一色「俺は生徒会選挙に立候補するぜ!」 (52)

勇太「は?」

一色「そのままよ」

勇太「…それマジで言ってるのか?」

一色「おうとも!」

勇太「まあ頑張れよ」

一色「まてやコラ」

勇太「なんだよっ!」

一色「呼び込み手伝ってくれよ」

勇太「ん、ああ…」

一色「ん?どうした?」

勇太「いや、お前本気かそれ」

一色「ダメか?」

勇太「いや、ダメとは言わんが」

一色「なら確定な!」

勇太「…はぁ」

森夏「――で、アンタは一色の手伝いをしているんだ」

勇太「ああ」

森夏「ふぅん…まあ、好きにすれば良いとおもうけど」

勇太「丹生谷も生徒会出るんだって?」

森夏「そうよ。狙うは生徒会長!」

勇太「…凸守が妨害しそうなきがするのですがそれは」

森夏「はっ、笑わせないでよ。あんな中坊に何が出来るのよ」

勇太「油断すんなよ」

森夏「ええ。アイツにはアメとムチで対応するわ」

勇太「お、おう…(こっわ」

一色「さて、生徒会選挙に必要なのは…」

勇太「で、お前なんで米良君とか居ないんだよ!?」

一色「あー?そりゃ富樫、あれよ!普段の行いの悪さだろうw」

勇太「…それでよく生徒会選挙に出る気になったな」

一色「受かれば履歴書のネタ、落ちても思い出になるからな」

勇太「お、おう…(黒歴史確定な気が…」

一色「まあやるからには本気でやるけどな!」

勇太「そういえば丹生谷辺りも出るけど、対抗候補は確認してあるのか?」

一色「ああ。俺が飛沫候補とはいえ、相手にとって不足はない…と強がっておくぜ!」

勇太「一色…頑張れよな」

一色「頑張るからバックアップよろしくな」

勇太「」

森夏「さて…この体たらくはなんなのかしら?」

凸守「やいやいニセサマー!機関報を配ってきてやったデェス!キサマはこの凸守に感謝して然るべきデェス!」

六花「安心して丹生谷。凸守の発行紙には検閲を入れた」

森夏「は、ははは…」

凸守「と言うわけで、凸守はニセサマーの魅力を宣伝して回るデェス!」

六花「では丹生谷、健闘を祈る」


森夏「…頭痛くなってきた」

くみん「モリサマちゃんなんか楽しそうだねー」

森夏「楽しくなんかないわよ」

くみん「でも楽しまなきゃやってられないよぉ?」

森夏「…くみんセンパイは生徒会関係の活動は?」

くみん「昔ちょっとだけねー」

森夏「そ、そうですか」

森夏(…まずいわね。一色にも負けるかもしれないわ)

