咏「バレンタインだぜ?」えり「そうですね」(216)

ID:Cc96s8pp0

代行ありがとうございました

ザワザワザワ…

えり(…騒がしい)

ザワザワザワ…

えり(どうして、日本人はイベント事をそんなに楽しもうとするんだろう)

ザワザワザワ…

えり(浮き足立って…)

ザワザワザワ…

えり(……いや、止そう。わびしい気分になっちゃう……)

ガチャ

えり「おはようございまーす」

先輩アナ「あ、おはよー」

えり(イベント事があっても、どうせ私は仕事ですよーだ)

先輩アナ「あらあら。相変わらずそんな不機嫌そうな顔しちゃって」

えり「……そうですか?」

先輩アナ「眉間、ヤバイわよ」

えり「…………」ハァ

先輩アナ「そんな針生に、嬉しいお知らせ~♪」

えり「……なんですか」

先輩アナ「まずは、自分の机につくことね」

えり「はぁ……」

えり(つくえ……っと)

えり「・・・・・・」

先輩アナ「どうよ、どうよ」

えり「・・・なんというか・・・」

先輩アナ「もぉー机まで運んであげるの苦労したんだからー」

えり「それは…どうも」

先輩アナ「んもう、モテモテね。このこの~♪」

えり(自分の机に広がる…いや、重なって重なって、もはや山になっている…)

えり(プレゼントの山。…察するにチョコレート)

先輩アナ「もう圧巻よね~去年より増えたんじゃない?」

えり「数えてないからなんとも言えませんが…」

先輩アナ「去年はいくつだったの?」

えり「たしか…四十……あれ、五十あったかな……」

先輩アナ「…………うっわぁ」

えり「なんで引いてるんですか」

先輩アナ「いや・・・だって・・・うっわぁ・・・」

えり「その目やめてください」

先輩アナ「いやぁ…叶わないわー・・・」

えり「・・・欲しいですか?」

先輩アナ「いや、みんな針生にあげるために用意したんだから。そんなこと言わないの」

えり「冗談ですよ。…甘いもの苦手なのに…」

先輩アナ「ブログに書けばいいのに。甘くない贈り物ばっかりになるんじゃない?」

えり「やってませんよ、ブログなんて…」

先輩アナ「え?マジで?」

えり「マジです」

先輩アナ「ブログもやらずにここまでのファンのハートを鷲掴みか。…さすが針生」

えり「ありがたいことに…」

先輩アナ「んふ。じゃあ先輩からもプレゼント~!」

えり「え?」

先輩アナ「はい、ハッピーバレンタイ~ン!」

えり「……ありがとうございます」

先輩アナ「それじゃ、はい!」

えり「はい?」

先輩アナ「針生も。ちょうだい?」

えり「え?」

先輩アナ「義理チョコ、っていうかさ。お世話になってますってシルシよ」

えり「自分で言いますか」

先輩アナ「もうバレンタインってなんでもアリよね~。友達にも先輩後輩でもなんでもチョコレート」

えり「生憎ですが、私は用意していませんので」

先輩アナ「えっ」

えり「去年だってそうだったでしょう」

先輩アナ「あれ?そうだったかしら?」

えり「そうですよ。…チョコレート、ありがとうございます」

先輩アナ「あ、ああ。甘いの苦手な針生のために塩クッキーにしたから」

えり「お気遣いどうも。このお礼はホワイトデーに必ず」

先輩アナ「・・・あー、そうだったそうだった。針生からはホワイトデーに貰ったんだ」

えり「ええ」

先輩アナ「でも、どうして?まとめていくつかチョコ用意して、ハイ交換~みたいな方が楽じゃない?」

えり「先輩はそうしてるんですか?」

先輩アナ「ええ。適当にたくさんチョコを小袋に詰めて、……ほら、こんな感じに」ドッサリ

えり「……うわぁ。よくこんなに沢山……」

先輩アナ「想定してない相手からもらったりもするから、余計に作っておくの。余ったら適当に配るし」

えり「愛も義理もない・・・」

先輩アナ「本命なんてクソ食らえよ」フフフ

先輩アナ「・・・コホン。だからさ、針生みたいにホワイトデーにお返し~とか。誰から貰ったか覚えて置かないといけないし」

先輩アナ「かえって面倒な気がするんだけど?」

えり「・・・まぁ、たしかに・・・。去年も大変でしたから」

先輩アナ「覚えてられないでしょ」

えり「いえ、全員メモしました」

先輩アナ「・・・おお」

えり「この、贈っていただいたプレゼントも…包装用紙に住所とか書いてあるから捨てないようにしないといけませんし…」

先輩アナ「ちょ、待った」

先輩アナ「…お返ししてるの」

えり「ええ」

先輩アナ「これ、全部?」

えり「わかる限りは、まぁ」

先輩アナ「…………マジで」

えり「マジですが」

先輩アナ「…………うっわぁ」

えり「だからその目やめてください」

先輩アナ「だって・・・四十とか五十とか・・・えぇー・・・」

えり「感謝のシルシですよ」

先輩アナ「頭の堅い人の考えることって私わからないわ・・・」

えり「・・・もう、わからなくていいですよ」

先輩アナ「…ん、で。なんでわざわざホワイトデーにお返しすんのよ。出費も高くつくでしょうに」

えり「ああ……」

えり「私、バレンタインデーはチョコレートを渡さないって決めてるんです」

―――――

咏(んーと……)

