真「真美のことが放っておけない」(215)

真美「待てー亜美ー」

亜美「やーだよー」

真美「うわあっ!?」

真「おっと危ない」スッ

真美「あっ……ありがと」

真「はしゃぐのもいいけど、ほどほどにね?」

真美「うん……」

真「さて、じゃあボクは先帰るね」

亜美「まこちんお疲れちゃーん」

真美「お疲れ……」

ガチャッバタンッ

真美「……」ドキドキ

亜美「真美、どったの?」

真美「えっ!?な、何でもないよ……」

亜美「そっか、それならいいけど」

真美「ま、真美達もそろそろ帰ろうよ!」

亜美「えーもう?」

真美「いいじゃん、たまには早く帰ったって」

亜美「んー……そだね、んじゃ帰ろっか」

双海家

亜美「ただいま→」

真美「ただいま……」

亜美「ママ達まだ帰ってないみたいだね」

真美「うん、そだね……あっ!?」

亜美「ん?どったの?」

真美「ちょっと携帯忘れたから取ってくるね」

亜美「事務所に?」

真美「うん」

亜美「明日でよくない?」

真美「でも携帯がないとなんか落ち着かなくてさ」

亜美「そっか、んじゃ亜美は留守番してるね」

真美「なるべく早く戻るから」

亜美「うん、いってら→」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真美「はあ、やっぱり明日にすればよかったかな……」

真美「でもここまで来たら取り行くしかないっしょ」

真美「あっそだ!たしかここから行くと近道できるんだっけ」

真美「よーし、暗くなってきたしここ通って行こっと」

裏路地

真美(なんか不気味だけどこういうのってワクワクするよね→)

真美(……でも急がないと、亜美も1人じゃ退屈だろうし)

男1「あれ、君なんでこんなところいるの?」

真美「えっ……」

男2「こんな時間にこんなところ歩いてるなんて襲ってくださいって言ってるようなもんだよ?」

男3「あれ、結構可愛いじゃん、俺らと遊ぼうよお嬢ちゃん」

真美「あ、急いでるんでごめんなさい!」ダッ

男1「まあ待てって」ガシッ

真美「!?」

男2「俺らから逃げられるとでも思ってんの?」

真美(やばい、どうしよ……やっぱこんなとこ通らなきゃよかった……)

男3「ちょっと一緒に遊ぶだけだからさ?ね?」

真「はい、ちょっと失礼」スッ

真美「あ……」

男1「は?」

真「可愛いからって、べたべた触りすぎ」

男2「何言ってんだこいつ?」

真「それに困るんだけどな、勝手にボクのものに触られると」

男3「何ふざけたこと言ってんだこら!」ガッ

真「相手してあげてもいいけど、ボク、強いよ?空手黒帯初段だし」

男1「くそっ……」

男2「あーもういいや、行こうぜ」

男3「だな」

真「大丈夫?」

真美「うん……」

真「ダメでしょ、こんなところ1人で歩いてちゃ」

真美「……そんなの真美の勝手じゃん」

真「そう……じゃあ」ガシッ

真美「ちょっと何すんの!?」

真「何って……襲おうとしてるだけだけど?」

真美「えっ冗談っしょ?」

真「……ボクが何しようがボクの勝手でしょ?」

真美「!?」

真「……」スッ

真美「っ!?」ビクッ

真「……」ギュウ

真美「……え?」

真「真美、さっきから取り乱しすぎ、ちょっと落ち着きなよ」

真美「ま、まこちん?」

真「ボクが真美の嫌がるようなこと、するわけないでしょ?」

真美「べ、別に最初からわかってたし……」

真「ふーん、まあいいや、それで真美はなんでこんなところ歩いてたの?」

真美「事務所に携帯取り行こうと思って近道してただけだよ」

真「明日でよかったんじゃない?」

真美「もううるさいな、別にいいっしょ!」

真「じゃあ今から晩御飯食べに行こっか」

真美「えっ!?ちょっとなんで急にそんな話になんの!」

真「いや、そろそろ晩御飯の時間だし」

真美「……帰る」

真「……」ピッ

亜美『もしもし、まこちん?』

真『もしもし亜美、今日真美と一晩過ごすことにしたからご両親によろしく言っておいて』

亜美『えっ!?ちょっとどういう』

真『それじゃあね』ピッ

真「よし、じゃあ行こうか」

真美「何勝手に決めてんの?」

真「早く行かないと混んじゃうから」ギュッ

真美「ちょっとまこちん!真美の話聞いてんの?」

真「はいはい行きますよー」

真美「わかった、わかったから手離してよ!」

真「別に恥ずかしがることないのに」

真美「恥ずかしがってないし」

真「そう、それなら別にいいけど」スッ

真美「あっ……」

真「どうしたの?早く行こうよ」

真美「うん……」

真「まったく、仕方ないな」ギュッ

真美「っ!?」

真「ああ、何言っても離すつもりないからね?」

真美「うぁ///」

真「さて、じゃあ行こうか」

真美「あ、あのさ……まこちん」

真「何?」

真美「あ……ありがと……」ドキドキ

真「……どういたしまして」

レストラン

店員「いらっしゃいませー」

真(あーやっぱ混んじゃってるな……)

店員「ただいま混みあっていてカップル席しかご案内できないのですがよろしいでしょうか?」

真「ああ、はいそれでお願いします」

店員「それでは2ショットの写真か何か見せていただいても」

真「あっそれじゃあ」チュッ

真美「!?」

真「これでいいですか?」

店員「はい2名様ご案内でーす」

真美「ねえ、まこちん……」

真「何?」

真美「なんでさっき……その……」

真「ああ、普通の席だと結構待たされそうだったし」

真美「えっ理由ってそれだけ?」

真「そうだけど?」

真美「そっか……」

真「ああ、でも……真美とキスできたのは嬉しかったけどね」

真美「な、何言ってんの!頬にキスしたくらいで///」

真「……ふふっ」

真美「な、何笑ってんの?」

真「いや、顔真っ赤にして可愛いなって」

真美「う、うるさいなもう!」

真「さて、それじゃあボクはオムライスにしようかな」

真美「あっ……真美もそれ狙ってたのに」

真「ああそうなんだ、じゃあパスタにしよ」

真美「えっ……」

真美(まこちん、真美と一緒のだと嫌だったのかな……)

