胡桃「なにかがおかしい……」 (37)

 ――昼 岩手>宮守女子 麻雀部室


姉帯「とおるかなーとおるかなー リーチ!」

塞「通らないねソレは ロン」

姉帯「ひぅ!?」

胡桃「ぎゃー! また塞が一位かぁー……」

胡桃(……それにしても)

姉帯「片っぽメガネで見つめられると体の力が抜けちゃうよー……」

塞「こっちも疲れるからどっこいどっこい――って事でどうか」

胡桃(理由はわからないけど なぜか――)

白望「ダルい……」

胡桃(疎外感を感じる!)

エイスリン「~♪」

エイスリン「デキタ!」

姉帯「きゃ、きゃー……ちょっとエッチだよそれー」

塞「二人とも疲れてるとはいえ そのなまめかしい描き方はイカンわ……」

胡桃(……だけど、みんなの態度も普通だし
    よよそしいからってワケじゃない……? よね)

胡桃「ねっシロ! そろそろ代わってあげようか?」

白望「……一年後にまた声かけて」

塞「部活どころ高校生活おわってるよ ソレ」

胡桃(……うん シロはフツーだね)

胡桃(このまま他のメンバーも確かめてみよ!)

胡桃「塞! 今日もお団子カワイーね」

塞「へ? あ、ありがと……」

胡桃「トヨネはナウい! 宮守のファッションリーダーだね!」

姉帯「ほんとー? えへへ、うれしいなー」

胡桃「エイちゃんマジ天使!」

エイスリン「アリガトウクルミ! ケッコンシヨ!」

胡桃(うん! みんないつもどーり!)

胡桃(……なのに! ものスゴく寂しい!
    みんなと距離を感じる! なにゆえ!)

塞「じゃあもう半荘いこうか 持続できるかわからないけど
   トヨネ もう一回、能力の相手になってもらってもいい?」

姉帯「うんっ 次は勝つよー」

姉帯(ん……ちょっと蒸れてきたかな
    帽子外しとこーっと)

胡桃「――!」

エイスリン「ワタシ……コノハンチャンデ 1イニナッタラ
       ケッコンスルンダ……クルミト」

エイスリン「~♪」

胡桃「――!」

胡桃(そうか……そういう事だったんだ……!)

塞「じゃあサイコロ回すからね」

姉帯(先勝――先んずれば即ち勝つ……!)

 >カッ

姉帯(配牌は――わーい! 高レアリティな配牌
    ダブリーだよー ドラも三枚あるー)

塞(ヤッバ……抜けられちゃったかな)

姉帯「いっくよー リーt 胡桃「ぬぉりゃー!!!!」

 >ドンガラガッシャーン

姉帯「えっ」

塞「ちょっ」

エイスリン「ワォ」

胡桃「はぁ……はぁ――」

姉帯「わ、わたしのダブリーが……勝ち筋がぁ……うえーん」

胡桃「み」

胡桃「みんなズルいよ!」

塞「いやアンタが言うな
   牌山に手牌まるごと全部かき混ぜるとかないわ」

エイスリン「クルミダイタン! ダイテ!」

姉帯「わーん! びえーん! おろろろーん」

シロ(またダルいことになってるなぁ……)

胡桃「だって私にだけ無いんだもん!」

塞「なにがよ」

胡桃「ソレ!」

塞「は?」

胡桃「塞は片っぽ眼鏡! トヨネは帽子! エイちゃんは画材!」

胡桃「あの面倒くさがりのシロでさえ
    おもちを持って会場入りするのに! 私だけ何も持ってないのはおかしいと思います!」

塞「うん、とりあえず世界の貧乳とトヨネに謝れ」


――
―――


姉帯「……そっかー 胡桃ちゃんは寂しかったんだね
    ゴメンね 気付いてあげられなくて」

姉帯「もう大丈夫だよー? みんないるからね
    なでなで」

胡桃「ト、トヨネー……」

エイスリン「ズルイ! ワタシモ! クルミトハグスル!」

塞「まァ理由は分かった それで
   デパートでいいかな? みんな明日は空いてるよね」

胡桃「うぇ?」

塞「飾り気が無いからって いちいち麻雀牌ぶちまけてたら
   全国一なんて夢のまた夢でしょ 一緒に探しに行きましょう」

白望(全国一のチョンボ数ならマークできそうだけど……)

