晴絵「ハルエニッキとカップリング」(259)

<晴絵の家>

テレビ『三尋木選手テンパイ。親のリーチに対し、勝負に行きます』

晴絵「ふむふむ……突っ張るか」

テレビ『さあ、親の1発目のツモは……ああっと、三尋木選手の和了り牌!振り込みで2位転落、試合終了です。トップは三尋木選手!』

晴絵「……ここで和了りきるか。今期も調子いいみたいだねぇ……」ピッ

晴絵「さて……試合も終わったし、何しよう?特にやる事もないけど……寝るには早い」

晴絵「………」ウーム

晴絵「あ、そうだ」

晴絵(今日、なかなか面白い場面を目撃したし、久々にブログに書いてみるか……)

晴絵(えっと……どんな流れだったっけ?思い出してみよう。…部活終わった後、しずと玄が……)

~~~~~~~~~~~~~~~

<阿知賀女子学院 麻雀部部室>

玄「はぁ………」

穏乃(なんか今日の玄さん、疲れてるっていうか…元気ないなぁ……どうしたんだろ?)

穏乃(嫌な事とか辛い事があったのかな?)

玄「……………」

穏乃「…………」

穏乃(……玄さんを励ましたいけど……私に何が出来るだろ?うーん……)

穏乃(玄さんが好きなもの、玄さんが喜ぶもの……)ムーン

穏乃「!」

穏乃(これだ!)タタッ!...ガソガソガソ..

玄「ふぅ………」

穏乃「よし………玄さん!」

玄「ぅわっ!ビックリした!……穏乃ちゃん?どうし…………っ!?」

穏乃「えへへ」(巨乳の穏乃)

玄「し、穏乃ちゃん?その……おもちは一体……」

穏乃「ティッシュを詰めたんです!」バイーン!

玄「………ティッシュ?」

穏乃「はい!………玄さん」

玄「な、なぁに?」

穏乃「私のおもち、触ってください!」

玄「……………え?」

穏乃「ささ、どうぞ!!」

玄「………あの、どうして?」

穏乃「玄さん、元気なかったんで!おもち触ったら元気出るかなと思ったんです!」

玄「あ………」

穏乃「でも私、おもちじゃないし……だからせめて気分だけでもって思いまして………ティッシュだから少しはフワフワです!どぞ!」

玄「えと………心配してくれてありがとう。でもお家のお手伝いでちょっと疲れてるだけだから……」

穏乃「あ、そうだったんですか」

穏乃(辛い事があったとかじゃなくてよかった!)ホッ

玄「うん」

穏乃「でも、ちょっと元気ないのは事実ですから!……どぞ!」

玄「え」

穏乃「どぞっ!」

玄「……………じゃ、じゃあ………しつれいします………」サワ

穏乃「はい!」

玄「…………」サワサワ..

穏乃「ん……」

玄「…………」サワサワ

穏乃「っ……」

玄(……私、穏乃ちゃんの偽おもちを揉んでる………)ドキドキ..

穏乃「……元気、出ました?」

玄「えっ、あ……うん、そうだね」

穏乃「んー、なんかまだっぽいですね」

玄「そんな事は………」

穏乃「……偽物じゃダメかぁ……」シュン

玄「っ!全然!その気持ちだけで嬉しいもん!」

穏乃「そう、ですか?」

玄「うん」

穏乃「よかった……」ホッ

穏乃(……でも……やっぱりまだ元気ないよね………他に何かいい方法は………あ!)

穏乃「あの、言って欲しい言葉とかありますか?」

玄「言って欲しい言葉……?」

穏乃「人に言われたら嬉しい言葉ですよ!『可愛い!』とか『スタイルいいね!』とか……私なんでも言いますんで!教えてください!」

玄(そこまで私を気遣ってくれるなんて……穏乃ちゃん優しい………)

穏乃「…………」

玄(言われたら嬉しい言葉かぁ………何があるだろう?………うーん…………あ!あれにしよう)

玄「あのね」

穏乃「はい!」

玄「『玄お姉ちゃん』って言ってもらっていいかな?」

穏乃「『くろおねえちゃん』……ですか?」

玄「うん。私に妹がいたらどんな感じなのかな?とか考えた事あったから………ダメ?」

穏乃「いいえ!ダメじゃないです!じゃあ呼びますね!あ、口調も妹みたいにした方がいいですか?」

玄「あ、そうだね。それでお願いします」ペコリ

穏乃「はい!じゃあいきます……」

玄「うん」

穏乃「…………玄お姉ちゃん♪」

玄「わ!」ゾクー!

穏乃「玄お姉ちゃんが元気ないと穏乃も寂しいよ~」

玄「あわわわわ……」

玄(か、可愛い!!!)

穏乃「穏乃、玄お姉ちゃんが大好きだから心配なの」(上目遣い)

玄「し、ししし穏乃ちゃんは、そんなに私が、だ……大好きなの?」

穏乃「うん!穏乃、玄お姉ちゃん大好き!!」

玄「…………ぎゃーーーー!!!!」キュンキュキューン!!!

玄(天国だよぉぉおおお!!ああ……天国は奈良にあったんだ!!)

穏乃「っ!?く、玄さん?」

玄「く、玄さんなんて他人行儀な呼び方は……めっ!玄お姉ちゃんて呼んで!」

穏乃「う、うん。玄お姉ちゃん……」

玄「あああああああ………」

穏乃「く、玄お姉ちゃん……大丈夫?」

玄「大丈夫じゃないよぉ……穏乃ちゃんが可愛いすぎるもん」ハァ..ハァ..

穏乃「そ、そんな事……///」

玄「ね、ねえ……穏乃ちゃんのおもち、もう1回触らせて?」

穏乃「え?う、うん……いいよ」

玄「じゅるっ……あ、ああありがとう。じゃ、じゃあ………触るね?」

穏乃「うん……」

玄「あ、そうだ。触ってる間は、ちょっとうつむいて伏し目がちに斜め下を見つめるのと上目遣いを交互にやって!ね?」

穏乃「わ、わかった。難しいけどやってみる」

玄「伏し目から始めて、おもちを触られてしばらくしたら上目遣いね。あ、最初は恥ずかしがろう、ね?」

穏乃「う、うん」

玄「じゃあいくね。………穏乃ちゃんの………触るよ」ハァハァ

サワッ..

穏乃「っ…………恥ずかしい……」(伏し目がちにうつむく)

玄「がばばっ!………も、揉んじゃうよぉ?」フニ

穏乃「ゃっ……玄おねえちゃぁん………えっち……」(潤んだ目で上目遣い)

玄「ぎゃああああああああああああ!!!!!!!!」

穏乃「っ!?」ビックー!

玄「穏乃ちゃん!穏乃ちゃぁん!可愛いよぉ!もう穏乃ちゃんがいないと生きていけないよぉ!!」ギュー!

穏乃「く、玄さん……ちょっと、痛いですっ……」

玄「はっ………ごめんね!」サッ

穏乃「ふぅ……」

玄「だ、大丈夫?どこか怪我とか……」オロオロ

穏乃「あ、いえ、少し痛かっただけですから」

玄「よかった……」ホッ

穏乃「………元気、出ました?」

玄「え?あ……そういえば………うん、元気出たよ」ニコ

穏乃「それならよかったです!玄さんの笑顔がないと私、寂しいですから!」エヘヘ

玄「!!」キュンキュルルーン!

穏乃「さ!帰りましょう!」

玄「あ、あの………穏乃ちゃん」

穏乃「はい?」

玄「えと……あのね?さっき可愛いって言ったけど……あれはね?」

穏乃「?」

玄「妹の演技した穏乃ちゃんが可愛いって意味じゃなくて、いや、それも可愛いんだけど…穏乃ちゃん自体が可愛くて……あのあの」

穏乃「んー?」

玄「な、なんでもない……///」

穏乃「?よくわからないですけど……みんな下駄箱で待ってますから、行きましょう!」(玄の手を握る)

玄「わ!」ドキ

穏乃「早く早く♪」ニコッ

玄「う、うん」

玄(穏乃ちゃん………)

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晴絵(こんな感じだったよね……何を思ってたか本人に聞いた訳じゃないけど、表情からして大体あってるはず)

晴絵(いやー……私も凄い場面に出くわしたよねー)

晴絵(みんなが先に下駄箱に行ってたというのと、2人が私に気付いてない事。両方が重ならなかったらこの展開はなかったもんなぁ)

晴絵(……しっかし、なんとも微笑ましいじゃないか)

晴絵(元気のない玄を励まそうと頑張るしず……姉の気持ちを味わいたかった玄……うんうん、いいね~)

晴絵「よし、覚えてるうちに書くぞ~……――――」カタカタカタ..

晴絵「―――ふう……」

晴絵(……やっぱりブログって楽しいな。何かあったらまた書いてみよ)~♪

翌日―――

【長野】

<清澄高校 麻雀部部室>

咲「あれ?誰もいない………」スタスタ

咲(どうしよう………本も……部室にあるのは大体読んじゃったし……)

咲(パソコンで新刊チェックしながら待っていよう)カチ..カチ..

咲(…………えっと……ん?なんだろ?こんなタイトルのブックマークあったっけ?)カチッ

咲(『ハルエニッキ』?…………ああ、和ちゃんが昔にお世話になった人のブログだって言ってたっけ。どれどれ)

咲(わ、和ちゃんが小さい!って当たり前だよね、小学生だもん。あ…でも胸が………)

咲「…………」ペタペタ(自分の胸を触る)

咲「さっ!気持ちを切り替えて他の記事……ん?これ、昨日更新した記事?何が書いてあるんだろう?」カチ

咲「あ………高鴨さんと松実さんだ………ふんふん…………………っ!?」

咲(姉妹プレイ………?)

咲(……妹に甘えられて悶える姉………?)ゴクリ..

咲(つ、続きっ!この後、2人は……!?)ホイール!ホイール!ホイール!

1週間後 夜―――

<晴絵の家>

晴絵「よし、久々に書くぞ~」

晴絵(先週のしずと玄みたいな仲良し同士!って場面は見れなかったけど、なかなかいい出来事があったんだよね~)

晴絵(思い返しながら整理しよう。えっと……)


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数日前の昼休み―――

<阿知賀女子学院 裏庭>

晴絵「ごちそうさま、っと」

灼「……………」

晴絵「?どしたー?元気ないなぁ」

灼「……はるちゃん……」

晴絵「ん?」

灼「ちょっと聞きたいんだけど」

晴絵「うん、何?」

灼「はるちゃんって、変な気分になったりする事ある?」

晴絵「変な気分?漠然としてるなー、どういう意味?」

灼「えと………ドキドキ?ムラムラ?」

晴絵「あー……そりゃあ……あるよ」

灼「やっぱり?そうだよね。うんうん、人間だもん」

晴絵「まぁ………なんで急にそんな質問?」

灼「あ、うん。インハイが終わってからだけど、穏乃がね、ちょくちょくうちに遊びに来てくれるんだ」

晴絵「へえー。玄たちと?」

灼「ううん、1人で」

晴絵「1人でボーリング?それは………あ」

灼「うん。私を誘ってくれて……」

晴絵「おお、いいじゃん!それで?」

灼「……穏乃が、どうすれば上手くなれるか聞いてくるから、教えるんだけど」

晴絵「ふんふん」

灼「穏乃って、興味ある事に関しては真面目で素直だし、運動神経いいから飲み込み早くて、どんどん上手くなっていくんだ」

晴絵「しず、文化系とは思えない運動能力だしね」ハハ

灼「うん。……で、そうなると教える側も楽しくなってくるっていうか、熱が入るというか……」

晴絵「わかるわかる、その気持ち。あんたたちに教えてる私が常に感じてるからね」

灼「それで……気が付いたら、フォームを教える時とか、穏乃の背中に体をピッタリくっつけてたり、手を握ったりしてて……」

晴絵「うん、その方がしずも理解しやすいだろね」

灼「……そう思ってこっちも特に意識せずに教えてたんだけど、なんの気なしにふと我に返った時……」

晴絵「?」

灼「目の前に穏乃のうなじがあって、少し汗の混じった穏乃の匂いも感じて……なんかドキドキしてきたんだ」

晴絵「ほう」

灼「このドキドキが、背中越しに穏乃に伝わったらどうしよう、とか焦ったり」

晴絵「ほうほう」

灼「その日はなんとか普通に振る舞えたんだけど、次の日から穏乃を見るたび色々考えるようになって」

晴絵「色々……?」

灼「うん……穏乃って、真面目に麻雀打ってる時の顔、カッコいいとか……手がキレイとか、気だるそうにしてると結構セクシーだなぁ、とか」

晴絵「ふむ……」

灼「ジュースを飲んでる時の首筋のラインのキレイさに見とれたり、ジュースが口からちょっと垂れた時……その垂れたジュースを…な、舐めたいって思ったり」

晴絵「ふむふむ」

灼「なんか……無防備さが……そそる……というか」

晴絵「わからんでもないなー……」

灼「だよね?それにさ、もともと穏乃って可愛いよね?ふとした時の表情とか!あと他にも、体育の授業中の穏乃を教室から見てたら―――」