恒子「あ。おーい!三尋木プローっ!」

咏「お?」

健夜「こーこちゃん、声大きいよ…」

恒子「ありゃ、失礼」

はやり「咏ちゃ~ん☆」

咏「おお~こりゃみんなお揃いで。ちょうど良かったわ~」

恒子「三尋木プロはどうしたんですか?こんなところで」

咏「ま、仕事だよ仕事」

はやり「おや?じゃあえりちゃんもどこかに…」

咏「いーや、今日は別」

健夜「ってことは実況のお仕事じゃなかったんだ」

咏「ふくすこの二人は実況かい?」

恒子「終わって休憩してるとこっす~」

はやり「右に同じく~☆」

咏「んじゃ~ちょうど良かった。えっと~」ゴソゴソ

恒子「お、その大きい袋はやはり・・・!」

咏「ほれ。ハッピーバレンタイ~ン」

健夜「あ、じゃあ私も…」ゴソゴソ

はやり「はやりもはやりも~ハッピーバレンタイーン☆」

恒子「あざっす三尋木プロ!私からも、コレっ」

咏「サンキュ~」

健夜「すっかりバレンタインデーってチョコレート交換デーって感じだよね…」

咏「いやー配った配った。早めに見つけて良かったよ」

恒子「と、いうと?」

咏「知り合いにあっちゃったらそっちにチョコあげちゃうからねぃ~。なくなる前にあげれてよかったよ」

はやり「ふふ、咏ちゃんのチョコレート、ブランドチョコだから毎年楽しみなんだ~☆」

健夜「え。そ、そうなの?」

恒子「何言ってんのすこやーん、結構有名なブランドだよ?」

健夜「そ、そうだったんだ・・・」

咏「はっはっは、そういうの疎いなぁすこやんは」ケラケラ

はやり「まるで世間知らずなアラフォーのようだね☆」

恒子「あれ?すこやんってアラフォーでしょ?」

咏「そうだったと思うぜ?知らんけど」

健夜「ア ラ サ ー だ よ !!!」

咏「はやりんのは~…お、手作り?」

はやり「ふふ☆特別だゾ?」

恒子「これ売ればいくらになるかな?」

咏「オークションとか出してみる?」

健夜「コラコラ…」

はやり「2万円以上になるなら売ってよし!」

健夜「ええええええ!?」ガーン

咏「うし。12000円からスタートだな」

はやり「ただし金額の6割ははやりんに献上☆」

咏「最低で8000か…」

恒子「ホワイトデー分の元は取れますね!」グッ

健夜「ねぇ、それ本気で言ってるの!?ねぇ!」

恒子「冗談に決まってるじゃーん、すこやんノリ悪い~」

健夜「ええぇぇ……」フホンイ

咏「なに、ふくよんはホワイトデーもすんの?」

恒子「え?ああ、このチョコ足りなくなっちゃったらね~。貰った人にはお返しするよ」

はやり「はやりもそうするなぁ~☆元から沢山用意してるから、ホワイトデーはたかが知れてるし☆」

健夜「私も…」

咏「ははぁ~。みんな律儀だねぃ」

健夜「咏ちゃんははしないの?」

咏「今日用意した分配り終わったら終了~。基本貰うの専門だからねぃ」

恒子「よっ!さすが人気プロ雀士!いくつくらい貰うんですかっ」

咏「数えてねーや。持って帰んのも面倒だからダンボールぶっこんでまんま家に宅配」

はやり「さっすが~☆」

恒子「貰う専門すげー!」

咏「だから今日用意したのも最低限だし」

恒子「このチョコはかなり貴重なワケですか!」

咏「はやりんの手作りにゃ負けるよ」

はやり「ふふ☆」

健夜「じゃあ、咏ちゃんのホワイトデーは完全に貰うの専門なんだ」

咏「おう」

咏「生まれてこの方、ホワイトデーにモノあげたことはないぜ~」

恒子「じゃあ、針生さんには早く会わないとですね」

咏「あー、まぁそうだねぃ」

はやり「呼んでみる?」

健夜「え?」

はやり「ちょっとメールしてみよっか☆」

健夜「で、でもお仕事中・・・」

咏「デスクワークだけらしいからねぃ。ちょっとくらいいいかもしんねーな~」

はやり「メルメル~っと☆」ピッピッ

―――――

ヴー ヴー ヴー

えり「………?」

えり(メール…知らないアドレス・・・?)ピッ


件名:はやりんだよ☆
―――――――
今、咏ちゃんとすこやんとこーこちゃんと一緒に居るんだけど
えりちゃんも来ない?
仕事なんて抜け出しちゃいなよっ☆

えり「・・・・・・」

えり(このメンバーとか、仕事抜け出すとか、ツッコミ所は沢山あるけど…なによりも…)

えり(なんであの人、私のアドレス知ってるのよ……)

えり(うーん・・・)

えり(仕事は…たしかにちょうど一段落ついたし・・・)

えり(どうしようかな・・・)

えり「…………」チラッ

えり「…………」

『 今、咏ちゃんとすこやんとこーこちゃんと一緒に居るんだけど』

えり「…………」ギュウ

えり(どう、しよう……)

―――――

はやり「さーて、あとは返信待ち~☆」

戒能「おや?」

恒子「ふぉぉ、戒能プロ!」

戒能「皆さんグッドイブニング、アーンドハッピーバレンタイン」

健夜「あ、えっと、はっぴーばれんたいーん…」

はやり「バレンタイーン☆」

咏「ほいほい、バレンタイン~」

戒能「と、いうわけでプレゼントですー」

恒子「あざっす!おわー、すっげー豪華メンバー!」

はやり「サンキュ、良子ちゃん☆それじゃぁ…」ゴソゴソ

咏「・・・おっ、かいのんナーイスタイミングだったねぃ!」

戒能「?」

咏「ほれ、三尋木咏ラストチョコだぜ~」

健夜「えっ」

戒能「なんと。よろしいのですか?」

咏「モチのロン。ほーれ、ハッピーバレンタイン」

戒能「で、ではありがたく。サンキューです、三尋木さん」

恒子(おやおや?)