真「ああ、同じやつだと真美にあーんしてもらえなくなっちゃうし」

真美「か、勝手に人の心読まないでよ!」

真「あはは、真美の考えてることなんてお見通しだよ」

真美「……それにあーんするつもりなんてないし」

真「そっか、残念」

真美「ふんっ……」

店員「ご注文はお決まりでしょうか?」

真「あ、それじゃあオムライスとパスタで」

店員「かしこまりました、それでは少々お待ちください」

真「はーい」

数分後

店員「お待たせいたしました、オムライスとパスタになります」スッ

真「ありがとうございまーす」

店員「それではごゆっくりどうぞ」

真美「……」

真「あれ、食べないの?」モグモグ

真美「た、食べるよ」パクッ

真「あ、そうだ」

真美「何?」

真「はい、あーん」スッ

真美「……あーん」

真「おっと」スッ

真美「……」パクッ

真「残念でした」

真美「……別にいらないし」

真「あーん」スッ

真美「いらないって言ってるっしょ」

真「……そっか、ボクの食べかけなんて嫌だよね」

真美「えっ……」

真「いいんだ、別に気にしてないから……気にして、ないから……」

真美「あーもうわかったよ!食べればいいんでしょ!」ズイッ

真「……」チュッ

真美「!?」

真「……どうしたの?」

真美「な、ななななな何でキスしたの!?」

真「いや、真美が顔前に出してきたからキスしたいのかなって」

真美「意味わかんない///」

真「どう?美味しかった?」

真美「まだ食べてないからわかんないよ……」ドキドキ

真「そう、じゃあ食べてごらん」スッ

真美「……もう意地悪しない?」

真「うん、しないよ」

真美「わかった……あーん」パクッ

真「美味しい?」

真美「うん……」モグモグ

真「まあボクの食べかけなんだから美味しいに決まってるけどね」

真美「そ、そだね///」

真「あれ、意外……否定しないんだ」

真美「だって、ほんとに美味しかったんだもん」

真「さて、それじゃあ真美のも食べたいなー」

真美「えっ別にいいけど」スッ

真「そうじゃなくてさ……食べさせて欲しいんだけどいいかな?」

真美「……あーんしないって最初に言ったじゃん」

真「ボクはしたのに?」

真美「だってそれはまこちんが勝手に……」

真「……じゃあ、次真美が食べた時キスして口の中から奪い取っちゃおうかな?」

真美「ふんっどうせそんなこと言ってするつもりないっしょ?」

真「いや、本気だけど?」

真美「……あーもうわかった!すればいいんでしょすれば!」

真「ありがとう、真美」

真美「それじゃ……あーん」スッ

真「あーん」パクッ

真美「お、美味しい?」

真「……」モグモグ

真美「……」ドキドキ

真「……あのさ、真美」

真美「な、何?」

真「すっごい美味しいよ」

真美「ぁ///」

真「……顔、また赤くなってるよ?」

真美「な、なってないもん……」

真「ふふっ……」

真美「……まこちんの意地悪」

真「ごめん……」ナデナデ

真美「……ばか」

食後

真「あー美味しかった」

真美「……」

真「真美、今日はありがとね」

真美「え?」

真「ボクと晩御飯、一緒に食べてくれてありがと」

真美「べ、別にそれくらい……」

真「……それじゃ、1人で帰れる?」

真美「うん……」

真「そっか、じゃあまた明日」

真美「まこちん!」

真「何?」

真美「今日はありがとね……その……また一緒にご飯食べ行こ?」

真「……うん、いつでもいいよ」

真美「んじゃ、また明日」

真「またね」

双海家

真美「ただいま」

亜美「おかえりー」

真美「亜美、遅くなってごめんね」

亜美「別にいいよん、まこちんに拉致られたんでしょ?」

真美「えっ!?ま、まあそうなるのかなあ?」

亜美「あれ、そいえば携帯は?」

真美「あっ」

亜美「はあ……結局まこちんとデートしてきただけですか」

真美「な、何言ってんの亜美!デートじゃなくてご飯一緒に食べただけだよ!」

亜美「まあそういうことにしておいてあげるよ→」

真美「ほんとなんだってばー!」

翌日

真美「おはよ→」

真「おはよ」

真美「あ……おはよ、まこちん」

真「……」ピラッ

真美「!?」

真「へえ、今日は黒か」

真美「な、ななななな何勝手にスカートめくってんの!」バシンッ

真「痛っ」

春香「なに堂々とセクハラしてるの真……」

真美「そうだよ!しかも今日はってどういうこと?」

真「いや、つい雰囲気で」

春香「ああ、じゃあいつもはめくってないってこと?」

真「うん」

真美「なんだー……それならよかった」

真「それで真美、今日は何で黒パンティーなの?」

真美「えっ!?な、なんでまこちんにそんなこと教えなくちゃなんないの!」

真「いや、もしかしたらボクのこと誘ってるのかなと」

真美「まこちんのエッチ!もう知らない!」ダッ

春香「はあ……真、あまりからかっちゃダメだよ?」

真「わかってるよ」

春香「そういえばさ、真ってなんで真美にだけはあんな態度で接するの?」

真「……さあね」

春香「はあ……またはぐらかすんだ」

真「別にはぐらかしてるつもりなんてないさ……じゃあボクもそろそろ出ないとだから」

春香「うん、行ってらっしゃい」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真美「ただいま……」

春香「おかえり……元気ないみたいだけど、まだ朝のこと気にしてるの?」

真美「ううん、そうじゃなくて……」

雪歩「春香ちゃん、朝のことって何?」

春香「えっ!?えーと……まあ色々ありまして……」

雪歩「そうなんだ……」

亜美「どうせまこちんになんかされたんでしょ」

伊織「……」

春香「それで真美、何か困ってることでもあるの?」

真美「うん……えっとね、次に出るCMのことなんだけど……」

春香「うん」

真美「その……妹役なんだけど……」

雪歩「妹役は真美ちゃん得意じゃなかった?」

真美「うん……でも今度のCMではその……お兄ちゃんのことが大好きな妹役みたいでさ」

亜美「あーそういう……それなら誰かがお兄ちゃん役をやって練習する?」

春香「うん、それがいいかもね」

雪歩「じゃあ誰がやる?」

ガチャッ

真「あれ、何かあったの?」

亜美「おおっちょうどいいところに来たねまこちん!」

真「?」

亜美「実はかくかくしかじかで――――――――――――――

真「なるほどね、じゃあボクがお兄ちゃん役をすればいいんだね?」

亜美「うん!」

真美「ちょ、ちょっと亜美……」

亜美「真美もまこちんが1番やりやすいっしょ?」

真美「そ、そんなことは……」

雪歩「まあとりあえずやってみればいいんじゃないかな?」

亜美「ゆきぴょんの言うとおりだよ!」

春香(なんだろう……嫌な予感しかしない……)

亜美「んじゃお兄ちゃんが帰ってきたところから始めるよ→」

真「ただいま」

真美「お、お帰り……お兄ちゃん」

真「あれ、いつもはお帰りお兄ちゃん!って言って抱きついてくるのに……」

真美「えっ……」

真「もしかしてあの日かな?……でもお兄ちゃんメモによるとあの日は一週間後だし……うーん……」

真美「な、何言ってるのかなお兄ちゃん?」

真「あっもしかして!昨日お兄ちゃんと一緒に寝たのにおねしょしちゃったことまだ気にしてるのかな?」

真美「ま、真美はおねしょなんてしてないよお兄ちゃん?」

真「嘘ついちゃダメだろ真美、別にお兄ちゃん気にしてないからさ」

真美「う、嘘じゃないよ?」プルプル

春香(真美、耐えて……)