~~~~~~~~~~~~~~~

晴絵(………この後、昼休み終了のチャイムが鳴るまで延々としずの話が続いたっけ……あそこまで饒舌な灼は初めて見た)クスッ

晴絵(それにしてもあの小さかった灼がムラムラねぇ……なんか感慨深いね)

晴絵(…ま、私の中にちょっと複雑な感情がある事はあるけど……)フフッ

晴絵「よし書くか」カタカタカタ

――――

晴絵「………完成!更新~♪」カチッ

晴絵「ふぅ~…あ、もうこんな時間」

晴絵(集中してると早い早い。もう寝ないと)フゥ

翌日 夜―――

【大阪】

<船久保家 浩子の部屋>

浩子「…………」カタカタカタ..

浩子「よし、終わり」カタカタ!

浩子「今日も大量のデータ、ごちそうさん~っと」

浩子(お、そや。新着記事チェックするか………)

浩子「ん?これは………またハルエニッキか?」

浩子(インハイ前に一応登録してたんやけど……こないだ久々に更新した思たら…ペース上がってんなぁ)

浩子(ま、知らん相手やないし、ちょっと興味深いわな。これも読んでみるか)

浩子「………………」

浩子(凄いなこれ……記事の内容は興味深いけど……こんなん書いてええんかいな……プライバシーとか……)

浩子(いや、それはもっと前の記事からガン無視しとるか………小学生の頃からやもんな)

浩子「………………」

浩子「……鷺森 灼と高鴨 穏乃……か……」

浩子(鷺森はクール……言うても、情熱を内に秘めて表に出さへんだけで、冷めてる訳ちゃうやろけど)

浩子(比べて高鴨は活発……1人で山を走り回っとるとか、なんかの雑誌で読んだな……)

浩子(1学年差の、性格的に正反対タイプ………)

浩子(?なんか……どっかで似たような………)

浩子「あれ?」

浩子(ひょっとして………私と江口先輩にちょっと似とる?)

浩子(クールちゃうけど、性格的にちゃんとしとかんと落ち着かん私と、大雑把で、しょっちゅう廊下とか走り回っとる江口先輩……)

浩子(この記事やと鷺森が高鴨に性的魅力を感じとるみたいやけど………これを私らに当てはめると…?)

浩子(…………江口先輩が私に…………)

浩子「/////」ボンッ!

浩子「な、何考えてんねん私!」

浩子(こんなん……あかん………はず………やのに……)ドキドキ

浩子「も、もっかい……」

浩子(私と江口先輩に置き換えて、読み直してみよう………)ゴクリ..

1週間後 夜―――

<晴絵の家>

晴絵「最高っ!まさかあんな展開になるなんて……しかもそれを目撃できた私って超幸運!!」

晴絵「ああ……神様ありがとう……」

晴絵「………うし!」

晴絵(この興奮が収まる前に……早く書かないと!えっとまずはしずが部室に入ってきて……―――)


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放課後―――

<阿知賀女子学院麻雀部 部室>

穏乃「こんにちはー!」ガチャ

宥「え?穏乃ちゃん?」

穏乃「あれ?宥さんだけですか?みんな遅いですね」

宥「遅いも何も……穏乃ちゃん聞いてないの?」

穏乃「聞いてないって…何がですか?」

宥「今日は部活お休みだよ?」

穏乃「ええっ!?本当ですか!?」

宥「うん、本当。昨日、部活終わった後に赤土さんが言ってたよ?」

穏乃「あー……そうでした……って、あれ?じゃあ宥さんはどうして部室に?」

宥「ストーブに当たりたかったの」

穏乃「なるほど……どうしてしゃがんでるのかと思ったら……宥さんらしいなぁ」

宥「うん…」アッタカーイ

穏乃「……部活休みかー…どうしようかな」

宥「穏乃ちゃんも一緒に当たる?」

穏乃「あはは……やめときます。汗かいちゃうんで」

宥「そう?」

穏乃「はい。私は………そうだ、掃除でもするかなー」

宥「お掃除?でもお休みだし、別に……」

穏乃「いやー、来てすぐ帰るのもなんですから」

宥「穏乃ちゃん偉~い」

穏乃「えへへ……よし、ホウキ……2刀流!」シャキーン

宥「はぁあ……ストーブあったか~い」

穏乃「さっさ、さっさささっさ!」

穏乃「いい調子~♪スピードアップ!」

穏乃「走りながら掃く!さっさ、さっささささ……あっ」ゲシッ! (ホウキにつまずく)

穏乃「っとと……とっとっと」フラフラフラ

穏乃(わわ……やばい!勢いつきすぎて……宥さんにぶつかるっ!!)フラフラ

宥「?」

ドッシーン!

穏乃・宥「わあぁ!」ズテーン!

穏乃「…………いてってて」

宥「ぅ……びっくりしたぁ……………っ!?」

穏乃「あ、宥さん!ごめんなさい!大丈夫でした!?」

穏乃(宥さんの真横から当たってよかった……後ろからだったら宥さんがストーブにぶつかってたかもしれない……)ゾクッ!

宥「あぅあぅ………」

穏乃「宥さん?」(床に仰向けで倒れた宥の腰の上に跨り、左手は宥の胸、右手は宥の左手を抑えつけている)

宥「わわわわ………////」

宥(な、なにこれ………穏乃ちゃんが私を押し倒して……む、胸触ってる~……)ドキ..

宥(手を抑えつけられてるし……腰に乗られてるから身動きとれない……穏乃ちゃんが心配そうな目で……私を見下ろして………)ドキドキドキ..

穏乃「あの……どこか痛めて…?」

宥(な、なんで……?私、床に押し倒されてるのに………こんなに………ドキドキするの?)ドキドキドキドキ..

宥(あ……腰に乗っかられててちょっと苦しいからかな?……そうだよね。うんうん、間違いないよ)

宥(でも腰でよかった…………これがもし………顔……なら……)ゾク

宥(顔に乗っかられてたら……もっと苦しい………穏乃ちゃんのお尻で……息が出来なくて………っ!)ゾクゾクゾクッ!

穏乃「って、ああっ!!ごご、ごめんなさい!!」ガバッ!

宥「あ……」

穏乃「わ、私……ずっと乗っかっちゃってて……しかも胸まで触ってて……ごめんなさい!!でもわざと触ったんじゃないんです!」

宥(私……今、何を考えたの?顔に跨られるって………そんなの……おかしい)ドクン

宥(顔に跨られて……グリグリされて……両手も抑えられて動けなくされたいなんて………あぁ……)ゾクゾクゾク!

宥(こんな想像………私って、変態さんだったの……?)

宥(昔、男の子たちに意地悪された時は嫌な気持ちにしかならなかったのに……)

宥(穏乃ちゃんが相手だから?こんなに……想像するだけで……体が…熱い……)ハァ..ハァ..

穏乃「ゆ……宥さぁん……」ウルッ

宥「え?あ、ごめんなさい。なんて言ったか聞き逃しちゃって……」

穏乃「……胸とか触っちゃったの……わざとじゃないんです……」

宥「あ、うん。それはわかってるよ」

穏乃「本当にごめんなさい……私が調子に乗ったせいでぶつかっちゃって………あのっ!怪我とか……」

宥「お、大げさだよぉ…大丈夫。軽くぶつかっただけだもん。私が避けられなかったのも悪いし」

宥(それに……私……イケナイ事考えて………)ハァ..ハァ..

穏乃「そんな!宥さんが悪い訳ないですよ!私が全部悪いんです!」

穏乃(私のせいで……宥さんが怪我してたかもしれなかったんだ……)

宥「穏乃ちゃん……」

穏乃「………あ、マフラーにホコリが付いて…………取ります!」ファサファサ

宥「あ、ありがとう……」

穏乃「いえ、私のせいですから!あ、スカートにも……払いますね」パンパン(お尻を軽く払う)

宥「っ///」ビクッ!

穏乃「?痛かったですか?」

宥「う、ううん……なんでもない」ドキドキドキ

穏乃「……よし、取れた。あ、髪にも……」

宥「あ、ありがとう。でも自分で取れるから大丈夫」フィッ

宥(これ以上、穏乃ちゃんに触られちゃうと……変な気持ちになっちゃう……)ドキドキ

穏乃「あ………」

穏乃(断られちゃった……さすがの宥さんも怒ったのかな…?)

穏乃「……………」シュン

宥「し、穏乃ちゃん?」

穏乃「……あの………私に何か出来る事、ないですか?」

宥「え?」

穏乃「悪い事したんだから、ただ謝るだけじゃなくて、行動で示したいんです!」

宥「そ、そんな………私は平気だから……ね?」

穏乃「………いえ、ダメです!」

宥「え、ええっ?」

穏乃「私……お母さんに言われたんです。麻雀部のみんながいい子ばかりだからって、あんまり甘えてると、大人になってから苦労するって」

宥「それは………」

穏乃「だから!悪い事した責任は取ります!」

宥「うぅ……」

穏乃「私に出来る事ならなんでもしますから!」

宥「あ………」ドクン

宥(なんでも………?)

穏乃「宥さん……」

宥(もう1度、押し倒して……とか……顔に……跨って…とか……?)

宥(……ううん、ダメだよ……穏乃ちゃんは本当に責任を感じてるんだから……)

宥(その気持ちを利用したら……ダメ…………だけど………なんでもするって………こんなチャンス……もう……)

宥(うぅ……どうすれば………2人が満足できる方法………)

宥「………………!」

宥(こ、これなら………怪しまれずになんとかいけるかも……)

宥「わ、わかった」

穏乃「宥さん!」

宥「じゃあ………上履き、脱いで」

穏乃「………へ」

宥「み、右足…裸足になって?」

穏乃「は、はい……わかりました……」(裸足になる)

宥「…………」ドキドキドキ

穏乃「あの、それで……?」

宥「っ……」(穏乃の足元に座り込む)

穏乃「え?ゆ、宥さん……座ったらスカートとか汚れちゃ…」

宥「いいの……右足……出して」

穏乃「はい………」??

宥「…………///」ドキドキドキ

穏乃「ええと………一体……」

宥「は……んむっ」(穏乃の右足の指を全部咥える)

穏乃「えええええ!?宥さん!?」アワワワワ!

宥(ああ……私……床に座り込んで………穏乃ちゃんの足を舐めてるよぉ………)チュパペロ

穏乃「き、汚いですから!やめてくださいよぉ」ワァァ!

宥(凄く興奮するけど………あまり長い時間はダメ……そろそろ………)

宥「ぁむっ」(指を軽く噛む)

穏乃「ん?」

宥「ぷぁ……これで……おしおき…終わり」

穏乃「え?え?おしおき?……今のがですか?」

宥「うん……滑って転んじゃった穏乃ちゃんの足におしおきしたの」ハァ

穏乃「でも、ほんの少しチクッとしただけでしたけど……」

宥「私もそれぐらいの痛みだったの。穏乃ちゃんが気にしすぎなんだよ?」

穏乃「宥さん………」

宥「ね?だからもうこの件はこれでおしまい」ニッコリ

穏乃「あ………」

宥「わかった?」

穏乃「はい!」ニッコー!