恒子「三尋木プロ、三尋木プロ」コソコソ

咏「うん?」コソッ

恒子「いいの?針生さんに」

咏「あー、どーせ来ないっしょ。ワーカーホリックだし」

恒子「そりゃまぁ・・・でも」

咏「いーのいーの。元々あげる気なかったし」

恒子「え?」

咏「そんじゃっ、私はこの辺で~」

はやり「もう行っちゃうの?」

咏「チョコも配り終わったし。みんなチョコえりがとねん」

戒能「こちらこそ」

咏「そんじゃね~」

健夜「ば、ばいばーい…」

恒子「・・・ふーむ?」

はやり「どしたの?こーこちゃん」

恒子「いやはや、三尋木プロは不思議ですなぁ~」

戒能「ミステリアスですよね」

恒子「うんうん、それそれ」

~♪

はやり「あ、メルメルー☆」ピッ

すいません、晩ご飯食べてきます
30分で帰ります!

>>56
× 咏「チョコも配り終わったし。みんなチョコえりがとねん」

○ 咏「チョコも配り終わったし。みんなチョコありがとねん」

正直すいませんでした

はやり「んーと・・・あらら」

戒能「どうかしましたか?」

はやり「えりちゃん、来るって☆」

健夜「えっ!?」

恒子「あちゃー、すれ違ったかー」

戒能「三尋木さんは・・・もういませんね」

健夜「咏ちゃんのチョコはないとしても、針生さんから咏ちゃんに渡すかもしれないのに…」

はやり「うぅ~ん…それは無いんじゃないかな?」

恒子「?」

はやり「えりちゃんって、バレンタインにチョコは渡さないんだよ」

恒子「じゃあ・・・クッキーとか?」

はやり「ノンノン☆バレンタインデーに贈り物はしないの」

戒能「ホワイ?」

はやり「んーと、えりちゃんがまだ新人だった頃に、お世話になった人たちに義理チョコを渡したの」

健夜「律儀だね・・・」

はやり「そしたらホワイトデーに・・・」

―――――

男『針生さん?』

えり『は、はい』

男『これ・・・バレンタインのお返し。受け取ってくれ』

えり『ぁ…そんな、わざわざ…』

男『それで、だな…俺、キミと付き合ってもいいよ』

えり『は?』

男2『えっ!?』

男3『あれっ!?』

えり『あの・・・なんのお話ですか?』

男『え?バレンタインの…』

えり『え?』

女『え、えり…その男の人、ダレ?』

えり『…………へ?』

――――――

はやり「………という☆」

健夜「・・・うっわぁ」

恒子「・・・どっひゃあ」

戒能「・・・ノーコメント」

はやり「なんともはやな身も蓋もないウ・ワ・サ☆」

健夜「ウワサか!」

恒子「身と蓋は無いけど根と葉はありそう…」

戒能「信憑性があるようなないような…」

恒子「ありそうだけどないような…」

はやり「実はホントにあったかも…☆」

えり「なにがですか?」

恒子・健夜「「うっわぁ!?」」

えり「・・・なんで今日はみんなして私をそんな目で見るんですか・・・」

戒能「ハロー、針生さん」

えり「どうも。戒能プロもいらっしゃったんですね」

はやり「メール送った後から合流したんだよ☆」

えり「・・・えっと・・・」キョロキョロ

健夜「あ、咏ちゃんなら…」

えり「っ」ドキッ

恒子「先に帰ってしまいました・・・」

えり「あ・・・」

えり(・・・・・・)

はやり「えりちゃん?」

えり「あ、いえ。そ、そうでしたか」

はやり「・・・気になる?」ニヤニヤ

えり「っ!べ、別に、そんな。何故私が三尋木プロを」ワタワタ

はやり「うんうん、そっかそっか☆」ポムッ

えり「な、なんですかこの手はっ」

はやり「べっつにぃ?」

えり「うぐ・・・///」ムー

健夜(気になるんだな)

恒子(かわいい)

戒能(キュート)

はやり「ま、とりあえず・・・ハッピーバレンタイン☆」

えり「あ…どうもご丁寧に」

健夜「あ、私からも…」

恒子「どうぞ!」

戒能「バレンタインでーす」

えり「あ、ありがとうございます…」

はやり「いえいえ☆」

えり「えっと、瑞原プロ、小鍛治プロ、戒能プロに福与さん…ですね」メモメモ

恒子「む?何書いてるんですか?」チラリ

えり「あ・・・」

恒子「・・・なんすかコレ」

はやり「どれどれー?」ヒョコッ

戒能「?」チラ

恒子「名前ビッシリ…」

えり「ホワイトデーにお返しする方の名前を…」

戒能「これ…オールホワイトデー?」

えり「は、はい…」

恒子「・・・パネェ」

えり「更にファンの方から頂いた分もリストアップしないと・・・」

恒子「まだあるの!?」

はやり「ファン!?」

戒能「……ベリーハード」

健夜「………」(←人のメモ勝手に見るのは失礼だと思って会話に乗れない)

えり「ま、まぁ。そういうわけで。このお礼はホワイトデーに必ず・・・」

はやり「えへ。ありがと☆」

恒子「このメモ見ちゃうと、なんか悪いなぁ・・・」

えり「お気になさらず。20個も30個も変わりませんよ」

健夜「そんなに?」

えり「いや、もっとありますけど…」

はやり「面倒な時代になったよねぇ、友チョコとか義理チョコ逆チョコ、なんでもチョコ!」

健夜「あ、わかるわかる」

戒能(……ジェネレーションギャップ?)