真「ああ、お兄ちゃんと寝れたのが嬉しくてうれションしちゃったのかな?まるで子犬みたいだね、真美」

真美「……あーもう!いい加減にしてよバカお兄ちゃん!」

真「……はあ、なんか真美機嫌悪いみたいだし、お兄ちゃんもう帰ろうかな」

真美「あ……」

真「……」スタスタ

真美「ま、待って……お兄ちゃん……」

真「……」

真美「ご……ごめんね……」ウルウル

真「……いいよ」

ガチャッバタンッ

亜美「……真美、今のめっちゃ可愛かったよ!」

雪歩「ねえ真美ちゃん、よかったら私の妹にならない?」

美希「真美はミキの妹になればいいって思うな」

千早「いえ、私の妹になるべきよ!ええ、これは確定事項だわ!」

貴音「皆落ち着くのです!真美はすでに私の妹となりました」

伊織「それじゃ私の妹に……ってえ?」

千早「四条さん、それはどういうことか説明してもらえるかしら?」

貴音「はい、私が今決めました」

春香「おい」

亜美「てゆーか、ミキミキと千早お姉ちゃんとお姫ちんはどっから沸いて出たの?」

美希「ミキずっと奥の方でお昼寝してたよ?」

千早「私と四条さんは真が事務所に入った後にこっそりと……」

春香「いやそこは堂々と入ろうよ」

伊織「……」

亜美「いおりん、なんか途中からずっと静かだったけどどったの?」

伊織「えっ!?べ、別になんでもないわよ」

春香「でも途中まで普通に話してたのに……」

雪歩「そういえば、真美ちゃんが帰ってきたあたりから静かになったような……」

伊織「ちょ、ちょっと考え事してただけよ!」

亜美「んーそれならまあいっか」

春香「そうだね……」

雪歩「それより真美ちゃん、CMは大丈夫そう?」

真美「うん……」

亜美「それにしてもさっきの真美はモテモテでしたなあ」

千早「そうよ!真美、是非私の妹に」

貴音「いえ、私の妹に!」

春香「2人ともちょっと静かにしててね」

美希「んー……でも真美は誰の妹かなんて皆わかってるんじゃない?」

亜美「亜美のっしょ→」

雪歩「いや亜美ちゃんが真美ちゃんの妹だよね?」

亜美「細かいことは気にしないほうがいいよゆきぴょん!」

雪歩「結構重要なことだと思うんだけどなあ……」

春香「まあ真の妹で決まりだよね」

真「何言ってるんだよ春香、そんなわけないでしょ?」

春香「真!?あれ、さっき出てったよね?」

真「あのさ、春香……ボクは兄妹なんて関係じゃ満足できないんだよ」

春香「あ、そう……」

真「でもまあ、合法的に身体に触れるって点ではいいかもしれないけどね」

春香「うわぁ……」

真「さて、それじゃあ今度こそボクは帰るよ」

ガチャッバタンッ

伊織「なんなのよあいつ……真美、気にしなくていいわよ、あんなやつが言ったことなんて」

真美「うん、別に気にしてないよ」

亜美「……」

春香「あれ、亜美……顔赤いけど熱でもあるの?」

亜美「えっ別にそんなことない……と思う」

伊織「明日は竜宮小町のライブなんだから調子悪いならもう帰りなさいよね」

真美「んっふっふー、いおりんは優しいですなあ」ダキッ

伊織「ちょ、ちょっと何よ急に///」

雪歩「でも伊織ちゃんの言うとおり調子悪いなら帰って休んだ方がいいと思うよ?」

真美「んー……ゆきぴょんの言うとおりかもね、亜美、今日はもう帰ろうよ」

亜美「そだね……」

春香「顔色悪いけど本当に大丈夫?」

亜美「あーうん、亜美はこれくらいでくたばったりしないよ→」

真美「無理しちゃだめだよ亜美……んじゃ真美達はもう帰るね」

春香「うん、お疲れ様」

ガチャッバタンッ

伊織「……」ドキドキ

雪歩「伊織ちゃん?どうかした?」

伊織「えっ……べ、別に……」

春香「?」

伊織「私もそろそろ帰るわね」

雪歩「そっか、お疲れ様」

ガチャッバタンッ

千早「四条さん、いい加減認めてください、真美は私の妹になるべきです」

貴音「千早こそ物わかりが悪いですね、真美は私の妹だと何度言えば」

美希「2人ともよく飽きないよねー」

春香「まだやってたんだ……」

雪歩「それにしても真ちゃん、相変わらず真美ちゃん以外に興味を示さないよね……」

美希「そりゃそうなの、だって真クン、真美以外の生き物にまったく興味ないみたいだし」

春香「えっそうなの?」

雪歩「春香ちゃん気付いてなかったの?」

春香「う、うん……まあ真美にだけ変な態度で接してるのは気付いてたけど」

美希「ミキ達も理由聞いてみたけどいつもはぐらかされちゃうんだよね」

春香「そうなんだ……」

雪歩「それより私達もそろそろ帰らない?」

春香「そうだね、もう暗くなってきたし」

美希「千早さんと貴音は……」

雪歩「放っておいてもいいんじゃないかな?」

春香「あはは……じゃあ帰ろうか」

双海家

亜美「真美ー喉乾いたー」

真美「はい、お水だよ亜美」スッ

亜美「ありがとー」ゴクゴク

真美「やっぱり熱あったね……」

亜美「明日どうしよ……」

真美「仕方ないけどりっちゃんにちゃんと話して休むしかないね」

亜美「でも……」

真美「そんな状態で行っても皆に迷惑かけちゃうよ?」

亜美「わかってるけど……今は大事な時期だから休むわけには……」

真美「んー……あ!それじゃあ真美にまかしといて!」

亜美「なんかいい考えでもあんの?」

真美「うん、だから亜美はゆっくり休んでいいから」

亜美「わかったー……んじゃ真美に全部まかせるよ」

真美「うん!」

翌日

亜美「おっはよ→」

あずさ「あらおはよう、亜美ちゃん」

律子「おはよう亜美、昨日は調子悪かったみたいだけど大丈夫なの?」

亜美「うん!めっちゃバリバリ元気だよ→」

律子「そう、それなら安心したわ」

春香「あれ、真美は一緒じゃないんだ?」

亜美「えっ!?あー……真美は友達と遊び行く約束してたみたいだから」

雪歩「そういえば真美ちゃん、今日はオフだったっけ」

真「……」

亜美「ど、どうかしたのまこちん?」

真「いや……それじゃあボクはそろそろレッスンに行くよ」

亜美「そっかー、いってら」

ガチャッバタンッ

律子「さて、それじゃあ竜宮小町も準備でき次第ライブ会場に向かうわよ!」

あずさ「わかりました~」

亜美「りょーかいだよ!りっちゃん!」

伊織「……」

春香「3人とも頑張ってね!」

ライブ会場

律子「それじゃあ皆、今日も頑張りましょうね!行くわよ!」

あずさ「3」

亜美「2」

伊織「1」

いおりつあず「「「ファイトー!オー!」」」

亜美「えいえいおー!」

律子「亜美ぃ……」

亜美「ご、ごめん……」

あずさ「まあまあ、それじゃ行きましょう!」

ライブ終了後

亜美「はあ……はあ……」

律子「亜美、今日はどうしたのよ……振付もところどころ雑だったし」

あずさ「まあまあ、とりあえず大成功だったんだしいいじゃないですか、律子さん」

律子「まあそうですけど……」

伊織「……律子、今日は疲れたから先にあがってもいいかしら?」

律子「えっ!?ええ……お疲れ様」

伊織「お疲れ様」スタスタ

律子「?」

あずさ「伊織ちゃん、どうしたのかしら……」

律子「まあ最近ライブやらフェスやら重なってたから疲れがたまってたのかしら……」

亜美「そ、そうかもね→」

律子「でもここが踏ん張りどころだからね、今は手を抜くわけにはいかないわ」

あずさ「そうですね……」

亜美「りっちゃん、亜美ちょっとジュース買い行ってくるね」

律子「ええ、なるべく早くしなさいよ」

亜美「わかってるよ→」

自販機前

亜美「はあ……はあ……」

亜美「あっ……」フラッ

真「……」ダキッ

亜美「え……」

真「平気?」

亜美「う、うん……」

真「そう……まあとりあえずお疲れ様…………真美」

真美「!?」

真「ああそうだ、何かジュース買ってあげようか?」

真美「……いつから気付いてたの?」

真「さあね……」

真美「そっか……最初から気付いてたんだ」

真「……」

真美「亜美ってさ……やっぱすごいね……毎日こんなハードスケジュールだったんだ……」

真「あのさ、真美……自分が何したかわかってる?」

真美「……え?」

真「はあ……わかってないんだね」

真美「言いたいことがあるならハッキリ言えばいいじゃん」

真「……じゃあ問題、今日のライブ、今回は成功したけど……もし失敗してたら?」

真美「そ、それが何?」

真「もし失敗してたら……その失敗は誰の失敗になるのかな?」

真美「!?」

真「……気付いた?」

真美「そ、それは……」

真「次からはこういうことしちゃだめだよ?」

真美「でも、真美だって亜美のために……」

真「わかってるよ……」

真美「……」

真「でも、まあ……」ギュウ

真美「え……」

真「……よくできました」

真美「うぁ///」

真「さて、じゃあなんのジュースにする?」

真美「……」ドキドキ

真「はあ、それじゃあボクが勝手に決めちゃうけどいい?」

真美「あっ……えっと……じゃあコーラにする」

真「そう、わかった」

真美「……」

真「ああ、そうだ」ピッ

真美「?」

律子『もしもし、真?』

真『もしもし律子、さっき自販機の前で亜美と会ってさ、そのまま一緒に帰ることになったから』

律子『あらそう、それじゃあお願いしていいかしら?』

真『うん、じゃあそういうことで』

律子『ええ、よろしくね』ピッ

真「今日のことは秘密にしておいてあげるよ」

真美「あ、ありがと……」

数日後

真美「ただいま→」

真「おかえり」

真美「あれ、今はまこちんしかいないの?」

真「うん」

真美「そ、そうなんだ……」ドキドキ

真「どうしたの?ボクと2人じゃ気まずい?」

真美「えっ!?そんなことないけど……」

真「そっか」

真美「……」チラッ

真「……」ニコッ

真美「な、何?」

真「真美が最初にこっち見てきたんでしょ?」

真美「み、見てないし……」

真「そう、まあ別にいいけど」

真美「……あのさ」

真「何?」

真美「えっと……前にピヨちゃんが寝言で言ってたんだけど……攻めとか受けとかってどういう意味かわかる?」

真「……知りたいの?」

真美「ちょ、ちょっと気になったってゆーか……」

真「……」ガシッ

真美「!?」

真「……脱ぎなよ」

真美「えっ!?ちょ、ちょっとまこちん!?」

真「ああ、それじゃあ……脱がしてあげよっか?」

真美「いい加減にしてよ!」

真「……今みたいなのが攻めって意味らしいよ」

真美「……帰る」

真「そう……お疲れ様」

ガチャッバタンッ

真「……」

春香「ねえ、真」

真「ん、何?」

春香「私がトイレ行ってる間に真美と何かあったの?」

真「別に何もないけど?」

春香「それならなんであんな怒ってたのかな、真美……」

真「さあね」

春香「……真、あまりやりすぎると本当に嫌われるよ?」

真「別にいいよ……それならまたボクのこと、好きにさせてあげればいいでしょ?……何度でもね」

春香「そ、そっか……」

真「さて、じゃあボクも帰るよ」

春香「うん、お疲れ様」

双海家

真美(まこちんのばか……あんなこといきなりするなんてどうかしてるっしょ……)