穏乃(宥さん………優しすぎるよ……)

宥「……………」(穏乃の右足をチラリと見る)

宥(っ………あの足を……私……舐めたんだ………)ゾクゾクッ!

宥(穏乃ちゃん………悪い先輩でごめんね………私…こんなに……興奮しちゃってる……)ハァ..

穏乃「あ、じゃあ私、今度はちゃんと掃除しますね。宥さんはストーブに当たってゆっくり…」

宥「ううん、私も手伝うよ」

穏乃「え?でも……寒くないですか?」

宥「大丈夫。それに、私もたまにはお掃除したいの」

宥(もう……ストーブに当たる必要もないし…)

穏乃「……わかりました!一緒にやりましょう!」

宥「うん!」ニッコリ

宥(……1番あったかいの……見つけたから………)ハァ..

~~~~~~~~~~~~~~~


晴絵「『唾液が残っている穏乃の足を映す宥の瞳は、怪しい光を発していた……』っと、かんせーい!」カターン!

晴絵「ふふん!……2人とも、私が布の掛かった自動卓の下にいたとは夢にも思ってないだろうね」

晴絵(掃除を始めた時はドキッとしたけど、上手く隙を見て脱出成功した時はもの凄い達成感だったよ。さっすが私!)

晴絵(さぁて、更新更新………)

翌日―――

【東京】

<白糸台高校 麻雀部部室>

淡「~~~♪」

誠子「随分ご機嫌だな」

淡「うん!最近気になるブログがあって、それ見てたんですー!」

誠子「へえ、どんなブログ?」

淡「えとー、女子高生たちの日常?」

誠子「そうか。面白い?」

淡「うん!いいでしょー?先々週にサキから教えてもらったんだー♪」

誠子「清澄の大将か………」

淡「そう!なんか『姉妹愛の素晴らしさの…へんりん?が見られるから読んでみるといいよ』とか言ってた」

誠子「へ、へえ……」

淡「でねでね!昨日の記事なんだけど、3年生のお姉さんが1年生の子にエッチな気分?になっちゃって」

誠子「え……それ、日常?」

淡「3年生と1年生の組み合わせっていいよね♪あ、もしかしたら私も、テルーにそういう目で見られてたり?きゃー!テルーのエッチ!」キャワー!

誠子「いや、どうだろうか……それと、淡は自分の事を高校100年生ってよく言ってるじゃ…」

淡「あ!そだ!テルーにも見せてみよっ!急展開の可能性もあるかもー!行ってくるね~!」タタタ

誠子「………いってらっしゃい」

1週間後 夜―――

<晴絵の家>

晴絵「さてとー………今日も書くぞ~」

晴絵(毎週毎週、記事に出来る様なシーンを目撃するなんて………私、強運!)

晴絵(記者とか向いてるのかもしんない)ヘヘ

晴絵「っと……結構いい時間だ。あまりのんびりしてられない………早速……」カタカタ..

~~~~~~~~~~~~~~~

放課後―――

<阿知賀女子学院 麻雀部部室>

穏乃「うーーん………難しい……」(勉強中)

憧「えー?さっき教えたじゃん。この公式を使って……」

穏乃「あ!そっか!……じゃあこれが……………こうなる!」

憧「そうそう」

穏乃「む?じゃあこの問題も!………あれ?違う?」

憧「その問題は違うやり方じゃないとダメなの」

穏乃「んぁあ~………もうわかんないよ~!」ダラーン!

憧「あ、こら投げ出すなぁ~!」

穏乃「そもそも部活が中止なら帰るべきだよ~!勉強なんていつでも出来るんだし」

憧「……それ、ちゃんと出来る人が言うセリフだから」

穏乃「うっ……」

憧(せっかく2人きりなのに……文句ばっか言わないでよ……もう)

穏乃「で、でもさ……私って集中したら出来るタイプだから……」

憧「その集中が出来ないなら意味ないじゃん。さっきから気が散りまくり」

穏乃「ぐぐっ……」

憧(……でも……気が散るくせに、あたしがちょっと髪切った事には全然気付いてくれないし。2人きりで勉強中なら…って期待してるのにさ)サラサラ

憧(ネイルとか香水を変えてみたりした時もそうだった。もうちょっとあたしに興味持ってよ。しずに可愛く見られる為に色々してるんだよ?)

穏乃「しょうがないじゃん……わかんないものはわかんないんだもん…」

憧「いや、わからないから勉強するんでしょうが」

穏乃「でもでもー……」

憧「……………」フゥ..

憧(しずの為を思えば、ここで甘やかさずに勉強を促して、1人でもちゃんと出来る様に導いてあげるべき……)

穏乃「あこー………」

憧(でも………あたしは…………)

憧「………しょうがないなー。今回だけ、あたしのノート見ていいよ」

穏乃「本当!?ありがとう!憧大好き!!」ニッコー!

憧「っ////」

憧(……この『大好き』が聞きたくて……つい甘やかしちゃう……なんなのよ?この反則的な魅力は……)ドキドキ

憧「………そんな事で好きなんて言われても全っ然嬉しくないから!」フィッ!

穏乃「えっへへへ……そう言いながらも優しい憧~♪」

憧「うるさいっ」

穏乃「ごめんなさ~い♪…………よし、やるぞ~!」

憧「……………」

穏乃「………………」カリカリカリ..

憧(こうして……ノートを写してる時のしずの横顔を眺めるのも……好きなんだよね……)

憧(集中してて、頭の中にはノートを写す事以外何も無い。あたしが横にいるのすら忘れてるかも)

憧(この顔、やっぱりいいな……自分を全く見てない時の顔が好きってのも変な話だけど…)

穏乃「………………」カリカリカリ..

憧「…………」クスッ

憧(……ノートを貸した時に『大好き』って言われるのと、ノートを写してる時の顔が好きって……勉強教えるのと真逆だし)

憧(しずがあたしのノート無しで勉強出来る様になるのが先か、あたしがしずの『大好き』と横顔の誘惑に負けずにいられる様になるのが先か……)

憧(さぁ、どっちだろうねー)フフッ

20分後―――

穏乃「…………終わった~!!」

憧「お疲れ」

穏乃「いや~、本当に疲れたよぉ………あ、ノートありがとう」

憧「ん」

穏乃「さて、帰るか~。お礼にジュースでもおごるよ」

憧「お、いいの?」

穏乃「そりゃあいつもいつもノート見せてもらってるからね!」ヘヘン

憧「や、胸張るとこじゃないから」

穏乃「あはは、そうでした」

憧「まったく……それじゃ帰ろうか。机はあたしが片付けるから、しずはノートとかしまって」

穏乃「あ、うん。ありがと」

憧「よいしょ………よいしょ………」(机運び中)

穏乃「………あ!ねえ憧~」

憧「ん?なぁにー?」

穏乃「髪…やっぱりその長さが1番憧に似合ってていいね」

憧「っ!?」ツルッ

ガゴン!

憧「痛っ!」

穏乃「え?だ、大丈夫?机、足に落とした?」

憧「う、うん………でも平気…////」

憧(不意打ちは反則でしょ!?)カァァ..

穏乃「だけど……顔が赤くなって………」

憧「あ、赤くなんてなってないし!これは……夕日じゃん!なんであたしが、しずに髪を褒められたくらいで顔が真っ赤になるのよ!」

穏乃「へ?髪?足が痛くて、痛みを我慢してるから赤くなってるんじゃなくて?」

憧「えっ……」

穏乃「??」

憧「そ、それは………///」カァァ

穏乃「んー??」

憧「と、とにかくっ!しずは帰る準備してて!あたしはもう少しゆっくり机運ぶから!」

穏乃「え?なんで?」

憧「足が痛いからよ!」

穏乃「そ、そっか。じゃあ私が運ぼうか?」

憧「いい!ちょっと足に当たっただけだから!しずは自分の片付けやっといて」

憧(顔が元に戻るまで夕日が当たるところで待たないと………)

穏乃「そう?わかった」

穏乃(………ん?足が痛いから顔が赤くて……でもちょっと当たっただけって……あれ?夕日だっけ?………ま、いっか。よくわかんないや)

穏乃「片付け片付け……」サッサッ

憧(まったく……無自覚で人の心をかき回してくれちゃって………でも……そんなしずが……)

