まどか「美味しいチョコが作れるかな」(55)

さやか「まどか、何してるの?」

まどか「チョコ作りしてるんだ」

さやか「へぇ、手作りチョコなんてできたんだ」

まどか「もうひどいよさやかちゃん」

さやか「どれどれさやかちゃんが味見を」

まどか「だめだよ!さやかちゃんにはちゃんとさやかちゃんのチョコをあげるから」

さやか「その反応は本命チョコってわけだね」

まどか「うぇひひ、皆には内緒だよ」

さやか「はいはい」

さやか「で、美味しくできそう?」

さやか「もっと甘くしようとして砂糖を入れようと思ったら塩を入れちゃったぁ!とか」

さやか「チョコレートをとかそうとお湯の中にそのままいれちゃったぁ!とか」

まどか「ひどいよさやかちゃん、私だってちゃんと手作りチョコの作り方を知ってるもん」

まどか「それにいっぱいありがとうと大好きを込めてるんだよ」

さやか「ほーう、そのチョコを貰える人は幸せだねぇ」

まどか「うぇひひ、そうだと嬉しいなって」

さやか「その相手が私じゃないなんて悔しいなぁ」

まどか「さやかちゃんも大好きだよ?」

さやか「ほらほら、料理中に目をはなさない」

まどか「わわ、もう……」

さやか「ま、少しぐらいからかわせてよ」

まどか「そんなの駄目だよもう!」

マミ家


ほむら「隠し味を入れて……こんな感じかしら」

マミ「えぇ、とても上手よ」

ほむら「案外チョコづくりって難しいのね」

マミ「そうね、型に流してってだけなら簡単なのだけど」

ほむら「でも大好きな人に送るって考えるとやりがいはあるわね」

マミ「ふふっそうね」

ほむら「何よ、その含んだ笑いは」

マミ「いえ、暁美さんがそう思える相手がいたんだって思って」

ほむら「別にいいでしょう」

マミ「えぇ」

マミ「そういえば、誰に渡すかは教えてもらえないのかしら?」

ほむら「なんで教えないといけないのよ」

マミ「まぁ暁美さんがそんなにいう相手なんて一人しかいないかしら」

ほむら「勝手に納得しないでもらえないかしら」

マミ「あら、じゃあ違うのかしら?」

ほむら「……多分違わないわ」

マミ「そうやって素直に想いをぶつけられたら相手もきっと喜ぶわよ」

ほむら「そんなことできないわよ……」

マミ「恥ずかしいならチョコの上に書いてもいいのよ?」

ほむら「もう見てないであっちにいってて」

マミ「あら、あなたが手作りチョコの作り方を聞いてきたのに」

ほむら「うぐ」

マミ「あと、佐倉さんが我が物顔で寝ているけど私の家よ?」

ほむら「そ、それはそうだけど……」

マミ「ふふっいじわるが過ぎたわね、ごめんなさい」

ほむら「そうやって意地悪するから2キロ太るのよ」ボソ

マミ「暁美さん、やっぱりバレンタインのチョコならちゃんと想いを書かないとね」

マミ「ほら、ちゃんとソースをもって」

ほむら「わ、ちょ、まって悪かったわ、ごめんなさい」

マミ「LOVEなんて書きやすいんじゃないかしら、相手の名前も書かないとね」

ほむら「私の身体を動かして書かせないでよ……」

マミ「ふふっそう言う割には抵抗してないじゃない」

マミ「書きたいけど自分が進んで書いたわけじゃないって体裁でも取り繕いたいのかしら?」

ほむら「そ、そういうことは気がついても言わないで///」

まどか「うぇひひ、でーきた」

さやか「大好きって大きく書いちゃって、まどかも積極的になったもんだね」

まどか「うぇひひ、想いを伝えるってとっても大事なんだってわかったんだもん」

まどか「美味しいチョコを渡して喜んで貰いたいなって」

さやか「きっとあいつもすごく喜ぶね」

まどか「うぇひひ」

杏子「ん……んーいい匂い」

ほむら「はぁ……」