真美「ただいま……」

真「おかえり」

真美「……なんでいんの?」

真「?」

真美「なんでいるのかって聞いてんの!」

真「ああ、亜美に真美と話したいことがあるって言ったら上がって待ってていいよって言われたから」

真美「亜美は?」

真「さっき律子に呼びだされてどっか行った」

真美「ふーん……」

真「あのさ、真美」

真美「……出てってよ」

真「真美?」

真美「出てけって言ってるの!」ガシッ

真「ああっちょっと!?」

ガチャッバタンッ

真美「はあ……はあ……」

真美(なんで……こんなドキドキしてんの、真美……)ドキドキ

真美(まこちんのせいで最近おかしいよ……どうしちゃったんだろ、真美……)

数時間後

真美(亜美、遅いな……ちょっと電話してみよ)ピッ

亜美『もしもし、真美ー?』

真美『亜美、まだお仕事終わんないの?』

亜美『あーごめん、仕事ならとっくに終わってるんだけど……』

真美『えっじゃあなんで帰ってこないの?』

亜美『実は色々あってあずさお姉ちゃんの家に泊まることになったんだよ→』

真美『えっ……』

亜美『連絡すんの忘れてたよ、ごめんね真美』

真美『ううん、別にそれならいいけど』

亜美『あっ後、パパとママ、仕事忙しくて明日まで帰れないってさ』

真美『そっか……』

亜美『んっふっふー、寂しかったら真美も来る?』

真美『ううん、真美はお留守番するよ』

亜美『ふーん、つまんないの』

真美『今から行ってもすぐ寝る時間になっちゃうし』

亜美『まあたしかにそうかもね→』

真美『じゃあ、おやすみ亜美』

亜美『うん、おやすみ真美』ピッ

真美「……何もすることないし、もう寝ようかな」

翌朝

真美「ううん……」ゴシゴシ

真美「亜美、朝だよ……って今日はいないんだっけ」

真美「あっそうだ、新聞取ってこないと」タッタッタ

ガチャッ

真「あ、おはよう真美」

真美「え……」

真「どうしたの?」

真美「な、なんで……」

真「?」

真美「もしかして……ずっとここにいたの?」

真「……ごめん」ギュウ

真美「な、何が?」

真「昨日さ、ちょっとからかいすぎた……本当にごめん」

真美「……それ言うために一晩ここにいたの?」

真「そうだけど?」

真美「……ばか」

真「え?」

真美「ばかだよ……まこちんは……風邪引いたらどうすんの……」

真「あはは、心配してくれるの?」

真美「当たり前っしょ!」

真「……ありがとう、真美」

真美「とりあえず中入ってよ……昨日の夜から何も食べてないんでしょ?」

真「……それじゃ、お邪魔します」

真美「菓子パンしかないけどいい?」

真「あれ、手料理期待してたんだけどな……」

真美「料理苦手なんだよ、真美」

真「そっか……じゃあその菓子パン貰おうかな」

真美「うん……」スッ

真「……」モグモグ

真美「食べ終わったらさ、お風呂も入っていいよ」

真「いいの?」

真美「うん」

真「そっか、ありがと」

真美「べ、別にいいよ……」ドキドキ

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真「それじゃ真美、色々ありがとね」

真美「ううん、こんなことしかできなくてごめんね……」

真「……いいよ、すごく嬉しかった」

真美「そ、そっか……」ドキドキ

真「それじゃ、また後で」

真美「うん……」

事務所

真美「おはよ」

春香「おはよう、真美」

雪歩「おはよう真美ちゃん」

真美「おはよ、はるるんにゆきぴょん」

伊織「お、おはよう……」

真美「いおりんもおはよ→」

春香「あれ、亜美は一緒じゃないの?」

真美「亜美はあずさお姉ちゃんの家に泊まってるから今日は別々だよ」

春香「そっか」

ガチャッ

真「おはよう」

真美「あっまこちん、はいこれ」スッ

真「あれ、ベルト忘れてたのか……届けてくれてありがと」

真美「ううん、このくらい気にしなくていいよ」

春香「あちゃー……真、ついに手出しちゃったか……」

雪歩「真ちゃん、私、真ちゃんが出てくるまでずっと待ってるからね!」

真「2人が何を言ってるのかよくわからないけど、まあいいか」

伊織「……」

千早「真、私の妹に手を出すとはいい度胸ね」

貴音「私の妹に手を出すとは……真、これは宣戦布告と受け取っても構いませんね?」

春香「2人はいつもどっから沸いて出るのかなあ……」

伊織「……私、そろそろ行くわね」

雪歩「えっ……うん、行ってらっしゃい伊織ちゃん」

ガチャッバタンッ

春香「?」

真美「いおりんどうしたんだろ……」

雪歩「ちょっと機嫌悪そうだったよね……」

真「……」

千早「四条さん、いい加減に認めたらどうですか?」

貴音「千早こそ見苦しいですよ、いつまでも戯言を」

春香「はあ……また始まった……」

雪歩「真美ちゃん、ちょっと……」ヒソヒソ

真美「え、何?」

雪歩「……」ゴニョゴニョ

真美「……うん、わかった」

春香「?」

真美「ねえ、千早お姉ちゃん、お姫ちん」

千早「あらどうしたの真美?」

貴音「どうしたのですか?真美?」

真美「真美ね、千早お姉ちゃんもお姫ちんも大好きだし、すごくいいお姉ちゃんだと思ってるんだ」

千早「!?」

貴音「なんと!?」

真美「だからね……大好きなお姉ちゃん達には喧嘩して欲しくないんだ……」ウルウル

千早「真美……」

貴音「……千早、申し訳ありませんでした」

千早「いえ、謝るのはこちらです……四条さん、すみませんでした」

貴音「千早……」

千早「四条さん……」

春香「雪歩、ナイス」

雪歩「ふふっ……」

貴音「それはそうと、菊地真……先程のことを詳しく……はて?」

千早「真、隠れてないで出てきなさい!」

真美「まこちんならさっき出てったよ?」

貴音「……追いますよ、千早」

千早「そうですね、四条さん」

ガチャッバタンッ

春香「なんかよくわかんないけど、一件落着?」

雪歩「うーん……そういえば真美ちゃんはなんで真ちゃんのベルト持ってたの?」

真美「えっ!?そ、それは……まこちんにお風呂貸して……」

春香「……じゃあやっぱり」

真美「ううん、お風呂貸しただけだよ」

雪歩「真美ちゃんの言うとおりだと思うよ、春香ちゃん……真ちゃん、そういうところはしっかりしてるし」

春香「あはは、たしかにそうだね」

真美「んじゃはるるんにゆきぴょん、真美もそろそろ行かないとだから」

春香「うん、行ってらっしゃい」

雪歩「頑張ってね、真美ちゃん」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

亜美「ただいま……」

春香「おかえり亜美……って何かあった?」

亜美「はるるーん……お助けを……」

春香「どうしたの?」

亜美「実は宿題が出て亜美のクラスだけ俳句考えないとなんだよ……」

春香「なるほどね」

伊織「にひひっ面白そうだし私も手伝ってあげるわ」

亜美「ありがとよーはるるんにいおりん!」

春香「うーん、でもなかなか思いつかないよね」

亜美「そうなんだよーだから困ってるんだ」

伊織「そうね……たしかになかなか思いつかないわね」

ガチャッ

真「あれ、3人で考え事?」

亜美「あっまこちん、実は宿題で俳句考えないとなんだよ」

真「なるほどね」

春香「真は何か思いつかない?」

真「うーん、そうだな……」

真「かわいいな かわいすぎるよ ボクの真美」

真「とか?」

春香「ごめん、真に聞いた私がばかだった」

伊織「……」

亜美「もう思いつかないしそれでいいっしょ」

春香「いやいやいや、ちゃんと私が考えるからもう少し待って!」

真「あれ、ダメだった?」

春香「ダメに決まってるでしょ」

伊織「……ごめんなさい、私先に帰るわね」

亜美「えっもう?」

伊織「ええ、あまり手伝えなくてごめんなさい」

亜美「ううん、いいよ別に、また明日」

伊織「お疲れ様」

ガチャッバタンッ

春香「伊織、どうしたのかな……」

真「……」

亜美「それよりはるるん、何かいいやつ浮かんだ?」

春香「ごめん、ぜんぜん浮かばない……最悪律子さんに聞いてどうにかするしか……」

亜美「うん、そうしよっか……」

真「それじゃあボクもそろそろ帰るよ」

春香「そっか、お疲れ様」

翌日

真美「おはよー」

伊織「おはよう、真美」

真美「おはよ、いおりん」

伊織「……ね、ねえ」

真美「ん、何?」

伊織「その……明日って空いてる?」

真美「明日?うん、明日はオフだよ?」

伊織「それじゃあ、ええと……私の家に遊びに来ない?」

真美「えっいおりんの家に!?もちろん行くっしょ→」

伊織「それじゃあ午後2時頃に迎えに行くわね」

真美「えっわざわざ迎えまで来てくれんの?」

伊織「ええ、当たり前じゃない」

真美「ありがといおりん!大好きだよ!」ダキッ

伊織「ちょ、ちょっと///」

真美「あ、んじゃ亜美と一緒に」

伊織「待って!」

真美「?」

伊織「その……明日は2人だけで遊びたいのよ」

真美「そっか、うんわかった!」

伊織「……ふふっ」

双海家

亜美「ねえ真美、明日は久々に2人ともオフだしどっか行かない?」

真美「ごめん亜美、明日は予定入っちゃってるんだ」

亜美「そっか……もしかしてまこちんとデートですかな?」

真美「なんでまこちんが出てくんの!いおりんの家に遊び行くんだよ」

亜美「えっいおりんの家に!?亜美も行きたい!」

真美「だめだめ、明日は2人だけで遊びたいんだってさ」

亜美「そうなんだー残念」

真美「んじゃそろそろ寝るね」

亜美「うん、おやすみー」

翌日

真美「うっはー……やっぱいおりんの家はすごいね!」

伊織「そう、まあ私にとってはいつもの風景だけど」

真美「ねえねえいおりん!早くいおりんの部屋行こうよ!」

伊織「わかってるわよ、ちょっと待ちなさい」

執事「伊織様」ボソッ

伊織「……それじゃ、手筈通り頼むわよ」

執事「かしこまりました」

伊織の部屋

真美「へー、これがいおりんの部屋かー」

伊織「な、何よ?」

真美「ううん、可愛い部屋だなーって思って」

伊織「なっ!?///」

真美「それでいおりん、何して遊ぶ?」

伊織「そうね、まあちょっと待ちなさい」

コンコン

伊織「入っていいわよ」

執事「お飲み物をお持ちいたしました」

伊織「ありがと、そこに置いてもらえる?」

執事「かしこまりました」スッ

伊織「……」スッ

パシャッ

真美「えっ!?」

伊織「真美!?ちょっとあんた何してくれんのよ!」

執事「申し訳ございません!」

伊織「もういいわよ、出てって」

執事「しかし……」

伊織「出てってって言ってるでしょ!」

執事「……」ガチャッバタンッ

伊織「真美、ごめんなさい……私からしっかり言っておくから」

真美「ううん、別にいいよ……なんか拭くものある?」

伊織「あっそれなんだけど、そこにシャワー室があるから使って」

真美「えっそこまでしなくても……」

伊織「こっちの不手際でこうなったんだからあんたは気にしなくていいのよ、使って」

真美「わかった、んじゃ借りるね」

伊織「ええ、ゆっくり浴びてきていいわよ」

真美「うん、ありがといおりん!」

伊織「……」ニヤニヤ

繁華街

真(おかしいな、何回掛けても真美に繋がらない……)