憧「大好き」ボソッ

穏乃「え?なんか言った?」

憧「………何も!」

憧(ああ……もうダメだ……顔が熱くて………しばらく戻らないや……さて、なんて言い訳しようかな?)

~~~~~~~~~~~~~~~

晴絵「………出来上がり!……んで、更新!」カタッ!

晴絵「ふぃ~……」

晴絵(……先週に引き続き、自動卓の下に入ってたおかげで……バッチリ全部見れた!)

晴絵(最近だと、打ってる時より自動卓の下に入ってる方が落ち着くようになってきたよ……これはこれでまずいね)

晴絵(……しっかし、我が阿知賀女子麻雀部は、超仲良しだねー!青春って感じ)

晴絵(いいよねぇ青春!見てるこっちも熱くなってくる!)

晴絵「………おお~、なんか燃えてきた!このままじゃ寝られない!よーし、アクション映画でも観るか~!ホァチャア!」

翌日―――

【岩手】

<宮守女子高校 麻雀部部室>

塞(これが熊倉先生の言ってたハルエニッキ…)

塞(読んでみよう)

塞「………………」

塞「…………っ//」

塞「わわっ…////」

塞(こ、これ……足を舐めるって……)ドキドキ

エイスリン「サエ?」

塞「わぁあ!」ビクッ!

エイスリン「?」

塞「え、エイスリンかぁ……ビックリした……」

エイスリン「ナニ ヨンデルノ?」

塞「ん?ブログ。阿知賀の人たちの事が書いてあるやつ」

エイスリン「オモシロ?」

塞「え、ええ……割と……///」

エイスリン「ヨミタイ!」

塞「それはいいけど……エイスリン、漢字とか……」

エイスリン「アンマリ ムリ!」

塞「じゃ、じゃあ誰か……」

エイスリン「サエ!ヨンデ!」

塞「うっ……そう……だよね………わかった……読むよ……」

塞(途中、読むの恥ずかしい箇所あるんだけど……しょうがない……)

塞「えっと……―――」

塞「……ここまで」

エイスリン「…………」

塞(他のみんなが出掛けててよかった………)フゥ

エイスリン「…………」

塞「エイスリン?」

エイスリン「イイ!」

塞「え?」

エイスリン「アラタシズ!イイ!」

塞「あ、ああ……その2人がお気に入りなの?」

エイスリン「ウン!コーコー ノ デアイ カラ カップル!……イイ!」

エイスリン(ワタシ モ シロ ト ツキアッテ アラタシズ メザス!)

塞「いや、まだカップルじゃないと思うけど………そっか、エイスリンはその2人か………」

エイスリン「サエ ハ ダレ?」

塞「え?私は………部員同士じゃないんだよね」

エイスリン「ジャア ダレ!?」

塞「えっと…………穏乃ちゃんと……赤土さん……」

エイスリン「ホワーイ!?」

塞「いや、生徒と監督の組み合わせって………よくない?ほら、この記事もさ、赤土さんは気付いてないけど、実は穏乃ちゃんが好きだから見てた、とかいいじゃん」

エイスリン「ナルホド」

塞「あ!別に、私と熊倉先生がそうなりたいとかじゃないからね!」

エイスリン「ンー?」ジー..

塞「ほ、本当だよ?」

【大阪】

<姫松高校 麻雀部部室>

洋榎「……………よし」

恭子「主将?さっきから帰り支度もせんと、ずーっと携帯見てますけど、何してはるんですか?」

洋榎「わ、恭子か……いやな、なかなか興味深いブログがあるっちゅうて浩子に教えてもろてな。それ見とった」

恭子「……ブログですか?」

洋榎「そや。で、今最後の記事読み終わって、浩子に電話しよう思っとったとこや」

恭子「?」

洋榎「浩子に憧穏の良さをきっちり教えたらんとあかん」

恭子「……はぁ……ようわかりませんけど、あまり遅うならんようにしてくださいね」

洋榎「おお!今度恭子にもそのブログ教えたる!」

恭子「はいはい……」

洋榎「おっしゃ、早速……」ピッピッ..

プルルルル..ガチャ

浩子『もしもし?』

洋榎「お、浩子?うちやうち!」

浩子『……うちうち詐欺は流行らんで。ただでさえ関西圏のおばちゃんは強いねんから』

洋榎「アホ!ちゃうわ!今さらそんな使い古されたネタするかぁ!しかもなんで従姉妹を騙すねん!」

浩子『元気やなぁ……で、用件はなんなん?』

洋榎「おう!あんな、ハルエニッキ見たんやけど」

浩子『ああ、結構ええやろ?』

洋榎「せやな!けど……うちは浩子とはちゃう意見なんやなー」

浩子『ん?』

洋榎「やっぱな、憧ちゃんと穏乃ちゃんの同学年コンビやろ!お互いの事知っとって、心が通じとる感がええなー!」

浩子『ん…確かに……せやけど私にとっては、穏乃ちゃんには落ち着いとる灼ちゃんがピッタリくるんやって』

洋榎「それもわかるけど………」

洋榎(あれ?浩子の言い分をうちらに当てはめた場合、落ち着いとる恭子とせわしないうち……って誰がせわしないねん!……いや、言うてる場合ちゃう)

洋榎(せわしないうちと、落ち着いとる恭子……動と静………あれ?これも合うてんちゃう?)

浩子『……なんで黙るん?ほんまにうちうち詐欺やったん?』

洋榎「なんでやねん!従姉妹にそんな事したら親戚一同敵に回すわ!……ああもう、そんなんどうでもええねん!ちょっと考え事や!」

浩子『電話しといて考え事て……』

洋榎(浩子の推しとる灼穏でもうちと恭子はええ感じや……けど…)

洋榎(灼穏要素の、1コ年上が恭子に適用されてもうたら、大学1年のせわしないやつに恭子をとられてまう?)

洋榎(それよりも、憧穏の同学年、仲良しコンビの方がうちらにふさわしい!)

浩子『通話料どんどん上がってるでー』

洋榎「ふ…………はっはははは!」

浩子『うわっ!なんやねん急に高笑いして……宝塚やないねんから』

洋榎「ふっ……やっぱり穏憧に限るって再確認出来たもんやから、つい笑てもうたんや」

浩子『ふーん、そらようござんしたね』

洋榎「へへん」

洋榎(浩子も認めよった!これでうちの勝ちやな!同学年同士のカップルは正義!……つまり……近い将来、うちと恭子もラブラブになるはずや!)

浩子『ま、誰がええかは好き好きやからな、否定はせえへん。私は灼穏を応援するだけや』

浩子『幼馴染もええ関係やけど、高校で出会ったインパクトっちゅうのもデカいしなぁ、プラスも多いで』

洋榎「ん?どういう事や」

浩子『インハイで幼馴染に会うっちゅう目的の元、蘇った麻雀部。そこに現れた新しい顔。仲間内にはおらんかったタイプ。出会いのインパクトは大きい』

浩子『性格は正反対。でも身長や胸が同じくらいやったり、灼ちゃんはクールに見えて胸に熱いもんを秘めとる。このギャップに穏乃ちゃんはキュンとくるはずや』

洋榎「そ、それは………」

洋榎(インパクト……ギャップ………確かに重要や……お笑いで言うたら、出オチではインパクトが重要やし、ギャップは緊張の緩和……)

洋榎(…………それを踏まえて、恭子の相手を予想すると………あ!!)

浩子『?』

洋榎(赤阪 郁乃監督代行!…恭子は善野監督を尊敬しとるし、その代わりにやってきた時点でインパクトはめっちゃある!)

洋榎(あとはギャップがあれば……恭子は…………)アワワワ..

浩子『おーい、私も暇ちゃうでー?なぁ~』

洋榎「うう…うっさい!」

浩子『おぉ?』

洋榎「浩子がなんと言おうと、憧穏が鉄板なんや!もう浩子の言う事は聞かん!惑わされる!わーわー!」

浩子『惑わそうとした覚えはないねんけど……』

洋榎「わーわー!!もう切るで!浩子は浩子の信じる道を行ったらええわ!うちは憧穏を応援する!」

浩子『お、おう…』

洋榎「ほなな!あ、後ろ振り返ったらお化けおるかもしれんで!気ぃつけぇや!」ピッ!

洋榎「ふぅ~……最後、怖い事言うたったで……」

洋榎(誰がなんと言おうと憧穏や……恭子は同学年のうちと付き合えばええねん……)

洋榎(そう……うちと恭子の相性が抜群やと証明する為にも、憧穏には頑張って欲しいわ……それにはまず憧穏を盛り上げなあかん!)

洋榎(うん!目的は決まった。後は何をすればええかやけど……うーん………はっ!)

洋榎「そや!ブログに憧穏の応援コメントしてみよ!」

洋榎(こういう小さな事から発展してくもんやで~♪)

翌日の夜―――

<晴絵の家>

晴絵「おお!?コメントが結構きてる!ほとんどが管理人のみ閲覧コメントだけど………どれどれ?」

晴絵「…………ふむふむ……」

晴絵「あ、この子は……福岡の………わ、こっちは大阪………インハイに出場してた子ばっかり」

晴絵(もともと備忘録的な意味合いで始めたし、見てる人もほとんどいないブログだと思ってたけど……)

晴絵(みんなそれぞれ、私の記事を読んで熱い想いを書いてくれてる……なんか嬉しい)

晴絵(こういう風に……繋がりを持てるっていいなぁ)ホワァ..

晴絵(コメントくれたみんなと、うちの部員で集まってパーティーとかしたいな………って……お、いいかも!)

晴絵(人数的に規模は大きくないから、部室でも出来るし。うわっ!やっばい、凄い楽しみ!)

晴絵(とは言っても、交通費やらなんやら掛かるし、相手も暇とは限らない。とりあえず、こんなのどうですか的な感じで聞いてみよう……)カタカタカタ

1ヶ月後―――

【奈良】

<阿知賀女子学院 麻雀部部室>

晴絵「……以上、乾杯の挨拶とさせていただきます。では、カンパーイ!!」

全員「カンパーイ!」

ガヤガヤガヤ..

晴絵「…………」

晴絵(しかし………こんなに集まってくれるとは思わなかったよ……)

晴絵(新道寺、千里山、姫松、白糸台、宮守、長野から清澄、風越、鶴賀に龍門渕……)

晴絵(レギュラー全員ではないけど、それぞれの学校から何人かが来てくれてる……あたしのブログを見て……なんか……感動だ)

憧「……こういうのっていいね」フフッ

宥「うん……ちょっと緊張しちゃうけど……」フルフル

玄「部室に、これだけたくさんの人が来るなんて凄いなぁ」

灼「本当……」

穏乃「なんかワクワクするよ~」

?「おーい!」

玄「あれ?なんか手招きしてる……灼ちゃんを呼んでるみたい」

灼「え?あれは……千里山の副将……なんだろ?」

憧「とりあえず行った方がいいんじゃない?」

灼「そうだね。行ってくる」スタスタ..

灼(行って何を話せばいいのかわからないけど……)

浩子「お、来た来た!ほれ、灼ちゃん!飲み飲み!」

灼「え、ありがとう……」

灼(灼ちゃん?)

和「こんにちは」

灼「あ、こんにちは……」

浩子「いやー、原村さんとも話しとったんやけどな」

灼「はい」

浩子「やっぱり灼ちゃんと穏乃ちゃんはお似合いやなぁ!」

灼「っ!?///」

浩子「2人並ぶと絵になる!可愛いわ!」

灼「あの……お、ぉにぁぃ……ですか……///」

和「ええ。幼馴染は大切です。しかし、高校で初めて出会い、そして惹かれあう……まさに運命……素晴らしい事です……ねぇ咲さん?」

咲「……あはは……そういう考え方もあるって聞いた事あるかも」

和「はい!……あぁ……咲さんの肯定………嬉しいです……」アハアァア..

優希「え?」

優希(今の……肯定も否定もしてないじょ……のどちゃん……咲ちゃんが絡むとおかしくなるじぇ……)

灼「えと……」

和「という事ですので、鷺森さんには是非頑張って欲しいです。個人的な意見ですが、穏乃の恋人には落ち着いていて頼りになる人が合ってると思います」

浩子「そやな。私も応援してるで!」

灼「あっ……ありがとう///」

宥(……灼ちゃん楽しそう……どんなお話してるのかな?)

?「あの……」

宥「はい?………あ、花田さん」

煌「おや?私の名前をご存知とは……すばらです!……よろしければあちらの席でご一緒しませんか?」

宥「え、はい……私でよければ……」

煌「おお!ありがとうございます!では参りましょう!」スタスタ

宥「はい」スタスタ

宥(えーっと……この人たちは………新道寺の白水さんと鶴田さん……だったよね)

哩「………」ペコリ

姫子「……」ペコリ

宥「あ、こんにちは」ペコリ

哩・姫子「……………」

宥「…………?」

宥(どうして黙ってるんだろう?)

煌「すばらっ!」

宥「わ!」ビク

煌「お気を悪くされたら申し訳ありません。しかし、お2人が黙っているのには理由があるのです!」

宥「理由……?」

煌「はい。お2人は今、7翻でリザベーション中なのです!」スバラッ!

宥「りざべ……?」

煌「ああ!失礼しました。リザベーションについて説明致します!」

(説明中)

宥「なるほど……わかりました……でもリザベーション中という意味がまだ……」

煌「はい。実は……本日出発前に、麻雀をしておりまして……私、部長、安河内先輩、江崎先輩で」

宥「はい……」

煌「そこで部長が7翻でリザベーションをかけ、そのまま出発したのです」

宥「………??」

煌「リザベーションが解けるのは、その局に和了るか、終了するまで……つまり……」

宥「……今も縛られたまま?」

煌「その通り!すばらです!……今も部長は縛られ、姫子はその………おっきいのが入った状態なのです!」

宥「//////」

煌「ですから、体は敏感になっており、小声以外では喋れないのです!」スバラァ!

宥「は、はぁ……でも……どうしてそんな事……」

哩「………っ///」ザッ!

煌「あ、部長」

哩「……………………………………………………………」ゴニョゴニョ..(煌に耳打ち)

煌「…………はい、わかりました」

宥「?」

煌「………部長からのお言葉です。………松実さんなら私の気持ちがわかるのではないか、と」

宥「っ!?」

煌「もしも……高鴨さんのジャージで後ろ手に縛られたまま、外を連れ回されたと想像したら……興奮しないか?」

宥(ぁ………そんな姿で………穏乃ちゃんに………連れ回されて………)ドキドキドキドキ

煌「だから私はリザベーションをかけたまま、ここに来た。それだけだ……だそうです」

宥「な、なるほど……」ハァハァ..

宥(どうして…私がそういう……『イケナイ事』を考えちゃう人ってわかるんだろう?……白水さんたちも同じだから……かな?)ドキドキドキ..

姫子「っ……」ビビクン! ..ビビクン! ..ビビクン! ..ビビクン!(ゆっくり煌の元へ歩く)

煌「おや?………どうぞ」

姫子「…………………………………………………」ゴニョゴニョゴニョ(煌に耳打ち)

煌「はい………松実さん、あなたはまだ吹っ切れてないみたいですね」

宥「え?」

煌「確かに、他の人に自分の被虐嗜好を知られるのは恥ずかしいでしょう」

宥「///」

煌「ですが、阿知賀の皆さんなら、松実さんの被虐心も……包み込み、受け止めてくれるでしょう」

宥「あ………」

煌「もちろん……穏乃ちゃんも………」

宥「っ////」

煌「一方通行の被虐は寂しい。その寂しさも快感に変えられるけど……恋人が応えてくれた時の快感に比べたら雲泥の差……だそうです」

宥「………」ゴクリ

哩・姫子「……」(煌に耳打ち)

煌「はい……はい………それと、私たち2人は穏宥派だから、松実さんを応援する。頑張って!という事です」

宥「あ………」

宥(『しずゆうは』っていうのはよくわからないけど……私を……応援してくれるみたい………どうしよう………凄く……嬉しい……)ポワァ..

?「私も応援する~!」

宥「え?」

淡「あははっ!ユウ~♪」ワーイ

宥「わわっ………大星さん?」

淡「そだよ~♪あ、私も穏宥派だよ!」

宥「え…と……ありがとう」

淡「やっぱり3年生と1年生のカップルはいいよね~」

淡(テルーも早く気付けばいいのに~!レギュラーで1年生は私だけだよ~)♪~

ゆみ「その通りだ」

淡「?」

桃子「お久しぶりっす」

宥「あ……加治木さんと東横さん」

ゆみ「私とモモも3年と1年……勝手ながら、感情移入させてもらっているよ…………その……君の気持ちもわからんでもないしな//」

桃子「そうっすね」クスッ

宥「?」

淡「わぁ~!仲間が増えたっ♪いいねいいね!イケてんじゃん!やっぱ最高だよ、穏宥!」

ゆみ「うむ、性格的な部分では灼穏と同じく、静と動という一面を持つ」

ゆみ「そして、年上である宥の包容力を、年下の穏乃が支配的に包む、といった逆転現象までが加わる。これがまたとても魅力的だ」

淡「んんー?……難しくてよくわかんないけど……ようするに、いいって事?」

ゆみ「ああ」

淡「ならいいや♪やったね、穏宥派はいっぱいいる~!最高~!」ワハーイ!

一「ふふっ……確かに最高だよね。ボクも穏宥派だよ」

宥「?………国広さん」

淡「また増えた~♪」

一「お久しぶりです」

宥「あ、お久しぶりです……あの、透華さんはご一緒じゃないんですか?」

一「……透華は向こう」

宥「そうなんですか……」

一「うん……透華もボクと同じ穏宥派だと思ってたけど………違ったみたい」

宥(あ、寂しそう……)

一「…まぁ……最終的にはボクを選んでくれると信じてるから………平気なんだけどね」

宥「国広さん……」

宥(ボクを選ぶってなんだろう……?)

一「……それよりも!……松実さん」

宥「は、はい……」

一「好きな人に縛られるっていいよね」

宥「え?えと……縛られた事はないので……まだわかりませんけど……」

一「ああ、物理的な意味じゃなくてね。…ボクの場合、物理的でもあるけど」

宥「?」

一「ま、なんていうのかな………自分を支配してくれてる感じ?」

宥「あ………」

一「松実さんもただ被虐心を満たされたい訳じゃないでしょ?穏乃ちゃんが好きだから……『穏乃ちゃんに』ってのが絶対。違う?

宥「違わないです……」

宥(そう……穏乃ちゃんじゃないと………穏乃ちゃんに支配されて……私は穏乃ちゃんのもの……)ゾクゾクゾクッ!

一「だよね。やっぱり愛情がないと嫌だよね。もっとも、それではぬるい……って人もいるだろうけど」

淡「?そこらへんは私にはよくわかんないなー。でも応援してるよ!頑張ってね、ユウ!」

桃子「私たちも応援してるっすから!」

ゆみ「その通り。何か相談があったら、いつでも言ってくれ」

宥「みんな………うん……ありがとう!」ニッコリ

煌「和気あいあいで……すばらです!」

哩・姫子「………っ!」ウンウ..ビビクン!

玄「…………」ムシャムシャ..

玄(穏乃ちゃんも憧ちゃんも違うテーブルに行っちゃったし……みんな散らばっちゃったな……)

玄(こういう時、どうしたらいいんだろう?誰か、お話出来る人……)

?「すいません…」

玄「は、はいっ!?」

咲「こんにちは。私、宮永 咲っていいます」ニコッ

玄「あっ、ここ、こんにちは!わ、私は…」ペコリ!

咲「知っています。松実さんですよね」

玄「え?はい……」

咲「……松実さん…」

玄「はい」

咲「…姉妹愛って素晴らしいですよね!」

玄「え?」

咲「私、穏玄派なんです!妹な穏乃ちゃんと、姉の松実さんの組み合わせが大好きで!」

玄「ぅええっ!?どうしてそれを……」

咲「大丈夫です!それ以上は……言わなくてもわかります」

玄「へ……?」

咲「インハイで私のお姉ちゃんと試合して、気付いたんでしょう?お姉ちゃんが私を想っている事……」

玄「??」

咲「お姉ちゃんは、私と結婚する為に……私との愛の為に、あえて冷たくしていた……」

咲「東京へ行ったのも…ずっと同じ家に住んでいる状態ではメリハリや刺激が無いから」

玄「???」

咲「お姉ちゃんの行動の中には常に私への愛がある。それを感じたから、姉妹愛の良さに目覚めた………」

咲「……でも松実さんは、実の姉に対しては家族愛以外は持てなかった……だから大好きな穏乃ちゃんに妹化してもらった」

玄「????」

咲「うん、それは英断かもしれない……実の姉と愛し合うのはとても素晴らしいけど、なかなか難しい…」

咲「私みたいに、両想いになれる確率は低い……それでもなお求めるというのも素敵だけど…私は松実さんのやり方でいいと思います」

玄「は、はぁ……ありが…とう?」

咲「たまには、穏乃ちゃんが姉パターンとか、いいかもしれないですね」

玄「あ……それは確かに………天真爛漫なおねーちゃんって感じで……いいかも」

咲「ええ。姉妹愛は深いんです……」クク..

玄「な、なるほど……」

咲「それと…これは私からの忠告なのですが」

玄「?はい」

咲「松実さんの場合は、姉妹愛の素晴らしさを感じられる疑似姉妹体験です。…そう、あくまで体験ですので、いつかは疑似姉妹をやめる時が来るでしょう」

玄「………」

咲「でも、それでいいんです。松実さんには宥さんというお姉さんがいます。恋人との疑似姉妹にのめり込むあまり、お姉さんを悲しませないよう、気を付けてくださいね」

玄「あ……うん!私、おねーちゃんも大好きだから!」

咲「ふふ……私が言うまでもなかったですよね。偉そうな事を言ってごめんなさい」ペッコリン

玄「いえ……とても参考になりましたから」

咲「そうですか?それなら嬉しいです」アハハ

玄「あははは」

 
 
 
 
 
 
 
和「………なんですかあれ……楽しそうにお喋りして……」ギュウゥゥ..(エトペンを強く抱きしめる)


優希「の、のどちゃん!やめるじょ!エトペンが砂時計みたいな形になってるじぇ!!」

和「え?ああっ!エトペン、ごめんなさい!」サスリサスリ..

玄(宮永さん……麻雀打ってるところしか見た事なかったし、怖い人かなって思ってたけど優しい……)ホッ

絹恵「松実さ~ん」

玄「?」

咲「……愛宕さん?」

絹恵「あ、宮永さんも……こんにちは!」

玄・咲「こんにちは」

絹恵「いや~、姉妹愛ってメッチャええなぁ、て思いません?」

玄「え?あ、うん……」

咲「思うよ!愛宕さんも……」

絹恵「その通りです!」

咲「あ……もしかしてお姉さん?」

絹恵「え?いえ、私はお姉ちゃんを尊敬してますし大好きですけど、ガチまではいってへん感じですわ」

咲「なるほど~。うん、でもそれもいいですね」

絹恵「宮永さんはガチですか?」

咲「うん。両想い」

絹恵「はぁ~……凄いわぁ……せやけど、自分はガチやのに、私らみたいな感じのも認めてくれはるんですか?」

咲「もちろんですよ。尊敬も姉妹愛の一種ですし、愛は恋愛だけじゃありませんから。私は全ての姉妹愛を素晴らしいと思ってますから」

絹恵「………そこまで考えてはるんや……宮永さん凄いわぁ………あの………頑張ってくださいね!」

咲「うん!」

絹恵「松実さん!」

玄「あ、はい」

絹恵「穏乃ちゃんとの疑似姉妹……メッチャ良かったです!溺愛具合が最高でした!」

玄「…ありがとうございます」

玄(だから……なんで知ってるんだろう?)

絹恵「うちの場合はお姉ちゃんが背ぇ小さいんで、見上げられるのが可愛すぎで………穏乃ちゃんの上目遣いでキュンとくるんとか、メッチャわかるんです!」

玄「見上げられるのいいですよね!?あのっ、他にどんなキュンがありますか!?」

絹恵「そやなぁ………あ!こないだお姉ちゃんとクイズ番組を一緒に観てた時の事なんやけど…」

玄「はい!」

絹恵「お姉ちゃんが自信満々で答えた後、うんちくまで言うてたのに、その答えが間違ってた時の言い訳とか……」

玄「あああ……」

絹恵「少し顔赤ぁなりながら『あ、そっちの意味やったか…』とか言うて誤魔化してプライドを守ろうとしてるお姉ちゃんがもう……ヤバいくらい可愛いんです~!」

玄(わかる……もしそれが穏乃ちゃんだったら……)