>>84
× 戒能(……ジェネレーションギャップ?)

○ 戒能(…わからない…ジェネレーションギャップでしょうか)

はやり「よ・し・こ・ちゃん?」ニコッ

戒能「っ!?」ビクッ

はやり「今、なぁーんか失礼なこと考えなかったかなぁ~☆」

戒能「の、の、ノーノー!気のせいですよ!」ダラダラ

はやり「そぉ~ぉ?」

戒能「イエス!」

えり「…あの、私…これで失礼しますね」

健夜「もう行っちゃうの?」

えり「一応、仕事の途中ですので…」

恒子「あ、そうでしたそうでした」

えり「では・・・」

戒能「ぐ、グッバイですー」

はやり「ホワイトデー期待してるよー☆」

えり「そんなそんな…」ペコリ…

恒子「………いやー、マジでホワイトデーなんですね」

はやり「でしょ?」

戒能「ウワサの真相、きいてみれば良かったですかね」

健夜「そんな怖いこときけない…」

恒子「・・・たしかに」

―――――

えり(さて、と……)コツコツ

えり「……………」コツコツ

えり(どうしよう、かな……)

えり(今日は…会えない…かな…)

えり(……………)

えり(やっぱり…慣れないことはやらない方が良いってこと、なのかな……?)

えり「…………」ハァ

えり(暗くなってきたし…寒い…息も白いし…)

えり(さっさと、仕事に戻って、暖まろ……)

えり「………っ」

えり「……………」

えり(なんで……)

?「おっ……」

えり(なんで、ここに……)

?「・・・・・・」テクテク

えり(あなたが………)

?「・・・よっ!」ニッ

えり「……み、みひろぎ、ぷろ……?」

咏「おー。そーだぜー」フリフリ

えり「な、えっと、どうして、え?」オロオロ

咏「……落ち着け。どしたんだよ」

えり「だ、だって……え?なんで?」

咏「ここにいるかって?」

えり「え、えっと……はい」

咏「知らんし」

えり「…………」イラッ

咏「怒るなよ…」

えり「お、怒ってませんっ!」

>>97
× 咏「怒るなよ…」

○ 咏「…いやいや、怒んないでよ」

咏「嘘付け、眉間にシワよってる」

えり「っ!」

えり「…~~~っ!そんなことどうでも良いんです!」

咏「ま、たしかにね~」

えり「……コホンっ!で、三尋木プロはどうして…私の仕事場に」

咏「んん~…ま、そーだねぃ…」ムム

えり「・・・?」

咏「んっ!」

えり「・・・はい?」

咏「・・・んッ!!」

えり「手を差し出されても・・・握手?」

咏「ちげーよ!」

えり「・・・ぐー」

咏「じゃんけんでもねーよ!」

えり「あっ」

咏「わかった?」

えり「……グーだと負けでした…チョキにすべきでしたね……」

咏「なんでえりちゃんがボケ倒してんだよ!!」

えり「す、すいません…なんだか、頭こんがらがっちゃって」

咏「……ったく」ハァ

えり「………で、結局…なんですか?」

咏「あのなぁ~えりちゃん?」

えり「はぁ」

咏「バレンタインだぜ?」

えり「そうですね」

咏「だろ?」

えり「はい」

咏「だから」ズイッ

えり「・・・・・・」

えり「……あの……私…バレンタインデーに贈り物は……」

咏「知らんし」

えり「いや、だから」

咏「ウワサは聞いた。えりちゃんが基本、チョコ贈らないってのも知ってる」

えり「なら!」

咏「知らんし」

えり「知ってるんじゃないんですか」

咏「いや、知らね」

えり「どっちですか!?」

咏「いいから」

えり「だから、」

咏「出せよ」

えり「あの、」

咏「ほれ早く」

えり「ちょっ」

咏「出せって」

えり「話を」

咏「ちょーだい」

えり「っ…!」

咏「・・・・・」

えり「……………」

咏「・・・ん?」

えり「……っ……」プイッ

咏「・・・ちょーだい」

えり「……ぅ……///」メソラシ

咏「・・・・・・」ジー

えり「……~~~っ」ギュゥ

咏「・・・・・・」ジー

えり「……………くぅ」ウナダレ

咏「・・・・・・」ジー

えり「………………」ゴソゴソ

咏「・・・・・・」

えり「……まいり、ました……」ハイ

咏「・・・サンキュウ」ニッコリ

えり「………なんで………」

咏「んー?」ホクホク

えり「……なんで、わかったんですか……」

咏「なにが?」

えり「私が、……それ、用意してたこと……」

咏「んん?あー、そりゃーねー」

咏「えりちゃんがバレンタインにチョコあげない理由を聞いたから」

えり「・・・・・?」

咏「ほら、あれってさ。えりちゃんがチョコあげたら、みんな誤解しちゃったんでしょ?」

えり「………そう、らしいですね」

咏「でも、私の場合はアレでしょ?」

えり「アレ?」

咏「誤解しちゃって、いいんでしょ?」ニッコリ

えり「っ!?」

咏「…いいんでしょ?」ニヤニヤ

えり「ぁ……う……////」カァァ

咏「それとも、だめなのかねぃ?」

えり「ぁ、え?な、なん…えっと、え?」アワアワ

咏「ねー、えりちゃん?」

えり「あ、ぅ、そのっ、えっと…ぇっと…」オロオロ

咏「……………」ニヤニヤ

えり「……~~~っ!」

咏(お?)