一色「なあ勇太」

勇太「なんだよ」

一色「米良君とか呼べないか?」

勇太「お前なあ!そういうのは最初に呼んでおくもんだっての」

一色「それもそうだが…」

勇太「まあ、声は掛けてみるよ」

一色「ああ、頼むわ!」

勇太「…おい、何処に行く気だ?」

一色「敵情視察」

勇太「随分な余裕だな…」

一色「ビラ刷ったし、演説の台詞も大体出したからな。ちょっとだけ余裕ができた」

勇太「余裕ぶっこいてると死ぬぞ?」

一色「なぁに、その辺はなんとかなるさ」

勇太「…大丈夫かよ」

勇太「…おい一色」

一色「なんだぁ富樫」

勇太「どうするんだ?まわり滅茶苦茶本気じゃないか」

一色「うーむ…これは対策が必要か」

勇太「ほう。で、どんな対策を考えているんだ?」

一色「金でもばら撒くかw」

勇太「おま、それ犯罪だろ」

一色「国政県政じゃないからオッケーじゃね?」

勇太「ダメだろ…」

一色「うーむ」

勇太「…とりあえず、アレじゃないか?立候補は断念して他所の候補を応援するとか」

一色「それじゃ意味がない」

勇太「じゃあアレか?何か人気が出るような事をするとか」

一色「…正攻法だな。それやるか」

勇太「今からか?」

一色「いや、すでに手は打ってある」

勇太「ほう、具体的には?」

一色「掃除当番変わったりとか」

勇太「お、おう(ただの便利屋…」

一色「まあそれは冗談にしてもだ。色々やってるよ」

勇太「そ、そうか。お前も色々頑張ってるんだな」

一色「だから勇太も票田作るの手伝ってくれよぉ」

勇太「一年のアレがなけりゃなあ…」

一色「ああ。あれはちょっと痛い失敗だった」

勇太「まあ、済んだ事だししゃーないか」

一色「ああ。しょうがない…」

勇太(しかし…一色も丹生谷も、生徒会選挙に出るとは言ってたが…)

勇太(本気で票を取りに行ってるのは良いんだけど、あれは両方落ちるぞ)

勇太(どっちかに纏めないと他候補に勝てずに共倒れしそうだよなぁ)