塞「テキトーなアクセサリー見繕ってあげるから
   ね? 私も見たいモノあるし」

胡桃「しょ、しょうがないね! 塞がそこまでいうなら
    行ってあげてもいいよ!」

エイスリン「ワーイ! クルミトデート!」

姉帯「シロも行くー? お買い物ー」

白望「……物を買うより 物を買ってきてくれる人が欲しい」

姉帯「シロも行くってさー」

白望「!?」

 次の日――昼 岩手>市街 デパート


エイスリン「マダカナーマダカナー クルミマダカナー」

塞「……待ちがてらに聞くけどさエイちゃん
   胡桃のどこがそんなにいいの?」

エイスリン「ヨクゾ! キイテクレモウシタ!」

エイスリン「アレハ……サクラガマイチル
       ハルノヒノ1ページ……タシカ 1カゲツクライマエ」

塞「けっこう最近なんだ……」

 1ヶ月前――昼 岩手>宮守女子 ろうか


エイスリン「国語のテストどうしよー 難易度めちゃんこフルマッハだよう」

胡桃「そんな時はコレ! 六角エンピツ!」

エイスリン「!」

胡桃「選択問題に詰まった時は転がして 出た数字を書き込むだけ!」

胡桃「返さなくていいから 末永く使ってあげてね!」

エイスリン(胡桃「返さなくていい」→半永久的にプレゼント
       →しかも末永くという語句が添えられている→すなわちエンゲージリング
        →胡桃「結婚しよう」)

エイスリン「は、はい 幸せに……してください」

胡桃「?」


 ※エイちゃんの主観で美化されています


――
―――


エイスリン「……トイウコトガ」

塞「あー……だから右耳にあったペンが
   いつの間にかエンピツになってたんだ 謎が解けたわ」

エイスリン「ミギノクスリユビニ ユビワヲハメレバ
       ソレスナワチ ケッコンノアカシ!」

塞「耳にエンピツかけても 結婚の証にはならないけどね……おっ」

姉帯「きたよー」

白望「日差しが強い……日陰が恋しい 総じてダルい」

胡桃「口はけっこー回ってるよ! だからダイジョーブ!」

塞「おはこんちわー みんな
   シロはホントぶれないな……」

塞「じゃあ行こっか 胡桃の探し物に」

胡桃「ついでにキャラを高めに!」

白望「……おー」

塞「だね 胡桃のなけなしのキャラクター性は昨日
   麻雀牌ごと胡桃が崩壊させたからなぁ」

塞「あのマナーにうるさかった胡桃がさ なげかわしいよホント」

胡桃「そ、そのキャラは継続ちゅー! なくなってないの!
    昨日はたまたま色々あっただけ!」

エイスリン「オンナノコノヒ!? オンナノコノヒダッタノ!? クルミ!」

姉帯「でもどこに行こうかー 手当たり次第回ってみる?」

胡桃「ある程度のメドはたててきたよ!」

塞「ほう」

胡桃「キャラかぶりはなるべく避けたいからね」

胡桃「髪の毛はトヨネ! 耳元はエイちゃん! 目元は塞!」

胡桃「となれば私は! 口元でみんなの視線を独り占める!」

姉帯「ソレいいよきっとー 今だって
    ただでさえ可愛らしいVの字してるもん」

胡桃「えっへん」

塞「口元かぁ 口紅でも付けてみる?」

胡桃「ううん 塞もいってた飾りにする!
    たとえば葉巻とか! 口の端でくわえて威圧感を……」

塞「チョンボくらう前に出場停止くらうからソレ」

白望「じゃあ キセルでもくわえておくとか……」

胡桃「藤なんとかプロとかぶるからめっ」

白望「そっか……」

エイスリン「~♪」

白望「……」

白望「エイスリンは 携帯でなにしてるの……?」

エイスリン「トモダチニメールシテル! クルミノコトヲ ソウダン!」

 >――オネガイー♪ ギュットチカラヲコメルヨー♪

エイスリン「アッ カエッテキタ!」

エイスリン「フムフム……」

エイスリン「クルミ! クワエ、ゴム? ガオススメダッテ!」

塞「!?」

胡桃「くわえゴム?」

姉帯「あ! わたし知ってるよー
    髪を結うためのゴムをくわえながら 髪を束ねるんだよねー」

塞「そ、そうそうソレ! でもソレをくわえながら
   麻雀をするって考えるとねぇ」

胡桃「でもほらっ! 対局中にメガネを外す人もいたし
    「ちょっと失礼」って断ってから髪をキュッと結べば
      本気を出しますよーっぷりが出るかも!」

塞「結ぶだけの髪の毛ないじゃん」

胡桃「あっ」

エイスリン「クルミ! イイモノミツケタヨ!」

 つ【おしゃぶり】

塞「ぶふぉ!」

胡桃「……」

白望(だ、ダメだ まだ笑うな……!)

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