えり「…こほんっ!」

咏「…うん?」

えり「ご、誤解っ、しないでください!ばかっ!」プイッ

咏「・・・・・ほほぅ」ニヤニヤ

えり「べ、別に、これは、そのっ…あのぅ……」

咏「そっかそっか。誤解しないよ、悪かったねぃ」

えり「あの………へっ!?」

咏「変に勘ぐってごめんね~?」

えり「ぁ、えっと…わ、わかってもらえたなら……」

咏「・・・・・」

えり「その……よかった、です………」

咏「・・・・・」

えり「………………」シュン

咏「~~~っ!」ニヤニヤ

咏「じゃ、変な誤解は無しってことで」

えり「は、はい……」

咏「そう考えると、だ」

えり「………?」

咏「えりちゃんは基本、バレンタインに贈り物をしないと」

えり「は、はい……」

咏「なのに、私に今日、コレをくれた」

えり「はぁ……」

咏「えりちゃんは、誤解とか変な勘ぐりなしで、そのまんまシンプルに考えろと言った」

えり「え、えっと……?」

咏「そう考えた結果!」ビシッ

えり「っ」ビクッ

咏「……これは、えりちゃんの本命チョコだね?」

えり「………………へっ!?」ビックゥ

咏「そっかそっか。これはえりちゃんの“愛”が存分に詰まった“愛”の贈り物なんだね?」ニヤニヤ

えり「えっ?えっ!?」ワタワタ

咏「そーかそーか、私はそんなにえりちゃんに“愛”されていたと!」

えり「あ、あい…?…ぁぃ…ぅ…///」

咏「ん?あいう?えお?」

えり「ち、違っ!」

咏「ん?」

えり「ちがうんです!そうじゃなくて!」

咏「そうじゃなくて?」

えり「そうじゃ、なくて…」

咏「なんなのかなー?わっかんねーから教えてほしいなー?」

えり「…~~~っ///!!」

えり「……っ………っ……!」

咏「んんー?」ニヤニヤ

えり「~~…っ…それ…」

咏「お?」

えり「それ…もう…」プルプル

咏「なに?」

えり「返してくださいっ!」バッ

咏「おっとぉ」ヒラリ

えり「もうやです!せっかくあげたのに、三尋木プロのばかぁっ!」ナミダメ

咏「だぁーめ」

えり「返してっ!!」バッ

咏「知らんし~」ヒラリ

えり「うぅぅ~!!」

咏「おらっ」シュルッ

えり「あっ!」

咏「おお、トリュフ」カパッ

えり「ま、待っ…」

咏「いただきまっ」パクッ

えり「あ、あぁ~…っ…」

咏「……んっ、うまい」ペロッ

えり「たべ…た……」ガクッ

咏「おー、食べてる。これ手作り~?」

えり「……………」

咏「うまうま」モグモグ

えり「……なんで…わたしがこんな目に……」クスン

咏「私に惚れたら火傷するぜぃ?」

えり「ほっ……ほっ、ほれっ…て、なんか…っ…!」

咏「違うの?」

えり「ほれて…なんか……」

咏「……嫌い?」

えり「っ……それ、は……」

咏「……………」ジッ

えり「………い……です……」ポツリ

咏「……ん?」

えり「……ずるいです……そんな聞き方……」

咏「知らんし」

えり「・・・・・」

咏「……………」

えり「・・・そんな、三尋木プロは…嫌いですっ!」プイッ

咏「おっと」

えり「わたしっ!仕事が残ってますからっ!!」スクッ

咏「ちょ、えりちゃん?」

えり「知りません!!」スタスタ

咏「えりちゃーん!」

えり「……………」スタスタ

咏「ホワイトデー!期待してろよー!!」

えり「っ!」ピタ

えり(あの人……ホワイトデーにお返しとか……)

タタタッ

えり(しないんじゃ………)クルッ

咏「おっとっ!?」

えり「えっ!?」

ポフッ

咏「……とぉ」

えり「なっ…なっ、なっなっ…///」カァァ

咏「…急に振り返るなよ」

えり「だ、だ、だって、あなた、急にこっちに走ってくるなんて、思わないし…!」

咏「・・・・・・」

えり「あ、あの、は、離して、くださ……」

咏「・・・やだ」

えり「や、やだって、そんな・・・!」アワアワ

咏「知らんし」ギュー

えり「…~~~っ///」パクパク

咏「……………」ギュー

えり(なんで……なんで、こんなことに……っ)ドキドキ

咏「……ねー、えりちゃーん」

えり「は、はいっ?」

咏(声ひっくり返ってる…)クスッ

えり「な、なんですか…っ」

咏「………いや、いーや!」パッ

えり「………はっ!?」

咏「んじゃ、そーゆーことで!」

えり「…………はっ?」

咏(焦るな、焦るな…)

咏(脈アリってことは十二分にわかった。今、急に答えを出させるのは…正解じゃない)

咏「ホワイトデー、楽しみにしてろよ~?」

咏(とりあえず、一ヶ月やるから)

えり「へっ……えっ…?」

咏(それまでに、まとめとけよ)ニッ

咏「じゃーなー」フリフリ

えり「まっ……」

咏(一ヶ月くらい、どってことないよな、うん)スタスタ

えり「待ちなさいよばか!!」グイッ

咏「うごッ!?」

えり「あなた、ほんと何考えてるんですか!?」グググ

咏「ぢょ、ま、ぐるじっ…」ジタバタ

えり「なにが“じゃーなー”ですか!無理矢理チョコ渡させて!散々弄ばれて!勝手に食べて!」

えり「カツアゲの上食い逃げですか!?」

咏「そ、そういうことじゃっ、あのっ、エリ掴むのやめっ」ジタジタ

えり「そのうえ呼び捨てですか!何様ですか!?」グググ

咏「“えり”じゃねぇ“襟”だァァァ!!」

えり「えっ!?」パッ

咏「うぐっ……はっ、はぁ、はぁ…」ゼェゼェ

えり「あ、あの、すいま……」

えり「………いや、謝りません!!」

咏(この女ひでぇ)ゼェゼェ

えり「そもそもあなたが変なこと言わなきゃ…いや!こんなところに居たから悪い!」ズビシッ

咏(説教始めやがった)ゼェゼェ

えり「こんなところにいたら、私仕事しなきゃいけないじゃないですか!」

咏「・・・はっ?」

えり「せめてメールで呼び出すとか、家に来るとか!そのくらいの気遣いはしなさいよ!」

咏(え?何言ってんの?)