~~~~~~~~~~~~~~~

<玄の部屋>

玄「あれ?穏乃ちゃん、間違っちゃったね」

穏乃「これは……ああ!勘違いしてた。しまった~、ちゃんと問題を読めばよかった」

玄「ええ~?ちゃんと問題を読んでたから、あんなに自信満々だったんでしょ?」

穏乃「っ……そんな事ないもん!玄お姉ちゃんなんて、いつも答え出てから『やっぱり~』とか言うくせに!後出しだよ!」

玄「そうだね。でも後出しのおかげで、穏乃ちゃんみたいに恥ずかしい思いをしなくてすんだよ。よかったぁ」

穏乃「!もう………玄お姉ちゃんうるさい!そんな口………こうしちゃうもん!…………んっ……」チュ

玄「んんっ!?」

穏乃「………///」レロ..チュ..

玄「………/////」

穏乃「………ぷぁ…………妹だって……たまには反撃しちゃうんだから……」

玄「…………」

穏乃「い、いい?もうこの話は終わりだからね!」

玄「………ううん、これからだよ」

穏乃「え?」

玄「っ!」ガバッ!(穏乃を抱きしめて押し倒す)

穏乃「きゃっ!……玄、お姉ちゃん?」

玄「……………さて問題です」チュ

穏乃「ぁっ………何を……」

玄「私は…玄お姉ちゃんは妹をどうしたいと思ってるでしょう?」

穏乃「え……?」

玄「……………」

穏乃「それは……」

玄「……………」

穏乃「………だ………抱きしめたい………///」

玄「…………ブブー!惜しい」

穏乃「え?」

玄「答えは…………朝まで愛し続けたい………でした」

穏乃「っ/////」カァァ..