杏子「ん?お、おいほむらがげんなりしてるってことはまさか失敗したのか!?」

マミ「いえ、とっても美味しくできてると思うわよ」

ほむら「うぅ……」

杏子「でもこいつのこの様子は……」

マミ「暁美さんって恥ずかしがり屋さんだから」

杏子「?」

杏子「なんかよくわかんねぇけどマミが大丈夫っていうなら大丈夫だろ」

ほむら「そうね、今更出来上がったものは変えられないわ」

ほむら「杏子、マミ」

杏子「おっお待ちかねの」

ほむら「えぇ、試食をお願いするわ」

ほむら「まずかったら素直に言って」

マミ「大丈夫よ暁美さんちゃんと作れていたはずよ」

杏子「それはともかく食べないかい」

ほむら「えぇ、さっそく食べてもらえるかしら」

杏子「へぇ、美味しいじゃん」

マミ「えぇ、とても美味しいわ」

ほむら「ほ、本当に?嘘はついてない?」

杏子「本当だって」

マミ「えぇ、とても美味しいわよ」

ほむら「そ、そう……」ホッ

杏子「こんな手の込んだチョコを私達に試食させたり、失敗できない相手へってわけだな」

マミ「もらえる子は幸せそうよね」

杏子「ま、自信持ちなよ、味は文句なしだ」

マミ「あとは包装してメッセージカードが必要よね」

ほむら「い、いえ、そこまでする必要は」

マミ「だめよ、大切な人に送るものなんだからちゃんとしないと」

ほむら「で、でも……」

マミ「ほら、いいからいいから」

マミ「それとももう一度無理やり書かされてるみたいにして欲しいのかしら?」

ほむら「う……」

ほむら「これでいいでしょう……」

マミ「あら、名前しか書いてないじゃない」

ほむら「も、もうこれでいいの!」

ほむら「とにかく試食や調理場を貸してくれてありがとう、そろそろ帰るわ」

マミ「あ、待ちなさい暁美さん」

ほむら「何かしら?」

マミ「友チョコをどうぞ」

ほむら「ちょ、ちょっと待って今渡されてもお返しするチョコがないわよ」

マミ「お返しもなにもあなたの手作りチョコを試食させてくれたじゃない」

ほむら「それは友チョコのつもりで出した訳じゃ……」

杏子「あたしからもほい」

ほむら「え?杏子が!?」

マミ「佐倉さんもあなたが来る前に今日はチョコを作ってたのよ」

ほむら「杏子が?」

マミ「私にバレンタインチョコをせがみにきたからちゃんと作って交換しましょうってことで」

ほむら「あぁ、納得ね」

杏子「それで納得されるのは複雑なんだが……」

ほむら「なんだか試食までさせてこんなものまでもらってしまって」

マミ「遠慮なんていいわよ、あなたに渡すためにそのチョコは作ったんだから食べてもらわないと困るわ」

杏子「食べないならあたしがもらうけどな」

マミ「こら、あなたこれ以上食べたら太るわよ」

杏子「あたし太らない体質だしなぁ」

マミ「へぇ……」ゴゴゴ

ほむら「あ、ありがとう、家でいただくわね」

マミ「えぇ、またね」

杏子「んじゃな」

ほむら「えぇ、また」

さやか「とにかくあいつの家に行かなきゃ」

まどか「うん!」

さやか「そうそう、考える前に行動だよ」

まどか「うぇひひ、さやかちゃんらしいアドバイスだね」

さやか「ほら、早く行かないと」

まどか「行ってくるね」

ほむ家

ほむら「ただいま……」

ほむら「……」

ほむら「こうしてチョコを作って自分の家に帰ってくるとなんだか悲しくなるわね」

ほむら「なんで作ろうなんておもったのかしら……」

ほむら「作ったチョコどうしようかな」

ほむら「作ったって受け取ってもらえるわけないのに……」

ほむら「寝よ……」

まどか「お邪魔しまーす」

ほむら「んん……すぅ……」

まどか「あ、ほむらちゃんは寝てるんだ」

ほむら「んー……まどかぁ……」

まどか「うぇひひ、どうしたのほむらちゃん」