亜美「ねーはるるーん、次はあそこ行こ!」

春香「はいはい、わかったから走っちゃだめだよ」

真「ねえ、亜美」

亜美「えっ!?な、なんだまこちんか……びっくりしたー」

真「真美って今どこにいるか知ってる?」

亜美「真美?真美ならいおりんの家に遊びに行ってるよ?」

真「それってもしかして、2人きりで……とか?」

亜美「うん、2人きりで遊ぶって言ってたけど……」

真「……」ダッ

亜美「えっちょっとまこちん!?」

春香「もう行っちゃったよ……でもどうしたんだろ?」

亜美「さあ?」

シャワールーム

真美「さっすがいおりん、シャワールームもすっごいゴージャスですなあ」

真美「ふう……んじゃ着替えて戻ろっかな」

真美「……あれ?」

真美「真美の服、どこいっちゃったのかな……あっいおりんが代わりの用意してくれたとか!」

真美「……」キョロキョロ

真美「あっこれかも」スッ

真美「え///」

真美「何これ……白……ってより透明に近いドレス?」

伊織「真美ーそろそろ出たかしら?」

真美「い、いおりん!?」

伊織「まだだった?それならそれでゆっくり浴びてていいわよ」

真美「ね、ねえいおりん!」

伊織「何?」

真美「真美の服、どこやったの?」

伊織「ああ、それなら汚れちゃったからクリーニングに出しておいたわよ」

真美「えっと……じゃあ着替えってもしかしてやっぱり……」

伊織「ええ、そこに置いておいたけど、気に入らなかったかしら?」

真美「こ、これは流石に恥ずかしいってゆーか……」

伊織「ごめんなさい、急だったからこれしか用意できなかったのよ」

真美「そ、そうなんだ……」

伊織「それじゃ私は準備しておくから着替え終わったら出てきなさいよね」

真美「う、うん……」

真美(うう……恥ずかしいけど仕方ないよね……)スッ

伊織の部屋

真美「おまたせ、いおりん」

伊織「ふふっ待ちくたびれたわよ真美」

真美「ごめん、待たせちゃった?」

伊織「別にそこまで待ったわけじゃないわよ、それじゃこっちに来なさい」

真美「うん」スタスタ

伊織「……」ガシッ

真美「!?」

伊織「……やっぱあんた、可愛いわ」

真美「えっ!?」

伊織「ねえ、知ってる?私ね、あんたのこと大好きなのよ?」

真美「な、何言ってんのいおりん?」

伊織「あんたに抱きつかれた時とかね、すっごく興奮したわ」

真美「え……」

伊織「怖がらなくても大丈夫よ、あんたは私に身をまかせるだけでいいの」

真美「いや……」

伊織「私ね、あんたの思春期特有の匂いも、ふくらみかけの胸も、全部全部好きなの」

真美「っ!?」ダッ

ガチャガチャ

伊織「無駄よ、ここからは逃げられないわ」

真美「なんで……」

伊織「やっと2人きりになれたわね、真美」スタスタ

真美「来ないで……」

伊織「あら、どうしてそんなこと言うの?私達友達でしょ?」

真美「友達なら……なんでこんなこと……」

伊織「ああごめんなさい、正確には友達だったわよね」

真美「いおりん、お願い……いつものいおりんに戻って……」

伊織「何言ってるのよ、これが本当の私よ?」

真美「いや……」

伊織「これからは私達、恋人になるんだから……さあ、一緒にベットに行きましょ、真美」ガシッ

真美「離して!」

伊織「暴れても無駄よ、ここからは絶対に逃げられないんだから」

真美「やだ……やだよぉ……」

伊織「あんた、少しは警戒心とか持ちなさいよね……こんな服しか用意しない時点で普通不審に思うでしょ」

真美「誰か……」グスッ

伊織「ふふっそんな泣きながら懇願されても余計興奮するだけなのよね」ガバッ

真美「っ!?」

伊織「大人しく私に抱かれなさい……真美」スッ

真美「まこ……ちん……」

バンッ

伊織「!?」

真「はい、そこまで」

伊織「な、なんで……ちょっと何やってるのよ!誰も入れるなって言って」

真「ああごめん、なかなか入れてくれないからおねんねしてもらってるよ」

伊織「そんな……あれだけの数を1人でなんて……」

真「でもまあ、そっちの方がもっと大変なことしてるみたいだしお互い様かな?」スタスタ

伊織「くっ……」

真「はあ、それにさ……勝手に人のペットを盗まないでくれるかな?これはボクのペットだから」スッ

真美「っ!?」

真「と言ってもまあ、誰にも貸すつもりなんてないけどね、ボク専用のペットだし」

伊織「……なんなのよ……あんた」

真「ボク?この子の飼い主だけど?」

伊織「ふっ……ふふふ……」

真「まあそういうことで、真美は返してもらうよ?変態お嬢さん?」

伊織「ふんっ勝手にすればいいじゃない」

真「それじゃあ行こうか、真美」

真美「う、うん……」

帰り道

真「ああそうだ、これ着ていいよ」スッ

真美「えっ……」

真「そんな格好で外歩かせるわけにはいかないからね」

真美「……あ、あのさ……まこちん」

真「何?」

真美「ありがとね……」

真「……真美ってさ、結構騙されやすいよね」

真美「え?」

真「普通気付くでしょ、今までの反応見てればさ」

真美「う、うるさいな……」

真「まあ……だからこそ守りがいがあるんだけどね」

真美「何か言った?」

真「いや別に……そういえば真美、ボクの名前呼んだでしょ?」

真美「うえっ!?よ、呼んでないよ!」

真「ほんとに?」

真美「う……それは……」

真「ふふっ……やっぱり呼んだんだ?」

真美「べ、別にいいっしょ!」

真「まあ、そうだね……ああいう状況に陥った時、真っ先にボクの名前呼んでくれたのはやっぱり嬉しいし」

真美「……」ドキドキ

真「さて、それじゃ早く帰ろうか」

真美「そだね……」

伊織の部屋

伊織「……」

執事「申し訳ございませんでした、伊織様」

伊織「もういいわよ、下がりなさい」

執事「……」ガチャッバタンッ

伊織「……ま、そう簡単にはいかないか」

伊織「ふふっ……見てなさいよ……次こそは絶対私の物にしてやるんだから」

翌日

真美「おはよー」

伊織「!?」

真美「あっおはよ、いおりん」

伊織「……なんであんた、普通に話かけられるのよ……私は昨日あんたを襲おうとしたのよ?」

真美「うーん……でもいおりんはいおりんだし、いきなり態度変えるとかできないよ」

伊織「何よそれ……ばっかじゃないの」

真美「まあ昨日のは流石に驚いたけど、いおりんとはずっと友達でいたいと思ってるし……ダメかな?」