玄「不正解の罰は……玄お姉ちゃんの事しか考えられなくなるまで愛し続ける……にするね」

穏乃「くろ……おねぇちゃん………私……」

玄「愛してるよ……穏乃ちゃん……」

~~~~~~~~~~~~~~~

玄「……………」ダラー

絹恵「松実さん、ヨダレ垂れてる……ちょうど落下位置にあるリッツに思いっきりかかってますよ?」

玄「はっ!ご、ごめんなさい!責任持って食べます」ムシャシャ!

玄(完全に妄想の世界に行ってたよー!)

咲「ふふ……気持ちはわかります」

玄「むしゃむしゃ……ごくっ……宮永さん………」

咲「あのお姉ちゃんが私の前で股を開いて……とか、お姉ちゃんでありながら私のモノに舌を伸ばして……とか、そんな想像もアリですからね」

玄「うっ……//」

咲「愛宕さんはしません?」

絹恵「……ちょ、ちょっと……だけ……///」

咲「照れなくてもいいじゃないですか。妹なら誰でもしてる事ですから」ニコッ

絹恵「そ、そうなん?………よかった、私だけやないんや」ボソッ

咲「松実さん……その調子で、頑張ってくださいね」

玄「あ、はい。ありがとうございます」ニコリ

 
 
 
 
 
和「ぐぐぐぐぐ………」ギュィィィ!(エトペンを強く抱きしめる)


優希「の、のどちゃん!やめるじょ!エトペンがしめ縄みたいになってるじぇぇ!!」

和「え?ああっ!エトペーン!ごめんなさい!!」サスリサスリ

優希「あの……私が持つじょ」

和「いえ……大丈夫です」

優希「で、でも………エトペンの限界が近付いてる気がするじょ……」

和「……また私がエトペンを傷付けると?」

優希「そ、そうは言ってないじょ……」

和「………ゆーき」

優希「っ!な、なんだじょ」

和「前々から気になっていたのですが……ゆーきは………誰派なんですか?」

優希「え?」

和「ゆーきも記事を読んだでしょう?……誰派か答えてください」

優希「う、うん………私は………」

優希(京太郎…………)

優希「………穏乃ちゃんは男の人と付き合うのも………」

ほぼ全員「奈良に男はいない!!!!!!!!!!!!!!」

優希「ひぃっ!!?ごめんなさい!!」

透華・美穂子「………はぁはぁ……」

透華「……はっ、わたくしとした事が、つい大声を出してしまいましたわ……しかも、向こうのテーブルでの話に割り込んで……」

美穂子「わ、私も……はしたない……//」

透華「………ちなみに……福路さんは……誰派でしょうか?」

美穂子「私は………穏和派です」

透華「あら?それはどうしてですの?ここ最近の更新では原村 和には一切触れておりませんのに」

美穂子「……半ば思い出と化した人との再会……それに惹かれたからです」

透華「ほう…」

美穂子「決別ではないけれど、1度離れ離れになった人………テレビ越しに再会した時の穏乃ちゃんの感情は恋愛とは全く違うものだったのかもしれません…でも…」

美穂子「再び会う為に麻雀部を復活させて全国を目指そうと決意する……その想いが原動力となり、全国出場を果たしました」

美穂子「そして念願叶い、再会……その時の喜びと、胸の高鳴りで気付くんです……ああ、彼女の事が好きだったんだと…」

美穂子(上埜さん………)ハァァ..

透華「なるほど……」

美穂子「龍門渕さんはどなたが?」

透華「ええーと……」

透華(……これほどまでに真剣な方を相手に嘘をつくのは失礼ですわね)

美穂子「?」

透華「……わたくしは、穏宥派ですの」

美穂子「あら。それも素晴らしいです。……でも、どうして思い詰めた顔でおっしゃたのですか?」

透華「………実は、周りの人間には穏和派であると言っておりまして……」

美穂子「え?それは………何故かを聞いても……?」

透華「ええ。お話します。福路さんほど真面目にカップリングを考えてらっしゃる方に適当な事は申せませんので」

美穂子「あ、いえ……//」

透華「わたくし…ある人とお付き合いをしておりまして……」

美穂子(国広さんかしら?うん、きっとそうね)

透華「その子は穏宥派と言いました。わたくしも同じだと内心喜んでいたのですが…その子に誰派か尋ねられた際…」

美穂子「?」

透華「………穏和派であると……言ってしまったのです」

美穂子「あら……」

透華「……その場では、『そうなんだ』と笑っておりましたが、おそらく今でも気にしているでしょう」

美穂子「……どうして……その様な事を?」

透華「…………」

美穂子「………」

透華「わたくし………原村 和を意識しておりまして」

美穂子「?」

透華「もちろん恋愛感情ではありません。しかし、その子にとっては心配らしいのです。わたくしの気持ちが原村 和に向くのではないかと」

美穂子「……わかります」

透華「……わたくしが原村 和を気にするたび、ヤキモチを焼き、不安そうな顔をする……その不安がピークになる直前っ!!」

美穂子「っ!」ビクン!

透華「わたくしがその子を求めると……と~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

透華「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

透華「~~~~~っても!嬉しそうな顔をして……『とーかぁ、とーかぁ』と私を呼ぶのです!ああああああ愛らしすぎますわっ!!!」

美穂子「あらあら」ウフフ

透華「その可愛さを知って以来……あえて原村 和に気のある素振りをして…」

透華「『透華……もうボクの事は好きじゃないの…?』という風に、一に少し悲しい顔をさせた後、一を愛する…というパターンにドハマりしてるのです!」

美穂子(あら?国広さんだとバラしてもいいのね……というより、そんな事すら忘れるほど熱が入っているみたい……よほど好きなのね)フフッ

透華「わかっております!わたくしが酷い事をしていると……ですが……あの一の顔が………忘れられないほど愛しい………」ハァア

透華「今回で最後にしようと毎回思いつつも………あぁ……はじめぇ……ごめんなさい………わたくしはまた………あなたに意地悪をしてしまいます……」

美穂子「それも……愛情表現……なんですね」

透華「ええ!わたくしが愛するのは一のみですわっ!」

美穂子(羨ましい………私も上埜さんとこのような関係になれたら………///)

久「…………」

まこ「どうしたんじゃ?ボーっとして。他のテーブルに行って会話に加わらんでもええんか?」

久「ん?ええ……こうして見ているだけでも楽しいし」

まこ「そか」

久「………………」

久(麻雀部に……残っていてくれたまこ………)

久(いつだって私のそばにいてくれて………まこがいなかったら、全国なんて夢、とっくに諦めてた……)

久(今年、全国行きが決まって……改めてお礼を言おうと思いつつも、タイミングを逃しちゃったけど……)

久(いつでも私はあなたに感謝してるのよ?……まこ……)

久(だからかしら?…またみんなと麻雀がしたいという想いを胸に、阿知賀こども麻雀クラブという思い出の場所を守り続けていた松実さん…)

久(その想いに、1番最初に応えてくれた高鴨さん……)

久(立場や状況は違うんだけど、この2人にはなんか…自分を重ね合わせちゃうのよね……)

久「……ちなみに…………まこは誰派?」

まこ「……………」ジー

久「………な、何よ」

まこ「……………」スタスタ(久に近付き、顔を覗き込む)

久「ち、近いから」

まこ「……………あんたと同じじゃ」

久「っ!?////」カァァ..

まこ「………」

久「な、なっ………それって……」

まこ「………なんて、な」

久「へ?」

まこ「はは」

久「ちょ、ちょっと!私をからかった訳!?」

まこ「さぁのう?……にしても…相変わらずじゃの部長。人の事はからかうくせに、自分がやられるとパニクるって……」クスッ

久「うう、うるさいわね」

久(まこが………ドキッとする事言うからじゃない!……私の気持ちに気付いてくれたのかと思った……)チラッ

まこ「~♪」

まこ(わしから告白すると、完全に主導権握られるからのぅ……からかわれて慌てるあんたの顔が見られないのは寂しいわ)

まこ(……それに、あんたには………辛抱強く待つだけじゃのぉて、勇気を持って自分から道を切り開いて進んで行く人になって欲しいんじゃ)

まこ(あんたは………待つ姿も似合っとるけど………もっともっと輝けるはずなんじゃから……)

塞「でねでね!ブログを書きながら気付く訳。自分がどれだけ穏乃ちゃんを見ていたかを!」

白望「あー、なるほどねー、うんわかるー」モグモグ

塞「やっぱさ、監督って視野が広いから、遠くまで見渡せるんだけど、意外と目の前の事を見落としたりするのよ」

塞「穏乃ちゃんもさ、これだけ見守られてたって気付いたら赤土さんに惹かれるよ!」

白望「そうだね。これだけ美味しいお菓子だもん。惹かれるよ」

塞「うん!実行に移さないのは、教職者だから!心の中では愛し合ってる!」

白望「わかるよー。わかるからカルピス取って」

塞「はいどうぞー」

白望「ありがと」ゴクゴク..コトッ

豊音「ただいまー」

白望「ん、おかえり」

豊音「サインちょーいっぱいもらっちゃったよー」ワァー!

白望「そか、よかったじゃん」

豊音「うん!」

塞「あ、サインと言えば……穏乃ちゃんの目の前で赤土さんのファンがサインを求めるの!それを見た穏乃ちゃんは、ライバルがたくさんいるって気付いて……」

豊音「………あれ?まだ続いてたんだ?」

白望「うん」

豊音「1ヶ月前ぐらいは普通だったのに……どうしてかなー?」

白望「何度も記事を読み返して、妄想を膨らましてるうちにどんどんインスピレーションが湧いてきたらしい」

豊音「そうなんだー」

塞「いきなりの告白に戸惑った赤土さんは、冷たくあしらうんだけど、後で気になって会いに行くと、穏乃ちゃんが泣いてる姿を目撃する!その儚さに……」

白望(高鴨さんと赤土さんの関係を妄想してる風だけど、明らかに監督と自分をイメージして言ってるよね)

白望(……塞……そんなに監督が好きなのかな……私の方が付き合い長いのに)

豊音「えへへ……両手じゃないと持てないぐらい、たくさんのサイン…うれしいよー」

白望(あー、ダメだこれ。この思考になるとろくな気分にならない……)フルフルッ

豊音「シロ?…どしたのー?」

白望「………………」

豊音「??」

白望「えいえいえい」(豊音の髪の毛をわしゃわしゃかき混ぜる)

豊音「わわわー!両手塞がってるのにずるいよー!」

白望「…………ふふっ」

豊音「…………」ボサボサー..

豊音「わぁああ!髪の毛がぐしゃぐしゃだよー!」ワーン!

白望「ごめんごめん。ちゃんと元通りにするから」

豊音「ほ、ほんとー?」

白望「ほんと」

豊音「ありがとー♪」

白望「いや、私が悪いんだからお礼はいらないって」

豊音「あ、それもそうだねー」

白望「そうそう」(豊音の髪の毛を指で梳く)

豊音「~♪」

白望(トヨネ……本当に癒し系………意地悪してごめん。今度何かおごるから許してね)

憧「そうなんですかー?さすが名門」

竜華「そんな事ないで?阿知賀こそ、部員5人で全国とか凄すぎるやん!なぁ?」

怜「せやなー」

憧「も、もう!褒めすぎですよー!」

怜「でも本心やから。個々の実力の高さもそうやし、準々決勝オーラスの高鴨さんの打ち方とか、みんな感心してたで」

穏乃「あ、ありがとうございます//」

竜華「凄い気迫やったもんなぁ」

穏乃「い、いえ……そんな……///」

浩子「お~い、高鴨さ~ん!」

穏乃「?」

怜「お?あっちのテーブルでフナQが呼んどる」

穏乃「えっと……」

怜「私らの事は気にせんと。行っといで」

穏乃「あ、じゃあちょっと行ってきます!」

竜華「話せて楽しかったで。また後で来てなー?」

穏乃「はい!」スタスタスタ..

憧「あ……」

怜・竜華「…………」

憧「…………」

