちひゃーに直接言いたかった

ガチャッ

獣医「あ…先ほどのペットの飼い主さんですか?」

冬馬「はい…」

獣医「あの子は72番の檻です…」

─動物病院・病室─

冬馬「…」

ちひゃー「」

冬馬「本当に…ごめんな……」

ちひゃーの顔を見ると言いたかったことが全て消えた

代わりに一人にしてしまった罪悪感に包まれる

ちひゃー「」

冬馬「お前を置いて…出かけちまって…」

ちひゃー「」

冬馬「ちひゃー…」

ちひゃー「」

冬馬「お供え物には…あの店のケーキ持ってってやる…だからせめて…向こうで食ってくれ…」

ちひゃー「くっ?」パチクリ

冬馬「牛乳も供えてやる…安心して眠ってくれ…」

ちひゃー「くくーっ!」

冬馬「じゃあな…ちひゃー…」

ちひゃー「くっ!くっ!くー!」

冬馬「!?」

ちひゃー「くっ♪」

冬馬「お前…生きてたのか!?」

ちひゃー「くっくー」

冬馬「おい!先生!どういうことだ!?」

獣医「ん?気がつきましたか…救出が早かったおかげで、ただの一酸化炭素中毒で気を失ってただけですよ」

冬馬「ちひゃー!ちひゃーー!」ギュッ

ちひゃー「くっ!」モゾモゾ

獣医「念のため後遺症がないか数週間入院してもらいますが…」

冬馬「死んだかと思ってた…」ギュッ

ちひゃー「くくぅ!」モゾモゾ

獣医「聞いてるかな?」

冬馬「ほんとに…生きててくれて良かった…」ギュッ

ちひゃー「くっ!くくーっ!」モゾモゾ

だぜ!

─『天ヶ瀬冬馬マンション火災』事件から一ヶ月・NEW冬馬マンション─

冬馬「お前…新しいマイク買わなくていいのか?」

ちひゃー「くっ!」

冬馬「元から繋ぐことがなかったとはいえ…それ壊れてんだぞ?」

ちひゃーに渡したプレゼント『マイク』

しかしそれは火事のときの放水で壊れてしまっていた

ちひゃー「くくっ♪」ギュッ

冬馬「お前がそれでいいってんならいいけどさ」

ちひゃー「くっくー」ピヨーイ

冬馬「ボールもバットも全部焼けちまったもんなぁ…買い直しか」

ちひゃー「くっ」ペシペシ

かんけーし!

冬馬「まぁいいか。どうだちひゃー、退院祝いにケーキでも買ってやろうか?」

ちひゃー「くっ!?」ビクッ

冬馬「大丈夫だよ!このマンションはブラックウェルカンパニー製じゃないからな!火がついたらすぐにスプリンクラーが消してくれるさ」

ちひゃー「くくぅ」ビクビク

冬馬「それにこれからは仕事行くときも一緒だ!ただし邪魔したら檻だからな?」

ちひゃー「くっ!くー!」ピョン

冬馬「じゃ、この間食えなかったチョコレートケーキを買いに行くか!」

ちひゃー「くーっ」

冬馬「ちひゃー!」

ちひゃー「くっ?」

冬馬「これからもよろしくな!」ナデナデ

ちひゃー「くっくー♪///」

よろこぶちひゃーの首には、焼けて名も読めない首輪が太陽の光を浴びて光っていた

                                         /

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                 _ `ヽ、 `<、  `ー、'└、___ .  ´
              >: `ー`: : : : `ァ─、 `                  /
              .  ´ : : : : : : : r'⌒ー´ ̄`ヽ                .  ´
           /: /` : : : : : : : : ` ー 、 ______.   <´
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    /: :. :. :./: : : : : : : : : : : : |: :.:. :. |    ハ: ト、: : : : : : : ト、: : i¨`ヽ、_
   /: : : : : : :|: : : : : : : : : : : : /: : : : /     i:.| i : :. :. :. :.|: i: : レ' ̄/
   \\_: : :|: : : : : : : : : : : イ,-─-、      レ' ̄ト、 : : : : |:<ヽ |:./
    \ :〈:.:.:.|: : : : : : : : / /' : :/         iト、: : : : ハil : 〉´
      〉 `ヘハ: : : : : :.イ ノ'}:/             | i: : :/: :l/
      〉: : : : ト、: :/ |  xrテミゞ、      xテ'´ゞ、/l: :/ /
      `y: : : l:.:`´: : : |  xxx           xx i': |/:ハ
        /:. :. :.|: : : : : : |                   l: : : : : i
     / : : : : |: : : : : : l`ヽ、       、ノヽ_,   <|: : : : : |
.    / : : : : : |: : : : : : ト、|:.:.:` 7_7 r、-‐  : : : : :|: : : : : |

    / : : : : :. :.|: |: :. :. :.|: :\: : / y´>lヘ : : : : : : : :.|: : :. :.ト}
.   /: : : : : : : : Vト、:. :.:.:|: : : : :/\/|\_} : : : : : :. :.|: : : :人
  /:. :. : : : : : : : :jハト、:.ヽ:.:.:.:/    L `ー┐: : :. :.|: : :/:.:.:.\
. / .イ: : : : : : : : : : : :\\i:. :.|   __」`ヽ/`7_: :.:.|: :/: : : : : :\
 j.' |: : : : : : : : : : : : : : : :/、|__/:.:.:L -──-|ノ ̄`Y ̄ ̄ ̄jメ

    |: : : : : : : : : :.:. :. :./   `ヽ_r'、|
.    \:. : : :. : :. :. :./       `´
.     \: : : : : /
       `ヽ、/

だぜ!

一人と一匹の物語は始まったばかり

これからもこの奇妙な生き物との生活が苦難の連続であることは間違いない

それでもこいつと生きていこう

天ヶ瀬冬馬はそう決意した

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  /:::::::::::::::::.::::,、,、::::::::::::::::i:::::ヽ

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 /イ::::::/ |/ レ'  ''"´ ',}ヽ::::::::i:::::::l
   {::::/7::::|    ィ''::::::ヾヽiヽ}:::l::l
.  /レイ ',:::::|    .|::::::::/  |::::::::|::|
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   {::::l:::::::::::|  .人    /|::::ノ::::::::ヽ
   レヘl:::::::::::ト、/::::::\/::::::|;イ:::::::::::::\
   ム;;-─ ¨亡7 ̄ ̄て_ノ¨ ─--z__ノ


Happy End

      / ̄ ̄ ヽ
     ,'       ヽ

     |         }
     |         | l~! 乙
     }       「ll  | | 
    /       /   / ヽ
  /      ー、   {  /

 /          \  〉 ヽ
 |            \|    }
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 |                |
 |                |

  ヽ          、     !
   |          |\_/

最初に捨てたのは千早?

P「空気だ!」

あふう「なの」

スレタイは置いといて…

来週あたりにもう一本書こうと思ってるんだけど、このSSのちひゃー視点っていう案があるんだ
需要ある?焼きまわしっぽくなるからやめたほうがいい?

需要云々よりお前がどうしたいかで決めろよ

>>204
そうするわ

こんな時間まで支援ありがと

>>197
一応千早

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