葛葉「お兄ちゃん、大変!」

六花「勇太!フライパンが!」

勇太「あっ」


勇太「…なんかデジャヴを覚えるんですが」

葛葉「一年位前にもこんな事あったよね…^^;」

六花「ほう。それは」

勇太「クズハ!」

葛葉「あ、あはは…」

六花「そう言えば、一色はどうなっている?」

勇太「ああ、アイツか?どうなんだろうな」

六花「丹生谷共々、正直色物扱いを受けているように見える」

勇太「…同感」

樟葉「お兄ちゃんも六花さんも、友人の応援に回っているの?」

勇太「ああ。俺は一色ってヤツを、六花は丹生谷ってのを」

六花「そう。どちらも結社からの刺客。爛れた生徒会のメスとすべく立ち上がった最強の布陣」

勇太「爛れてません(コン」

六花「あぅ…本当?」

勇太「まあ、ウチの部から生徒会長が出たら面白いかもしれないけどさ」

樟葉「へぇ…二人とも、なんか生き生きしてる」

勇太「そ、そうかな」

六花「当然。邪王真眼は常に全力」

樟葉「あ、あはは…」

勇太「おい一色、勝算はあるのか?」

一色「ああ。ないね」

勇太「無いのかよ!」

一色「俺は常に正攻法でやると決めているからな!」

勇太「…バカ正直なのは良いんだが、それじゃ多分負けるぞ?」

一色「だよなあ。正直普段の評判がベースにあるだろうから…」

勇太「とはいえ、ちょっとはウケは良いんだろ?」

一色「まあな。とはいえクラスの人気者が精々だけどな」

勇太「おぉ、でもぼっちよりはマシじゃんか」

一色「そうか?結社じゃ最近酷い目にあってるし」

勇太「うっ」

一色「そうだ。お前の女装姿のブロマイドを配れば」

勇太「いーっしーきー?」

一色「じょ、冗談だって」

森夏「今日は所謂街頭演説に出るわ」

くみん「モリサマちゃん、日付は大丈夫?」

森夏「そろそろ解禁日だから大丈夫でしょ」

凸守「ほう?解禁日は明日ではないんデェスか?」

六花「ちなみに無許可演説はペナが付く」

森夏「…確認はしたわよ?」

六花「実行の有無は丹生谷次第。私は感知しない」

森夏「…今日の小鳥遊さん、随分とクールね」

六花「…フフン(アホ毛ペシペシ」

森夏「それじゃあ、演説の下見って感じでどう?それなら文句は無いでしょう?」

凸守「準備だけしておくという体デェスか?」

森夏「そうよ」

くみん「モリサマちゃん大胆~」

森夏「…ハッ、大胆?こんなもんでしょ」

六花「ビラとかの準備は」

森夏「ええ。とりあえず刷れる分は刷って、何時でも持ち出せるような感じで」

六花「了解した」

一色「さーて、他陣営はどんな感じかなー」

勇太「おい、良いのか?遊んでいて」

一色「良いんじゃね?ビラ刷ったし」

勇太「…俺大分やったぞ?」

一色「その点は助かった。感謝してもしきれない」

勇太「まあ一度乗った舟だ。とことんやるっきゃないだろ」

一色「おう、頼もしいな。泥舟だと思ってドンブラコと流されようぜ!」

勇太「沈没するってそれ」

一色「…おっ。よぉ、丹生谷。暇潰しか?」

森夏「あら、一色クン。アナタこそ暇潰しかしら?」

一色「俺は暇潰しだ」

森夏「そう。私は演説の下見にね」

一色「ほー…まあ、頑張ってな」

森夏「アナタも立候補したんでしょ?」

一色「したが、それが何か」

森夏「負けるつもりは無いから」

一色「そりゃ頼もしい」

森夏「あんた達を負かして、私は生徒会長になるわ」

一色「ほー…じゃあなったら俺を会計にでも呼んでくれないか?」

森夏「そこまでして生徒会に入りたいの?」

一色「正直今の俺は迷惑しか掛けてないからな」

一色「生徒会に入るのが近道だと思ったのさ」

森夏「…そう。まあ、頑張る事ね」

一色「ああ、そちらさんもな!」

中二病って中二といちゃいちゃする以外に進行パターンが無いから辛いよね

勇太「…あいつら…仲違いしたのか?」

凸守「そう見えるデェスか?」

くみん「やっほー富樫クン」

勇太「お、…あれ?二人共、何故ここに?」

凸守「キサマ達には負けない、と宣戦布告したに過ぎないのデェスよ」

勇太「…ほお。俺には互いに頑張ろうと挨拶したように見えたが」

くみん「同じ事だよぉ」

勇太「さ、さいですか」

凸守「何れにせよ、終わるまでは貴様らはライバルデェス」