怜「寂しいなぁ」

憧「え?」

竜華「穏乃ちゃん行ってもうて」

憧「な、何言ってるんですか!別にっ、ちょっと離れただけじゃないですか!」

怜「ええよええよ、無理せんでも」

竜華「そやで?うちらは憧ちゃんの味方なんやから」

憧「味方?」

怜「うん。同学年同士、くっつくのはええ事やで」

竜華「うちらみたいになー」ギュッ

怜「っ……ここではやめぇて……//」

憧「……………」ゴクリ

竜華「憧穏は至高や。憧ちゃんには是非頑張ってもらいたいわー」

照「その通り」

竜華「せやろ?怜も………って、宮永 照!?」

照「そう。宮永 照」

憧「わ……本物………」

怜「ビックリした……急に現れるんやもん…」

照「ごめんなさい。憧穏って聞こえて、居ても立っても居られなかった」

竜華「お、なんや、宮永さんも憧穏派なん?」

照「うん」コクリ

憧(………憧穏派………あたしとしずの恋を応援してくれる人たち………って事なのかな?)

怜「へー、理由とか聞いてもええ?」

照「うん。同学年同士、しかもなかなか長い付き合い……だったら、友達以上になってもいいと思う」

憧「////」

竜華「なんか実感こもっとる言い方やな」

照「こもってる。私も新子さんと似た立場だから」

憧「?」

怜「へぇー……弘世さん?」

照「え…………」

怜「?」

照「…………どうしてわかったの?」

怜「いや……白糸台のレギュラーで宮永さんと同じ3年生は弘世さんしかおらんから、なんとなく……」

照「………………あ」

怜・竜華「………………」

照「…………………」

怜・竜華「………………」

照「……………忘れて」

怜・竜華「無理や」

照「………菫には内緒でお願い」

怜「ん、わかってる。言わへんよ」

憧(そっか……インハイチャンプも、あたしと同じ様に悩みを抱えてたんだ……)

竜華「なぁなぁ、なんで宮永さんは……」

菫「照」

竜華「わ」

照「菫?」

菫「あ、千里山と阿知賀の……こんにちは」

憧・怜・竜華「こんにちは」

照「何?」

菫「ん?ああ、ただ様子を見に来ただけだが……」

照「そう……」クィクィ(怜の袖を引く)

怜「?」

照「菫に、誰派か聞いてくれないかな?」ボソボソ

怜「……わかった。任し」

菫「?」

怜「あの………弘世さん」

菫「?何か?」

怜「弘世さんて……誰派です?」

菫「ああ………私は………」

照「……………」ジー

菫「……………穏和派……だ」

照「!」

怜「そ、そうなんや………ありがとう」

菫「あ、ああ……」

照「……………ありがとう」ボソ

怜「い、いや……その……落ち込みなや」

照「うん」

菫(すまん照………しかし、憧穏派だと宣言してお前をぬか喜びさせる事は出来ない……)

菫(そして同時に、本当は穏宥派だと淡にアピールする事も出来ない……私は臆病者だ……)

?「お姉ちゃん」

照・菫・怜・竜華・憧「?」

咲「…………」

照「さ、咲!」

咲「………話……聞いてた。……強がるのはやめようよ」ジリ..

照「う」タジッ

咲「私を嫉妬させる為に言ったって事はわかってるよ?でも……やっぱり辛いよ」

照「いや……だから……私は……」

菫(ここまでうろたえる照は初めて見る……)

咲「お姉ちゃん、そろそろ自分の気持ちを認めて?本当は………穏玄派なんでしょ!?」

怜(な、なんやあの迫力は………)

照「………さ、咲の説得をお願い」(怜に耳打ち)

怜「無茶言いな!?私、あの子と付き合いないのにどう説得すんねん!手札ゼロやで!」ヒソヒソ

照「……………」

怜「………な?」

照「………咲は昔から思い込みが激しいところがあって、1度心を許すと結構……」(怜に耳打ち)

怜「いや、説得材料くれ言うてるんやないねん!あんたが説得してくれ、言う事や!」ヒソヒソ

照「う…………」

咲「………お姉ちゃん……私………妹がいないって………ショックで………」グシュ

照「あ…………」

咲「お姉ちゃんが私を愛してるのはわかってたし、結婚に向けて世間を騙す為に言ったんだって気付いてたけど……それでも……たまに凄く不安だった……」グス

照「……結婚なんて………ううん、今はいい。……その……ごめん………あの発言は………失敗だった……」

咲「え?」

照「一緒に住んでた時………咲があまりにも私にベッタリだったから……このままだと咲にとって良くないんじゃないかって思ったの」

照「だから………私が冷たい態度をとって咲に嫌われれば……って」

咲「……………」

照「………家を出るきっかけもあったし……」

咲「あ…………」

照「……………」

咲「………じゃあ…………前に会いに言った時、まともに話を聞いてくれなかったのは……?」

照「うん…………あそこで前みたいに話したら、また同じ事になるだろうから………」

咲「……やっぱり私の為を思ってくれてたんだね………でも……本当に悲しかったんだよ?何を聞いても無視……されて……」グス..

照「うっ…………」

咲「………………」スン..

菫「………あの、いいか?」

咲「?」

菫「照は……妹さんなら知っているだろうが、無愛想に見えて、意外と面倒見がいいというか……悪い奴じゃないんだ」

咲「………」

菫「ただ……照は不器用だから、冷たい態度をとらなければと思った時、加減がきかずに無視するまでいってしまったんだと思う」

照「菫………」

菫「ええと……だから……何が言いたいかというと………」

咲「……大丈夫です」

菫「え?」

咲「ちゃんとわかりましたから。……両想いとはいえ、無視されたショックが大きすぎて、考えが回らなかったみたいですね……」

照「咲……」

咲「お姉ちゃん………ごめんね。私が甘えすぎたせいで、お姉ちゃんに迷惑かけちゃって」

照「………ううん、私もやりすぎた。もっと話し合えば良かった。ごめんなさい」

咲「うん………これで……仲直りで……いいかな?」

照「うん」

咲「……やった…………やったぁ!!」

菫「ふ……」

怜「………」ホッ

憧(なんかよくわからないけど、めでたしめでたし、かな?)

竜華「はぁ~……仲直りってええなぁ」ホロリ

咲「……ありがとうございます、弘世さん。私を気遣ってくださって…」

菫「ん……ああ」

咲「…………言っておきますけど、お姉ちゃんを信じてなかった訳じゃないですよ?」

菫「ん?」

咲「それに、弘世さんは最近のお姉ちゃんと会ってるから気付けた、みたいなところもありますもんね」

菫「ふっ……そうか」クス

咲「な、何を笑ってるんですか?勝ち誇ってられるのも今のうちですよ?これから私とお姉ちゃんは肉体的にもラブラブになるんですから!」

菫「わかったわかった」

照「なんでそうなるの?……それじゃ前と」

咲「この歳まできたらもうしょうがないよ!だから『お姉ちゃんとラブラブイチャイチャしながらもちゃんとする』っていう道を突き進む!心配しないで!」

照「あ、ああああ………」フラフラ..(両手で頭を抱える)

菫「おいおい……なんてリアクションだ」

照「菫は知らない……咲の愛の重さを………」

咲「お姉ちゃん大好き!お姉ちゃんの全ての細胞を愛してる!」

 
 
 
 
 
和「………………」


優希「……………」ゴクリ

絹恵「~♪」スタスタ

和「………あ、なぜかてがすべりました」(和の腕からエトペンが落ちる)

ポーン コロコロ..

絹恵「ん?」(絹恵の足元へ)

絹恵「っ!」ドカッ!(エトペンを蹴り上げる)

優希「ああっ!?」

ガン!ガン!ゴローン!(天井、壁に当たり、床を転がるエトペン)

絹恵「あ、またやってもうた!ほんますんません!取ってきます!!」ダダッ!

和「………………」

優希「……………」

和「………………」スゥー..

和「………エトペーーーーン!!!」

優希「わざとだじょ!!絶対わざとだじょー!!!」

エイスリン「ハイ!」(憧と穏乃が手を繋いで笑っている絵)

穏乃「わぁ!すげー!上手ですねー!」

胡桃「いい!」

洋榎「やっぱこの2人はええなぁ!」

穏乃「そうですかー?」

洋榎「そうですやでぇ?」

胡桃「完璧!凄くお似合い!」

胡桃(同学年同士で小さい子と中くらいの子!私とシロみたい!)

穏乃「お似合い……」

洋榎「ん?なんか気になる事でもあるんか?」

穏乃「いえ、なんか今日はそういう風に言われる事が多いなぁって思いまして」

洋榎「ほぉ、どんなん?」

穏乃「さっきは船久保さんに、灼さんと2人が似合うって言われましたし」

洋榎・胡桃「む」

エイスリン「ム」

穏乃「あっちのテーブルでは玄さん。あっちでは宥さん。……向こうのテーブルでは和とお似合いって言われたんですよ」

洋榎・胡桃「むむむ………」

エイスリン「ムムム………」

穏乃「最近流行ってるんですかね?2人組が」

洋榎・胡桃「むむむむ~」

エイスリン「ムムムム~」

穏乃「ん?どうしたんですか?」

洋榎「いや!どうもせえへん!ただ、穏乃ちゃんには憧ちゃんが1番似合うって思ってただけや!」

エイスリン「ソウ!」

胡桃「正しいそれ!」

淡「………ちょっと~……聞き捨てならないな~」

洋榎「んぉ?」

エイスリン・胡桃「?」

淡「穏宥の良さを忘れちゃダメだよ?」

洋榎「松実姉か………いや、忘れた訳ちゃう。魅力的やし、好きなんも理解出来る」

洋榎(けどそれやと恭子とうちの相性が……)

洋榎「……理解した上でうちは憧穏や!最高やもん!なぁ?そう思うやろ?」

胡桃「当然!」

エイスリン「…………」キュキュキュ..

エイスリン「オモウ!」(じゃれる穏乃を照れながらいなす憧の絵)

洋榎「ええやんけ~!絵上手いなぁ~♪」(エイスリンの頭をなでなで)

エイスリン「エヘヘ~♪」

洋榎「見てみぃ!この絵のイチャイチャっぷり!まさにカップルやろ!」

淡「ぐぬぬ……でも穏宥は癒しがすっごいんだから!」

洋榎「癒し……それは………確かに……」

淡「へへん!穏宥の癒しパワーなら、今の現代社会のなんかの大変なやつを……なんとか出来るね!これは!」

洋榎「大事な部分が虫食いやからわからへん」

淡「い、いいの!とにかく見てて幸せだし、3年と1年のコンビは鉄板!」

胡桃「3年同士も鉄板!」

穏乃(……なんか……会話に入れない……)

咲「待って!姉妹愛を忘れちゃダメだよ!」

淡「サキ!?」

洋榎「ん?清澄の……」

咲「淡ちゃん……私は淡ちゃんに姉妹愛の素晴らしさを知って欲しくてあのブログを教えたのに……」

淡「だってクロよりユウの方がいいんだもん!」

咲「でも少しはわかってよ!さっきから聞いてたら、松実さ……玄さんの話題が出ない!あんなに妹を愛でてたのに!」

淡「それは知ってるけど……」

咲「愛宕さん!妹さんは好きですか!?」

洋榎「へ?……そらぁ、好きやけど」

咲「っ!じゃあ愛宕さんも穏玄へ」

洋榎「……それはちゃう!絹は大切な妹やけど、穏玄にシフトする理由にはならへん」

咲「……引っかからなかった……」

洋榎「当然や!」

胡桃「引っかけはやめるそこ!」

エイスリン「ダメ!」

和「……ちょっといいですか?」スタスタ

洋榎「?原村……」

穏乃「あ、和!」

咲「……………」

淡「んー?」

胡桃「……」

穏乃「あのさ、和は……」

和「灼穏をお忘れですよ?高校で出会った者同士の素晴らしい恋愛模様……見逃したら損です」

穏乃「………………」

穏乃(和まで……)

和「ねえ咲さん?出会って半年足らずで下の名前を呼び合うとか………もはや付き合うべき運命!」

咲「あはは………運命っていい言葉だよね」

和「はい。ですから………灼穏に習い、私たちも……」

咲「いや……私は穏玄だから……」

和「穏玄?………じゃあ私がお姉さん役をします!咲さんは妹役で!」

咲「…私は疑似姉妹じゃなくても平気。っていうか、お姉ちゃんとほぼ婚約状態みたいなものだし」

和「…………」

咲「…………」