えり「5分。そこで待っててください」

咏「え?」

えり「5分後、私は体調不良でここに戻ってきますから」

咏「あ、あの、」

えり「あなたは体調が悪い私に気を使って、私の家まで荷物運び!!」ズビシッ

咏「!」

えり「わかったらそこのベンチにでも座っておとなしく待つ!」

咏「えりちゃん?」

えり「なんですかっ!異議は容赦なく……」

咏「こっからなウチのが近いと思うんだけど」

えり「きゃっか……え?」

咏「体調悪いなら、ウチ来いよ」

えり「……………」

>>151
× 咏「こっからなウチのが近いと思うんだけど」

○ 咏「こっからならウチのが近いと思うんだけど」

えり「………なるほど」

咏「悪くないっしょ」

えり「………いいでしょう。では、三尋木プロの家ま……三尋木プロの家?」

咏「おー」

えり「…それ…って……っ///」カァァ

咏「うん?」

えり「…ばっ…ばかっ!」

咏「はっ?」

えり「えっ…えっ……」

咏「え?」

えり「えっちなのは、だめですっ!!」

咏「……な、なぬっ!?」

えり「三尋木プロのへ、へんたいっ!」

咏「いやいやいや!!」

えり「きゃっか、却下です!やっぱりウチにします!!」

咏「あんまり代わんないだろそれ!?」

えり「どうすればいいんですかぁっ!」

咏「知らねーよ!」

えり「…~~~っ」ムー

咏「もうさ、ウチでいいじゃん。近いし」

えり「・・・もう、真ん中を取って・・・」

咏「?」

えり「そのへんのホテルの部屋n」

咏「悪化したーー!?」

えり「だっ、だって……」

咏「大丈夫かよえりちゃん…酔ってる?」

えり「飲んでません!」

咏「いや、いくらなんでもオカシイって…」

えり「あなたにオカシイ言われる筋合いはありませんっ」

咏「いやいや。…なんか食べたりした?」

えり「チョコレートくらいしか食べてませんっ」

咏「…チョコ…?」

えり「瑞原プロたちのところに行く前に、頂き物のチョコレートを食べただけです」

咏「……多分それ、酒入ってたんだよ……」

えり「え」

咏「通りでボケ倒しな訳か…酒かなり回ってきてるよな…」

えり「酔ってません!」

咏「酔ってるやつはみんなそう言うんだよ」

えり「酔ってないっ」

咏「へーへー、とりあえず…」

えり「…酔ってないもん…」

咏「」

咏(ちょ、今、キュンッてした。なんだ今の)ドキドキ

えり「……………」ムー

咏「……わ、わかった。酔ってない、な?」

えり「そです。酔ってないのです」ムンッ

咏(酔ってるって自覚したせいか酷くなってきたぞコイツ…)

ピリリリッ ピリリリッ

えり「はれ?」

咏「けーたい、えりちゃんだね」

えり「あ、えっと…」ゴソゴソ

ピッ

先輩アナ「ちょっと針生!アンタ今どこに…」

えり「せ、先輩?…あれ?声が近くに…」

先輩アナ「え?……あ、いたーッ!針生ーっ!」

えり「あ、せんぱーい」フリフリ

先輩アナ「・・・・どしたのアンタ」

咏「あーあーもう…」

えり「えっと、先輩」

先輩アナ「え、ええ……って、三尋木プロ?どうしてここに」

咏「あー…なんだ、その…針生が、チョコレートボンボンかなんか食べたらしくて」

先輩アナ「…アンタ…私があれほど“ちゃんとパッケージ確認しろ”って言ったのに…」ハァ

えり「確認しましたよ。だから消費期限の一番近いやつから食べて……」

先輩アナ「…あー、はい。なんとなく察しました。…早退?」

えり「あ、はい。どうしてわかったんですか?」

先輩アナ「……アンタ、一人で帰れる?」

えり「な、なんで子供扱いするんですか!?」

先輩アナ「…ダメだ、完全にポンコツだ…」ハァ

えり「と、とんこつ?」

咏「えりちゃん、ちょっと黙って」

えり「!」ガーン

先輩アナ「えーっと、三尋木プロ?」

咏「あ、あー。カクカクシカジカで、荷物持ってとりあえずウチに一緒に来てもらう予定っす」

先輩アナ「…お手数かけます」ペコリ

咏「…いや、いーっす。んで、針生の荷物ってのは…」

えり「・・・・・」ショボン

………………
…………
……

咏「えーりちゃーん」

えり「…………」

咏「おい、えりちゃん」

えり「……しばらく黙れって……」イジイジ

咏「もういいから。帰ろ」

えり「…荷物は…?」

咏「チョコの山ならもう宅配に頼んだ。あんな量持って帰る気だったのかよ」

えり「…いーじゃないですか、べつに」

咏「へーへー。タクシー呼んだから。行こ」

えり「……………」シュン

咏「どしたん」

えり「……三尋木プロ……」

咏「ん?」

えり「…………さい……」ポツリ

咏「え?もっかい…」

えり「…ごめんなさい…」

咏「」

えり「…………」シュン

咏(ホントにウチに連れ込んでいいんだろうか)ドキドキ

咏「い、いいからほら。いくぜ」

えり「…………」コクリ

咏「どーせ泊まってくっしょ?晩ご飯なにが良い?」

えり「…甘くないものならなんでも…」

咏「おっけ。お、タクシー来た」

えり「・・・・・・」

咏「ほら、いこ?」

えり「・・・・・・」

咏「……ん?」ニコッ

えり「……はい……」

………………
…………
……

三尋木家 風呂

えり「……はふ……」チャプン

えり「……ふふ、きもちぃー……♪」

えり「………」

えり「…………」

えり「………………」

えり「って違うでしょぉおおおぉ!?」バシャッ

~酔いが覚めました~

三尋木家 リビング

咏「・・・・・・」

咏(さて…)フゥ

咏(なんかそういう流れで、酔っ払った女子アナを家に連れ込んでしまった…)