勇太「おう。そうじゃなきゃな」

凸守「マスターが言っていたデェス。『負けたら勇太にチャイナ服着させる』と」

勇太「…やべぇ、負けられねぇ」

一色「選挙で何かしら売りがないと厳しいよなー」

勇太「例えばほら、自転車通学を認めさせるとか」

一色「それいいな。出来れば原付もオーケーとかしたいけど」

勇太「厳しいだろうな…ナナちゃんは良いにしても、他の先生方は厳しいだろうし」

一色「でもそれ公約に出来たら結構イケそうじゃないか?」

勇太「そうだなあ。俺も本気出して手伝わないとならなくなったし」

一色「…なんだ?小鳥遊さんに女装させられるとか?」

勇太「なんでだよ?なんでわかるんだよ…?」

一色「いやだってほら、お前結構可愛いし」

勇太「…ど、どう反応すりゃ良いんだ!(ペシィ」

一色「い、いってぇ…」

森夏「さて…どうするかしらね。一色にケンカ売ったのは良いけれど」

凸守「ヤツラをギャフンと言わせるには」

くみん「富樫クンの魅力を紹介する?」

六花「くみん」

くみん「じょ、冗談だよぉ六花ちゃん」

凸守「ま、マスターも本気デェス」

森夏「さて、どうするかしらねえ。何かしら公約でも引っ張ってくれば…」

くみん「中庭に昼寝スペースとか」

凸守「中庭の有効活用…デェスか」

六花「昼食が教室限定というのを緩和させるのはどうか」

森夏「いいわね、それ。検討してみる価値は有りそうだわ」

凸守「そうデェスね。では、先生方に聞いてくるデェスか?」

六花「凸守。前髪下していくといい」

早苗「そのつもり…でしてよ」

森夏「…前から思っていたんだけど、あんた怖いわ」

早苗「あら、センパイは何を言っているのでしょう?(ケラケラ」

六花「凸守は三段階の変身形態を持つ。…あとはわかるね?」

くみん「六花ちゃん、それは…」

早苗「もう、小鳥遊先輩ったら」

六花「こ、こうなった凸守は怖い」

早苗「そうですよ。私は怖いんです」

早苗「じゃあ、怖いついでにもっと怖い先生方と交渉してきましょう?」

森夏「そうね。公約を引っさげて…やるわ」

くみん「わあ、なんか動き始めたって感じだねぇ」

六花「……」

一色「…なあ勇太。原付オッケーって通ると思うか?」

勇太「無理だろうな。三ない運動が無くなったといえど、アレルギー体質はまだまだ健在だろう」

一色「教習、講習を受けさせるとか、ルートを指定するとか言えば…」

勇太「それで黙らせられるほど、先生方は甘くないと思うが」

一色「まあなあ。ただ、原付を上げて、そこからなし崩し的に自転車は?と行かせたら?」

勇太「ハイボールテクニックか」

一色「まあ、過去にも何度も同じ事を試した先輩方が居たと聞いたから、すんなりとは行かないだろうけどな」

勇太「それを何とかするのが…俺か?」

一色「いや、交渉は俺がやらないとダメだろ?勇太には、原付で検討している風に見える資料の作成を頼みたい」

勇太「…善処するが、それで交渉が成功するかはやってみないと」

一色「何事も試してみなきゃわからんだろ!やったろうぜ!」

勇太「おう!」

森夏「…あら」

一色「よぉ」

森夏「一色君とは結構あちこちで会うわね」

一色「確かにな。…で、そっちは公約か何かでも先生に相談しにきたのか?」

森夏「交渉よ。アンタは?」

一色「交渉だぜ」

森夏「ふぅん……」

勇太「おま…凸守…?」

早苗「あら、センパイ。また逢いましたね(///」

勇太「…なんか不可触な雰囲気を纏っているな?」

早苗「あら、そうですか?…もしかして、センパイは罵られたいとか?」

勇太「はっ?」

早苗「気安く触るな、下郎」

勇太「!?」

早苗「…とか言われたかったりするのですか?」

勇太「い、いや全く…」

六花「勇太。いや、ダークフレイムマスター」

勇太「り、六花?」

六花「凸守と蜜月?」

勇太「い、いやそんなんじゃ…」

六花「チャイナ服」

勇太「」

一色「で、どっちが先に行く?」

森夏「一色君が先で良いわよ」

一色「いやここはレディファーストっしょ」

森夏「…そう?じゃあお先に」

一色「いい結果になるといいな」

森夏「アンタこそ」


一色「さあて。…お?勇太、どうした?顔青いぞ?」

勇太「ああ。…ちょっとな」

一色「しょげてる暇無いだろ」