ほむら「くー……くー……」

まどか「うぇひひ、可愛い」

まどか「あれ?机にあるのはチョコかな?」

まどか「暁美さんへ……マミさんからもらったのかな?」

まどか「こっちはほむらへだから杏子ちゃんかな?」

まどか「あともう一つは……まどかへ」

まどか「ほむらちゃんが作ってくれたんだね……うぇひひ、とっても嬉しいな」

まどか「本当はダメなんだけどちょっとだけ自分のために力を使わせてね」

さやか「あ、早かったね」

まどか「うん!」

さやか「あれ?何持って帰ってきたの?」

まどか「私にチョコをほむらちゃんが作ってくれてたの」

さやか「へぇー一口頂戴」

まどか「いくらさやかちゃんでもそれはできないかな」

さやか「ちぇー」

まどか「うぇひひ、私が作ったチョコで我慢してね」

さやか「んじゃ二人で食べますか」

まどか「食べなくてもいいんだけどね私達」

さやか「そういうことは言わない約束でしょ」

チュンチュン

ほむら「んー」

ほむら「……」グシグシ

ほむら「まどかからチョコを貰える夢なんて……」

ほむら「はぁ……自分で食べてしまおう……」

ほむら「あれ?私のチョコってこんな」

ほむら「……まどか!」

まどか「あれ?私、さやかちゃんとチョコを食べてて……」

さやか「やっと目を覚ましたみたいだね……」グッタリ

まどか「どうしたのさやかちゃん」

さやか「ほむらのチョコにブランデーが入ってたみたいで」

まどか「?」

さやか「ほむらちゃんとおしゃべりしたいからマミさんに少し取り憑いてみるとかいいだしたり」

さやか「あとほむらちゃんと抱き合いたいからこっちに連れてくるとか言い出したり」

まどか「え?」

さやか「それを止めてた……」

まどか「え、えと……ごめんね」

さやか「いや、まぁお互いに好きあってて羨ましいよ」

さやか「まどかは詢子さんの子だからお酒は強いとおもってたけど」

まどか「飲んだことなかったから弱いなんてわからなかったよ」

さやか「まぁ今のまどかがほむらにいろんな思いを覚えちゃうのはしょうがないか……」

まどか「本当にごめんねさやかちゃん」

さやか「それよりまどかのチョコをもらったほむらの様子でも見に行こうよ」

まどか「あ、うん!」

通学路


マミ「あら?今日は随分ご機嫌ね」

杏子「というかにやけすぎてて気持ち悪いぞ」

ほむら「気持ち悪いなんて言わないでもらえるかしら、とても嬉しいことがあっただけよ」

マミ「あら、チョコをちゃんと受け取ってもらえたってことかしら」

ほむら「えぇ、それに大好きって書いてあるチョコを貰ったわ」

杏子「よかったじゃん」

マミ「ふふっ羨ましいわね」

ほむら「えぇ、これ以上ないプレゼントよ」


さやか「うれしそうじゃん」

まどか「うぇひひ、嬉しいな」

まどか「美味しいチョコ作れてたかな?」

さやか「大丈夫だって」


マミ「まどかって子といつか会ってみたいわね」

杏子「これだけいつもほむらと一緒にいるのに会ったことないしなぁ」

ほむら「いつか会えるわ、あなた達もね」

マミあん「?」


ほむら「まどかからの贈り物……大切に食べずにとっておくわ」


まどか「美味しいって食べて欲しくて作ったんだから食べてよほむらちゃーん!」

さやか「賞味期間とか大丈夫なのかな……」



終われ

ほむらちゃんってまどかちゃんからのチョコとか食べるのがもったいないって食べずにとっておいて
最終的に2年ぐらいたったチョコをまどかちゃんに見つかって
どうして食べてくれなかったのって言われてあたふたしそう
おやすみなさい

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