伊織「……はあ、もうなんか色々吹っ切れたわ」

真美「え?」

伊織「昨日一晩中悩んでた私がばかみたいじゃない……」

真美「ええと、んじゃ、これからも友達でいられるってことでいいの?」

伊織「ええ、まあせいぜいあの変態王子とよろしくやってなさいよ」

真美「ま、まこちんは今は関係ないっしょ!」

伊織「はいはいそうね」

ガチャッ

真「おはよう」

真美「あっおはよーまこちん」

伊織「ふんっ……」

真「おはよー伊織」

伊織「何よ、私をばかにしてるわけ?」

真「別に?」

伊織「……まだ諦めたわけじゃないんだから、覚悟しておきなさいよね」

真「……ふふっ望むところさ、変態お嬢さん?」

伊織「ふんっ後で泣く羽目になっても知らないんだから、変態王子様?」

真美「なんかわかんないけど2人とも仲直りできたのかな?」

真「まあそんなところかな」

伊織「とりあえず今はそういうことにしておいてあげるわ」

ガチャッ

律子「おはよう」

真美「おはよーりっちゃん」

律子「おはよう、今は3人だけかしら?」

伊織「ええ、そうだけど」

律子「実は話しておきたいことがあるんだけど、ちょっといいかしら?」

真「うん」

律子「最近ここら辺一帯で掏りが出てるらしいのよ、だからなるべく大金は持ち歩かないようにね?」

真美「んっふっふー、掏りなんて真美がやっつけてあげるよりっちゃん!」

真「……」

伊織「ええ、わかったわ」

律子「それじゃあそういうことで、今日も1日頑張って行きましょうね」

真美「うん!」

伊織「ねえ律子、ちょっと次の撮影のことで聞きたいことがあるんだけど」

律子「そう、それじゃあ向こうで話しましょうか」

真「……真美、さっき律子も言ってたけど、あまり大金を持ち歩いちゃダメだからね?」

真美「もう、そのくらいわかってるよ→」

真「……ならいいけど」

繁華街

真美「ふんふんふーん」タッタッタ

ドンッ

男「……」スッ

真美「あっ……ごめんなさい」

男「いえ」スタスタ

男「ふふっ……」

真「そこのお兄さん、ちょっといいかな?」

男「な、何だよ?」

真「さっきぶつかった子から取ったもの、出して?」

男「は?」

真「はあ……あまり手荒なまねはしたくないからさ、さっさと出してくれる?」

男「な、何が言いたいのかわからないな」

真「痛い目に遭いたくなかったらさっさと出した方が身のためだよ?」

男「……」ダッ

真「おっと」ガシッ

男「は、離せよ!」

真「……ボクと本気で喧嘩してみる?」ギロッ

男「ひっ……」

真「さあ、どうするの?」

男「……これでいいんだろ」スッ

真「……次からはこういうことはしないようにね?」

男「くそっ……」

真「それじゃ、そこにちょうど交番あるし、後はおまわりさんにまかせようかな」

男「なっ!?」

警察「ちょっとお話聞かせて貰うけど、いいよね?」

男「……はい」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真美「次はどこ行こうかなー」

真「真美」

真美「えっ!?な、なんだまこちんか」

真「財布、落としてたよ」スッ

真美「あ、ありがと……」

真「……ふふっ」

真美「な、何がおかしいの?」

真「いや、やっぱり真美にはボクがついてないとだなって」

真美「?」

真「ごめん、なんでもないよ」

真美「それよりまこちん、折角だしどっか一緒に行こ?」

真「えっ!?」

真美「どったの?」

真「いや……真美の方から誘ってくれるなんて珍しいなと」

真美「むうー……真美から誘ったらダメなの?」

真「そういうことじゃないよ……それじゃあ行こうか」

真美「うん!」

数日後

律子「真、真美、春香、ちょっと来てくれるかしら」

真美「なになにー?」

春香「どうしたんですか?律子さん」

律子「今度の新曲のHoney Heartbeatについてなんだけど、3人に歌ってもらうことになったから」

真美「えっほんとに!?」

春香「それじゃ春香さん精いっぱい頑張っちゃいますよ!」

律子「じゃあそういうことでよろしくね」

真美「はーい」

春香「あっ真美、今日は一緒にレッスンだったよね?そろそろ行かない?」

真美「うん!んじゃレッツらゴ→」

真「……春香、ちょっといい?」

春香「うん、何?」

真「真美のこと、よろしくね」

春香「心配しなくていいよ、私がしっかり見ておくから」

真「……手助けするならさ、あからさまにするんじゃなくて、気付かれないようにそっと手助けしてあげて」

春香「えっ……なんで?」

真「真美ってさ、何でも1人でやろうとして頑張りすぎちゃうから……手助けすると余計にね」

春香「そっか……」

真「じゃあ、よろしくね」

春香「うん、わかった」

数日後

真美「今日はめっちゃ楽しみだね!」

春香「そうだね、初めてのお披露目だし」

律子「それじゃ3人とも、私もプロデューサーも仕事があって現場には行けないけど頑張ってきてね」

春香「はい!」

真「真美、いつも通り緊張しないで行こうね」

真美「うん!」

スタジオ

春香「2人とも最終確認は終わった?」

真美「うん!バッチリだよ!」

真「ボクも準備は万全だよ」

春香「そっか、それじゃ頑張ろうね!」

真「うん、そうだね……」

真美「……まこちん?なんか顔色悪いけど平気?」

真「うん、元気バリバリだよ」

真美「そっか……」

真「……」フラッ

春香「真っ!?」

真「ごめん、ちょっと足が滑っただけだよ」

真美「まこちん、やっぱり調子悪いんじゃ……」

真「平気だって、さっきも言ったでしょ?準備万全だって」

春香「本当に大丈夫なの?」

真「うん、紛らわしいことしてごめん」

春香「それならいいけど……」

真美(あれ、上から何か……)

春香「真美っ!危ない!」

真「っ!?」バッ

ガシャンッ

真美「え……」

真「真美、怪我ない?」

真美「ま、まこちん……」

スタッフ「君!大丈夫か!」

真「はい、何ともありませんよ」

スタッフ「しかし手当を……」

真「本当に何ともありませんから」

春香「真、一応手当してもらった方が」

真「春香、本当に平気だから心配しなくていいよ」

真美「でも、まこちん……」ギュッ

真「っ!?」

真美(あ……やっぱり腕、怪我してるんだ……)