勇太「ちょっと精神的に来たんだほっといてくれ」

一色「まあそういう事もあるか…」

森夏「…さて、じゃあ交渉に入るわ。誰かついてきたい?」

くみん「凸ちゃんは?」

早苗「先輩方が入った方が宜しいのでは」

六花「1年から3年まで揃っていた方が通りが良いのでは?」

早苗「なるほど…小鳥遊先輩、それは名案です」

六花「当然(アホ毛ペシペシ」

森夏「…じゃあ、凸ちゃん、私、くみん先輩でいい?小鳥遊さんには外で待っていて貰う事になるけど」

六花「あんまり大所帯で入るのもアレだろう。私は外で貴様らの帰りを待つ」

森夏「…あのー、私達勇者でもなんでもないんだけど」

六花「じゃあ議員の先生に上訴する公衆で」

森夏「まあなんでもいいわ…じゃあ、行ってくるわね」

六花「うん。良き知らせを待つ」

一色「…じゃあ、俺の番かな」

森夏「ええ。…まあ、頑張って」

一色「ああ。おーい富樫、行くぞー」

勇太「お、おう」

六花「勇太」

勇太「うん?」

六花「放課後、結社で待つ」

勇太「…行けたらな。自宅の方が良いかもしれない」

六花「そっか」

勇太「なるべく行くよ」

六花「わかった」

一色「富樫ぃー急げー」

勇太「わーったよ待ってくれ!」

六花「…頑張れ、ダークフレイムマスター」

一色「なんかこの部屋にこのメンツで集まるのも久々な気がするなあ」

くみん「そうだねー」

一色「くみん先輩は生徒会関係の運動ってやった事は?」

くみん「昔何回かやってるよー」

一色「(何回か…?)そ、そっすか。じゃあ丹生谷も安泰っすね」

くみん「一色君、応援してるよ!」

一色「あざっす先輩!その一言だけでも戦えます!」

森夏「…何この雰囲気。邪魔しちゃ悪そうね」

凸守「うーん…あの一般人、なかなかやるデェス」

六花「結社といえどくみんとゴブリンの蜜月か」

勇太「一色だからな?ゴブリンじゃないぞ」

一色「しかし、この途中報見て驚いたなあ」

森夏「ええ。思ったより票がバラついてるわ」

勇太「一色、お前結構集めてるじゃないか」

一色「ああ。夢の中で1パーセントとか見て、相当うなされたぜ…」

森夏「あんたが2割強、私が2割弱…うーん。中々厳しい戦いだわ」

六花「丹生谷も一色も、双方が魅力的な公約を実現させられると踏んだ公衆が、票を纏めようとしているようだ」

凸守「貴様らの手腕に掛かっているのデェス」

一色「こりゃ大分胃が痛くなるな」

森夏「まあこんな所でへたばってられないけれどね」

森夏「しかし、自転車・原付通学を認めさせるなんてね」

一色「当選が条件だからな。それに、七瀬先生が校長先生に口添えしてくれた」

森夏「え?あんたも?」

一色「そういえば丹生谷は昼食を中庭で取れるようにするって公約だったな」

森夏「ええ。私も九十九先生に聞きにいったんだけれど」

一色「…ナナちゃんって何者…?」

六花「ナナちゃんは結社の盟主たる私の更に上位に立つ。その位は当然出来る」

勇太「ナナちゃんぱねぇな」

凸守「しかし…選管の途中報を見るに、一色は男性票、ニセサマーは女性票が多いようデェスね」

勇太「まあ当然だろうな。例外も有るだろうけど、そういう風になるんじゃないかとは思っていた」

凸守「まあ、ここから盛り返すのがニセサマーの手腕デェスがね」

勇太「ほぉ?一色には是が非でも勝ってもらわにゃならん訳だが」

凸守「キサマ達には負けないデェス」

六花「勇太と一色を負かして、二人にはチャイナ服を着てもらう」

勇太「だから、なんでチャイナ服…」

六花「似合いそう(アホ毛ペシペシ」

くみん「アオザイでも良いんだよぉ」

勇太「着ません(ニッコリ」

くみん「えぇー…」

一色「なあ勇太、ちょっと」

勇太「ん?」

一色「…(ごにょごにょ」

勇太「ああ。…いいなそれ」

六花「う…」

森夏「なんかいやーな予感が」

勇太「よぉし、じゃあ俺たちが勝ったらまたパーティーしようか^^」

六花「ほう」

凸守「今度はニセサマーの家でやるデェスか?」

森夏「な、なんで私の家?いや良いけど…」

一色「まあ、全部終わってから慰労会みたいなノリでな!」

森夏「そうねえ。考えとくわ」

くみん「慰労会で収まるのか不安だよぉ」

みてるぞ(´・ω・`)