咏(……エロ漫画かよ……)

咏(しかも…脈アリ。これは…なぁ…?)

咏(お互い子供じゃないわけだし…期待していいのかねぃ…)

咏(……………)ムラムラ

咏(流れに身を任せ…いくところまで、いくしかない!)ゴゴゴゴッ

咏(酔ったえりちゃんのことだ…きっとふにゃふにゃになって出てくるに違いない…)

咏(こう…)

えり『いーお湯でした~♪』フラフラ

咏(みたいな…パジャマのボタンかけ間違えてて、胸元が、こう……)

咏(……………)ムラムラ

咏(は、早くこないかな…)

ガチャ

咏「あ、えりちゃ……」

えり「どうも。いいお湯でした」ニッコリ

咏「あれっ!?」

えり「……なにか?」

咏「い、いや…あれ?えりちゃん?」

えり「はい?…ああ、三尋木プロ。先ほどは大変失礼しました」

咏「…………へ?」

えり「なんだか朦朧として…あんまり覚えてないですが…」

咏「…………へ?」

えり「まぁ、とりあえず……」

えり「お話、しましょう?」

咏「…………へ?」

えり「…さっきからそれしか言ってないですけど、大丈夫ですか」

咏「え、えりちゃん!」

えり「は、はい?」

咏「な、なんか飲む?」

えり「え?いえ、大丈夫ですが…」

咏「遠慮すんなって!ほら、これうまいよ!」

えり「……お酒はもう飲みません」ジトッ

咏「ぐっ……」

えり「そんなことより、問題を解決させちゃいましょう」

咏「問題……?」

えり「なに忘れてるんですか。今日は何月何日?」

咏「え?2月14日だけど」

えり「ええそうです。…バレンタインデーです」

咏「ああ。それが?」

えり「それがって…」

咏「えりちゃんが私に本命チョコを…」

えり「わあぁぁあぁっ!!////」ガタッ

咏「…………」ニヤニヤ

えり「……っ!…こほん」

咏「で、それのどこが問題だって?」

えり「全部です」

咏「全部?…どっからどこまでが全部?」

えり「全部です」

咏「だから」

えり「全部です」

咏「・・・はいはい」

咏「そんじゃさー…一番の問題を聞きたいんだけど」

えり「はい?」

咏「あのチョコは本命チョコなの?」

えり「・・・・・・」

咏「それさえ、言ってくれればぶっちゃけ解決………」

えり「う、うるさいっ!」

咏「へーい」

えり「そ、そもそもっ!三尋木プロがあんなに色々言わなければすぐに終わってたんですよ!!」

咏「色々ってなーにー?」

えり「だ、だからっ・・・わかってるくせに、わたしを、追い詰めるようなっ・・・」

咏「なぁーんもわかんねーなー?」チラッ

えり「…~~~っ!」

咏「…引き止めたのはえりちゃんだぜ?」

咏「私は一回、えりちゃんに時間をあげようとした、なのにえりちゃんは引き止めた」

えり「・・・・・」

咏「もう、言いたいことは決まってるんじゃないの?」

えり「・・・・・」

えり「・・・・・」

咏「………ん?」

えり「わたし……」

咏「……………」

えり「……………」

咏「……………」

えり「……くっ……」

咏「?」

えり「口が裂けても……言いたくないです……ッ!」プルプル

咏「オイ」

咏「お前・・・どんだけスナオじゃねーんだよ・・・」

えり「うるさいうるさいうるさい!」

咏「まー、知ってたけどさ…」

えり「と、いうか!アナタ私がなにに苦しんでるかわかってるんでしょう!?」

咏「わぁーってるよ?」

えり「じゃあもういいじゃないですか!」

咏「そんなのつまんねーし」サラリ

えり「あなたはっ…どれだけわたしを弄べば気が済むんですか……っ!」プルプル

咏「そりゃ・・・未来永劫?」

えり「みらっ……」

咏「だから、早く聞きたいなぁー」

えり「ぅ……うぅぅー……」プルプル

咏「…………」

えり「…………」プルプル

咏「…………」

えり「…………」プルプル

咏「………ふぁ」アクビ

えり「」イラッ

えり「・・・もう知りません、さようなら」

咏「ごめんごめん!悪かった!でももう夜だし!こんな沈黙じゃ眠くもなるわ!!」

えり「こっちは全力なのに…っ」

咏「あ、じゃーこうしよう。二人同時に言う。どうだ!?」

えり「えっ?」

咏「これならまぁいいだろ?」

えり「…………」

咏「な?」

えり「………分かりました」

咏「おっし、じゃーいくぞー」

えり「え?ちょ、ちょっと、まだこころの準備がっ」

咏「いっせーのー…」

えり「ちょっ」

咏「せっ!!」

えり「ぁ、だ、だっ、だいすきっ……!」

咏「…………」

えり「…………」

咏「…………」ニヤニヤ

えり「………え………?」ポカン

咏「…プッ…くくく……ふ、ふふっ……」プルプル

えり「ぁ……あぁ……////」ワナワナ

咏「ぷ、クスクス……クッ…はっ…ははははっ!」

えり「あぁ……そんな…だめ、なし、今の、なし……!」

咏「こんな…クッ…やっすい手に…フフフッ…引っかかっ……ふ、クククッ」