春香「本当に大丈夫なの?真?」

真「さっきからそう言ってるでしょ、平気だって」

春香「そっか……わかった」

真美「待って!」

真「真美」ギュウ

真美「え……」

真「ご主人様の言うことが聞けないのかな?」

真美「でも!」

真「真美はボクのペットなんだから……ご主人様にまかせないとダメでしょ?」

真美「まこちん!今はふざけてる場合じゃ」

真「……まったく、言うことが聞けない子にはこうだ」チュッ

真美「!?」

真「……さて、そろそろ始まるみたいだし、行こうか」

春香「真……うん、わかった!」

真美「まこちん……」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真「はあ……はあ……」

真美「はるるん!救急車呼んで!早く!」

春香「え?」

真美「まこちん、本当は腕、すごくひどい怪我してる……それに熱も……」

春香「わかった!」ダッ

真「くっ……はあ……はあ……」

真美「なんで……なんでそこまでするの?」

真「なんでって……こんなことくらいで中止にするわけにはいかないでしょ?」

真美「こんなことって……」

真「それに、今日ボク達のステージを見るために来てくれたファンに申しわけないじゃないか」

真美「本当に……本当にそれだけが理由なの?」

真「……真美、今日のステージ、すごく楽しみにしてたから」

真美「!?」

真「ボクのせいでその楽しみを潰すのが我慢できなかったんだ」

真美「そんなことされたって……そんなことされたってぜんぜん嬉しくなんかないよ!」ポロポロ

真「……」

真美「そんなことより……まこちんが傷つく方が真美は……」グスッ

真「……ごめん」ギュウ

真美「まこちん?」

真「でも……それでもボクにだって譲れないものがあるんだよ」

真美「……」

真「真美、今日のステージ……楽しかった?」

真美「……うん」

真「ふふっ……それならよかった」

翌朝

真「……ううん」

真美「あ、おはよ……まこちん」

真「真美……ずっとついててくれたの?」

真美「うん……」

真「そっか、ありがと……それにしても大袈裟だよね、少し腕怪我したくらいで入院なんてさ」

真美「真美のパパの病院なんだから、まこちんは気にしなくていいの」

真「そう……」

真美「あっそうだ、お粥作ったんだけど食べる?」

真「うん……あれ、真美って料理苦手じゃなかった?」

真美「そだけど……でもまこちんに食べて欲しくて……」

真「そっか、じゃあいただこうかな」

真美「それじゃ、はい」スッ

真「……ボク、利き腕怪我してるんだけど」

真美「えっ……」

真「だからさ……」

真美「……もう、仕方ないな……はい、あーん」スッ

真「あーん」パクッ

真美「ど、どうかな?」

真「……あんま美味しくないね」モグモグ

真美「なっ!?」

真「ごめん、嘘でも美味しいって言えばよかった?」

真美「いいよ!じゃあ真美が食べるから!」

真「……食べるよ」

真美「え?」

真「真美がボクのために作ってくれたものだもん、残せるわけないでしょ?」

真美「うぁ///」

真「……ふふっ」

真美「もう……なんかむかつく……」

真「……」ジー

真美「な、何見てんの?」

真「いや、別に」

真美「……まこちんのばか」

数日後

真「ふう、やっと退院できた」

伊織「あ……」

真「あれ、おはよー伊織」

伊織「……あんた、真美のこと庇って怪我したのよね?」

真「そうだけど」

伊織「ほんと……どこまで行ってもあんたはあんたなのね」

真「?」

伊織「どうせあんた、真美のためなら自分の命も平気で投げ出すんでしょ?」

真「……それじゃ、ダメなんだよね」

伊織「はあ?」

真「だってさ、ボクが死んだら……真美が悲しむでしょ?」

伊織「はあ……どこからそんな自信が沸いて出るんだか」

真「……そりゃあ、真美はボクのことが大好きだろうからね」

伊織「ほんといちいちむかつくわよね、あんたは」

真「ふふっ……」

ガチャッ

千早「真!私達の妹を守ってくれてありがとう」ペコリ

貴音「誠に感謝いたします」ペコリ

真「あーはいはい、どういたしまして……伊織、後はまかせた」ダッ

伊織「はあっ!?ちょっと待ちなさいよ!」

千早「水瀬さん!今日は青よね!」

貴音「いいえ、赤です、これだけは譲れません」

伊織「な、何がよ?」

千早「何がって……決まってるでしょ?」

貴音「今日の真美のパンツの色ですよ」

伊織「何言ってるのよ?ピンクに決まってるでしょ?」

千早「えっ」

貴音「はて?」

伊織「あ……な、何でもないわよばかー!」ダッ

レッスン場

真美「はあ、疲れた……」

真「お疲れ様、真美」

真美「まこちん!?もう動いて平気なの?」

真「うん、今日で退院の予定だったし」

真美「そっか……」

真「……ふふっ」

真美「……何?」

真「いや、汗まみれの真美ってなんかそそるなと思って」

真美「はあ……パパに言ってもう少し入院させてあげよっか?」

真「ごめん、冗談だよ……それじゃ事務所戻ろうか」

真美「そだね……」

事務所

真「ただいまー」

春香「おかえり」

真美「あっそうだ!冷蔵庫にプリン3個入れてあったはずだから3人で食べよ?」

春香「えっほんとに!?」

真美「うん!んじゃちょっと取ってくるー」タッタッタ

春香「ありがとね、真美」

真美「……」パカッ

真美「あれ?」

真「どうかしたの?」

真美「なくなってる……」

春香「えっ……」

真美「あれー……たしかに朝事務所に来てから入れたはずなのに」

春香「私が帰ってきた時は貴音さんと千早ちゃん以外誰もいなかったけど……」

ガチャッ

貴音「ただいま戻りました」

春香「あっ貴音さん、冷蔵庫のプリン知りませんか?」

貴音「はて?私には何のことやら……」

真美「そっかー……まあ仕方ないよね、なくなっちゃったもんは戻ってこないし……」

貴音「!?」

春香「どうかしたんですか?貴音さん?」

貴音「いえ……もしかしたら私が無意識の内に食してしまったかもしれません」

真美「えっ……」

貴音「ですから真美、私が同じ過ちを犯さぬようお仕置きしていただけませんか?」

春香「ええー……」

千早「待ってください四条さん!プリンを食べたのは私よ!」

貴音「何を言っているのですか千早?私が食べたのですよ?」

千早「いいえ、私が食べました、よってお仕置きされる権利は私にあります」

貴音「千早、でたらめを言うのはほどほどにしたらどうですか?」

春香「……はあ、真美」

真美「何?」

春香「軽くでいいからお仕置きしてあげて」

真美「うん、わかった……千早お姉ちゃん!お姫ちん!」

貴音「は、はい!」パァァ

千早「どうしたの、真美?」ワクワク

真美「お、お仕置きしてあげるから跪きなさい!」

貴音「はい!喜んで!」

千早「同じく!」

真「はいはい、ちょっといいかな?」

貴音「な、何ですか真?私は早くお仕置きされたいのですが」

千早「そうよ、話があるなら後にしてもらえるかしら?」

真「残念だけど、真美にお仕置きするのもされるのも、ボクの特権だから」スッ

真美「ちょっとまこちん!?」

真「ごめんね、その代わり……ボクがたっぷりお仕置きしてあげるからさ」ニッコリ

貴音「い、いえ……私、急にらぁめんを食したくなって参りました」

千早「わ、私も次のレコーディングの準備が……」

真「何言ってるんだよ、遠慮することないでしょ?」

春香(ご愁傷様……)