勇太「じゃあ今日はこの辺でお開きにするか」

森夏「そうね。明日からまた暫く、あんたたちとはライバルという事になるわね」

一色「ああ。まあ正々堂々と戦わさせてもらうぜ!」

森夏「…終わってから選管法違反で捕まる様なことはしない事ね」

一色「そうだなー。既に評判悪いから、気をつけるわ。じゃあ俺は先に引き上げるわ」

森夏「私もお暇させてもらうとするわねー」

勇太「じゃあ、俺は六花と帰るかな」

六花「勇太。食材が大分足りない。補給を」

勇太「ああ。わかってるって。じゃな!」

六花「じゃな!」


くみん「…ふふっ、みんな楽しそうだよぉ」

凸守「そうデェスね…」

くみん「凸ちゃん…?なにか不満げな感じ?」

凸守「いや、そうでは無いのデェスが…」

凸守「順調すぎて、何かを忘れているような気がするのデェスよ…」

くみん「…何かを…?」

凸守「ま、忘れるような事はその程度の事デェス。さっさと帰るデェス」

くみん「そうだねー。あ、そうそう凸ちゃん、おいしいパフェ屋さん知ってるんだけど」

凸守「ほう、それは興味がわくデェス。連れて行って欲しいデェス」

くみん「そうだねー、えっとねー…ああ、そうそう。こっちから…」

凸守「ふむふむ、あー…」

一色「大変だ勇太!予算が足りない!」

勇太「えっ?そもそも予算なんて有ったのか?」

一色「ああ。ビラ刷りに大分使っちまった!」

勇太「…どうする?」

一色「とりあえず有り合わせの物でなんとかなるが…」

勇太「ならまあ何とかなるか。ほれ、演説発表のカンペ」

一色「おう。…ああ、もうこんな時期か」

勇太「結局、俺達と丹生谷とが一騎打ちという形になったな」

一色「ああ。飛沫候補止まりかと思ってたんだけどなー」

勇太「自転車・原付通学を認めさせるってのはデカかったんだろうな」

一色「まあ、あっちも結構デカい公約引っ張ってきたのは驚いたが」

勇太「でもここで負ける訳にはいかないよな」

一色「ああ。ここで負けたら自転車で通学出来なくなるし。あ、でも」
一色「勇太のチャイナ服姿は見れるか。うーん悩む」

勇太「悩むなっ!」

六花「丹生谷!タスキを用意できた!」

凸守「ニセサマー!同級生達を含めて30票、用意できそうデェス!」

森夏「よぉし、この勢いで選挙当日まで行くわよ!」

くみん「……破竹の勢いだねぇ」

森夏「そうよ。これは私と一色君のケンカなのよ。先んずれば制すと言うから、当然よ」

六花「そして勇太と私の代理戦争でもある。例え勇太といえど、負ける訳には行かない」

凸守「こいつら敵に回したくはないデェス…」

くみん「そう?凸ちゃんも怖いよぉ?」

凸守「あら…センパイ、センパイも中々ですよ?」

くみん「ひいぃだよぉ」

見てるから頑張ってくれ

一色ってそっちかよ
てっきりいろはちゃんかと

勇太「…明日が選挙当日か」

六花「どう転んでも、明日を過ぎれば選挙は終わり」

勇太「なんか、長いようであっという間だったな」

六花「だが、まだ終わってはいない」

勇太「…ああ。明日こそ最後で最大の見せ場だからな」

六花「勇太。負けるつもりは無いから、あしからず」

勇太「ああ。負けるつもりもチャイナ服を着るつもりもまったく無いけどな」

六花「ふん…どうかな?この邪王真眼は、全てを見通す力がある。未来さえも」

勇太「…怖いな。どんな未来が見えているかは聞かないでおくよ」

六花「なぜ?」

勇太「知っている未来ほどつまらん事は無いだろ?知らないから面白いんだよ」

六花「ううむ…」

勇太「まあ、いいや。もう寝るぞ」

六花「勇太、おやすみ」

勇太「おやすみ」