えり「忘れて、そんな、罠仕掛けるなんて
…っ…そんな、そんなの……っ////」

咏「しかも、好き、とか付き合ってくださいとか、じゃなくて…クククッ…だ、だいすきって…!あーっはっはっはっは!!」

えり「や、やめっ…やめてっ、ねぇ、ほんとに!やめてっ!だめ、だめだって……あ、ぁぁ…////」ガクッ

咏「よしっ!さいっこう!えりちゃん、許す!」

えり「誰かわたしを殺して……」

咏「よしよし、よく頑張った」ポムポム

えり「……もう……いや……」

咏「ご褒美だ、私とコイビトになる権利をやろう」

えり「……………」

咏「なに、嬉しくないの」

えり「……素直に……喜べるわけないでしょうばかぁぁ…!」ナミダメ

咏「うーん…じゃあ、そうだねぃ……」

えり「うぅ…ばか……ばかぁぁ……もう、きらいです…三尋木プロなんかぁ……」ツップシ

咏「でも、だいすきなんでしょ?」

えり「っ!!」ビクッ

咏「ね?だいすき」ニヤニヤ

えり「きらい!きらいきらい、だいっきらい!!」

咏「……………」

えり「だいっきrんんぅっ!?」

咏「………ん」

えり「」

咏「コイビトになる権利、付与~」

えり「」

咏「これで、晴れてやっと“両想い”だねぃ」

えり「……わたしのきもち、気づいてたくせに……!」

咏「えりちゃんだって知ってたろ?」

えり「そりゃ、チョコ渡すときに、いろいろ思わせぶりなことを言っていたから…!」

咏「でも、完全に確かめあったのは初めて」

えり「……きらいです」プイ

咏「好き」

えり「きらい」

咏「すき」

えり「きらいっ」

咏「だーいすき」ナデナデ

えり「っ」ビクッ

咏「……だーいすき」ボソッ

えり「ぅ………////」

咏「私は、えりちゃんがだーいすき」キュ

えり「ぅ、あ…ぁ……///」アワワワワ

咏「でも、違うの?」スッ

えり「ふぇ……ぁ、あの……」

咏「私は、こんなに好きなのに……」

えり「か、かお、近……っ」

咏「えりは、きらいなの?」ニッコリ

えり「~~~っ////」

バッ!

咏「おっ?」

えり「…もう、許してください…まいりました…」クタッ

咏「……へぇ?」ニヨニヨ

えり(身が持たない…心臓、爆発する……)ドキドキ

咏「じゃあ、えりは私がだーいすきなんだ?」

えり「……ぅ……」

咏「言ってみ?だーいすき」

えり「み、みひろ…」

咏「うーん、下の名前で行こうよ」

えり「!?」

咏「な?名前で呼んでよ。私みたいにさ…えり?」ボソッ

えり「ぅあぁ…っ///」パッ

えり(み、耳元で囁くのだめっ…)ドキドキ

咏「ほーら、はやく」

えり「……ぅ……」

咏「……………」

えり「ぅ……た……」

えり「………さん………///」

咏「うーん、さんいらないんだけどねぃ~。ま、いっか」

えり(うぅぅ……///)

咏「んじゃ、ほら。言ってみ?だいすきってさ」

えり「な、なんで……」

咏「な、えり♪」チュッ

えり「ふぁぁっ///」

咏「かーわい♪」クスクス

えり(ほ、ほ、ほっぺた、にっ…と、言うか、この人どうしたのっ…)

咏「はーやくぅー」スリスリ

えり「あ、ぅ、ぅぁ……っ///」

えり(身体、触られたとこ、痺れるみたいな……っ)ゾクゾク

咏「ん?」ニヤニヤ

咏「えーりー?」スリスリ

えり「あっ、ぁっ、も、ちょっとっ」ドキドキ

咏「なーにー?」

えり「す、すき……」

咏「そうじゃないでしょ?」ペロッ

えり「ひゃ!?」

咏「……えり?」

えり「だ、だいすき…だいすきだから、もうっ、許してくださいぃ……!」ドキドキドキ

咏「……ん。ま、いいだろー」

えり「ふぁ……?」

咏「へへ。…いいね~こーゆーの」

えり「は、ぁ……?」

咏「ふつーに、イチャイチャしてるカ・ン・ジ」

えり「ふ、ふつう・・・?」

咏「まだ序の口序の口♪」

えり「う、うぅ……///」

咏「手始めに、一緒に寝る?」

えり「えぇっ!?そ、それはその、私にはまだハードルが高いというか、その……」モジモジ

咏「……だめかい?」ジッ

えり「えっ……えっ?」

咏「いーじゃん、一緒に寝ようよ」

えり(今年のバレンタイン…この日を通して、私は一つ学びました)

えり(“慣れないことはやるものじゃない”…チョコなんて、作るんじゃなかった)

えり(だって………だってこんな………)

えり「っ////」ポフンッ

咏「およ?えり?…えりー?」

えり「………////」プシュー

咏「……パンク、したかな?…へへっ、かーわいい」ニヤニヤ

えり(絶対、身が持ちません……)


おわり

眠くなるとひたすら収集がつかないイチャイチャを書く傾向にあるらしい
最初の方しかバレンタインやってないけど許してください
支援保守読んでくれた方ありがとうございました

おやすみ

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