数分後

貴音「……」ピクピク

千早「……」ピクピク

春香「ほんと容赦ないなあ……まさか気絶するまでくすぐり続けるなんて」

真「まあこれに懲りてもうふざけたことは言わないでもらいたいね」

真美「でも誰が食べたのかな……真美のプリン」

春香「そういえばまだ犯人見つかってないんだっけ……」

ガチャッ

小鳥「ただいま戻りましたー」

春香「お帰りなさい、小鳥さん」

小鳥「あら、千早ちゃんと貴音ちゃんはどうしてこんなところで寝てるの?」

春香「ええと……まあ色々ありまして……」

小鳥「そう……あっそれより、冷蔵庫にあったプリンなんだけど」

真美「ピヨちゃん誰が食べたか知ってるの?」

小鳥「あの……実は私が……」

真美「えっ……」

小鳥「すごくお腹が空いててつい食べちゃったのよ……」

春香「そうだったんですか……」

小鳥「あっでも、その代わり新しいのを買ってきたわよ、ほら」スッ

真美「ほんとだ!んじゃ貰っていいの?」

小鳥「ええ、あのプリンは真美ちゃんのだったのよね?」

真美「うん!」

小鳥「それじゃあいいわよ、あっ春香ちゃんと真ちゃんもどうぞ」

春香「ありがとうございます、小鳥さん」

真「ありがとうございまーす」

数日後

真美「ふんふんふーん♪」

真「あれ、真美だ」

真美「うえっ!?な、なんだまこちんか……」

真「何してるの?」

真美「ショッピングだけど……って何でいつもいつも真美の行くところにまこちんがいるの!」

真「いや、ボクが行くところにいつも真美がいるんじゃないか」

真美「まこちん、もしかして真美のことストーカーしてる?」

真「するならもっと堂々とするよ」

真美「ふーん、そっか」

真「それより真美、これからどっか行かない?」

真美「うん、いいけど」

真「よかった、じゃあどこ行きたい?」

真美「うーん……あっそれじゃあまこちんの家行きたい!」

真「そっか、じゃあ行こう」

真美「うん!」

菊地家

真美「お邪魔しまーす」

真「まあ、この時間は父さんも母さんもいないんだけどね」

真美「そうなんだ」

真「……はあ、真美ってさ」

真美「?」

真「ほんと……無防備すぎ」ガバッ

真美「えっ!?」

真「ボクの家に来たいってことはさ……こういうことされるのも承知の上だったんだよね?」

真美「ま、まこちん?」

真「だからさ、ほんと……守ってあげたくなっちゃうんだよね」ギュウ

真美「え?」

真「好きだよ、真美」

真美「す、好きって……えええええええ!?」

真「どうしたの?」

真美「な、何言ってんの急に///」

真「……」

真美「え……本気、なの?」

真「……さあ、どうだろうね」

真美「もう、どっちなの!」

真「真美は……どう思った?」

真美「え?」

真「ボクに好きって言われて……どう思ったの?」

真美「……わかんないよ」

真「……そう」

真美「いきなりすぎて、まだ混乱してるし……」

真「ごめん、変なこと言って……今のは忘れて」

真美「忘れてって……無理だよ……」

真「……だよね、ごめん」

真美「……」

真「お詫びに昼でも御馳走するよ、何が食べたい?」

真美「えっ……じゃあ、ハンバーグが食べたい」

真「わかった、それじゃ作るから待ってて」

真美「まこちん、料理できんの?」

真「まあ多少はね」

真美「そうなんだ……」

真「じゃあ、いい子で待ってるんだよ?」

真美「何その言い方……なんかむかつく」

真「ふふっ……」

真美「ふんっ……」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真「真美、おまたせ」

真美「……美味しそう」

真「そっか、それじゃ食べよう」

真美「そだね、いただきます」

真「いただきまーす」

真美「はむっ……」

真「……」モグモグ

真美「あ……美味しい」

真「当たり前でしょ、ボクが作ったんだし」

真美「まこちんのくせに……」

真「あはは、ひどい言われようだなあ……」

真美「でも……めっちゃ美味しいよ……ありがと」

真「っ!?」

真美「どったの?」

真「いや……なんでもない」

真美「ふーん、変なの」

真「……真美ってさ、ほんと……ずるいよね」

真美「何が?」

真「そういうところが」

真美「?」

真「ふふっ……」

数日後

春香「ねえ、真」

真「ん、何?」

春香「そろそろさ、教えてくれてもいいんじゃない?」

真「何を?」

春香「だからさ……なんで真美にだけあんな態度取るのか」

真「……はあ、しつこい女は嫌われるよ?」

春香「でも気になるんだよー」

真「……いいよ、教えてあげる」

春香「ほんとに!?」

真「うん……」

春香「それでなんでなの?」

真「真美と出会う前さ、ボクって……女の子が嫌いだった」

春香「……え?」

真「いつもいつも真様真様ってさ、うるさいし……正直限界だったんだよね」

真「まあ、全員が全員そうじゃないってことくらいわかってるけど……もう我慢できなかった」

春香「そうなんだ……」

真「それに男子だって……いつも男女とか言ってからかってくるしさ……」

真「それでもう……誰も信じられなくなってた」

春香「なんか……結構重い話だね……」

真「でもさ、真美に出会った時……真美はさ、男とか女とか関係なく、等身大のボクに接してくれたんだ」

真「もちろん、事務所の皆もだけどね」

春香「それじゃあなんで、真美だけなの?」

真「……最初はさ、悪戯された仕返しに少しからかってみたら、反応が面白かったから」

真「それだけだった……でもさ、真美がある時言ったんだ……かっこいいボクもかわいいボクも……両方好きだってさ」

春香「それって……」

真「もちろんあの時の真美は小学生だったから、深い意味で言ったんじゃないと思うけどね」

真「……でもさ、その時のボクは……あの言葉で救われた」

春香「そっか……」

真「まあ、それでかっこいいのもかわいいのも、両方ともボクの魅力なんだなーって思ってさ」

春香「あはは、たしかにそうだね」

真「まあ、そんなところかな」

春香「ありがとう、真……やっぱ人には話ずらいことだったよね……」

真「いや、話せて少し気が楽になった気がするよ、ありがとう春香」

春香「ううん、無理に聞いちゃってごめんね」

真「……今の話はさ、真美には秘密にしてくれるかな?」

春香「うん、というか誰にも言うつもりなんてないって」

真「そっか、ありがと」

春香「それじゃ、私そろそろ帰るね」

真「うん、お疲れ様」

――――――――――――

―――――――――――

――――――――――

真美「ただいまー」

美希「あっおかえりなの、真美」

真美「今はミキミキしかいないの?」

美希「うん、ミキがお昼寝してる間に皆どっか行っちゃったみたい」

真美「そっか」

美希「ねえ真美、それで真クンとはどこまで進んでるの?」

真美「えっ!?す、進んでるって何?」

美希「えっ……もしかして真美、まだ真クンと付き合ってないカンジ?」

真美「な、何でまこちんなんかと付き合わなきゃいけないのさ!」

美希「真美ってさ、もしかしてS?」

真美「どゆこと?」

美希「はあ……無自覚って1番の罪だと思うな」

真美「ごめん、ミキミキが何言いたいのかよくわかんないんだけど」

美希「真美、あまり真クンに我慢させすぎちゃダメだよ?」

真美「?」

美希「それじゃミキ、そろそろ帰るね」

真美「うん……んじゃまた明日」

美希「またねー」

数日後

真「おはよう」

真美「あっおはよ、まこちん」

真「おはよう、真美」

真美「……ねえ、まこちん」

真「何?」

真美「えっと……まこちんって、真美に対して何か我慢してる?」

真「……何でそう思うの?」

真美「えっ!?えっと……ちょっと気になったってゆーか」

真「……してるよ」

真美「!?」

真「でも、まだ気付いてくれないんだね……」

真美「え?」

真「……」ギュウ

真美「ま、まこちん!?」

真「まだわからない?」

真美「……わかんないよ///」

真「じゃあ……なんで真美、そんな顔赤くしてるの?」

真美「っ!?」ドキッ

真「本当に、わからない?」

真美「うぁ///」

真「……ごめん、またからかいすぎちゃった」

真美「……」ギュッ

真「真美?」

真美「わかんないよ……わかんないけど……何でまこちんといると、こんなドキドキするの?」ドキドキ

真「何言って……」

真美「いつもからかってくるくせに、いざって時は助けに来るし」

真美「変な冗談言ったかと思えば、急に真面目な話してくるし」

真「真美、落ち着いて」

真美「いつもいつも、真美の味方するくせに、たまに意地悪するし」

真美「わかんないよ……ぜんぜんわかんないのに……なんでこんな……」

真「……真美ってさ、ボクと目が合うと、必ず右側に目逸らすよね」

真美「……え?」

真「何で逸らすのかな?」

真美「何言ってんの、逸らしてなんか」

真「逸らしてるよ……さっきも逸らしてた」

真美「えっ……」

真「ボクはさ、最初はからかうと反応が面白いから真美にちょっかい出してた」

真「でもさ、色々な真美の姿を知って行く内にさ、それだけが理由じゃなくなってた」

真「それでさ、いつの間にかそのすべての真美を……ボクだけのものにしたくなってた」

真美「まこちん?」

真「ごめん……ボク、かなり独占欲が強いみたいなんだ……」

真美「……」

真「本当はさ……真美だって……ボクに我慢してること、あるんじゃないの?」

真美「……あるよ……なんで、まこちんは女の子のはずなのに……真美、まこちんのこと」

真「男の子とか女の子とか、関係ないでしょ……そんな些細な理由で我慢することなんてないんだよ」

真美「あのね、まこちん……真美、ほんとはいつも、まこちんに抱きしめられたり、キスされたりするの……嬉しかった」

真美「それでいつの間にか……まこちんと会う時、いつもそういうことされるの、期待するようになってた」

真「ボクもさ、何を我慢してるかって言われると、色々あるんだけど……今思ってることを正直に言うと……」

真「……好きだよ、真美」

真美「っ!?」

真「もう……我慢しなくていいんだよね?」

真美「……うん」

真「……」チュッ

真美「ん……」

真「……可愛いな、真美は」

真美「うるさい……まこちんのばか」

真「ふふっ……それじゃあこれで堂々といろんなことできるね」

真美「な、何言ってんの///」

真「あれ、真美は何を想像したのかな?」

真美「……またそうやって意地悪する」

真「ごめん……だけどこれで、やっとボクのものだ」ギュウ

真美「……ばか」

真「いいよ、ばかで……」

真美「……でも、好き」

真「ボクもだよ……絶対に離さないからね」

真美「真美だって……絶対に離さないもん」

END

終わりです。読んでくれた方、支援してくれた方ありがとうございました

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