勇太「今日が…当日か…」

一色「やっべ緊張してきた」

勇太「そうか?そうには見えないけどな」

一色「針の筵には慣れてるしな。一年の学級裁判に比べりゃあんなの楽勝よ」

勇太「おい、いいのか?そんな事言ってると」

一色「とでも思わんと潰されそうだ」

勇太「…まあ、やる事はやってきたんだ。後は自分の考えを全校生徒に見せるだけだ」

森夏「…とうとう、この日が来たわね」

早苗「そうですね、先輩」

六花「今日は…流石に壇上に眼帯を巻いては行けないか」

くみん「それがらしさとは言っても…ね」

森夏「みんな。私が此処まで来れたのはみんなが助けてくれたからよ」

森夏「ありがとう。今まで色々あったけれど、この言葉に嘘偽りはないわ」

早苗「なにを湿ってるの?そういうのは終わってからですよ、先輩」

くみん「モリサマちゃん、全部終わらせてこよう。そして」

六花「一色と勇太に打ち勝ってくるといい」

森夏「…ええ。今更負けるつもりは無いわ。一色達にも、他の候補者にも」


一色「ああ。やってやるぜ」

勇太「おうよ。行ってこい!」

司会役「では立候補者の皆さん!お願いしますッ!」

一色「さあて…」

森夏「じゃあ、行くわね」

勇太「…いや、しかし。成し遂げたな」

一色「ああ。あの壇上の空気。もう当分は味わいたくないわ」

勇太「でも生徒会長になったら事有るごとに立つだろ」

一色「まあな。でも自分の意見を言うのは最初で最後だろうから…さ」

勇太「そうだな。…ああ、あとは開票だけか」

一色「勇太は誰に投票したんだ?」

勇太「…関係者は投票禁止なんだよ」

一色「そうか。残念だな」

勇太「一色に入れたいのは山々だったんだがな。いやでも丹生谷も中々…」

一色「たしかになあ。丹生谷の演説を聞いていて正直心動かされそうになったし」

勇太「あいつ、結構話術あるよな」

一色「確かに」

森夏「はーっ、終わったー」

くみん「おつかれーモリサマちゃん」

森夏「ええ、本当に…もう当分は良いわあんなの」

凸守「モリサマーの教えを問おうと思ったのデェスが」

森夏「アンタが乱入してきたのには驚いたけど、うまくパフォーマンスと誤魔化せてよかったわ」

六花「丹生谷も凸守も壇上の空気を完全に換えていた」

森夏「しかし、…あれじゃあ落ちただろうなー」

凸守「…良かれと思ったのデェスが」

森夏「ダメよあんなの。39点よ」

くみん「ギリギリ不合格だね、残念。三年生は残念生なんだよ」

六花「くみん、寒い」

くみん「六花ちゃん厳しい…」

一色「そろそろ放送で結果が出てくる頃合か?」

勇太「多分な。開票は時間掛かるとはいえ…」

一色「勝ってたらパーティー、負けたら…」

勇太「俺がまた女装…はぁ…」

一色「俺は構わんけど、勇太は死活問題だもんな」

勇太「今の内に逃げようかな」

一色「逃がさないぜ?」

勇太「おいマジか」

一色「俺が一度でも嘘付いた事が有ったか?」

勇太「…くうぅ…マジか…」

森夏「しかし、コタツの上そろそろ片付けない?」

凸守「ヴァカ言うなデェス。これが黄金比デェス」

くみん「枕があれば言う事は無いんだよぉ」

六花「コタツを片付けなければ問題はない」

森夏「そうじゃなくて…まあいいか…」



勇太「お、放送か」

一色「ついにきたか」

六花「これで結果が出てくる」

森夏「泣いても笑ってもこれが最初で最後。さて…?」

勇太「…うっす」

一色「お、丹生谷勢も居るな」

森夏「あら、お疲れ様」

くみん「一色クンお疲れさまー」

六花「ゴブリンお疲れ」

一色「ゴブリンちゃうって」