淡「あー!もう!」

咲・和「!?」

淡「穏宥が1番なの!それで、私はテルーと付き合うの!」

咲「それを言ったら……穏玄が1番だよ!姉妹愛が最強なんだから!」

和「な、何を……っ、灼穏が1番運命的です!咲さんと私の絆がそうであるように!」

洋榎「待て待て!憧穏の同学年パワーが1番や!気心知れまくりやで!?」

穏乃(わわ……なんかヒートアップしてきた……)

塞「ちょ、ちょっと……落ち着きなよ。誰が1番とか……順位つけるもんじゃないでしょ?」

洋榎「……そらそうやけど!ってなんやあんた急に!…………ちなみにあんたは誰派や?」

塞「私?私は穏晴…」

洋榎「穏晴て………恭子が代行にとられてまうやろが!!」

塞「だ、代行?知らないよ、そんな事言われても……」

洋榎「絶対嫌や!恭子がめっちゃ好きなんやもん!」

塞「恭子?ああ、末原さんか……あのね、感情移入する気持ちもわかるけど、だからって」

洋榎「ほななんであんたは穏晴やねん!言うてみい!」

塞「それは………熊倉監督が私を好きなら嬉しいし……って言わさないでよ!」

洋榎「ほれみい!感情移入しとるやないか!」

塞「してる事が問題なんじゃなくて、騒ぐ事が問題なの。わかるでしょ!?」

穏乃「あ、あの……皆さん落ち着いて……」オロオロ

洋榎「わかるけどライバル多いねんもん!善野監督はもちろん、代行も怪しい!漫も可愛がっとるから危険や!」

洋榎「由子は由子で『気が付いたら愛情たくさんよー』とか言いそうやから油断でけへんのよー!」

塞「あ…その点、私はいけるかも。競争相手は少なそうだし」

洋榎「なんやそれ!自分ばっか有利でずるいで!」

塞「……メチャクチャな理屈だね…」

淡「そんな事ない!ひめまつが言ってるの正しいよ!モテモテな人を相手にするのは大変だもん!テルーなんてファンクラブあるんだから!」

洋榎「ほれみろ!」

塞「それは……まぁ……でもずるいって言われても……」

咲「ふふっ、お姉ちゃんぐらい可愛くて凛々しくていい匂いがして麻雀強いなんて最高だからファンクラブも当然だね!さすがお姉ちゃん!」

和「あ、こういうのはどうでしょうか?咲さんはお姉さんのファン代表として応援に徹し、実生活では私との愛を…」

咲「両想いなのにそんなのおかしい!私はお姉ちゃんと色々楽しむよ!」

和「……くっ!」

淡「ダメー!テルーは私とイチャイチャするのー!」

咲「淡ちゃんはいい子だからお姉ちゃん以外の素敵な人に出会えるよ!東京は人がたくさんいるし、頑張って!」

淡「なにおー!?」

穏乃「あうあう……どうしたら……」

煌「……………」

煌(随分とヒートアップしている様子………高鴨さんが困っていますね)

淡「むぅうう~!!」ズズィッ!

咲「んぬぬぬ!!」ズズィッ!

和「…………………」ジィーッ..

煌「皆さん!」

淡・咲・和「?」ピタッ!

煌「……少し落ち着いてくださいな……」スタスタ

淡「……スバラ……」

煌「そちらの方々も」

洋榎・塞「!」ハッ!

煌「誰が1番か、などと言い争うのではなく、楽しく過ごす方がすばらですよ?」

煌「せっかく、普段なかなか会えない方々とお喋り出来る場なのですから」スバラッ!

洋榎「あ、うん……せやな……興奮しすぎてもうた……すまん……」

塞「え、あの……私こそ……ごめんなさい」

咲「………私も……自分の考えを押し付けてた……ごめんなさい……」

和「………少し我を忘れていました……恥ずかしいです……」

和(大切な友達のエトペンに八つ当たりしてしまうなんて……ごめんなさいエトペン……許してください……)サスリサスリ

淡「………………うん」

?「わかったかい?」

淡「?」

穏乃「今の声は……」

晴絵「ょいしょっと……」(自動卓の下から登場)

咲「っ!?」

晴絵「……花田さんの言う通りだよ……」

和(赤土さん……ずっと卓の下に……?)

洋榎(今日の事も書く気やな、この人……)

晴絵「カップリングってさ、個人の自由なんだよ。各々が好きなカップリングがある。それでいい」

晴絵「まぁ、順位つけるのもまた自由だけどさ、言い争うのはよくないよ」

淡「…………」

晴絵「……カップリングに思い入れを持つのはいい。自分と重ねあわせて愛着を覚えるのもいいだろう」

晴絵「でもさ、それによって生じた熱い想いをぶつける相手は……他のカップリングを推す人ではないはず」

淡「あ………」

晴絵「……でしょ?」

淡「………はい……ごめんなさい」

晴絵「いや、わかってくれればいいんだ。……じゃあ仕切り直していこう!みんな、ジュース持って!………いい?それじゃ、カンパーイ!」

全員「カンパーイ!!」

穏乃(よかった……なんとか落ち着いたみたい)ホッ

淡「シズノ………ごめん」

洋榎「うちもその……ごめんな?騒がしくしてもうて」

塞「ちょっと冷静さを欠いてたみたい」

胡桃「ごめん」

エイスリン「スイマセンデシタ……」

穏乃「あ、いえ……そんな」

和「私たちも…ごめんなさい」

咲「せっかく呼んでもらったのに……ごめんね?」

穏乃「あ……えと……私は気にしてませんから!」

洋榎「そか……ほんまに優しいなぁ……」

塞「そりゃモテる訳ね」

和「ふふ……昔からそうなんです」

咲「……あ……じゃあ、私はそろそろ部長たちのところに戻るね」

洋榎「ん、うちも絹んとこ行くわ、ほなな」

塞「私たちも。…行こ」

胡桃「うん。それじゃ」

エイスリン「ジャアネ シズノ!」

穏乃「あ、はい」

穏乃(……………みんな行っちゃった……これはこれで寂しい)

憧「しずー」

穏乃「あ」

玄「なんか大変だったねー」

灼「でも、あの人たちも悪気はないみたい」

宥「そうだね。でもあんな大声……ちょっとゾクゾクしちゃった……」

穏乃「みんな……」

憧「ここにいた人たち行っちゃったの?別にそこまで気にしなくてもいいのに…」

灼「というより、私たちに気付いたから行った、の方が正しいと思う。目合ったから」

憧「そゆ事か」

玄・宥「??」

灼(理由はわからないけど、応援してくれてるみたいだし)

穏乃「?あ、でも花田さんと大星さんはいてくれてるよ。ほら……ってあれ?いない」

憧「え?さっきまで………あっ、2人で部室を出ていくみたい」

煌・淡「………」ガチャ..バタン

玄「本当だ」

憧「言い合いしてたけど……その続きをするつもりとか?」

灼「まさか」

穏乃「そ、それは無いと思うけど………一応、追いかけよう!」ダッ!

憧「あ、しず!待って」ダッ

玄「わ、私たちも行こう」

宥「うん……」

灼「……」コクリ

<廊下>

煌「あの、お話とはなんでしょうか?」

淡「うん……別にわざわざ呼び出して話す事でもないんだけど、さっき騒いじゃったし、頭を冷やしてから話そうと思って」

煌「なるほど」

淡「えとね、スバラに聞きたい事があったの」

煌「はい」

 
 
 
 
 
穏乃・憧・灼・玄・宥「………」

淡「スバラはさ、私としんどーじの2人、長野の人たち……みんな灼穏派のテーブルでずっと一緒だったじゃん?」

煌「はい」

淡「でもそれほど会話に入ってくるでもないし、反応を見ても灼穏派とは思えないんだよねー」

淡「じゃあどうしてずっとこのテーブルにいるのかなー?って不思議だったの。あ、嫌とかそうゆー意味じゃないよ?」

煌「はい」ニコ

淡「……どうしてか、聞いていい?」

煌「はい………私は、灼穏派でもあるのです」

淡「え?」

煌「正式には………私は……穏憧灼玄宥派なのです」

淡「!!!」

憧・灼・玄・宥「!!!」

穏乃「?」

淡「そ、それは………全員って事?」

煌「はい」

淡「…………なんで?」

煌「だって……阿知賀の皆さんが仲良くしているのは……とてもすばらな事です!」

穏乃・憧・灼・玄・宥「!」

煌「同学年、年上、年下、幼馴染、姉妹……立場は違えどそれぞれが相手を思いやり、深まる絆……」

煌「きっとこれからも、このすばらな絆は変わらない事でしょう。……そう、私は思います」

淡「………スバラ……」

穏乃・憧・灼・玄・宥「!」

豊音「ちょーわかるよー!」

淡・煌「?」

豊音「みんな優しいしちょーいい子たちだよー!」

煌「姉帯さん………」

豊音「みんなで仲良く楽しく過ごすのが、大切な思い出になるんだよー」

穏乃「……………思い出………」

淡「…………そっか……」

淡(それも1つの形か……)フフッ

煌「すばらっ!」

豊音「あ!本物のすばらだー!テレビで観たのと同じ!もう1回やってもらっていいですかー?」

煌「ええ、構いません!…………すばらっ!」

豊音「わー!ちょーうれしいよー」

煌「ではご一緒に!」

煌・豊音「すばらっ!」

穏乃「………みんな」

憧・灼・玄・宥「?」

穏乃「私………みんなの事が大好き」

憧・灼・玄・宥「!!!!!!」キュンキュキューン!

穏乃「みんなと出会えてよかった!」

憧・灼・玄・宥「!!!!!!」キュバババーン!

穏乃(最高の友達と出会えて、毎日楽しく過ごせてる……私は幸せ者だよ)ウルッ..

憧(今の発言……しずは誰か1人と付き合うんじゃなくて……)チラ

玄(みんなの妹、みんなのお姉ちゃんになるって事?)チラ

灼(この関係を保ったまま、全員と深いお付き合いをする………考えた事なかったけど、この方法もアリかも……)チラ

宥(……エッチな格好を見られるのは恥ずかしいけど……信頼出来るみんなの前でなら………)チラ

憧・灼・玄・宥「…………」コクン

淡「スバラはさ、私としんどーじの2人、長野の人たち……みんな穏宥派のテーブルでずっと一緒だったじゃん?」

煌「はい」

淡「でもそれほど会話に入ってくるでもないし、反応を見ても穏宥派とは思えないんだよねー」

淡「じゃあどうしてずっとこのテーブルにいるのかなー?って不思議だったの。あ、嫌とかそうゆー意味じゃないよ?」

煌「はい」ニコ

淡「……どうしてか、聞いていい?」

煌「はい………私は、穏宥派でもあるのです」

淡「え?」

煌「正式には………私は……穏憧灼玄宥派なのです」

淡「!!!」

憧・灼・玄・宥「!!!」

穏乃「?」

1ヶ月後――

【奈良】

<通学路>

穏乃「~♪」テクテク

穏乃(昨日は楽しかったな~!みんなでキャンプ!最高!)

穏乃(最近……というかこないだのパーティー以来、さらに仲良くなれたからか、みんなのスキンシップも増えてきて、親友感が凄い!)

穏乃「……………」

穏乃(でも……たまに変な気持ちになっちゃうんだよね……)

穏乃(ふとした時につく憧のため息……色っぽいっていうか、なんかドキッとするし……)

穏乃(灼さん……目が合うとすぐ顔を真っ赤にしてうつむいて……あそこまで照れ屋だったかな?でもその顔がなんか……可愛くて…先輩なのに頭を撫でたくなる)

穏乃(たまに妹のノリをして甘えるとテンションがおかしくなる玄さん……よくわからないタイミングで胸を触ってくるけど……その瞬間、体が熱くなるよ……)

穏乃(宥さん……寒がりでいつも震えてるけど、たまに熱っぽい目で私を見てる気がする……)

穏乃(その時、何とも言えない気持ちになるんだよね……あえて意地悪したくなっちゃうというか……恥ずかしがらせたくなるというか……)

穏乃(……私がみんなに抱いてる、この複雑な感情はなんだろ………うーん……)

憧「しず~」

玄・宥「穏乃ちゃ~ん」

灼「穏乃……おはよう」

穏乃「あ、みんな………おっはよーう!」

穏乃(今はまだ……その感情がなんなのかも、この先どんな展開になるのかもわかんない………けど……1つだけわかる事がある)

憧・灼・玄・宥「………」ニコッ

穏乃(やっぱり…………)ニコッ!

穏乃(……みんなといると楽しいっ!!)

【完】

こんな時間まで付き合ってくれてどうもありがとう。
支援感謝です。

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