凸守「ふむ、一般人とダークフレイムマスターデェスか」

勇太「おう。なんかこの部屋も久々だなあ」

くみん「どこかピリピリしてたからねぇ」

一色「まあそれも今日まで。もう終わったから流そうぜ」

森夏「そうね」

勇太「しかし、あの結果は驚いたな」

森夏「ええ。…まさか、あんなになっちゃうとはね」

一色「ああ。やる事はやった。結果としては納得だが…」

六花「まさか二票差で一色が勝つとは思わなかった」

勇太「ああ。まさかな…二票って凄いよな」

森夏「あーあ…私の夏が終わったわ」

一色「すまないな丹生谷」

森夏「まあ、いい戦いだったわ。負けてもそれはしょうがない」

一色「いやでもほぼ同等だぜ?二票だぜ?」

凸守「次期生徒会長!この部の予算の拡張を要請するデェス!」

一色「正規の手順踏んでくれないと困るぜ」

凸守「で、でこぉ…」

くみん「一色クン。…いや、生徒会長と言えばいいのかな?」

一色「今までどおりで良いですよ」

六花「ゴブリン」

一色「ゴブリンは流石に…」

くみん「おめでとう、一色クン」

一色「あ、ありがとうございます」

>>37
まぁ一色って言ったらいろはすだよね
俺もそっち期待した

七瀬「みんな居るかしら?」

六花「ナナちゃん!」

勇太「ナナちゃん…どしたんすか?」

七瀬「ええ、一色クンと丹生谷さんにちょっと用事がね」

森夏「私達ですか?」

一色「何です?」

七瀬「一色クン、まずはおめでとう」

一色「ありがとうございます」

七瀬「それでなんだけど、生徒会長はまず生徒会の編成をしなきゃならないのよ」

七瀬「それで、人事権があるんだけど…どうしたい?」

勇太「…それって」

六花「副会長は丹生谷辺りとでも?」

七瀬「教員が口出ししたら怒られちゃうから、ノーコメントでね。じゃあ、一色クンはいこれ名簿」

一色「は、はい……マジか」

勇太「おぅ…これは…」

一色の存在って一体誰が得したのだろうか

一色「丹生谷、副会長頼める?」

森夏「それって良いの?会長副会長が同じ部活って」

一色「さあ?それに他の候補の人にも声掛けるし、良いんじゃね?」

森夏「そう…じゃあ…やろっかな」


六花「…つまり、これは」

勇太「引き分けだな」

くみん「綺麗に収まったんだよぉ」

七瀬「うーん…」

凸守「先生、あの公約ってどうなるんデェスjか?」

七瀬「予算とか色々と見て可能な範囲で実現させるのは出来るけど…どうなのかしらね?」

凸守「そうデェスか…」

一色「一年では収まらない感じになりそうっすね」

くみん「一色クンがんばってね」

一色「は、はい」

勇太「そう言えば先生」

七瀬「うん?」

勇太「先生が後ろ盾になったとかって聞いたんですけど、本当ですか?」

七瀬「何の事かよくわからないわぁ」

勇太「そうですか」

七瀬「でもねー、自転車くらいは許可しても良いんじゃないかなとか、中庭でランチも良いなーって思うのよね」

六花「…おぅ」

七瀬「あ、これ全部他の先生に言っちゃダメよ。怒られるから」

勇太「わ、わかりました…」

一色「さーて、じゃあ丹生谷の家で慰労会的な何かをやるか」

森夏「ええ…そういえばそんな事有ったわね」

一色「出来る?ダメか」

森夏「許可は取ってあるけど」

六花「やろう(フンス」

勇太「…なんか嫌な予感がするのですがそれは」

くみん「じゃあ色々用意した方が良いのかな?」

凸守「凸守色々用意するデェス!」

一色「じゃあ一旦解散で」

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